JP2002206908A - 多軸変位計 - Google Patents

多軸変位計

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JP2002206908A
JP2002206908A JP2001003273A JP2001003273A JP2002206908A JP 2002206908 A JP2002206908 A JP 2002206908A JP 2001003273 A JP2001003273 A JP 2001003273A JP 2001003273 A JP2001003273 A JP 2001003273A JP 2002206908 A JP2002206908 A JP 2002206908A
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displacement
long side
bridge circuit
longitudinal direction
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JP2001003273A
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Inventor
Kazunori Yamaga
一徳 山賀
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Tokyo Sokki Kenkyujo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Sokki Kenkyujo Co Ltd
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】小型で簡略な構成で複数方向の変位量測定を行
うことができる多軸変位計を提供する。 【解決手段】二軸変位計1は、長円環状の起歪体2を具
備し、この起歪体2の各長辺部7,8の長手方向の中央
部7a,8aが、これらに結合された取付け部材3,4
を介して変位測定箇所に設置される。起歪体2には、ひ
ずみゲージ15a〜15d,16a〜16dが貼着さ
れ、これらのひずみゲージによって、両取付け部材3,
4の、長辺部7,8の長手方向における変位量に応じた
出力を発生するブリッジ回路と、長辺部7,8の並列方
向における変位量に応じた出力を発生するブリッジ回路
とが構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多軸変位計に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、土木、建設等の分野で地山、地
中、構造物等の測定対象物の2点間の変位を測定する変
位計は、測定対象物の二つの部位に該変位計に備えた取
付け部材を介して固定される。そして、それらの二つの
部位間にある特定方向で変位が生じると、その変位量に
応じた出力信号を発生し、その出力信号に基づいて該変
位量が測定される。この場合、該変位量に応じた出力信
号は、例えば変位計に内蔵した起歪体及びこれに貼着し
たひずみゲージを用いて生成される。
【0003】尚、変位計により測定する変位量は、上記
二つの部位のいずれか一方の部位に対する他方の部位の
相対的な変位量であるので、本明細書では、測定対象物
の二つの部位のうち、測定する変位量の基準とする部位
(この部位は上記二つの部位から任意に選択してよい)
を変位基準部と称し、他方の部位を変位発生部と称す
る。この呼称は、単なる便宜上のもので、変位基準部が
不動であるということを意味するものではない。
【0004】従来のこの種の変位計は、ある一つの方向
での変位量のみを測定可能とした1軸変位計である。
【0005】このため、二つ、あるいは三つの方向等、
複数方向での変位量を測定しようとする場合には、複数
個の変位計を組付けることで多軸変位計を構成し、それ
を用いて、複数方向の変位量を測定することが一般に行
われている。
【0006】しかしながら、このように複数個の1軸変
位計を組付けて構成した多軸変位計では、各方向の変位
量を適切に測定するためには、専用の冶具を用いて複数
個の変位計を組付けなければならない等、その組付け作
業に手間を要するものとなっていた。また、複数個の1
軸変位計を組付けて構成した多軸変位計では、その構成
が大型化せざるを得ず、このため、所望の測定対象に該
多軸変位計を設置することが困難となる場合も多々ある
という不都合があった。
【0007】また、鉛直方向(重力方向)と直交する方
向(水平方向)での変位量を測定する場合、傾斜計を用
いて該鉛直方向と直交する二つの方向での傾斜角度を測
定し、その測定した傾斜角度から傾斜計を設置した箇所
の水平方向の変位量を測定する場合もある。しかしなが
ら、このような測定手法では、水平方向での変位量しか
測定できないと共に、測定した傾斜角度から変位量を求
める演算処理が必要となってしまうという不都合があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑みてなされたものであり、小型で簡略な構成で複数方
向の変位量測定を行うことができる多軸変位計を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の多軸変位計は、
二軸変位計と三軸変位計とがあり、二軸変位計は二つの
態様がある。そして、本発明の二軸変位計の第1の態様
は、弾性変形が可能な帯状部材により長円環状に形成さ
れ、変位測定の際に、その一対の長辺部のうちの一方の
長辺部の長手方向の中央部が固定部として、変位を測定
しようとする変位発生部に対する変位基準部に固定され
ると共に、他方の長辺部の長手方向の中央部が変位作用
部として、前記変位発生部に固定される起歪体と、該起
歪体のあらかじめ定めた複数の特定部位にて該起歪体に
貼着された複数のひずみゲージと、前記起歪体の変位作
用部が前記固定部に対して前記両長辺部の長手方向に変
位したときにその変位量に応じた出力を発生するように
前記複数のひずみゲージのうちの所定の複数のひずみゲ
ージを接続して構成された第1ブリッジ回路と、前記起
歪体の変位作用部が前記固定部に対して前記両長辺部の
並列方向に変位したときにその変位量に応じた出力を発
生するように前記複数のひずみゲージのうちの所定の複
数のひずみゲージを接続して構成された第2ブリッジ回
路とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】かかる本発明の二軸変位計によれば、前記
起歪体は弾性変形が可能な帯状部材により長円環状に形
成されているため、該起歪体の前記変位作用部及びこれ
を固定する前記変位発生部が、前記固定部及びこれを固
定する前記変位基準部に対して該起歪体の長辺部の長手
方向に変位したとき、該起歪体は、その軸心線に対して
対称的な形状(図4参照)に弾性変形する。また、該起
歪体の変位作用部が該起歪体の両長辺部の並列方向(=
起歪体の長辺部の長手方向と該起歪体の軸心方向とに直
交する方向)に変位したときには、該起歪体は、その両
長辺部のそれぞれの長手方向の中央部を結ぶ直線に対し
て対称的な形状(図5参照)に弾性変形する。
【0011】このような起歪体の特徴的な弾性変形の形
状によって、複数のひずみゲージを該起歪体の適切な特
定部位に貼着したとき、それらのひずみゲージから、前
記起歪体の変位作用部が前記固定部に対して前記両長辺
部の長手方向に変位したとき、且つ、そのときにのみそ
の変位量に応じた出力を発生するような前記第1ブリッ
ジ回路(詳しくはホイートストンブリッジ回路。以下、
同様)と、前記起歪体の変位作用部が前記固定部に対し
て前記両長辺部の並列方向に変位したとき、且つ、その
ときにのみその変位量に応じた出力を発生するような前
記第2ブリッジ回路を構成することができる。
【0012】そして、このような第1及び第2ブリッジ
回路を備えることで、それらの各ブリッジ回路の出力に
基づいて、それぞれ前記両長辺部の長手方向と、これに
直交する方向である両長辺部の並列方向との2方向にお
ける前記変位発生部の前記変位基準部に対する変位量を
それぞれ把握することができる。
【0013】従って、本発明の第1の態様の二軸変位計
によれば、互いに直交する二つの方向の変位測定を行う
ことができると共に、このような二方向の変位測定が可
能な変位計の構成を、一つの起歪体を主要構成とする小
型で簡略なものとすることができる。
【0014】かかる本発明の第1の態様の二軸変位計で
は、前記複数のひずみゲージの起歪体への貼着部位(特
定部位)や、前記第1及び第2ブリッジ回路の構成形態
は、種々様々の形態がある。
【0015】例えばその一つの基本的形態では、前記起
歪体の前記一方の長辺部の固定部から該長辺部の長手方
向に第1所定間隔を有して該固定部の両側に存する二つ
の特定部位と前記他方の長辺部の変位作用部から該長辺
部の長手方向に前記第1所定間隔を有して該変位作用部
の両側に存する二つの特定部位とから成る四つの特定部
位のうちのあらかじめ定めた二つの特定部位にて前記起
歪体の外周面及び内周面にそれぞれ前記第1ブリッジ回
路用のひずみゲージとして貼着された4個のひずみゲー
ジと、前記起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該長
辺部の長手方向に第2所定間隔を有して該固定部の両側
に存する二つの特定部位と前記他方の長辺部の変位作用
部から該長辺部の長手方向に前記第2所定間隔を有して
該変位作用部の両側に存する二つの特定部位とから成る
四つの特定部位のうちのあらかじめ定めた二つの特定部
位にて前記起歪体の外周面及び内周面にそれぞれ前記第
2ブリッジ回路用のひずみゲージとして貼着された4個
のひずみゲージとを備える。このとき、起歪体の両長辺
部の長手方向の変位に応じた出力を発生する前記第1ブ
リッジ回路は、該第1ブリッジ回路用の4個のひずみゲ
ージを該第1ブリッジ回路の各辺に備えるように該4個
のひずみゲージを接続して構成することができ、起歪体
の両長辺部の並列方向の変位に応じた出力を発生する前
記第2ブリッジ回路は、該第2ブリッジ回路用の4個の
ひずみゲージを該第2ブリッジ回路の各辺に備えるよう
に該4個のひずみゲージを接続して構成することができ
る。
【0016】尚、前記第1所定間隔及び第2所定間隔
は、互いに異なる間隔であってもよいが、二つの方向の
それぞれの変位量の測定感度をできるだけ高める上で
は、それらの第1及び第2間隔ができるだけ小さな間隔
であることが好ましく、ひいては、起歪体の両長辺部の
長さに比して小さな同一間隔であることが好適である。
【0017】また、本発明の第2の態様の二軸変位計
は、弾性変形が可能な一対の同一材質の帯状部材により
それぞれ同一サイズの長円環状に形成され、その軸心を
互いに同方向に向けると共にその各長辺部を互いに平行
に延在させて並設された第1及び第2起歪体と、前記第
1起歪体の一対の長辺部のうちの一方の長辺部の長手方
向の中央部と前記第2起歪体の一対の長辺部のうちの一
方の長辺部の長手方向の中央部とをそれぞれ各起歪体の
固定部としてその両固定部に結合され、変位測定の際
に、変位を測定しようとする変位発生部に対する変位基
準部に固定される剛体状の固定部結合部材と、前記第1
起歪体の他方の長辺部の長手方向の中央部と前記第2起
歪体の他方の長辺部の長手方向の中央部とをそれぞれ各
起歪体の変位作用部としてその両変位作用部に結合され
ると共に、前記固定部結合部材に対して各起歪体の両長
辺部の並列方向に変位したときに両起歪体のうちの一方
の起歪体の両長辺部の中央部の間隔を広げ、且つ他方の
起歪体の両長辺部の中央部の間隔を縮めるように設けら
れ、変位測定の際に、前記変位発生部に固定される剛体
状の変位作用部結合部材と、前記第1及び第2起歪体の
あらかじめ定めた複数の特定部位に貼着された複数のひ
ずみゲージと、前記変位作用部結合部材が前記固定部結
合部材に対して両起歪体の長辺部の長手方向に変位した
ときにその変位量に応じた出力を発生するように前記複
数のひずみゲージのうちの所定の複数のひずみゲージを
接続して構成された第1ブリッジ回路と、前記変位作用
部結合部材が前記固定部結合部材に対して各起歪体の両
長辺部の並列方向に変位したときにその変位量に応じた
出力を発生するように、前記複数のひずみゲージのう
ち、両起歪体にそれぞれ貼着されたひずみゲージを含む
所定の複数のひずみゲージを接続して構成された第2ブ
リッジ回路とを備えたことを特徴とするものである。
【0018】かかる本発明の第2の態様の二軸変位計を
前記第1の態様の二軸変位計と対比して説明すると、前
記第1の態様の二軸変位計では、前記起歪体の両長辺部
の並列方向で前記起歪体の変位作用部が固定部に対して
変位したとき、その変位の向きによって、起歪体の弾性
変形の形状が相違する(図5(a),(b)を参照)。
このため、当該並列方向における変位の向きが相違する
と、変位量の大きさ(絶対値)が等しくても、一般に
は、前記第2ブリッジ回路の出力が異なるものとなる
(当該並列方向での変位の向きによって、第2ブリッジ
回路の出力が非対称となる)。尚、第1の態様の二軸変
位計では、前記起歪体の両長辺部の長手方向での変位に
関しては、その変位量の大きさが等しければ、その変位
の向きがいずれの向きであっても、同じような形状に起
歪体の弾性変形が生じるので(図4(a),(b)参
照)、前記第1ブリッジ回路の出力を当該長手方向の変
位の二つの向きに対して対称的なものとすることが可能
である。
【0019】このような第1の態様の二軸変位計に対し
て、本発明の第2の態様の二軸変位計では、前記変位発
生部に固定する前記変位作用部結合部材が、前記変位基
準部に固定する前記固定部結合部材に対して第1及び第
2起歪体の長辺部の長手方向に変位したときには、各起
歪体は互いに同じ形状(それぞれの起歪体の軸心に対し
て対称的な形状)に弾性変形する(図12参照)。そし
て、この場合、その変位量が同じであれば、その変位の
向きによらずに両起歪体の弾性変形の形状は同じような
形状になる。従って、両起歪体の長手方向での変位に関
しては、前記第1の態様の二軸変位計と同様、前記第1
ブリッジ回路の出力を当該長手方向の変位の二つの向き
に対して対称的なものとすることが可能である。
【0020】一方、前記変位作用部結合部材が固定部結
合部材に対して第1及び第2起歪体のそれぞれの両長辺
部の並列方向(=各起歪体の長辺部の長手方向と該起歪
体の軸心方向とに直交する方向)に変位したときには、
一方の起歪体は、その両長辺部の中央部の間隔が広がる
ように弾性変形し、同時に、他方の起歪体は、その両長
辺部の中央の間隔が縮まるように弾性変形する(図13
参照)。尚、いずれの起歪体の弾性変形の形状でも、そ
の形状は、各起歪体の両長辺部の中央部を結ぶ直線に対
して対称的な形状である。そして、この場合、第1及び
第2起歪体のそれぞれの弾性変形が上記一方の起歪体と
しての弾性変形となるか、上記他方の起歪体としての弾
性変形となるかは、変位作用部結合部材の固定部結合部
材に対する当該並列方向での変位の向きに依存し、しか
も、両起歪体の弾性変形の形状を合わせて考えれば、そ
の弾性変形の形状は、当該並列方向での変位の二つの向
きに対して対称的なものとなる。従って、両起歪体のそ
れぞれの両長辺部の並列方向での変位に関しては、両起
歪体にそれぞれに貼着されたひずみゲージを含むように
前記第2ブリッジ回路を構成することで、該第2ブリッ
ジ回路の出力を当該並列方向の変位の二つの向きに対し
て対称的なものとすることが可能となる。
【0021】そして、本発明の二軸変位計の第2の態様
は、上記のような第1及び第2ブリッジ回路を備えるこ
とで、それらの各ブリッジ回路の出力に基づいて、それ
ぞれ各起歪体の両長辺部の長手方向と、各起歪体の両長
辺部の並列方向との2方向における前記変位発生部の前
記変位基準部に対する変位量をそれぞれ把握することが
できる。しかも、このとき、当該長手方向及び並列方向
のいずれの方向の変位についても、その変位の二つの向
きに対して、各ブリッジ回路の出力を対称的なものとす
ることが可能となるため、該出力からの変位量の把握が
容易になる。
【0022】従って、本発明の第2の態様の二軸変位計
によれば、互いに直交する二つの方向の変位測定を良好
に行うことができる。
【0023】かかる本発明の二軸変位計の第2の態様で
は、前記第1の態様と同様、前記複数のひずみゲージの
第1及び第2起歪体への貼着部位(特定部位)や、前記
第1及び第2ブリッジ回路の構成形態は、種々様々の形
態がある。
【0024】例えば、その一つの基本的形態では、前記
第1起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該長辺部の
長手方向に第1所定間隔を有して該固定部の両側に存す
る二つの特定部位と、該第1起歪体の前記他方の長辺部
の変位作用部から該長辺部の長手方向に前記第1所定間
隔を有して該変位作用部の両側に存する二つの特定部位
と、前記第2起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該
長辺部の長手方向に前記第1所定間隔を有して該固定部
の両側に存する二つの特定部位と、該第2起歪体の前記
他方の長辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向に前
記第1所定間隔を有して該変位作用部の両側に存する二
つの特定部位とからなる八つの特定部位のうちのあらか
じめ定めた四つの特定部位にてそれぞれ前記第1ブリッ
ジ回路用のひずみゲージとして前記第1及び/又は第2
起歪体に貼着された4個のひずみゲージを有する。さら
に、前記第1起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該
長辺部の長手方向に第2所定間隔を有して該固定部の両
側に存する二つの特定部位と、該第1起歪体の前記他方
の長辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向に前記第
2所定間隔を有して該変位作用部の両側に存する二つの
特定部位とのうちのいずれか一方の二つの特定部位にて
それぞれ前記第2ブリッジ回路用のひずみゲージとして
該第1起歪体に貼着された2個のひずみゲージを有する
と共に、前記第2起歪体の前記一方の長辺部の固定部か
ら該長辺部の長手方向に前記第2所定間隔を有して該固
定部の両側に存する二つの特定部位と、該第2起歪体の
前記他方の長辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向
に前記第2所定間隔を有して該変位作用部の両側に存す
る二つの特定部位とのうちのいずれか一方の二つの特定
部位にてそれぞれ前記第2ブリッジ回路用のひずみゲー
ジとして該第2起歪体に貼着された2個のひずみゲージ
を有する。
【0025】このとき、両起歪体の長辺部の長手方向の
変位量に応じた出力を発生する前記第1ブリッジ回路
は、該第1ブリッジ回路用の前記4個のひずみゲージを
該第1ブリッジ回路の各辺に備えるように該4個のひず
みゲージを接続することで構成することができる。ま
た、各起歪体の両長辺部の並列方向の変位量に応じた出
力を発生する前記第2ブリッジ回路は、該第2ブリッジ
回路用の前記4個のひずみゲージを該第2ブリッジ回路
の各辺に備えるように該4個のひずみゲージを接続する
ことで構成することができ、しかも、該第2ブリッジ回
路の出力を、当該並列方向における変位の二つの向きに
対して対称的なものとすることが可能となる。
【0026】尚、第1の態様の二軸変位計の場合と同
様、前記第1所定間隔及び第2所定間隔は、互いに異な
る間隔であってもよいが、それらの第1及び第2所定間
隔ができるだけ小さな間隔であることが好ましく、ひい
ては、比較的小さな同一間隔であることが好適である。
【0027】また、本発明の第2の態様の二軸変位計で
は、前記第1及び第2起歪体は、その軸心を同心にして
並設され、前記固定部結合部材は、前記第1起歪体の一
方の長辺部の長手方向の中央部と、前記第2起歪体の一
対の長辺部のうち、該第1起歪体の他方の長辺部に隣接
する該第2起歪体の長辺部の長手方向の中央部とを各起
歪体の前記固定部として両固定部に結合され、前記変位
作用部結合部材は、前記第1起歪体の他方の長辺部の長
手方向の中央部と、前記第2起歪体の一対の長辺部のう
ち、該第1起歪体の前記一方の長辺部に隣接する該第2
起歪体の長辺部の長手方向の中央部とを各起歪体の前記
変位作用部として両変位作用部に結合されていることが
好適である。
【0028】これによれば、両起歪体の長辺部の長手方
向における変位、及び各起歪体の両長辺部の並列方向に
おける変位に対してそれぞれ前述のように両起歪体の弾
性変形を生じる二軸変位系の構成を小型で簡略なものと
することができる。
【0029】また、本発明の三軸変位計は、弾性変形が
可能な一対の同一材質の帯状部材によりそれぞれ同一サ
イズの長円環状に形成され、その軸心を互いに同方向に
向けると共にその各長辺部を互いに平行に延在させて並
設された第1及び第2起歪体と、弾性変形が可能な一対
の同一材質の帯状部材によりそれぞれ同一サイズの長円
環状に形成され、その軸心を前記第1及び第2起歪体の
軸心と直行する方向で互いに同方向に向けると共にその
各長辺部を互いに平行に延在させて並設された第3及び
第4起歪体と、前記第3起歪体の一対の長辺部のうちの
一方の長辺部の長手方向の中央部と前記第4起歪体の一
対の長辺部のうちの一方の長辺部の長手方向の中央部と
をそれぞれ該第3及び第4起歪体の固定部としてその両
固定部に結合され、変位測定の際に、変位を測定しよう
とする変位発生部に対する変位基準部に固定される剛体
状の固定部結合部材と、前記第3起歪体の他方の長辺部
の長手方向の中央部と前記第4起歪体の他方の長辺部の
長手方向の中央部とをそれぞれ該3及び第4起歪体の変
位作用部としてその両変位作用部に結合されると共に、
前記固定部結合部材に対して該第3及び第4起歪体のそ
れぞれの両長辺部の並列方向に変位したときに該第3及
び第4起歪体のうちの一方の起歪体の両長辺部の中央部
の間隔を広げ、且つ他方の起歪体の両長辺部の中央部の
間隔を縮めるように設けられ、さらに、前記第1起歪体
の一方の長辺部の長手方向の中央部と前記第2起歪体の
一方の長辺部の長手方向の中央部とをそれぞれ該第1及
び第2起歪体の固定部としてその両固定部に結合された
剛体状の起歪体間結合部材と、前記第1起歪体の他方の
長辺部の長手方向の中央部と前記第2起歪体の他方の長
辺部の長手方向の中央部とをそれぞれ該第1及び第2起
歪体の変位作用部としてその両変位作用部に結合される
と共に、前記起歪体間結合部材に対して該第1及び第2
起歪体のそれぞれの両長辺部の並列方向に変位したとき
に該第1及び第2起歪体のうちの一方の起歪体の両長辺
部の中央部の間隔を広げ、且つ他方の起歪体の両長辺部
の中央部の間隔を縮めるように設けられ、変位測定の際
に、前記変位発生部に固定される剛体状の変位作用部結
合部材とを備えるものである。そして、前記第1〜第4
起歪体のあらかじめ定めた複数の特定部位に貼着された
複数のひずみゲージと、前記変位作用部結合部材が前記
固定部結合部材に対して前記第1〜第4起歪体の長辺部
の長手方向に変位したときにその変位量に応じた出力を
発生するように前記複数のひずみゲージのうちの所定の
複数のひずみゲージを接続して構成された第1ブリッジ
回路と、前記変位作用部結合部材が前記固定部結合部材
に対して前記第1及び第2起歪体のそれぞれの両長辺部
の並列方向に変位したときにその変位量に応じた出力を
発生するように、前記複数のひずみゲージのうち、該第
1及び第2起歪体にそれぞれ貼着されたひずみゲージを
含む所定の複数のひずみゲージを接続して構成された第
2ブリッジ回路と、前記変位作用部結合部材が前記固定
部結合部材に対して前記第3及び第4起歪体のそれぞれ
の両長辺部の並列方向に変位したときにその変位量に応
じた出力を発生するように、前記複数のひずみゲージの
うち、該第3及び第4起歪体にそれぞれ貼着されたひず
みゲージを含む所定の複数のひずみゲージを接続して構
成された第3ブリッジ回路とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0030】かかる本発明の三軸変位計は、前記二軸変
位計の第2の態様に備えた第1及び第2起歪体を二組備
えて、それらを相互に連結したような形態のものであ
り、前記変位発生部に固定する前記変位作用部結合部材
が、前記変位基準部に固定する前記固定部結合部材に対
して第1〜第4起歪体の長辺部の長手方向に変位したと
きには、各起歪体は、前記二軸変位計の場合と同様、そ
れぞれの軸心に対して対称的な形状に弾性変形する(図
20参照)。また、このとき、第1及び第2起歪体の変
形形状、第3及び第4起歪体の変形形状はそれぞれ同一
となる。従って、前記二軸変位計の場合と同様にして、
これらの起歪体の適切な箇所に複数のひずみゲージを貼
着して相互に接続することで、当該長手方向の変位量の
みに応じて出力を発生する前記第1ブリッジ回路を構成
することができる。尚、この場合、第1ブリッジ回路の
出力を、当該長手方向の変位の二つの向きに対して対称
的なものとすることが可能であることは、前記二軸変位
計の場合と同様である。
【0031】また、前記変位作用部結合部材が、前記固
定部結合部材に対して第1及び第2起歪体のそれぞれの
両長辺部の並列方向(=第1及び第2起歪体のそれぞれ
の軸心方向と該起歪体の長辺部の長手方向とに直交する
方向=第3及び第4起歪体の軸心方向)に変位した場合
には、該第1及び第2起歪体がそれぞれの両長辺部の長
手方向の中央部を結ぶ直線に対して対称的な形状に弾性
変形する(図21参照)。そして、このとき、前記第2
の態様の二軸変位計の場合と同様、第1及び第2起歪体
の一方の起歪体は、その両長辺部の長手方向の中央部の
間隔が広がるように弾性変形し、他方の起歪体は、その
両長辺部の長手方向の中央部の間隔が縮まるように弾性
変形する。尚、第1及び第2起歪体のそれぞれの両長辺
部の並列方向は、第3及び第4起歪体の軸心方向である
ので、この方向の変位に対しては、第3及び第4起歪体
は基本的には変形せず、長円環状の形状に維持される。
【0032】従って、第1起歪体及び第2起歪体のそれ
ぞれに貼着したひずみゲージを含むひずみゲージを用い
ることで、前記第2の態様の二軸変位計の場合と同様
に、該第1及び第2起歪体のそれぞれの両長辺部の並列
方向における変位量のみに応じて出力を発生する前記第
2ブリッジ回路を構成することができると共に、この第
2ブリッジ回路の出力を、第1及び第2起歪体のそれぞ
れの両長辺部の並列方向における変位の二つの向きに対
して対称的なものとすることができる。
【0033】さらに、前記変位作用部結合部材が前記固
定部結合部材に対して第3及び第4起歪体のそれぞれの
両長辺部の並列方向(=第3及び第4起歪体のそれぞれ
の軸心方向と該起歪体の長辺部の長手方向とに直交する
方向=第1及び第2起歪体の軸心方向)に変位した場合
には、第1及び第2起歪体のそれぞれの両長辺部の並列
方向における変位の場合の該第1及び第2起歪体の弾性
変形と同様に、第3及び第4起歪体が弾性変形する(図
22参照)。そして、このとき、第1及び第2起歪体
は、基本的には変形せず、長円環状の形状に維持され
る。
【0034】従って、第3起歪体及び第4起歪体のそれ
ぞれに貼着したひずみゲージを含むひずみゲージを用い
ることで、該第3及び第4起歪体のそれぞれの両長辺部
の並列方向における変位量のみに応じて出力を発生する
前記第3ブリッジ回路を構成することができると共に、
該第3ブリッジ回路の出力を、第3及び第4起歪体のそ
れぞれの両長辺部の並列方向における変位の二つの向き
に対して対称的なものとすることができる。
【0035】そして、本発明の三軸変位計は、上記のよ
うな第1〜第3ブリッジ回路を備えることで、それらの
各ブリッジ回路の出力に基づいて、それぞれ第1〜第4
起歪体の長辺部の長手方向と、第1及び第2起歪体のそ
れぞれの両長辺部の並列方向(第3及び第4起歪体の軸
心方向)と、第3及び第4起歪体のそれぞれの両長辺部
の並列方向(第1及び第2起歪体の軸心方向)との3方
向における前記変位発生部の前記変位基準部に対する変
位量をそれぞれ把握することができる。しかも、このと
き、これらの3方向のいずれの方向の変位についても、
その変位の二つの向きに対して、各ブリッジ回路の出力
を対称的なものとすることが可能となるため、該出力か
らの変位量の把握が容易になる。
【0036】従って、本発明の三軸変位計によれば、互
いに直交する三つの方向の変位測定を良好に行うことが
できる。
【0037】かかる本発明の三軸変位計では、前記二軸
変位計と同様、前記複数のひずみゲージの第1〜第4起
歪体への貼着部位(特定部位)や、前記第1〜第3ブリ
ッジ回路の構成形態は、種々様々の形態がある。
【0038】例えば、その一つの基本的形態では、前記
第1及び第2起歪体の組と、前記第3及び第4起歪体の
組との少なくともいずれか一方側の組の二つの起歪体の
うちの一方の起歪体の一方の長辺部の長手方向の中央部
から該長辺部の長手方向に第1所定間隔を有して該中央
部の両側に存する二つの特定部位と、該一方の起歪体の
他方の長辺部の長手方向の中央部から該長辺部の長手方
向に前記第1所定間隔を有して該中央部の両側に存する
二つの特定部位と、前記一方側の組の二つの起歪体のう
ちの他方の起歪体の一方の長辺部の長手方向の中央部か
ら該長辺部の長手方向に前記第1所定間隔を有して該中
央部の両側に存する二つの特定部位と、該他方の起歪体
の他方の長辺部の長手方向の中央部から該長辺部の長手
方向に前記第1所定間隔を有して該中央部の両側に存す
る二つの特定部位とからなる八つの特定部位のうちのあ
らかじめ定めた四つの特定部位にてそれぞれ前記第1ブ
リッジ回路用のひずみゲージとして前記一方の起歪体及
び/又は他方の起歪体に貼着された4個のひずみゲージ
を有する。
【0039】また、前記第1起歪体の前記一方の長辺部
の固定部から該長辺部の長手方向に第2所定間隔を有し
て該固定部の両側に存する二つの特定部位と該第1起歪
体の前記他方の長辺部の変位作用部から該長辺部の長手
方向に前記第2所定間隔を有して該変位作用部の両側に
存する二つの特定部位とのうちのいずれか一方の二つの
特定部位にてそれぞれ前記第2ブリッジ回路用のひずみ
ゲージとして該第1起歪体に貼着された2個のひずみゲ
ージと、前記第2起歪体の前記一方の長辺部の固定部か
ら該長辺部の長手方向に前記第2所定間隔を有して該固
定部の両側に存する二つの特定部位と該第2起歪体の前
記他方の長辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向に
前記第2所定間隔を有して該変位作用部の両側に存する
二つの特定部位とのうちのいずれか一方の二つの特定部
位にてそれぞれ前記第2ブリッジ回路用のひずみゲージ
として該第2起歪体に貼着された2個のひずみゲージと
を有する。
【0040】さらに、前記第3起歪体の前記一方の長辺
部の固定部から該長辺部の長手方向に第3所定間隔を有
して該固定部の両側に存する二つの特定部位と該第3起
歪体の前記他方の長辺部の変位作用部から該長辺部の長
手方向に前記第3所定間隔を有して該変位作用部の両側
に存する二つの特定部位とのうちのいずれか一方の二つ
の特定部位にてそれぞれ前記第3ブリッジ回路用のひず
みゲージとして該第3起歪体に貼着された2個のひずみ
ゲージと、前記第4起歪体の前記一方の長辺部の固定部
から該長辺部の長手方向に前記第3所定間隔を有して該
固定部の両側に存する二つの特定部位と該第4起歪体の
前記他方の長辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向
に前記第3所定間隔を有して該変位作用部の両側に存す
る二つの特定部位とのうちのいずれか一方の二つの特定
部位にてそれぞれ前記第3ブリッジ回路用のひずみゲー
ジとして該第4起歪体に貼着された2個のひずみゲージ
とを有する。
【0041】このとき、第1〜第4起歪体の長辺部の長
手方向の変位量に応じた出力を発生する前記第1ブリッ
ジ回路は、少なくとも該第1ブリッジ回路用の前記4個
のひずみゲージを該第1ブリッジ回路の各辺に備えるよ
うに該4個のひずみゲージを接続することで構成するこ
とができる。
【0042】尚、この場合、第1及び第2起歪体の組
と、第3及び第4起歪体の組とのうちの一方側の組の二
つの起歪体だけでなく、他方側の組の二つの起歪体に
も、一方側の組の起歪体と同様に4個のひずみゲージを
貼着しておき、各辺に両組のひずみゲージを有するよう
に第1ブリッジ回路を構成することが好適である。
【0043】また、第1及び第2起歪体のそれぞれの両
長辺部の並列方向の変位量に応じた出力を発生する前記
第2ブリッジ回路は、該第2ブリッジ回路用の前記4個
のひずみゲージを該第2ブリッジ回路の各辺に備えるよ
うに該4個のひずみゲージを接続することで構成するこ
とができ、しかも、該第2ブリッジ回路の出力を、当該
変位の二つ向きに対して対称的なものとすることができ
る。
【0044】さらに、第3及び第4起歪体のそれぞれの
両長辺部の並列方向の変位量に応じた出力を発生する前
記第3ブリッジ回路は、該第3ブリッジ回路用の前記4
個のひずみゲージを該第3ブリッジ回路の各辺に備える
ように該4個のひずみゲージを接続することで構成する
ことができる。そして、この場合も、該第3ブリッジ回
路の出力を、当該変位の二つの向きに対して対称的なも
のとすることができる。
【0045】尚、前記二軸変位計の場合と同様、前記第
1〜第3所定間隔は、互いに異なる間隔であってもよい
が、それらの第1〜第3所定間隔ができるだけ小さな間
隔であることが好ましく、ひいては、比較的小さな同一
間隔であることが好適である。
【0046】かかる本発明の三軸変位計では、前記第1
及び第2起歪体がその軸心を同心にして並設されると共
に、前記第3及び第4起歪体が第1及び第2起歪体と交
差した状態でその軸心を同心にして並設され、前記固定
部結合部材は、前記第3起歪体の一方の長辺部の長手方
向の中央部と、前記第4起歪体の一対の長辺部のうち、
該第3起歪体の他方の長辺部に隣接する該第4起歪体の
長辺部の長手方向の中央部とを該第3及び第4起歪体の
前記固定部としてその両固定部に結合され、前記変位作
用部結合部材は、前記第1起歪体の一方の長辺部の長手
方向の中央部と、前記第2起歪体の一対の長辺部のう
ち、該第1起歪体の他方の長辺部に隣接する該第2起歪
体の長辺部の長手方向の中央部とを該第1及び第2起歪
体の前記変位作用部としてその両変位作用部に結合さ
れ、前記起歪体間結合部材は、前記第1起歪体の他方の
長辺部の中央部と、前記第2起歪体の一対の長辺部のう
ち、該第1起歪体の前記一方の長辺部に隣接する該第2
起歪体の長辺部とを該第1及び第2起歪体の変位作用部
とすると共に、前記第3起歪体の他方の長辺部の長手方
向の中央部と、前記第4起歪体の一対の長辺部のうち、
該第3起歪体の前記一方の長辺部に隣接する該第4起歪
体の長辺部の長手方向の中央部とを該第3及び第4起歪
体の固定部とし、該第1及び第2起歪体の両変位作用部
と該第3及び第4起歪体の両固定部とに結合されている
ことが好ましい。
【0047】これによれば、第1〜第4起歪体の長辺部
の長手方向における変位、第1及び第2起歪体のそれぞ
れの両長辺部の並列方向における変位、並びに、第3及
び第4起歪体のそれぞれの両長辺部の並列方向いおける
変位に対してそれぞれ前述のように各起歪体の弾性変形
を生じる三軸変位系の構成を小型で簡略なものとするこ
とができる。
【0048】また、前記二軸変位計の第1の態様では、
変位測定の際に前記変位基準部と変位発生部とにそれぞ
れ取付けられる一対の剛体状の取付部材が前記起歪体の
長手方向の両側に備えられると共に、該一対の取付部材
は、それぞれ該取付部材から延設された剛体状のロッド
部材を介してそれぞれ前記起歪体の固定部及び変位作用
部に結合されており、前記一対の取付け部材の間で前記
起歪体の周囲を密封状態で覆う伸縮可能な管状カバー部
材がその両端部を該一対の取付け部材に装着して設けら
れていることが好ましい。
【0049】同様に、前記第2の態様の二軸変位計で
は、変位測定の際に前記変位基準部と変位発生部とにそ
れぞれ取付けられる一対の剛体状の取付け部材をそれら
の間に前記第1及び第2起歪体が存するようにして該両
起歪体の長手方向に間隔を存して備えられると共に、該
一対の取付け部材は、それぞれ該取付け部材から延設さ
れた剛体状のロッド部材を介してそれぞれ前記固定部結
合部材及び変位作用部結合部材に結合されており、前記
一対の取付け部材の間で前記第1及び第2起歪体の周囲
を密封状態で覆う伸縮可能な管状カバー部材がその両端
部を該一対の取付け部材に装着して設けられていること
が好ましい。
【0050】同様に、前記三軸変位計では、変位測定の
際に前記変位基準部と変位発生部とにそれぞれ取付けら
れる一対の剛体状の取付け部材をそれらの間に前記第1
〜第4起歪体が存するようにして該第1〜第4起歪体の
長手方向に間隔を存して備えられると共に、該一対の取
付け部材は、それぞれ該取付け部材から延設された剛体
状のロッド部材を介してそれぞれ前記固定部結合部材及
び変位作用部結合部材に結合されており、前記一対の取
付け部材の間で前記第1〜第4起歪体の周囲を密封状態
で覆う伸縮可能な管状カバー部材がその両端部を該一対
の取付け部材に装着して設けられていることが好まし
い。
【0051】上記構成によれば、本発明の各変位計は、
変位測定の際に、前記一対の取付け部材を介して前記変
位発生部及び変位基準部に取付けられる。そして、この
とき、前記起歪体は、前記カバー部材により覆われて、
該カバー部材の内部に密封されているので、該起歪体や
これに貼着されたひずみゲージを、変位計の設置箇所の
水や、砂、塵等から保護することができる。また、カバ
ー部材は、伸縮可能なものであるので、起歪体の弾性変
形を支障なく行うことができる。
【0052】このように一対の取付け部材及び管状カバ
ー部材を備えた本発明の多軸変位計では、前記一対の取
付け部材のいずれか一方の取付け部材は、その外面部に
前記管状カバー部材の内部の空気圧を調整するための空
圧調整装置の配管を接続する接続口を備えると共に、該
接続口と前記管状カバー部材の内部とを連通させて該一
方の取付け部材に穿設された連通孔を備えていることが
好ましい。
【0053】これによれば、前記空圧調整装置の配管を
前記接続口に接続することで、該空圧調整装置により、
前記カバー部材の内部の空気圧を調整できるため、前記
両取付け部材の間隔、ひいては、起歪体の形状状態を調
整することができる。従って、例えば変位計の設置に際
して、変位測定を開始する前に両取付け部材の間隔がず
れて、起歪体の弾性変形が生じてしまったような場合
に、前記空気圧の調整により、両取付け部材の間隔を、
起歪体が長円環状に復帰するような間隔に調整すること
が可能となる。
【0054】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態を図1〜図
5を参照して説明する。本実施形態は、本発明の二軸変
位計の第1の態様に係わる実施形態である。図1は該変
位計の側面図、図2は図1のI−I線断面図、図3は該
変位計に備えたブリッジ回路の回路図、図4及び図5は
該変位計の作動説明図である。
【0055】図1及び図2を参照して、本実施形態の二
軸変位計1は、長円環状に形成された起歪体2と、この
起歪体2に取着されている一対の取付け部材3,4とを
具備している。
【0056】起歪体2は、薄い帯状部材を長円環状に形
成したものであり、その長手方向の両端部が一対の半円
弧状の円弧部5,6となっており、これらの円弧部5,
6の間の部分が平行に延在する一対の長辺部7,8とな
っている。この起歪体2は、例えばベリリウム鋼、ステ
ンレス等の金属材料から成り、弾性変形が可能とされて
いる。但し、起歪体2は、その幅(例えば5mm)が該起
歪体2の厚さ(例えば0.3mm)よりも十分に大きく、
該起歪体2の軸心Cの方向(図1の紙面に垂直な方向)
には変形を生じないようになっている。
【0057】ここで、本実施形態の変位計1では、起歪
体2の一方の長辺部7の長手方向の中央部7aを変位作
用部、他方の長辺部8の長手方向の中央部8aを固定部
としている。
【0058】前記取付け部材3,4は、変位測定に際し
て、図示を省略する地山、建造物等の相対的変位量を測
定しようとする二つの部位、すなわち変位発生部と変位
基準部とにそれぞれ固定的に取付けられる大略円柱状の
変位側取付け部材、固定側取付け部材であり、起歪体2
の長手方向(長辺部7,8の長手方向)に間隔を存して
対向配置されている。前記起歪体2は、これらの取付け
部材3,4の間に配置されている。
【0059】これらの取付け部材3,4のうち、変位側
取付け部材3から固定側取付け部材4に向かって起歪体
2の長辺部7に沿って該長辺部7の長手方向に延びるロ
ッド部材9が延設され、このロッド部材9の平板状の先
端部9aが、起歪体2の外周面側で長辺部7の変位作用
部7aに当接されている。そして、該ロッド部材9の先
端部9aは、起歪体2の内周面側で変位作用部7aに当
接された補助結合部材10に該変位作用部7aを貫通さ
せた複数のネジ11により結合されている。これによ
り、ロッド部材9の先端部9aは、補助結合部材10と
の間に変位作用部7aを挟持するようにして該変位作用
部7aに固定され、該ロッド部材9を介して変位側取付
け部材3が変位作用部7aに結合されている。
【0060】上記と同様にして、固定側取付け部材4か
ら変位側取付け部材3に向かって起歪体2の長辺部8に
沿って延設されたロッド部材12の平板状の先端部12
aが、起歪体2の外周面側で長辺部8の固定部8aに当
接されている。そして、該ロッド部材12の先端部12
aが起歪体2の内周面側で固定部8aに当接された補助
結合部材13に複数のネジ14により結合されている。
これにより、固定側取付け部材4は、起歪体2の長辺部
8の固定部8aにロッド部材12を介して固定されてい
る。
【0061】この場合、前記変位側取付け部材3、固定
側取付け部材4、ロッド部材9,12は、剛性の高い金
属材料等により形成された剛体状のものである。このた
め、各取付け部材3,4は、起歪体2の弾性変形の際に
それぞれ起歪体2の変位作用部7a、固定部8aと一体
に動くようになっている。
【0062】また、ロッド部材9の先端部9aと変位側
取付け部材3との間の部分、並びに、ロッド部材12の
先端部12aと固定側取付け部材4との間の部分は、そ
れぞれ起歪体2の幅方向で各長辺部7,8から離間して
おり、起歪体2の後述する弾性変形に際して起歪体2の
各長辺部7,8が各ロッド部材9,12に干渉すること
がないようになっている。
【0063】尚、ロッド部材9,12のそれぞれの変位
作用部7a、固定部8aへの固定は、例えば接着剤等に
より行うようにしてもよい。
【0064】本実施形態の変位計2では、図1に示すよ
うに、総計8個のひずみゲージ15a〜15d,16a
〜16dが貼着されている。
【0065】前記ひずみゲージ15a〜15d,16a
〜16dのうち、ひずみゲージ15a,15bは、それ
ぞれ長辺部7の長手方向における変位作用部7aの両側
の二つの特定部位7x,7yにて起歪体2の外周面に貼
着され、ひずみゲージ15c,15dは、それぞれ上記
特定部位7x,7yにて起歪体2の内周面に貼着されて
いる。また、ひずみゲージ16a,16bは、それぞれ
長辺部8の長手方向における固定部8aの両側の二つの
特定部位8x,8yにて起歪体2の外周面に貼着され、
ひずみゲージ16c,16dは、それぞれ上記特定部位
8x,8yにて起歪体2の内周面に貼着されている。
【0066】この場合、特定部位7x,7yは、変位作
用部7aから等間隔Lの位置に存する部位であり、特定
部位8x,8yは、固定部8aから上記と同一の等間隔
Lの位置に存する部位である。
【0067】尚、後述する変位測定の感度を高める上
で、前記特定部位7x,7yは変位作用部7aにできる
だけ近い部位、前記特定部位8x,8yは固定部8aに
できるだけ近い部位であることが好ましく、前記間隔L
は長辺部7,8の長さに比して小さなものとされてい
る。
【0068】本実施形態では、これらのひずみゲージ1
5a〜15d、16a〜16dのうち、例えば長辺部7
の外周面及び内周面に貼着された4個のひずみゲージ1
5a〜15dが、それぞれから導出されたリード線(図
示省略)を介して図3(a)に示すように接続されてお
り、これにより4個のひずみゲージ15a〜15dを各
辺に有する第1ブリッジ回路17(詳しくホイートスト
ンブリッジ回路)を構成している。
【0069】この第1ブリッジ回路17では、ひずみゲ
ージ15a,15dが第1ブリッジ回路17の一対の対
辺に配置され、ひずみゲージ15b,15cが第1ブリ
ッジ回路17の他の一対の対辺に配置されている。そし
て、ひずみゲージ15a,15bの間の中点18aと、
ひずみゲージ15c,15dの間の中点18bとを第1
ブリッジ回路17の一対の電源入力部とし、ひずみゲー
ジ15a,15cの間の中点19aと、ひずみゲージ1
5b,15dの間の中点19bとを第1ブリッジ回路1
7の一対の信号出力部としている。
【0070】また、起歪体2の長辺部8の外周面及び内
周面に貼着された4個のひずみゲージ16a〜16d
は、それぞれから導出されたリード線(図示省略)を介
して図3(b)に示すように接続されており、これによ
りひずみゲージ16a〜16dを各辺に有する第2ブリ
ッジ回路20(ホイートストンブリッジ回路)を構成し
ている。
【0071】この第2ブリッジ回路20では、ひずみゲ
ージ16a,16bが第2ブリッジ回路20の一対の対
辺に配置され、ひずみゲージ16c,16dが第2ブリ
ッジ回路20の他の一対の対辺に配置されている。そし
て、ひずみゲージ16a,16dの間の中点21aと、
ひずみゲージ16c,16bの間の中点21bとを第2
ブリッジ回路20の一対の電源入力部とし、ひずみゲー
ジ16a,16cの間の中点22aと、ひずみゲージ1
6d,16bの間の中点22bとを第2ブリッジ回路2
0の一対の信号出力部としている。
【0072】尚、ひずみゲージ15a〜15d,16a
〜16dは、そのゲージ率等の特性が互いに同一のもの
であり、各長辺部7,8の長手方向におけるひずみ(曲
げひずみ)に対して感度を有する(該曲げひずみに対し
て抵抗値変化を生じる)。
【0073】図1に示すように、前記固定側取付け部材
4には、各ブリッジ回路17,20に電源電圧を外部か
ら供給すると共に各ブリッジ回路17,20の出力信号
を外部に取り出すための一対のケーブル23,24が挿
通されている。これらのケーブル23,24は、詳細な
図示は省略するが、それぞれ一対の電源供給線と、一対
の出力信号線とを有している。そして、ケーブル23は
第1ブリッジ回路17用のものであり、その一対の電源
供給線がそれぞれ第1ブリッジ回路17の電源入力部1
8a,18bに結線され、該ケーブル23の一対の出力
信号線がそれぞれ第1ブリッジ回路17の信号出力部1
9a,19bに結線されている。同様に、第2ブリッジ
回路20用のケーブル24は、その一対の電源供給線が
それぞれ第2ブリッジ回路20の電源入力部21a,2
1bに結線され、該ケーブル24の一対の出力信号線が
それぞれ第2ブリッジ回路20の信号出力部22a,2
2bに結線されている。
【0074】また、本実施形態の変位計1では、図1に
仮想線で示すように、起歪体2や、これに貼着されたひ
ずみゲージ15a〜15d,16a〜16d等、両取付
け部材3,4の間に位置する部品の周囲を被覆する管状
のカバー部材25を具備している。このカバー部材25
は、その両端部をそれぞれ各取付け部材3,4の外周面
に固着した蛇腹状の樹脂部材であり、起歪体2の長手方
向に伸縮可能とされている。このカバー部材25によ
り、その内部の起歪体2等が密封されており、その内部
に塵や水等の異物が侵入することがないようになってい
る。
【0075】さらに本実施形態の変位計1では、カバー
部材25の内部の空気圧を調整するために、エアコンプ
レッサやエアポンプ等の空圧調整装置(図示しない)の
配管ホースを接続する接続口26が変位側取付け部材3
の外側端面部の中央部に設けられている。そして、この
接続口26は、該変位側取付け部材3の軸心部に穿設さ
れた連通孔27を介してカバー部材25の内部に連通し
ている。
【0076】尚、接続口26は、前記空圧調整装置の配
管ホースを接続しない状態では、図示を省略する蓋部材
を装着することで、閉塞されるようになっている。
【0077】次に、かかる本実施形態の変位計1の作動
を説明する。尚、以下の本実施形態の説明においては、
便宜上、図1及び図2に併記したようにXYZ直交座標
軸を想定し、起歪体2の軸心Cの方向をX軸方向、起歪
体2の長辺部7,8の長手方向をZ軸方向、これらの二
つの方向に直交する方向(長辺部7,8の並列方向)を
Y軸方向と称する。
【0078】本実施形態の変位計1は、例えば地山、建
造物等における二つの箇所(変位発生部及び変位基準
部)の間の相対的変位量を測定しようとする場合に、そ
の二つの箇所(変位発生部及び変位基準部)にそれぞれ
変位側取付け部材3、固定側取付け部材4が固定的に取
付けられる。この場合、各取付け部材3,4の変位発生
部、変位基準部への固定は、適宜のブラケットやボルト
等を用いて行ってよいことはもちろん、接着剤やコンク
リート等を用いて行うようにしてもよい。
【0079】尚、測定箇所への変位計1の設置当初は、
基本的には起歪体2が長円環状の形状になっている(起
歪体2の弾性変形が生じていない状態)ことが好ましい
が、例えば地山に穿設したボーリング穴に変位計1を設
置する際等に、両取付け部材3,4の間隔が変化して起
歪体2が長円環状から変形した状態になることがある。
【0080】このような場合には、前記接続口24に前
記空圧調整装置の配管ホース(図示しない)を接続して
おき、各取付け部材3,4をそれぞれ測定箇所の変位発
生部、変位基準部に完全に固定する前に、前記カバー部
材24内の空気圧を上記空圧調整装置により調整するこ
とで、前記カバー部材22を伸縮させつつ両取付け部材
3,4のZ軸方向の間隔を変化させることができる。従
って、その空気圧の調整により、両取付け部材3,4の
Z軸方向の間隔をあらかじめ所望の間隔(基本的には起
歪体2が長円環状になるような間隔)に調整しておくこ
とができる。
【0081】このように測定箇所に設置した変位計1に
あっては、その測定箇所の前記変位発生部及び変位基準
部の間の、Z軸方向及びY軸方向の二つの軸方向の変位
量(変位の向きを含む)が次のようにして測定される。
【0082】例えば、前記変位側取付け部材3を固定し
た変位発生部が、前記固定側取付け部材4を固定した変
位基準部に対してZ軸方向に変位すると、起歪体2の長
辺部7の変位作用部7aが長辺部8の固定部8aに対し
てZ軸方向に変位し、該起歪体2が、その変位の向きに
応じて図4(a)あるいは図4(b)に示すような形状
(起歪体2の軸心Cに対して対称的な形状)に弾性変形
する。この場合、前記両取付け部材3,4及び両ロッド
部材9,12は剛体状のものであるので、変位作用部7
aの固定部8aに対する変位量は、変位発生部の変位基
準部に対する変位量と同一である。尚、図4(a),
(b)では、変位計1の要部構成のみを模式化して表し
ている。
【0083】このとき、ひずみゲージ15a〜15d,
16a〜16dを貼着した箇所のうち、ひずみゲージ1
5a,15d,16b,16cをそれぞれ貼着した起歪
体2の特定部位7xの外周面、特定部位7yの内周面、
特定部位8yの外周面、特定部位8xの内周面には、互
いにほぼ同一の大きさで同じ極性の曲げひずみが生じ
る。この曲げひずみの極性は、図4(a)の場合は、縮
み側の極性、図4(b)の場合は、伸び側の極性であ
る。従って、これらの箇所に貼着されたひずみゲージ1
5a,15d,16b,16cの抵抗値変化がその極性
(抵抗値変化が増加側であるか減少側であるかの極性)
を含めて互いにほぼ同一となる。尚、この場合、特に、
特定部位7xの外周面及び特定部位8yの外周面の両者
の曲げひずみが精度よく合致し、特定部位7yの内周面
及び特定部位8xの内周面の両者の曲げひずみが精度よ
く合致する。
【0084】また、ひずみゲージ15b,15c,16
a,16dをそれぞれ貼着した起歪体2の特定部位7y
の外周面、特定部位7xの内周面、特定部位8xの外周
面、特定部位8yの内周面には、互いにほぼ同一の大き
さで同じ極性の曲げひずみが生じる。この曲げひずみの
極性は、ひずみゲージ15a,15d,16b,16c
の貼着箇所の曲げひずみの極性と逆極性であり、図4
(a)の場合は、伸び側の極性、図4(b)の場合は、
伸び側の極性である。従って、これらの箇所に貼着され
たひずみゲージ15b,15c,16a,16dの抵抗
値変化がその極性を含めて互いに同一となると共に、そ
の抵抗値変化の極性は、ひずみゲージ15a,15d,
16b,16cの抵抗値変化の極性と逆極性になる。
尚、この場合、特に、特定部位7xの内周面及び特定部
位8yの内周面の両者の曲げひずみが精度よく合致し、
特定部位7yの外周面及び特定部位8xの外周面の両者
の曲げひずみが精度よく合致する。
【0085】このため、前記第1ブリッジ回路17は不
平衡状態となり、前記第2ブリッジ回路20は平衡状態
に保たれる。
【0086】さらに、ひずみゲージ15a〜15d,1
6a〜16dを貼着した各所における起歪体2の曲げひ
ずみの大きさ(=ひずみゲージ15a〜15d,16a
〜16dの曲げひずみの大きさ)は、起歪体2の固定部
8aに対する変位作用部7aのZ軸方向の変位量(=変
位基準部に対する変位発生部のZ軸方向の変位量)に応
じたものとなる。
【0087】従って、第1ブリッジ回路17に前記ケー
ブル23を介して電源電圧を供給したとき、該第1ブリ
ッジ回路17の信号出力部19a,19bから起歪体2
の変位作用部7aの固定部8aに対するZ軸方向の変位
量に応じたレベルの出力信号が出力される。このため、
第1ブリッジ回路17の出力信号のレベルをケーブル2
3を介して観測することで、その出力信号のレベルから
変位計1を設置した箇所のZ軸方向の変位量(変位基準
部に対する変位発生部の変位量)を測定できることとな
る。
【0088】この場合、第1ブリッジ回路17の出力信
号のレベルと、Z軸方向の変位量との相関関係を表す相
関データを、データテーブルや演算式等の形式であらか
じめ用意しておき、その相関データを用いることで、第
1ブリッジ回路17の出力信号のレベルの観測値からZ
軸方向の変位量を把握することができる。
【0089】尚、Z軸方向の変位に関しては、図4
(a),(b)のいずれの向きの変位が生じたかによっ
て、第1ブリッジ回路17の出力信号の正負の極性が逆
になるが、いずれの向きの変位であっても、その変位量
の大きさ(絶対値)が同じであれば、第1ブリッジ回路
17の出力信号のレベルの大きさも同一となる。従っ
て、上記相関データは、図4(a),(b)のいずれか
の向きの変位に対して用意しておけばよく、そのZ軸方
向の変位の向きは、第1ブリッジ回路17の出力信号の
極性によって把握することができる。
【0090】また、変位発生部が変位基準部に対してZ
軸方向にのみ変位した状態では、上述のように第2ブリ
ッジ回路20は平衡状態に保たれるため、該第2ブリッ
ジ回路20にケーブル24を介して電源電圧を供給して
も、該第2ブリッジ回路20の信号出力部22a,22
bには電圧が発生しない。
【0091】一方、前記変位側取付け部材3を固定した
変位発生部が、前記固定側取付け部材4を固定した変位
基準部に対してY軸方向に変位すると、起歪体2の長辺
部7の変位作用部7aが長辺部8の固定部8aに対して
Y軸方向に変位し、該起歪体2が、その変位の向きに応
じて図5(a)あるいは図5(b)に示すような形状
(変位作用部7aの中心と固定部8aの中心とを結ぶ、
Y軸に平行な中心線に対して対称的な形状)に弾性変形
する。この場合、Z軸方向の変位の場合と同様、変位作
用部7aの固定部8aに対する変位量(変位の向きを含
む)は、変位発生部の変位基準部に対する変位量と同一
である。尚、図4の場合と同様、図5(a),(b)で
は、変位計1の要部構成のみを模式化して表している。
【0092】このとき、前記ひずみゲージ15a,15
b,16a,16bをそれぞれ貼着した起歪体2の特定
部位7x,7y,8x,8yのそれぞれの外周面には、
互いにほぼ同一の大きさで同じ極性の曲げひずみが生じ
る。この曲げひずみの極性は、図5(a)の場合は、伸
び側の極性、図5(b)の場合は、縮み側の極性であ
る。従って、これらの箇所に貼着されたひずみゲージ1
5a〜15dの抵抗値変化がその極性を含めて互いにほ
ぼ同一となる。尚、この場合、特に、特定部位7x,7
yの両者の外周面の曲げひずみが精度よく合致し、特定
部位8x,8yの両者の外周面の曲げひずみが精度よく
合致する。
【0093】また、ひずみゲージ15c,15d,16
c,16dをそれぞれ貼着した起歪体2の特定部位7
x,7y,8x,8yのそれぞれの内周面には、互いに
ほぼ同一の大きさで同じ極性の曲げひずみが生じる。こ
の曲げひずみの極性は、ひずみゲージ15a,15b,
16a,16bの貼着箇所の曲げひずみの極性と逆極性
であり、図5(a)の場合は、縮み側の極性、図5
(b)の場合は、伸び側の極性である。従って、これら
の箇所に貼着されたひずみゲージ15c,15d,16
c,16dの抵抗値変化がその極性を含めて互いにほぼ
同一となると共に、その抵抗値変化の極性は、ひずみゲ
ージ15a,15b,16a,16bの抵抗値変化の極
性と逆極性になる。尚、この場合、特に、特定部位7
x,7yの両者の内周面の曲げひずみが精度よく合致
し、特定部位8x,8yの両者の内周面の曲げひずみが
精度よく合致する。
【0094】このため、前記第1ブリッジ回路17は平
衡状態に保たれると共に、前記第2ブリッジ回路20は
不平衡状態になる。
【0095】さらに、ひずみゲージ15a〜15d,1
6a〜16dを貼着した各所における起歪体2の曲げひ
ずみの大きさ(=ひずみゲージ15a〜15d,16a
〜16dの曲げひずみの大きさ)は、Z軸方向の変位の
場合と同様、起歪体2の固定部8aに対する変位作用部
7aのY軸方向の変位量(=変位基準部に対する変位発
生部のY軸方向の変位量)に応じたものとなる。
【0096】従って、第2ブリッジ回路20に前記ケー
ブル24を介して電源電圧を供給したとき、該第2ブリ
ッジ回路20の信号出力部22a,22bから起歪体2
の変位作用部7aの固定部8aに対するY軸方向の変位
量に応じたレベルの出力信号が出力される。このため、
第2ブリッジ回路20の出力信号のレベルをケーブル2
4を介して観測することで、その出力信号のレベルから
変位計1を設置した箇所のY軸方向の変位量を測定でき
ることとなる。
【0097】この場合、第2ブリッジ回路20の出力信
号のレベルと、Y軸方向の変位量との相関関係を表す相
関データを、データテーブルや演算式等の形式であらか
じめ用意しておき、その相関データを用いることで、第
2ブリッジ回路20の出力信号のレベルの観測値からY
軸方向の変位量(変位基準部に対する変位発生部の変位
量)を把握することができる。
【0098】尚、Y軸方向の変位に関しては、図5
(a),(b)のいずれの向きの変位が生じたかによっ
て、第2ブリッジ回路20の出力信号の正負の極性が逆
になると共に、その変位量の大きさ(絶対値)が同じで
あっても、変位の向きが異なると、第2ブリッジ回路2
0の出力信号のレベルの大きさが一般には相違する。従
って、上記相関データは、一般には、図5(a),
(b)の両者の向きのY軸方向の変位に対して各別に用
意しておく必要がある。
【0099】また、変位発生部が変位基準部に対してY
軸方向にのみ変位した状態では、上述のように第1ブリ
ッジ回路17は、平衡状態に保たれるため、該第1ブリ
ッジ回路17にケーブル23を介して電源電圧を供給し
ても、該第1ブリッジ回路17の信号出力部19a,1
9bには電圧が発生しない。
【0100】以上のようにして、本実施形態の変位計1
では、互いに直交するZ軸方向、Y軸方向の二つの軸方
向での、変位発生部の変位基準部に対する相対的な変位
量(変位の向きを含む)を、それぞれ第1ブリッジ回路
17及び第2ブリッジ回路20の出力信号のレベルに基
づいて測定することができる。この場合、該変位計1
は、起歪体2を主要構成とする小型で簡略なものとする
ことができる。また、変位計1の起歪体2やひずみゲー
ジ15a〜15d,16a〜16d等は、カバー部材2
5により覆われて該カバー部材25の内部に密封されて
いるため、該起歪体2等の防水や、砂等の異物からの保
護性を確保することができる。
【0101】尚、前記実施形態では、Z軸方向の変位に
応じた出力信号を発生する第1ブリッジ回路17と、Y
軸方向の変位に応じた出力信号を発生する第2ブリッジ
回路20とをそれぞれ図3(a),(b)に示すように
構成したが、Z軸方向の変位に対してのみ感度を有する
第1ブリッジ回路、及びY軸方向の変位に対してのみ感
度を有する第2ブリッジ回路の構成形態は、それらを構
成するひずみゲージの起歪体2への貼着箇所の形態を含
めて前記実施形態以外にも種々の形態がある。
【0102】例えば前記実施形態のように8個のひずみ
ゲージ15a〜15d,16a〜16dを起歪体2に貼
着した場合、例えば、起歪体2の長辺部8側の特定部位
8x,8yのひずみゲージ16a〜16dを図6(a)
に示すように接続することで、Z軸方向の変位に対して
のみ感度を有する第1ブリッジ回路17を構成すると共
に、起歪体2の長辺部7側の特定部位7x,7yのひず
みゲージ15a〜15dを図6(b)に示すように接続
することで、Y軸方向の変位に対してのみ感度を有する
第2ブリッジ回路20を構成するようにしてもよい。
【0103】また、例えば前記図3(a),(b)に示
したように第1及び第2ブリッジ回路17,20を構成
する場合、第1ブリッジ回路17のひずみゲージ15a
〜15dに係わる特定部位7x,7yの変位作用部7a
からの間隔と、第2ブリッジ回路20のひずみゲージ1
6a〜16dに特定部位8x,8yの固定部8aからの
間隔とは互いに同一間隔であることが基本的には好まし
いが、必ずしも同一間隔でなくてもよい。
【0104】さらに、起歪体2の幅を比較的大きくし
て、その内周面や外周面に該起歪体2の幅方向に並列さ
せて二つ以上のひずみゲージを貼着することができるよ
うにした場合には、例えば第2ブリッジ回路20用のひ
ずみゲージ16a〜16dを第1ブリッジ回路17用の
ひずみゲージ15a〜15dにそれぞれ並列させて前記
特定部位7x,7yに貼着するようにしてもよい。
【0105】このように、前記実施形態の如く一つの起
歪体2を具備した二軸変位計では、Z軸方向の変位に対
してのみ感度を有する第1ブリッジ回路、及びY軸方向
の変位に対してのみ感度を有する第2ブリッジ回路の構
成形態は種々の形態があるが、最も基本的形態では、長
辺部7の変位作用部7aからその両側に所定間隔を有す
る二つの特定部位と、長辺部8の変位作用部8aからそ
の両側に上記所定間隔を有する二つの部位との四つの特
定部位のうちの二つの特定部位にて起歪体2の外周面及
び内周面に貼着した4個のひずみゲージを用いてZ軸方
向の変位に対してのみ感度を有する第1ブリッジ回路を
構成することが可能である。同様に、長辺部7の変位作
用部7aからその両側に所定間隔を有する二つの特定部
位と、長辺部8の変位作用部8aからその両側に上記所
定間隔を有する二つの部位との四つの特定部位のうちの
二つの特定部位にて起歪体2の外周面及び内周面に貼着
した4個のひずみゲージを用いてY軸方向の変位に対し
てのみ感度を有する第2ブリッジ回路を構成することが
可能である。
【0106】次に、本発明の第2実施形態を図7〜図1
3を参照して説明する。本実施形態は、本発明の第2の
態様の二軸変位計に係わる実施形態である。図7は該変
位計の斜視図、図8は該変位計の分解斜視図、図9は図
7のII−II線断面図、図10は該変位計のひずみゲージ
の貼着形態を示す説明図、図11は該変位計に備えたブ
リッジ回路の回路図、図12及び図13は該変位計の作
動説明図である。
【0107】図7〜図9を参照して、本実施形態の二軸
変位計28は、前記第1実施形態の起歪体1と同一形状
(長円環状)、同一材質の一対の第1及び第2起歪体2
9,30と、これらの起歪体29,30を部分的に結合
する一対の結合部材31,32と、これらの起歪体2
9,30に取着されている一対の取付け部材33,34
とを具備している。
【0108】第1及び第2起歪体29,30は、そのサ
イズも互いに同一であり、図7及び図9に示すようにそ
れらの軸心Cを同心にして並設され、第1起歪体29の
一対の長辺部35,36はそれぞれ第2起歪体30の一
対の長辺部37,38に隣接して平行に並列している。
ここで、本実施形態の変位計28では、第1起歪体29
の長辺部35の長手方向の中央部35a(図8参照)
と、該第1起歪体29の長辺部36の中央部36a(図
8参照)とをそれぞれ該第1起歪体29の固定部、変位
作用部とする。また、第2起歪体30の長辺部37,3
8のうち、第1起歪体29の長辺部35に隣接する長辺
部37の長手方向の中央部37a(図8参照)と、第1
起歪体29の長辺部36に隣接する長辺部38の長手方
向の中央部38a(図8参照)とをそれぞれ第2起歪体
30の変位作用部、固定部とする。
【0109】そして、前記結合部材31,32のうち、
結合部材31は、両起歪体29,30の両固定部35
a,38a同士を結合する固定部結合部材であり、結合
部材32は、両起歪体29,30の両変位作用部36
a,37a同士を結合する変位作用部結合部材である。
【0110】この場合、図8及び図9に示すように、固
定部結合部材31は、第1起歪体29の固定部35aの
内周面と第2起歪体30の固定部38aの内周面とにそ
れぞれ当接する一対の当接部材31a,31bを連結部
材31cにより一体に連結した構造となっている。そし
て、該固定部結合部材31の当接部材31a,31bが
それぞれ第1起歪体29の固定部35a、第2起歪体3
0の固定部38aに後述するロッド部材43,44と併
せて複数のネジ39により固定され、これにより、両起
歪体29,30の両固定部35a,38a同士を結合し
ている。
【0111】同様に、変位作用部結合部材32は、第1
起歪体29の変位作用部36aの内周面と第2起歪体3
0の変位作用部37aの内周面とにそれぞれ当接する一
対の当接部材32a,32bを連結部材32cにより一
体に連結した構造となっている。そして、該変位作用部
結合部材32の当接部材32a,32bがそれぞれ第1
起歪体29の変位作用部36a、第2起歪体30の変位
作用部37aに後述するロッド部材41,42と併せて
複数のネジ40により固定され、これにより、両起歪体
29,30の両変位作用部36a,37a同士を結合し
ている。
【0112】図7を参照して、前記取付け部材33,3
4は、変位計28の図示しない設置箇所の変位発生部と
変位基準部とにそれぞれ固定的に取付けられる変位側取
付け部材、固定側取付け部材であり、両起歪体29,3
0の長手方向に間隔を存して対向配置されている。両起
歪体29,30は、これらの両取付け部材33,34間
に配置されている。
【0113】これらの取付け部材33,34のうち、変
位側取付け部材33から固定側取付け部材34に向かっ
て、第1起歪体29の長辺部36に沿って該長辺部36
の長手方向に延びるロッド部材41と、第2起歪体30
の長辺部37に沿って該長辺部37の長手方向に延びる
ロッド部材42とが延設されている。これらのロッド部
材41,42の平板状の先端部41a,42aはそれぞ
れ第1起歪体29の変位作用部36aの外周面、第2起
歪体30の変位作用部37aの外周面に当接されてい
る。そして、図8及び図9に示すように、ロッド部材4
1の先端部41aは、第1起歪体29の変位作用部36
aの内周面に当接された前記変位作用部結合部材32の
当接部材32aに、該第1起歪体29の変位作用部36
aを貫通させた前記ネジ40により結合され、該変位作
用部結合部材32の当接部材32aとの間に第1起歪体
29の変位作用部36aを挟持するようにして該変位作
用部36a及び変位作用部結合部材32に固定されてい
る。また、ロッド部材42の先端部42aは、第2起歪
体30の変位作用部37aの内周面に当接された前記変
位作用部結合部材32の当接部材32bに、該第2起歪
体30の変位作用部37aを貫通させたネジ40により
結合され、該変位作用部結合部材32の当接部材32b
との間に第2起歪体30の変位作用部37aを挟持する
ようにして該変位作用部37a及び変位作用部結合部材
32に固定されている。従って、変位側取付け部材33
は、ロッド部材41,42を介して両起歪体29,30
の両変位作用部36a,37a及び変位作用部結合部材
32に固定されている。
【0114】上記と同様にして、固定側取付け部材34
から第1起歪体29の長辺部35及び第2起歪体30の
長辺部38にそれぞれ沿って延設された一対のロッド部
材43,44の平板状の先端部43a,44aが、それ
ぞれ第1起歪体29の固定部35aの外周面、第2起歪
体30の固定部38aの外周面に当接され、各固定部3
5a,38aの内周面に当接された前記固定部結合部材
31の当接部材31a,31bに前記ネジ39を介して
結合されている。これにより、固定側取付け部材34
は、ロッド部材43,44を介して両起歪体29,30
の両固定部35a,38a及び固定部結合部材31に固
定されている。
【0115】ここで、前記変位側取付け部材33、固定
側取付け部材34、ロッド部材41〜44、変位作用部
結合部材32,固定部結合部材31は、剛性の高い金属
材料等により形成された剛体状のものである。このた
め、各取付け部材33,34は、それぞれ、両起歪体2
9,30の弾性変形に際して両変位作用部36a,37
a、両固定部35a,38aと一体に動くようになって
いる。
【0116】また、ロッド部材43の先端部43aと固
定側取付け部材34との間の部分、及びロッド部材44
の先端部44aと固定側取付け部材34との間の部分
は、それぞれ両起歪体29,30の幅方向で第1起歪体
29の長辺部35、第2起歪体30の長辺部38から離
間しており(図9参照)、両起歪体29,30の後述す
る弾性変形に際してこれらの起歪体29,30がロッド
部材43,44に干渉することがないようになってい
る。このことは、変位側取付け部材33から延設された
ロッド部材41,42についても同様である。
【0117】さらに、固定部結合部材31の連結部材3
1c及び変位作用部結合部材32の連結部材32cと
は、両起歪体29,30の長手方向(長辺部35〜38
の長手方向)に離間しており、変位測定の際に変位計2
8の両取付け部材33,34が過大に接近するような変
位が生じない限り、基本的には、両結合部材31,32
は互いに当接することがないようになっている。
【0118】本実施形態の変位計28では、前記第1起
歪体29及び第2起歪体30には、それぞれ図10に示
すような箇所にて後述する第1ブリッジ回路47を構成
する4個のひずみゲージ45a〜45dと後述する第2
ブリッジ回路50を構成する4個のひずみゲージ46a
〜46dとが貼着されている。尚、図10では説明の便
宜上、両起歪体29,30の位置関係をずらし、変位計
28の要部構成のみを模式化して記載している。
【0119】同図10に示すように、ひずみゲージ45
a〜45dのうち、ひずみゲージ45a,45bは、第
1起歪体29の長辺部36の長手方向における変位作用
部36aの両側の二つの特定部位36x,36yにて第
1起歪体29の外周面に貼着され、ひずみゲージ45
c,45dは、第2起歪体30の長辺部38の長手方向
における固定部38aの両側の二つの特定部位38x,
38yにて第2起歪体30の外周面に貼着されている。
この場合、前記特定部位36x,36yは、変位作用部
36aから等間隔Lの位置に存する部位であり、特定部
位38x,38yは、固定部38aから上記と同一の等
間隔Lの位置に存する部位である。
【0120】また、前記ひずみゲージ46a〜46dの
うち、ひずみゲージ46a,46bは、第1起歪体29
の前記特定部位36x,36yにて該第1起歪体29の
内周面に貼着され、ひずみゲージ46c,46dは、第
2起歪体30の前記特定部位38x,38yにて該第2
起歪体30の内周面に貼着されている。
【0121】尚、後述する変位測定の感度を高める上
で、前記特定部位36x,36yは変位作用部36aに
できるだけ近い部位、前記特定部位38x,38yは固
定部38aにできるだけ近い部位であることが好まし
く、前記間隔Lは両起歪体29,30の各長辺部35〜
38の長さに比して小さなものとされている。
【0122】上述のように両起歪体29,30に貼着し
たひずみゲージ45a〜45d,46a〜46dのう
ち、各起歪体29,30の外周面に貼着された4個のひ
ずみゲージ45a〜45dがそれぞれから導出されたリ
ード線を介して図11(a)に示すように接続されてお
り、これにより4個のひずみゲージ45a〜45dを各
辺に有する第1ブリッジ回路47(ホイートストンブリ
ッジ回路)を構成している。
【0123】この第1ブリッジ回路47では、ひずみゲ
ージ45a,45dが該第1ブリッジ回路47の一対の
対辺に配置され、ひずみゲージ45b,45cが該第1
ブリッジ回路47の他の一対の対辺に配置されている。
そして、ひずみゲージ45a,45bの間の中点48a
と、ひずみゲージ45c,45dの間の中点48bとを
第1ブリッジ回路47の一対の電源入力部とし、ひずみ
ゲージ45a,45cの間の中点49aと、ひずみゲー
ジ45b,45dの間の中点49bとを第1ブリッジ回
路47の一対の信号出力部としている。
【0124】また、各起歪体29,30の内周面に貼着
されたひずみゲージ46a〜46dは、それぞれから導
出されたリード線を介して図11(b)に示すように接
続されており、これにより4個のひずみゲージ46a〜
46dを各辺に有する第2ブリッジ回路50(ホイート
ストンブリッジ回路)を構成している。
【0125】この第2ブリッジ回路50では、ひずみゲ
ージ46a,46bが第2ブリッジ回路50の一対の対
辺に配置され、ひずみゲージ46c,46dが第2ブリ
ッジ回路30の他の一対の対辺に配置されている。そし
て、ひずみゲージ46b,46cの間の中点51aと、
ひずみゲージ46a,46dの間の中点51bとを第2
ブリッジ回路50の一対の電源入力部とし、ひずみゲー
ジ46b,46dの間の中点52aと、ひずみゲージ4
6c,46aの間の中点52bとを第2ブリッジ回路5
0の一対の信号出力部としている。
【0126】尚、ひずみゲージ45a〜45d,46a
〜46dは、そのゲージ率等の特性が互いに同一のもの
であり、起歪体29,30の長辺部36,38の長手方
向におけるひずみ(曲げひずみ)に対して感度を有する
(該曲げひずみに対して抵抗値変化を生じる)。
【0127】また、本実施形態の変位計28では、前記
第1実施形態のものと同様に、前記固定側取付け部材3
4には、各ブリッジ回路47,50に電源電圧を外部か
ら供給すると共に各ブリッジ回路47,50の出力信号
を外部に取り出すための一対のケーブル53,54が図
7及び図8に示す如く挿通され、それらのケーブル5
3,54の図示しない電源供給線や出力信号線が各ブリ
ッジ回路47,50に結線されている。この場合、ケー
ブル53は、第1ブリッジ回路47用のもの、ケーブル
54は、第2ブリッジ回路50用のものである。
【0128】さらに、変位計28では、前記第1実施形
態のものと同様に、図7に仮想線で示す伸縮可能な蛇腹
状の管状カバー部材55が取付け部材33,34に装着
され、この管状カバー部材55の内部に、両起歪体2
9,30等を密封している。
【0129】さらに変位計28の変位側取付け部材33
には、前記第1実施形態のものと同様に、エアコンプレ
ッサ等の空圧調整装置(図示しない)の配管ホースを接
続する接続口56(図7参照)が設けられ、この接続口
56は、該変位側取付け部材33の軸心部に穿設された
連通孔57を介してカバー部材55の内部に連通してい
る。
【0130】次に、本実施形態の変位計28の作動を説
明する。尚、以下の本実施形態の説明においては、便宜
上、図7及び図9に併記したようにXYZ直交座標軸を
想定し、両起歪体29,30の軸心Cの方向をX軸方
向、両起歪体29,30の長辺部35〜38の長手方向
をZ軸方向、これらの二つの方向に直交する方向(各起
歪体29,30の両長辺部(35,36)、(37,3
8)の並列方向)をY軸方向と称する。
【0131】本実施形態の変位計28は、変位測定の際
に、前記第1実施形態のものと同様に、変位側取付け部
材33及び固定側取付け部材34が、それぞれ地山、建
造物等の変位発生部、変位基準部に取付けられて、測定
箇所に設置される。また、このとき、各取付け部材3
3,34をそれぞれ変位発生部、変位基準部に完全に固
定する前に、前記第1実施形態のものと同様に、必要に
応じて適宜、接続口56に図示しない空圧調整装置の配
管ホースを接続して、前記カバー部材24内の空気圧を
調整することで、両取付け部材33,34のZ軸方向の
間隔があらかじめ所望の間隔(基本的には両起歪体2
9,30が長円環状となる間隔)に調整される。
【0132】このように測定箇所に設置した変位計28
にあっては、その測定箇所の前記変位発生部及び変位基
準部の間の、Z軸方向及びY軸方向の二つの軸方向の変
位量が次のようにして測定される。
【0133】例えば、前記変位基準部に対して変位発生
部がZ軸方向に変位すると、各起歪体29,30の変位
作用部36a,37aがそれぞれ固定部35a,38a
に対して、変位発生部の変位量と同量だけZ軸方向に変
位し、各起歪体29,30は、前記第1実施形態のもの
のZ軸方向の変位の場合(図4を参照)と同様に、例え
ば図12に示すような形状(各起歪体29,30の軸心
Cに対して対称的な形状)に弾性変形する。この場合、
両起歪体29,30は、同一材質、同一サイズのもので
あるため、両者の弾性変形の形状は同一である。尚、図
12では、前記図10と同様に、変位計28の要部構成
のみを模式化して図示している。また、図12では、Z
軸の負方向への変位の場合について例示している。
【0134】このとき、第1ブリッジ回路47を構成す
るひずみゲージ45a〜45dを貼着した箇所のうち、
ひずみゲージ45a,45dがそれぞれ貼着された第1
起歪体29の特定部位36xの外周面及び第2起歪体3
0の特定部位38yの外周面には、互いに同一の大きさ
で同じ極性の曲げひずみ(図12の変位の場合には、縮
み側の曲げひずみ)が生じる。同様に、ひずみゲージ4
5b,45cがそれぞれ貼着された第1起歪体29の特
定部位36yの外周面及び第2起歪体30の特定部位3
8xの外周面には、互いに同一の大きさで同じ極性の曲
げひずみ(図12の変位の場合には、伸び側の曲げひず
み)が生じ、この曲げひずみの極性は、前記特定部位3
6x,38yの外周面の曲げひずみの極性とは逆極性に
なる。
【0135】また、第2ブリッジ回路50を構成するひ
ずみゲージ46a〜46dを貼着した箇所のうち、第1
起歪体29の特定部位36xの内周面及び第2起歪体3
0の特定部位38yの内周面には、互いに同一の大きさ
で同じ極性の曲げひずみ(図12の変位の場合には、伸
び側の曲げひずみ)が生じる。同様に、第1起歪体29
の特定部位36yの内周面及び第2起歪体30の特定部
位38xの内周面には、互いに同一の大きさで同じ極性
の曲げひずみ(図12の変位の場合には、縮み側の曲げ
ひずみ)が生じ、この曲げひずみの極性は、前記特定部
位36x,38yの内周面の曲げひずみの極性とは逆極
性になる。
【0136】このため、前記第1ブリッジ回路47は不
平衡状態となり、前記第2ブリッジ回路50は平衡状態
に保たれる。尚、この場合、前記特定部位36y,38
xのそれぞれの内周面の曲げひずみ(=ひずみゲージ4
6b,46cの曲げひずみ)は、前記特定部位36x,
38yの外周面の曲げひずみ(=ひずみゲージ45a,
45dの曲げひずみ)とほぼ同一となり、特定部位36
x,38yのそれぞれの内周面の曲げひずみ(=ひずみ
ゲージ46a,46dの曲げひずみ)は、前記特定部位
36y,38xの外周面(=ひずみゲージ45b,45
cの曲げひずみ)とほぼ同一になる。
【0137】さらに、ひずみゲージ45a〜45d,4
6a〜46dを貼着した各所における各起歪体29,3
0の曲げひずみの大きさ(=ひずみゲージ15a〜15
d,16a〜16dの曲げひずみの大きさ)は、両起歪
体29,30の固定部35a,38aに対する変位作用
部36a,37aのZ軸方向の変位量(=変位基準部に
対する変位発生部のZ軸方向の変位量)に応じたものと
なる。
【0138】従って、前記第1実施形態の場合と同様
に、第1ブリッジ回路47にケーブル53を介して電源
電圧を供給しつつ、該第1ブリッジ回路47の出力信号
のレベルを該ケーブル53を介して観測することで、そ
の出力信号のレベルから変位計28を設置した箇所のZ
軸方向の変位量(変位基準部に対する変位発生部の変位
量)を測定できることとなる。この場合、前記第1実施
形態の場合と同様、第1ブリッジ回路47の出力信号の
レベルと、Z軸方向の変位量との相関関係を表すものと
してあらかじめ用意した相関データを用いることで、第
1ブリッジ回路47の出力信号のレベルの観測値からZ
軸方向の変位量を把握することができる。
【0139】また、Z軸方向の変位の向きがZ軸の正方
向、負方向のいずれの向きであっても、基本的には、そ
の変位量の大きさ(絶対値)が同じであれば、第1ブリ
ッジ回路47の出力信号のレベルの大きさも同一となる
(但し、該出力信号の極性は、変位の向きによって反転
する)。従って、上記相関データは、Z軸の正方向及び
負方向のいずれか一方の向きの変位に対して用意してお
けばよい。
【0140】また、変位発生部が変位基準部に対してZ
軸方向にのみ変位した状態では、上述のように第2ブリ
ッジ回路50は平衡状態に保たれるため、該第2ブリッ
ジ回路50に電源電圧を供給しても、該第2ブリッジ回
路50の信号出力部52a,52bには電圧が発生しな
い。
【0141】一方、前記変位発生部が、前記変位基準部
に対してY軸方向に変位すると、各起歪体29,30の
変位作用部36a,37aがそれぞれ固定部35a,3
8aに対して、変位発生部の変位量と同量だけY軸方向
に変位する。この場合、本実施形態の変位計28では、
両起歪体29,30は、前述の如く前記固定側及び変位
作用部結合部材31,32により結合されているため、
一方の起歪体は、その固定部及び変位作用部の間隔が広
がるような弾性変形(前記図5(a)に示したような形
状の弾性変形)を生じ、他方の起歪体は、その固定部及
び変位作用部の間隔が縮まるような弾性変形(前記図5
(b)に示したような形状の弾性変形)を生じる。従っ
て、例えば変位発生部が変位基準部に対してY軸の正方
向に変位したときには、図13に示すように、第1起歪
体29は、その固定部35a及び変位作用部36aの間
隔が広がるような弾性変形を生じ、第2起歪体30は、
その固定部38a及び変位作用部37aの間隔が縮まる
ような弾性変形を生じる。
【0142】尚、Y軸方向の変位がY軸の負方向の変位
である場合には、各起歪体29,30の弾性変形の形状
は図13の場合と逆になる。また、Y軸の正方向、負方
向のいずれの変位であっても、各起歪体29,30は、
それぞれの固定部35a,38aの中心と変位作用部3
6a,37aの中心とを結ぶ直線に対して対称的な形状
に弾性変形する。
【0143】このとき、第1ブリッジ回路47を構成す
るひずみゲージ45a〜45dを貼着した箇所のうち、
ひずみゲージ45a,45bをそれぞれ貼着した第1起
歪体29の特定部位36x,36yのそれぞれの外周面
には、互いに同一の大きさで同じ極性の曲げひずみ(図
13の変位の場合には、伸び側の曲げひずみ)が生じ
る。同様に、ひずみゲージ45c,45dをそれぞれ貼
着した第2起歪体30の特定部位38x,38yのそれ
ぞれの外周面には、互いに同一の大きさで同じ極性の曲
げひずみ(図13の変位の場合には、縮み側の曲げひず
み)が生じ、この曲げひずみの極性は、前記特定部位3
6x,36yの外周面の曲げひずみの極性とは逆極性に
なる。
【0144】また、第2ブリッジ回路50を構成するひ
ずみゲージ46a〜46dを貼着した箇所のうち、ひず
みゲージ46a,46bをそれぞれ貼着した第1起歪体
29の特定部位36x,36yのそれぞれの内周面に
は、互いに同一の大きさで同じ極性の曲げひずみ(図1
3の変位の場合には、縮み側の曲げひずみ)が生じる。
同様に、ひずみゲージ46c,46dを貼着した第2起
歪体30の特定部位38x,38yのそれぞれの内周面
には、互いに同一の大きさで同じ極性の曲げひずみ(図
13の変位の場合には、伸び側の曲げひずみ)が生じ、
この曲げひずみの極性は、前記特定部位36x,36y
の内周面の曲げひずみの極性とは逆極性になる。
【0145】このため、前記第1ブリッジ回路47は平
衡状態に保たれると共に、前記第2ブリッジ回路50は
不平衡状態になる。
【0146】さらに、ひずみゲージ45a〜45d,4
6a〜46dを貼着した各所における各起歪体29,3
0の曲げひずみの大きさ(=ひずみゲージ15a〜15
d,16a〜16dの曲げひずみの大きさ)は、両起歪
体29,30の固定部35a,38aに対する変位作用
部36a,37aのY軸方向の変位量(=変位基準部に
対する変位発生部のY軸方向の変位量)に応じたものと
なる。
【0147】従って、前記第1実施形態の場合と同様
に、第2ブリッジ回路50にケーブル54を介して電源
電圧を供給しつつ、該第2ブリッジ回路50の出力信号
のレベルを該ケーブル54を介して観測することで、そ
の出力信号のレベルから変位計28を設置した箇所のY
軸方向の変位量(変位基準部に対する変位発生部の変位
量)を測定できることとなる。この場合、前記第1実施
形態の場合と同様、第2ブリッジ回路50の出力信号の
レベルと、Y軸方向の変位量との相関関係を表すものと
してあらかじめ用意した相関データを用いることで、第
2ブリッジ回路50の出力信号のレベルの観測値からY
軸方向の変位量を把握することができる。
【0148】また、第2ブリッジ回路50を構成するひ
ずみゲージ46a,46bの対と、ひずみゲージ46
c,46dの対とは、それぞれ互いに変形形状が前述の
ように相違する第1起歪体29,30に貼着されている
ため、Y軸方向の変位の向きがY軸方向の正方向、負方
向のいずれの向きであっても、基本的には、その変位量
の大きさが同じであれば、第2ブリッジ回路50の出力
信号のレベルの大きさも同一となる(但し、該出力信号
の極性は、変位の向きによって反転する)。従って、上
記相関データは、Y軸の正方向及び負方向のいずれか一
方の向きの変位に対して用意しておけばよい。
【0149】尚、変位発生部が変位基準部に対してY軸
方向にのみ変位した状態では、上述のように第1ブリッ
ジ回路47は平衡状態に保たれるため、該第1ブリッジ
回路47に電源電圧を供給しても、該第1ブリッジ回路
47の信号出力部49a,49bには電圧が発生しな
い。
【0150】以上のようにして、本実施形態の変位計2
8では、互いに直交するZ軸方向、Y軸方向の二つの軸
方向での、変位発生部の変位基準部に対する相対的な変
位量(変位の向きを含む)を、それぞれ第1ブリッジ回
路47及び第2ブリッジ回路50の出力信号のレベルに
基づいて測定することができる。この場合、該変位計2
8は、二つの起歪体29,30を主要構成とし、それら
の起歪体29,30を前述のように同心に並設した状態
で前記固定部結合部材31及び変位作用部結合部材32
により結合しているので、変位計28の構成を小型で簡
略なものとすることができる。
【0151】また、変位計28の起歪体29,30やひ
ずみゲージ45a〜45d,46a〜46d等は、カバ
ー部材55により覆われて該カバー部材55の内部に密
封されているため、該起歪体29,30等の防水や、砂
等の異物からの保護性を確保することができる。
【0152】さらに、Z軸方向及びY軸方向のいずれの
方向の変位についても、その変位量の大きさ(絶対値)
が同じであれば、その変位の向きによらずに各2ブリッ
ジ回路47,50の出力信号のレベルの大きさが同一に
なるので、該出力信号から各軸方向の変位量を把握する
ための相関データを最小限に留めることができる。
【0153】尚、前記第2実施形態では、Z軸方向の変
位に対してのみ感度を有する第1ブリッジ回路47と、
Y軸方向の変位に対してのみ感度を有する第2ブリッジ
回路50とをそれぞれ図11(a),(b)に示すよう
に構成したが、前記第1実施形態の場合と同様に、これ
らの第1ブリッジ回路及び第2ブリッジ回路の構成形態
は、前記第2実施形態以外にも種々の形態がある。
【0154】例えば前記第2実施形態のように8個のひ
ずみゲージ45a〜45d,46a〜46dを第1及び
第2起歪体29,30に貼着した場合、例えば、起歪体
29,30の内周面側の4個のひずみゲージ46a〜4
6dを図14(a)に示すように接続することで、Z軸
方向の変位に対してのみ感度を有する第1ブリッジ回路
47を構成すると共に、起歪体29,30の外周面側の
4個のひずみゲージ45a〜45dを図14(b)に示
すように接続することで、Y軸方向の変位に対してのみ
感度を有する第2ブリッジ回路50を構成するようにし
てもよい。
【0155】また、例えば前記図3(a),(b)に示
したように第1及び第2ブリッジ回路47,50を構成
する場合、例えば第2ブリッジ回路50のひずみゲージ
46a,46bを第1起歪体29の長辺部36の変位作
用部36aから、前記特定部位36x,36yと異なる
等間隔で該変位作用部36aの両側に存する二つの特定
部位の外周面又は内周面に貼着すると共に、ひずみゲー
ジ46c,46dを第2起歪体30の長辺部38の固定
部38aから、第1起歪体29側の二つの特定部位と同
一の等間隔で該固定部38aの両側に存する二つの特定
部位の外周面又は内周面に貼着するようにしてよい。
【0156】また、例えば前記第2実施形態で第1起歪
体29の長辺部36に貼着した4個のひずみゲージ45
a,45b,46a,46bは、これらの長辺部36に
対する位置関係と同じ位置関係で、第1起歪体29の長
辺部35の固定部35aの両側に貼着するようにしても
よい。
【0157】さらに、起歪体29,30の幅を比較的大
きくして、その内周面や外周面に該起歪体29,30の
幅方向に並列させて二つ以上のひずみゲージを貼着する
ことができるようにした場合には、例えば第2ブリッジ
回路50用のひずみゲージ46a〜46dを第1ブリッ
ジ回路47用のひずみゲージ45a〜45dにそれぞれ
並列させて前記特定部位36x,36y,38x,38
yに貼着するようにしてもよい。
【0158】また、Z軸方向の変位に対してのみ感度を
有する第1ブリッジ回路47用の4個のひずみゲージ
は、第1及び第起歪体29,30のいずれか一方のみに
貼着するようにしてもよい。
【0159】このように、前記第2実施形態の如く二つ
の起歪体29,30を具備した二軸変位計では、Z軸方
向の変位に対してのみ感度を有する第1ブリッジ回路、
及びY軸方向の変位に対してのみ感度を有する第2ブリ
ッジ回路の構成形態は種々の形態があるが、最も基本的
形態では、第1起歪体29の長辺部35の変位作用部3
5aからその両側に所定間隔を有する二つの特定部位
と、長辺部36の固定部36aからその両側に上記所定
間隔を有する二つの特定部位と、第2起歪体30の長辺
部37の変位作用部37aからその両側に上記所定間隔
を有する二つの特定部位と、長辺部38の固定部38a
からその両側に上記所定間隔を有する二つの特定部位と
からなる計八つの特定部位のうちの四つの特定部位にて
起歪体29及び/又は起歪体30に貼着した4個のひず
みゲージを用いてZ軸方向の変位に対してのみ感度を有
する第1ブリッジ回路を構成することが可能である。
【0160】また、第1起歪体29の長辺部35の変位
作用部35aからその両側に所定間隔を有する二つの特
定部位と長辺部36の固定部36aからその両側に上記
所定間隔を有する二つの特定部位とのうちのいずれか一
方の二つの特定部位にて第1起歪体29に貼着した2個
のひずみゲージと、第2起歪体30の長辺部37の変位
作用部37aからその両側に上記所定間隔を有する二つ
の特定部位と長辺部38の固定部38aからその両側に
上記所定間隔を有する二つの特定部位とのうちのいずれ
か一方の二つの特定部位にて第2起歪体30に貼着した
2個のひずみゲージとを用いてY軸方向の変位に対して
のみ感度を有し、且つ、その変位の二つの向きに対して
対称的なレベルの出力信号が得られる第2ブリッジ回路
を構成することが可能である。
【0161】また、前記第2実施形態では、変位計28
の構成をできるだけ小型化するために、第1及び第2起
歪体29,30を同心にして並設したが、前記図10の
ように、それらの軸心をずらして二軸変位計を構成する
ようにすることも可能である。
【0162】次に、本発明の第3実施形態を図15〜図
22を参照して説明する。本実施形態は、本発明の三軸
変位計に係わる実施形態である。図15は該変位計の斜
視図、図16は該変位計の分解斜視図、図17は図15
のIII−III線断面図、図18は該変位計のひずみゲージ
の貼着形態を示す説明図、図19は該変位計に備えたブ
リッジ回路の回路図、図20〜図22は該変位計の作動
説明図である図15〜図17を参照して、本実施形態の
3軸変位計58は、前記第1実施形態の起歪体1と同一
形状(長円環状)、同一材質の第1〜第4の4個の起歪
体59〜62と、第1及び第2起歪体59,60の対を
部分的に結合する結合部材63と、第3及び第4起歪体
61,62の対を部分的に結合する結合部材64と、起
歪体59,60の対及び起歪体61,62の対を互いに
部分的に結合する起歪体間結合部材65と、一対の取付
け部材66,67とを具備している。
【0163】第1及び第2起歪体59,60は、そのサ
イズも同一であり、図15及び図17に示すようにそれ
らの軸心C1を同心にして並設され、第1起歪体59の
一対の長辺部68,69はそれぞれ第2起歪体60の一
対の長辺部70,71に隣接して平行に並列している。
また、第3及び第4起歪体61,62もそれぞれ第1及
び第2起歪体59,60と同一サイズであり、図15及
び図17に示すようにそれらの軸心C2を同心にし、且
つ該軸心C2を第1及び第2起歪体59,60の軸心C
1と直交させて並設され、第3起歪体61の一対の長辺
部72,73はそれぞれ第4起歪体62の一対の長辺部
74,75に隣接して平行に並列している。尚、各起歪
体59〜62の各長辺部68〜75の長手方向は、互い
に同方向(図17の紙面に垂直な方向)に向けられてい
る。また、第1及び第2起歪体59,60の対と、第3
及び第4起歪体61,62の対とは図15に示すように
互いに交差している。
【0164】ここで、本実施形態の変位計58では、第
1及び第2起歪体59,60の対については、第1起歪
体59の一対の長辺部68,69のそれぞれの長手方向
の中央部68a,69a(図16参照)をそれぞれ該第
1起歪体59の固定部、変位作用部としている。そし
て、第1起歪体59の長辺部68に隣接する第2起歪体
60の長辺部70の長手方向の中央部70a(図16参
照)と、第1起歪体59の長辺部69に隣接する第2起
歪体60の長辺部71の長手方向の中央部71a(図1
6参照)とをそれぞれ第2起歪体60の変位作用部、固
定部としている。
【0165】また、第3及び第4起歪体61,62の対
については、第3起歪体61の一対の長辺部72,73
のそれぞれの長手方向の中央部72a,73a(図16
参照)をそれぞれ該第3起歪体61の固定部、変位作用
部とし、第3起歪体61の長辺部72に隣接する第4起
歪体62の長辺部74の長手方向の中央部74a(図1
6参照)と、第3起歪体61の長辺部73に隣接する第
4起歪体62の長辺部75の長手方向の中央部75aと
をそれぞれ第4起歪体62の変位作用部、固定部として
いる。
【0166】そして、前記結合部材63は、第1及び第
2起歪体59,60の変位作用部69a,70a同士を
結合する変位作用部結合部材、前記結合部材64は、第
3及び第4起歪体61,62の固定部72a,75a同
士を結合する固定部結合部材である。また、前記起歪体
間結合部材65は、第1及び第2起歪体59,60の両
固定部68a,71aと、第3及び第4起歪体61,6
2の両変位作用部73a,74aとを結合する部材であ
る。
【0167】この場合、変位作用部結合部材63は、前
記第2実施形態における変位作用部結合部材32と同一
構造のものであり、図16及び図17に示すように連結
部材63cにより一体に連結した一対の当接部材63
a,63bをそれぞれ、第1起歪体59の変位作用部6
9aの内周面、第2起歪体60の変位作用部70aの内
周面に当接させ、これらの当接部材63a,63bをそ
れぞれ第1起歪体59の変位作用部69a、第2起歪体
60の変位作用部70aに後述するロッド部材80,8
1と併せて複数のネジ76により固定されている。これ
により、第1及び第2起歪体59,60の両変位作用部
69a,70a同士が変位作用部結合部材63を介して
結合されている。
【0168】同様に、固定部結合部材64は、前記第2
実施形態における固定部結合部材31と同一構造のもの
であり、図16及び図17に示すように連結部材64c
により一体に連結した一対の当接部材64a,64bを
それぞれ、第3起歪体61の固定部72aの内周面、第
4起歪体62の固定部75aの内周面に当接させ、これ
らの当接部材64a,64bをそれぞれ第3起歪体61
の固定部72a、第4起歪体62の固定部75aに後述
するロッド部材82,83と併せて複数のネジ77によ
り固定されている。これにより、第3及び第4起歪体6
1,62の両固定部72a,75a同士が固定部結合部
材64を介して結合されている。
【0169】さらに、前記起歪体間結合部材65は、第
1起歪体59の固定部68aの内周面、第2起歪体60
の固定部71aの内周面、第3起歪体61の変位作用部
73aの内周面、及び第4起歪体62の変位作用部74
aの内周面にそれぞれ当接する4つの当接部材65a〜
65dを大略十字形状の連結部材65eにより一体に連
結した構造となっている。そして、該起歪体間結合部材
65の各当接部材65a〜65dがそれぞれ、第1起歪
体59の固定部68a、第2起歪体60の固定部71
a、第3起歪体61の変位作用部73a、及び第4起歪
体62の変位作用部74aのそれぞれの外周面に当接さ
せた補助結合部材78a〜78dにそれらの固定部68
a,71a、変位作用部73a,74aを貫通させた複
数のネジ79により結合されている。これにより、起歪
体間結合部材65は、前記各補助結合部材78a〜78
dとの間にそれぞれ上記固定部68a,71a及び変位
作用部73a,74aを挟持するようにして、該固定部
68a,71a及び変位作用部73a,74aに固定さ
れ、これらの固定部68a,71a及び変位作用部73
a,74aを相互に結合している。ここで、起歪体間結
合部材65は、剛性の高い金属材料等により形成された
剛体状のものである。このため、上記固定部68a,7
1a及び変位作用部73a,74aは一体に動くように
なっている。
【0170】前記取付け部材66,67は、変位計58
の設置箇所の変位発生部と変位基準部とにそれぞれ固定
的に取付けられる変位側取付け部材、固定側取付け部材
であり、第1〜第4起歪体59〜62の長手方向に間隔
を存して対向配置されている。第1〜第4起歪体59〜
62は、両取付け部材66,68間に配置されている。
【0171】これらの取付け部材66,67のうち、変
位側取付け部材66から固定側取付け部材67に向かっ
て、第1起歪体59の長辺部69に沿って該長辺部69
の長手方向に延びるロッド部材80と、第2起歪体30
の長辺部70に沿って該長辺部70の長手方向に延びる
ロッド部材81とが延設されている。これらのロッド部
材80,81の平板状の先端部80a,81aはそれぞ
れ第1起歪体59の変位作用部69aの外周面、第2起
歪体60の変位作用部70aの外周面に当接されてい
る。そして、該ロッド部材80の先端部80aは、第1
起歪体59の変位作用部69aの内周面に当接された前
記変位作用部結合部材63の当接部材63aに、該第1
起歪体59の変位作用部69aを貫通する前記ネジ76
により結合され、該変位作用部結合部材63の当接部材
63aとの間に第1起歪体59の変位作用部69aを挟
持するようにして該変位作用部69a及び変位作用部結
合部材63に固定されている。また、ロッド部材81の
先端部81aは、第2起歪体60の変位作用部37aの
内周面に当接された前記変位作用部結合部材63の当接
部材63bに、該第2起歪体60の変位作用部70aを
貫通するネジ76により結合され、該変位作用部結合部
材63の当接部材63bとの間に第2起歪体60の変位
作用部70aを挟持するようにして該変位作用部70a
及び変位作用部結合部材63に固定されている。従っ
て、変位側取付け部材66は、ロッド部材80,81を
介して第1及び第2起歪体59,60の両変位作用部6
9a,70aび変位作用部結合部材63に固定されてい
る。
【0172】上記と同様にして、固定側取付け部材67
から変位作用部取付け部材66に向かって、第3起歪体
61の長辺部72、第4起歪体62の長辺部75にそれ
ぞれ沿って延設された一対のロッド部材82,83の平
板状の先端部82a,83aが、それぞれ第3起歪体6
1の固定部72aの外周面、第4起歪体62の固定部7
5aの外周面に当接され、各固定部72a,75aの内
周面に当接された前記固定部結合部材64の当接部材6
4a,64bに前記ネジ77を介して結合されている。
これにより、固定側取付け部材67は、ロッド部材8
2,83を介して第3及び第4起歪体61,62の両固
定部72a,75a及び固定部結合部材64に固定され
ている。
【0173】ここで、前記変位側取付け部材66、固定
側取付け部材67、ロッド部材80〜83、変位作用部
結合部材63、固定部結合部材64は、剛性の高い金属
材料等により形成された剛体状のものである。このた
め、各取付け部材66,67は、それぞれ、第1及び第
2起歪体59,60の両変位作用部69a,70a、第
3及び第4起歪体61,62の両固定部72a,75a
と一体に動くようになっている。
【0174】また、ロッド部材82の先端部82aと固
定側取付け部材67との間の部分、及びロッド部材83
の先端部83aと固定側取付け部材67との間の部分
は、それぞれ第3及び第4起歪体61,62の幅方向で
長辺部72,75からその側方に離間しており(図17
参照)、第3及び第4起歪体61,62の後述する弾性
変形に際してこれらの起歪体61,62がロッド部材8
2,83に干渉することがないようになっている。この
ことは、変位側取付け部材66から延設されたロッド部
材80,81と第1及び第2起歪体59,60との位置
関係についても同様である。
【0175】さらに、固定部結合部材64の連結部材6
4cと、変位作用部結合部材63の連結部材63cと、
起歪体間結合部材65の連結部材65eとは、該起歪体
間結合部材65の連結部材64eが、固定部結合部材6
4及び変位作用部結合部材63のそれぞれの連結部材6
4c,63cの間に存するようにして、第1〜第4起歪
体59〜62の長手方向(長辺部68〜75の長手方
向)に相互に離間しており、変位測定の際に変位計58
の両取付け部材66,67が過大に接近するような変位
が生じない限り、基本的には、これらの結合部材63〜
65は互いに当接することがないようになっている。
【0176】本実施形態の変位計58では、前記第1〜
第4起歪体59〜62には、それぞれ図18に示すよう
な箇所で後述する第1ブリッジ回路85を構成する8個
のひずみゲージ86a〜86d,87a〜87dと、後
述する第2ブリッジ回路88を構成する4個のひずみゲ
ージ89a〜89dと、後述する第3ブリッジ回路90
を構成する4個のひずみゲージ91a〜91dとが貼着
されている。尚、図18では説明の便宜上、各起歪体5
9〜62の相互の位置関係をずらし、要部構成のみを模
式化して記載している。
【0177】同図18に示すように、ひずみゲージ86
a〜86dのうち、ひずみゲージ85a,85bは、第
1起歪体59の長辺部69の長手方向における変位作用
部69aの両側の二つの特定部位69x,69yにて第
1起歪体59の外周面に貼着され、ひずみゲージ85
c,85dは、第2起歪体60の長辺部71の長手方向
における固定部71aの両側の二つの特定部位71x,
71yにて第2起歪体60の外周面に貼着されている。
この場合、前記特定部位69x,69yは、変位作用部
69aから等間隔Lの位置に存する部位であり、特定部
位71x,71yは、固定部71aから上記と同一の等
間隔Lの位置に存する部位である。
【0178】同様に、前記ひずみゲージ87a〜87d
のうち、ひずみゲージ87a,87bは、第3起歪体6
1の長辺部73の長手方向における変位作用部73aの
両側の、該変位作用部73aから上記と同一の等間隔L
の位置に存する特定部位73x,73yにて第3起歪体
61の外周面に貼着され、ひずみゲージ87c,87d
は、第4起歪体62の長辺部75の長手方向における固
定部75aの両側の、該固定部75aから上記と同一の
等間隔Lの位置に存する特定部位75x,75yにて第
4起歪体62の外周面に貼着されている。
【0179】また、前記ひずみゲージ89a〜89dの
うち、ひずみゲージ89a,89bは、第1起歪体59
の前記特定部位69x,69yにて該第1起歪体59の
内周面に貼着され、ひずみゲージ89c,89dは、第
2起歪体60の前記特定部位71x,71yにて該第2
起歪体60の内周面に貼着されている。
【0180】さらに、前記ひずみゲージ91a〜91d
のうち、ひずみゲージ91a,91bは、第3起歪体6
1の前記特定部位73x,73yにて該第3起歪体61
の内周面に貼着され、ひずみゲージ91c,91dは、
第4起歪体62の前記特定部位75x,75yにて該第
4起歪体62の内周面に貼着されている。
【0181】尚、後述する変位測定の感度を高める上
で、前記特定部位69x,69yは変位作用部69aに
できるだけ近い部位、前記特定部位71x,71yは固
定部71aにできるだけ近い部位、前記特定部位73
x,73yは変位作用部73aにできるだけ近い部位、
前記特定部位75x,75yは固定部75aにできるだ
け近い部位であることが好ましく、前記間隔Lは第1〜
第4起歪体59〜62の各長辺部68〜75の長さに比
して小さなものとされている。
【0182】上述のように第1〜第4起歪体59〜62
に貼着した16個のひずみゲージ86a〜86d、87
a〜87d、89a〜89d、91a〜91dのうち、
各起歪体59〜62の外周面に貼着された8個のひずみ
ゲージ86a〜86d,87a〜87dがそれぞれから
導出されたリード線を介して図19(a)に示すように
接続されており、これにより第1ブリッジ回路85を構
成している。
【0183】すなわち、ひずみゲージ86a,87aを
直列に接続したもの(以下、ひずみゲージ対(86a,
87a)という)と、ひずみゲージ86b,87bを直
列に接続したもの(以下、ひずみゲージ対(86b,8
7b)という)と、ひずみゲージ86c,87cを直列
に接続したもの(以下、ひずみゲージ対(86c,87
c)という)と、ひずみゲージ86d,87dを直列に
接続したもの(以下、ひずみゲージ対(86d,87
d)という)とを各辺に有するように第1ブリッジ回路
85が構成されている。この場合、ひずみゲージ対(8
6a,87a)、(86d,87d)が第1ブリッジ回
路85の一対の対辺に配置され、ひずみゲージ対(86
b,87b)、(86c,87c)が第1ブリッジ回路
85の他の一対の対辺に配置されている。そして、ひず
みゲージ対(86a,87a)及び(86b,87b)
の間の中点92aと、ひずみゲージ対(86c,87
c)及び(86d,87d)の間の中点92bとを第1
ブリッジ回路85の一対の電源入力部とし、ひずみゲー
ジ対(86a,87a)及び(86c,87c)の間の
中点93aと、ひずみゲージ対(86b,87b)及び
(86d,87d)の間の中点93bとを第1ブリッジ
回路85の一対の信号出力部としている。
【0184】また、第1及び第2起歪体59,60の内
周面に貼着されたひずみゲージ89a〜89dは、それ
ぞれから導出されたリード線を介して図19(b)に示
すように接続されており、これにより該ひずみゲージ8
9a〜89dを各辺に有する第2ブリッジ回路88を構
成している。
【0185】この第2ブリッジ回路89では、ひずみゲ
ージ89a,89bが第2ブリッジ回路88の一対の対
辺に配置され、ひずみゲージ89c,89dが第2ブリ
ッジ回路88の他の一対の対辺に配置されている。そし
て、ひずみゲージ89b,89cの間の中点94aと、
ひずみゲージ89a,89dの間の中点94bとを第2
ブリッジ回路88の一対の電源入力部とし、ひずみゲー
ジ89b,89dの間の中点95aと、ひずみゲージ8
9c,89aの間の中点95bとを第2ブリッジ回路8
8の一対の信号出力部としている。
【0186】また、第3及び第4起歪体61,62の内
周面に貼着されたひずみゲージ91a〜91dは、それ
ぞれから導出されたリード線を介して図19(c)に示
すように接続されており、これにより該ひずみゲージ9
1a〜91dを各辺に有する第3ブリッジ回路90を構
成している。
【0187】この第3ブリッジ回路90では、ひずみゲ
ージ91a,91bが第3ブリッジ回路90の一対の対
辺に配置され、ひずみゲージ91c,91dが第3ブリ
ッジ回路90の他の一対の対辺に配置されている。そし
て、ひずみゲージ91b,91cの間の中点96aと、
ひずみゲージ91a,91dの間の中点96bとを第3
ブリッジ回路90の一対の電源入力部とし、ひずみゲー
ジ91b,91dの間の中点97aと、ひずみゲージ9
1c,91aの間の中点97bとを第3ブリッジ回路9
0の一対の信号出力部としている。
【0188】尚、ひずみゲージ86a〜86d、87a
〜87d、89a〜89d、91a〜91dは、そのゲ
ージ率等の特性が互いに同一のものであり、起歪体59
〜62の長辺部68〜75の長手方向におけるひずみ
(曲げひずみ)に対して感度を有する(該曲げひずみに
対して抵抗値変化を生じる)。
【0189】また、本実施形態の変位計58では、前記
固定側取付け部材67には、各ブリッジ回路85,8
8,90に電源電圧を外部から供給すると共に各ブリッ
ジ回路85,88,90の出力信号を外部に取り出すた
めの一対のケーブル98〜100が図15及び図16に
示す如く挿通され、それらのケーブル98〜100の電
源供給線や出力信号線(図示しない)が各ブリッジ回路
85,88,90に結線されている。この場合、ケーブ
ル98は、第1ブリッジ回路85用のもの、ケーブル9
9は、第2ブリッジ回路88用のもの、ケーブル100
は、第3ブリッジ回路90用のものである。
【0190】さらに、変位計58は、前記第1実施形態
のものと同様に、図15に仮想線で示す伸縮可能な蛇腹
状の管状カバー部材101が取付け部材66,67に装
着され、この管状カバー部材101の内部に、第1〜第
4起歪体59〜62等を密封している。
【0191】さらに変位計58の変位側取付け部材66
には、前記第1実施形態のものと同様に、エアコンプレ
ッサ等の空圧調整装置(図示しない)の配管ホースを接
続する接続口102が設けられ、この接続口102は、
該変位側取付け部材66の軸心部に穿設された連通孔1
03を介してカバー部材101の内部に連通している。
【0192】次に、本実施形態の変位計58の作動を説
明する。尚、以下の本実施形態の説明においては、便宜
上、図15及び図17に併記したようにXYZ直交座標
軸を想定し、第1及び第2起歪体59,60の軸心C1
の方向(第3及び第4起歪体61,62のそれぞれの両
長辺部(72,73)、(74,75)の並列方向)を
X軸方向、第3及び第4起歪体61,62の軸心C2の
方向(第1及び第2起歪体59,60のそれぞれの両長
辺部(68,69)、(70,71)の並列方向)をY
軸方向、これらの二つの方向に直交する方向(長辺部6
8〜75の長手方向)をZ軸方向と称する。
【0193】本実施形態の変位計58は、変位測定の際
に、前記第1実施形態のものと同様に、変位側取付け部
材66及び固定側取付け部材67が、それぞれ地山、建
造物等の変位発生部、変位基準部に取付けられて、測定
箇所に設置される。また、このとき、各取付け部材6
6,67をそれぞれ変位発生部、変位基準部に完全に固
定する前に、前記第1実施形態のものと同様に、必要に
応じて適宜、接続口102に図示しない空圧調整装置の
配管ホースを接続して、前記カバー部材101内の空気
圧を調整することで、両取付け部材66,67のZ軸方
向の間隔があらかじめ所望の間隔(基本的には、各起歪
体59〜62が長円環状になる間隔)に調整される。
【0194】このように測定箇所に設置した変位計58
にあっては、その測定箇所の前記変位発生部及び変位基
準部の間の、Z軸方向、Y軸方向、X軸方向の三つの軸
方向の変位量が次のようにして測定される。
【0195】例えば、前記変位基準部に対して変位発生
部がZ軸方向に変位すると、第1及び第2起歪体59,
60のそれぞれの変位作用部69a,70aがそれぞれ
固定部68a,71aに対して、変位発生部の変位量に
応じた量だけZ軸方向に変位すると同時に、第3及び第
4起歪体61,62のそれぞれの変位作用部73a,7
4aがそれぞれ固定部72a,75aに対して、変位発
生部の変位量に応じた量だけZ軸方向に変位する。この
場合、第1及び第2起歪体59,60の変位作用部69
a,70aの固定部68a,71aに対する変位量と、
第3及び第4起歪体61,62の変位作用部73a,7
4aの固定部72a,75aに対する変位量との総和が
変位基準部に対する変位作用部のZ軸方向の変位量であ
る。
【0196】そして、各起歪体59〜62は、前記第1
実施形態のものと同様に、例えば図20に示すような形
状(各軸心C1,C2に対して対称的な形状)に弾性変
形する。この場合、第1及び第2起歪体59,60は、
同一材質、同一サイズのものであるため、両者の弾性変
形の形状は同一でり、このことは第3及び第4起歪体6
1,62についても同様である。尚、図20では、前記
図18と同様に、各起歪体59〜62の相互の位置関係
をずらし、変位計58の要部構成のみを模式化して図示
している。そして、第1及び第2起歪体59,60につ
いては、それらの軸心C1の方向(図20の紙面に垂直
な方向)がX軸方向であり、第3及び第4起歪体61,
62については、それらの軸心C2(図20の紙面に垂
直な方向)がY軸方向である。また、図20では、Z軸
の負方向への変位の場合について例示している。
【0197】このとき、第1ブリッジ回路85を構成す
るひずみゲージ86a〜86d、87a〜87dを貼着
した箇所のうちの第1及び第2起歪体59,60側に関
して、ひずみゲージ86a,86dをそれぞれ貼着した
第1起歪体59の特定部位69xの外周面及び第2起歪
体60の特定部位71yの外周面には、互いに同一の大
きさで同じ極性の曲げひずみ(図20の変位の場合に
は、縮み側の曲げひずみ)が生じる。同様に、ひずみゲ
ージ86b,86cをそれぞれ貼着した第1起歪体59
の特定部位69yの外周面及び第2起歪体60の特定部
位71xの外周面には、互いに同一の大きさで同じ極性
の曲げひずみ(図20の変位の場合には、伸び側の曲げ
ひずみ)が生じ、この曲げひずみの極性は、前記特定部
位69x,71yの外周面の曲げひずみの極性とは逆極
性になる。
【0198】そして、上記特定部位69x,69y,7
1x,71yの外周面の曲げひずみの相互関係は、第2
ブリッジ回路88を構成するひずみゲージ89a〜89
dをそれぞれ貼着した箇所、すなわち、上記特定部位6
9x,69y,71x,71yの内周面についても同様
に成立する。但し、各特定部位69x,69y,71
x,71yの内周面の曲げひずみは、外周面の曲げひず
みと極性が逆になる。
【0199】また、第1ブリッジ回路85のひずみゲー
ジ86a〜86dのそれぞれと対になるひずみゲージ8
7a〜87dを貼着した第3及び第4起歪体61,62
に関しては、ひずみゲージ87a,87dをそれぞれ貼
着した第3起歪体61の特定部位73xの外周面及び第
4起歪体62の特定部位75yの外周面には、互いに同
一の大きさで同じ極性の曲げひずみが生じる。同様に、
ひずみゲージ87b,87cをそれぞれ貼着した第3起
歪体60の特定部位73yの外周面及び第4起歪体62
の特定部位75xの外周面には、互いに同一の大きさで
同じ極性の曲げひずみが生じ、この曲げひずみの極性
は、前記特定部位73x,75yの外周面の曲げひずみ
の極性と逆極性になる。
【0200】そして、上記特定部位73x,73y,7
5x,75yの外周面の曲げひずみの相互関係は、第3
ブリッジ回路90を構成するひずみゲージ91a〜91
dをそれぞれ貼着した箇所、すなわち、上記特定部位7
3x,73y,75x,75yの内周面についても同様
に成立する。但し、各特定部位73x,73y,75
x,75yの内周面の曲げひずみは、外周面の曲げひず
みと逆極性になる。
【0201】このため、前記第1ブリッジ回路85は不
平衡状態となり、前記第2及び第3ブリッジ回路88,
90は平衡状態に保たれる。尚、この場合、第1及び第
2起歪体59,60側については、前記特定部位69
y,71xのそれぞれの内周面の曲げひずみ(=ひずみ
ゲージ89b,89cの曲げひずみ)は、前記特定部位
69x,71yの外周面の曲げひずみ(=ひずみゲージ
86a,86dの曲げひずみ)とほぼ同一となり、特定
部位69x,71yのそれぞれの内周面の曲げひずみ
(=ひずみゲージ89a,89dの曲げひずみ)は、前
記特定部位69y,71xの外周面(=ひずみゲージ8
6b,86cの曲げひずみ)とほぼ同一になる。また、
第3及び第4起歪体61,62側については、前記特定
部位73y,75xのそれぞれの内周面の曲げひずみ
(=ひずみゲージ91b,91cの曲げひずみ)は、前
記特定部位73x,75yの外周面の曲げひずみ(=ひ
ずみゲージ87a,87dの曲げひずみ)とほぼ同一に
なり、特定部位73x,75yのそれぞれの内周面の曲
げひずみ(=ひずみゲージ91a,91dの曲げひず
み)は、前記特定部位73y,75xの外周面の曲げひ
ずみ(=ひずみゲージ87b,87cの曲げひずみ)と
ほぼ同一となる。
【0202】さらに、ひずみゲージ86a〜86d,8
7a〜87d,89a〜89d,91a〜91dを貼着
した各所における各起歪体59〜62の曲げひずみの大
きさは、変位基準部に対する変位発生部のZ軸方向の変
位量に応じたものとなる。
【0203】従って、第1ブリッジ回路85にケーブル
98を介して電源電圧を供給しつつ、該第1ブリッジ回
路85の出力信号のレベルを該ケーブル93を介して観
測することで、その出力信号のレベルから変位計58を
設置した箇所のZ軸方向の変位量(変位基準部に対する
変位発生部の変位量)を測定できることとなる。この場
合、前記第1実施形態の場合と同様、第1ブリッジ回路
85の出力信号のレベルと、Z軸方向の変位量との相関
関係を表すものとしてあらかじめ用意した相関データを
用いることで、第1ブリッジ回路85の出力信号のレベ
ルの観測値からZ軸方向の変位量を把握することができ
る。
【0204】また、前記第1実施形態のものと同様に、
Z軸方向の変位の向きがZ軸方向の正方向、負方向のい
ずれの向きであっても、基本的には、その変位量の大き
さが同じであれば、第1ブリッジ回路85の出力信号の
レベルの大きさも同一となる(但し、該出力信号の極性
は、変位の向きによって反転する)。従って、上記相関
データは、Z軸の正方向及び負方向のいずれか一方の向
きの変位に対して用意しておけばよい。
【0205】尚、変位発生部が変位基準部に対してZ軸
方向にのみ変位した状態では、上述のように第2及び第
3ブリッジ回路88,90は平衡状態に保たれるため、
該第2及び第3ブリッジ回路88,90に電源電圧を供
給しても、それらのブリッジ回路88,90の信号出力
部(95a,95b)、(97a,97b)には電圧が
発生しない。
【0206】また、前記変位発生部が、前記変位基準部
に対してY軸方向に変位すると、第1及び第2起歪体5
9,60の変位作用部69a,70aがそれぞれ固定部
68a,71aに対して、変位発生部の変位量と同量だ
けY軸方向に変位する。この場合、本実施形態の変位計
58では、第1及び第2起歪体59,60は、同心に並
列した状態で、前記変位作用部結合部材63及び起歪体
間結合部材65により前述の如く結合されているため、
前記第2実施形態の変位計28のY軸方向変位の場合に
おける前記起歪体29,30の弾性変形と同様の形態
で、第1及び第2起歪体59,60の弾性変形が生じ
る。従って、例えば変位発生部が変位基準部に対してY
軸の正方向に変位したときには、図21に示すように、
第1起歪体59は、その固定部68a及び変位作用部6
9aの間隔が広がるような弾性変形を生じ、第2起歪体
60は、その固定部71a及び変位作用部70aの間隔
が縮まるような弾性変形を生じる。
【0207】また、第3及び第4起歪体61,62に関
しては、これらの軸心C2がY軸方向に向けられている
ため、これらの起歪体61,62の弾性変形は基本的に
は生じず、図21に示すように長円環状に維持される。
【0208】このとき、第1ブリッジ回路85を構成す
るひずみゲージ86a〜86d、87a〜87dを貼着
した箇所のうちの第1及び第2起歪体59,60側に関
して、ひずみゲージ86a,86bをそれぞれ貼着した
第1起歪体59の特定部位69x,69yの外周面に
は、互いに同一の大きさで同じ極性の曲げひずみ(図2
1の変位の場合には、伸び側の曲げひずみ)が生じる。
同様に、ひずみゲージ86c,86dを貼着した第2起
歪体60の特定部位71x,71yの外周面には、互い
に同一の大きさで同じ極性の曲げひずみ(図21の変位
の場合には、縮み側の曲げひずみ)が生じ、この曲げひ
ずみの極性は、前記特定部位69x,69yの外周面の
曲げひずみの極性とは逆極性になる。
【0209】そして、上記特定部位69x,69y,7
1x,71yの外周面の曲げひずみの相互関係は、第2
ブリッジ回路88を構成するひずみゲージ89a〜89
dをそれぞれ貼着した箇所、すなわち、特定部位69
x,69y,71x,71yの内周面についても同様に
成立する。但し、各特定部位69x,69y,71x,
71yの内周面の曲げひずみは、外周面の曲げひずみと
極性が逆になる。
【0210】また、第3及び第4起歪体61,62側の
第1ブリッジ回路85用のひずみゲージ87a〜87d
の貼着箇所、並びに、第3ブリッジ回路90用のひずみ
ゲージ91a〜91dの貼着箇所に関しては、いずれの
特定部位73x,73y,75x,75yにもひずみが
生じない。
【0211】このため、前記第1及び第3ブリッジ回路
85,90は平衡状態に保たれると共に、前記第2ブリ
ッジ回路88は不平衡状態になる。
【0212】さらに、第2ブリッジ回路88用のひずみ
ゲージ89a〜89bを貼着した各所におけるひずみ
は、変位発生部の変位基準部に対するY軸方向の変位量
に応じたものとなる。
【0213】従って、第2ブリッジ回路88にケーブル
99を介して電源電圧を供給しつつ、該第2ブリッジ回
路88の出力信号のレベルを該ケーブル99を介して観
測することで、その出力信号のレベルから変位計58を
設置した箇所のY軸方向の変位量(変位基準部に対する
変位発生部の変位量)を測定できることとなる。この場
合、第2ブリッジ回路88の出力信号のレベルと、Y軸
方向の変位量との相関関係を表すものとしてあらかじめ
用意した相関データを用いることで、第2ブリッジ回路
88の出力信号のレベルの観測値からY軸方向の変位量
を把握することができる。
【0214】また、第2ブリッジ回路88は、その構成
形態が前記第2実施形態の変位計28における第2ブリ
ッジ回路50と同一であるので、該第2実施形態の場合
と同様に、Y軸方向の変位の向きがY軸方向の正方向、
負方向のいずれの向きであっても、基本的には、その変
位量の大きさが同じであれば、第2ブリッジ回路88の
出力信号のレベルの大きさも同一となる。従って、上記
相関データは、Y軸の正方向及び負方向のいずれか一方
の向きの変位に対して用意しておけばよい。
【0215】尚、変位発生部が変位基準部に対してY軸
方向にのみ変位した状態では、上述のように第1及び第
3ブリッジ回路85,90は平衡状態に保たれるため、
それらのブリッジ回路85,90の信号出力部(93
a,93b)、(97a,97b)には電圧が発生しな
い。
【0216】また、前記変位発生部が、前記変位基準部
に対してX軸方向に変位すると、第3及び第4起歪体6
1,62の変位作用部73a,74aがそれぞれ固定部
72a,75aに対して、変位発生部の変位量と同量だ
けX軸方向に変位する。この場合、前述のY軸方向の変
位の場合における第1及び第2起歪体59,60の弾性
変形と同じような形態で第3及び第4起歪体61,62
が弾性変形する。例えば変位発生部が変位基準部に対し
てX軸の正方向に変位したときには、図22に示すよう
に、第3起歪体61は、その固定部71a及び変位作用
部73aの間隔が広がるような弾性変形を生じ、第4起
歪体62は、その固定部75a及び変位作用部74aの
間隔が縮まるような弾性変形を生じる。
【0217】また、第1及び第2起歪体59,60に関
しては、これらの軸心C1がX軸方向に向けられている
ため、これらの起歪体59,60の弾性変形は基本的に
は生じず、図22に示すように長円環状に維持される。
【0218】このとき、第3及び第4起歪体61,62
の特定部位73x,73y,75x,75yには、Y軸
方向の変位の場合における前記第1及び第2起歪体5
9,60の特定部位69x,69y,71x,71yと
同様の曲げひずみが生じる。また、第1及び第2起歪体
59,60の特定部位69x,69y,71x,71y
にはひずみが生じない。このため、第1及び第2ブリッ
ジ回路85,88は平衡状態に保たれ、第3ブリッジ回
路90が不平衡状態となる。
【0219】さらに、第3及び第4起歪体61,62の
特定部位73x,73y,75x,75yのそれぞれの
曲げひずみは、変位発生部の変位基準部に対するX軸方
向の変位量に応じたものとなる。従って、第3ブリッジ
回路90にケーブル100を介して電源電圧を供給しつ
つ、該第3ブリッジ回路90の出力信号のレベルを該ケ
ーブル100を介して観測することで、その出力信号の
レベルから変位計58を設置した箇所のX軸方向の変位
量(変位基準部に対する変位発生部の変位量)を測定で
きることとなる。この場合、第3ブリッジ回路90の出
力信号のレベルと、X軸方向の変位量との相関関係を表
すものとしてあらかじめ用意した相関データを用いるこ
とで、第3ブリッジ回路90の出力信号のレベルの観測
値からX軸方向の変位量を把握することができる。
【0220】また、Y軸方向の変位の場合と同様に、X
軸方向の変位の向きがX軸方向の正方向、負方向のいず
れの向きであっても、基本的には、その変位量の大きさ
が同じであれば、第3ブリッジ回路90の出力信号のレ
ベルの大きさも同一となる。従って、上記相関データ
は、X軸の正方向及び負方向のいずれか一方の向きの変
位に対して用意しておけばよい。
【0221】尚、変位発生部が変位基準部に対してX軸
方向にのみ変位した状態では、上述のように第1及び第
2ブリッジ回路85,88は平衡状態に保たれるため、
それらのブリッジ回路85,88の信号出力部(93
a,93b)、(95a,95b)には電圧が発生しな
い。
【0222】以上のようにして、本実施形態の変位計5
8では、互いに直交するZ軸方向、Y軸方向、X軸方向
の三つの軸方向での、変位発生部の変位基準部に対する
相対的な変位量(変位の向きを含む)を、それぞれ第1
ブリッジ回路85、第2ブリッジ回路88及び第3ブリ
ッジ回路90の出力信号のレベルに基づいて測定するこ
とができる。この場合、該変位計58は、2対の起歪体
(59,60),(61,62)を主要構成とし、それ
らの各対の起歪体(59,60),(61,62)をそ
れぞれ前述のように同心に並設した状態で前記変位作用
部結合部材63、固定部結合部材64及び起歪体間結合
部材65により結合しているので、変位計58の構成を
小型で簡略なものとすることができる。
【0223】また、変位計58の起歪体59〜62やひ
ずみゲージ86a〜86d、87a〜87d、89a〜
89d、91a〜91d等は、カバー部材101により
覆われて該カバー部材101の内部に密封されているた
め、該起歪体59〜62等の防水や、砂等の異物からの
保護性を確保することができる。
【0224】さらに、Z軸方向、Y軸方向及びX軸方向
のいずれの方向の変位についても、その変位量の大きさ
(絶対値)が同じであれば、その変位の向きによらずに
各ブリッジ回路85,88,90の出力信号のレベルの
大きさが同一になるので、該出力信号から各軸方向の変
位量を把握するための相関データを最小限に留めること
ができる。
【0225】尚、前記第3実施形態では、Z軸方向の変
位に対してのみ感度を有する第1ブリッジ回路85と、
Y軸方向の変位に対してのみ感度を有する第2ブリッジ
回路88と、X軸方向の変位に対してのみ感度を有する
第3ブリッジ回路90とをそれぞれ図19(a)〜
(c)に示すように構成したが、前記第1実施形態や第
2実施形態の場合と同様に、これらの第1〜第3ブリッ
ジ回路の構成形態は、前記第3実施形態以外にも種々の
形態がある。
【0226】例えば前記第3実施形態のように12個の
ひずみゲージ86a〜86d,87a〜87d,89a
〜89d,91a〜91dを第1〜第4起歪体59〜6
2に貼着した場合、例えば、第1〜第4起歪体59〜6
2の内周面側の8個のひずみゲージ89a〜89d、9
1a〜91dを図23(a)に示すように接続すること
で、Z軸方向の変位に対してのみ感度を有する第1ブリ
ッジ回路85を構成すると共に、第1及び第2起歪体5
9,60の外周面側の4個のひずみゲージ86a〜86
dの組と、第3及び第4起歪体61,62の外周面側の
4個のひずみゲージ87a〜87dの組とをそれぞれ図
23(b),(c)に示すように接続することで、それ
ぞれY軸方向、X軸方向の変位に対してのみ感度を有す
る第2ブリッジ回路88、第3ブリッジ回路90を構成
するようにしてもよい。
【0227】また、Z軸方向の変位に関しては、第1及
び第2起歪体59,60の組、第3及び第4起歪体6
1,62の組の各組について、Z軸方向の変位量に応じ
た弾性変形が生じるので、いずれか一方の組の起歪体に
貼着された4個のひずみゲージ(86a〜86d)又は
(87a〜88d)を用いて、前記第2実施形態の場合
と同様の形態で第1ブリッジ回路を構成するようにして
もよい。
【0228】さらに、各ブリッジ回路85,88,90
を構成するひずみゲージの貼着箇所についても、前記第
2実施形態に関して説明したような変形態様が可能であ
る。
【0229】このように、前記第3実施形態の如く四つ
の起歪体59〜62を具備した三軸変位計では、Z軸方
向の変位に対してのみ感度を有する第1ブリッジ回路、
Y軸方向の変位に対してのみ感度を有する第2ブリッジ
回路、及びX軸方向の変位に対してのみ感度を有する第
3ブリッジ回路の構成形態は種々の形態があるが、最も
基本的形態では、第1及び第2起歪体59,60の組、
並びに第3及び第4起歪体61,62の組の少なくとも
いずれか一方側の組、例えば起歪体59,60の組に対
して、起歪体59の長辺部69の変位作用部69aから
その両側に所定間隔を有する二つの特定部位と、長辺部
68の固定部68aからその両側に上記所定間隔を有す
る二つの特定部位と、起歪体60の長辺部70の変位作
用部70aからその両側に上記所定間隔を有する二つの
特定部位と、長辺部71の固定部71aからその両側に
上記所定間隔を有する二つの特定部位とからなる計八つ
の特定部位のうちの四つの特定部位にて起歪体29及び
/又は起歪体30に貼着した4個のひずみゲージを貼着
する。そして、少なくともその4個のひずみゲージを用
いることで、Z軸方向の変位に対してのみ感度を有する
第1ブリッジ回路を構成することが可能である。
【0230】また、第1起歪体59の長辺部69の変位
作用部69aからその両側に所定間隔を有する二つの特
定部位と長辺部68の固定部68aからその両側に上記
所定間隔を有する二つの特定部位とのうちのいずれか一
方の二つの特定部位にて第1起歪体59に貼着した2個
のひずみゲージと、第2起歪体60の長辺部71の変位
作用部71aからその両側に上記所定間隔を有する二つ
の特定部位と長辺部70の固定部70aからその両側に
上記所定間隔を有する二つの特定部位とのうちのいずれ
か一方の二つの特定部位にて第2起歪体60に貼着した
2個のひずみゲージとを用いてY軸方向の変位に対して
のみ感度を有し、且つ、その変位の二つの向きに対して
対称的なレベルの出力信号が得られる第2ブリッジ回路
を構成することが可能である。
【0231】さらに、上記第2ブリッジ回路の場合と同
様に、第3起歪体61及び第4起歪体62のそれぞれの
一方側の長辺部(72又は73)、(74又は75)の
それぞれに2個ずつ貼着したひずみゲージ(計4個)を
用いてX軸方向の変位に対してのみ感度を有し、且つ、
その変位の二つの向きに対して対称的なレベルの出力信
号が得られる第3ブリッジ回路を構成することが可能で
ある。
【0232】また、前記第3実施形態では、変位計58
の構成をできるだけ小型化するために、第1及び第2起
歪体59,60の組、第3及び第4起歪体61,62の
組をそれぞれ同心にして並設すると共に、各組を互いに
交差させるようにしたが、例えば前記図18のように、
各組毎の軸心をずらしたり、各組の起歪体の対を互いに
交差させずに並列させたりして、三軸変位計を構成する
ようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の二軸変位計の側面図。
【図2】図1のI−I線断面図。
【図3】第1実施形態の変位計に備えたブリッジ回路の
回路図。
【図4】第1実施形態の変位計の作動説明図。
【図5】第1実施形態の変位計の作動説明図。
【図6】第1実施形態の変位計の変形態様におけるブリ
ッジ回路の回路図。
【図7】本発明の第2実施形態の二軸変位計の斜視図。
【図8】第2実施形態の変位計の分解斜視図。
【図9】図7のII−II線断面図。
【図10】第2実施形態の変位計のひずみゲージの貼着
形態を示す説明図。
【図11】第2実施形態の変位計に備えたブリッジ回路
の回路図。
【図12】第2実施形態の変位計の作動説明図。
【図13】第2実施形態の変位計の作動説明図。
【図14】第2実施形態の変位計の変形態様におけるブ
リッジ回路の回路図。
【図15】本発明の第3実施形態の三軸変位計の斜視
図。
【図16】第3実施形態の変位計の分解斜視図。
【図17】図15のIII−III線断面図。
【図18】第3実施形態の変位計のひずみゲージの貼着
形態を示す説明図。
【図19】第3実施形態の変位計に備えたブリッジ回路
の回路図。
【図20】第3実施形態の変位計の作動説明図。
【図21】第3実施形態の変位計の作動説明図。
【図22】第3実施形態の変位計の作動説明図。
【図23】第3実施形態の変位計の変形態様におけるブ
リッジ回路の回路図。
【符号の説明】
1,28,58…変位計、2,29,30,59〜62
…起歪体、7,8,35〜38,68〜75…起歪体の
長辺部、8a,35a,38a,68a,71a,72
a,75a…固定部、7a,36a,37a,69a,
70a,73a,74a…変位作用部、7x,7y,8
x,8y,36x,36y,38x,38y,69x,
69y,71x,71y,73x,73y,75x,7
5y…特定部位、17,20,47,50,85,8
8,90…ブリッジ回路、3,4,33,34,66,
67…取付け部材、15a〜15d,16a〜16d,
45a〜45d,46a〜46d,86a〜86d,8
7a〜87d,89a〜89d,91a〜91d…ひず
みゲージ、31,64…固定部結合部材、32,63…
変位作用部結合部材、65…起歪体間結合部材、9,1
2,41〜44,81〜84…ロッド部材、25,5
5,101…カバー部材、26,56,102…接続
口、27,57,103…連通孔。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性変形が可能な帯状部材により長円環状
    に形成され、変位測定の際に、その一対の長辺部のうち
    の一方の長辺部の長手方向の中央部が固定部として、変
    位を測定しようとする変位発生部に対する変位基準部に
    固定されると共に、他方の長辺部の長手方向の中央部が
    変位作用部として、前記変位発生部に固定される起歪体
    と、 該起歪体のあらかじめ定めた複数の特定部位にて該起歪
    体に貼着された複数のひずみゲージと、 前記起歪体の変位作用部が前記固定部に対して前記両長
    辺部の長手方向に変位したときにその変位量に応じた出
    力を発生するように前記複数のひずみゲージのうちの所
    定の複数のひずみゲージを接続して構成された第1ブリ
    ッジ回路と、 前記起歪体の変位作用部が前記固定部に対して前記両長
    辺部の並列方向に変位したときにその変位量に応じた出
    力を発生するように前記複数のひずみゲージのうちの所
    定の複数のひずみゲージを接続して構成された第2ブリ
    ッジ回路とを備えたことを特徴とする二軸変位計。
  2. 【請求項2】前記複数のひずみゲージは、前記起歪体の
    前記一方の長辺部の固定部から該長辺部の長手方向に第
    1所定間隔を有して該固定部の両側に存する二つの特定
    部位と前記他方の長辺部の変位作用部から該長辺部の長
    手方向に前記第1所定間隔を有して該変位作用部の両側
    に存する二つの特定部位とから成る四つの特定部位のう
    ちのあらかじめ定めた二つの特定部位にて前記起歪体の
    外周面及び内周面にそれぞれ前記第1ブリッジ回路用の
    ひずみゲージとして貼着された4個のひずみゲージと、 前記起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該長辺部の
    長手方向に第2所定間隔を有して該固定部の両側に存す
    る二つの特定部位と前記他方の長辺部の変位作用部から
    該長辺部の長手方向に前記第2所定間隔を有して該変位
    作用部の両側に存する二つの特定部位とから成る四つの
    特定部位のうちのあらかじめ定めた二つの特定部位にて
    前記起歪体の外周面及び内周面にそれぞれ前記第2ブリ
    ッジ回路用のひずみゲージとして貼着された4個のひず
    みゲージとを有し、 前記第1ブリッジ回路は、該第1ブリッジ回路用の4個
    のひずみゲージを該第1ブリッジ回路の各辺に備えるよ
    うに該4個のひずみゲージを接続して構成され、 前記第2ブリッジ回路は、該第2ブリッジ回路用の4個
    のひずみゲージを該第2ブリッジ回路の各辺に備えるよ
    うに該4個のひずみゲージを接続して構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の二軸変位計。
  3. 【請求項3】弾性変形が可能な一対の同一材質の帯状部
    材によりそれぞれ同一サイズの長円環状に形成され、そ
    の軸心を互いに同方向に向けると共にその各長辺部を互
    いに平行に延在させて並設された第1及び第2起歪体
    と、 前記第1起歪体の一対の長辺部のうちの一方の長辺部の
    長手方向の中央部と前記第2起歪体の一対の長辺部のう
    ちの一方の長辺部の長手方向の中央部とをそれぞれ各起
    歪体の固定部としてその両固定部に結合され、変位測定
    の際に、変位を測定しようとする変位発生部に対する変
    位基準部に固定される剛体状の固定部結合部材と、 前記第1起歪体の他方の長辺部の長手方向の中央部と前
    記第2起歪体の他方の長辺部の長手方向の中央部とをそ
    れぞれ各起歪体の変位作用部としてその両変位作用部に
    結合されると共に、前記固定部結合部材に対して各起歪
    体の両長辺部の並列方向に変位したときに両起歪体のう
    ちの一方の起歪体の両長辺部の中央部の間隔を広げ、且
    つ他方の起歪体の両長辺部の中央部の間隔を縮めるよう
    に設けられ、変位測定の際に、前記変位発生部に固定さ
    れる剛体状の変位作用部結合部材と、 前記第1及び第2起歪体のあらかじめ定めた複数の特定
    部位に貼着された複数のひずみゲージと、 前記変位作用部結合部材が前記固定部結合部材に対して
    両起歪体の長辺部の長手方向に変位したときにその変位
    量に応じた出力を発生するように前記複数のひずみゲー
    ジのうちの所定の複数のひずみゲージを接続して構成さ
    れた第1ブリッジ回路と、 前記変位作用部結合部材が前記固定部結合部材に対して
    各起歪体の両長辺部の並列方向に変位したときにその変
    位量に応じた出力を発生するように、前記複数のひずみ
    ゲージのうち、両起歪体にそれぞれ貼着されたひずみゲ
    ージを含む所定の複数のひずみゲージを接続して構成さ
    れた第2ブリッジ回路とを備えたことを特徴とする二軸
    変位計。
  4. 【請求項4】前記複数のひずみゲージは、前記第1起歪
    体の前記一方の長辺部の固定部から該長辺部の長手方向
    に第1所定間隔を有して該固定部の両側に存する二つの
    特定部位と、該第1起歪体の前記他方の長辺部の変位作
    用部から該長辺部の長手方向に前記第1所定間隔を有し
    て該変位作用部の両側に存する二つの特定部位と、前記
    第2起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該長辺部の
    長手方向に前記第1所定間隔を有して該固定部の両側に
    存する二つの特定部位と、該第2起歪体の前記他方の長
    辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向に前記第1所
    定間隔を有して該変位作用部の両側に存する二つの特定
    部位とからなる八つの特定部位のうちのあらかじめ定め
    た四つの特定部位にてそれぞれ前記第1ブリッジ回路用
    のひずみゲージとして前記第1及び/又は第2起歪体に
    貼着された4個のひずみゲージと、 前記第1起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該長辺
    部の長手方向に第2所定間隔を有して該固定部の両側に
    存する二つの特定部位と、該第1起歪体の前記他方の長
    辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向に前記第2所
    定間隔を有して該変位作用部の両側に存する二つの特定
    部位とのうちのいずれか一方の二つの特定部位にてそれ
    ぞれ前記第2ブリッジ回路用のひずみゲージとして該第
    1起歪体に貼着された2個のひずみゲージと、 前記第2起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該長辺
    部の長手方向に前記第2所定間隔を有して該固定部の両
    側に存する二つの特定部位と、該第2起歪体の前記他方
    の長辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向に前記第
    2所定間隔を有して該変位作用部の両側に存する二つの
    特定部位とのうちのいずれか一方の二つの特定部位にて
    それぞれ前記第2ブリッジ回路用のひずみゲージとして
    該第2起歪体に貼着された2個のひずみゲージとを有
    し、 前記第1ブリッジ回路は、該第1ブリッジ回路用の前記
    4個のひずみゲージを該第1ブリッジ回路の各辺に備え
    るように該4個のひずみゲージを接続して構成され、 前記第2ブリッジ回路は、該第2ブリッジ回路用の前記
    4個のひずみゲージを該第2ブリッジ回路の各辺に備え
    るように該4個のひずみゲージを接続して構成されてい
    ることを特徴とする請求項3記載の二軸変位計。
  5. 【請求項5】前記第1及び第2起歪体は、その軸心を同
    心にして並設され、 前記固定部結合部材は、前記第1起歪体の一方の長辺部
    の長手方向の中央部と、前記第2起歪体の一対の長辺部
    のうち、該第1起歪体の他方の長辺部に隣接する該第2
    起歪体の長辺部の長手方向の中央部とを各起歪体の前記
    固定部として両固定部に結合され、 前記変位作用部結合部材は、前記第1起歪体の他方の長
    辺部の長手方向の中央部と、前記第2起歪体の一対の長
    辺部のうち、該第1起歪体の前記一方の長辺部に隣接す
    る該第2起歪体の長辺部の長手方向の中央部とを各起歪
    体の前記変位作用部として両変位作用部に結合されてい
    ることを特徴とする請求項3又は4記載の二軸変位計。
  6. 【請求項6】弾性変形が可能な一対の同一材質の帯状部
    材によりそれぞれ同一サイズの長円環状に形成され、そ
    の軸心を互いに同方向に向けると共にその各長辺部を互
    いに平行に延在させて並設された第1及び第2起歪体
    と、 弾性変形が可能な一対の同一材質の帯状部材によりそれ
    ぞれ同一サイズの長円環状に形成され、その軸心を前記
    第1及び第2起歪体の軸心と直行する方向で互いに同方
    向に向けると共にその各長辺部を互いに平行に延在させ
    て並設された第3及び第4起歪体と、 前記第3起歪体の一対の長辺部のうちの一方の長辺部の
    長手方向の中央部と前記第4起歪体の一対の長辺部のう
    ちの一方の長辺部の長手方向の中央部とをそれぞれ該第
    3及び第4起歪体の固定部としてその両固定部に結合さ
    れ、変位測定の際に、変位を測定しようとする変位発生
    部に対する変位基準部に固定される剛体状の固定部結合
    部材と、 前記第3起歪体の他方の長辺部の長手方向の中央部と前
    記第4起歪体の他方の長辺部の長手方向の中央部とをそ
    れぞれ該3及び第4起歪体の変位作用部としてその両変
    位作用部に結合されると共に、前記固定部結合部材に対
    して該第3及び第4起歪体のそれぞれの両長辺部の並列
    方向に変位したときに該第3及び第4起歪体のうちの一
    方の起歪体の両長辺部の中央部の間隔を広げ、且つ他方
    の起歪体の両長辺部の中央部の間隔を縮めるように設け
    られ、さらに、前記第1起歪体の一方の長辺部の長手方
    向の中央部と前記第2起歪体の一方の長辺部の長手方向
    の中央部とをそれぞれ該第1及び第2起歪体の固定部と
    してその両固定部に結合された剛体状の起歪体間結合部
    材と、 前記第1起歪体の他方の長辺部の長手方向の中央部と前
    記第2起歪体の他方の長辺部の長手方向の中央部とをそ
    れぞれ該第1及び第2起歪体の変位作用部としてその両
    変位作用部に結合されると共に、前記起歪体間結合部材
    に対して該第1及び第2起歪体のそれぞれの両長辺部の
    並列方向に変位したときに該第1及び第2起歪体のうち
    の一方の起歪体の両長辺部の中央部の間隔を広げ、且つ
    他方の起歪体の両長辺部の中央部の間隔を縮めるように
    設けられ、変位測定の際に、前記変位発生部に固定され
    る剛体状の変位作用部結合部材と、 前記第1〜第4起歪体のあらかじめ定めた複数の特定部
    位に貼着された複数のひずみゲージと、 前記変位作用部結合部材が前記固定部結合部材に対して
    前記第1〜第4起歪体の長辺部の長手方向に変位したと
    きにその変位量に応じた出力を発生するように前記複数
    のひずみゲージのうちの所定の複数のひずみゲージを接
    続して構成された第1ブリッジ回路と、 前記変位作用部結合部材が前記固定部結合部材に対して
    前記第1及び第2起歪体のそれぞれの両長辺部の並列方
    向に変位したときにその変位量に応じた出力を発生する
    ように、前記複数のひずみゲージのうち、該第1及び第
    2起歪体にそれぞれ貼着されたひずみゲージを含む所定
    の複数のひずみゲージを接続して構成された第2ブリッ
    ジ回路と、 前記変位作用部結合部材が前記固定部結合部材に対して
    前記第3及び第4起歪体のそれぞれの両長辺部の並列方
    向に変位したときにその変位量に応じた出力を発生する
    ように、前記複数のひずみゲージのうち、該第3及び第
    4起歪体にそれぞれ貼着されたひずみゲージを含む所定
    の複数のひずみゲージを接続して構成された第3ブリッ
    ジ回路とを備えたことを特徴とする三軸変位計。
  7. 【請求項7】前記複数のひずみゲージは、前記第1及び
    第2起歪体の組と、前記第3及び第4起歪体の組との少
    なくともいずれか一方側の組の二つの起歪体のうちの一
    方の起歪体の一方の長辺部の長手方向の中央部から該長
    辺部の長手方向に第1所定間隔を有して該中央部の両側
    に存する二つの特定部位と、該一方の起歪体の他方の長
    辺部の長手方向の中央部から該長辺部の長手方向に前記
    第1所定間隔を有して該中央部の両側に存する二つの特
    定部位と、前記一方側の組の二つの起歪体のうちの他方
    の起歪体の一方の長辺部の長手方向の中央部から該長辺
    部の長手方向に前記第1所定間隔を有して該中央部の両
    側に存する二つの特定部位と、該他方の起歪体の他方の
    長辺部の長手方向の中央部から該長辺部の長手方向に前
    記第1所定間隔を有して該中央部の両側に存する二つの
    特定部位とからなる八つの特定部位のうちのあらかじめ
    定めた四つの特定部位にてそれぞれ前記第1ブリッジ回
    路用のひずみゲージとして前記一方の起歪体及び/又は
    他方の起歪体に貼着された4個のひずみゲージと、 前記第1起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該長辺
    部の長手方向に第2所定間隔を有して該固定部の両側に
    存する二つの特定部位と、該第1起歪体の前記他方の長
    辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向に前記第2所
    定間隔を有して該変位作用部の両側に存する二つの特定
    部位とのうちのいずれか一方の二つの特定部位にてそれ
    ぞれ前記第2ブリッジ回路用のひずみゲージとして該第
    1起歪体に貼着された2個のひずみゲージと、 前記第2起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該長辺
    部の長手方向に前記第2所定間隔を有して該固定部の両
    側に存する二つの特定部位と、該第2起歪体の前記他方
    の長辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向に前記第
    2所定間隔を有して該変位作用部の両側に存する二つの
    特定部位とのうちのいずれか一方の二つの特定部位にて
    それぞれ前記第2ブリッジ回路用のひずみゲージとして
    該第2起歪体に貼着された2個のひずみゲージと、 前記第3起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該長辺
    部の長手方向に第3所定間隔を有して該固定部の両側に
    存する二つの特定部位と、該第3起歪体の前記他方の長
    辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向に前記第3所
    定間隔を有して該変位作用部の両側に存する二つの特定
    部位とのうちのいずれか一方の二つの特定部位にてそれ
    ぞれ前記第3ブリッジ回路用のひずみゲージとして該第
    3起歪体に貼着された2個のひずみゲージと、 前記第4起歪体の前記一方の長辺部の固定部から該長辺
    部の長手方向に前記第3所定間隔を有して該固定部の両
    側に存する二つの特定部位と、該第4起歪体の前記他方
    の長辺部の変位作用部から該長辺部の長手方向に前記第
    3所定間隔を有して該変位作用部の両側に存する二つの
    特定部位とのうちのいずれか一方の二つの特定部位にて
    それぞれ前記第3ブリッジ回路用のひずみゲージとして
    該第4起歪体に貼着された2個のひずみゲージとを有
    し、 前記第1ブリッジ回路は、少なくとも該第1ブリッジ回
    路用の前記4個のひずみゲージを該第1ブリッジ回路の
    各辺に備えるように該4個のひずみゲージを接続して構
    成され、 前記第2ブリッジ回路は、該第2ブリッジ回路用の前記
    4個のひずみゲージを該第2ブリッジ回路の各辺に備え
    るように該4個のひずみゲージを接続して構成され、 前記第3ブリッジ回路は、該第3ブリッジ回路用の前記
    4個のひずみゲージを該第3ブリッジ回路の各辺に備え
    るように該4個のひずみゲージを接続して構成されてい
    ることを特徴とする請求項6記載の3軸変位計。
  8. 【請求項8】前記第1及び第2起歪体がその軸心を同心
    にして並設されると共に、前記第3及び第4起歪体が第
    1及び第2起歪体と交差した状態でその軸心を同心にし
    て並設され、 前記固定部結合部材は、前記第3起歪体の一方の長辺部
    の長手方向の中央部と、前記第4起歪体の一対の長辺部
    のうち、該第3起歪体の他方の長辺部に隣接する該第4
    起歪体の長辺部の長手方向の中央部とを該第3及び第4
    起歪体の前記固定部としてその両固定部に結合され、 前記変位作用部結合部材は、前記第1起歪体の一方の長
    辺部の長手方向の中央部と、前記第2起歪体の一対の長
    辺部のうち、該第1起歪体の他方の長辺部に隣接する該
    第2起歪体の長辺部の長手方向の中央部とを該第1及び
    第2起歪体の前記変位作用部としてその両変位作用部に
    結合され、 前記起歪体間結合部材は、前記第1起歪体の他方の長辺
    部の中央部と、前記第2起歪体の一対の長辺部のうち、
    該第1起歪体の前記一方の長辺部に隣接する該第2起歪
    体の長辺部とを該第1及び第2起歪体の変位作用部とす
    ると共に、前記第3起歪体の他方の長辺部の長手方向の
    中央部と、前記第4起歪体の一対の長辺部のうち、該第
    3起歪体の前記一方の長辺部に隣接する該第4起歪体の
    長辺部の長手方向の中央部とを該第3及び第4起歪体の
    固定部とし、該第1及び第2起歪体の両変位作用部と該
    第3及び第4起歪体の両固定部とに結合されていること
    を特徴とする請求項6又は7記載の三軸変位計。
  9. 【請求項9】変位測定の際に前記変位基準部と変位発生
    部とにそれぞれ取付けられる一対の剛体状の取付部材が
    前記起歪体の長手方向の両側に備えられると共に、該一
    対の取付部材は、それぞれ該取付部材から延設された剛
    体状のロッド部材を介してそれぞれ前記起歪体の固定部
    及び変位基準部に結合されており、 前記一対の取付け部材の間で前記起歪体の周囲を密封状
    態で覆う伸縮可能な管状カバー部材がその両端部を該一
    対の取付け部材に装着して設けられていることを特徴と
    する請求項1又は2記載の二軸変位計。
  10. 【請求項10】変位測定の際に前記変位基準部と変位発
    生部とにそれぞれ取付けられる一対の剛体状の取付け部
    材をそれらの間に前記第1及び第2起歪体が存するよう
    にして該両起歪体の長手方向に間隔を存して備えられる
    と共に、該一対の取付け部材は、それぞれ該取付け部材
    から延設された剛体状のロッド部材を介してそれぞれ前
    記固定部結合部材及び変位作用部結合部材に結合されて
    おり、 前記一対の取付け部材の間で前記第1及び第2起歪体の
    周囲を密封状態で覆う伸縮可能な管状カバー部材がその
    両端部を該一対の取付け部材に装着して設けられている
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の
    二軸変位計。
  11. 【請求項11】変位測定の際に前記変位基準部と変位発
    生部とにそれぞれ取付けられる一対の剛体状の取付け部
    材をそれらの間に前記第1〜第4起歪体が存するように
    して該第1〜第4起歪体の長手方向に間隔を存して備え
    られると共に、該一対の取付け部材は、それぞれ該取付
    け部材から延設された剛体状のロッド部材を介してそれ
    ぞれ前記固定部結合部材及び変位作用部結合部材に結合
    されており、 前記一対の取付け部材の間で前記第1〜第4起歪体の周
    囲を密封状態で覆う伸縮可能な管状カバー部材がその両
    端部を該一対の取付け部材に装着して設けられているこ
    とを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の三
    軸変位計。
  12. 【請求項12】前記一対の取付け部材のいずれか一方の
    取付け部材は、その外面部に前記管状カバー部材の内部
    の空気圧を調整するための空圧調整装置の配管を接続す
    る接続口を備えると共に、該接続口と前記管状カバー部
    材の内部とを連通させて該一方の取付け部材に穿設され
    た連通孔を備えていることを特徴とする請求項9又は1
    0記載の二軸変位計。
  13. 【請求項13】前記一対の取付け部材のいずれか一方の
    取付け部材は、その外面部に前記管状カバー部材の内部
    の空気圧を調整するための空圧調整装置の配管を接続す
    る接続口を備えると共に、該接続口と前記管状カバー部
    材の内部とを連通させて該一方の取付け部材に穿設され
    た連通孔を備えていることを特徴とする請求項11記載
    の三軸変位計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107514992A (zh) * 2016-06-17 2017-12-26 湖南科技学院 一种应变电阻式水平检测仪

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