JP2002206676A - 取水・放水用管 - Google Patents
取水・放水用管Info
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Abstract
レン製管を用い、しかも浮力や海流及び潮流にかかわら
ず海水中への敷設が容易な取水・放水用管を提供する。 【解決手段】 高密度ポリエチレンに充填剤を添加して
比重を1.0〜1.5に調節された材料から形成されて
なる取水用管11。
Description
関する。更に詳しくは、本発明は、海水、湖水、河川
水、汽水域などからの取水や、雨水、排水などの海、
湖、河川などへの放水(放流)のために、それらの水中
又は底部に敷設される取水・放水用管に関する。
度差発電の温度差水、発電所冷却水、水産養殖事業用養
殖水、飲料用水などの取水用の管は、従来より鋼管やア
ルミニウム管のような金属製管を陸上から海中や、海
底、あるいは湖・河川にまで敷設することが行われてき
た。しかし、このような金属製管には十分な防食処理が
必要な上、重量が重いため、施工性が悪く、施工費も高
いという欠点があった。
食性能に優れている合成樹脂製管、とりわけ高密度ポリ
エチレン管のような可撓性管が使用されつつあるが、高
密度ポリエチレン製管は低比重の為、水面上に浮き上が
るなどの問題があり、アンカーなどで管を固定、または
管自身に鋼板やステンレス板などを巻き付けたりしなけ
ればならなかった(図5参照)。そして最近では、海洋
深層水が、太陽光が届かないために光合成が行われず、
栄養分が豊富で、かつ病原菌などが非常に少なく清浄で
ある点で注目されている。このような海洋深層水の取水
用管には、次のような課題が存在した。
るが、海底(通常、水深200〜300m)に敷設する
となると、まず防食処理という厄介な問題があり、飲料
水や水産養殖事業用のようなきれいな水を必要とすると
ころでは、錆などの発生が懸念されていた。さらに、重
量が重く、海底での敷設作業の上からも問題があった。
が必要なく、また、軽量であることから可撓性である高
密度ポリエチレン管が好ましい取水用管として検討され
てきた。しかし、この場合の取水用管の敷設に関して
は、一般的に比重が0.96と軽すぎるため水中での沈
降作業が困難であった。更に施工時に管内部に空気が混
入する場合があり、この取水用管を所定の位置に敷設す
ることは、非常に困難であった。さらに具体的に述べれ
ば、現在の海洋深層水取水用の高密度ポリエチレン管
は、高密度ポリエチレンの比重が0.96であって非常
に軽量であるため、図3に示すようなウエイト調整管
(半割鋼製ウエイト16・16をボルト17で接合)な
どを高密度ポリエチレン管15に巻き付けて、重量を調
整していた。しかし、この工法は非常にコストが必要に
なり、加えて施工性が悪いという問題点があった。そし
て、施工立地条件や潮流の強弱によって異なるが、ある
一例を取り上げると、例えば通常の比重0.96の高密
度ポリエチレン管を使用した場合、図4に示すように、
水深0〜50mの範囲では埋設施工であるが海中に沈め
る重量が必要があり、高密度ポリエチレン管10mに対
し0.4m(必要付加水中重量22kg/m)、水深5
0〜100mの範囲では高密度ポリエチレン管10mに
対し8m(必要付加水中重量580kg/m)、水深1
00〜200mの範囲では高密度ポリエチレン管10m
に対し2.8m(必要付加水中重量200kg/m)、
水深200m以下では高密度ポリエチレン管10mに対
し1.6m(必要付加水中重量115kg/m)の割合
で図3に示すウエイト調整管16(鋼製、t=15m
m)を使用しなければならない。
食処理が不必要な合成樹脂製管で、とりわけ可撓性の高
密度ポリエチレン製管を用い、しかも浮力や海流及び潮
流、または河川の流れにかかわらず水中への敷設が容易
な取水・放水用管を提供しようとするものである。
ば、ポリオレフィン系合成樹脂、好ましくは高密度ポリ
エチレンに充填剤を添加して比重を1.0〜1.5に調
節された材料から形成されてなる取水・放水用管が提供
される。
ないポリオレフィン系合成樹脂、好ましくは高密度ポリ
エチレンに充填剤を添加して特定の比重:1.0〜1.
5に調節することによって、防食と水中への設置を共に
容易にしようとするものである。
として用いられるポリオレフィン系合成樹脂、好ましく
は高密度ポリエチレン(分子量:15万〜20万)は、
比重が通常0.96であり、その材料の比重を充填剤を
加えて1.0〜1.5に調節される。充填剤としては、
金属、金属塩、金属酸化物、タルク及び炭酸カルシウム
の中から選択された1以上のものを使用するのが好まし
く、金属酸化物としては酸化亜鉛がより好ましいものと
して挙げられる。充填剤の添加量は、高密度ポリエチレ
ンに対し5〜70重量%とするのが好ましい。充填剤の
添加には、高密度ポリエチレン中に充填剤を均一に分散
させるために、分散剤、例えばアミド系のエチレンビス
ステアリン酸アミド、シラン系カップリング剤などの添
加が好ましい。またあらかじめ充填剤を高濃度に含有し
た濃縮ペレット(マスターバッチ)を作製しておいて、
高密度ポリエチレン中に所定量を添加する方法がより好
ましい。
水などの海、湖、河川、汽水域などへの放水(放流)
や、海、湖、河川、汽水域などからの取水のために、管
の一部または全部が、それらの水中又は底部にそれぞれ
敷設される放水用管および取水用管であって、具体的に
は、排水(廃水)、汚水などを処理施設(処理槽)へ導
水したり、排水、雨水などを海、湖、河川などへ放水
(放流)する放水用管(導水管)、および海洋温度差発
電の温度差水、発電所冷却水、水産養殖事業用養殖水、
飲料用水などに利用する海洋深層水や、飲料用水、工業
用水などに利用する湖、河川、汽水域などの水(淡水、
清水)をそれぞれ取水する取水用管(取水管)である。
本発明に係る取水・放水用管は、通常、口径200〜3
500mm程度で、標準長さ1〜5mのものが使用さ
れ、通常の円管(円筒状管)に加えて波付管やコルゲー
ト管として、さらにこれらの管の継手としての使用も一
つの形態として可能である。
いて詳述する。なお、これによって本発明が限定される
ものではない。
の実施の形態として取水用管を示す概略説明図である。
図1において、海洋深層水の取水パイプライン〜〜
は、多数の取水用管11,12,……を連結して構成
され、海岸から深海(例えば水深250m)まで、傾斜
する岸壁に沿って敷設されている。そして各取水用管1
1,12,……は、潮流の大きな浅瀬付近では、比較
的高比重(例えば、1.3)の取水用管が使用され、ま
た深海に近づくにつれて波の影響が少なくなるので、深
海の海底附近では、比較的低比重(例えば、1.0
2)の取水用管が使用され、パイプライン全体〜〜
として安定に海水中に設置されている。次に上述の比
較的高比重や低比重の取水用管の製造方法について述べ
る。
剤を別々に練り込んでペレット状にしたマスターバッチ
を予め準備する。そして適宜マスターバッチを組み合わ
せることにより、通常の押し出し成形により、所望の比
重に調節した取水用管を得る。もちろんこのマスターバ
ッチの作成にあたっては、その充填剤は、比重が1より
重くなければならない。
ッチの比重を表1に示す。
エチレンを重量比:50/50で組み合わせたものの比
重を表している。第1に高密度ポリエチレン樹脂と酸化
亜鉛でマスターバッチを作成すると、マスターバッチの
比重は1.63となり、次に高密度ポリエチレン樹脂と
炭酸カルシウムでマスターバッチを作成すると、マスタ
ーバッチの比重は1.29に、高密度ポリエチレン樹脂
とタルクで比重が1.41、高密度ポリエチレン樹脂と
硫酸バリウムで比重が1.57となる。
に、高密度ポリエチレン樹脂の比重0.96に充填剤を
混合することによって比重1.0にするには、酸化亜鉛
のマスターバッチで9.70%、炭酸カルシウムのマス
ターバッチで15.38%、タルクのマスターバッチで
12.42%、硫酸バリウムのマスターバッチで10.
30%が必要となる。また、比重1.1にするには、酸
化亜鉛のマスターバッチで30.84%、炭酸カルシウ
ムのマスターバッチで48.96%、タルクのマスター
バッチで39.50%、硫酸バリウムのマスターバッチ
で32.62%が必要である。さらに比重1.2にする
には、酸化亜鉛のマスターバッチで48.46%、炭酸
カルシウムのマスターバッチで76.92%、タルクの
マスターバッチで62.03%、硫酸バリウムのマスタ
ーバッチで51.50%が必要である。そして比重1.
3にするには、酸化亜鉛のマスターバッチで63.36
%、タルクのマスターバッチで81.16%、硫酸バリ
ウムのマスターバッチで67.34%が必要となる。比
重1.4にするには、酸化亜鉛のマスターバッチで7
6.14%、硫酸バリウムのマスターバッチで80.9
2%が必要となる。さらに比重1.5にするには、酸化
亜鉛のマスターバッチで87.22%、硫酸バリウムの
マスターバッチで92.70%が必要となる。
%)の中の( )内の数値はHDPE(高密度ポリエチ
レン)と各々の充填材を混合したときの充填材の混合重
量%を示す。例えば、酸化亜鉛(ZnO)を用いて混合
後の比重を1.0に調整するとき、酸化亜鉛(ZnO)
が高密度ポリエチレンに対して4.85重量%であるこ
とを示している。充填剤の中でも、高比重5.5の酸化
亜鉛や、金属塩の硫酸バリウムを使用すると、炭酸カル
シウムやタルクに比べ非常に低混入率で比重を上げるこ
とができるので最も好ましい。
剤に用いる場合は、ステンレスなど腐食しにくく、かつ
環境に悪影響を及ぼさないものを用いることが好まし
い。
合して比重を調整した管(以下、比重調整管という)、
例えば、比重を1.35に調整したφ2000の高密度
ポリエチレン管を使用した場合、図2に示すように水深
0〜50mの範囲では埋設施工であるが海中に沈める重
量が必要である。水深50〜100mの範囲では比重調
整管10mに対し6.4m(必要付加水中重量460k
g/m)、水深100〜160mの範囲では比重調整管
10mに対し1.2m(必要付加水中重量90kg/
m)の割合で図3に示すウエイト調整管16(鋼製、t
=15mm)が必要である。従って、水深0〜50m及
び160m以下の範囲ではウエイト調整管16を使用し
なくても敷設が可能になる。以上のごとく、高密度ポリ
エチレン樹脂製管で、特に深層水取水パイプラインとし
て有用なあらゆる条件に適した比重に調節して製造する
ことによって、耐久性、施工性及び環境適応性に優れた
取水用管を提供することが可能となった。あらゆる条件
とは、海水比重、地形及び取水用管を沈降する箇所の潮
流といったものである。
とき、図示の様な地形で鋼管などの高比重管では、・
のポイントに非常に大きい集中荷重がかかるため管の
破損が生じる可能性もあるが、比重を調整した取水用管
11,12,……では自重・浮力を考慮に入れ、集中荷
重を意図的に低減することが可能となった。
いポリオレフィン系合成樹脂、好ましくは高密度ポリエ
チレンに充填剤を添加して特定の比重:1.0〜1.5
に調節することによって、防食と水中への設置を共に容
易にし、安全性、施工性が飛躍的に向上する。また、無
公害樹脂の代表とも言える高密度ポリエチレンを使用し
ているので、水中、特に海水中への有害物質の浸出も皆
無で環境保全上も非常に有益である。
態として取水用管を示す概略説明図である。
管の施工例を説明する図である。
用状態を示す断面図である。
の施工例を説明する図である。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系合成樹脂に充填剤を添
加して比重を1.0〜1.5に調節された材料から形成
されてなる取水・放水用管。 - 【請求項2】 ポリオレフィン系合成樹脂が高密度ポリ
エチレンである請求項1に記載の取水・放水用管。 - 【請求項3】 充填剤が、金属、金属塩、金属酸化物、
タルク及び炭酸カルシウムの中から選択された1以上の
ものからなる請求項1又は2に記載の取水・放水用管。 - 【請求項4】 充填剤の添加量が、高密度ポリエチレン
に対し5〜70重量%である請求項2又は3に記載の取
水・放水用管。 - 【請求項5】 充填剤が、酸化亜鉛である請求項3又は
4に記載の取水・放水用管。 - 【請求項6】 充填剤が、硫酸バリウムである請求項3
又は4に記載の取水・放水用管。 - 【請求項7】 管口径が、200〜3500mmである
請求項1〜6のいずれか1つに記載の取水・放水用管。 - 【請求項8】 海洋深層水の取水に用いられる請求項1
〜7のいずれか1つに記載の取水・放水用管。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001329309A JP2002206676A (ja) | 2000-10-31 | 2001-10-26 | 取水・放水用管 |
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---|---|---|---|
JP2000332694 | 2000-10-31 | ||
JP2000-332694 | 2000-10-31 | ||
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Publications (2)
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JP2002206676A5 JP2002206676A5 (ja) | 2005-06-02 |
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ID=26603149
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001329309A Pending JP2002206676A (ja) | 2000-10-31 | 2001-10-26 | 取水・放水用管 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002206676A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010078150A (ja) * | 2008-09-09 | 2010-04-08 | Heerema Fabrication Group Bv | 水中パイプラインシステムで使用するためのパイプ部、水中パイプラインシステム、及びその使用方法 |
JP2013525694A (ja) * | 2010-03-30 | 2013-06-20 | デ・セ・エヌ・エス | 海洋温度差エネルギープラント用の冷水汲み上げ用吸引パイプ |
-
2001
- 2001-10-26 JP JP2001329309A patent/JP2002206676A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013525694A (ja) * | 2010-03-30 | 2013-06-20 | デ・セ・エヌ・エス | 海洋温度差エネルギープラント用の冷水汲み上げ用吸引パイプ |
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