JP2002202430A - 分波素子および波長ルータ - Google Patents
分波素子および波長ルータInfo
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Abstract
有する分波素子を実現する。 【解決手段】 波長ルータは、複数個の入力ポート10
a、10bそれぞれに分波素子12a、12bを備える
とともに、複数個の出力ポート14a〜14cそれぞれ
に合波素子16a〜16cを備える。分波素子と合波素
子とはフォトニック結晶で構成される。フォトニック結
晶の入射面と出射面との形状は相違している。分波素子
の出射面OSと合波素子の入射面ISとを曲面にしてあ
る。
Description
力された波長多重された光信号を、波長ごとに異なった
経路へ送出するための分波素子、およびこの分波素子を
用いた波長ルータに関する。
折格子素子などの様々なタイプのものが知られている。
ology,vol.17,pp.2032-2038,1999年11月」には、スーパ
ープリズム現象を示すフォトニック結晶を、分波素子と
して利用することが開示されている。スーパープリズム
現象とは、波長変化に対する光の伝搬方向の変化が極め
て大きくなる現象のことを言う。フォトニック結晶は、
周囲に対して屈折率差の大きい板、円柱、あるいは球な
どを結晶格子に類似した位置に配置したものである。こ
のフォトニック結晶によって波長分散の大きな分波素子
を構成できる。
ニック結晶を分波素子として用いて波長ルータを構成す
る場合、以下の問題が発生する。
それぞれ個別の導波路(あるいは光ファイバ)に入射さ
せる必要がある。従来の分波素子では波長分散特性が十
分でないため、フォトニック結晶と導波路との間隔を比
較的大きく空けておかなければならない。しかし、これ
では波長ルータが大型化してしまうので、フォトニック
結晶中で各波長の光を十分に分離させるようにした方が
好ましい。すなわち、上記文献に記載の分波素子を波長
ルータに適用する場合、分波素子を構成するフォトニッ
ク結晶中での光信号の伝搬距離を大きくするために、長
いフォトニック結晶を必要とする。
下の微細構造を有するものであり、大きなフォトニック
結晶を作製することは困難である。また、フォトニック
結晶中での損失は比較的大きいことから、フォトニック
結晶を長くすることは望ましくない。
ートからの光を、複数の出力ポートへ波長ごとに選択的
にルーティングする必要がある。従来、このようなシス
テムにフォトニック結晶素子を適用したものは無かっ
た。
れば、フォトニック結晶で構成され、このフォトニック
結晶の出射面の形状がこのフォトニック結晶の入射面の
形状と相違しており、出射面が曲面であることを特徴と
する。
射面と出射面との形状が相違しているので、フォトニッ
ク結晶通過後の光の伝搬方向を波長ごとに異ならせるこ
とができる。また、出射面における光の出射位置は波長
に応じて異なる。上述のように、この出射面を曲面にし
たので、この出射面の法線の方向はその面内の位置に応
じて相違している。したがって、光の出射位置における
出射面の法線の方向は波長ごとに相違しているので、波
長分散特性の向上が図れる。
数個の入力ポートそれぞれに分波素子を備え、複数個の
出力ポートそれぞれに合波素子を備え、入力ポートに入
力された波長多重された光信号を、波長ごとに異なった
出力ポートに送出する波長ルータにおいて、分波素子お
よび合波素子をそれぞれフォトニック結晶で構成したこ
とを特徴とする。
して、複数の入力ポートからの光を複数の出力ポートへ
波長ごとにルーティングするシステムを実現できる。
実施の形態につき説明する。なお、図は、この発明を理
解できる程度に形状、大きさおよび配置関係を概略的に
示すものに過ぎない。よって、この発明は図示例に限定
されない。
の形態の波長ルータの要部構成を示す図である。この波
長ルータは、複数個の入力ポート10a、10bそれぞ
れに分波素子12a、12bを備えている。また、この
波長ルータは、複数個の出力ポート14a、14b、1
4cそれぞれに合波素子16a、16b、16cを備え
る。この波長ルータは、入力ポートに入力された波長多
重された光信号を、波長ごとに異なった出力ポートに送
出するように構成されている。
れぞれ光ファイバ18a、18bの出力端が接続されて
いる。また、出力ポート14a、14b、14cには、
それぞれ光ファイバ20a、20b、20cの出力端が
接続されている。
との間、および入力ポート10bと分波素子12bとの
間に、それぞれレンズ22a、22bが挿入されてい
る。また、出力ポート14aと合波素子16aとの間、
出力ポート14bと合波素子16bとの間、および出力
ポート14cと合波素子16cとの間に、それぞれレン
ズ24a、24b、24cが挿入されている。これら入
力側のレンズと出力側のレンズとでコリメート系が構成
されており、入出力間で最もロスが小さくなる光束を発
生させる。典型的には平行光線の光束を発生させる。
分波素子12a、12bと、合波素子16a、16b、
16cとが、それぞれフォトニック結晶で構成されてい
る。例えば、このフォトニック結晶は、2次元平面内に
六方晶系状に配置された高屈折率媒質で構成される。し
かし、その他の結晶系であっても良い。また、高屈折率
媒質の配列を1次元構造にしたものであっても良い。ま
た、異なる構造の複数の結晶構造を1つの素子に組み込
むようにすれば、光束の形状の制御が可能になる。
出力側とが同じ構成であり、入力側の構成を逆転させた
ものが出力側に配置されている。図1に示すように、典
型的には点対称配置にするのが好適である。
ニック結晶の入射面と出射面との形状を相違させてい
る。また、分波素子12a、12bの出射面OSと、合
波素子16a、16b、16cの入射面ISとを曲面に
してある。図1に示すように、フォトニック結晶の入射
面および出射面のいずれか一方が平面であって、他方が
凹面である。すなわち、出射面OSおよび入射面ISが
凹面である。後述するように、この構成によれば波長分
散特性が向上する。
波長ルータの基本的な動作につき説明する。光ファイバ
18aによって入力ポート10aに導かれた波長多重光
は、レンズ22aによって適切な形状の光束の入力光2
6とされる。然る後、この入力光26は分波素子12a
に入力される。分波素子12aを構成するフォトニック
結晶中では、波長によって光の伝搬方向が異なる。分波
素子12aを出射後の光も、波長によってその伝搬方向
が異なった状態に維持される。各波長の光は、それぞれ
異なった合波素子16a、16b、16cに入射され
る。然る後、各波長の光は、各合波素子を通過して、対
応するレンズ24a、24b、24cに導かれる。続い
て各波長の光は、各レンズにより、対応する出力ポート
14a、14b、14cに接続された光ファイバ20
a、20b、20cの端面に集光される。
成するフォトニック結晶は、波長ごとに光の伝搬方向を
変える目的で使用される。よって、フォトニック結晶自
体の大きさは光束の数倍程度の微細なものであれば充分
である。
12bの出射面OS、および合波素子16a、16b、
16cの入射面ISの設計方法について説明する。基本
的にこれらの面は同じ形状であって良い。図2は、波数
ベクトル空間での光伝搬の様子を示す図である。
は、自由空間におけるものであり、その形状は円形状で
ある。分散面28の原点32からの距離は入力光26の
波数ベクトルの大きさを示している。また、分散面30
はフォトニック結晶(分波素子12a)中におけるもの
であり、図示の通り、結晶構造の対称性を反映した複雑
な形状となっている。分散面30の原点32からの距離
は、フォトニック結晶中での入力光26の波数ベクトル
の大きさを示している。分散面30は、当該分散面30
の法線の方向が急激に変化する形状であるため、わずか
な波長の変化が伝搬方向の急激な変化に変換される。
の方向の分散面30のみが示されている。また、ここで
の光波長は、バンドギャップ外の透明領域の波長とす
る。
図2(A)中、原点32を通り、図中の上下方向に延在
する直線は、フォトニック結晶(分波素子12a)の入
射面に垂直な方向のベクトル成分(以下、法線ベクトル
34と称する。)を表す。原点32を始点とし、分散面
28を終点とする波数ベクトル36は、フォトニック結
晶の入射面に対して入射される入力光26の波数ベクト
ルである。法線ベクトル34と波数ベクトル36とのな
す角度が、入力光26の入射面に対する入射角度に対応
している。
二つの媒質の境界面では、それぞれの媒質中を伝搬する
光の接線成分が同一になる。そのため、フォトニック結
晶中の光の波数ベクトルは、原点32を始点とし、法線
ベクトル34に平行なベクトル38と分散面30との交
点を終点とする波数ベクトル40で表される。この波数
ベクトル40で表される光のエネルギ伝搬方向(光束方
向)は、波数ベクトル40の終点における分散面30の
法線方向42であることが知られている。したがって、
フォトニック結晶中における光の伝搬方向は、図2
(A)中の矢印42の方向となる。
の波長に応じて異なる。そのため、ベクトル38と分散
面30との交点は波長に応じて移動する。上述したよう
に、分散面30の法線方向42は分散面30上の位置に
応じて急激に変化するため、わずかに波長が異なると光
の伝搬方向は大きく異なる。
a)の出射面OSが入射面と平行である場合には、波数
ベクトル40は元の入力光の波数ベクトル36と同一の
ベクトルに変換されてしまう。したがってこれでは、フ
ォトニック結晶から出射された光は、波長が異なってい
ても伝搬方向が同一になってしまう。また、出射面OS
が入射面と平行でなく、入射面に対して傾いた斜面であ
っても、出射面OSが平面であればやはり出力光は平行
光線となり、波長に応じた伝搬方向の違いは消滅する。
そこで、図2(B)に示すような工夫が必要となる。
下方向から傾いた直線は、フォトニック結晶(分波素子
12a)の出射面OSに垂直な方向のベクトル成分(以
下、法線ベクトル34′と称する。)を表している。図
2(B)には、出射面OS上の一点における法線ベクト
ル34′のみが示されている。このようにすると、出射
面OSから出射される光の波数ベクトル36′は、原点
32を始点とし、法線ベクトル34′に平行なベクトル
38′と分散面28との交点を終点とする波数ベクトル
になる。法線ベクトル34′の方向を選択し、出射光の
波数ベクトル36′が法線方向(伝搬方向)42と平行
となるようにする。上述したように光の伝搬方向すなわ
ち分散面30の法線方向42は波長に応じて異なってい
るので、各波長ごとに法線ベクトル34′の傾きを異な
らせるようにすれば、波長ごとに伝搬方向の異なる出力
光が得られる。この結果得られる出射面OSの形状は曲
面である。
の数倍程度の微細な大きさで、1%の波長変化Δλに対
して50°程度の波長分散が得られる。
形状も、入力側のフォトニック結晶(分波素子)の形状
と同じにすれば良い。出力側のフォトニック結晶では、
入力側のフォトニック結晶で生じる過程と逆の過程が行
われる。
ニック結晶であっても、多入出力ポートを有した波長ル
ータを実現できる。この構成によれば、作製の容易化や
光損失の削減が期待できる。
の形態の波長ルータの要部構成を示す図である。この実
施の形態の波長ルータは、入力ポートおよび出力ポート
の少なくとも一方に、偏光分離素子と偏光回転素子とを
設けた点に特色を有する。
入力ポート10a、10bそれぞれに分波素子12a、
12b、12c、12dを備えている。また、この波長
ルータは、複数個の出力ポート14a、14b、14c
それぞれに合波素子16a、16b、16c、16d、
16e、16fを備える。これら分波素子および合波素
子は、第1の実施の形態で説明したものと同じものであ
る。
れぞれ光ファイバ18a、18bの出力端が接続されて
いる。また、出力ポート14a、14b、14cには、
それぞれ光ファイバ20a、20b、20cの出力端が
接続されている。
との間に、偏光分離素子44aおよび偏光回転素子46
aが挿入されている。また、入力ポート10bと分波素
子12cとの間に、偏光分離素子44bおよび偏光回転
素子46bが挿入されている。
との間に、偏光合波素子44cおよび偏光回転素子46
cが挿入されている。また、出力ポート14bと合波素
子16cとの間に、偏光合波素子44dおよび偏光回転
素子46dが挿入されている。また、出力ポート14c
と合波素子16eとの間に、偏光合波素子44eおよび
偏光回転素子46eが挿入されている。
光を互いに直交する二つの偏光成分に分離するものであ
る。また、偏光回転素子46a〜46eは、入力された
偏光を90°回転させるものである。偏光合波素子44
c、44dおよび44eは偏光分離素子44aおよび4
4bと同じものである。偏光合波素子には、互いに直交
する二つの偏光が入射されるように構成され、偏光合波
素子においてこれらの偏光が合波される。また、出力側
の偏光回転素子46c、46dおよび46eは、入力側
の偏光回転素子46aおよび46bにより偏光回転され
た偏光を元の偏光に戻すためのものである。
の入力光が偏光分離素子44aで二つの偏光に分離され
る。そして、一方の偏光は偏光回転素子46aを通過し
て偏光回転され、然る後、分波素子12aに入力され
る。また、他方の偏光は直接、分波素子12bに入力さ
れる。
偏光分離素子44bで二つの偏光に分離され、一方の偏
光は偏光回転素子46bを通過した後に分波素子12c
に入力され、他方の偏光は直接、分波素子12dに入力
される。
光合波素子および偏光回転素子が配置された出力側の合
波素子に入射される。また、入力側で偏光回転されなか
った偏光は、偏光合波素子および偏光回転素子が配置さ
れていない合波素子に入射される。
した偏光は、偏光回転素子46cおよび偏光合波素子4
4cを通過した後、出力ポート14aへ出力される。ま
た、合波素子16bに入射した偏光は、偏光合波素子4
4cを通過した後、出力ポート14aへ出力される。ま
た、合波素子16cに入射した偏光は、偏光回転素子4
6dおよび偏光合波素子44dを通過した後、出力ポー
ト14bへ出力される。また、合波素子16dに入射し
た偏光は、偏光合波素子44dを通過した後、出力ポー
ト14bへ出力される。また、合波素子16eに入射し
た偏光は、偏光回転素子46eおよび偏光合波素子44
eを通過した後、出力ポート14cへ出力される。ま
た、合波素子16fに入射した偏光は、偏光合波素子4
4eを通過した後、出力ポート14cへ出力される。
ータが実現される。一般にフォトニック結晶は強い偏光
依存性を有している。また、光ファイバ中での偏光は予
測不可能である。よって、フォトニック結晶を光通信シ
ステムで使用する場合には、この実施の形態で説明した
ように、偏光無依存性の構成にしておくことが望まし
い。
の形態の波長ルータの要部構成を示す図である。この実
施の形態の波長ルータは、分波素子の出射面側および合
波素子の入射面側に、それぞれコリメート用のレンズを
設けた点に特色を有する。
は第1の実施の形態で説明した構成を有している。それ
に加えて、図4の例では、分波素子12aの出射面OS
側にレンズ48が挿入されている。また、合波素子16
aの入射面IS側にレンズ50が挿入されている。これ
らレンズ48および50によりコリメート系が構成され
ている。したがって、分波素子12aの出射面OSから
出力された光は、レンズ48によって平行光にされ、然
る後、レンズ50によって合波素子16aの入射面IS
に対して集光される。この構成によれば、分波素子およ
び合波素子間での光損失の低減が図れる。
構造を示す斜視図である。図5に示すように、分波素子
を構成するフォトニック結晶56の形状は、直方体のひ
とつの面aを、この面aに対向する面bの向きに凹ませ
た形状である。この直方体を、面bに対して垂直に交差
する平面cで切った切り口の断面形状は、長方形の一辺
を凹ませた形状となっている。また、この直方体を、面
cに垂直な平面dで切った切り口の断面形状は、長方形
である。
説明に供する斜視図である。図6に示すように、分波素
子52a、52b、52cそれぞれを構成するフォトニ
ック結晶の形状は、図5を参照して説明した通りであ
る。
してなる分波素子群58が示されている。この分波素子
群58を構成する分波素子52a、52b、52cの配
列の方式は、第1、第2および第3の実施の形態で用い
られている。すなわち、図6(A)に示すように、各分
波素子52a、52b、52cは、図5で説明した面d
に相当する面がそれぞれ平行となるように配置されてい
る。
子52a、52b、52cは、図5で説明した面cに相
当する面がそれぞれ平行となるように配置されても良
い。図6(B)に示すように配置する方が、デバイスの
小型化という点からは好適である。特に第3図の構成に
効果が大きい。
ても適用することができる。
ック結晶の入射面と出射面との形状が相違しているの
で、フォトニック結晶通過後の光の伝搬方向を波長ごと
に異ならせることができる。また、出射面における光の
出射位置は波長に応じて異なる。この出射面を曲面にし
たので、この出射面の法線の方向はその面内の位置に応
じて相違している。したがって、光の出射位置における
出射面の法線の方向は波長ごとに相違しているので、波
長分散特性の向上が図れる。
子を利用して、複数の入力ポートからの光を複数の出力
ポートへ波長ごとにルーティングするシステムを実現す
ることができる。
す図である。
設計方法の説明に供する図である。
す図である。
す図である。
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 フォトニック結晶で構成され、該フォト
ニック結晶の出射面の形状が該フォトニック結晶の入射
面の形状と相違しており、前記出射面が曲面であること
を特徴とする分波素子。 - 【請求項2】 複数個の入力ポートそれぞれに分波素子
を備え、複数個の出力ポートそれぞれに合波素子を備
え、前記入力ポートに入力された波長多重された光信号
を、波長ごとに異なった前記出力ポートに送出する波長
ルータにおいて、 前記分波素子および合波素子をそれぞれフォトニック結
晶で構成したことを特徴とする波長ルータ。 - 【請求項3】 請求項2に記載の波長ルータにおいて、 前記フォトニック結晶の入射面と出射面との形状が相違
しており、 前記分波素子の出射面と、前記合波素子の入射面とを曲
面にしたことを特徴とする波長ルータ。 - 【請求項4】 請求項2に記載の波長ルータにおいて、 前記入力ポートに偏光分離素子および偏光回転素子を設
けたこと、または前記出力ポートに偏光合波素子および
偏光回転素子を設けたことを特徴とする波長ルータ。 - 【請求項5】 請求項2に記載の波長ルータにおいて、 前記分波素子の出射面側および前記合波素子の入射面側
に、それぞれコリメート用のレンズを設けたことを特徴
とする波長ルータ。
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