JP2002201143A - 粘弾性物質と薬剤とを含有する医薬組成物 - Google Patents

粘弾性物質と薬剤とを含有する医薬組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無菌空間において粘弾性物質を使用するよう
な施術、特に、内眼手術および関節内注射などの施術に
おいて、細菌の感染および/または炎症を予防および/
または治療することが可能な医薬組成物を提供する。 【解決手段】 薬剤と粘弾性物質とを含有する医薬組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内眼手術および関
節内注射に関連する感染および炎症を予防および/また
は治療するための医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ヒアルロン酸ナトリウムやコンド
ロイチン硫酸等の粘弾性物質は、空間の保持や表面保
護、または摩擦の減少等を目的として臨床医療の場にお
いて頻繁に用いられている。特に、眼科領域の手術、例
えば、白内障手術等の前眼部手術では、粘弾性物質が欠
くことの出来ない基本的な薬剤である。
【0003】例えば、白内障手術時においては、眼内レ
ンズ挿入時に前房を消失させない目的で使用される。ま
た最近では、前嚢切開時の前房保持や超音波乳化吸引時
の角膜内皮保護のためにも使用される(眼科手術、P2
09−214,Vol.13,No.2,2000)。
また、白内障手術では、粘弾性物質の前房内または水晶
体嚢内への注入がほぼ全例で行われている。
【0004】また、粘弾性物質の使用による眼内の空間
保持により、手術の精密性および安全性が高められてい
る。特に、白内障手術においては粘弾性物質なしには行
うことが考えられないような時代が続いている。また、
低分子量の表面保護力重視の粘弾性物質による角膜内皮
保護術(即ち、ソフトシェルテクニック)のような新し
い概念も定着している。
【0005】更に、関節疾患を整形外科的に治療する場
合にも、このような粘弾性物質は使用されている。例え
ば、注射による粘弾性物質の関節腔内への投与は、変形
性膝関節症や肩関節周囲炎および慢性関節リウマチの治
療薬として使用される。
【0006】このような眼球内や関節腔内等の無菌空間
の施術において、粘弾性物質を使用する場合、施術前に
は無菌であった生体の部分に細菌等を侵入させてしまう
可能性がある。また、眼内に適用された粘弾性物質の眼
内の残存は、術後の炎症を惹起し、術後の眼圧の上昇を
惹起すると考えられている。
【0007】一般的な前眼部手術は、眼内の粘弾性物質
を吸引除去した後に終了となる。しかしながら、粘弾性
物質の眼内からの完全除去は困難で、各製剤メーカーは
前房内での一定時間の粘弾性物質の残留を明らかにして
いる。この前房内に残留した粘弾性物質は主に前房水の
流れにより眼外へ排出されるが、少量は眼内の酵素によ
って分解される。例えば、眼科用手術保護剤の指定医薬
品であるビスコート(商標、承認番号21100AMY
00233000)は、眼内注入した場合、前房からの
消失半減期は約4時間である。
【0008】従来では、このような無菌空間への粘弾性
物質の適用する場合、または手術後の感染症が予期され
る場合には、抗菌薬を適用している。例えば、眼球内で
あれば、内服若しくは点滴によって全身的に、または点
眼剤の使用によって局所的に抗菌薬が適用される。
【0009】例えば、白内障術後の最も深刻な合併症に
は眼内炎がある。眼内炎が発症した場合、点眼、内服、
点滴および眼内注射により様々な抗菌薬療法が行われ
る。しかしながら、一度眼内炎が発症してしまうと、こ
れらの療法に対する抵抗性が生じ、硝子体手術(即ち、
眼内隔清)を行わざるを得ない状態に陥ってしまう。更
に、治癒されても、視力に関しても、白内障手術前に予
測された程度にまで改善する症例は少なく、手術前の状
態よりも更に悪化し、失明に至る症例さえある。
【0010】このように、抗菌薬の内服、点滴および点
眼等の外部からの局所療法が、正常の常在細菌層を乱
し、耐性菌を発生させる等の危険性が高いということ
は、世界各国の医療現場における大きな問題である。ま
た、体内で使用される粘弾性物質自体が細菌等を包み込
み、生理的な除菌や殺菌作用から隔離してしまうという
可能性もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の状況に鑑み、本
発明の目的は、無菌空間において粘弾性物質を使用する
ような施術、特に、内眼手術および関節内注射などの施
術において、細菌の感染および/または炎症を予防およ
び/または治療することが可能な医薬組成物を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明者らは鋭意研究の結果、以下のような手段を
見出した。即ち、薬剤と粘弾性物質とを含有する医薬組
成物である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の態様に従うと、薬剤と粘
弾性物質とを含有する医薬組成物が提供される。本発明
は、粘弾性物質が侵入した細菌の定着および増殖に関与
している可能性を本発明者らが見出したことに基づく。
【0014】発明者らは、主に発生過程を追跡するよう
なこれまでの実験によって眼内炎の発症メカニズムを解
明してきた。即ち、家兎を用いたインビトロにおける眼
内炎モデルを用いた実験の結果、菌種の差異、菌量によ
って、その炎症の程度は大きく異なるものの、基本的に
は、眼内炎の炎症波及が、前房水の流出経路において明
らかに観察された。細菌、細菌毒素がこの経路で排出さ
れている可能性が示唆された。ここで、前房水の流出経
路とは、前房−隅角−繊維柱体−シュレム管−集合管−
房水静脈を結ぶ経路である。
【0015】即ち、当該実験モデルにおける菌の分布
は、硝子体中に見出されるものは僅かであった。また前
房内は、高度炎症時には膿汁で充満するものの、基本的
には虹彩前面を這うように菌が定着増殖するものであっ
た。これは臨床的に、眼内からの培養が、硝子体中およ
び前房水からの検体では、得られにくい事実を反映して
いるものと考えられる。臨床的に細菌が検体として得ら
れなくとも、眼球内内腔表面(例えば、虹彩表面等)に
細菌が定着している可能性が示唆された(発明者らは、
The Association for Research in Vision and Ophthal
mology Annual Meeting 2001において発表予定であ
る)。
【0016】また、無水晶体眼という特殊環境における
眼内における感染は、(1)水晶体−虹彩近距離の変化
が水晶体への菌流入を増すこと、(2)水晶体嚢内水晶
体皮質での菌増殖の可能性(即ち、水晶体嚢自体が菌に
対して絶大な侵入防止膜となっている)、3)水晶体体
積の激減による眼内房水流出路の乱れ、乱流あるいは滞
留の可能性、により助長される可能性があると考えられ
る。また、通常の有水晶体眼ではない状態を作り出すも
う1つの要素は、粘弾性物質による正常の房水の自浄作
用の阻害が考えられる。このような眼内炎の発症のメカ
ニズムを明らかにすることにより、本発明者らは、本発
明を達成した。
【0017】本発明の態様において使用され得る粘弾性
物質は、大きく分けて2種類存在する。即ち、空間保持
能の強い高分子粘弾性物質と、表面保護力に優れた低分
子粘弾性物質である。これらの何れの分類に属するよう
な粘弾性物質であっても本発明において使用することが
可能である。
【0018】本発明の態様において使用される粘弾性物
質は、ヒアルロン酸(Hyaluronic aci
d)またはその非毒性塩やコンドロイチン硫酸またはそ
の非毒性塩、ハイドロキシプロピルメチルセルロース
(Hydroxypropylmethylcellu
lose、HPMC)等、一般的に眼内手術および/ま
たは関節内注射において使用される何れかの粘弾性物質
であってよい。
【0019】本発明の態様において使用される「抗菌
薬」の語は、抗細菌効果および抗真菌効果を有する物質
を示し、生物により生成された物質であっても合成され
た物質であってもよい。例えば、そのような抗菌薬の例
は、ストレプトマイシン、ジヒドロストレプトマイシ
ン、ジヒドロデオキシストレプトマイシン、フラジオマ
イシン、ネオマイシン、パロモマイシン、アミノシジ
ン、カナマイシン、カナマイシンB、トブラマイシン、
ジベカシン、アミカシン、ゲンタマイシン、ミクロノマ
イシン、リボスタマイシン、ベカナマイシンおよびシソ
マイシン等のアミノ配糖体系抗菌薬、クロルテトラサイ
クリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、
ドキシサイクリンおよびミノサイクリン等のテトラサイ
クリン系抗菌薬、クロラムフェニコールおよびチアンフ
ェニコール等のクロラムフェニコール系抗菌薬、エリス
ロマイシン、スピラマイシン、アセチルスピラマイシ
ン、ミデカマイシン、ロイコマイシン、キタサマイシ
ン、ジョサマイシンおよびオレアンドマイシン等のマク
ロライド系抗菌薬、リンコマイシンおよびクリンダマイ
シン等のリンコマイシン系抗菌薬、ベンジルペニシリ
ン、フェノキシメチルペニシリン、フェネシチリン、プ
ロピシリン、フェネペニシリン、メチシリン、オキサシ
リン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキ
サシリン、アンピシリン、アモキシシリン、シクラシリ
ン、へタシリン、メシリナム、ピブメシリナム、ピバン
ピシリン、タランピシリン、バカンピシリン、カルベニ
シリン、カリンダシリン、カルフェシリン、チカルシリ
ン、スルベニシリン、ピペラシリン、アパルシリンおよ
びメズロシリン等のペニシリン系抗菌薬、セファロチ
ン、セファロリジン、セファゾリン、セファログリシ
ン、セファレキシン、セファドロキシル、セファトリジ
ン、セファクロル、セファマンドール、セフロキシム、
セフォチアム、セフォキシチン、セフメタゾール、セフ
スロジン、セフォペラゾン、セフチゾキシム、セフォタ
キシム、セフタジジム、セフィキシム、セフブペラゾ
ン、セフォテタン、セフミノクス、ラタモキセフおよび
フロモキセフ等のセフェム系抗菌薬、アズトレオナムお
よびカルモナム等のモノバクタム系抗菌薬、ナイスタチ
ン、アムホテリシンB、トリコマイシン、ピマシリン、
グリセオフルビン、フルシトシン、クロトリマゾール、
ミコナゾール、エコナゾール、イソコナゾール、ケトコ
ナゾール、フルコナゾールおよびイトラコナゾール等の
抗真菌剤、スルファチアゾール、スルファメチゾール、
スルフイソミジン、スルファメトキサゾール、スルファ
メトキシピリミジン、スルファメトキシン、スルファフ
ェナゾール、スルファモノメトキシン、スルファフェナ
ゾール、スルフイソキサゾールおよびスルファモノメト
キシン等のサルファ剤、4,4′−ジアミノジフェニル
スルホン、グルコスルホンナトリウム、スルホキソンナ
トリウムおよびチアゾールスルホン等のスルホン剤、パ
ラアミノサリチル酸、イソニアジド、エチオナミド、ポ
ロチオナミドおよびエタンブトール等の抗結核薬、ナリ
ジクス酸、ピペミド酸、オフロキサシン、ノルフロキサ
シン、エノキサシン、シプロフロキサシン、トスフロキ
サシン、レボフロキサシンおよびスパルフロキサシン等
のキノロン系抗菌薬、ニトロフラントイン、フラゾリド
ン、ニフラテル、ニフラデン、ニトロフラゾンおよびニ
フロキシム等のニトロフラン化合物、トリメトプリムお
よびピリメサミン等のジヒドロ葉酸還元酵素阻害薬、並
びにサイクロセリン、ホスホマイシン、バシトラシン、
バンコマイシン、バイオマイシン、カプレオマイシン、
フシジン酸、リファンピシン、ポリミキシンB、コリス
チンおよびグラミシジンS等、一般的に使用される何れ
の抗菌薬であってもよい。
【0020】本発明の態様において使用される抗炎症剤
は、デキサメタゾン、フルオロメトロンおよびベタメタ
ゾン等のステロイド剤、並びにアスピリン、メフェナム
酸、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、ス
リンダク、アセメタシン、ジクロフェナクナトリウム、
モフェゾラク、ナブメトン、チアプロフェン酸、オキサ
プロジン、ナピロキセン、プラノピロフェン、ザルトプ
ロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプ
ロフェンナトリウム、フルルビプロフェンアキセチル、
アンピロキシカム、スルピリン、塩酸チアラミド、アセ
トアミノフェンおよびアズレンスルホン酸等の非ステロ
イド性解熱鎮痛消炎剤等、一般的に使用される何れかの
抗炎症剤であってよい。
【0021】本発明の態様に従う医薬組成物は、白内
障、緑内障および硝子体手術等の眼科的内眼手術、各種
関節疾患の治療のための関節内注射等の整形外科的処置
において使用することが可能である。
【0022】例えば、眼科手術、特に白内障手術時の場
合、前房の維持が該手術の1つの大きな関門である。即
ち、眼球という閉鎖腔を切開した場合、眼球内圧によっ
て、内容液(即ち、前房水)が外部に流出し眼球が虚脱
する。白内障手術が、このような眼球内での手術である
ことから、作業空間としての眼球内腔(特に、前房)を
虚脱から守ることが手術に必須の条件となるのである。
また他にも、白内障手術の特徴的な手技として眼内レン
ズの挿入がある。この場合にも、レンズの挿入するため
の空間を、内腔(即ち、水晶体嚢)に形成することが非
常に重要となる。このような場合に、本発明の医薬組成
物は、良好に使用することが可能である。
【0023】粘弾性物質と抗菌薬の混合については、公
開特許公報特開平9−208476腹腔内投与用医薬品
組成物、および公開特許公報特開平10−182390
口腔用組成物が開示されている。しかしながら、両者と
も感染部への治療的使用を目的とし、更に、粘弾性物質
からの薬効成分のゆっくりとした放出を目的にしてい
る。従って、本出願において、我々が求める請求の範囲
に記載する発明とは、使用目的、使用部位および得られ
る効果は異なるものである。
【0024】例えば、粘弾性物質と抗菌薬の混合剤によ
る眼内炎に対する眼内治療については、Acta Op
hthalmol 1991,Feb;69(1):5
0−6で述べられている。この論文では、抗菌薬の投与
方法として粘弾性物質を用いれば、抗菌薬の半減期を伸
ばすので有用であるとしている。この技術も、本出願に
おいて我々が開示する発明とは異なる。本発明の態様に
従って使用される医薬組成物は、眼内炎の治療および予
防のために使用することを主な目的としている。従っ
て、我々の知りうる限り白内障手術時の粘弾性物質や関
節腔内注射時の粘弾性物質に抗菌薬や抗炎症剤を使用す
るというような開示はなく、また実施もない。
【0025】発明者等は、閉鎖腔に侵入した細菌による
感染症成立を防ぐために、粘弾性物質に抗菌薬を混合す
ることが有用であることを発見した。同様に、本発明者
らは、本発明の医薬組成物に、抗炎症剤を混合すること
も、感染に付随する炎症や組織侵襲による炎症を予防す
るために非常に有用であることを発見した。このような
発見に基づいて本願発明は達成されたものである。
【0026】従来、眼内および関節内等の無菌空間の部
位への粘弾性物質の適用は、粘弾性物質単独で行われて
いる。また同様に、抗菌薬の前記部位への適用も内服お
よび点滴等の全身的投与、または点眼および眼内注射等
の局所的投与によって行われてきた。従って、粘弾性物
質と抗菌薬または抗炎症剤等の薬物とを含有する医薬組
成物を用いるという発想は、内眼手術および関節内注射
においては画期的なものであり、且つ優れた効果を得る
ことが可能である。即ち、粘弾性物質の使用後に起こり
うる感染症やそれに付随する炎症を効果的に予防するこ
とが可能である。更にまた、本発明の医薬組成物は、粘
弾性物質が存在することによって、細菌が生理的除菌お
よび殺菌作用から免れることを予防するものでもある。
【0027】ここで、上記閉鎖部位への細菌の進入は、
処置あるいは手術時に外部より侵入した細菌に起因する
ものが中心である。しかしながら、免疫低下状態の場合
に多く見られるような体内細菌の上記閉鎖部位への移動
等の内因性の細菌に起因する感染および炎症に対しても
本発明の医薬組成物は有効である。
【0028】本発明の態様において使用される医薬組成
物において用いられる粘弾性物質、抗菌薬および抗炎症
剤は、上記に限られるものではなく、種々の変更が本発
明の概念および範囲から逸脱せずに使用することが可能
であることは当業者には明白であろう。
【0029】本発明について、以下に例を用いて更に説
明するが、これらは例示のためのみに記載するものであ
って、本発明を制限するものではない。
【0030】
【実施例】実施例1:粘弾性物質存在下での細菌の生菌
数測定 <方法>本発明の粘弾性物質存在下における細菌の増殖
率について試験した。使用した菌種は、スタフィロコッ
カス・アウレウスMK99−3(Staphylococcus aureus
MK99-3、以下S.アウレウスと称す)とステノトロフォモ
ナス・マルトフィリアTK−1(Stenotrophomonas malt
ophilia TK-1、以下、S.マルトフィリアと称す)であ
る。寒天平板上に静置したペニシリンカップ内で細菌培
養を行った。生理食塩水で、0.5マックファーランド(Mc
Farland、1.5×108CFU/ML)に菌液調製したものと、ミュ
ラーヒントンブロスで0.5McFarlandに菌調
製したものを作製した。第1群として、ヒアルロン酸ナ
トリウム製剤のヒーロン(Pharmacia& Upjohn、以下HL
と称す)の0.1mLをペニシリンカップ内に注入し静
置した後に菌液0.1mLを入れたものと、第2群とし
て、菌液のみ0.1mLをペニシリンカップ内に注入し
たものとを、35℃の孵卵器内に配置した。2、4、6
および20時間の培養の後、増殖曲線を求めた。
【0031】<結果および考察>液体培地で菌液調製し
たものは、生理食塩水で菌液調製したものよりも、増殖
が急速に生じた。生理食塩水では、S.アウレウスの増
殖は軽微であったが、S.マルトフィリアでは明かな増
殖が観察された。生理食塩水・液体培地両者でHLを混
合した場合の増殖曲線はHLを混合しない場合の増殖曲
線に対して大きな差を生じなかった。HLには、S.ア
ウレウスおよびS.マルトフィリアに対する細菌増殖作
用および細菌抑制作用は認められなかった(図1および
図2を参照されたい)。
【0032】粘弾性物質の汚染はこれまで数例報告され
ている。今回の実験から得た増殖曲線から、HLには、
細菌増殖効果も抑制効果もないことから、十分に汚染の
可能性があることが分かる。菌の増殖を助長する高栄養
状態は通常では生じ得ないが、特に、S.マルトフィリ
アのような低影響環境でも増殖可能な菌では汚染に注意
する必要がある。
【0033】実施例2:粘弾性部物質による抗菌薬作用
の変化の測定 <方法>バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis、AT
CC6633、以下B.スブチリスと称す)を用いて、粘弾性物
質による抗菌作用の変化を測定した。粘弾性物質はヒア
ルロン酸ナトリウム製剤のHLとオペガンハイ(参
天、以下OPと称す)、ヒアルロン酸ナトリウム・コン
ドロイチン硫酸ナトリウム合剤のビスコート(アルコ
ン、以下VSと称す)を用いた。抗菌薬はレボフロキサ
シン製剤のクラビット (参天、以下LVFXと称す)
と、ノルフロキサシン製剤のノフロ(萬有、以下NF
LXと称す)を用いた。4%ハートインフュージョン培
地に1.4×10 CFU/MLのB.スブチリスを
0.1mLで塗布した。その後、培地上にペニシリンカ
ップを静置し、薬液を注入した。薬液は、以下の組合せ
を用いた; 1)各抗菌薬0.1mLをペニシリンカップに注入した
群であり、各抗菌薬は10μg/mLから0.625μ
g/mLの5濃度を使用した(即ち、抗菌薬単剤群); 2)各粘弾性物質0.1mLをペニシリンカップに注入
した群である(即ち、粘弾性物質単剤群); 3)各粘弾性物質を0.1mLペニシリンカップに注入
静置した後に、5μg/mLまたは2.5μg/mLに
調製した各抗菌薬0.1mLを上から静かに注入した群
(即ち、重層群); 4)各粘弾性物質0.1mLと5μg/mLまたは2.
5μg/mLに調製した各抗菌薬0.1mLを混合した
後に、ペニシリンカップに注入した群(即ち、混合
群)。
【0034】これらの各群を、35℃孵卵器内で培養
し、24時間後の阻止円径を測定した。抗菌薬単剤群の
結果から、各抗菌薬の標準濃度−阻止円径曲線を求め
た。
【0035】<結果および考察>粘弾性物質担体の阻止
円から、HL、OP、VCには、B.スブチリスに対す
る細菌抑制作用は見られなかった。以上の結果を図3に
示す。
【0036】LVFXでの阻止円径−抗菌薬濃度の標準
曲線と比較すると、粘弾性物質を下層にLVFXを上層
に重層化した場合は、HL、OP、VCの何れも抗菌薬
作用の低下が見られ、特に、VCで著明であった。粘弾
性物質とLVFXを混合した場合は、HL、OP、VC
のいずれも阻止円径−抗菌薬濃度の標準曲線と比較し
て、抗菌薬による抑制作用の低下は軽度であった(図4
を参照されたい)。
【0037】NFLXでの阻止円径−抗菌薬濃度の標準
曲線と比較すると、粘弾性物質を下層に、NFLXを上
層に重層化した場合は、HL、OP、VCの何れも抗菌
薬作用の低下が見られ、特にVCで著明であった。粘弾
性物質とNFLXを混合した場合は、HL、OP、VC
の何れも阻止円径−抗菌薬濃度の標準曲線と比較して、
抗菌薬による抑制作用の低下は軽度であった(図5を参
照されたい)。
【0038】重層群では、抗菌薬による阻止円形成の阻
害が見られた。このことから、粘弾性物質による抗菌薬
移行の抑制があるものと考えられる。
【0039】粘弾性物質で分けてみると、重層群では、
HLとOPはほぼ同じような阻止円径の縮小を見たが、
VCは阻止円径が更に縮小していた。この理由として、
粘弾性物質の濃度−分子量および粘度の差異等が考えら
れるが、今後検討が必要であろうし、このことが逆にV
Cの内皮保護能力を生じているであろうことも考えなけ
ればならない。しかし、薬物混合群では、HL、OPお
よびVCの何れも抗菌剤作用の阻害はなく、化学的な抑
制ではなく、層による物理的障壁となっていることが類
推された。
【0040】細菌感染では、菌の増殖前に、定着の必要
があり、一度定着した菌はバイオフィルムの形成等によ
り、除菌が困難となる。実際の眼科医療の現場でも、消
毒や抗菌薬をかいくぐり眼内に侵入した細菌に対して、
術後抗菌薬点眼が使用されている。しかしながら、術中
に使用した粘弾性物質が眼内から完全に除去出来ず、更
に、眼内に残りやすい粘弾性物質が使用され始めている
ことから、細菌の定着の可能性が高まる危険がある。こ
れは抗菌薬の移行の問題だけではなく、房水流クリアラ
ンスや、免疫反応に対しての粘弾性物質による被覆保護
作用も考えられる。
【0041】忍田ら(2001、日本眼科学会)、発明者ら
(田中ら、The Association for Research in Vision a
nd Ophthalmology Annual Meeting 2001発表予定であ
る)の研究では、前房内に投与された細菌は速やかに排
除され、24時間以降では、前房水中からほぼ消失する
ことが示されている。同実験病理像から、細菌が角膜内
皮や虹彩表面に定着増殖している場合でも、前房水中か
らの細菌培養が陰性であったことが報告されている。こ
れは房水流のクリアランスや白血球による食作用のため
ではないかと考察されている。
【0042】今回、事前の粘弾性物質と抗菌薬との混合
によって、抗菌薬の効能はほぼ完全に保たれた。このこ
とから、粘弾性物質自身に抗菌薬を付与することで、粘
弾性物質の抗菌薬移行阻害による細菌定着を防ぐことが
可能であることが示唆される。また、房水流クリアラン
スや、免疫反応に対して粘弾性物質の細菌被覆保護作用
による細菌定着を予防する効果も期待される。
【0043】眼球に対する薬剤投与の方法としても、粘
弾性物質による抗菌薬の徐放作用に注目できる。特に、
手術侵襲直後から24時間前後まで眼内部表層に留まる
であろう粘弾性物質に対して抗菌剤を付与することは、
最も必要な時機および場所において抗菌薬の効果を十分
に発揮させることが可能である。
【0044】今後、粘弾性物質の必要性は益々高まると
考えられる。従って、更なる開発および技術の進歩が期
待される。このような状況において、これらの粘弾性物
質には、物理的な空間保持能、内皮保護能に加え、抗菌
作用が付与されることは感染症予防の立場から望まし
い。
【0045】以下に本発明の組成物の例を示す。これら
の例は、例示の目的にのみ使用されるものであり、本発
明を何ら制限するものではない。
【0046】実施例3:組成物 1.眼内用組成物 白内障手術時の前房形成や後嚢バッグ形成時、角膜内皮
保護目的に対して、粘弾性物質が広く使われる。このよ
うな手技は、現在の日本を含む世界標準の白内障手術で
は必須のものであり、日本において保険医療に含まれて
いる。
【0047】白内障を筆頭とした内眼部手術の最も深刻
な合併症の1つに眼内炎を始めとする感染症がある。こ
れら感染症の発生時には、抗菌薬点眼、眼内抗菌薬注射
や硝子体手術等の拡大手術が行われているが、視力予後
は悪い。また、従来は、粘弾性物質は薬剤と混合される
ことなく使用されており、その分子量は1万から200
0万と幅がある。本発明では、これらの物質の何れも使
用することが可能である。
【0048】本発明の態様に従うと、従来使用されてい
る濃度を変更することなく、抗菌薬や抗炎症剤を粘弾性
物質に対して混合して得た医薬組成物を白内障手術時に
用いる。また前記混合時には、特に抗菌薬に関しては、
眼内有効濃度を満たす濃度を保つよう混合することが望
ましい。以下に眼科用の組成物の例を2つ示す。
【0049】<組成物1>以下に例1を示す。
【0050】組成物1ml中にヒアルロン酸ナトリウム
30mg、コンドロイチン硫酸ナトリウム 40mg レボフロキサシン 2μgを含有する。
【0051】上記混合例は従来眼科領域で使用されてい
るビスコート(商標)の粘弾性物質と、従来使用されて
いるクラビット点眼液(商標、参天製薬株式会社販売)
の濃度を参考に設定した。各濃度は眼内有効濃度であ
る。レボフロキサシンの眼内有効濃度については「レボ
フロキサシン点眼薬の薬理作用と眼内動態」、ANTI
BIOTICS&CHEMOTHERAPY Vol.
16,No.8,76−84(2000)に詳しいので
参照されたい。
【0052】<組成物2>続いて、例2を示す。
【0053】混合剤1ml中にヒアルロン酸ナトリウム
100mg、オフロキサシン 1μgを含有する。
【0054】上記によって、白内障術後の眼内炎を始め
とする感染症の発生を予防することが出来る。
【0055】2.関節用組成物 変形性膝関節症や肩関節周囲炎、慢性関節リウマチ等の
関節疾患では、関節痛によるADL障害が大きな問題と
なる。従来から関節軟骨の破壊に起因する関節痛を軽減
するために、関節腔内への粘弾性物質の注入が全世界で
行われている。この場合も、処置によって本来無菌であ
る関節腔内に細菌が侵入する可能性がある。関節の細菌
感染は、即、化膿性関節炎を引き起こし、抗菌薬の全身
投与、局所投与をしても予後は極めて悪く、重度の関節
機能障害をきたすことはよく知られていることである。
これは整形外科医の最も恐れるところである。抗菌薬と
粘弾性物質の混合剤は、このような関節の細菌感染を阻
止するものとしても期待される。
【0056】更に、粘弾性物質の関節内注入に際の副作
用として、関節滑膜の炎症が問題となる。この関節骨膜
の炎症に対する予防的見地から、抗炎症剤と粘弾性物質
の混合剤は有効であると考えられる。
【0057】従来使用される粘弾性物質は、薬剤と混合
されることなく使用されており、その分子量は1万から
2000万と幅があるが、何れの物質も本発明において
使用することが可能である。
【0058】また、従来使用されている濃度を変えるこ
となく、抗菌薬や抗炎症剤を粘弾性物質に対して混合す
ることにより、本発明の態様に従って関節腔注射のため
使用することが可能である。以下に、関節用の組成物の
例を示す。
【0059】<組成物3>組成物1mL中にヒアルロン
酸ナトリウム 25mg 塩酸リンコマイシン 500mgを含有する。
【0060】これらの物質を混合することにより、本発
明の組成物の第3の例が製造される。このような医薬組
成物によって、処置後の関節炎を始めとする感染症の発
生を予防することが出来る。
【0061】
【発明の効果】以上、本発明に従うと、粘弾性物質の使
用時に進入した細菌による感染症を予防および/または
治療することが可能である。また、粘弾性物質単独適用
時に生じる細菌の定着および増殖のプロセスを止めるこ
とができる。また、使用部位に少量の抗菌薬を使用する
ことだけで、即ち、抗菌薬の内服、点滴および点眼等の
外部からの全身または局所療法等で生じ得る耐性菌の発
生が防止できる。
【0062】また、本発明に従うと、粘弾性物質使用時
または施術時に生じる炎症を予防および/または治療す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】S.アウレウスの増殖曲線を示すグラフ。
【図2】S.マルトフィリアの増殖曲線を示すグラフ。
【図3】B.スブチリスの粘弾性物質阻止円を示すグラ
フ。
【図4】B.スブチリスのLVFX阻止円の径と薬物濃
度との相関を示すグラフ。
【図5】B.スブチリスのLVFX阻止円の径と薬物濃
度との相関を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61P 29/00 31/00 31/00 (72)発明者 田中 康一郎 東京都港区六本木5丁目15番21号 クリス タルコート鳥居坂208号室 Fターム(参考) 4C076 AA11 BB11 BB21 CC04 CC31 EE30 EE32 4C084 AA17 AA27 MA05 MA56 MA66 ZA33 ZA96 ZB11 ZB31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬剤と粘弾性物質とを含有する医薬組成
    物。
  2. 【請求項2】 内眼手術において使用するための請求項
    1に記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 関節内に注射するための請求項1に記載
    の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 前記粘弾性物質が、ヒアルロン酸および
    その非毒性塩、コンドロイチン硫酸およびその非毒性
    塩、ハイドロキシプロピルメチルセルロースおよびこれ
    ら何れかの混合物からなる群より選択される請求項1か
    ら3の何れか1項に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 前記薬剤が、抗炎症剤および抗菌薬から
    なる群より選択される請求項1から3の何れか1項に記
    載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 前記薬剤が抗菌薬であり、前記粘弾性物
    質がヒアルロン酸ナトリウムとコンドロイチン硫酸ナト
    リウムとの混合物である請求項1から3の何れか1項に
    記載の医薬組成物。
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