JP2002199400A - 動画像表示システム、フレーム間補間方法及び背景動画像作成方法 - Google Patents

動画像表示システム、フレーム間補間方法及び背景動画像作成方法

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JP2002199400A
JP2002199400A JP2000390769A JP2000390769A JP2002199400A JP 2002199400 A JP2002199400 A JP 2002199400A JP 2000390769 A JP2000390769 A JP 2000390769A JP 2000390769 A JP2000390769 A JP 2000390769A JP 2002199400 A JP2002199400 A JP 2002199400A
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JP2000390769A
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Satoshi Sakazume
智 坂爪
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Victor Company of Japan Ltd
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  • Television Systems (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然なフレーム間補間を行い、時間方向に対
して十分な分解能を持つ動画像を表示できる動画像表示
システムを提供する。 【解決手段】画像データを順次格納するNフレーム格納
メモリ、Nフレーム格納メモリの出力側に接続された2
方向スイッチ、2方向スイッチの第1の端子に接続され
たN+1フレーム格納メモリ、N+1フレーム格納メモ
リの出力側に接続された単方向スイッチ、単方向スイッ
チに接続された出力側フレームバッファ、出力側フレー
ムバッファに接続された動画像表示装置、2方向スイッ
チの第2の端子とN+1フレーム格納メモリとの間に接
続されたフレーム補間回路、2方向スイッチ及び単方向
スイッチを制御するフレーム補間位置判定器とから構成
される。「フレーム補間回路」は、周波数変換を時間方
向に対して適用し、この周波数成分を利用することによ
って、動画像の補間フレームを作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動画像表示システ
ム及び、これを用いたフレーム間補間方法、背景動画像
作成方法に関する。特に、動画像の解像度変換、動画像
のフレームレート変換、或いは自然動画像中からオブジ
ェクトを抽出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、プログレッシブ画像とインター
レース画像との関係を考えてみる。一般に用いられるデ
ィジタル動画像では、プログレッシブ画像を秒間30フ
レーム表示することで実現している。しかし現在のアナ
ログ放送などでは、インターレース画像を秒間60フレ
ームで表示していることから、動画像としての時間方向
に対する分解能は低下してしまっていることになる。よ
って時間方向の分解能を向上させ、滑らかさを従来のア
ナログ放送と同等にするためには何らかの方法を用い
て、動画像のフレームレート変換を行う必要が生じる。
動画像のフレームレートを変換する場合、一般に隣接フ
レームを補うための補間フレームを内挿する必要があ
る。単純な方法としては、零次ホールド法のように現在
のフレームをそのまま複製した補間フレームを用いる方
法や、直線補間法のように2フレーム間の画素同士の輝
度値の平均を求めて新たなフレームを作成する方法があ
る。
【0003】より高度な方法として用いられるものとし
ては、現在のフレームと1フレーム前のフレームに注目
し、フレーム間に存在する動物体をMPEG等で用いら
れている「動き補償」を行うことによって動きベクトル
を検出する方法が知られている。この方法では、そのベ
クトル情報をもとに、フレーム間の動物体の位置を特定
し、この情報をもとに補間フレームを作成する。そし
て、このようにして得られる補間フレームを内挿するこ
とでフレーム間補間を行う方法である。
【0004】又、周波数的な特徴を利用した補間法とし
ては、各種のスプライン法などのように補間のための近
似関数を利用するもの(特許第2785784号、特許
第2671637号、特公平6−8988号等)があ
る。
【0005】一方、自然動画像中の動物体を抽出した後
に残る背景画像は、もともと存在していた動画像の背景
部分に関する情報を持たないため、何らかの手段によっ
てその背景の情報を取得する必要がある。従来では、微
小時間におけるフレーム間変位は少ないとの仮定のもと
に、動物体の背景部分を隣接したフレームの動物体の存
在していた位置に対応する部分を参照することによって
補間を行い、背景動画像の作成を行っている。
【0006】さて、「小さな波」、或いは「さざ波」の
意の「ウェーブレット(wavelet)」の実用性が注目され
るようになったのは、1980年にフランスの石油探査
技師J.モルレー(Morlet) が、人工地震の反射波の
解析に時間(或いは空間)周波数変換である「ウェーブレ
ット変換」を使ってからである。「ウェーブレット変
換」とは、フーリエ解析のように時間領域で無限の広が
りを有する三角関数のような波の重ね合せで関数(信
号)を表現するのではなく,局在化した短い波(ウェー
ブレット) の重ね合せで関数(信号)を時間周波数解
析するというものである。これは、楽譜のようなイメー
ジである。ある周波数の音がある時間に演奏されて,そ
の重ね合せが音楽になっているが、音楽を楽譜で表すこ
とが時間周波数変換に相当するイメージである。フーリ
エ変換の基底に用いられる指数関数は、時間領域で無限
の広がりを有するため、フーリエ変換では信号の時間的
情報を利用することは困難である。時間領域で局在化し
た関数を得るためには、適切な窓関数を選べば良い。時
間周波数解析には不確定性原理という大きな制限があっ
て,時間と周波数の両方の情報を同時に詳しく知ること
は出来ないことが証明されている。J.モルレー以降、
理論研究及び応用研究が急速に展開され、いまも活発な
研究が続いている。特に、画像処理の応用研究はめざま
しいものがあり、画像圧縮に対するJPEG2000や
MPEG4等で検討されているように、近い将来、標準
化されるレベルまで理論が確立されるのではないかと期
待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の単純な
フレームの複製やフレーム間画素の平均から求められた
フレームによる補間では、時間方向に対する連続性、つ
まり動画像の動きの滑らかさを補うためのフレーム間補
間としては十分とはいえない。
【0008】より高度なフレーム間補間として挙げられ
る動き補償によるフレーム間補間であっても、動画像内
の動物体領域を特定することが難しいために、動画像の
空間方向全体にわたってパターンマッチングを行う必要
が生じることから多くの演算量が必要となる。又、参照
ブロックによるパターンマッチングは、得られるベクト
ル情報が必ずしも動物体の動きである補償がない。更
に、参照ブロックによるパターンマッチングは、フレー
ム内の画素間の相関を考慮しないため、不自然なフレー
ムを補間してしまうことや、時間方向に対しても連続性
が失われる不具合が考えられる。
【0009】又、従来の周波数的な特徴を利用した補間
フレームの作成方法は、あくまで予測的なものであり、
周波数解析を行うことによって検出されるサンプル間の
不自然さを排除するようなものではない。
【0010】更に、動画像のフレーム間補間において、
従来法では時間的な連続性において十分考慮されるとは
言い難く、連続的に表示させた場合において不自然な動
画像となることが考えられる。
【0011】更に、従来までの自然動画像中の動物体抽
出を行った後の背景動画像に対するオクルージョン処理
は、隣接フレームの対応部分からの参照による補間を行
うために、時間方向に対する連続性という意味では必ず
しも十分とはいえないという不具合を有している。
【0012】上記問題点を鑑み、本発明は、自然なフレ
ーム間補間を行い、時間方向に対して十分な分解能を持
つ動画像を表示できる動画像表示システム、及びこれを
用いたフレーム間補間方法を提供することである。
【0013】本発明の他の目的は、より連続的な補間フ
レームを作成し、このような補間フレームをフレーム間
に内挿することにより、より視覚的に滑らかな動画像を
表示できる動画像表示システム、及びこれを用いたフレ
ーム間補間方法を提供することである。
【0014】本発明の他の目的は、自然動画像中の動物
体抽出を行ったオクルージョン(隠れた背景部分)部に
対し、より自然な背景動画像を得ることが出来る動画像
表示システム、及びこれを用いた背景動画像作成方法を
提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、
(イ)撮像装置から送られたN枚のフレームの画像デー
タを順次格納するNフレーム格納メモリ、(ロ)このN
フレーム格納メモリの出力側に接続された2方向スイッ
チ、(ハ)この2方向スイッチの第1の端子に接続され
たN+1フレーム格納メモリ、(ニ)このN+1フレー
ム格納メモリの出力側に接続された単方向スイッチ、
(ホ)この単方向スイッチに接続された出力側フレーム
バッファ、(ヘ)この出力側フレームバッファに接続さ
れた動画像表示装置、(ト)2方向スイッチの第2の端
子とN+1フレーム格納メモリとの間に接続されたフレ
ーム補間回路、(チ)2方向スイッチ及び単方向スイッ
チを制御するフレーム補間位置判定器とから構成される
動画像表示システムであることを要旨とする。ここで、
「フレーム補間回路」は、周波数変換を時間方向に対し
て適用し、この時間方向の周波数情報を利用することに
よって、動画像の補間フレームを作成する。「フレーム
補間位置判定器」は、フレーム間補間に必要なフレーム
数がNフレーム格納メモリに格納されたと判定すると、
第1の端子側に閉じている2方向スイッチを第2の端子
側に切り替え、単方向スイッチの端子を開き、フレーム
補間回路を作動させる。「N+1フレーム格納メモリ」
は、予め、N枚のフレームを格納しておく。そして、フ
レーム補間回路により作成された補間フレームを、この
予め格納したN枚のフレームの挿入位置に挿入すること
により、N+1枚のフレームを作成する。なお、本発明
において、「時間方向」とは、フレーム間方向の意であ
る。
【0016】本発明の第1の特徴によれば、時間分解能
の低下しているプログレッシブ画像において、動画像の
時間方向に対する相関が高いことに注目し、これを周波
数的に解析することで自然なフレーム間補間を行い、時
間方向に対して十分な分解能を持つ動画像を作成するこ
とが出来る。又、補間を行おうとするフレームの前後に
存在するあまり変化の生じていないN枚のフレームに注
目し、その時間方向に対する周波数成分に注目してより
連続的な補間フレームを作成し、このような補間フレー
ムをフレーム間に内挿することにより、より視覚的に滑
らかな動画像を得ることが出来る。
【0017】より具体的には、周波数変換に、「ウェー
ブレット変換」を用いることが好ましい。周波数変換に
ウェーブレット変換を適用することで、周波数変換時の
画素の位置情報を容易に特定できるようになり、フレー
ム間方向に対する周波数情報を効果的に解析することが
可能となり、より効果的なフレーム間補間を実現するこ
とが可能となる。又、このウェーブレット変換は、「直
交ウェーブレット」を用いることが好ましい。ウェーブ
レット変換に直交ウェーブレットを適用することで、基
底間の相関がなく効率的に符号化が行え、更に演算処理
にあまり多くの時間を必要としない利点を有するからで
ある。
【0018】本発明の第1の特徴において、補間フレー
ム画素の利得調整のために、時間方向にウェーブレット
変換を行った後の最低周波数成分から得られる画素の輝
度値を、利得調整用の画素の輝度値として用いる補間画
素利得調整器を備えることが好ましい。更に、動画像の
フレーム間補間の際に適用される高周波成分除去器を備
えることが好ましい。利得調整の際に得られるウェーブ
レット係数の各帯域成分に対して2乗平均を算出し、高
周波成分除去器を用いて、各帯域の各成分の2乗値と予
め算出された各帯域成分の2乗平均値とを比較し、2乗
平均値以上であればその高周波成分を削減することが出
来る。高周波成分除去器において、予め算出された2乗
平均値を利用することにより補間画素の周辺で生じる不
要な高周波成分の検出を容易にし、位置情報の分解能が
あまり良くない周波数変換を用いる場合であっても効果
的に、高周波成分の削減が可能となるからである。
【0019】本発明の第2の特徴は、(イ)撮像装置か
ら送られたN+1枚のフレームの画像データを順次格納
する第1のN+1フレーム格納メモリ、(ロ)この第1
のN+1フレーム格納メモリの出力側に接続された2方
向スイッチ、(ハ)この2方向スイッチの第1の端子に
接続された第2のN+1フレーム格納メモリ、(ニ)こ
の第2のN+1フレーム格納メモリの出力側に接続され
た単方向スイッチ、(ホ)この単方向スイッチに接続さ
れた出力側フレームバッファ、(ヘ)この出力側フレー
ムバッファに接続された動画像表示装置、(ト)2方向
スイッチの第2の端子と第2のN+1フレーム格納メモ
リとの間に接続されたオクルージョン再構成回路、
(チ)2方向スイッチ及び単方向スイッチを制御するオ
クルージョン部判定器とから構成される動画像表示シス
テムであることを要旨とする。ここで、「オクルージョ
ン再構成回路」は、周波数変換を時間方向に対して適用
し、この時間方向の周波数情報を利用することでオクル
ージョン部の情報を周囲のフレームから補間して、オク
ルージョン部の画像を再構成する。「オクルージョン部
判定器」は、オクルージョン部を含むフレーム内を走査
してオクルージョン部であることを示す信号を検出する
と、第1の端子側に閉じている2方向スイッチを第2の
端子側に切り替え、単方向スイッチの端子を開く。一
方、オクルージョン部であることを示す信号を検出しな
ければ、2方向スイッチを第1の端子側に閉じた状態、
単方向スイッチの端子を閉じた状態に維持する。「第2
のN+1フレーム格納メモリ」は、オクルージョン部に
対応する画像位置に、オクルージョン再構成回路で再構
成された補間画素を格納する。
【0020】本発明の第2の特徴によれば、自然動画像
中の動物体抽出を行った後の背景動画像に対するオクル
ージョン処理を、本発明の第1の特徴と同様な時間方向
に対する周波数変換の手法を用いることで、より自然な
背景動画像を得ることが出来る。
【0021】本発明の第2の特徴における周波数変換に
は、本発明の第1の特徴と同様に、ウェーブレット変換
を用いることが好ましい。第1の特徴で述べたように、
周波数変換にウェーブレット変換を適用することで、周
波数変換時の画素の位置情報を容易に特定できるように
なり、フレーム間方向に対する周波数情報を効果的に解
析することが可能となり、より効果的なオクルージョン
部再構成を実現することが可能となる。そして、このウ
ェーブレット変換において直交ウェーブレットを用いる
ことが好ましい。ウェーブレット変換に直交ウェーブレ
ットを適用することで、基底間の相関がなく効率的に符
号化が行え、更に演算処理にあまり多くの時間を必要と
しないからである。
【0022】本発明の第2の特徴において、通常撮影さ
れた自然動画像内に含まれる静止物体や動物体を抽出し
た際に生じる背景部分(オクルージョン部)の利得調整
のため、フレーム間方向(時間方向)にウェーブレット
変換を行った後の最低周波数成分から得られる画素の輝
度値を、利得調整用の画素の輝度値として用いる補間画
素利得調整器を備えることが好ましい。更に、通常撮影
された自然動画像内に含まれる静止物体や動物体を抽出
した際に生じる背景部分(オクルージョン部)の補間の
際に適用される高周波成分除去器を備えることが好まし
い。利得調整の際に得られるウェーブレット係数の各帯
域成分に対して2乗平均を算出し、高周波成分除去器に
より、各帯域の各成分の2乗値と予め算出された各帯域
成分の2乗平均値とを比較し、2乗平均値以上であれば
その高周波成分を削減することが好ましい。高周波成分
除去器において、予め算出された2乗平均値を利用する
ことにより補間画素の周辺で生じる不要な高周波成分の
検出を容易にし、位置情報の分解能があまり良くない周
波数変換を用いる場合であっても効果的に高周波成分の
削減が可能になるからである。
【0023】本発明の第3の特徴は、周波数変換を時間
方向に対して適用し、この時間方向の周波数情報を利用
することによって動画像の補間フレームを作成するフレ
ーム間補間方法であることを要旨とする。即ち、本発明
の第3の特徴は、(イ)時間方向に配列されたN枚のフ
レームの同一画像位置の画素をそれぞれ抽出し、N個の
画素を得るステップ、(ロ)このN個の画素を用いて、
補間画素の利得調整を行うステップ、(ハ)この利得調
整後の補間画素を挿入してN+1個の画素を得るステッ
プ、(ニ)このN+1個の画素に対して周波数変換を行
うステップ、(ホ)この周波数変換により得られた周波
数情報から、補間画素による高周波成分を除去するステ
ップ、(ヘ)この高周波成分の除去後、N+1個の画素
に対して周波数逆変換を行い、補間画素を再構成するス
テップとからなる一連の手順を、2次元の画像位置に対
しそれぞれ繰り返し、動画像の補間フレームを作成する
フレーム間補間方法としたことである。
【0024】本発明の第3の特徴によれば、時間分解能
の低下しているプログレッシブ画像において、動画像の
時間方向に対する相関が高いことに注目し、これを周波
数的に解析することで自然なフレーム間補間を行い、時
間方向に対して十分な分解能を持つ動画像を作成するこ
とが出来る。又、補間を行おうとするフレームの前後に
存在するあまり変化の生じていないN枚のフレームに注
目し、その時間方向に対する周波数成分に注目してより
連続的な補間フレームを作成し、このような補間フレー
ムをフレーム間に内挿することにより、より視覚的に滑
らかな動画像を得ることが出来る。
【0025】より具体的には、周波数変換に、「ウェー
ブレット変換」を用いることが好ましい。第1の特徴で
述べたように、周波数変換にウェーブレット変換を適用
することで、周波数変換時の画素の位置情報を容易に特
定できるようになり、フレーム間方向に対する周波数情
報を効果的に解析することが可能となり、より効果的な
フレーム間補間を実現することが可能となる。又、この
ウェーブレット変換は、「直交ウェーブレット」を用い
ることが好ましい。第1の特徴で述べたように、ウェー
ブレット変換に直交ウェーブレットを適用することで、
基底間の相関がなく効率的に符号化が行え、更に演算処
理にあまり多くの時間を必要としない利点を有するから
である。
【0026】本発明の第3の特徴における補間フレーム
画素の利得調整のステップにおいて、時間方向にウェー
ブレット変換を行った後の最低周波数成分から得られる
画素の輝度値を、利得調整用の画素の輝度値として用い
ることが好ましい。
【0027】更に、動画像のフレーム間補間の際に適用
される高周波成分を除去するステップにおいて、利得調
整の際に得られるウェーブレット係数の各帯域成分に対
して2乗平均を算出し、利得調整後の補間フレーム画素
を補間位置に挿入し、ウェーブレット変換を行い、高周
波成分除去において各帯域の各成分の2乗値と予め算出
された各帯域成分の2乗平均値とを比較し、2乗平均値
以上であればその高周波成分を削減するようにすれば良
い。高周波成分を除去するステップにおいて、予め算出
された2乗平均値を利用することにより補間画素の周辺
で生じる不要な高周波成分の検出を容易にし、位置情報
の分解能があまり良くない周波数変換を用いる場合であ
っても効果的に、高周波成分の削減が可能となるからで
ある。
【0028】本発明の第4の特徴は、周波数変換を時間
方向に対して適用し、この時間方向の周波数情報を利用
することでオクルージョン部の情報を周囲のフレームか
ら補間することでオクルージョン部の画像を再構成する
背景動画像作成方法であることを要旨とする。即ち、本
発明の第4の特徴は、(イ)時間方向に配列されたN+
1枚のフレームの同一画像位置の画素から、オクルージ
ョン部を除いた画素をそれぞれ抽出し、N個の画素を得
るステップ、(ロ)このN個の画素を用いて、補間画素
の利得調整を行うステップ、(ハ)この利得調整後の補
間画素を挿入してN+1個の画素を得るステップ、
(ニ)このN+1個の画素に対して周波数変換を行うス
テップ、(ホ)この周波数変換により得られた周波数情
報から、補間画素による高周波成分を除去するステッ
プ、(ヘ)この高周波成分の除去後、N+1個の画素に
対して周波数逆変換を行い、オクルージョン部の補間画
素を再構成するステップとからなる一連の手順をオクル
ージョン部の画像位置に対しそれぞれ繰り返し、オクル
ージョン部の画像を再構成する背景動画像作成方法とし
たことである。
【0029】本発明の第4の特徴によれば、自然動画像
中の動物体抽出を行った後の背景動画像に対するオクル
ージョン処理を、本発明の第3の特徴と同様な時間方向
に対する周波数変換の手法を用いることで、より自然な
背景動画像を得ることが出来る。
【0030】本発明の第4の特徴における周波数変換に
は、本発明の第3の特徴と同様に、ウェーブレット変換
を用いることが好ましい。周波数変換にウェーブレット
変換を適用することで、周波数変換時の画素の位置情報
を容易に特定できるようになり、フレーム間方向に対す
る周波数情報を効果的に解析することが可能となり、よ
り効果的なオクルージョン部再構成を実現することが可
能となる。そして、このウェーブレット変換において直
交ウェーブレットを用いることが好ましい。ウェーブレ
ット変換に直交ウェーブレットを適用することで、基底
間の相関がなく効率的に符号化が行え、更に演算処理に
あまり多くの時間を必要としないからである。
【0031】本発明の第4の特徴における通常撮影され
た自然動画像内に含まれる静止物体や動物体を抽出した
際に生じる背景部分(オクルージョン部)の画素の利得
調整のステップにおいて、フレーム間方向(時間方向)
にウェーブレット変換を行った後の最低周波数成分から
得られる画素の輝度値を、利得調整用の画素の輝度値と
して用いることが好ましい。
【0032】又、通常撮影された自然動画像内に含まれ
る静止物体や動物体を抽出した際に生じる背景部分(オ
クルージョン部)の補間の際に適用される高周波成分を
除去するステップにおいて、利得調整の際に得られるウ
ェーブレット係数の各帯域成分に対して2乗平均を算出
し、利得調整後の補間フレーム画素を補間位置に挿入
し、ウェーブレット変換を行い、高周波成分除去におい
て各帯域の各成分の2乗値と予め算出された各帯域成分
の2乗平均値とを比較し、2乗平均値以上であればその
高周波成分を削減することが好ましい。高周波成分を除
去するステップにおいて、予め算出された2乗平均値を
利用することにより補間画素の周辺で生じる不要な高周
波成分の検出を容易にし、位置情報の分解能があまり良
くない周波数変換を用いる場合であっても効果的に高周
波成分の削減が可能になるからである。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
第1及び第2の実施の形態を説明する。以下の図面の記
載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符
号を付している。
【0034】(第1の実施の形態)図1のブロック図に
示すように、本発明の第1の実施形態に係る動画像表示
システムは、撮像装置11、撮像装置11に接続された
入力側フレームバッファ12、入力側フレームバッファ
12に単方向スイッチSW1を介して接続されたNフレ
ーム格納メモリ36、Nフレーム格納メモリ36に2方
向スイッチSW2の第1の端子bを介して接続されたN
+1フレーム格納メモリ34、N+1フレーム格納メモ
リ34に単方向スイッチSW3を介して接続された出力
側フレームバッファ13、出力側フレームバッファ13
に接続された動画像表示装置14とから構成されてい
る。Nフレーム格納メモリ36には、図6に示すよう
に、撮像装置11から入力側フレームバッファ12を介
して送られた幅W画素、高さH画素の動画像のフレーム
01,F02,F03,・・・・・,FN-1,FNが、順次蓄えら
れる。単方向スイッチSW1、SW3、及び2方向スイ
ッチSW2は、それぞれフレーム補間位置判定器35に
接続されている。図1において、通常の状態では、2方
向スイッチSW2は、第1の端子b側に閉じられ、単方
向スイッチSW3は閉じている。そして、2方向スイッ
チSW2の第2の端子aとN+1フレーム格納メモリ3
4との間にはフレーム補間回路1が接続されている。フ
レーム補間位置判定器35によってフレーム間補間に必
要なフレーム数がNフレーム格納メモリ36に格納され
たと判定されると、フレーム補間位置判定器35は、第
1の端子b側に閉じている2方向スイッチSW2を第2
の端子a側に切り替え、単方向スイッチSW3の端子c
を開く。
【0035】フレーム補間回路1は、周波数変換を利用
したフレーム間補間を実施する回路である。具体的に
は、フレーム補間回路1は、離散直交ウェーブレット変
換を用いた周波数変換を行うことにより、フレーム間補
間を実施する回路である。直交ウェーブレットを用いて
いるのは、周波数変換に画素の位置情報を簡単に特定で
きることや基底間の相関がなく効果的な符号化が行える
ことによる。更に、演算処理にあまり多くの時間を必要
としないからである。連続ウェーブレットは、連続的な
時間シフトと連続的なスケールをパラメータに持つ関数
であるが、これらのパラメータが離散的な値をとると
き、「離散ウェーブレット」とよばれる。離散ウェーブ
レットの中でも、スケールが2の冪乗の形をした離散ウ
ェーブレットが重要である。連続ウェーブレットも離散
ウェーブレットもそうであるが、ウェーブレットの最大
の特徴は、積分すると0になることである。これは、ウ
ェーブレット関数が信号の高周波成分を取り出すための
フィルタであることを意味する。そして、シフトパラメ
ータを動かすことにより時間或いは場所を特定すること
が出来、そこでスケールを変えると各レベルの高周波成
分を取り出すことが出来る。
【0036】関数f(x)の値が0でない区間をfのサ
ポート(台)という。一方、ウェーブレットは高周波フ
ィルタであると考えることが出来る。このため、そのサ
ポートは、有限長であることが望ましい。これまでに多
くのウェーブレットが提案されているが、サポート長が
無限である場合が多い。ドビッシー(Daubechies)によ
って、1988年に考案されたウェーブレットは、直交
基底をつくる連続且つ有限長のサポート (しばしば「コ
ンパクトサポート」とよばれる) を持つ直交ウェーブレ
ットで、様々な分野で応用されている.本発明の第1の
実施形態に係る動画像表示システムのフレーム補間回路
1において使用されるウェーブレットは、以下に示すよ
うなドビッシーの4タップフィルタである: H(z)= {−0.129409522551, 0.224143868041, 0.836516303738, 0.482962913145} ・・・・・(1) H1(z)= {−0.482962913145, 0,836516303738, −0.224143868041, −0.129409522551} ・・・・・(2) このような、ドビッシーの4タップフィルタを用い、オ
クターブ分割数は2階の場合の構成例について以下に説
明する。但し、フレーム補間回路1における周波数変換
は、他の非直交ウェーブレットや双直交ウェーブレット
を利用した構成や短時間フーリエ変換を利用した構成な
ども採用できる。即ち、ある程度画素の位置情報が特定
できるものであれば、第1の実施形態に係る動画像表示
システムで用いられる周波数変換の種別は限定されな
い。
【0037】このフレーム補間回路1は、図1に示すよ
うに、2方向スイッチSW2の第2の端子aに接続され
た時間方向画素抽出器21、時間方向画素抽出器21に
接続されたN画素格納メモリ22、N画素格納メモリ2
2に接続された補間画素利得調整器23、補間画素利得
調整器23に接続された補間画素挿入器24、補間画素
挿入器24に接続されたN+1画素格納メモリ25、N
+1画素格納メモリ25に接続された周波数変換器2
6、周波数変換器26に接続された高周波成分除去器2
7、高周波成分除去器27に接続された周波数逆変換器
28、周波数逆変換器28に接続された補間画素抽出器
29、補間画素抽出器29に接続された補間フレーム格
納メモリ31、補間フレーム格納メモリ31に接続され
た補間フレーム挿入器32、補間フレーム挿入器32に
接続されたフレーム挿入判定器33とから構成されてい
る。補間フレーム挿入器32の出力は、N+1フレーム
格納メモリ34に接続されている。フレーム挿入判定器
33の出力は単方向スイッチSW3に接続されている。
【0038】N+1フレーム格納メモリ34は、予め、
N枚のフレームを格納しておく。通常の状態では、2方
向スイッチSW2は、第1の端子b側に閉じられ、単方
向スイッチSW3は閉じているので、このとき、Nフレ
ーム格納メモリ36に格納したN枚のフレームF01,F
02,F03,・・・・・,FN-1,FNを、順次読み出し、N+
1フレーム格納メモリ34に格納しておけば良い。そし
て、N+1フレーム格納メモリ34は、フレーム補間回
路1に作成された補間フレームを、この予め格納したN
枚のフレームの、所定の挿入位置に挿入することによ
り、N+1枚のフレームを作成する。
【0039】ウェーブレット変換のオクターブ分割の際
に行われる2:1のダウンサンプリングの際にサンプル
数が2の冪乗個であることが望ましい。又、使用するウ
ェーブレットのタップ数が4タップで分割数が2階であ
ることを考慮すると、補間フレームを作成する際に必要
となるフレーム数Nは、図9で示されるような時間方向
に対する周波数変換を行う際のフィルタリングに用いる
画素数に依存する。各フレームの画像データをウェーブ
レット解析のアルゴリズムにしたがって、処理すると図
8及び図9に示すような低周波成分L0と高周波成分H
0(図示省略)に分解される。低周波成分L0と高周波
成分H0とのセットの全体では、画素数(データ量)は
変わらない。しかし、画像としての主要な情報は、主に
低周波成分L0に含まれ、これだけを画素として表現し
ても元の画像に似た絵が得られる。図9では、低周波成
分L0として16個の画素Px1,Px2,Px3,・・・・・P
x15,Px16,が示されている。この低周波成分L0と高
周波成分H0をそれぞれ更に、分解アルゴリズムにした
がって処理すると、図8及び図9に示すような低周波成
分L1と高周波成分H1が得られる。低周波成分L1の
画素数は、低周波成分L0の1/2になっている。低周
波成分L1と高周波成分H1の合計の画素数は低周波成
分L0と変わらない。低周波成分L1と高周波成分H1
をそれぞれ更に、分解アルゴリズムにしたがって処理す
ると、低周波成分L2と高周波成分H2が得られる。低
周波成分L2の画素数は、低周波成分L1の1/2にな
っている。低周波成分L2と高周波成分H2をそれぞれ
更に、分解アルゴリズムにしたがって処理すると、図8
に示すような低周波成分L3と高周波成分H3が得られ
る。低周波成分L3の画素数は、低周波成分L2の1/
2になっている。低周波成分L3と高周波成分H3をそ
れぞれ更に、分解アルゴリズムにしたがって処理する
と、図8に示すような低周波成分L4と高周波成分H4
が得られる。低周波成分L4の画素数は、低周波成分L
3の1/2で、1画素である。このように、第1の実施
形態に係る動画像表示システムでは、ウェーブレット変
換の2階のオクターブ分割を用いる。
【0040】第1の実施形態に係る動画像表示システム
においては、補間画素がフィルタリングに影響する参照
画素範囲は、図9に示すようになる。
【0041】先ず、低周波成分L1をフィルタリングす
る際に必要な参照画素範囲の画素は、 4(タップ)×2−1=7(画素) ・・・・・(3) である。しかし、フィルタリング後に2:1のダウンサ
ンプリングを行い、それぞれ低周波成分L2と高周波成
分H2に分割する必要があるため、低周波成分L1では
2の冪乗個の画素が必要となる。したがって、 7(画素)+1=8(画素) ・・・・・(4) となる。低周波成分L1は、1階のオクターブ分割によ
って生じたものであるから、最終的に必要な画素は、図
9の上段に示すような 8×2=16 ・・・・・(5) である。この値は格納すべきフレーム数に補間フレーム
を含めた値であるから、補間フレームの周囲から蓄えら
れるフレーム数は15フレームあれば良いことになる。
そこで、第1の実施形態に係る動画像表示システムで
は、補間フレームを挿入する位置よりも前のフレームを
8フレーム、後のフレームを7フレームとすることで合
計16フレームとし、格納するためのフレームメモリは
15フレーム分確保する。
【0042】時間方向画素抽出器21は、補間フレーム
に含まれる補間画素の利得を調整するために、図7に示
すように、格納されたN枚のフレームのそれぞれに対し
て動画像の空間位置(x,y)に対応する時間方向(フ
レーム方向)の画素(図7の黒塗りの丸印部分)を抽出
する。N画素格納メモリ22は、時間方向画素抽出器2
1により抽出された画素を格納する。
【0043】動画像の時間方向に対して周波数変換を行
った後に周波数成分に対して操作を加える場合、周波数
逆変換後の影響は各画素の輝度値に影響する。補間画素
を輝度値0のまま補間位置に挿入して周波数解析を行う
と、補間画素を挿入した位置に大きな高周波成分が生じ
る。この成分を単純に削減すると、逆変換後の各画素の
輝度値が元の輝度値よりも極端に明るく、若しくは暗く
なる等の影響が現れる。このような影響を避けるため
に、補間画素利得調整器23は、利得調整を行い、予め
周囲の画素値に近い値を補間位置に挿入する操作を行
う。補間画素利得調整器23は、一般には前フレームの
画素の複製を利用したり、周囲の平均画素を利用した
り、離散コサイン変換(DCT)やウェーブレット変換
などの周波数変換を行って得られる低周波成分を利用す
ることなどが考えられる。第1の実施形態に係る動画像
表示システムではN個の画素に対してウェーブレット変
換を低周波成分が1画素になるまで行い、この値を補間
画素の輝度値として扱う。即ち、15画素に対してウェ
ーブレット変換を行うため、図8で示されるように4階
のオクターブ分解を行うことで低周波成分(最低周波成
分)L4が1画素分となり、この最低周波成分L4を利
得調整用の補間画素の輝度値として利用する。
【0044】又、このウェーブレット変換の際に、ウェ
ーブレット係数の高周波成分H1,H2成分に対して以
下の式(6)及び(7)で示されるような2乗平均で与
えられる閾値th1,th2を算出して保存する。
【0045】 th1=(Σ(N/2)-1H1i 2)/(N/2) ・・・・・(6) th2=(Σ(N/4)-1H2i 2)/(N/4) ・・・・・(7) 但し、Σ(N/2)-1H1i 2は、高周波成分H1の各ウェー
ブレット係数wH1iの2乗値のi=0から(N/2)−
1までの和を表し、Σ(N/4)-1H2i 2は、高周波成分H
2の各ウェーブレット係数wH2iの2乗値のi=0から
(N/4)−1までの和を表す。
【0046】補間画素挿入器24は、利得を調整した補
間画素を、時間方向のN個の画素の挿入位置kに挿入す
る。一般に挿入位置kは0<k<N−1であれば良い
が、第1の実施形態に係る動画像表示システムでは k=(N+1)/2 但しN=2l−1,lは正整数 ・・・・・(8) となるような位置、即ちk=8の位置に挿入する。
【0047】周波数変換器26は、N+1個の画素に対
して、周波数変換を行う。即ち、周波数変換器26は、
離散直交ウェーブレット変換を用い、N+1個の画素に
対して2階のウェーブレット変換を行う。周波数変換に
ウェーブレット変換を適用することで、周波数変換時の
画素の位置情報を容易に特定できる。そして、フレーム
間方向(時間方向)に対する周波数情報を効果的に解析
することが出来るので、より効果的なフレーム間補間を
実現することが可能となる。特に、直交ウェーブレット
を適用することで、基底間の相関がなく効率的に符号化
が行え、更に演算処理にあまり多くの時間を必要としな
い。
【0048】高周波成分除去器27は、補間画素による
高周波成分を除去する。第1の実施形態に係る動画像表
示システムで用いられる高周波成分除去器27は、高周
波成分H1の各ウェーブレット係数wH1iの2乗値に対
して予め算出された2乗平均値で定義された閾値th1
と比較を行い、閾値th1以上である場合には、その成
分の除去を行うものである。この高周波成分除去器27
は、同様に高周波成分H2の各ウェーブレット係数w
H2iの2乗値に対して予め算出された2乗平均値で定義
された閾値th2と比較を行い、閾値th2以上である
場合にはその成分の除去を行う。このように、予め算出
された2乗平均値を利用することにより補間画素の周辺
で生じる不要な高周波成分の検出が容易になる。このた
め、位置情報の分解能があまり良くない周波数変換を用
いる場合であっても効果的に高周波成分の削減が可能で
ある。
【0049】周波数逆変換器28は、周波数逆変換を行
う。この周波数逆変換器28では、離散直交ウェーブレ
ット逆変換を用い、N+1個の画素に対して2階のウェ
ーブレット逆変換を行う。補間画素抽出器29は、挿入
位置kから再構成された補間画素を抽出する。補間フレ
ーム格納メモリ31は、その画像位置(x,y)に補間
画素を格納する。補間フレーム挿入器32は、図7に示
すように、補間フレームFkを挿入位置kに挿入する。
フレーム挿入判定器33は、N+1枚のフレーム列が作
成されたと判定すると、第2の端子a側に閉じられた2
方向スイッチSW2を第1の端子b側に切り替え、同時
に単方向スイッチSW3を端子c側に閉じる。
【0050】次に、図2から図5に示すフローチャート
を用いて、本発明の第1の実施形態に係るフレーム間補
間方法を説明する。
【0051】(イ)図1において、通常の状態では、2
方向スイッチSW2は、第1の端子b側に閉じられ、単
方向スイッチSW3の端子cは閉じている。先ずステッ
プS101において、撮像装置11から動画像が入力さ
れる。上述したように、動画像の1フレームは、幅W画
素、高さH画素である。ステップS103において、N
枚のフレーム分を格納するためのメモリを確保する。第
1の実施形態に係るフレーム間補間方法では、補間フレ
ームを挿入する位置よりも前のフレームを8フレーム、
後のフレームを7フレームとすることで合計16フレー
ムとし、格納するためのフレームメモリは15フレーム
分確保する。そして、ステップS105において、撮像
装置11から入力された動画像のN枚のフレーム分が、
Nフレーム格納メモリ36に順次蓄えられる。
【0052】(ロ)ステップS107において、フレー
ム補間位置判定器35は、フレーム間補間に必要なN枚
のフレームがNフレーム格納メモリ36に格納され、且
つ補間フレームの位置がkであるか否か判定する。フレ
ーム間補間に必要なフレーム数が未だ、格納されていな
ければ、ステップS105に戻り、動画像のフレームを
Nフレーム格納メモリ36に順次蓄える。ステップS1
07において、フレーム補間位置判定器35によってフ
レーム間補間に必要なフレーム数がNフレーム格納メモ
リ36に格納され、且つ、補間フレームの位置がkであ
ると判定されると、ステップS109において、補間メ
モリ格納メモリ31にN+1枚のフレーム分を確保す
る。そして、フレーム補間位置判定器35は、第1の端
子b側に閉じている2方向スイッチSW2を第2の端子
a側に切り替え、単方向スイッチSW3の端子cを開
く。
【0053】(ハ)ステップS111において、外側の
繰り返しループの開始条件を設定する。即ち、2次元画
像における画素の空間位置、即ち画像位置(x,y)の
y座標を初期値y=0と設定する。更に、ステップS1
13において、内側の繰り返しループの開始条件を設定
する。即ち、画像位置(x,y)のx座標を初期値x=
0と設定する。そして、ステップS115において、時
間方向画素抽出器21は、Nフレーム格納メモリ36か
ら画像位置(x,y)に対応する時間方向(フレーム方
向)の画素を、各フレームF01,F02,F03,・・・・・,
N-1,FNからそれぞれ抽出する(図6及び図7参
照)。更に、ステップS117において、時間方向(フ
レーム方向)に配列された各フレームから、抽出された
合計N個の画素を、バッファメモリ、即ちN画素格納メ
モリ22に格納する。
【0054】(ニ)補間画素利得調整器23は、ステッ
プS119において、格納された時間方向(フレーム方
向)のN個の画素を用いて、補間画素の利得調整を行
い、予め周囲の画素値に近い値を補間位置に挿入する操
作を行う。更に、補間画素利得調整器23は、ステップ
S121において、時間方向のN個の画素を用いて、高
周波成分除去器27で用いられる2乗平均閾値th1,
th2を算出する。この2乗平均閾値th1,th2
は、式(6)及び(7)から算出される。
【0055】(ホ)このように、時間方向のN個の画素
を用いて補間画素利得調整器23により補間画素の利得
を調整した後、ステップS123において、利得調整後
の補間画素を、時間方向のN個の画素の挿入位置に、補
間画素挿入器24を用いて挿入する。ここでは、利得調
整後の補間画素の挿入位置k=8である(図7参照)。
更に、ステップS125において、挿入されたN+1個
の画素を、バッファメモリ、即ちN+1画素格納メモリ
25に格納する。
【0056】(ヘ)その後、N+1画素格納メモリ25
に格納されたN+1個の画素に対して、周波数変換器2
6は、ステップS127において、周波数変換を行う。
即ち、周波数変換器26は、離散直交ウェーブレット変
換を用い、N+1個の画素に対して2階のウェーブレッ
ト変換を行う。
【0057】(ト)その後、高周波成分除去器27は、
ステップS129において、補間画素による高周波成分
を除去する。即ち、高周波成分除去器27は、高周波成
分H1の各ウェーブレット係数wH1iの2乗値に対して
予め算出された2乗平均値で定義された閾値th1と比
較を行い、閾値th1以上である場合には、その成分の
除去を行う。この高周波成分除去器は、同様に高周波成
分H2の各ウェーブレット係数wH2iの2乗値に対して
予め算出された2乗平均値で定義された閾値th2と比
較を行い、閾値th2以上である場合にはその成分の除
去を行う。
【0058】(チ)このような処理を行った後、ステッ
プS131においては、周波数逆変換器28により、周
波数逆変換を行う。周波数逆変換器28は、離散直交ウ
ェーブレット逆変換を用い、N+1個の画素に対して2
階のウェーブレット逆変換を行い、補間画素を再構成す
る。
【0059】(リ)その後、ステップS133におい
て、補間画素抽出器29によって、挿入位置kにある復
元(再構成)された補間画素を抽出する。更に、ステッ
プS135において、補間フレーム格納メモリ31の画
像位置(x,y)に、この補間画素を格納する。
【0060】(ヌ)ステップS137では、内側の繰り
返しループのx座標を1だけ増加させる。即ち、画像位
置(x,y)のx座標をx=x+1と設定する。更に、
ステップS139では、内側の繰り返しループの終了条
件を判定する。即ち、画像位置(x,y)のx座標がx
=Wであるか否か判定する。x=Wでなければ、内側の
繰り返しループが終了条件になるまで繰り返す。そし
て、ステップS141において、外側の繰り返しループ
のy座標を1だけ増加させる。即ち、画像位置(x,
y)のy座標をy=y+1と設定する。更に、ステップ
S143では、外側の繰り返しループの終了条件を判定
する。即ち、画像位置(x,y)のy座標がy=Hであ
るか否か判定する。y=Hでなければ、内側の繰り返し
ループが終了条件になるまで繰り返す。即ち、内側の繰
り返しループ及び外側の繰り返しループの操作を、画像
位置(x,y)のすべての位置に対して行うことで、図
7に示す補間フレームFkを作成する。
【0061】(ル)ステップS143では、補間フレー
ム挿入器32によって、このように作成された補間フレ
ームを、N+1フレーム格納メモリ34の挿入位置kに
挿入し、N+1枚のフレームを作成する(図7参照)。
フレーム挿入判定器33によってN+1枚のフレーム列
が作成されたと判定されると、第2の端子a側に閉じら
れた2方向スイッチSW2を第1の端子b側に切り替
え、同時に単方向スイッチSW3を端子c側に閉じるこ
とにより、ステップS145で動画像出力を得ることが
出来る。
【0062】以上のような一連のステップにより、時間
方向の連続性が考慮された滑らかな動画像を作成し、フ
レームレートを向上させることが可能となる。
【0063】(第2の実施の形態)次に本発明の第2の
実施形態に係る動画像表示システムは、図16で示され
るように、動物体抽出後の元の動物体の背後に隠れた
「オクルージョン(隠れた背景部分)」部の背景動画像
の情報を作成し、表示する動画像表示システムである。
【0064】図10のブロック図に示すように、本発明
の第2の実施形態に係る動画像表示システムは、撮像装
置11、撮像装置11に接続された入力側フレームバッ
ファ12、入力側フレームバッファ12に単方向スイッ
チSW1を介して接続された第1のN+1フレーム格納
メモリ44、第1のN+1フレーム格納メモリ44に2
方向スイッチSW2の第1の端子bを介して接続された
第2のN+1フレーム格納メモリ42、第2のN+1フ
レーム格納メモリ42に単方向スイッチSW3を介して
接続された出力側フレームバッファ13、出力側フレー
ムバッファ13に接続された動画像表示装置14とから
構成されている。第1のN+1フレーム格納メモリ44
には、撮像装置11から入力側フレームバッファ12を
介して送られた幅W画素、高さH画素の動画像のN+1
枚のフレームが、順次蓄えられる。単方向スイッチSW
1、SW3、及び2方向スイッチSW2は、それぞれオ
クルージョン部判定器43に接続されている。図10に
おいて、通常の状態では、2方向スイッチSW2は、第
1の端子b側に閉じられ、単方向スイッチSW3は閉じ
ている。そして、2方向スイッチSW2の第2の端子a
と第2のN+1フレーム格納メモリ42との間にはオク
ルージョン再構成回路2が接続されている。オクルージ
ョン部判定器43は、オクルージョン部を含むフレーム
内を空間方向に走査してオクルージョン部であることを
示す信号を検出すると、第1の端子b側に閉じている2
方向スイッチSW2を第2の端子a側に切り替え、単方
向スイッチSW3の端子cを開く。オクルージョン部で
あることを示す信号を検出しない場合は、2方向スイッ
チSW2を第1の端子b側に閉じた状態、単方向スイッ
チSW3の端子cを閉じた状態に維持する。
【0065】オクルージョン再構成回路2は、周波数変
換を利用して、「オクルージョン(隠れた背景部分)」
部の情報を、周囲のフレームから補間を行う。即ち、オ
クルージョン再構成回路2は、離散直交ウェーブレット
変換を用いた周波数変換を行うことにより、補間を行
い、背景動画像を作成する回路である。このオクルージ
ョン再構成回路2は、図10に示すように、2方向スイ
ッチSW2の第2の端子aに接続された時間方向画素抽
出器21、時間方向画素抽出器21に接続されたN画素
格納メモリ22、N画素格納メモリ22に接続された補
間画素利得調整器23、補間画素利得調整器23に接続
された補間画素挿入器24、補間画素挿入器24に接続
されたN+1画素格納メモリ25、N+1画素格納メモ
リ25に接続された周波数変換器26、周波数変換器2
6に接続された高周波成分除去器27、高周波成分除去
器27に接続された周波数逆変換器28、周波数逆変換
器28に接続された補間画素抽出器29、補間画素抽出
器29に接続された補間画素挿入器41から構成されて
いる。補間画素挿入器41の出力は、第2のN+1フレ
ーム格納メモリ42に接続されている。
【0066】オクルージョン再構成回路2の基本的な考
え方は本発明の第1の実施の形態で用いられている手法
と同様であるが、第2の実施形態に係る動画像表示シス
テムでは、第1の実施の形態のようにフレーム全体を補
間する訳ではなく、動物体抽出後のオクルージョン(隠
れた背景部分)部の画素のみを選択的に補間する。この
ため、周波数変換器26とその後の高周波成分除去器2
7、そして周波数逆変換器28によって求められた特定
の空間座標(空間位置)の補間画素を随時、オクルージ
ョン(隠れた背景部分)部に格納することで背景動画像
の再構成を実現している。
【0067】具体的には、第1の実施の形態と同様な幅
W画素、高さH画素の動画像が入力されることを考え
る。第2の実施形態に係る動画像表示システムでは、予
め、オクルージョン部の空間座標(空間位置)には、画
像の輝度値として存在しない値を用いてオクルージョン
部が特定できるようにしておく。例えば、オクルージョ
ン部の空間座標(空間位置)に「−1」の値を用いるこ
とで特定を行う。
【0068】第2のN+1フレーム格納メモリ42は、
オクルージョン部の空間座標(空間位置)に「−1」の
値が挿入されたフレームを含むN+1枚のフレームを、
予め、格納しておく。通常の状態では、2方向スイッチ
SW2は、第1の端子b側に閉じられ、単方向スイッチ
SW3は閉じているので、このとき、第1のN+1フレ
ーム格納メモリ44に格納されたN+1枚のフレーム
を、順次読み出し、第2のN+1フレーム格納メモリ4
2に格納しておけば良い。そして、第2のN+1フレー
ム格納メモリ42は、オクルージョン部に対応する「−
1」の値が挿入された画像位置(空間位置)に、オクル
ージョン再構成回路2で再構成された補間画素を格納す
る。
【0069】次に、図11から図15に示すフローチャ
ートを用いて、本発明の第2の実施形態に係る背景動画
像作成方法を説明する。
【0070】(イ)図10において、通常の状態では、
2方向スイッチSW2は、第1の端子b側に閉じられ、
単方向スイッチSW3は閉じている。先ずステップS2
01において、撮像装置11から動画像が入力される。
本発明の第1の実施の形態と同様に、動画像の1フレー
ムは、幅W画素、高さH画素である。ステップS203
において、N+1枚のフレーム分を格納するためのメモ
リを確保する。そして、ステップS205において、第
1のN+1フレーム格納メモリ44に1フレーム分追加
し、フレームを順次蓄える。
【0071】(ロ)ステップS207において、オクル
ージョン部判定器43は、オクルージョン部の再構成に
必要なN+1枚のフレームが第1のN+1フレーム格納
メモリ44に格納され、且つオクルージョン部の位置が
kフレーム目であるか否か判定する。オクルージョン部
を含むフレームの前後の動画像がN+1枚のフレーム
分、未だ、格納されていなければ、ステップS205に
戻り、動画像のフレームを第1のN+1フレーム格納メ
モリ44に蓄える。オクルージョン部を含むフレームの
前後の動画像がN+1枚のフレーム分蓄えられと、オク
ルージョン部を含むフレームの位置よりも前のフレーム
を8フレーム、後のフレームを7フレームとすることで
合計16フレームが格納されていることになる。
【0072】(ハ)ステップS207において、オクル
ージョン部判定器43によって必要なフレーム数が第1
のN+1フレーム格納メモリ44に格納され、且つ、オ
クルージョン部の位置がkフレーム目であると判定され
ると、ステップS209に進み、外側の繰り返しループ
の開始条件を設定する。即ち、画像位置(x,y)のy
座標をy=0と設定する。更に、ステップS211にお
いて、内側の繰り返しループの開始条件を設定する。即
ち、画像位置(x,y)のx座標をx=0と設定する。
そして、ステップS213において、オクルージョン部
判定器43は、画像位置(x,y)は、オクルージョン
部であるか否か判定する。オクルージョン部判定器43
は、オクルージョン部を含むフレーム内を空間方向に走
査してオクルージョン部であることを示す「−1」を検
出したことを判定すると、第1の端子b側に閉じている
2方向スイッチSW2を第2の端子a側に切り替える。
画像位置(x,y)が、オクルージョン部でない場合
は、2方向スイッチSW2を第1の端子b側に維持した
まま、ステップS237に進む。画像位置(x,y)が
オクルージョン部であれば、ステップS215におい
て、時間方向画素抽出器21は、第1のN+1フレーム
格納メモリ44から、オクルージョン部を除いた画像位
置(x,y)に対応する時間方向(フレーム方向)の画
素を、それぞれ抽出する。即ち、オクルージョン部に対
応する画素の利得を調整するために、格納されたN+1
枚のフレームのうち、オクルージョン部を含むフレーム
において空間位置(x,y)の輝度値が「−1」である
場合に、この画素を除き、この位置に対応する時間方向
(フレーム方向)の画素を時間方向画素抽出器21によ
って抽出する。更に、ステップS217において、時間
方向(フレーム方向)に配列された各フレームから、抽
出された合計N個の画素を、バッファメモリ、即ちN画
素格納メモリ22に格納する。
【0073】(ニ)補間画素利得調整器23は、ステッ
プS219において、格納された時間方向(フレーム方
向)のN個の画素を用いて、補間画素の利得調整を行
い、予め周囲の画素値に近い値を補間位置に挿入する操
作を行う。更に、補間画素利得調整器23は、ステップ
S221において、時間方向のN個の画素を用いて、高
周波成分除去器27で用いられる2乗平均閾値th1,
th2を算出する。この2乗平均閾値th1,th2
は、本発明の第1の実施の形態で説明した式(6)及び
(7)から算出される。
【0074】(ホ)このように、時間方向のN個の画素
を用いて補間画素利得調整器23により補間画素の利得
を調整した後、ステップS223において、利得調整後
の補間画素を、時間方向のN個の画素の挿入位置に、補
間画素挿入器24を用いて挿入する。ここでは、利得調
整後の補間画素の挿入位置k=8である。更に、ステッ
プS225において、挿入されたN+1個の画素を、バ
ッファメモリ、即ちN+1画素格納メモリ25に格納す
る。
【0075】(ヘ)その後、N+1画素格納メモリ25
に格納されたN+1個の画素に対して、周波数変換器2
6は、ステップS227において、周波数変換を行う。
即ち、周波数変換器26は、離散直交ウェーブレット変
換を用い、N+1個の画素に対して2階のウェーブレッ
ト変換を行う。本発明の第1の実施の形態と同様に、ス
テップS227における周波数変換にウェーブレット変
換を適用することで、周波数変換時の画素の位置情報を
容易に特定できるようになり、フレーム間方向に対する
周波数情報を効果的に解析することが可能となる。この
ため、より効果的なオクルージョン部再構成を実現する
ことが可能となる。特に、直交ウェーブレットを適用す
ることで、基底間の相関がなく効率的に符号化が行え、
更に演算処理にあまり多くの時間を必要としない。この
ような利点を有するので、直交ウェーブレットを用いて
周波数変換を行っている。しかし、他の非直交ウェーブ
レットや双直交ウェーブレットを利用した構成や短時間
フーリエ変換を利用した構成など、ある程度画素の位置
情報が特定できるものであれば本発明で用いられる周波
数変換の種別を限定することはない。
【0076】(ト)その後、高周波成分除去器27は、
ステップS229において、補間画素による高周波成分
を除去する。即ち、高周波成分除去器27は、高周波成
分H1の各ウェーブレット係数wH1iの2乗値に対して
予め算出された2乗平均値で定義された閾値th1と比
較を行い、閾値th1以上である場合には、その成分の
除去を行う。この高周波成分除去器27は、同様に高周
波成分H2の各ウェーブレット係数wH2iの2乗値に対
して予め算出された2乗平均値で定義された閾値th2
と比較を行い、閾値th2以上である場合にはその成分
の除去を行う。ステップS229における補間画素によ
る高周波成分を除去において、予め算出された2乗平均
値を利用することにより補間画素の周辺で生じる不要な
高周波成分の検出を容易にし、位置情報の分解能があま
り良くない周波数変換を用いる場合であっても効果的に
高周波成分の削減が可能となる。
【0077】(チ)このような処理を行った後、ステッ
プS231においては、周波数逆変換器28により、周
波数逆変換を行う。周波数逆変換器28は、離散直交ウ
ェーブレット逆変換を用い、N+1個の画素に対して2
階のウェーブレット逆変換を行い、補間画素を再構成す
る。
【0078】(リ)その後、ステップS233におい
て、補間画素抽出器29によって、挿入位置kにある復
元(再構成)された補間画素を抽出する。更に、ステッ
プS235において、補間画素挿入器41は、第2のN
+1フレーム格納メモリ42のオクルージョン部に対応
する画像位置(x,y)に、この補間画素を格納する。
【0079】(ヌ)ステップS213において、画像位
置(x,y)がオクルージョン部でないと判定された場
合は、2方向スイッチSW2は第1の端子b側に接続さ
れた状態であり、ステップS215からステップS23
5までの処理は省略される。ステップS237では、内
側の繰り返しループのx座標を1だけ増加させる。即
ち、画像位置(x,y)のx座標をx=x+1と設定す
る。更に、ステップS239では、内側の繰り返しルー
プの終了条件を判定する。即ち、画像位置(x,y)の
x座標がx=Wであるか否か判定する。x=Wでなけれ
ば、内側の繰り返しループが終了条件になるまで繰り返
す。そして、ステップS241において、外側の繰り返
しループのy座標を1だけ増加させる。即ち、画像位置
(x,y)のy座標をy=y+1と設定する。更に、ス
テップS243では、外側の繰り返しループの終了条件
を判定する。即ち、画像位置(x,y)のy座標がy=
Hであるか否か判定する。y=Hでなければ、内側の繰
り返しループが終了条件になるまで繰り返す。即ち、内
側の繰り返しループ及び外側の繰り返しループの操作
を、画像位置(x,y)のすべての位置に対して行うこ
とで補間フレームを作成する。この操作をオクルージョ
ン部を含むフレーム内のオクルージョン部であることを
示す「−1」が存在する空間位置に対して順次行うこと
でオクルージョン部を再構成する。
【0080】(ル)オクルージョン部判定器43によっ
てオクルージョン部を含むフレーム内の走査がすべて終
了したと判定されると、ステップS245で、単方向ス
イッチSW3の端子cを閉じて動画像出力を得ることが
出来る。
【0081】仮に動画像内に含まれる動物体の動きが小
さい場合、動物体抽出後のオクルージョン部が空間位置
的に連続して発生することが考えられる。このような場
合であっても、利得調整器によってある程度周囲の画素
に近い値を連続したオクルージョン部に対して挿入する
ことで、同様な処理を行うことが可能となる。
【0082】
【発明の効果】本発明の動画像表示システムによれば、
本来フレームレートが低い動画像であっても、フレーム
間の連続性が考慮されたフレームが補間されるので、従
来よりも視覚的に滑らかで良好な動画像を表示すること
が可能となる。
【0083】又、本発明の動画像表示システムによれ
ば、自然動画像から動物体を抽出した際に生じる動物体
の背後に隠れたオクルージョン部を再構成する場合、従
来法より時間方向に対してより連続的で自然な背景動画
像を作成し、良好な動画像を表示することが可能とな
る。
【0084】更に、本発明のフレーム間補間方法によれ
ば、周波数変換を動画像のフレーム間方向に適用し、得
られる周波数成分の高周波成分を削減しているので、効
果的なフレーム間補間を実現することが可能となる。
【0085】更に、本発明の背景動画像作成方法によれ
ば、周波数変換を動画像のフレーム間方向に適用し、得
られる周波数成分の高周波成分を削減しているので効果
的なオクルージョン部の背景動画像を再構成することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る動画像表示シス
テムのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るフレーム間補間
方法を実現するためのフローチャート(その1)であ
る。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るフレーム間補間
方法を実現するためのフローチャート(その2)であ
る。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るフレーム間補間
方法を実現するためのフローチャート(その3)であ
る。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るフレーム間補間
方法を実現するためのフローチャート(その4)であ
る。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るフレーム間補間
方法における動画像のフレーム列の概念図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るフレーム間補間
方法における補間フレーム挿入後の周波数変換の様子を
示す概念図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るフレーム間補間
方法で用いられるウェーブレット変換のオクターブ分割
の様子を示す概念図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るフレーム間補間
方法におけるフィルタリングを行う際に影響する画素の
範囲を示す概念図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る動画像表示シ
ステムのブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る背景動画像作
成方法を実現するためのフローチャート(その1)であ
る。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る背景動画像作
成方法を実現するためのフローチャート(その2)であ
る。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る背景動画像作
成方法を実現するためのフローチャート(その3)であ
る。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る背景動画像作
成方法を実現するためのフローチャート(その4)であ
る。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る背景動画像作
成方法を実現するためのフローチャート(その5)であ
る。
【図16】本発明の第2の実施形態において、自然動画
像から動物体を抽出した際に生じる動物体の背後に隠れ
たオクルージョン部を再構成する際の周波数変換の様子
を示す概念図である。
【符号の説明】
1 フレーム補間回路 2 オクルージョン再構成回路 11 撮像装置 12,13 フレームバッファ 14 動画像表示装置 21 時間方向画素抽出器 22 N画素格納メモリ 23 補間画素利得調整器 24,41 補間画素挿入器 25 N+1画素格納メモリ 26 周波数変換器 27 高周波成分除去器 28 周波数逆変換器 29 補間画素抽出器 31 補間フレーム格納メモリ 32 補間フレーム挿入器 33 フレーム挿入判定器 34 N+1フレーム格納メモリ 35 フレーム補間位置判定器 36 Nフレーム格納メモリ 42 第2のN+1フレーム格納メモリ 43 オクルージョン部判定器43 44 第1のN+1フレーム格納メモリ SW1,SW3 単方向スイッチ SW2 2方向スイッチ
フロントページの続き Fターム(参考) 5C059 KK01 LA06 LB13 MA24 MC22 MC35 PP04 PP29 SS14 TA07 TA49 TC04 TD06 TD11 5C063 AB03 BA10 CA11 CA29 CA34 EB39 5J064 AA01 BA16 BB04 BB10 BC01 BC25 BD01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像装置から送られたN枚のフレームの
    画像データを順次格納するNフレーム格納メモリと、 該Nフレーム格納メモリの出力側に接続された2方向ス
    イッチと、 該2方向スイッチの第1の端子に接続されたN+1フレ
    ーム格納メモリと、 該N+1フレーム格納メモリの出力側に接続された単方
    向スイッチと、 該単方向スイッチに接続された出力側フレームバッファ
    と、 該出力側フレームバッファに接続された動画像表示装置
    と、 前記2方向スイッチの第2の端子と前記N+1フレーム
    格納メモリとの間に接続されたフレーム補間回路と、 前記2方向スイッチ及び単方向スイッチを制御するフレ
    ーム補間位置判定器とから構成され、 前記フレーム補間回路は、周波数変換を時間方向に対し
    て適用し、該時間方向の周波数情報を利用することによ
    って、動画像の補間フレームを作成し、 前記フレーム補間位置判定器は、フレーム間補間に必要
    なフレーム数が前記Nフレーム格納メモリに格納された
    と判定すると、前記第1の端子側に閉じている前記2方
    向スイッチを前記第2の端子側に切り替え、前記単方向
    スイッチの端子を開き、 前記N+1フレーム格納メモリは、前記フレーム補間回
    路により作成された前記補間フレームを、予め格納した
    前記N枚のフレームの挿入位置に挿入することにより、
    N+1枚のフレームを作成することを特徴とする動画像
    表示システム。
  2. 【請求項2】 撮像装置から送られたN+1枚のフレー
    ムの画像データを順次格納する第1のN+1フレーム格
    納メモリと、 該第1のN+1フレーム格納メモリの出力側に接続され
    た2方向スイッチと、 該2方向スイッチの第1の端子に接続された第2のN+
    1フレーム格納メモリと、 該第2のN+1フレーム格納メモリの出力側に接続され
    た単方向スイッチと、 該単方向スイッチに接続された出力側フレームバッファ
    と、 該出力側フレームバッファに接続された動画像表示装置
    と、 前記2方向スイッチの第2の端子と前記第2のN+1フ
    レーム格納メモリとの間に接続されたオクルージョン再
    構成回路と、 前記2方向スイッチ及び単方向スイッチを制御するオク
    ルージョン部判定器とから構成され、 前記オクルージョン再構成回路は、周波数変換を時間方
    向に対して適用し、該時間方向の周波数情報を利用する
    ことでオクルージョン部の情報を周囲のフレームから補
    間して、オクルージョン部の補間画素を再構成し、 前記オクルージョン部判定器は、前記オクルージョン部
    を含むフレーム内を走査して前記オクルージョン部であ
    ることを示す信号を検出すると、前記第1の端子側に閉
    じている前記2方向スイッチを前記第2の端子側に切り
    替え、前記単方向スイッチの端子を開き、 前記第2のN+1フレーム格納メモリは、前記オクルー
    ジョン部に対応する画像位置に、前記オクルージョン再
    構成回路で再構成された前記補間画素を格納することを
    特徴とする動画像表示システム。
  3. 【請求項3】 前記周波数変換に、ウェーブレット変換
    を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の動画像
    表示システム。
  4. 【請求項4】 時間方向に配列されたN枚のフレームの
    同一画像位置の画素をそれぞれ抽出し、N個の画素を得
    るステップと、 該N個の画素を用いて、補間画素の利得調整を行うステ
    ップと、 該利得調整後の補間画素を挿入してN+1個の画素を得
    るステップと、 該N+1個の画素に対して周波数変換を行うステップ
    と、 該周波数変換により得られた周波数情報から、補間画素
    による高周波成分を除去するステップと、 該高周波成分の除去後、前記N+1個の画素に対して周
    波数逆変換を行い、補間画素を再構成するステップとか
    らなる一連の手順を、2次元の画像位置に対しそれぞれ
    繰り返し、動画像の補間フレームを作成することを特徴
    とするフレーム間補間方法。
  5. 【請求項5】 時間方向に配列されたN+1枚のフレー
    ムの同一画像位置の画素から、オクルージョン部を除い
    た画素をそれぞれ抽出し、N個の画素を得るステップ
    と、 該N個の画素を用いて、補間画素の利得調整を行うステ
    ップと、 該利得調整後の補間画素を挿入してN+1個の画素を得
    るステップと、 該N+1個の画素に対して周波数変換を行うステップ
    と、 該周波数変換により得られた周波数情報から、補間画素
    による高周波成分を除去するステップと、 該高周波成分の除去後、前記N+1個の画素に対して周
    波数逆変換を行い、オクルージョン部の補間画素を再構
    成するステップとからなる一連の手順をオクルージョン
    部の画像位置に対しそれぞれ繰り返し、オクルージョン
    部の画像を再構成することを特徴とする背景動画像作成
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010026839A1 (ja) * 2008-09-04 2010-03-11 独立行政法人科学技術振興機構 映像信号変換システム
WO2010026838A1 (ja) * 2008-09-04 2010-03-11 独立行政法人科学技術振興機構 フレームレート変換装置、並びに、その対応点推定装置、対応点推定方法及び対応点推定プログラム
CN101867759A (zh) * 2010-05-19 2010-10-20 西安交通大学 基于场景检测的自适应运动补偿帧频提升方法

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