JP2002188406A - 軸流回転機械用のロータブレード - Google Patents

軸流回転機械用のロータブレード

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JP2002188406A
JP2002188406A JP2000366583A JP2000366583A JP2002188406A JP 2002188406 A JP2002188406 A JP 2002188406A JP 2000366583 A JP2000366583 A JP 2000366583A JP 2000366583 A JP2000366583 A JP 2000366583A JP 2002188406 A JP2002188406 A JP 2002188406A
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airfoil
wall
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edge region
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JP2000366583A
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English (en)
Inventor
Mark F Zelesky
エフ.ゼルスキー マーク
Dominic J Mongillo Jr
ジェイ.モンギロ ジュニア. ドミニク
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Raytheon Technologies Corp
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United Technologies Corp
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    • Y02T50/673
    • Y02T50/676

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造において許容できる鋳造性を有するとと
もに、運転条件において許容できるレベルのブレード応
力及び金属温度を有する、ロータブレードの後縁領域の
ための冷却構造を提供する。 【解決手段】 エアフォイルは、後縁領域の最も後方部
分に熱伝達部(106,108,112)を有し、これ
らの熱伝達部には、翼弦方向に延びる分流部(112)
の列が含まれる。これらの分流部(112)の少なくと
も1つが径方向内側に面する側壁(144)と径方向外
側に面する側壁(142)とを含んでおり、径方向内側
に面する側壁(144)の拡散角度αが、径方向外側に
面する側壁(142)の拡散角度βよりも大きくなって
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温回転機械で使
用されるタイプの冷却可能なエアフォイル構造体に関
し、特に、このようなエアフォイルの後縁領域における
熱伝達要素に関する。開示している概念は、タービンベ
ーン及びタービンブレードのエアフォイルに適用可能で
ある。
【0002】
【従来の技術】航空機のガスタービンエンジン用の軸流
回転機械は、圧縮セクション、燃焼セクション、及びタ
ービンセクションを有する。作動媒体ガス用の環状流路
は、エンジンの各セクションを通って軸方向に延びる。
ガスは、圧縮セクションで圧縮され、温度及び圧力が高
められる。燃焼セクションでは、燃料が作動媒体ガスと
ともに燃焼され、熱い加圧ガスの温度を更に高める。熱
い作動媒体ガスは、タービンセクションで膨張し、推力
を生じさせるとともに回転動作としてガスからエネルギ
を抽出する。回転動作は、圧縮セクションに伝達され、
流入するガスの圧力を高める。
【0003】圧縮セクションとタービンセクションと
は、エンジンを通って軸方向に延びるロータを有する。
このロータは、回転軸Arを中心に配置されている。ま
た、このロータは、ロータと熱い作動媒体ガスとの間で
回転動作を伝達するロータブレードの列を含む。各ロー
タブレードは、この目的のために作動媒体流路に亘って
外向きに延在するエアフォイルを有している。作動媒体
ガスは、エアフォイルを通るように導かれる。タービン
セクションのエアフォイルは、作動媒体ガスからエネル
ギを受け取り、回転軸を中心にロータを高速で駆動す
る。圧縮セクションのエアフォイルは、このエネルギを
作動媒体ガスに伝達し、ロータによってエアフォイルが
回転軸を中心に駆動されるのに従ってガスを圧縮する。
【0004】エンジンは、ロータの周囲に配置されたス
テータを含む。このステータは、外側ケースと作動媒体
流路に亘って内向きに延在するステータベーンとを有す
る。外側ケースは、作動媒体流路を中心として周方向に
延在してこの流路を境界づける。ステータは、この目的
のために、周方向に延在し、かつロータブレードの周囲
に径方向に配置されるシール要素を有している。シール
要素は、ロータブレードの先端部に近接して設けられて
おり、流路から作動媒体ガスが漏れるのを防止するシー
ルを形成する。
【0005】ステータベーンの列は、圧縮セクション及
びタービンセクションの両方でロータブレードの列の上
流に配置されている。ステータベーンは、作動媒体ガス
が流路に沿って流れるときに、ガスをロータブレードへ
と案内するエアフォイルをそれぞれ備えている。ステー
タベーン及びロータブレードのエアフォイルは、作動媒
体ガスがエンジンを通って流れるのに従って、ガスを受
け取り、これと相互に作用してから放出するように設計
されている。
【0006】これにより、エアフォイルは、ロータブレ
ードの動作時に熱い作動媒体ガスを浴び、エアフォイル
内に熱応力が生じる。このような熱応力は、エアフォイ
ルの構造的な完全性や疲労寿命に影響を与える。更に、
ロータブレードに働く回転力によって、ロータブレード
が回転軸を中心に駆動されるのに従って、機械的な応力
などの更なる応力がロータブレード内に生じる。燃焼セ
クション下流の高圧タービンにおけるロータブレードの
応力を減少させる1つの方法は、エアフォイルを通して
冷却流体を流してロータブレードを冷却することであ
る。冷却流体は、エアフォイルから熱を除去して熱応力
を減少させ、エアフォイルの壁に使用される材料が許容
できない高温になるのを防ぐ。各ロータブレードは、冷
却空気を受け入れるために、その内側端部に1つまたは
それ以上の開口部を有する。
【0007】冷却流体の供給源の1つは、圧縮セクショ
ンからの作動媒体ガス(加圧空気)である。この流体
は、圧縮過程を迂回し、タービンセクション内の作動ガ
スよりもかなり低い温度となっている。冷却流体は、タ
ービンセクション内の種々の構造体を通って及びその周
囲を流れる。
【0008】このような冷却流体の使用は、ガスタービ
ンエンジンの空気力学的な効率に悪影響を及ぼす。これ
は、圧縮された冷却流体が、流体にエネルギが与えられ
る燃焼セクションを迂回してしまうので、圧縮流体から
タービン段へ有用なエネルギが少ししか伝達されない
で、圧縮流体が流路に流入するためである。効率の損失
は、部材の耐久性の向上及びサイクル効率を向上させる
より高い燃焼温度によって釣り合いがとられる。このよ
うに釣合いがとられることで、圧縮セクションから導か
れる冷却流体を効率的に使用する必要性が更に高まる。
【0009】タービンエアフォイルは、冷却流体を受け
入れるとともに排出するための複雑な内部流路を含む。
冷却流体がこれらの流路を通過するときに、内側面から
冷却流体へと熱が伝達される。このような面には、冷却
流体とタービンエアフォイルとの間の熱伝達を増加させ
るためのトリップストリップや台座などの熱伝達部の面
が含まれる。冷却流体は、続いて、エアフォイルの周囲
に設けられた冷却孔を通して流路内に放出される。
【0010】このようなロータブレードの例は、本出願
人が有する、パズダに付与された米国特許第4,47
4,532号、名称「回転機械用の冷却可能なエアフォ
イル」に開示されている。冷却可能なロータブレードの
他の例は、同じく本出願人が有する、ヤマリックとレベ
ングッドに付与された米国特許第4,278,400
号、名称「冷却可能なロータブレード」に開示されてい
る。これらの各ロータブレードの内部には、複数の冷却
空気通路が設けられている。冷却空気は、一般的に後縁
と呼ばれるロータブレードの最後部までこれらの通路を
通って流れて、ここから作動媒体流路内へと放出され
る。
【0011】シルベストロに付与された米国特許第5,
368,441号、名称「拡散後縁台座を含むタービン
エアフォイル」は、ブレードの後縁領域に複数の分流部
(涙形の台座)を有する。これらの台座は、ロータブレ
ードのエアフォイルの内部とブレードの外部とを流体的
に連通させる。冷却流体の流れは、ブレードの内側面に
衝突するとともに、流れが冷却チャネルを通って進むの
に従って対流することによって、ブレードの内部を直接
的に冷却する。後縁は、分流部の端部において拡散領域
が露出するように正圧面が切り欠かれている。分流部の
間には、エアフォイルの負圧面に亘って冷却空気を拡散
させて負圧壁に亘って冷却空気のフィルムを提供するチ
ャネルが形成されている。フィルム冷却は、効果的であ
るが、流れが拡散部分の壁から分離するとともに、乱れ
て熱い作動媒体ガスと混合した場合には、その効果が減
少してしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】他の構造には、熱伝達
を高めるために後縁領域に複数の台座を設けたものがあ
る。更に複雑な構造は、ロストワックス法でエアフォイ
ルを鋳造することによって形成されている。このような
構造は、冷却流体への熱伝達を増加させるために、エア
フォイルの後縁の分流部の上流でかつ分流部に近接して
設けることができる。上記の構造には、後縁領域におい
て、翼幅方向に延在する対となったリブが、隣接する内
部構造体に冷却空気を導くために翼幅方向に離間された
複数のオリフィスを有する構造が含まれる。衝突冷却の
結果、エアフォイルの後縁における熱伝達が高まる。こ
のような構造体におけるリブは、翼弦方向で比較的小さ
いが、翼幅方向で比較的長い。小さいオリフィスは、鋳
造工程において金属が形成されるところにワックスを有
するとともに鋳物中に小さいオリフィスを形成する所に
のみコア材料(スラリー)を有する必要があるので、鋳
造コアのリブ位置に少量のコア材料のみしか存在しなく
なる。
【0013】上述のリブは、鋳造工程において困難を引
き起こし得る。このようなエアフォイルの鋳造工程にお
いて、(後縁領域の開口部及び構造体を定める)セラミ
ック製コアは、エアフォイル形状の鋳型の内部に配置さ
れる。溶融金属がコアの周囲に流し込まれ、鋳込工程に
おいて鋳型内に流れる。溶融金属は、コアの開口部を満
たして中実の構造体を形成するとともに、中実のセラミ
ックコア材料の周りに流れてリブのオリフィスのような
孔を形成する。溶融金属が構造体に流入するときに、熱
伝達要素が複雑でかつ精密に形成される後縁領域におけ
るコア部分が潰れて、鋳物が利用不能となるおそれがあ
る。従って、熱伝達部の複雑さは、これらの要素を鋳造
する必要性によって制限されている。
【0014】従って、製造において許容できる鋳造性を
有するとともに、運転条件において許容できるレベルの
ブレード応力及び金属温度を有する、ロータブレードの
後縁領域のための冷却構造の開発が求められている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロータアセン
ブリ内の回転力と回転中における冷却流体の径方向内向
きの加速とを、ロータブレードの後縁領域における冷却
流路の拡散速度を高めるために使用することができると
いう認識に一部分基づいている。
【0016】本発明によると、ロータエアフォイルの後
縁領域の拡散部分を境界づけている分流部の側壁におい
て、内側に面する側壁の拡散角度αが外側に面する側壁
の拡散角度βよりも大きくなっている。
【0017】本発明の1つの実施例では、角度を有する
側壁は、切り欠かれた後縁形状のために、一部が覆わ
れ、一部が覆われていないチャネルを形成している。
【0018】本発明の1つの詳細な実施例では、内側に
面する面の拡散角度は、第1の翼幅方向内側の分流部よ
りも、第2の翼幅方向外側の分流部の方が僅かに大き
い。
【0019】本発明の主な特徴は、隣接する分流部の収
束側壁によって境界づけられた拡散流路である。主な特
徴は、第1の収束側壁の収束角αである。他の特徴は、
隣接する分流部の外側に面する側壁の収束角βである。
1つの特定の実施例では、これらの側壁が、分流部の面
積が一定の部分から延在している。他の実施例では、内
側に面する側壁の拡散角度が、2°〜15°の範囲であ
り、外側に面する側壁の拡散角度が1°〜10°の範囲
である。
【0020】本発明の主な利点は、エアフォイルの耐久
性と熱機械的性能であり、これは、翼弦方向により薄く
なった分流部によるものであり、この分流部は、異なる
拡散角度を有するために、所定の量の拡散の場合、外側
及び内側に面する側壁が等しい拡散角度(収束角度)を
有する同様の構成に比べて、収束側壁間の質量が小さく
なっている。他の利点は、分流部の下流部分がより薄い
壁を有していることで熱伝達率が高い点であり、この下
流部分は、正圧壁及び負圧壁から熱を除去するとともに
側壁に境界づけられたチャネル内の冷却流体にその熱を
伝達する、より効率的なフィンとして機能している。更
に他の利点は、より厚い分流部を有する構造に比べて、
正圧壁及び負圧壁と分流部の間での過渡条件における耐
久性や熱勾配のレベルである。
【0021】本発明の上述の特徴や利点は、以下の実施
形態及び添付図面によってより明らかとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、ターボファンガスタービ
ンエンジンなどの回転機械10の概略的な側面図であ
る。エンジンは、対称軸Aを中心に配置されているとと
もに回転軸Arを有する。また、エンジンは、圧縮セク
ション12、燃焼セクション14,及びタービンセクシ
ョン16を含む。作動媒体ガス用の環状の一次流路18
がエンジンのこれらのセクションを通って軸方向に延び
る。バイパス流路20が、一次流路18の外側に位置し
ている。
【0023】エンジンは、圧縮セクション12とタービ
ンセクション16におけるステータ22とロータ24と
を示すように部分的に切り欠いてある。ステータ22
は、一次流路18を中心に周方向に延在する外側ケース
26を有する。ステータは、また、圧縮セクションにお
けるステータベーン28、及びタービンセクションにお
けるステータベーン32として示されるステータベーン
の列を含む。各ステータベーンは、外側ケースから内向
きに延在するエアフォイル34,36を有し、これらの
エアフォイルは、作動媒体ガスが圧縮セクション及びタ
ービンセクションを通って流れるときに、このガスの流
れを導く。
【0024】ロータは、圧縮セクション12におけるロ
ータブレード38、及びタービンセクション16におけ
るロータブレード42として示されるロータブレードの
列を含む。各ロータブレードは、作動媒体流路に亘って
ステータ22に近接するように延在するエアフォイル4
4,46を有する。タービンセクションにおいて、ロー
タは、ロータディスク52を含むロータアセンブリを有
する。ロータブレードは、ロータディスクと連結され
て、ディスクによって回転軸Arを中心に運ばれる。
【0025】図2は、タービンセクション16の高圧部
側からのロータブレード42の斜視図である。ロータブ
レードは、翼幅方向に延びる軸Asを中心に配置されて
いる。このタービンブレードは、開口部58を有する根
部56を備える。開口部58は、運転状態において、エ
アフォイル46と冷却空気の供給源とを流体的に連通可
能とする。各ロータブレードは、根部56の外側にプラ
ットフォーム62を備える。プラットフォーム62は、
作動媒体流路18を内側で境界づけている。エアフォイ
ルは、開口部(図示省略)を有し、この開口部によって
エアフォイルがロータブレードの根部から冷却空気を受
け入れ可能となっている。冷却通路(図示省略)が、エ
アフォイルの内部で延びているとともに、フィルム冷却
孔64やエアフォイル外部のチャネル66として示され
る開口部を通してエアフォイルの外部と流体的に連通し
ている。
【0026】エアフォイルは、前縁68、前縁領域7
2、後縁74、及び後縁領域76を備える。エアフォイ
ル断面78として示される複数のエアフォイル断面が、
翼幅方向軸Asを中心に翼弦方向に配置され、エアフォ
イル形状を定めている(ここで複数とは、2またはそれ
以上の不確定数をいう)。エアフォイルは、基準方向を
提供する翼弦方向Cと翼幅方向Sとを有する。翼幅方向
は、回転軸Arに実質的に垂直である。エアフォイルの
翼幅方向長さは、内側部分82、外側部分84、及び内
側部分から外側部分まで翼幅方向に延在する翼幅中間部
分86に区分される。内側部分は、通常、プラットフォ
ームからエアフォイルの30%の翼幅位置までの範囲で
あり、翼幅中間部分は、30%〜70%の翼幅位置の範
囲であり、外側部分即ち先端部は、70%の翼幅位置か
らエアフォイルの先端までの範囲である。
【0027】エアフォイル46は、エアフォイルの背面
に亘って翼弦方向及び翼幅方向に延在する負圧壁88を
含む。負圧壁88は、前縁領域72から後縁領域76ま
で延在する。負圧壁88は、後縁領域に設けられた負圧
壁リップ部92を含んでいる。エアフォイルは、エアフ
ォイルの反対側(前面)に亘って翼弦方向及び翼幅方向
で延在する正圧壁94を含む。正圧壁94は、前縁領域
から後縁領域まで延在する。
【0028】図3は、図2のロータブレード42の断面
図であり、後縁領域76と後縁領域に隣接する構造体を
除くロータブレード部分が切り欠いてある。図2,図3
で示しているように、正圧壁94は、負圧壁リップ部9
2の翼弦方向(軸方向)上流に位置する正圧壁リップ部
96を含んでいる。正圧壁リップ部96と負圧壁リップ
部92とは、切り欠かれた後縁を定めている。正圧壁9
4は、負圧壁88から側方に離間されており、間に冷却
流体用の内部キャビティ98が形成される。キャビティ
98は、エアフォイル内部の開口部を通して、根部にお
ける冷却流体用の開口部と流体的に連通している。翼幅
方向に延びる通路102は、冷却流体用の流路104へ
翼幅方向に冷却流体を送っている。翼幅方向に延在する
流路は、流路が後縁領域76へと翼弦方向に曲がった後
に、後縁領域74に冷却流体を供給する。
【0029】図3,図4,図5は、正圧壁及び負圧壁8
8,94と、後縁領域における構造的な熱伝達部と、の
関係を示している。これらの熱伝達部は、リブ106,
台座108の列、及び分流部112の列として示されて
いる。エアフォイル断面78は、エアフォイルの翼幅中
間部分における断面である。翼幅軸Asに沿って配置さ
れた複数のエアフォイル断面によってエアフォイル形状
が定められる。
【0030】図4は、後縁領域を部分的に切り欠いた説
明図である。また、図5は、図4に対応する概略説明図
である。図5では、エアフォイルの翼幅中間部分におけ
る熱伝達部と負圧壁との関係を示すために正圧壁が切り
欠いてある。
【0031】図3,図4は、エアフォイル内で翼幅方向
に延びるとともに、冷却流体用の翼幅方向に延びる流路
104を含む内部通路102を示している。後縁領域7
6は、翼幅方向に流れる冷却流体を受け入れるとともに
この流体を後縁74へと翼弦方向後方に導くエアフォイ
ル部分である。設置状態において、翼弦方向は、エンジ
ンに対して実質的に軸方向である。従って、後縁領域7
6は、流れが後縁に対して翼弦方向となる位置から後方
に延びている。
【0032】熱伝達部106,108,112は、負圧
壁88を正圧壁94につなぐように側方に延びている。
図示のように、後縁領域76に設けられた構造的な熱伝
達部は、後縁領域76を境界づけている。エアフォイル
の最も後方に位置するこれらの3つの部分106,10
8,112は、後縁領域76で翼幅方向に延在する単一
のリブ106を含む。このリブ106は、負圧壁88か
ら正圧壁94まで側方に延びている。リブ106は、前
縁114と後縁116とを有する。リブ106は、上流
側高さHru、下流側高さHrd、及び平均高さHrを
有する。また、リブ106は、リブを貫通する内径Rd
の複数のオリフィス118を含む。これらのオリフィス
118は、湾曲面122によって境界づけられている。
湾曲面122は、トーラスの内側湾曲面に幾分類似して
いる。オリフィス118は、距離Prによって翼幅方向
に離間されており、これらのオリフィス118の間には
リブ材料が延在する。各オリフィス118は、壁から側
方に離間されており、壁と開口部との間にはリブ材料が
延在している。
【0033】図6は、図3で示した後縁領域76の一部
の拡大図であり、図3の6−6線に沿った平面をも示し
ている。図5,図6で示すように、台座108の単一の
列は、リブ106から翼弦方向に離間されており、翼弦
方向に延びる冷却流体用の第1の供給通路124が間に
形成される。台座108の列は、エアフォイル内で翼幅
方向に延びる。各台座108は、正圧壁94から負圧壁
88まで延在してこれらの壁をつなぐ。各台座108
は、前縁126と後縁128とを備える。また各台座1
08は、隣接する台座108から距離Ppだけ翼幅方向
に離間されており、台座108間に開口部132が形成
される。この台座108間の開口部132は、各台座1
08の間に翼弦方向で、かつ負圧壁88から正圧壁94
まで延びている。各台座108は、上流側高さHpu、
下流側高さHpd、及び平均高さHpを有する。
【0034】複数のフィルム冷却孔64がエアフォイル
の外部から正圧壁94を通って第1の供給通路124ま
で延びている。これにより、エアフォイルの内部と外部
とが流体的に連通し、台座108の外側で正圧壁94の
厚みが増加した領域において冷却空気のフィルムを提供
する。
【0035】分流部112の列は、切り欠かれた後縁に
設けられているとともに台座108から翼弦方向に離間
されている。これにより、台座108と分流部112と
の間に第2の翼弦方向に延びる供給通路134が形成さ
れる。冷却チャネル66が隣接する分流部の間に設けら
れ、これらの冷却チャネル66は、ロータブレードの後
縁領域76と流路18とを流体的に連通させる。各分流
部112は、断面が涙形となっている。各分流部112
は、円状の前縁136と軸方向に先細となった部分13
8とを含む。円状の前縁136は、第2の供給通路13
4に向かって翼弦方向内側に面している。図6で示して
いるように、円状の前縁136の断面は、直径Dfの半
円形である。図示の実施例では、前縁136は、分流部
112の上流部分を形成し、分流部112の平面部分に
位置するとともに半円形に正接する下流端部139で終
端となっている。分流部112の前縁136には、非円
状の他の鈍角を含む形状も同様に適用可能である。
【0036】分流部112の軸方向に先細となった部分
138は、一対の収束側壁142,144を含み、これ
らの側壁は、それぞれ上流部分の下流端139から延在
している。一対の収束側壁は、第1の内側に面する側壁
144と、第2の外側に面する側壁142として示され
ている。
【0037】これらの各収束壁は、下流側端部146に
おいて、反対の角度を有する側壁に近接するように収束
する。図4,図5,図6に示しているように、収束側壁
は、一点に完全に収束しないが、互いに対して接近す
る。隣接する分流部112の角度を有する側面即ち側壁
は、正圧壁94と負圧壁88と協同して、隣接する分流
部112間に覆われた拡散部分148を画定する。各壁
の収束角度αは、流れ及びチャネル66の拡散角度でも
ある。角度α及びその提案される大きさである2°〜1
2°は、シルベストロに付与された米国特許第5,36
8,441号、名称「拡散のための後縁台座を含むター
ビンエアフォイル」で説明されている。
【0038】覆われた拡散部分148は、正圧壁リップ
部96の上流で始まり、正圧壁と負圧壁との間で下流へ
と延びる。覆われていない拡散部分152は、角度を有
する側壁と負圧壁88によって画定される。覆われてい
ない拡散部分152は、正圧壁リップ部の下流で負圧壁
リップ部92まで延びる。分流部112の覆われていな
い拡散部分152は、正圧壁リップ部から後方に延びる
長さLfを有する。
【0039】覆われていない拡散部分152の長さLf
とチャネル66の最小水力直径Dhmは、後縁領域76
の熱伝達要求量に密接に関係している。これらの2つの
大きさは、後縁領域における熱伝達部の物理的な関係を
寸法から離れて考えるために利用することができる。
【0040】ある部分の水力直径は、Dhm=(4×
A)/P、即ち流路面積の4倍を周囲長さで割った値と
して定義され、ここで、Dhmは、その部分における最
小直径であり、Aは、チャネルの断面積であり、Pは、
チャネルの周囲長さである。最小水力直径の位置は、流
れに対して実質的に垂直な断面に位置する。円状の前縁
を有する実施例において、この断面は、2つの隣接する
分流部の前縁136を定める半円形のそれぞれの中心を
通る。
【0041】覆われていない拡散部分152における分
流部の長さLfは、最小水力直径Dhmの5倍以下であ
る。
【0042】覆われていない拡散部分152における分
流部の長さLfは、拡散角度に応じてより短くすること
もできる。この長さは、最小水力直径の3〜4倍の範囲
とすることが提案される。他の実施例が図8,9で示さ
れており、これらの実施例は、長さLfを減少させる可
能性を有している。
【0043】翼幅方向供給通路102における冷却流体
用の流路104の翼幅方向に延びる部分は、リブ106
の前縁114によって境界づけられている。後縁領域
は、リブ106の前縁114から負圧壁リップ部まで延
び、熱伝達部が後縁領域と同じ範囲に亘って延びるよう
になっている。正圧壁リップ部(正圧壁の後縁)から測
定される後縁領域の全長Lpteは、覆われていない拡
散部分152の長さLfの5倍よりも短く、または、負
圧壁リップ部から測定された長さLfの6倍よりも短
い。
【0044】図7は、図6に示した台座108の側面図
である。前縁126は、約11ミル(0.011イン
チ)に亘って延びる円筒形部分154を有する。円筒形
部分は、約5ミル(0.005インチ)の湾曲部半径へ
と遷移する。後縁128において、円筒形部分は、高さ
が約4ミル(0.004インチ)に減少し、湾曲部半径
が約5ミル(0.005インチ)である。従って、台座
の側方の高さは、隣接する湾曲部半径よりも小さくな
る。前縁における台座の高さは、約20ミル(0.02
0インチ)であり、後縁において約15ミル(0.01
5ミル)である。台座は、台座の円筒形部分に垂直に計
った、25ミル(0.025インチ)の直径を有する。
【0045】図6に示した実施例では、リブ106は、
51ミル(0.051インチ)の高さHruを有し、後
縁において44ミル(0.044インチ)の高さを有す
る。リブの軸方向つまり翼弦方向の厚みは、30ミル
(0.030インチ)である。オリフィス118の直径
Rdは、32ミル(0.032インチ)である。開口部
間の翼幅方向の間隔は、73ミル(0.073インチ)
である。第1の供給通路124は、87ミル(0.08
7インチ)の翼弦方向長さLaを有する。台座は、73
ミル(0.073インチ)の距離Ppによって離間され
ている。長さLbは、台座の直径であり、25ミル
(0.025ミル)である。冷却流体を分流部112に
供給する第2の供給通路134は、72ミル(0.07
2インチ)の長さLcを有する。分流部は、31ミル
(0.031インチ)の直径Dfを有する前縁を有す
る。覆われた拡散部分148は、収束側壁142,14
4が覆われている、77ミル(0.077インチ)の長
さLd,Leを有する。覆われていない拡散部分152
の長さLfは、66ミル(0.066インチ)に等し
い。チャネル66の最小水力直径Dhmは、エアフォイ
ル46の翼幅中間部分86において約19ミル(0.0
19インチ)である。負圧壁は、厚みTsを有し、この
厚みは、リブ106における約43ミル(0.043イ
ンチ)から台座108における40ミル(0.040イ
ンチ)及び分流部112における35ミルまでの範囲で
ある。正圧壁94は、リブ106において約30ミル
(0.038インチ)、台座108において40ミル
(0.040インチ)、及び分流部112においてかな
り薄い29ミル(0.029インチ)の厚みを有する。
【0046】図8は、分流部112の他の実施例156
であり、収束する拡散部分158を示している。収束す
る一対の側壁162,164は、下流方向に収束してお
り、隣接する分流部の翼幅方向に面する側壁が、隣接す
る分流部の間の拡散部分158を画定している。各分流
部は、翼幅方向内側に面する第1の収束側壁162を有
する。第1の収束側壁162は、分流部の間の流れの方
向から離れるように、角度αを有し、この角度は、回転
軸Arに平行な線に対して測定される。図示の実施例で
は、角度αは、円状の前縁の中心を連結する翼弦方向の
線に垂直な基準線に基づいて測定することもできる。第
2の収束側壁は、翼幅方向外側に面する。第2の収束側
壁は、分流部の間の流れの方向から離れる方向で角度β
を有しており、この角度βは、軸Arに平行な線に基づ
いて測定される。内側に面する側壁の角度αは、外側に
面する側壁の角度βよりも大きい。分流部156の拡散
角度αの提案される大きさは、約2°〜15°(2°≦
α≦15°)の範囲である。外側に面する第2の収束側
壁の角度βは、1°〜12°(1°≦β≦12°)の範
囲である。拡散角度の範囲は、以下に説明するように、
角度αと角度βの関係によるものである。
【0047】正圧壁リップ部166は、負圧壁リップ部
168と一致している。従って、拡散部分は、上流から
少なくとも1つリップ部まで延びる。異なる実施例で
は、破線166aで示しているように、正圧壁リップ部
が負圧壁リップ部の上流にあり、切り欠かれた後縁が形
成されても良い。
【0048】図9は、図8に示した分流部156の異な
る実施例170である。分流部170は、一定の厚み部
分172を備える。一定の厚み部分172は、互いから
径方向に離間された平行な一対の側壁174を含む。平
行な各側壁174は、隣接する分流部の平行な側壁から
径方向に離間されており、かつこの側壁に平行である。
隣接する分流部の平行な側壁は、正圧壁及び負圧壁とと
もに分流部の間に一定面積でかつ一定幅のチャネル17
6を画定する。
【0049】分流部の先細部分は、一対の収束側壁17
6,178を含む。この実施例では、径方向外側の分流
部170oの角度α2は、径方向内側の分流部170i
の角度α1よりも僅かに大きい。
【0050】図1に示すガスタービンエンジンの運転中
は、作動媒体流路18に沿ってエアフォイル46上を熱
い作動媒体ガスが流れる。エアフォイルを冷却するため
に、内部通路を通って冷却流体が流される。冷却流体
は、通路102内の流路104などの冷却流体用の流路
を通って流れる。この冷却流体の一部は、同様に流路1
04に沿って、切り欠かれた後縁74から流路18へと
後方に放出される。通路102は、この過程で後縁領域
76用のマニホルドとして機能し、冷却流体を外向きに
送るとともにリブ106へ分配する。
【0051】冷却流体は、リブ106のオリフィス11
8に入り、これにより、流れの速度及び乱れが増加す
る。流体がリブ106を通るのに従って、流路の水力直
径が減少するとともに、熱伝達係数が増加する。熱は、
リブ106から流体へ伝達される。
【0052】第1の供給通路124に流れが流入する
と、冷却流体用の流路104が第1の供給通路124に
亘って急速に収縮する。台座108の平均高さHpは、
リブ106の平均高さHrの40%よりも低い。これに
より、流路の流路面積及び水力直径が急速に減少する。
再び、流れの速度と対流熱伝達係数が増加する。
【0053】台座108を通過する流路104の面積が
収縮するように、台座108の下流側高さHpdが台座
108の上流側高さHpuの80%よりも低くなってい
るので、このような効果が継続する。再び、流路が台座
108の間を通過するのに従って、流路104の水力直
径が減少する。台座108の比較的小さい下流側高さ
は、第2の供給通路134の平均高さをも減少させる。
【0054】流路104の寸法の減少は続く。分流部1
12の前縁における分流部の高さHfuは、台座108
の下流側高さHpdの90%よりも低い。これにより、
第2の供給通路の平均高さが更に減少する。実際に、
(台座108の列及び分流部112の列の翼幅方向の配
列に対して垂直に延びる線に沿って測定された)第2の
供給通路Hsp2の側方高さは、第2の供給通路の長さ
の少なくとも4分の3に亘って分流部112の前縁の高
さHfuに等しい。これは、負圧壁88及び正圧壁94
の内部面が平行でかつ互いに近接する位置まで、第2の
供給通路のバルク(bulk)の位置を後方に設けたこ
とによって可能となった。この結果、第2供給通路は、
幅を高さで割った縦横比が小さい。この低い縦横比によ
って、水力直径が減少するとともに、熱伝達係数が更に
増加し、エアフォイルのこの重要な位置において冷却流
体が効率的に使用される。
【0055】離間されたリブ106、台座108、分流
部112を含む設計を採用する1つの利点は、後縁領域
76の側方に閉じた(狭い)部分にこの設計を設けるこ
とが可能であることである。これは、設計において、鋳
造を考慮した上でリブ106を可能な程度に小さく設け
たことによって可能となっている。同様に、リブ106
よりも小さい台座108が使用可能となっている。よっ
て、鋳造に関して同様に考慮した上で、正圧壁94及び
負圧壁88の間の更に狭い側方空間に、円筒形の台座1
08を分流部112と近接して設けることができる。従
って、本発明の特徴は、熱伝達部の一方から他方への翼
弦方向位置と、エアフォイルの最も後方部分で急速に収
束する正圧壁94と負圧壁88との間における、熱伝達
部と後縁領域との離間距離である。
【0056】リブ−台座−分流部の形状の特定の利点
は、エアフォイルの鋳造、取扱い及び使用時に発揮され
る。この形状によって、台座108と分流部112の列
によってリブ106よりも多くのコア材料が後縁領域で
提供されるので、鋳造性が高まる。コア材料の増加は、
台座108の開口部132を形成するように隣接する台
座108の列の間に翼弦方向に配置されたコア材料と、
チャネル66を形成するように分流部112の列の間に
翼弦方向及び翼幅方向に配置されたコア材料によって提
供される。後縁領域76の最端部においてこのように材
料が増加されていることで、鋳造処理中や鋳造前にエア
フォイル用のコアを取扱う場合において支持を提供す
る。
【0057】リブ106と分流部112とは、最終的な
タービンブレードにおいて、台座108よりも比較的大
きな質量の材料を有する。鋳造後のエアフォイルの取扱
いや処理、及び運転条件において、衝突リブ106と分
流部112とは、正圧壁94と負圧壁88と協同してエ
アフォイルの後縁領域76を強化する箱形の構造体を形
成する。台座108は、リブ106と分流部112との
間に翼弦方向に設けられ、箱形の構造体を強化する。
【0058】熱伝達部106,108,112を後方に
配置することに影響を及ぼす、本実施例の変化する特徴
は、分流部112が正圧壁リップ部96の上流で延在す
る距離である。分流部の前縁136は、正圧壁リップ部
96から距離Ld,Leだけ上流に離間されている。こ
の距離Ld,Leは、分流部の覆われたチャネルの長さ
Ld,Leと等しい。距離Leは、分流部の湾曲した端
部136の長さ(半径)である。
【0059】距離Ld,Leは、正圧壁リップ部96の
下流の覆われていない拡散部分152の長さLfの1.
5倍よりも短い。これにより、第2の供給通路134、
台座108の列、及び第1の供給通路124が、後縁領
域における正圧壁リップ部96に隣接し、かつ急速に収
束する正圧壁94と負圧壁88の間に位置するように設
けられる。距離Lcは、第2の供給通路の長さである。
距離Ld,Le,Lcは、正圧壁リップ部96から台座
Pdの下流側まで延び、覆われていない拡散部分152
の長さLfの3倍よりも短い。
【0060】距離Ldを短くすると、第1の供給通路1
24が正圧壁リップ部96(後縁)に近接するととも
に、フィルム冷却流路64を後方位置に設けることが可
能となる。フィルム冷却流路64は、台座108の上流
にある第1の通路124から台座108の列のすぐ下流
にある正圧壁94の外側位置まで延びている。フィルム
冷却流路64は、正圧壁94の表面において、台座10
8のいずれの側でも台座108からの距離が台座の直径
の長さDpよりも短い。
【0061】正圧壁の外側におけるフィルム冷却流路の
長さは、Lpfcである。Lpfcは、正圧壁リップ部
96からの距離Lfの2.5倍よりも短い。これによ
り、正圧壁94に対して、第2の供給通路134と翼弦
方向に一致した位置でフィルム冷却孔を通して冷却流体
のフィルムが提供される。
【0062】冷却流体は、切り欠かれた後縁から流出す
ると、翼幅方向に配置された分流部112によって画定
されたチャネル66を通って流れる。熱は、正圧壁94
及び負圧壁88から冷却流体に直接伝達されるととも
に、分流部を通して間接的に伝達される。流出する冷却
空気は、最初に分流部の前縁136に衝突して分流部に
衝突冷却を提供し、正圧壁及び負圧壁から間接的に熱を
取り除く。冷却流体は、次に、チャネル66を通過し
て、更に熱を取り除く。続いて、冷却流体は、覆われた
拡散部分148に流入し、ここで冷却流体の拡散が始ま
る。
【0063】冷却流体が拡散するにつれて、冷却流体の
静圧が上昇するとともに冷却流体の速度が減少する。覆
われた拡散領域によって、エアフォイル部分の外側で負
圧面リップ部上を流れる作動流体と混合する前に、冷却
流体が拡散し始める。覆われた拡散領域からの流出時
に、冷却流体は、負圧面リップ部92に亘って拡散し続
け、負圧面リップ部92に亘って冷却流体のフィルムを
提供する。この冷却流体のフィルムは、熱い作動流体と
負圧面リップ部92との間にバッファを提供し、負圧面
壁88を冷却する。正圧面リップ部92の上流で、かつ
流路面積の減少により増加した速度で拡散を開始するこ
とによって、拡散する冷却流体が、エアフォイル部分か
ら流出してエアフォイル部分上を流れる作動流体と混合
する前に、制御された拡散を開始する手段が提供され
る。正圧面リップ部96の上流における制御された拡散
によって、負圧面リップ部92に亘って秩序ある効率的
な冷却流体の拡散フィルムが生じる。
【0064】図9で示すように、先細の領域の角度を有
する側面は、一定の厚み部分の直線状の側面に平行な線
に対して角度αを形成する。拡散角度αは、2°〜10
°(2°<α<10°)の範囲とすることが提案され
る。2°よりも小さい拡散角度αは、充分な拡散を提供
しないおそれがあり、10°よりも大きい拡散角度α
は、チャネルを通る流れの他の特性によっては角度を有
する側面から流れが分離するおそれがある。
【0065】図8,図9に示した実施例の特有の利点
は、内側に面する第1の収束側壁162,176に沿っ
た拡散角度を、隣接する分流部の外側に面する収束側壁
164,178に比べて大きく設けることができる点で
ある。角度αに関しては、2°〜約15°(2°≦α≦
15°)の角度が提案され、角度βは、これよりも小さ
く設けられる。外側に面する第2の収束側壁の角度β
は、1°〜12°(1°≦β≦12°)の範囲とするこ
とが提案される。
【0066】角度の違いは、回転軸Arを中心としたロ
ータブレードの回転によって可能となっている。一般的
な回転機械において角速度が大きいと、冷却流体がチャ
ネル66を通過するときに、内側に面する面から冷却流
体に求心力が及ぼされる。この求心力のために、流体
は、側壁に対して逆方向でかつ等しい遠心力を及ぼす。
これらの力によって、外側に面する側壁が同じ拡散角度
を有し、かつ同等流れがある場合に比べて、流れの分離
を遅らせ、かつ防止することも可能となる。また、これ
により、所定の軸方向後方長さにおいて、外側及び内側
に面する壁上でより大きな拡散が可能となる。よって、
より短い軸方向長さLfで同じ量の拡散が生じ、より短
い拡散部分148,152を形成することができる。
【0067】より短いもしくはより大きな角度を有する
分流部は、質量がより小さく、これにより、分流部が熱
伝達リブもしくはフィンとして機能する能力が高まる。
また、熱勾配及びこれに伴う熱応力にさらされる材料の
質量が減少する。従って、内側壁を外側壁の角度よりも
大きい角度で外向きに角度づけることによって、冷却流
体がより効果的に利用されるとともに、ロータブレード
の後縁領域の耐久性が向上する。
【0068】例示的な実施例に基づいて本発明を開示及
び説明したが、当業者であれば分かるように、発明の趣
旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更、省略、
及び追加を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスタービンエンジンの一部切り欠き側面図で
ある。
【図2】図1のガスタービンエンジンのタービンセクシ
ョンにおけるロータブレードの斜視図である。
【図3】図2のロータブレードの翼幅中間領域におけ
る、3−3線に沿った後縁領域の断面図である。
【図4】図3のロータブレードの後縁領域の切り欠き説
明図である。
【図5】図4の後縁領域の拡大説明図である。
【図6】図3に対応するロータブレード断面と6−6線
に沿った平面を含む説明図である。
【図7】図3,図4,図5に示す台座の列に含まれる台
座の側面図である。
【図8】図3,図6の分流部の他の実施例である。
【図9】図8の分流部の他の実施例である。
【符号の説明】
106…リブ 108…台座 112…分流部 142…第2の外側に面する側壁 144…第1の内側に面する側壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーク エフ.ゼルスキー アメリカ合衆国,コネチカット,コヴェン トリー,ノース リヴァー ドライヴ 931 (72)発明者 ドミニク ジェイ.モンギロ ジュニア. アメリカ合衆国,コネチカット,ニュー ブリテン,チャーレン ドライヴ 65 Fターム(参考) 3G002 CA06 CA07 CB01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動媒体ガス用の環状の流路と、回転軸
    Arを有するロータアセンブリと、を有するタービンセ
    クションを含む軸流回転機械用のロータブレードであっ
    て、該ロータブレードは、翼幅方向軸を中心に配置され
    たエアフォイルと、運転条件の下で前記エアフォイルと
    冷却流体の供給源とを、流体的に連通させる開口部と、
    を有し、前記エアフォイルは、前縁領域と後縁領域とを
    備えるとともに、内側部分、外側部分、及び内側部分か
    ら外側部分まで延在する翼幅中間部分を有し、該エアフ
    ォイルは、該エアフォイルの一方の面に亘って前記前縁
    領域から前記後縁領域まで翼弦方向及び翼幅方向で延在
    するとともに、該後縁領域に設けられた負圧壁リップ部
    を有する負圧壁と、該エアフォイルの反対側の面に亘っ
    て該前縁領域から該後縁領域まで翼弦方向及び翼幅方向
    で延在する正圧壁と、を備え、前記正圧壁は、前記負圧
    壁から側方に離間されており、これらの壁の間に前記開
    口部と流体的に連通する冷却流体用のキャビティと、前
    記後縁領域を通って前記負圧壁リップ部まで延びる冷却
    流体用の流路と、が形成され、前記正圧壁は、正圧壁リ
    ップ部を含み、前記負圧壁リップ部と前記正圧壁リップ
    部とは、前記後縁領域に位置する後縁を定めており、該
    後縁領域は、 翼幅方向に延びるとともに冷却流体用の前記開口部と流
    体的に連通する冷却流体用の流路の内部通路と、 前記作動媒体流路に冷却流体を放出する前記内部通路と
    流体的に連通するとともに、少なくとも一部が前記正圧
    壁から前記負圧壁まで延びている分流部の列と、を含
    み、該各分流部は、 前記分流部の前縁と、 翼幅方向内側に面するとともに、前記各分流部の間の流
    れの方向から離れるように、前記軸Arに平行な線を基
    準に測定した角度αによって角度づけられている第1の
    収束側壁と、翼幅方向外側に面するとともに、前記各分
    流部の間の流れの方向から離れるように、前記軸Arに
    平行な線を基準に測定した角度βによって角度づけられ
    ている第2の収束側壁と、を有し、前記各収束側壁は、
    一対の側壁を成し、この一対の収束側壁は、下流方向に
    収束し、これにより、隣接する前記分流部の翼幅方向に
    面する側壁が互いから離れて、隣接する該分流部の間に
    拡散部分が定められ、 前記拡散部分は、上流から少なくとも1つの前記リップ
    部まで延び、前記内側に面する第1の収束側壁の角度α
    は、前記外側に面する第2の収束側壁の角度βよりも大
    きく、 運転条件において、前記内側に面する第1の収束側壁
    は、流れに対して求心力を及ぼし、これにより、該第1
    の収束側壁は、流れを分離させることなく、前記外側に
    面する第2の収束側壁よりも大きい量の拡散を提供する
    ことができることを特徴とする軸流回転機械用のロータ
    ブレード。
  2. 【請求項2】 前記分流部の列は、第1の分流部と、こ
    の第1の分流部から外側に離間された第2の分流部と、
    を含み、該第1の分流部は、角度α1を有する第1の収
    束側壁を備えており、該第2の分流部は、該第1の分流
    部の第1の収束側壁の角度α1よりも大きい角度α2を
    有する第1の収束側壁を備えていることを特徴とする請
    求項1記載の軸流回転機械用のロータブレード。
  3. 【請求項3】 前記各分流部は、更に、該分流部の前縁
    から収束側壁まで下流に延在する一対の平行な第1の側
    壁を備えており、該各平行な側壁は、隣接する分流部の
    対となった第1の側壁の1つと平行となっており、隣接
    する分流部の間でかつ前記拡散部分の1つのすぐ上流で
    面積が一定のチャネルを定めていることを特徴とする請
    求項1記載の軸流回転機械用のロータブレード。
  4. 【請求項4】 前記分流部の前縁は、前記エアフォイル
    から流出する冷却流体が該分流部の前縁に衝突するよう
    に、断面形状が半円形となっていることを特徴とする請
    求項1記載の軸流回転機械用のロータブレード。
  5. 【請求項5】 前記分流部の前縁は、前記エアフォイル
    から流出する冷却流体が該分流部の前縁に衝突するよう
    に、断面形状が半円形となっていることを特徴とする請
    求項2記載の軸流回転機械用のロータブレード。
  6. 【請求項6】 前記各分流部は、前記正圧壁から前記負
    圧壁まで延在する上流部分を有し、前記正圧壁リップ部
    は、前記負圧壁リップ部の軸方向上流に位置しており、
    対となった前記各収束側壁は、前記正圧壁リップ部の下
    流の地点まで延在しており、これにより、前記各分流部
    の一部が、前記正圧壁に覆われないで運転条件において
    流路にさらされており、前記拡散部分が、前記正圧壁リ
    ップ部の上流から前記正圧壁リップ部の下流まで延びて
    いることを特徴とする請求項1記載の軸流回転機械用の
    ロータブレード。
  7. 【請求項7】 前記内側に面する第1の収束側壁の角度
    αは、2°〜15°(2°≦α≦15°)の範囲にあ
    り、前記外側に面する第2の収束側壁の角度βは、1°
    〜12°(1°≦β≦12°)の範囲にあることを特徴
    とする請求項1記載の軸流回転機械用のロータブレー
    ド。
  8. 【請求項8】 前記内側に面する第1の収束側壁の角度
    αは、2°〜15°(2°≦α≦15°)の範囲にあ
    り、前記外側に面する第2の収束側壁の角度βは、1°
    〜12°(1°≦β≦12°)の範囲にあることを特徴
    とする請求項2記載の軸流回転機械用のロータブレー
    ド。
  9. 【請求項9】 前記分流部は、共に前記エアフォイルの
    翼幅中間領域に配置されていることを特徴とする請求項
    1記載の軸流回転機械用のロータブレード。
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