JP2002185237A - 偏波可変方式,偏波ダイバーシチ方式及び偏波変調方式 - Google Patents

偏波可変方式,偏波ダイバーシチ方式及び偏波変調方式

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JP2002185237A JP2000375421A JP2000375421A JP2002185237A JP 2002185237 A JP2002185237 A JP 2002185237A JP 2000375421 A JP2000375421 A JP 2000375421A JP 2000375421 A JP2000375421 A JP 2000375421A JP 2002185237 A JP2002185237 A JP 2002185237A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はハの字形スロットペアを備えたアレー
アンテナを用いた偏波可変方式及び偏波ダイバーシチ方
式及び偏波変調方式に関し,直線偏波の位相変動に対し
て追尾を可能とすること及び偏波ダイバーシチ方式を実
現することを目的とする。 【解決手段】アレーアンテナをハの字形スロットペアの
アレーを導波路に多数設けたポートに関して対称な構造
を持つスロットアレーアンテナにより構成する。アンテ
ナの2つのポートの一方の出力を調整可能な移相器に通
し他方のポートに接続して出力を合成し,送受信する直
線偏波の偏波方向の変動に対応して移相器を通った出力
と他方のポートの接続点の出力が,最大の出力を発生す
るよう移相器の移相角度を調整するよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハの字形スロットペ
アを備えたアレーアンテナを用いた偏波可変方式,偏波
ダイバーシチ方式及び偏波変調方式に関する。
【0002】Kuバンドは主にVSAT等の固定衛星通
信で使用されてきた経緯から,直線偏波で周波数の共用
が行われている。最近では,自動車や,ヘリコプタ等の
移動体でのこの周波数帯の利用も検討されているが,既
存システムへの干渉を起こさないようにするためには,
直線偏波の利用が望まれる。移動体において通信を確保
するには,移動体の動きに応じた偏波追尾が必要とな
り,そのための偏波可変機能が望まれている。
【0003】
【従来の技術】従来,Kuバンドは固定衛星通信で利用
されてきた。その場合,直線偏波の水平偏波と垂直偏波
で周波数を共用して周波数を有効利用してきた。近年,
Kuバンドの移動体通信での利用が検討されている。そ
の場合,従来の固定衛星通信の技術の延長で直線偏波を
利用することが望まれるが,移動体のロールやピッチに
よる姿勢変動が発生するため,ビームの捕捉のための追
尾も当然行われるが,伝搬電波の振動方向に対して移動
体の送受信の直線偏波の追尾をしないと送受信レベルが
低下するという問題がある。これを補償するには移動体
の動きに応じた偏波追尾が必要になる。
【0004】一方,本発明の発明者らは,先にハの字形
スロットペアを分割して配列したスロットアレーアンテ
ナを提案した(特願2000−119158号)。
【0005】その提案されたスロットアレーアンテナで
使用するハの字形スロットペアを図9に示す。ハの字形
スロットペア4は給電により誘電体の内部を伝搬する電
波の波長λgの4分の1の長さだけ伝搬方向に離して配
置され,傾きがその電波の伝搬方向(給電方向)に対し
て−45度と45度となる第1スロット41,第2スロ
ット42で構成されている。第1スロット41と第2ス
ロット42は,円偏波を得るため,方向を直交させ,管
内波長λgの4分の1だけ離してペアにしてある。
【0006】図10はハの字形スロットペアの種類を示
す。図に示すように,スロット41とスロット42の組
合せは(1) のペアA,(2) のペアB,(3) のペアC,
(4) のペアDの4種類存在し,給電波が導波路内をz
(軸方向)の負の方向(下側)から伝搬すると,図9に
示すペアAとペアBは右旋円偏波,ペアCとペアDは左
旋円偏波を発生する。導波路内からみると軸方向のスロ
ット間隔はすべてλg/4であるから,反射波はうち消
される。また放射電力も等しい。従って,これらのペア
をアレー素子として組合せても,導波路内の軸対称モー
ドは維持され,右旋円偏波を発生するスロットペアと左
旋円偏波を発生するスロットペアとを組合せて,偏波や
指向性を円筒軸周りの方向によって変化させることがで
きる。
【0007】図11は提案されたスロットアレーアンテ
ナにおいて周方向に分割してスロットペアを配置した説
明図,図12は提案されたスロットアレーアンテナ1の
外観図,図13は提案されたスロットアレーアンテナ2
の外観図である。
【0008】図11の(a) は互いに異なる回転方向を持
つ円偏波を発生するハの字形のスロットペア4を同軸円
筒の周方向に複数(この例では2)に分割して形成した
領域の配置を示す。円偏波の回転方向が異なるスロット
ペアの組合せはAC,AD,BC,BDの4種類ある
(A,B,C,Dは上記図10の(1)〜(4)に示
す)。図11の(a) に示す同軸円筒スロットアレーアン
テナの下端の同軸線路8から給電することで,方位角に
応じて送信される円偏波の回転方向が替わる。(b)に示
す例では境界線12がφ=0度とし,境界線13がφ=
180度とする。
【0009】図12に示すスロットアレーアンテナ1の
構成では,全面にわたって同じスロットペアAを配列
し,上端及び下端の両方に送受信ポート(同軸線路)
8,9を設けた。このアンテナに方位角方向に無関係に
入力した右旋円偏波信号S1は,スロットペア4がペア
Aのため同軸線路8側に出力する。しかし,左旋円偏波
信号S2はスロットペア4がペアAのため同軸線路8側
には出力しない。一方,同軸線路9から見たペアAは左
旋円偏波を送受信するペアDと同等になり,方位角方向
に無関係に左旋円偏波信号S2は同軸線路9に出力す
る。すなわち,到来波が円偏波でありその回転方向が分
かっている場合には,その回転方向によって受信ポート
を切替えることができる。
【0010】更に,図13に示すスロットアレーアンテ
ナ2は,上記図11と図12を組合せたもので,スロッ
トペアの配列を周方向に分割し,且つ下端及び上端に符
号8,9で示す送受信のポート(ポートP1,ポートP
2)を設けた。これにより,一方のポートから給電する
と,方位角に応じて異なる回転方向の円偏波が出力さ
れ,且つ受信した円偏波の回転方向に応じた出力ポート
が変わるアンテナとなる。なお,給電波の同軸モードを
乱さないように,対称なハの字形スロットペアを周方向
に分割して配置する。また,このハの字形スロットペア
を持つ同軸円筒スロットアレーアンテナは円偏波を送受
信するために,偏波方向の回転で信号レベルが影響を受
けることがない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記したように,提案
されたハの字形スロットペアを用いた同軸円筒スロット
アレーアンテナは,円偏波の送受信には適していたが,
直線偏波の送受信を想定してなく,このまま直線偏波の
送受信を行うと偏波効率が1/2に低下するという問題
があった。
【0012】また,上記したように,Kuバンドは主に
VSAT等の固定衛星通信において直線偏波で偏波の向
きによる共用(多重)をしているが,この周波数帯を移
動体通信でも使用することが検討されている。ところ
が,移動体は姿勢変動が生じるのに対し,通常の固定の
直線偏波アンテナでは偏波の向きの追尾が難しいという
問題があった。
【0013】本発明は直線偏波の偏波方向の変動に対し
て追尾を可能とするハの字形スロットペアを備えるアレ
ーアンテナを用いた偏波可変方式,偏波ダイバーシチ方
式及び偏波変調方式を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図であり,受信に際しハの字形スロットペアに励振され
る磁流の向きを示し,図1のA.は円偏波の場合,B.
は直線偏波の場合について〜の4つの代表的な例を
示す。図中,41,42はハの字形のスロットペアを構
成するスロットである。
【0015】ハの字形スロットペアは,導波路の伝搬方
向に垂直なスロット成分が励振の源になり,スロットに
励振される磁流は水平磁流が同じ向きで,垂直磁流が逆
向きになるため,図1のA.に示すように送受信する円
偏波の旋回の方向に対応して導波路内の伝搬の向きが変
化する。受信の場合は左旋偏波は上側に伝搬し,右旋偏
波は下側に伝搬する。
【0016】一方,直線偏波は左旋偏波と右旋偏波の重
ね合わせたものに相当するため,ハの字形スロットペア
を備えたアレーアンテナがポートに関して対称な構造を
持てば,2つのポートに同レベルで出力されるが,その
振動の位相が偏波の向きに応じて異なる。これは,偏波
の向きに対応して,導波路内の等価的な受信位置が変わ
り,その位置の変化により受信位相差が変化するものと
解される。
【0017】垂直偏波の場合は図1のB.のに示すよ
うに,等価的な受信位置はハの字形スロットペアの中間
位置と解されるが,伝搬向きが逆であるため,逆相の信
号が出力する。水平偏波により励振されるスロットの垂
直磁流成分の向きはB.のに示すように,逆向きであ
るため,等価的な受信位置がλg/4だけスロットペア
の中間位置から離れていると考えられ,逆相で励振され
る。しかし,伝送向きが逆であるから,結局上下へ伝搬
される信号は同相になる。また,斜め45度の直線偏波
は図1のBの,に示すようにそれぞれ片側のスロッ
トのみ励振されるので,それぞれのスロット位置が受信
位置(中間位置からλg/8だけ離れた位置)と考えら
れ,2つのポートの出力信号の位相差は90度となる。
【0018】図2は直線偏波受信における導波路内の各
スロットに生じる伝搬波とその合成波の波形及び上向き
と下向きの合成波の数式を表す図である。図2の(a) は
上記図1のBのの垂直偏波受信の場合のハの字形の2
つのスロットで受信した信号の導波路内での伝搬波を点
(破)線で,その合成波を実線で表している。上向き波
と下向き波を表す数式より,上向き波と下向き波は式の
極性から逆相であることがわかる。ペア中心から±λg
/8の位置がスロットの位置であり,各スロットの受信
点である。図2の(b) は上記図1のBのの水平偏波受
信の場合における導波路内の各スロットの受信信号の伝
搬波(点線)とその合成波(実線)を表す,上向き波と
下向き波を表す数式であり,この場合は上向き波と下向
き波は同相であることが分かる。この場合の等価的受信
点はペア中心からλg/4の位置とみなせる。更に,一
般化し偏波の振動方向が,水平方向からαの角度である
場合,上向きと下向きの合成波は図2の(c) に示すよう
な数式で表すことができる。これによれば,上向き波と
下向き波の位相差βは,合わせて2αであることがわか
る。
【0019】本発明はこのようにハの字形スロットペア
は,給電導波路を伝搬する方向によって送受信できる円
偏波の旋回向きが変化するという特性を利用し,直線偏
波は偏波の傾きによって等価的な受信位置が変化し,更
に受信位相差が変化するという原理を利用して,偏波追
尾を行うものである。
【0020】本発明ではハの字形スロットペアを備えた
ポートに関して対称な構造を持つアレーアンテナの2つ
のポートの出力に移相器を設けて,直線偏波の向きをア
ンテナの向きが変動しても直線偏波の振動方向を一定に
保つように構成することができる。
【0021】また,本発明は対称な2つのポートを持つ
アンテナとして同軸円筒スロットアレーアンテナの他
に,平行平板スロットアレーアンテナを用いることも考
えられる。このアンテナは平面形であり,移動体表面へ
のはり付け等にも適応できる。
【0022】また,円偏波を受信する場合は,本発明は
出力ポート間にスイッチを設けることにより受信円偏波
の旋回方向も選択可能である。更に一般の楕円偏波を受
信する場合は,両ポートの受信電力の大きさの比と位相
差から,受信している楕円偏波の軸比や長軸方向を測定
したり,2つの信号を最大比合成することにより,受信
信号のS/N比を改善することも可能となる。
【0023】本発明により,アンテナ部を共用した偏波
ダイバーシチアンテナとしてや,移相器に変調機能を与
えることにより偏波変調アンテナとして構成することも
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明は,上記の提案されたハの
字形のスロットペアを持つ同軸円筒スロットアレーアン
テナ(上記図8参照)を用いて実施することができる
が,図3に示す平行平板アレーアンテナを用いて実施す
ることもできる。
【0025】図3は本発明が実施される平行平板アレー
アンテナであり,図3のA.は正面図,B.は断面図で
ある。図中,10は表面と裏面に配置された導電体で構
成する平行平板導波路,11は平行平板導波路10の上
下の両端に形成された放物形状反射壁,12はマイクロ
ストリップライン13に接続する給電用スロット,13
は給電用スロットとポートとを接続するマイクロストリ
ップライン,14は上下に設けられたポート1,ポート
2,18は半円形状の反射壁である。また,B.の断面
図において,ガラスクロステフロン等から成る誘電体1
5の両面に2枚の銅板をはりつけて平行平板導波路を形
成している。銅板には上記図1に示すハの字形スロット
ペアが多数配設されている。
【0026】この平行平板アレーアンテナでは,2つの
ポートを含んだ方向に伝送波は伝搬し,それに垂直な方
向の電波は,放物線形状の反射壁でその焦点に集められ
る。このような動作は,上記提案された同軸円筒スロッ
トアレーアンテナの導波路を平面に延ばし,同相で集光
する働きはラジアル導波路の代わりに,放物形状反射壁
が果している。焦点位置にはスロットを設け,電磁結合
により裏面のマイクロストリップ線路に導く。また,図
3に示すようにスロット12の放物形状反射壁11とは
反対側に,放射用のハの字形スロットに直接向かう電波
を遮断するように,反射壁18が設けられている。な
お,伝搬波は,同軸円筒スロットアレーアンテナの場合
のTEMモードではない。
【0027】図4はポート間接続と偏波選択の構成を示
す図である。1はハの字形スロットペアを備えたアンテ
ナの構造がポートに対して対称な2つのポートを備えた
平行平板アレーアンテナであり,16は調整可能な移相
器,あるいは,図4の(c) においては線路長などによる
固定の移相器である。
【0028】受信の場合により説明すると,左旋偏波の
場合は上記図1のA.で説明したとおり図4の(a) に示
すように上側のポートのみに出力され,右旋偏波の場合
は図4の(b) に示すように下側のポートのみに出力され
る。また,直線偏波は両ポートに同じレベルで出力され
るが,水平偏波は上記図1のBので説明したとおり逆
相で受信されるため,図4の(c) に示すように移相器1
6において180度だけ移相するように設定すること
で,出力が得られる。このように,受信する直線偏波の
方向が水平偏波と垂直偏波の中間の斜めの角度αの場
合,上記図2の式により,図4の(e) に示す移相器16
の移相量βを2α(rad)とすることで最大出力が得られ
る。
【0029】また,逆にこの図4の(e) の関係から,合
成電力を最大あるいは最小にする移相器の角度βから偏
波の傾き角度αを探知することもできる。
【0030】本発明による平行平板スロットアレーアン
テナの実際の作成例を説明する。図3に示す平行平板ア
レーアンテナは,両面に銅箔のラミネートされたプリン
ト基板の表面にハの字形スロットペア4のアレーを,裏
面の中心軸線上に給電用スロット12を,それぞれエッ
チング技術により形成し,給電用スロットが焦点位置に
なるように基板の両端を放物形状反射壁11を形成する
よう切断する。次いで,形成された全ての外周に導電性
テープを貼り,給電用スロット12の上にマイクロスト
リップライン13を重ねるという製法で作成した。
【0031】そして,平行平板の誘電体15の比誘電率
を2.17,厚さを1.5mm,素子スロット寸法は均
一で4.725mm×0.45mm,アレーの素子は軸
方向に31個,素子間隔は設計管内波長の10.18m
m,横方向に24個,間隔を6.1mmとし,給電スロ
ットの寸法は5.1mm×0.9mmで,マイクロスト
リップ基板厚も誘電体15と同様の1.5mmで,ライ
ン幅は50Ωとなるようにして約5mmとして作成し
た。約10cmのMSL(Microstrip Line の略)の損
失を含め,設計周波数が20GHzで,25.5dBi
の利得を有する円偏波アンテナが実現できた。
【0032】こうして作成したアンテナの同相合成出力
パターンを図5に示す。これは,ビームがブロードサイ
ド方向を向く周波数19GHzにおける2つのポートを
含む面(垂直面)内のパターンであり,図5によれば,
正面方向(0°方向)で実線で示した水平偏波成分が破
線で示した垂直偏波成分より利得が高く,ビーム方向で
円偏波でなく直線(水平)偏波アンテナとして動作して
いることが分かる。
【0033】本発明による平行平板アレーアンテナは,
一枚の基板から構成することができ,薄型であるため様
々な曲面形状に整形可能で,例えば移動体の車体に張り
付けるなどの適応が可能である。
【0034】図6は円偏波の偏波選択を可能とする構成
を示す。図6において,10’はハの字形スロットペア
を備えた平行平板アレーアンテナであり,上記図3に示
す構成を備えている。5はスイッチ,6は受信信号が出
力される端子である(送信の場合は送信信号が入力され
る)。
【0035】この構成は,本発明の上記図1のA.に示
す原理を用いており,スイッチ5を上側に接続すると,
上記の原理によりアンテナに設けられた2つのポート1
4(ポート1,ポート2)の中の上側のポート1から左
旋偏波の受信信号が選択され,スイッチ5を下側に接続
すると,下側のポート2から右旋偏波の受信信号が選択
される。
【0036】本発明のハの字形スロットペアを放射素子
とし,対称な入出力ポートの合成の応用により,偏波追
尾,偏波選択の他に,偏波ダイバーシチ,偏波変調可能
なアンテナに応用することができ,図7は本発明による
偏波ダイバーシチ及び偏波変調の構成を示す。
【0037】図7のA.は偏波ダイバーシチ,B.は偏
波変調の構成を示す。図中,10’はハの字形スロット
ペアを備えた平行平板アレーアンテナであり,16は移
相器である。
【0038】図7のA.のは円偏波の場合の偏波ダイ
バーシチで,2つのポートの出力を使用する。図7の
A.のは直線偏波の場合の偏波ダイバーシチであり,
2つのポートの出力を直接接続した端子の出力と,上側
の出力を180度だけ移相器16により移相したものと
下側の出力との接続点を端子とする出力を使用する。ま
た,図7のB.は偏波変調の構成を示し,B.のは送
信の場合であり,2つのポートの一方のポートを移相器
16を介して他方のポートに接続して搬送波を送信し,
移相器16に変調信号を入力して移相量を変動させる。
これにより,アンテナから出力される電波の振動方向
(偏波)が変調信号に応じて変動する。図7のB.の
は受信の場合であり,2つのポートの一方のポートを直
接あるいは移相器16を介して他方のポートと接続し出
力を合成して,電波の振動方向(偏波)の変動による受
信信号レベルの変動を変調信号として得る。これによ
り,偏波変調された電波を効率良く受信することができ
る。
【0039】本発明のハの字形スロットペアを備えるア
レーアンテナを用いて任意の楕円偏波の信号の送受信に
使用することができる。
【0040】図8は本発明による楕円偏波の構成を示す
図であり,図中,16は移相器,17は最大比合成器で
ある。
【0041】上記図7に示すアンテナと同様にハの字形
スロットペアを備えポートに関して対称な構造を持つス
ロットアレーアンテナであり,2つのポートの一方の信
号を移相器16へ供給し,ここで楕円偏波を構成してい
る左旋円偏波と右旋円偏波の間の位相差をなくし,それ
らの出力を最大比合成器17へ供給する。最大比合成器
17では,アンテナの他方のポートからと移相器16か
らの円偏波信号に対して,両信号のレベルの比率に対応
してS/N比が最大となるように合成を行い,楕円偏波
の信号を出力する。このようにして,任意の楕円偏波を
送受信することができる。
【0042】また,この図8に示す楕円偏波の構成を用
いて,ハの字形スロットペアを備えたポートに関して対
称な構造を持つアレーアンテナの両ポートの受信電力の
大きさの比と位相差から,受信している楕円偏波の軸比
や,長軸方向を測定することも可能となる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば,ハの字形スロットペア
を備えポートに関して対称な構造を持つアレーアンテナ
を用いて直線偏波の偏波の方向を水平,垂直や,水平と
垂直の間の任意の方向に変えることが可能となり,従っ
て任意の直線偏波の向きに追随することが可能となる。
また,2つのポートを切替えることにより円偏波の右旋
偏波と左旋偏波を選択することができる。
【0044】また,ハの字形スロットペアを備えたアレ
ーアンテナを薄い材料の平行平板アレーにより構成する
ことで,移動体への搭載が容易となる。
【0045】更に,本発明により円偏波や直線偏波のダ
イバーシチの送受信や,楕円偏波の送受信を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】直線偏波受信における導波路内の各スロットか
ら生じる伝搬波とその合成波の波形及び上向きと下向き
の合成波の数式を表す図である。
【図3】本発明が実施される平行平板アレーアンテナを
示す図である。
【図4】ポート間接続と偏波選択の構成を示す図であ
る。
【図5】作成したアンテナの同相合成出力パターンを示
す図である。
【図6】円偏波選択を可能とする構成を示す図である。
【図7】本発明による偏波ダイバーシチ及び偏波変調の
構成を示す図である。
【図8】本発明による楕円偏波の構成を示す図である。
【図9】ハの字形スロットペアの説明図である。
【図10】ハの字形スロットペアの種類を示す図であ
る。
【図11】提案されたスロットアレーアンテナで周方向
に分割してスロットペアを配置した説明図である。
【図12】提案されたハの字形のスロットペアを持つス
ロットアレーアンテナ1の外観図である。
【図13】提案されたハの字形のスロットペアを持つス
ロットアレーアンテナ2の外観図である。
【符号の説明】
4 ハの字形スロットペア 41,42 スロット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハの字形スロットペアを備えるアレーア
    ンテナを用いた偏波可変方式において,前記アレーアン
    テナをハの字形スロットペアのアレーを導波路に多数設
    けた,ポートに関して対称な構造を持つスロットアレー
    アンテナにより構成し,前記アンテナの2つのポートの
    一方の出力を調整可能な移相器に通し他方のポートに接
    続して出力を合成し,送受信する直線偏波の偏波方向の
    変動に対応して前記移相器を通った出力と他方のポート
    の接続点の出力の和が,最大の出力を発生するよう前記
    移相器の移相角度を調整することを特徴とする偏波可変
    方式。
  2. 【請求項2】 請求項1において,前記ハの字形スロッ
    トペアのアレーを導波路に設けた,ポートに関して対称
    な構造を持つ偏波可変アンテナを,同軸円筒スロットア
    レーアンテナにより構成したことを特徴とする偏波可変
    方式。
  3. 【請求項3】 請求項1において,前記ハの字形スロッ
    トペアのアレーを導波路に設けた,ポートに関して対称
    な構造を持つ偏波可変アンテナを,平行平板アレーアン
    テナにより構成したことを特徴とする偏波可変方式。
  4. 【請求項4】 ハの字形スロットペアを備えるアレーア
    ンテナを用いた偏波可変方式において,前記アレーアン
    テナをハの字形スロットペアのアレーを導波路に多数設
    けた,ポートに関して対称な構造を持つ2つのポートを
    備えたスロットアレーアンテナにより構成し,前記アン
    テナの2つのポートの出力の一方に選択的に切替え接続
    されるスイッチを設け,一方のポートに接続された状態
    で円偏波の右旋偏波の信号を送受信し,他方のポートに
    接続された状態で円偏波の左旋偏波の信号を送受信する
    ことを特徴とする偏波可変方式。
  5. 【請求項5】 ハの字形スロットペアを備えるアレーア
    ンテナを用いた偏波可変方式において,前記アレーアン
    テナをハの字形スロットペアのアレーを導波路に多数設
    けた,ポートに関して対称な構造を持つ2つのポートを
    備えたスロットアレーアンテナにより構成し,前記アン
    テナの2つのポートの一方のポートの出力を移相器に供
    給して位相を調整し,他方のポートの出力と前記移相器
    の出力の2つの信号を入力してS/N比が最大となるよ
    う合成する最大比合成器を設け,前記最大比合成器を介
    して任意の楕円偏波の信号を受信することを特徴とする
    偏波可変方式。
  6. 【請求項6】 ハの字形スロットペアを備えるアレーア
    ンテナを用いた偏波ダイバーシチ方式において,前記ア
    レーアンテナをハの字形スロットペアのアレーを導波路
    に多数設けた,ポートに関して対称な構造を持つ2つの
    ポートを備えたスロットアレーアンテナにより構成し,
    前記アンテナの2つのポートの出力を用いて円偏波によ
    る偏波ダイバーシチを行うことを特徴とする偏波ダイバ
    ーシチ方式。
  7. 【請求項7】 ハの字形スロットペアを備えるアレーア
    ンテナを用いた偏波ダイバーシチ方式において,前記ア
    レーアンテナをハの字形スロットペアのアレーを導波路
    に多数設けた,ポートに関して対称な構造を持つ2つの
    ポートを備えたスロットアレーアンテナにより構成し,
    前記アンテナの2つのポートの出力を接続した点の出力
    と,前記アンテナの一方のポートの出力を移相器や線路
    長により180度の位相差を持たせて他方のポートと接
    続した点の出力とを用いて直線偏波による偏波ダイバー
    シチを行うことを特徴とする偏波ダイバーシチ方式。
  8. 【請求項8】 ハの字形スロットペアを備えるアレーア
    ンテナを用いた偏波変調方式において,前記アレーアン
    テナをハの字形スロットペアのアレーを導波路に多数設
    けた,ポートに関して対称な構造を持つ2つのポートを
    備えたスロットアレーアンテナにより構成し,前記アン
    テナの一方のポートを移相器を介して他方のポートと接
    続して入力ポートとし,前記移相器の移相量を変動する
    ことにより,アンテナから送受信される直線偏波の振動
    の方向(偏波)を変動させ変調信号を偏波の方向として
    空間を伝搬させ通信することを特徴とする偏波変調方
    式。
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