JP2002181691A - 亀裂の危険度診断方法およびその装置 - Google Patents

亀裂の危険度診断方法およびその装置

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JP2002181691A
JP2002181691A JP2000404149A JP2000404149A JP2002181691A JP 2002181691 A JP2002181691 A JP 2002181691A JP 2000404149 A JP2000404149 A JP 2000404149A JP 2000404149 A JP2000404149 A JP 2000404149A JP 2002181691 A JP2002181691 A JP 2002181691A
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Yukio Fujimoto
由紀夫 藤本
Eiji Shintaku
英司 新宅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電材料を用いて機械、構造物あるいは建造
物に生じた亀裂の成長速度や成長方向、および亀裂先端
からの破壊の危険性を診断する方法およびその装置に関
する。 【解決手段】 構造部材3に生じた亀裂4の先端付近に
2枚の矩形の圧電材料1A、1Bを亀裂を挟むように微
小な間隔で向かい合わせて置いて接着し、上下2枚の圧
電材料に生じる表面電位を非接触方式の表面電位計6の
プローブ7を近づけて計測し、その表面電位を用いて亀
裂の開口型応力拡大係数Kと面内せん断型応力拡大係
数KIIを分離して求める。得られたK、KIIは、
機械、構造、材料分野で多数蓄積されている疲労亀裂成
長速度や脆性破壊強度の応力拡大係数によるデータと見
比べることにより、亀裂の危険度診断に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電材料および非
接触方式の表面電位計を用いて、機械や構造物に生じた
亀裂の成長速度や成長方向、あるいは亀裂先端からの破
壊の危険性を診断する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属、コンクリートあるいは複合材料か
らなる機械、構造物あるいは建造物では、使用期間中に
種々の要因によって亀裂や割れを生じることがある。亀
裂や割れは安全性に重要な影響を及ぼすことがあるの
で、それらの検出と補修は保守点検の重要項目のひとつ
である。亀裂や割れの強度評価は線形破壊力学に基づい
て行なうことが多い。強度評価に用いる破壊力学的指標
としては、亀裂先端の応力の特異性を表す応力拡大係数
Kが多く用いられている。
【0003】機械や構造物で亀裂が発見された場合、亀
裂の応力拡大係数を現場で計測する方法として、特願2
000−293553では、矩形あるいは半円形の2枚
の圧電材料を、亀裂先端付近の上下面に微小な間隔で向
かい合わせて置いて接着し、圧電材料の表裏面に電気配
線を接続し、表裏面間の出力電圧を電気回路で積分する
ことにより、亀裂の成長方向、成長速度あるいは破壊の
危険性を診断する方法を開発している。
【0004】上記特願2000−293553の方法
は、圧電材料の出力電圧を電気回路で積分した後の電圧
が、亀裂先端近傍の直交する2方向応力σ、σの和
(σ+σ)の、前記圧電材料を接着した領域全体に
わたる総和に比例する点に着目したものであり、亀裂先
端近傍の応力分布に基づいて、亀裂の開口型応力拡大係
数Kと面内せん断型応力拡大係数KIIを分離して求
めることを特徴としている。
【0005】上記特願2000−293553の方法
は、実構造物に生じた亀裂の応力拡大係数を計測する新
しい方法であるが、圧電材料の表裏面に電気配線を接続
する必要があること、また電気配線からは応力速度に比
例した出力電圧が得られるので、これを積分回路で積分
して応力に比例する電圧に変換する処理が必要であり、
計測手順と装置が複雑になるという問題があった。
【0006】本発明は圧電材料への電気配線の接続が不
要で、かつ積分回路も不要な応力拡大係数の計測方法と
装置を提供するものである。これによって、計測現場で
の準備作業を減らし、また計測装置を簡易にすることが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】圧電材料の応力計測法
には、上記の圧電材料表裏面に電気配線を取り付け、出
力電圧を積分回路で積分して計測する方法以外に、特願
2000−366269に示されているように、構造部
材表面に圧電材料を接着し、圧電材料の表面に距離補償
型で低インピーダンス型かつ非接触方式の表面電位計の
プローブを接近させて圧電材料表面の表面電位を計測し
て応力を求める方法がある。非接触方式の表面電位計を
用いる応力測定方法では、圧電材料に電気配線を接続す
る必要がなく、また、応力に比例した表面電位が直接計
測できるので積分回路が不要であり、計測手順と装置が
簡略化されるのが長所である。
【0008】本発明は特願2000−366269で提
案された圧電材料と表面電位計を用いた応力測定方法
を、亀裂の応力拡大係数の測定に利用することを目的と
する。すなわち、機械や構造物に生じた亀裂の先端近傍
に圧電材料を接着して非接触方式の表面電位計を用いて
表面電位を計測し、計測した電位から、亀裂の開口型応
力拡大係数Kと面内せん断型応力拡大係数KIIを分
離して求める方法および装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】[1]本発明は、金属製
の機械や構造物に生じた亀裂の先端付近に、表裏面を電
極処理した圧電材料を接着し、距離補償型で低インピー
ダンス型かつ非接触方式の表面電位計の接地端子を構造
部材と接続し、前記表面電位計のプローブを該圧電材料
の表面に接近させて圧電材料の表面電位を計測し、亀裂
先端近傍の直交する2方向応力σ、σの和(σ
σ)の圧電材料を接着した領域全体にわたる平均値を
計測し、亀裂の応力拡大係数を求めることを特徴とす
る。
【0010】[2]また、機械や構造物に生じた亀裂先
端付近において、2枚の圧電材料を亀裂を挟むように微
小な間隔で向かい合わせて配置して接着し、上下2枚の
圧電材料の表面電位を前記表面電位計を用いて計測し、
亀裂の開口型応力拡大係数Kと面内せん断型応力拡大
係数KIIを分離して求めることを特徴とする。
【0011】[3]また、2枚の異方向性圧電材料を異
方性の向きが直交するように切り出し、一方の負極面が
もう一方の正極面と向かい合うように重ねて接着したも
のを用いることにより、非接触方式の表面電位計を用い
た表面電位計測において、2枚の圧電材料の表面電位の
和を計測し、かつ等方性圧電材料を構成することを特徴
とする。
【0012】[4]また、コンクリート構造物など非導
電性の部材において、亀裂先端付近に金属箔を接着し、
その上に表裏面を電極処理した圧電材料を接着すること
により、前記表面電位計の接地端子を該金属箔と短絡し
て回路を構成して金属製構造物と同様の方法で表面電位
を計測することを特徴とする。
【0013】[5]また、圧電材料の形状が矩形であ
り、2枚の矩形の圧電材料の中心が亀裂先端付近に位置
するように微小な間隔で向かい合わせて配置することを
特徴とする。
【0014】[6]また、圧電材料の形状が半円形ある
いは中心に小さい半円を加工した半径形の圧電材料であ
り、2枚の半円形圧電材料の中心が亀裂先端付近に位置
するように微小な間隔で向かい合わせて配置することを
特徴とする。
【0015】[7]また、透明なプラスチックフィルム
に圧電材料と金属箔を精度良く接着し、金属箔に電気配
線を取り付けてセンサを構成することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を用いて詳しく説明する。図1は本発明にかかる圧電材
料と非接触方式の表面電位計を用いた、亀裂の応力拡大
係数の計測方法を説明する図である。2枚の等方性圧電
材料1A、1Bを、金属製の構造部材3に生じた亀裂4
の先端付近に、亀裂に向かい合わせて近接させて置き、
2枚の圧電材料の中央付近が亀裂先端5に位置するよう
に接着する。圧電材料には表裏面に電極処理が施された
ものを用いる。次に、距離補償型で低インピーダンス型
かつ非接触方式の表面電位計6を準備し、その接地端子
を金属製の構造部材3と電気配線9で接続する。その
後、表面電位計のプローブ7を圧電材料の表面に接近さ
せて圧電材料表面の電極の電位を計測する。
【0017】図2は圧電材料の接着位置と亀裂先端との
位置関係を説明する図である。幅L、高さHの矩形の圧
電材料1A、1Bを、幅Lの中央付近に亀裂先端5が位
置するように微小な間隔を置いて接着する。その後、亀
裂先端と圧電材料の正確な位置関係を知るために、圧電
材料の幅に対する亀裂先端の位置L1、L2と、亀裂か
ら圧電材料までの距離H0を計測する。
【0018】構造部材に荷重が負荷されると、亀裂先端
付近に接着した圧電材料表面には圧電方程式に基づいて
表面電位が生じる。平滑材のような一様応力場に圧電材
料を接着した場合は、部材表面の直交する2方向の応力
σ、σの和(σ+σ)に比例した表面電位が計
測されるが、亀裂先端のように応力勾配のある場所に接
着した場合には、圧電材料を接着した領域内の(σ
σ)の分布の平均値が表面電位として計測される。
【0019】亀裂の上面、下面に接着した圧電材料の表
面電位をそれぞれV1、V2とすると、部材の応力と計
測される表面電位との間には数1の関係が成り立つ。
【0020】
【数1】 ここで、a(V/MPa)は定数、S(mm)は圧電
材料の面積であり矩形の場合S=H×Lである。積分記
号の中は圧電材料を接着した領域の(σ+σ)の総
和である。したがって数1は、表面電位V1、V2が圧
電材料を接着した領域内部の(σ+σ)の分布の平
均値に比例することを表す。
【0021】線形破壊力学によると、(σ+σ)は
亀裂先端近傍では数2で表せる。
【数2】 ここで、K、KIIは引っ張り型(モードI)および
せん断型(モードII)の応力拡大係数である。図9に
示すようにrは亀裂先端からの距離、θは亀裂前方から
反時計方向に取った角度である。
【0022】数2を数1に代入すると数3が得られる。
【数3】
【0023】ここで、上式中のGは特願2000−29
3553に示されているが、数1の積分を円柱座標表示
からxy座標表示に書き変えたものであり数4で表され
る。
【数4】 上式のGは、圧電材料の寸法と接着位置が決まると容易
に数値積分で求めることができる。
【0024】以上から、亀裂の上面および下面の圧電材
料の表面電位V1、V2を計測すると、数3の連立方程
式を解いて、次式から応力拡大係数K、KIIを計算
することができる。
【数5】
【0025】なお、定数aは上記圧電材料を平滑試験片
に接着し、一様引っ張り応力を負荷して圧電材料の表面
電位を前記表面電位計で計測すると、平滑試験片はσ
=σ、σ=0の単軸応力状態にあるので、数1の積分
記号の中がσ×Sとなり、表面電位Vは次のようにな
る。
【0026】
【数6】 V=a×(σ×S)/S=a×σ (V) したがって、平滑試験片に加えた一様応力σと、計測し
た表面電位Vを数6に代入して、定数aを事前に求めて
おくことができる。
【0027】なお、線形破壊力学で使用する数2の応力
分布は、亀裂先端近傍の応力分布を級数展開した近似解
に基づいているので、亀裂先端から距離が離れると精度
が低下する。したがって、本発明で用いる圧電材料の寸
法は小さいことが望ましいが、表面電位計のプローブの
特性および、圧電材料とプローブとの接近距離によって
必要な寸法が決まる。
【0028】構造物がコンクリートのように非導電性材
料の場合には、図3に示すように非導電性の構造部材1
2の表面に金属箔11を接着し、その上に圧電材料を接
着して、表面電位計の接地端子を金属箔11と電気配線
9で接続することにより、以降は金属製構造物の場合と
同様の方法で表面電位を計測して応力拡大係数を求める
ことができる。
【0029】圧電材料として異方性圧電材料を用いる場
合には次の方法が可能である。高分子圧電材料であるポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)は薄く、加工が容易で
あるので、任意の形状に切り出して使用することができ
る。また柔軟性を有するので、応力勾配を有する箇所の
計測に適している。
【0030】PVDFは延伸処理されているので異方性
を示す。図4に示すように2枚の矩形のPVDF(2
A、2B)を異方性の向きが直交するように切り出し、
一方の正極面がもう一方の負極面と向かい合うように重
ねて接着する。こうして作製した圧電材料は異方性が打
ち消されて等方性圧電材料として取り扱うことができ
る。また、この圧電材料を亀裂先端付近に接着して前記
表面電位計で表面電位を計測すると、2枚に重ねたPV
DFの表面電位の和を計測することができる。
【0031】ここで図4の2枚の異方性圧電材料2A、
2Bを重ねる順序が特願2000−293553の場合
と異なることに注意が必要である。特願2000−29
3553では2枚の圧電材料の正極面と正極面が向かい
合うように重ねて接着し、両側の負極を短絡させて正極
面と負極面に電気配線を取り付けて電位差を測定する方
法を用いている。このときの電位差は圧電材料表面の電
荷移動に起因している。ところが本発明では、電気配線
を接続せず、非接触で表面電位そのものを計測している
ため、通常の電池の直列接続のように正極面と負極面が
向かい合うように接続するのである。
【0032】圧電材料の形は矩形に限ることなく、図5
に示すように半円形圧電材料1C、1Dや中心に小さい
半円を加工した半円形圧電材料1E、1Fも使用可能で
ある。これらの場合も圧電材料の形状と接着位置によっ
て決まるGを数値積分で求めておくことにより、数5を
用いて応力拡大係数K、KIIを求めることができ
る。
【0033】なお、実亀裂への適用にあたっては、2枚
の圧電材料を短時間に精度良く亀裂先端付近に接着する
必要がある。このためには、図6に示すようにあらかじ
め圧電材料1A、1Bおよび金属箔11を透明なプラス
チックフィルム13に精度良く接着したセンサを構成
し、実亀裂への適用においてはセンサの金属箔面を部材
に接着することで設置を完了する方法が有効である。セ
ンサに電気配線を取り付けておくとさらに便利である。
計測においてはプラスチックフィルムの上から表面電位
計のプローブを接近させて計測する。プラスチックフィ
ルムは表面電位の計測値に影響を与えないので、プラス
チックフィルムが無い場合と同じ表面電位が計測でき
る。
【0034】上述の方法および装置を用いて亀裂の応力
拡大係数が計測できることを確かめるため実験を行なっ
た。まず、平滑試験片に2枚のPVDFを延伸方向が直
交するように重ねて接着し、一様引っ張り応力振幅を負
荷し表面電位を計測して数6の定数aを求めた。表面電
位計にはトレックジャパン製の表面電位計Model3
47と、プローブModel6000B−7Cを用い
た。この電位計は振動容量型であり、距離補償型かつ低
インピーダンス型である。実験の結果a=0.112
(V/Mpa)が得られた。
【0035】次に、図7(a)に示すコンパクト試験片
に、一辺が10mmの正方形のPVDF(呉羽化学)を
接着し、ピンに正弦波形の片振り引っ張り軸力3kNを
振幅として負荷した。ピン中心を結ぶ線から亀裂先端ま
での距離は40mmである。PVDFは前述のように異
方性の向きが直交するように切り出して重ねて接着した
ものを用いた。亀裂先端とPVDFの位置関係はL1=
5mm、L2=5mm、H0=0.5mmである。この
とき、数4のGの値を数値積分で求めるとG=23.3
(mm1.5)になる。表面電位計のプローブはプロー
ブ先端と圧電材料表面との間隔が約1mmになるように
治具を用いて固定して計測した。計測した荷重履歴と表
面電位履歴を、荷重と表面電位の平均値を原点にとって
図8に示す。図より表面電位履歴は荷重履歴と同じ正弦
波形が得られることがわかる。
【0036】実験の結果コンパクト試験片では、出力電
圧としてV1=33(V)、V2=32(V)が得られ
た。これらを数5に代入すると次のようになる。
【数7】
【0037】次に、図7(b)に示す45度方向に傾斜
亀裂を有する平板試験片に、前記PVDFを図のように
4枚接着し、試験片に正弦波形の片振り引張り応力2
2.9MPaを振幅として負荷した。平板の板幅は14
0mm、亀裂長さは約85mmである。亀裂先端とPV
DFの位置関係はコンパクト試験片の場合と同じであ
る。実験の結果、出力電圧としてV1=16(V)、V
2=1.5(V)、およびV1=15(V)、V2=
1.5(V)が得られた。V1の平均をV1=15.5
(V)として数5に代入すると次のようになる。
【数8】
【0038】コンパクト試験片の応力拡大係数について
は先行技術文献「岡村弘之著「線形破壊力学入門」(培
風館、219頁、1976)」に解析値が示されてい
る。また、45度方向に傾斜亀裂を有する平板試験片の
応力拡大係数については先行技術文献「村上敬宣「亀裂
伝播経路の予知について」(日本機械学会論文集(A
編)第46巻407号、729−737、1980)」
に解析値が示されている。表1は本実験で得た応力拡大
係数を、これらの解析的に求めた応力拡大係数と比較し
たものである。応力拡大係数の実験値は解析値に比べて
多少小さいが、かなり良い精度で推定できることがわか
る。
【0039】
【表1】
【0040】PVDFは厚さが薄いので、表裏面の電極
の不用意な短絡に注意することと、圧電材料は接着を適
切に行ない接着剤が十分に硬化した後に計測することが
大切であることが実験を通じてわかった。なお、本発明
は上記実施例に限定されることなく、本発明の趣旨に基
づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲
から除外するものではない。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば2
枚の圧電材料を構造物に生じた亀裂先端付近に、微小な
間隔で亀裂を挟むように向かい合わせて接着し、圧電材
料の表面電位を非接触方式の表面電位計でそれぞれ計測
して、亀裂の開口型の応力拡大係数Kと面内せん断型
の応力拡大係数KIIを分離して求めることができる。
このようにして得られたK、KIIは、機械、構造、
材料分野で多数蓄積されている応力拡大係数を用いた亀
裂成長速度や破壊強度のデータと見比べることにより、
危険度診断に活用することができる。また、圧電材料を
構造物に接着し易い形に切り出し、あらかじめ透明のプ
ラスチックフィルムに精度良く配置して接着した装置
は、実機械や構造物への適用を容易にするものとなり、
実用的センサとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】亀裂先端付近に圧電材料を接着し表面電位を計
測する方法である。
【図2】亀裂先端付近に圧電材料を接着した図である。
【図3】コンクリートなど非導電性の構造部材に圧電材
料を設置する方法である。
【図4】2枚の異方性圧電材料を用いて等方性圧電材料
を構成する方法である。
【図5】半円形圧電材料および中心部に半円を加工した
半円形圧電材料を亀裂先端付近に接着した図である。
【図6】圧電材料を構造部材に短時間に精度良く接着す
る装置である。
【図7】コンパクト試験片と45度傾斜亀裂を加工した
平板試験片である。
【図8】コンパクト試験片でピン荷重履歴と表面電位の
出力履歴を示した図である。
【図9】亀裂先端付近の座標系である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D、1E、1F 圧電材料 2A、2B 異方性圧電材料 3 構造部材 4 亀裂 5 亀裂先端 6 表面電位計 7 表面電位計のプローブ 8 ケーブル 9 電気配線 10 電気端子 11 金属箔 12 非導電性の構造部材 13 透明なプラスチックフィルム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械、構造物あるいは建造物に生じた亀
    裂の先端付近に、表裏面を電極処理した圧電材料を接着
    し、距離補償型で低インピーダンス型かつ非接触方式の
    表面電位計を用いて圧電材料の表面電位を計測し、亀裂
    先端近傍の直交する2方向応力σ、σの和(σ
    σ)の圧電材料を接着した領域全体にわたる平均値を
    計測し、亀裂の応力拡大係数を求めることを特徴とする
    亀裂の危険度診断方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の亀裂の危険度診断方法に
    おいて、機械や構造物に生じた亀裂先端付近に、2枚の
    圧電材料を亀裂を挟むように微小な間隔で向かい合わせ
    て配置して接着し、上下2枚の圧電材料の表面電位を前
    記表面電位計を用いて計測し、亀裂の開口型応力拡大係
    数Kと面内せん断型応力拡大係数KIIを分離して求
    めることを特徴とする亀裂の危険度診断方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の亀裂の危険度診断方法に
    おいて、前記圧電材料が接着する向きによって発生する
    電位の異なる異方向性圧電材料であり、直交する方向に
    切り出した2枚の異方性圧電材料を、一方の負極面がも
    う一方の正極面と向かい合うように重ねて接着したもの
    を用いることにより、前記表面電位計で2枚の異方性圧
    電材料に生じる表面電位の和を計測し、かつ等方性圧電
    材料を構成することを特徴とする亀裂の危険度診断方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の亀裂の危険度診断方法に
    おいて、構造物がコンクリート構造物など非導電性の場
    合、亀裂先端付近に金属箔を接着し、その上に表裏面を
    電極処理した圧電材料を接着することにより、前記表面
    電位計の接地端子を該金属箔と接続して回路を構成し、
    表面電位を計測することを特徴とする亀裂の危険度診断
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の亀裂の危険度診断方法に
    おいて、圧電材料の形状が矩形であり、2枚の圧電材料
    の中心が亀裂先端付近に位置するように微小な間隔で向
    かい合わせて配置することを特徴とする亀裂の危険度診
    断装置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の亀裂の危険度診断方法に
    おいて、圧電材料の形状が半円形あるいは中心に小さい
    半円を加工した半円形であり、2枚の半円形圧電材料の
    中心が亀裂先端付近に位置するように微小な間隔で向か
    い合わせて配置することを特徴とする亀裂の危険度診断
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の亀裂の危険度診断方法に
    おいて、透明なプラスチックフィルムに圧電材料と金属
    箔を精度良く接着し、金属箔に電気配線を取り付けてセ
    ンサを構成することを特徴とする亀裂の危険度診断装
    置。
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