JP2002172170A - 呼吸測定装置 - Google Patents

呼吸測定装置

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JP2002172170A JP2000371259A JP2000371259A JP2002172170A JP 2002172170 A JP2002172170 A JP 2002172170A JP 2000371259 A JP2000371259 A JP 2000371259A JP 2000371259 A JP2000371259 A JP 2000371259A JP 2002172170 A JP2002172170 A JP 2002172170A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽圧式換気補助療法において、その処方決定
時にかかる時間と労力を削減しながらも適切な設定を可
能とする装置を提供する。 【解決手段】 呼吸用インターフェイスまたは導管手段
内を流れる流量および圧力を測定する流量測定手段およ
び圧力測定手段を備え、該流量測定手段および該圧力測
定手段の測定結果から使用者の換気量を演算する演算手
段、該演算手段の演算結果を表示する表示手段を備えた
ことを特徴とした呼吸測定装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鼻マスクやフェイ
スマスクなどの呼吸インターフェイスを介して空気ある
いは呼吸用気体を供給する非侵襲的換気療法において、
患者が実際に呼吸した量、すなわち換気量を測定および
表示する方法、およびその機能を備えた装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】医療用間欠的陽圧式人工呼吸補助装置
は、肺結核後遺症や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など自発
呼吸だけでは十分に換気することができない使用者の呼
吸をサポートするために使用されている。中には夜間の
み換気補助が必要となるような使用者もあり、このよう
な使用者では在宅で使用されるケースも数多い。
【0003】図1に、間欠的陽圧式人工呼吸補助装置の
中でも最も一般的な鼻マスクを用いるタイプを示す。陽
圧空気発生手段1は2〜30cmH2O程度の陽圧ガス
を間欠的に発生し、導管2に送る。中でも、使用者6の
吸気と呼気に合わせて2レベルの圧力、たとえば吸気時
陽圧(IPAP:Inspiration Positive Airway Pressur
e)15cmH2O、呼気時陽圧(EPAP: Expiration
Positive Airway Pressure)4cmH2Oで陽圧ガスを
供給するタイプが主流である。導管2は、マスククッシ
ョン4を固定するマスクフレーム3に繋がり、マスクク
ッション4を通して、陽圧ガスを使用者7の鼻腔へ送
る。呼気排出孔5は使用者6の呼気ガスを呼吸回路外へ
排出するために設けてある。また、呼気排出孔5は、マ
スクフレーム3に付属するものがほとんどである。
【0004】一方、持続的陽圧式人工呼吸補助装置は、
睡眠時無呼吸症など気道が閉塞してしまう患者に対し、
常に一定の圧力、例えば持続的陽圧(CPAP:Continu
ousPositive Airway Pressure)4cmH2Oで陽圧空気
を供給するタイプが主流であり、患者の気道を常に開く
ことで無呼吸を防ぐのに用いられる。一般的に間欠的陽
圧式人工呼吸補助装置と同様の形態をなし、間欠的陽圧
式人工呼吸補助装置がその機能を兼ね備えることも数多
い。
【0005】これら陽圧式人工呼吸補助装置には、使用
者が実際に呼吸した空気の量、換気量を演算し、これを
表示するものも存在する。例えば、図2に示すように、
陽圧空気発生手段1の内部に陽圧空気流量を測定する流
量測定手段、陽圧空気圧力を測定する圧力測定手段を備
え、これらの測定結果から使用者の換気量を演算する。
換気量は、本体からの気体の供給量から、呼気排出孔か
らの流出量および呼吸用インターフェイス等の隙間から
の漏れ量を差し引いたものとなる。また、演算された換
気量は、使用者の各呼吸に合わせて1呼吸乃至数呼吸分
づつ表示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】非侵襲的換気療法にお
いて、IPAP圧力やEPAP圧力、またはCPAP圧
力等の設定を決める際には、患者の動脈血を採取し、血
液中のガス分析値を大まかな目安にし、患者自身の意見
や医師の経験的判断に基づきながら調整を行っている。
【0007】このような方法では、血液ガス分析と圧力
調整を繰り返し行うことで設定圧力を決定する。一日に
何度も血液を採取することは患者にとって大きな負担と
なるため、例えば、動脈血を一日一回採取し、動脈血ガ
ス分析結果を基に設定の変更を行う。従って、医師も患
者も多大な時間と労力を要してしまう。
【0008】また、動脈血ガス分析値に加えて患者の換
気量を目安に設定を決定する方法も用いられている。こ
の方法ではあらかじめ目標とする換気量の大方の目安を
つけておき、患者の換気量がその値になるように圧力設
定を調整するが、患者はある程度まで換気量が上がると
それ以上に高い圧力をかけても換気量の上昇は得られ
ず、不必要に高い圧力設定にしてしまう恐れがある。そ
の結果、患者に対する負担は大きくなり、コンプライア
ンスの低下につながることになる。
【0009】目標となる換気量の決定には、患者の自発
呼吸時における換気量を基準にし、どのくらい換気量を
増やせばよいかを考える。しかし、従来の換気量演算手
段を備えた陽圧式人工呼吸補助装置では、陽圧空気発生
装置からの陽圧空気供給流量を基に使用者の換気量を演
算するため、自発呼吸時の換気量を測定することができ
ない。そのため、陽圧式人工呼吸補助装置を用いたとき
には換気量が自発呼吸に対しどれだけ増えたかがわから
ないため、あらかじめスパイロメーターを用いるなど何
らかの別の方法で自発呼吸時の換気量を測定し、データ
整理する必要があった。
【0010】鼻マスクを装着した状態でこのような患者
の自発呼吸を測定する場合、呼気排出孔からも空気が排
出されるため、流量測定手段によって測定される空気流
量は小さいものとなり、正確な流量を測定することは困
難となる。これに対し、自発呼吸測定時には鼻マスクの
呼気排出孔をふさぐという手段が考えられるが、患者の
呼気はマスク内部および導管内部の空間に滞留すること
になり、次の吸気のときに、自分の呼気を吸いなおすと
いう再呼吸量の増加を招く。再呼吸量が多くなると、患
者の実質的な換気量が減少してしまい、患者の症状が悪
化することにもなりかねない。
【0011】このような問題に対し、口呼吸による自発
呼吸を測定する方法も考えられるが、鼻呼吸と口呼吸で
は呼吸パターンが大きく異なり、陽圧式人工呼吸補助装
置使用時の換気量との比較が行えない。
【0012】以上のことから、非侵襲的換気療法におけ
る患者の自発呼吸測定は非常に困難なものであった。
【0013】また、換気量を演算するための流量測定機
能および圧力測定機能や演算機能は、主に患者の処方決
定の場で用いられるのみであり、在宅で使用する際には
ほとんど用いられることはない。陽圧式人工呼吸補助装
置がそれらを備えることで装置は大型のものになり、使
い勝手が悪くなるだけでなく、装置のコストも高いもの
になる。
【0014】従来の陽圧式人工呼吸補助装置では、呼吸
用インターフェイスと顔面との間の隙間などからの空気
漏れ量が大きい場合において著しく低下してしまう。こ
のような場合、マスクを使用者に強く押し当てるなどし
て漏れを防ぐことができるが、換気量測定には長時間を
要することもあり、その間患者に対し強い圧迫感を与え
つづけることになる。
【0015】圧力設定を決定する際にも、従来の陽圧式
人工呼吸補助装置の表示手段では、数呼吸分の換気量値
が得られるのみであり、例えば圧力等の設定を変更した
場合などでは、設定変更前の換気量は表示されない。し
たがって、圧力値等の設定変更に対する換気量を比較す
るためには、圧力値に対する換気量を後で比較するなど
のデータ整理が必要であり、迅速な処方決定の妨げとな
っている。
【0016】本発明は、上記従来の装置が持つ問題点を
解消するものであり、陽圧式換気補助療法において、そ
の処方決定時にかかる時間と労力を削減しながらも適切
な設定を可能とする装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明者が鋭意検討した結果、以下の装置を見出
した。すなわち本発明は、使用者に空気を供給する呼吸
用インターフェイス、使用者の呼気を排出する呼気排出
孔、該呼吸用インターフェイスに空気を送る導管手段を
備えた装置において、該呼吸用インターフェイスまたは
該導管手段内を流れる流量および圧力を測定する流量測
定手段および圧力測定手段を備え、該流量測定手段およ
び該圧力測定手段の測定結果から使用者の換気量を演算
する演算手段、該演算手段の演算結果を表示する表示手
段を備えたことを特徴とした呼吸測定装置を提供するも
のである。
【0018】また本発明は該演算手段が、呼気排出孔か
らの排気量Fdおよび該呼吸用インターフェイスからの
漏れ量Flを該圧力測定手段の測定結果より演算し、該
流量測定手段の測定結果Ftより該演算結果を減じて得
られる流量Fp’を求め、該Fp’の1ないし数呼吸分の
時間平均値が零となるFpの値をもって使用者の換気量
とする演算手段であることを特徴とした呼吸測定装置を
提供するものである。
【0019】また本発明は該演算手段が、該呼気排出孔
の両端の圧力と該呼気排出孔より流出する流量との関係
を測定する呼気排出孔特性測定手段および該測定結果を
記憶する記憶手段を備え、あらかじめ該呼気排出孔特性
測定手段により測定され、該記憶手段に記憶された該呼
気排出孔の圧力−流量特性を用いて該呼気排出孔からの
流出量を演算する演算手段であることを特徴とした呼吸
測定装置を提供するものである。
【0020】また本発明は該流量測定手段が直接該呼吸
用インターフェイスに取り付けることが可能であり、該
呼気排出孔をふさぐ手段を備えたことを特徴とした呼吸
測定装置を提供するものである。
【0021】また本発明は該表示手段が、陽圧空気を発
生させる陽圧空気発生手段を備えた陽圧式人工呼吸補助
装置使用時において、該陽圧空気発生手段の設定圧力変
更手段および該設定圧力変更手段による圧力変更値に対
する該演算手段の演算結果を記憶する記憶手段を備え、
該演算手段の演算結果および該記憶手段の記憶結果を表
示する表示手段であることを特徴とした呼吸測定装置を
提供するものである。
【0022】また本発明は、換気量の表示結果を記録す
る記録手段、該表示結果を外部に送信する送信手段、あ
るいは、該表示結果が予め決めておいた値よりも少なく
なったときに警報を発する警報手段のうち、少なくとも
1つ以上を備えたことを特徴とした呼吸測定装置を提供
するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の呼吸測定装置に間欠的に
陽圧空気を発生させる陽圧空気発生手段を接続した場合
の構成例を図3に示す。本発明の呼吸測定装置は、使用
者に空気を供給する呼吸用インターフェイス3、使用者
の呼気を排出する呼気排出孔5、該呼吸用インターフェ
イスに空気を送る導管手段2を備えた装置において、該
呼吸用インターフェイスまたは該導管手段内を流れる流
量および圧力を測定する流量測定手段7および圧力測定
手段8を備え、該流量測定手段および該圧力測定手段の
測定結果から使用者の換気量を演算する演算手段9、該
演算手段の演算結果を表示する表示手段10を備えたこ
とを特徴とする呼吸測定装置である。
【0024】流量測定手段7および圧力測定手段8は陽
圧空気発生手段本体と呼吸用インターフェイスの間のど
こかに設置し、随時取り外しが可能であることが好まし
い。しかし、間欠的用圧式人工呼吸補助装置などの呼吸
補助装置を用いる接続する場合などは、呼吸用インター
フェイスに流量測定手段を取り付けると呼吸用インター
フェイス部分が重くなり、患者にとって煩わしいものと
なる。したがってこのような場合には流量測定手段の重
みが呼吸用インターフェイスにかからぬよう陽圧空気発
生手段の本体と導管手段の間に設置するとよい。
【0025】流量測定手段には圧損の少ない熱線式流量
計を用いることが好ましいが、オリフィス式流量計を用
いることも可能である。
【0026】演算手段は、流量測定手段の測定結果およ
び圧力測定結果の測定結果から、使用者の換気量を演算
する。演算手段における換気量の算出方法を以下に述べ
る。
【0027】図4は呼吸再現性のある人工肺モデル(A
SL5000、IngMarMedical社)を使用
者6に見立て、熱線式流量計(RM−300、ミナト医
科学(株))により各流量、患者の呼吸流量(Fp)、
陽圧空気発生手段または大気中から呼吸用インターフェ
イスへ流れ込む空気流量(Ft)、呼気排出孔より大気
中へ排出された流量(Fd)およびマスク部分から漏れ
出た流量(Fl)を、また圧力計によりマスク内圧力を
それぞれ測定した例を示す。
【0028】FpはFtからFdおよびFlを差し引い
たものである。つまり、 Fp=Ft−[Fd+Fl] このうちFtは流量測定手段の測定結果に相当する。ま
た、Fdは、その呼気排出孔の圧力―流量特性および圧
力測定手段の測定結果Pより求められる。この圧力―流
量特性を関数fで表すと、 Fd=f(P) となり、あらかじめ呼気排出孔の圧力―流量特性を測定
することで排出流量の測定が可能となる。同様に、Fl
は、漏れを起こさせる隙間の特性をあらわす関数f’を
用いて、 Fl=f’(P) となる。したがって、Fpは Fp=Ft−[f(P)+f’(P)] で計算して求めることができる。
【0029】しかし、漏れを起こさせる隙間は一定では
ないため、f’はあらかじめ測定しておくことができな
い。該漏れの量が少なければ、該隙間の特性も呼気排出
孔と同様の関数で近似しうる。つまり、該隙間から漏れ
出る流量の合計は、定数k’を用いて、 f’(P)=k’×f(P) を用いて近似することができ、患者の呼吸流量Fpは、 Fp=Ft−k×f(P) (k=1+k’) より求めることができる。
【0030】一方、人間の呼気と吸気の量はほとんど等
しい。これはつまり、一ないし数呼吸分の呼吸流量の時
間平均が、ほとんど0に等しいということであり、例え
ば一呼吸分に要する時間をt0とすると、 ∫f(P)dt/t0=0 の関係が成り立つことを表している。したがってこの場
合、吸気開始時間をt1、次の吸気開始時間をt2とすれ
ば、
【0031】
【数1】
【0032】となるようにkを設定することにより、適
当なk値を決めることができる。また実際には、積分区
間に数呼吸分の呼吸時間を用いてもよい。かかる数呼吸
分とは10呼吸以下、特に3乃至5呼吸分を積分するの
が好ましい。
【0033】以上のように、呼気排出孔や呼吸用インタ
ーフェイスと使用者の顔面との間に生じる隙間からの空
気漏れ量を補正し、得られた流量値を積分することで使
用者の換気量を演算することができる。呼吸用インター
フェイスの圧力−流量特性は、インターフェイスごとに
それぞれ異なる。例えば、使用者の顔面と接する部分を
閉じたマスククッションを取り付けるなどして呼吸用イ
ンターフェイスを塞げば、陽圧空気発生手段からの空気
の流れはすべて呼気排出孔に流れ出る。このときの呼気
排出孔における圧力および流量は圧力測定手段および流
量測定手段の測定結果となる。したがって、呼吸用イン
ターフェイスを塞いだ状態での、用圧空気発生手段の圧
力変化にともなう流量の変化を記憶することで、呼気排
出孔の圧力−流量特性を知ることができる。
【0034】また、患者が一回の呼吸に要する時間を該
演算手段により測定することで、患者が一分間に呼吸す
る回数、分時呼吸数を推定することが可能となる。さら
に、分時呼吸数と得られた一回換気量値を乗ずること
で、患者が一分間に呼吸する空気量、分時換気量も算出
できる。
【0035】本発明の呼吸測定装置を用いるときには、
間欠的陽圧式人工呼吸補助装置は、流量測定手段および
圧力測定手段を備えない場合でも使用時の換気量をリア
ルタイムで知ることができる。また、本装置は使用者の
換気量の測定が必要なときだけ取り付けて使用し、普段
は取り外したままで良い。従って、用いる間欠的陽圧式
人工呼吸補助装置は小型で低コストのもので良いことに
なる。
【0036】また、本呼吸測定装置の導管手段に接続す
る装置としては、間欠的陽圧式人工呼吸補助装置だけで
なく、例えば持続的陽圧式人工呼吸補助装置や用手式人
工呼吸補助装置など、患者の呼吸補助を行う装置であれ
ば良く、それらを接続しても同様に換気量の測定が可能
である。
【0037】図5のように本発明の呼吸測定装置から導
管手段を取り除き、流量測定手段を呼吸用インターフェ
イスに直接取り付けることで、使用者の自発呼吸による
空気流量を測定することが可能となる。このとき、たと
えば流量測定手段に呼気排出孔をふさぐキャップを備
え、自発呼吸測定時にはそのキャップを用いて呼気排出
孔をふさぎ、自発呼吸によるすべての空気流量が流量測
定手段を通るようにすればよい。このように流量測定手
段をマスクに取り付けることで、自発呼吸測定時には呼
気が滞留するスペースを最小にとどめることができ、呼
気がスムーズに排出されるため、患者の再呼吸量が増加
することもない。
【0038】この際、空気漏れを発生させないために
も、マスクと患者の顔面の間に目張りをしたり、患者に
合わせた専用のマスクを用いるなどして、マスクと患者
の顔面の間に生じる隙間をなるべく小さくすることが望
ましい。
【0039】以上のような呼吸測定装置を用いることに
より、陽圧式人工呼吸補助装置を選ばずに使用者の換気
量を測定することが可能となる。さらには、本装置の流
量測定手段と陽圧式人工呼吸補助装置の導管手段を切り
離して使用することで、使用者の鼻呼吸による自発呼吸
を簡便に測定することが可能となる。また、使用者の自
発呼吸と陽圧式人工呼吸補助装置使用時の呼吸を同一の
装置で測定できるため、換気量の比較やデータ整理など
が容易に行えるようになり、自発呼吸に対する非侵襲的
換気療法時の換気量の増分を正確に知ることができる。
【0040】本発明の呼吸測定装置における表示手段
は、陽圧空気発生手段の設定圧力を変更する設定圧力変
更手段および該設定圧力変更手段による圧力変更値に対
する該演算手段の演算結果を記憶する記憶手段を備え、
該演算手段の演算結果および該記憶手段の記憶結果を表
示する表示手段である。
【0041】表示手段は陽圧式人工呼吸補助装置使用時
において、現在の換気量と同時に過去の設定圧力におけ
る換気量を表示する。IPAP圧力を変化させたときの
グラフ表示例を図7に示す。横軸がIPAP圧力、EP
AP圧力およびCPAP圧力の該陽圧空気発生手段にお
ける設定圧力、縦軸が換気量である。グラフ上には該演
算手段による使用者の換気量の演算結果および該記憶手
段の記憶結果が同時にプロットされる。さらに、設定圧
力ごとに平均値を演算し表示することで、設定圧力変化
による換気量の推移が一目でわかる。これによって、例
えば、はじめはIPAP圧力を2cmH2O刻みで変化
させながら換気量を調べ、その後に所望する換気量が得
られそうな設定圧力を絞り込むなど、測定した換気量を
その場で過去の設定圧力での換気量と比較できるので、
患者の意見も参考にしながら、より細かな圧力設定を無
駄なくスムーズに行うことが可能となる。また、このよ
うな表示方法を用いることで、患者の換気量の上限が判
断しやすく、不必要に高い圧力に設定してしまうおそれ
もない。
【0042】陽圧式人工呼吸補助装置使用時に、使用者
が会話や咳などをすると使用者の呼吸波形は安静時とは
大きく異なり、該流量測定手段の測定結果も大きく乱
れ、正常な換気量は得られない。このような場合、得ら
れた換気量を予め決定しておいた換気量の上限および下
限と比較し、それらの範囲に収まっている場合にのみそ
の換気量を有効にすれば良い。また、使用者の呼吸が安
定している区間において換気量の平均値を算出し、その
後測定された換気量がその平均値から大きく外れたらそ
の換気量を無効にする、といった方法も採用することが
出来る。
【0043】以上のような方法で過去の設定圧力におけ
る換気量も表示することにより、設定圧力変化に対する
使用者の換気量の推移を、測定を行いながら知ることが
可能となり、非侵襲的換気療法導入時において、適切な
IPAP圧力、EPAP圧力およびCPAP圧力設定を
迅速かつ容易に決定する助けになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の鼻マスク式の間欠的陽圧式人工呼吸補助
装置。
【図2】従来の間欠的陽圧式人工呼吸補助装置。
【図3】本発明の呼吸測定装置の好適な実施態様例。
【図4】間欠的陽圧式人工呼吸補助装置使用時における
患者の呼吸およびマスク内圧力例。
【図5】患者の自発呼吸測定時における本発明の呼吸測
定装置の好適な実施態様例。
【図6】本発明の換気量表示手段の好適な実施態様例。
【図7】IPAP圧力変化に対する換気量表示例。
【符号の説明】 1.陽圧空気発生手段 2.導管 3.マスクフレーム 4.マスククッション 5.呼気排出孔 6.使用者 7.流量測定手段 8.圧力測定手段 9.演算手段 10.表示手段 11.設定圧力変更手段 12.記憶手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用者に空気を供給する呼吸用インター
    フェイス、使用者の呼気を排出する呼気排出孔、該呼吸
    用インターフェイスに空気を送る導管手段を備えた装置
    において、該呼吸用インターフェイスまたは該導管手段
    内を流れる流量および圧力を測定する流量測定手段およ
    び圧力測定手段を備え、該流量測定手段および該圧力測
    定手段の測定結果から使用者の換気量を演算する演算手
    段、該演算手段の演算結果を表示する表示手段を備えた
    ことを特徴とした呼吸測定装置。
  2. 【請求項2】 該演算手段が、呼気排出孔からの排気量
    Fdおよび該呼吸用インターフェイスからの漏れ量Flを
    該圧力測定手段の測定結果より演算し、該流量測定手段
    の測定結果Ftより該演算結果を減じて得られる流量F
    p’を求め、該Fp’の1ないし数呼吸分の時間平均値
    が零となるFpの値をもって使用者の換気量とする演算
    手段であることを特徴とした請求項1記載の呼吸測定装
    置。
  3. 【請求項3】 該演算手段が、該呼気排出孔の両端の圧
    力と該呼気排出孔より流出する流量との関係を測定する
    呼気排出孔特性測定手段および該測定結果を記憶する記
    憶手段を備え、あらかじめ該呼気排出孔特性測定手段に
    より測定され、該記憶手段に記憶された該呼気排出孔の
    圧力−流量特性を用いて該呼気排出孔からの流出量を演
    算する演算手段であることを特徴とした請求項1、2記
    載の呼吸測定装置。
  4. 【請求項4】 該流量測定手段が直接該呼吸用インター
    フェイスに取り付けることが可能であり、該呼気排出孔
    をふさぐ手段を備えたことを特徴とした請求項1〜3に
    記載の呼吸測定装置。
  5. 【請求項5】 該表示手段が、陽圧空気を発生させる陽
    圧空気発生手段を備えた陽圧式人工呼吸補助装置使用時
    において、該陽圧空気発生手段の設定圧力変更手段およ
    び該設定圧力変更手段による圧力変更値に対する該演算
    手段の演算結果を記憶する記憶手段を備え、該演算手段
    の演算結果および該記憶手段の記憶結果を表示する表示
    手段であることを特徴とした請求項1〜4に記載の呼吸
    測定装置。
  6. 【請求項6】 換気量の表示結果を記録する記録手段、
    該表示結果を外部に送信する送信手段、あるいは、該表
    示結果が予め決めておいた値よりも少なくなったときに
    警報を発する警報手段のうち、少なくとも1つ以上を備
    えたことを特徴とする請求項1〜5に記載の呼吸測定装
    置。
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