JP2002171970A - 抗Wnt−3aモノクローナル抗体 - Google Patents
抗Wnt−3aモノクローナル抗体Info
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Abstract
薬として有用と考えられる抗Wnt−3aモノクローナ
ル抗体、特に免疫沈降法やウエスタンブロット法のみな
らず、組織免疫染色法にも用いることができる抗Wnt
−3aモノクローナル抗体を提供すること。 【解決手段】 抗原として、組換えマウスWnt−3a
タンパク質のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
分画物を大量に用いてマウスを免疫し、かかるマウスの
脾細胞とマウスミエローマを用いて常法により細胞融合
を行い、Wnt−3aタンパク質に対するモノクローナ
ル抗体を得る。得られる抗Wnt−3aモノクローナル
抗体を用いると、免疫沈降の他、Wnt−3aタンパク
質に対するウエスタンブロッティングや、組織に局所的
に発現したWnt−3aタンパク質に対する免疫蛍光を
行うことができる。
Description
パク質に対するモノクローナル抗体、特に免疫沈降法や
ウエスタンブロット法のみならず、組織免疫染色法にも
用いることができる抗Wnt−3aモノクローナル抗体
に関する。
細胞間・組織間の相互作用を行う分泌性シグナル分子が
数多く知られている。これらの細胞間シグナル分子の1
つであるWntファミリーに属するタンパク質は、線
虫、ショウジョウバエからマウス、ヒトにいたる種々の
動物種の発生過程において時間的、位置的に特異的に発
現し、形態形成の誘導因子、細胞の極性決定因子、増殖
分化の調節因子として重要な役割を果たすことが知られ
ている。また、Wntという名称は、ショウジョウバエ
のセグメントポラリティ遺伝子の1つwinglessと、マウ
スで発見されたオンコジーンint-1に由来する。
少なくとも18種類のWnt遺伝子が存在することが知
られており、これら多くのWnt遺伝子の各々がマウス
初期胚の神経管等で局所的に発現しており、それぞれの
Wnt遺伝子が形態形成に固有の役割を担っているとも
のと考えられている。例えば、体幹部の神経管では最も
背側ではWnt−1,Wnt−3aが、それより少し広
い背側の領域ではWnt−3が、腹側ではWnt−5
a,Wnt−7a,Wnt−7bが、また背側の一部と
最も腹側の底板と呼ばれる領域でWnt−4が発現して
いる。本発明者らにより作製されたWnt−3aノック
アウトマウスでは前肢より後方の体節が神経管に変換す
ること(Genes Dev 8: 174-189, 1994、Dev. Biology 1
83, 234-242, 1997)から、これらの中でもWnt−3
a遺伝子は初期発生における細胞の分化経路の選択に重
要な役割を果たしているものと考えられているが、その
詳細については未だ明らかとなっていない。また、抗W
nt−3aウサギ抗血清については、Burrusらによる免
疫沈降法にのみ使用可能な抗血清に関する報告(ExpCel
l Res , 220(2): 363-373, 1995)や、本発明者らによ
る免疫沈降法やウエスタンブロット法に使用可能な抗血
清に関する報告(Genes to Cells ; 3, 659-670, 199
8)がなされているが、抗Wnt−3aモノクローナル
抗体、特に免疫沈降法やウエスタンブロット法のみなら
ず組織免疫染色法にも用いることができる抗Wnt−3
aモノクローナル抗体は知られていなかった。
aタンパク質の研究を行う上で、Wnt−3aタンパク
質に特異的に反応するモノクローナル抗体を作製するこ
とは、抗血清と異なり同質の抗体を継続的に入手する上
で必要不可欠である。従来、免疫沈降法やウエスタンブ
ロット法に使用可能なWnt−3aタンパク質に対する
抗血清は知られているが、Wnt−3aタンパク質の機
能を正確に把握するには、抗Wnt−3aモノクローナ
ル抗体、特に免疫沈降法やウエスタンブロット法のみな
らず組織免疫染色法にも用いることができる抗Wnt−
3aモノクローナル抗体が求められていた。しかし、現
在までに樹立された脊椎動物のWntに対する抗体に
は、抗Wnt−3aモノクローナル抗体、特に免疫沈降
法やウエスタンブロット法のみならず組織免疫染色法に
も用いることができる抗Wnt−3aモノクローナル抗
体は存在しなかった。本発明の課題は、発生学における
分析試薬、乳癌等の癌の診断薬として有用と考えられる
抗Wnt−3aモノクローナル抗体、特に免疫沈降法や
ウエスタンブロット法のみならず組織免疫染色法にも用
いることができる抗Wnt−3aモノクローナル抗体を
提供することにある。
を解決するために鋭意検討し、抗原として組換えマウス
Wnt−3aタンパク質のSDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動分画物を大量に用いてマウスを免疫するこ
とにより、意外にも自己タンパク質に対するモノクロー
ナル抗体が得られることを見い出し、得られたモノクロ
ーナル抗体のうちの1つが免疫沈降法やウエスタンブロ
ット法のみならず組織免疫染色法にも用いることができ
るモノクローナル抗体であることを確認し、本発明を完
成するに至った。
質に対するモノクローナル抗体又はその可変領域からな
る抗体結合部位を含む抗体フラグメント(請求項1)
や、免疫沈降法、ウエスタンブロット法及び組織免疫染
色法のいずれにも用いることができる請求項1記載のモ
ノクローナル抗体又はその可変領域からなる抗体結合部
位を含む抗体フラグメント(請求項2)や、請求項1又
は2記載のWnt−3aタンパク質に対するモノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株又はそれらに
由来する細胞株(請求項3)や、抗原として、組換えW
nt−3aタンパク質のSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動分画物を用いることを特徴とする抗Wnt−
3aモノクローナル抗体の製造方法(請求項4)や、請
求項1又は2記載のモノクローナル抗体又はその可変領
域からなる抗体結合部位を含む抗体フラグメントを用い
ることを特徴とするWnt−3aの検出方法(請求項
5)や、請求項1又は2記載のモノクローナル抗体又は
その可変領域からなる抗体結合部位を含む抗体フラグメ
ントを含むことを特徴とするWnt−3a検出用キット
(請求項6)に関する。
その可変領域からなる抗体結合部位を含む抗体フラグメ
ントとしては、Wnt−3aと反応する抗Wnt−3a
モノクローナル抗体や該モノクローナル抗体の可変領域
からなる抗体結合部位を含む抗体フラグメントであれば
どのようなものでもよいが、免疫沈降法やウエスタンブ
ロット法のみならず組織免疫染色法にも用いることがで
きるモノクローナル抗体や、これらモノクローナル抗体
の可変領域からなる抗体結合部位を含む抗体フラグメン
トが好ましい。また、これら抗体フラグメントとして
は、モノクローナル抗体をペプシンで消化して得られる
F(ab′)2、F(ab′)2を還元して得られるFa
b′、モノクローナル抗体をパパインで消化して得られ
るFabなどを例示することができる。
としては、ハイブリドーマ法(Nature 256, 495-497, 1
975)、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(I
mmunology Today 4, 72, 1983)及びEBV−ハイブリ
ドーマ法(MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAP
Y, pp.77-96, Alan R.Liss, Inc., 1985)など任意の方
法における慣用のプロトコールを用いて、動物(好まし
くはヒト以外)に組換えWnt−3aタンパク質のSD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動分画物を大量に投
与することにより産生させる方法を挙げることができ、
この方法による場合、使用する抗原の由来動物種と免疫
する動物種が同じであっても、すなわち抗原として例え
ばマウスWnt−3aタンパク質を用いてマウスを免疫
した場合であっても、過度な実験によることなく抗Wn
t−3aモノクローナル抗体を得ることができる。例え
ば、ハイブリドーマ法による場合、SDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動分画物とせず、夾雑物を含むWn
t−3aタンパク質をそのまま抗原として用いた場合に
は、抗Wnt−3aモノクローナル抗体産生ハイブリド
ーマを得ることが困難である。
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株又
はそれらに由来する細胞株としては、抗Wnt−3aモ
ノクローナル抗体を産生することができる細胞株であれ
ば特に制限されるものではなく、かかる抗Wnt−3a
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞株は、組換
えWnt−3aタンパク質のSDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動分画物を大量に投与した動物(好ましく
はヒト以外)の脾細胞と当該動物の由来の骨髄腫細胞と
を、常法により細胞融合させ、HAT培地で選択し、そ
の中からWnt−3aに対して特異的に免疫反応するこ
とができるものを標識化抗IgG抗体等によりスクリー
ニングすることにより作出することができる。かかる抗
Wnt−3aモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細
胞株又はそれらに由来する細胞株を、インビボ又はイン
ビトロで常法により培養することにより抗Wnt−3a
モノクローナル抗体を生産することができ、例えば、イ
ンビボ系においては、マウス又はラット等の齧歯目動
物、好ましくはハイブリドーマと由来を同じくする齧歯
目動物の腹腔内で培養することにより、またインビトロ
系においては、動物細胞培養用培地で培養することによ
り、抗Wnt−3aモノクローナル抗体を得ることがで
きる。インビトロ系でハイブリドーマを培養するための
培地としては、ストレプトマイシンやペニシリン等の抗
生物質を含むRPMI1640又はMEM等の細胞培養
培地を例示することができる。
は、上記本発明のモノクローナル抗体や、該モノクロー
ナル抗体の可変領域からなる抗体結合部位を含む抗体フ
ラグメントを用いる方法であれば特に制限されるもので
はなく、これらモノクローナル抗体等を用いて、RIA
法、ELISA法、蛍光抗体法、プラーク法、スポット
法、血球凝集反応法、オクタロニー法等の免疫学的測定
方法を行うことによりWnt−3aを特異的かつ正確に
検出・測定することができる。例えば、固相化された上
記本発明のモノクローナル抗体及び/又はその可変領域
からなる抗体結合部位を含む抗体フラグメントと、これ
らモノクローナル抗体又はその可変領域からなる抗体結
合部位を含む抗体フラグメントとは認識部位を異にす
る、標識化された第2のモノクローナル抗体及び/又は
その可変領域からなる抗体結合部位を含む抗体フラグメ
ントとを用いる方法や、組織において局所発現したWn
t−3aタンパク質に特異的に結合することができる本
発明のモノクローナル抗体と該モノクローナル抗体に対
する標識化二次抗体(抗Ig抗体)とを用いる方法等を
挙げることができる。上記固相化用の担体としては、シ
リコン、ナイロン、プラスチック、ガラスからなるビー
ズ、マイクロプレート、試験管、フィルター、メンブレ
ン等を用いることができる。
化抗体を用いる免疫反応により組織・細胞等を顕微鏡等
で観察することができるように染色する方法をいい、以
下、組織免疫染色法の一つである蛍光抗体法(免疫蛍光
法)を例にとって説明する。蛍光抗体法は、蛍光標識し
た抗Wnt−3aモノクローナル抗体を用いて、組織や
細胞におけるWnt−3aタンパク質の局在を蛍光顕微
鏡下に検出する方法であり、かかる蛍光抗体法として
は、パラホルムアルデヒド等で処理した組織において局
所発現したWnt−3aタンパク質に蛍光標識した抗W
nt−3aモノクローナル抗体を用いる直接蛍光抗体法
や、パラホルムアルデヒド等で処理した組織において局
所発現したWnt−3aタンパク質に未標識の抗Wnt
−3aモノクローナル抗体(一次抗体)を結合させた後
に蛍光標識した二次抗体(抗Ig抗体)を結合させる間
接蛍光抗体法とを例示することができる。抗体の蛍光標
識には、緑色系のFITC(フルオレセインイソチオシ
アネート)、TRITC(テトラメチルローダミンイソ
チオシアネート)、Cy3(シアニン−3)等の蛍光物
質や、GFP(グリーン蛍光タンパク質)等の蛍光発光
タンパク質などを融合させた融合タンパク質を用いるこ
ともできる。また、上記組織免疫染色法において、モノ
クローナル抗体に代えて、前記F(ab′)2、Fabな
どの該モノクローナル抗体の可変領域からなる抗体結合
部位を含むWnt−3aに結合する抗体フラグメントを
使用することもできる。
おいて、抗Wnt−3aモノクローナル抗体や抗体フラ
グメントの標識物質としては、上記蛍光物質の他、β−
ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリフォス
ファターゼ等の酵素を例示することができ、これら酵素
は「酵素標識法(生物化学実験法 27 ) 」 (第1 版、石
川栄治著、学会出版センター、1991年)などに記載され
ている方法で標識することができる。またこれら酵素に
代えて、例えば、125I、32P、35S、3H等のラジオア
イソトープを用いることもできる。
は、本発明のモノクローナル抗体や抗体フラグメントが
含まれている検出用キットであれば特に制限されるもの
でなく、例えば、本発明のモノクローナル抗体及び/又
は抗体フラグメントと、該モノクローナル抗体又は抗体
フラグメントとは異なる部位でWnt−3aと反応する
少なくとも1種の第2の標識化モノクローナル抗体及び
/又は抗体フラグメントとが含まれている検出・測定用
キットや、本発明のモノクローナル抗体と該モノクロー
ナル抗体に対する標識化二次抗体(抗Ig抗体)とが含
まれている検出・測定用キットなどを挙げることができ
る。
的に説明するが、この発明の技術的範囲はこれらの実施
例に限定されるものではない。 実施例1[マウスWnt−3aタンパク質の調製] マウスWnt−3aタンパク質(29〜352アミノ酸
残基のタンパク質のアミノ末端にHisタグを融合した
融合タンパク質)をコードするDNAを用いて大腸菌
(BL21(DE3)plys S)を形質転換した。この形質転換細
胞を培養することによってマウスWnt−3aタンパク
質を発現させ、ニッケルアガロースレジン(Quiagen社
製「Ni-NTA Agarose」)を用いて精製した。さらにこの
精製物を文献(Nature : 227,, 680-685, 1970)記載の
方法に準じてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により分画し、Wnt−3aタンパク質に相当するバン
ド(38kD)を調製した。すなわち、精製したマウス
Wnt−3aタンパク質を塩析法により濃縮し、SDS
を含む13%のアクリルアミド分離ゲル(180×24
5×3mm)を用いて電気泳動的に分離し、マウスWn
t−3aタンパク質に対応するバンドをゲルを染色固定
することなく切り出した。切り出したゲルバンドは0.
001%ブロモフェノールブルー溶液に浸して10分間
振盪後、SDSを含む8%アクリルアミドゲル(bottom
gel)と4%アクリルアミドゲル(upper gel)との間
に挟み込み、通常とは逆向きに電気泳動することによ
り、ゲル上部にマウスWnt−3aタンパク質を溶出さ
せ、回収した。
相当量の抗原溶液(0.8mg/ml,0.5mlをP
BSで1mlとする)を、同容量のフロイント・コンプ
リート・アジュバンド(Difco Lab.社製)と共にエマル
ジョン化させ、生後6週齢のBALB/cマウス(日本
クレア社製)4匹に等分して腹腔内に投与し免疫した。
この1次免疫から14日後、0.4mg相当量の抗原溶
液(1ml容量)を0.1mlの免疫増強剤(RIBI社製
「リビ・アジュバント・システム」)と混濁状態にし
て、各免疫マウス4匹に等分して腹腔内に投与し2次免
疫した。2次免疫から12日後、各マウスの眼底より採
血し、Wnt−3aタンパク質に対する抗体が各マウス
の体内で作られていることを確認するためにELISA
法により抗体価の上昇について調べた。さらに10日後
(2次免疫から22日後)3次免疫を行った。3次免疫
は、0.4mg相当量の抗原溶液(1ml容量)のみを
各免疫マウス4匹に等分して腹腔内に投与することによ
り行った。
抗体産生ハイブリドーマ細胞株の樹立] 最後の免疫から3日後に、抗体価の高かった2匹の免疫
マウスの脾臓から得られたリンパ球と、p3-X63-Ag8-U1
マウスミエローマ細胞とを50%のポリエチレングリコ
ール4000(Boehringer Mannheim製)に加えて細胞
融合させた。この融合により得られたハイブリドーマ細
胞を、10%のFCSを含むHAT培地で2週間培養し
た。ハイブリドーマ細胞を含む培地の上清画分0.1m
lを、前記抗原として用いたマウスWnt−3aタンパ
ク質をコーティングした96ウエル培養プレートの各ウ
エルに加えて室温で60分間培養した後、培養液を捨て
0.1%のツイーン20を含むPBSで洗浄した後に、
西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識化抗マウス
IgG抗体(ZYMED社製)を用いて、マウスWnt−3
aに対するモノクローナル抗体の有無を検出した。その
結果、920ウエル中、マウスWnt−3aと反応性の
ある12株を選択した。
nt−3aタンパク質に特異性の強い反応を示すハイブ
リドーマ細胞株を二次スクリーニングするために、ウエ
スタンブロッティングを行った。Wnt−3aタンパク
質発現マウスL細胞とWnt−3aタンパク質未発現マ
ウスL細胞の各細胞抽出液をSDS−ポリアクリルアミ
ド電気泳動法にかけ、分離したタンパク質をメンブレン
フィルター(MILIPORE社製「Immobilon transfer membr
anes」)にブロッティングした。このブロッティングし
た膜を、5%スキムミルクを含むTBS(50mM Tris-HC
l,pH7.6−150mM NaCl)でブロッキングした後、上記1
2株のハイブリドーマ細胞株の各培養上清80μlを用
いて、室温で60分間インキュベーションした。インキ
ュベーションした膜を0.05%のツイーン20を含む
TBSで洗浄後、5%スキムミルクを含むTBSで希釈
したHRP標識化抗マウスIgG抗体のF(ab′)2フ
ラグメント(NA 9310;Amersham Pharmacia Biotech)
溶液に浸した。抗原特異的HRP反応により生じた化学
ルミネッセンスをKodak Scientific Imaging Film(X-O
MAT AR, Kodak)とECL detection kit(Amersham Pharm
acia Biotech)により視覚化した。その結果、12株の
うち、Wnt−3aタンパク質に対して特異性の強い反
応を示す3つのクローン、#3、#7、#11が得られ
た。また、#3、#7、#11等のクローンの産生する
免疫グロブリン抗体のサブクラスを、マウス・モノクロ
ーナル・アイソタイプ・キット(RPN29;Amersham
Pharmacia Biotech)により調べた結果、全てIgG1
であることがわかった。なお、上記ハイブリドーマ#
3、#7、及び#11株は、京都市左京区吉田河原町1
4にある財団法人近畿地方発明センター内の科学振興事
業団近藤誘導分化プロジェクト研究室において保存さ
れ、一定の条件の下で関係者に分譲される。
のWnt−3aに対する特異性を調べるために、ウエス
タンブロット分析を行った。Wnt−3aタンパク質を
発現させたマウスL細胞の細胞抽出液をSDS−ポリア
クリルアミド電気泳動法により分離し、分離したタンパ
ク質をメンブレンフィルター(MILIPORE社製「Immobilo
n transfer membranes」)にブロッティングした。この
ブロッティングした膜を、5%スキムミルクを含むTB
Sで5倍希釈した#3、#7又は#11クローンの産生
するモノクローナル抗体を含むハイブリドーマ細胞株の
各培養上清中、室温で60分間インキュベーションし
た。0.05%のツイーン20を含むTBSで洗浄後、
5%スキムミルクを含むTBSで希釈したHRP標識化
抗マウスIgG抗体のF(ab′)2フラグメント(NA 93
10;Amersham Pharmacia Biotech)溶液に上記インキュ
ベーションした膜を浸した。抗原特異的HRP反応によ
り生じた化学ルミネッセンスをKodak Scientific Imagi
ng Film(X-OMAT AR, Kodak)とECL detection kit(Am
ersham Pharmacia Biotech)により視覚化した。その結
果を図1に示す。なお、コントロール(L)としては、
マウスWnt−3aタンパク質未発現のマウスL細胞の
細胞抽出液を用いた。このことから、これら3つのクロ
ーンから産生されるモノクローナル抗体は、マウスWn
t−3タンパク質と特異的に反応することから、マウス
Wnt−3aタンパク質の発現を検出するのに有効であ
ることがわかった。
に使用できるか否かを検討してみた。マウス9.5日胚
を、3.5%のパラホルムアルデヒドを添加したPBS
により4℃で15分間振盪固定した後、O.C.T. compoun
d(Tissue-Tek社製)を用いて包埋しクライオスタット
(Leica社製)で10μmの厚さのtransverse切片を作
製し、APSコートしたスライドガラスに固定した。こ
のtransverse切片を室温で20分間乾燥させた後、TB
S中で室温にて5分間洗浄し、−20℃のメタノールに
浸漬し、再度TBSで洗浄した後、2%のBSAを含む
HANKS(Ca2+,Mg2+を含まない)中で室温にて
10分間ブロッキングし、実施例3により得られた#3
クローンの産生するモノクローナル抗体を含むハイブリ
ドーマ細胞株の培養上清を2%のBSAを含むHCMF
Sで希釈して調製した溶液を上記ブロッキングした切片
にのせ、室温で60分間反応させた。これら反応させた
切片をTBS中で室温にて5分間×3回振盪して洗浄し
た後、2%のBSAを含むTBSで100倍希釈したC
y3標識化抗マウスIgG抗体(Chemicon Internation
Inc.社製)を用いて室温にて30分間染色した。これ
ら染色物を遮光したままTBS中で室温にて5分間×3
回振盪して洗浄した後、グリセリンで封入し、蛍光顕微
鏡で観察した。この結果を図2に示す。図2において神
経管の蓋板に染色が認められることから、#3クローン
の産生する抗Wnt−3aモノクローナル抗体は組織染
色に使用可能であることがわかった。
薬として有用であり、乳癌等の癌の診断薬として有用と
考えられる抗Wnt−3aモノクローナル抗体、特に免
疫沈降法やウエスタンブロット法のみならず、組織免疫
染色法にも用いることができる抗Wnt−3aモノクロ
ーナル抗体を得ることができる。
特異性に関するウエスタンブロットの結果を示す図であ
る。
用いたマウス胚におけるWnt−3aタンパク質の局在
に関する組織免疫蛍光の結果を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 Wnt−3aタンパク質に対するモノク
ローナル抗体又はその可変領域からなる抗体結合部位を
含む抗体フラグメント。 - 【請求項2】 免疫沈降法、ウエスタンブロット法及び
組織免疫染色法のいずれにも用いることができる請求項
1記載のモノクローナル抗体又はその可変領域からなる
抗体結合部位を含む抗体フラグメント。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のWnt−3aタン
パク質に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマ細胞株又はそれらに由来する細胞株。 - 【請求項4】 抗原として、組換えWnt−3aタンパ
ク質のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動分画物
を用いることを特徴とする抗Wnt−3aモノクローナ
ル抗体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1又は2記載のモノクローナル抗
体又はその可変領域からなる抗体結合部位を含む抗体フ
ラグメントを用いることを特徴とするWnt−3aの検
出方法。 - 【請求項6】 請求項1又は2記載のモノクローナル抗
体又はその可変領域からなる抗体結合部位を含む抗体フ
ラグメントを含むことを特徴とするWnt−3a検出用
キット。
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