JP2002169189A - 表示装置の製造方法 - Google Patents

表示装置の製造方法

Info

Publication number
JP2002169189A
JP2002169189A JP2000365076A JP2000365076A JP2002169189A JP 2002169189 A JP2002169189 A JP 2002169189A JP 2000365076 A JP2000365076 A JP 2000365076A JP 2000365076 A JP2000365076 A JP 2000365076A JP 2002169189 A JP2002169189 A JP 2002169189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
pair
electrophoretic particles
electrodes
display device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000365076A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobutaka Ukigaya
信貴 浮ヶ谷
Tsutomu Ikeda
勉 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000365076A priority Critical patent/JP2002169189A/ja
Priority to US09/814,734 priority patent/US6919003B2/en
Publication of JP2002169189A publication Critical patent/JP2002169189A/ja
Priority to US11/061,878 priority patent/US7691248B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小な電気泳動粒子を用いても、分散系中の
電気泳動粒子の良好な均一分布状態を実現することがで
き、従来よりも解像度及びコントラストを向上させた表
示装置を提供する。 【解決手段】 製造工程中に基板に付着したり分散系中
で互いに凝集したりする電気泳動粒子に対して、外部か
ら振動を与えることで、電気泳動粒子の基板からの剥離
を促進し、電気泳動粒子の凝集を解除して分散系中に電
気泳動粒子を拡散させて、均一に分布させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、電界によって電気泳動粒
子を移動させることにより表示を行う表示装置とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器の発達に伴い、低消費電
力且つ薄型の表示装置のニーズが増しており、これらニ
ーズに合わせた表示装置の研究、開発が盛んに行われて
いる。中でも液晶表示装置は、液晶分子の配列を電気的
に制御することで液晶の光学的特性を変化させる事がで
き、上記のニーズに対応できる表示装置として活発な開
発が行われ商品化されている。しかしながら、液晶表示
装置は画面を見る角度や反射光による画面上の文字の見
づらさ、光源のちらつきや低輝度等から生じる視覚への
負担が未だ十分に解決されていない。そのため、視覚へ
の負担の少ない表示装置の研究が盛んに行われている。
【0003】特に、低消費電力、眼への負担軽減などの
観点から反射型表示装置が期待を集めている。その1つ
として、ハロルド ディ リー(Harold D.L
ees)等により発明された表示装置(米国特許361
2758)が知られている。
【0004】従来の表示装置の構成及びその動作原理を
図14に示す。1は第1基板、2は第1電極、3は第2
基板、4は第2電極、7はスペーサ、8は液体分散媒、
9は電気泳動粒子、40は電圧印加回路である。
【0005】この装置は、着色色素が溶解された液体分
散媒8と電気泳動粒子9とからなる分散系を挟んで対向
する一対の基板である第1基板1及び第2基板3と、該
一対の基板を所定の間隔に保持し、前記一対の基板間に
挟持された分散系を小区域に分割して封入する隔壁を兼
ねたスペーサ7を有している。なお一対の基板である第
1基板1及び第2基板3のうち少なくとも一方は透光性
を有する構成を取る。
【0006】表示装置の駆動は、第1電極2及び第2電
極4に電圧を印加して分散系中に電界を形成し、電気泳
動粒子9が持つ電気的極性に応じて前記一対の電極のい
ずれかに電気泳動粒子9を引き寄せることにより行う。
【0007】表示装置の表示は、電気泳動粒子9の色
と、電気泳動粒子9と異なる色相の着色色素が溶解され
た液体分散媒8の色を利用して行われる。すなわち、電
極間に電圧を印加して電気泳動粒子9が表示装置の観測
者が観測する側である表示側と反対の側に移動した場合
は、観測者には電気泳動粒子9の色は認識されず、液体
分散媒8の色が観測される。一方、電極間に印加する電
圧を逆転し、電気泳動粒子9を表示側に移動させた場合
には、観測者には電気泳動粒子9の色が認識され、電気
泳動粒子9と液体分散媒8の色によって二値表示を行う
ことができる。
【0008】製造方法としては、まず第1電極2が形成
された第1基板1の上にスペーサ7を形成して、着色色
素が溶解された液体分散媒8と電気泳動粒子9とを充填
後、第2電極4が形成された第2基板3を貼り合わせ、
分散系を封入する方法等が知られている。
【0009】従来の電気泳動表示装置の製造方法の一つ
には、特表平08−502599号公報に開示された方
法がある。これはまず、第1あるいは第2基板に電気泳
動粒子を付着させる。その後に、電気泳動粒子が付着し
た第1あるいは第2基板が電気泳動表示装置に組み入れ
られる。そして、電気泳動表示装置に液体分散媒を充填
する。その後、第1あるいは第2基板に含まれる電極に
電圧を印加して、電気泳動効果により、前記基板上に付
着して偏在している電気泳動粒子を、分散系中に拡散さ
せて、分散系に含まれる電気泳動粒子をなるべく良好な
拡散状態にして、電気泳動表示装置の中への分散系の封
入を完了するという方法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の製
造方法によれば、前記基板上に付着した電気泳動粒子
は、拡散工程によって分散系中にある程度拡散させるこ
とは可能である。
【0011】しかしながら従来の方法には、電気泳動効
果のみを利用して分散系中に電気泳動粒子を拡散させて
いるために幾つかの課題がある。
【0012】一つには、電気泳動効果のみでは、前記基
板上に付着したすべての電気泳動粒子を拡散させること
は困難である。例えば、前記基板上に付着したすべての
電気泳動粒子を拡散させるために、電気泳動効果を強く
する方法が考えられる。電気泳動効果を強くするために
は、前記一対の電極に印加する電圧値を大きくしなけれ
ばならない。しかし、電圧値を大きくすると、電気泳動
装置の絶縁破壊が起りかねない。
【0013】さらに、電気泳動装置の駆動にTFT(薄
膜トランジスタ)を利用した場合には、印加できる電圧
値は、TFTの耐電圧値に制限されてしまう。
【0014】もう一つには、拡散工程の前段階の付着工
程において、電気泳動粒子どうしの凝集が起り易く、上
記のような拡散方法では基板上に偏在する電気泳動粒子
を基板から分散系中に剥離させることはできても、電気
泳動粒子どうしの凝集をすべて解除することは困難であ
った。
【0015】これらのことから電気泳動表示装置におい
ては、電気泳動粒子の偏在による解像度の低下、表示コ
ントラストの低下などの問題があった。
【0016】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、分散系中の電気泳動粒子が良好な拡散状
態にある表示装置の製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、互いに対向配
置し少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基
板を所定の間隔に保持するスペーサと、前記一対の基板
間に挟持された液体分散媒と電気泳動粒子とを含む分散
系と、該分散系に電圧を印加する一対の電極と、を少な
くとも有し、前記一対の電極の間に印加した電圧により
生ずる電界によって前記電気泳動粒子を移動させること
で表示を行う表示装置の製造方法であって、前記一対の
基板間に前記分散系を封入する工程と、前記一対の基板
間に封入された前記分散系中の前記電気泳動粒子に外部
から振動を与える工程と、を含むことを特徴とする。
【0018】上記本発明においては、前記封入工程は、
少なくとも一方の前記基板上に前記電気泳動粒子を付着
させる付着工程と、前記電気泳動粒子が付着した面を内
側に向けて前記スペーサを介して前記一対の基板を接着
によって互いに固定して前記空パネルを作製する工程
と、前記空パネルの内部に前記液体分散媒を充填する工
程と、を含むことが好ましく、さらには、前記付着工程
は、前記一対の電極を具備する前記基板である電極形成
基板を作製する工程と、前記電極形成基板が具備する前
記一対の電極間に電圧を印加しながら、前記電極形成基
板に前記分散系を接触させる工程と、前記電極形成基板
上に残された前記分散系に含まれる前記液体分散媒を適
量だけ蒸発させる工程と、を含むこと、又は、前記付着
工程においては、前記電気泳動粒子を含む印刷用材料を
前記基板上に印刷することにより、前記基板上に前記電
気泳動粒子を付着させること、を含むことを好ましい態
様として含み、さらには、前記電極形成基板に前記分散
系を接触させる工程は、前記分散系の中に前記電極形成
基板を浸漬する工程と、前記電極形成基板が具備する前
記一対の電極間に電圧を印加しつつ、前記分散系を前記
電極形成基板上から零しながら前記電極形成基板を前記
分散系中から引き上げる工程と、を含むこと、又は、前
記電極形成基板に前記分散系を接触させる工程は、前記
分散系を前記電極形成基板上に注ぎつつ、前記電極形成
基板が具備する前記一対の電極間に電圧を印加しながら
前記電極形成基板上から前記分散系を零す灌注工程であ
ること、を好ましい態様として含み、さらには、前記一
対の電極間に印加する電圧は、経時的に極性を交互に変
化させること、さらには、前記灌注工程においては、前
記分散系が注がれている間、前記基板を振動あるいは回
転させること、さらには、前記電極間に印加する電圧
は、前記分散系中の前記電気泳動粒子の濃度の設計に応
じて制御することを好ましい態様として含むものであ
る。
【0019】この方法によれば、従来よりも微小な前記
電気泳動粒子を用いても、前記一対の基板間に前記分散
系を封入する工程を容易に行うことができる。また、前
記灌注工程において、振動や回転を加えておくことで、
余分な前記電気泳動粒子を除去しながら必要な量だけの
前記電気泳動粒子を前記基板上に付着させることが容易
となる。また特に、前記液体分散媒を適量だけ蒸発させ
る工程を含むことで、前記一対の基板を貼り合わせた際
に良好な接着状態が得られ、耐久性の高い表示装置が得
られる。
【0020】上記本発明においては、前記空パネルの内
部に前記液体分散媒を充填する工程は、一定容積の前記
液体分散媒が入った密閉容器中の気相部分に前記空パネ
ルを入れる工程と、前記密閉容器内の圧力を大気圧力よ
りも低くする工程と、一定容積の前記液体分散媒の中に
前記空パネルを沈める工程と、前記液体分散媒に前記空
パネルが浸漬した状態で前記密閉容器内の圧力を大気圧
力と同じにする工程と、を含むこと、が好ましく、さら
には、前記空パネルの内部に前記液体分散媒を充填する
工程においては、前記空パネルは前記一対の電極を具備
し、前記分散媒を前記空パネル内に注入している間は、
前記電極間に電圧を印加することが好ましい。
【0021】この方法によれば、前記空パネルの内部に
前記液体分散媒を充填することが容易となり、前記電極
に電圧を印加して前記電気泳動粒子を前記電極に引き寄
せておくことで、前記液体分散媒の流動による前記電気
泳動粒子の移動、それに伴う前記電気泳動粒子の偏在を
防ぐことができる。
【0022】上記本発明においては、前記封入工程は、
少なくとも一方の前記基板上に前記スペーサを形成する
工程と、前記スペーサの形成された前記基板上にノズル
を用いて前記分散系を配置する工程と、前記基板上に配
置された前記分散系を保ちながら前記一対の基板を接着
によって互いに固定する工程と、を含むことが好まし
く、さらには、前記スペーサの形成された前記基板上に
ノズルを用いて前記分散系を配置する工程においては、
前記スペーサの形成された前記基板は前記一対の電極を
具備し、ノズルを用いて前記分散系を配置している間
は、前記一対の電極間に直流電圧を印加しておくことが
好ましく、さらには、前記一対の基板を接着によって互
いに固定する工程においては、前記スペーサの形成され
た前記基板は前記一対の電極を具備し、少なくとも工程
の最初から前記一対の基板の互いへの接着部分が着接す
るまでの間は、前記一対の電極間に直流電圧を印加して
おくことが好ましい。
【0023】この方法によれば、前記一対の基板を接着
によって互いに固定した後で前記液体分散媒を前記空パ
ネル内に注入する必要がなくなり、封入工程に含まれる
工程数を少なくすることができ、前記電極に電圧を印加
しておくことで、前記電気泳動粒子の前記小区域からの
流出を防ぐなどの効果が得られる。
【0024】上記本発明においては、前記振動を与える
工程において、振動を与える方法は、外部振動源から発
する振動を、媒介体を介して伝える方法であること、又
は、打突体を外部から前記パネルに衝突させる方法であ
ること、を好ましい態様として含み、さらには、前記振
動を与える工程においては、外部から前記電気泳動粒子
に振動を与え終わるまでの所定の期間、前記一対の電極
を前記電気泳動粒子の帯電極性と同極性の帯電状態に保
つことを好ましい態様として含むものである。
【0025】この方法によれば、凝集などよって既に偏
在している前記電気泳動粒子を、前記分散系中に拡散さ
せ、均一に分布させることが容易にできる。また、前記
一対の電極を前記電気泳動粒子の帯電極性と同極性の帯
電状態に保つことによって、凝集などよって既に偏在し
ている前記電気泳動粒子を、前記分散系中に拡散させる
効果を促進する事ができる。
【0026】前記媒介体とは、振動を伝えうる気体、液
体、固体などを指している。
【0027】前記打突体とは、基板に衝突させることで
前記電気泳動粒子に振動を与えうる、気体、液体、固体
などを指している。
【0028】前記空パネルとは、接着によって互いに固
定された前記一対の基板であり、該一対の基板間に液体
分散媒が充填されていない状態を指している。
【0029】前記パネルとは、前記空パネルと対応し
て、接着によって互いに固定された前記一対の基板であ
り、該一対の基板間に液体分散媒が充填された状態を指
している。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図1から図13を用いて本
発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれ
らに制限されるものではない。図1から図3は、本発明
の表示装置の製造方法の各工程をフローチャートを用い
て簡便に説明するものであり、図4から図11は、本発
明の表示装置の製造方法の特徴的な工程を示すものであ
る。また図12と図13は、本発明の表示装置の製造方
法により作製した表示装置の例を示す。なお、全ての図
において共通の符号は共通の部材を指している。
【0031】1は第1基板、2は第1電極、3は第2基
板、4は第2電極、7は分散系を小区域に分割して封入
する隔壁を兼ねたスペーサ、8は液体分散媒、9は電気
泳動粒子、40は電圧印加回路、50はノズル、60は
フッ素樹脂、65は密閉容器、70は超音波処理装置、
100はパネルである。
【0032】本発明の表示装置の製造方法を具体的に説
明するために、図4から図7及び図9から図13におい
ては第1電極2と第2電極4を同一基板に、特に説明の
便宜上第1基板1に形成する例を示しており、このよう
な基板は特開平11−202804号公報で開示されて
いる方法等によって作製することができる。しかしなが
ら、これらは単に例を示したものであって、本発明はこ
れに制限されるものではない。例えば、前記一対の電極
は第2基板3に形成しても良いし、本発明には前記一対
の基板のそれぞれに第1電極2及び第2電極4が片方ず
つ形成されていても実施可能な形態も含まれている。
【0033】なお、前記一対の電極が同一基板上に形成
された表示装置は、従来の技術において述べた表示装置
の表示形態とは若干異なり、電気泳動粒子9を第1電極
2及び第2電極4間の電位差に応じて液体分散媒8中を
基板面と平行に、第1電極2上あるいは第1電極2と重
ならない第2電極4上に移動させることにより、表示を
行うものである。
【0034】例えば図12のように、正に帯電した電気
泳動粒子9に対して第2電極4を接地し、第1電極2に
正及び負の電圧を印加すると、電気泳動粒子9は電位が
相対的に低い電極上に集まるようになっている。そし
て、電気泳動粒子9及び第1電極2が黒色、第2電極4
が白色である場合、電気泳動粒子9が第1電極2上に集
まれば、白色表示を行うことができるし、電気泳動粒子
9が第1電極2と重ならない第2電極4上に集まれば、
黒色表示を行うことができる。
【0035】本発明には主に、分散系を封入する工程に
おいて、少なくとも一方の基板に電気泳動粒子を付着さ
せてから前記一対の基板を貼り合わせ、液体分散媒を空
パネルに注入する場合と、前記一対の基板を貼り合わせ
る前に、ノズルを用いて分散系を基板上に配置してから
基板を貼り合わせる場合がある。実施の形態1及び2は
前者の、実施の形態3は後者の例を示している。
【0036】(実施の形態1)図1は本発明の表示装置
の製造方法の一例を示すフローチャートである。このフ
ローチャートに従って本実施の形態を説明する。
【0037】(第1工程)電極形成基板が具備する一対
の電極間に電圧を印加しながら、電極形成基板に分散系
を接触させる。
【0038】本実施の形態において電極形成基板である
第1基板1に分散系を接触させる方法には、例えば、分
散系の中に第1基板1を浸漬する(図4)、分散系を第
1基板1上に注ぐ(図5)、等がある。この際、それぞ
れの図の中で(a)、(b)で示しているように、極性
を交互に変化させながら電圧を印加しておくことで、第
1基板1上に引き寄せておく電気泳動粒子9の量の調節
が容易となる。
【0039】分散系の中に浸漬する場合には、第1基板
1のパネルの内側になる面を下方に向けて浸漬してお
き、前記一対の電極間に電圧を印加しながら分散系中か
ら第1基板1を引き上げる方法がある(図4(c))。
その他、第1基板1を水平面に対して1乃至179°の
間の適当な角度だけ傾けておいて、前記一対の電極間に
電圧を印加しながら分散系中から第1基板1を引き上げ
る方法を採っても良い。いずれにしても、余分な分散系
を第1基板1上から零してしまえれば良い。
【0040】分散系を第1基板1上に注ぐ場合には第1
基板1を適当な角度だけ傾けておいて前記一対の電極間
に電圧をかける方法をとり、必要な量の電気泳動粒子9
を第1基板1上に引き寄せておきながら、余分な分散
系、特に余分な液体分散媒8を第1基板1上から零して
しまうのが好ましい(図5(c))。この際に、第1基
板1を振動又は回転させておくことで、余分な分散系を
効率的に排除する事ができる。この場合の前記傾ける角
度は、1乃至179°の間で任意であるが、好ましく
は、30乃至150°である。
【0041】前記一対の基板間に印加する電圧は、前記
一対の基板間に形成される小区域の大きさ、すなわち画
素の大きさの設計に応じて、後で所望の濃度分布の分散
系が得られるような量の電気泳動粒子9が第1電極2あ
るいは第2電極4に引き寄せられるように、さらに所望
の帯電量分布を有する電気泳動粒子9を得られるよう
に、制御する。これらの目的で印加する電圧は1乃至3
00V程度の電圧値で、その周波数は0.01乃至50
Hz程度、印加時間は5乃至10分程度が好ましい。し
かし印加電圧の波形には特に制限はない。
【0042】基板の材料としては、耐熱性の高い材料、
例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)、PES
(ポリエーテルサルフォン)等の樹脂フィルム、或いは
ガラス、石英などの無機材料を使用することができる。
但し、振動を与えることを考慮すると、ガラス等の無機
材料よりは、PET等の樹脂の方が振動を与えた際に破
壊しにくく好ましい。厚さは、用途により適宜選択され
る。
【0043】電極の材料としては、金属材料や、金属酸
化物などが使用でき、例えばAl、Au、Pt、Ag、
Ni、Ti、Crや、ITO(インジウム・チン・オキ
サイド)、ZnO、SnO2等がある。特に、表示側の
基板に形成する電極には、ITOなどの透明電極材料を
用いるのが好ましい。
【0044】電気泳動粒子の材料としては、酸化チタン
(白)が代表的であるが、周知のコロイド粒子の他、種
々の有機質又は無機質顔料、染料、金属粉、ガラスある
いは樹脂などの微粉末、これらに着色剤を添加したも
の、例えばポリスチレンとカーボンの混合物等を適宜使
用できる。また、これら1種類だけで使用しても、これ
らのうち2種類以上を混ぜて使用しても良い。粒径は、
通常0.1乃至50μm位のものを使用する。しかし、
表示装置の高精細化を考えると、好ましくは0.1乃至
5μm程度が好ましい。特に、本発明の表示装置の製造
方法を用いれば、このように微小な電気泳動粒子を用い
ても、適切な粒子濃度と、良好な分散状態の分散系を表
示装置内に封入することが可能となる。
【0045】通常は同種の電気泳動粒子は同極性の帯電
を示すのだが、仮に分散系中に異極性の帯電を示す電気
泳動粒子が混在する場合には、基板上に分散系を配置す
る前の段階で、電気泳動法などの手段により同極性の電
気泳動粒子のみを選別して使用するのが好ましい。
【0046】液体分散媒としては、絶縁性液体であれば
なんでも良く、例えばシリコーンオイル、トルエン、キ
シレン、高純度石油、イソパラフィン系炭化水素等を使
用できる。また、絶縁性を損なわない限りにおいて、液
体分散媒に着色剤を混ぜたもの等を使用することもでき
る。
【0047】また、分散系には荷電制御剤(図示無し)
を混入しておくのが好ましい。これによっても電気泳動
粒子9の帯電量を制御することができ、表示装置の製品
状態において前記一対の電極に電圧を印加した際の電気
泳動粒子9の電極上への吸着力等を、設計に応じた値に
することができる。
【0048】電気泳動粒子の帯電量を制御すると、表示
のメモリー性と、表示品質の劣化との折合いを付けるこ
とができる。つまり、電気泳動粒子の帯電量が多く、電
気泳動粒子の電極上への吸着力が強ければ、分子間力の
大きな吸着状態が得られ、表示のメモリー性は良くなる
が、吸着力が強すぎると、次第に電極上に電気泳動粒子
が固着するようになり、コントラストが悪化するなどの
問題が生じる。これを適切に制御することができるよう
になる。
【0049】荷電制御剤としては、正荷電制御剤と負荷
電制御剤がある。正荷電制御剤としては、ナフテン酸金
属塩(コバルト、マンガン、鉄など)、オクチン酸ジル
コニウムなどを任意に使用できる。負荷電制御剤として
は、レシチン、石油スルフィン酸カルシウム、アルキル
ベンゼンスルフォン酸ソーダ、アルキルアラニンなどが
任意に使用できる。
【0050】(第2工程)第1基板1上の液体分散媒8
を適量だけ蒸発させる。蒸発の程度は、電気泳動粒子9
が液体分散媒8で湿っている程度にしておくのが好まし
い。
【0051】この工程を含むことにより、後工程で前記
一対の基板を互いに接着する際に接着面に液体分散媒8
がほとんど存在せず、良好な接着状態が得られる上、電
気泳動粒子9は残留している液体分散媒8の表面張力等
によって基板に吸着されていて、空パネル内に液体分散
媒8を注入するまでの間に、前記電気泳動粒子9が剥
離、浮遊していくなどの問題を防ぐことができる(図
6)。
【0052】液体分散媒8を蒸発させるには大気中の自
然乾燥でも可能だが、塵等の付着を防ぐため、好ましく
はデシケータなどに密閉した状態で乾燥させる。また、
適宜熱を加えて蒸発を促進させても良い。
【0053】(第3工程)第1基板1と第2基板3とを
接着によって貼り合わせる。但し、後工程で一対の基板
間に液体分散媒8を注入するための注入口として、一部
接着しない部分を残しておく(図示無し)。
【0054】接着剤としてはホットメルト接着剤や、紫
外線硬化型接着剤等が使用でき、例えば、東亞合成
(株)製の紫外線硬化型接着剤「ラックストラックLC
R0634」等がある。
【0055】(第4工程)一定容積の液体分散媒8が入
った密閉容器65中の気相部分に空パネルを入れ、密閉
容器65の気相部分の圧力を大気圧力よりも低くしてか
ら、一定容積の液体分散媒8の中に空パネルを沈め、密
閉容器65中の気相部分の圧力を大気圧力と同じにし
て、前記一対の基板間に設けてある注入口から液体分散
媒8を注入、充填し、パネル100を形成する。(図
9)。
【0056】この際、液体分散媒8の流動によって前記
小区域間を電気泳動粒子9が移動しないように、前記一
対の電極間に例えば1乃至300V程度の適当な強さの
直流電圧を印加しておき、電気泳動粒子9を電極に引き
寄せておくのが好ましい。
【0057】(第5工程)密閉容器65内からパネル1
00を取り出し、前記注入口部分を接着する。これによ
り、パネル100内に分散系を封入することができる。
この接着作業中においても、第1基板1に含まれる第1
電極2及び第2電極4に電圧を印加して、第1基板1上
に、電気泳動粒子9を引き寄せておくことが好ましい
(図10)。
【0058】(第6工程)偏在する電気泳動粒子9に振
動を与え、分散系中に電気泳動粒子9を拡散させる。図
11では、分散系を挟持したパネル100を超音波処理
装置70にかけて、本工程を行っている例を示してい
る。この他、外部振動源の振動を固体を介して直接伝え
ても良いし、パネルを破壊しない程度の強さで液滴やハ
ンマー状の固体などの打突用物体を外部からパネル10
0に衝突させて振動を与えても良い。また、外部から電
磁波を当てるなど、前記一対の電極以外から電磁気的な
作用を及ぼして拡散させても良い。このとき同時に一対
の電極に例えば+15V程度の適当な強さの、極性は電
気泳動粒子9の液体分散媒8中での帯電極性と同じ電圧
を印加して一対の電極を電気泳動粒子9と同じ極性に帯
電させ、電気泳動効果により液体分散媒8中での電気泳
動粒子9の拡散を促進させることが好ましい。
【0059】媒介体として媒介液体を用い、媒介液体中
にパネル100を浸して振動を与える場合には、媒介液
体としてはシリコーンオイル、トルエン、キシレン、高
純度石油、イソパラフィン系炭化水素、等の液体分散媒
と同じ液体を用いるのが好ましい。
【0060】なお本実施の形態のようにして与える振動
は、基板の強度や電気泳動粒子の凝集の強さによって適
宜選択するが、およそ周波数は0.01乃至100KH
z程度が好ましい。例えば基板としてPETを使用し、
電気泳動粒子として1乃至2μm程度のポリスチレンと
カーボンの混合物を用いた場合などは、周波数は1K乃
至50KHz程度で与えると良い。
【0061】なお、本実施の形態の第1、第2工程を第
2基板3に対しても施して、前記一対の基板の両方に前
記一対の電極を形成し、第3〜第6工程を同様に行って
表示装置を製造することもできる。この場合は第1基板
1及び第2基板3のうちのいずれか一方の前記一対の電
極の材料には、前記の透明電極材料を用いる。
【0062】(実施の形態2)図2は本実施の形態のフ
ローチャートを示している。このフローチャートに従っ
て本実施の形態を説明する。
【0063】(第1工程)電気泳動粒子9を含む印刷用
材料を前記基板に印刷する。この方法を用いれば、電気
泳動粒子9の前記基板上での単位面積当たりの量を容易
に制御でき、後で適切な濃度を持つ分散系を与えるよう
な電気泳動粒子9を前記基板上に配置することができ
る。このとき、印刷面にはフッ素樹脂60をコートして
おくことが好ましい。これによって、後で電気泳動粒子
9を拡散させるときに、前記基板からの剥離が容易とな
り、良好な拡散状態を持つ分散系が得られる。図8では
第2基板3に印刷する例を示している。
【0064】フッ素樹脂の材料には特に制限はなく、例
えば市販の住友スリーエム株式会社製の「フロラードF
C−722」等が使用できる。ただし、表示側の基板に
コートする場合には透明なものを使用する必要があり、
例えば旭硝子株式会社製の「CYTOP」等が使用でき
る。
【0065】(第2工程)電気泳動粒子9を印刷した基
板を、印刷面を内側にして他方の基板と貼り合わせる。
但し、後工程で一対の基板間に液体分散媒8を注入する
ための注入口として、一部接着しない部分を残しておく
(図示無し)。
【0066】(第3工程)〜(第5工程) 実施の形態1に記載の(第4工程)〜(第6工程)と同
様。
【0067】(実施の形態3)図3は本実施の形態のフ
ローチャートを示している。このフローチャートに従っ
て本実施の形態を説明する。
【0068】(第1工程)スペーサの形成された第1基
板1に、ノズル50を用いて分散系を配置する。これに
より所望の位置に分散系を滴下することができるため、
第1基板1上の単位面積当たりの分散系の滴下量を容易
に制御でき、後で適切な濃度を持つ分散系を与えるよう
な量の電気泳動粒子9を配分することができる(図
7)。
【0069】(第2工程)第1基板1上に配置された分
散系を保った状態で、前記一対の基板を接着によって互
いに固定する。これにより、パネル100内に分散系を
封入することができる(図10)。
【0070】上記第1工程及び第2工程においては、第
1電極2及び第2電極4に例えば10乃至100V程度
の適当な強さの直流電圧を印加しておくことで、電気泳
動粒子9の前記小区域からの流出を防ぐなどの効果が得
られる。
【0071】(第3工程)実施の形態1に記載の第6工
程と同様。
【0072】
【実施例】以下、図を参照しながら本発明の実施例を説
明する。
【0073】(実施例1)本例の工程は、図1に対応す
る。
【0074】本例においては、基板は、厚さ200μm
程度のPETフィルムを用い、電極は、第1電極2とし
て金属の電極材料の上に暗黒色の黒色カラーレジストを
塗布したものを、第2電極4として反射によって白色に
観測されるITOを用いた。粒径1乃至2μm程度で黒
色のポリスチレンとカーボンの混合体を電気泳動粒子9
として使用した。また、液体分散媒8には、脂肪族炭化
水素を主原料とするエクソン社製の「アイソパー」を使
用し、荷電制御剤としてロジンエステル(図示無し)を
混合して使用した。なお、液体分散媒8中に電気泳動粒
子9を分散させたとき、電気泳動粒子9の帯電極性は正
であった。
【0075】(第1工程)上記のような材料から成る分
散系を満たした容器(図示無し)の中に第1基板1を、
表示装置の内側になる面を下に向けて沈め、直後に第1
電極2及び第2電極4に±60Vの交流矩形波を1Hz
で印加した。この際、容器内の分散系はゆっくりと撹拌
しておいた。電圧印加時間は8分とした。また容器内の
分散系に含まれる電気泳動粒子9の濃度は、本例にて最
終的に作製される電気泳動表示装置の表示に最適とされ
る濃度よりも低めに調整しておいた。
【0076】その後に、第1電極2に−60Vを、第2
電極4に+60Vの電圧を印加して、正に帯電している
電気泳動粒子9を第1電極2上に引き寄せておき、容器
に満たされた分散系の液面を徐々に下げ、容器内に沈め
られていた第1基板1を、分散系に接触している状態か
ら解除した。その後に第1電極2及び第2電極4の間に
印可されている電圧を解除した。
【0077】(第2工程)第1工程で第1基板1上に配
置した分散系に含まれる液体分散媒8を、適量だけ蒸発
させた。蒸発させる際には、第1基板1をデシケータに
入れた。これにより、第1基板1上の液体分散媒8はほ
とんど蒸発し、第1基板1上の電気泳動粒子9は若干湿
った状態になった(図6)。
【0078】(第3工程)第1基板1と第2基板3の周
囲及びその他の接着部分に富士フィルム社製「スタフィ
クス」を用いて熱融着による接着を行なった。但し、後
工程で、空パネル内に外部から液体分散媒8を注入する
ための注入口(図示無し)部分は接着しなかった。
【0079】(第4工程)一定容積の液体分散媒8が入
った密閉容器65中の気相部分に空パネルを入れ、密閉
容器65の気相部分の圧力を大気圧力よりも低くしてか
ら、一定容積の液体分散媒8の中に空パネルを沈める。
このとき、第1基板1に含まれる第1電極2に−100
V、第2電極4に+100Vの直流電圧を印加させて、
正に帯電している電気泳動粒子9を第1電極上に引き寄
せておいた。
【0080】次に密閉容器65中の気相部分の圧力を大
気圧力と同じにして、前記一対の基板間に設けてある注
入口から液体分散媒8を充填した(図9)。
【0081】(第5工程)密閉容器65内から速やかに
パネル100を取り出し、注入口を接着してパネル10
0内に分散系を封入した。
【0082】(第6工程)液体分散媒8と同じ材料であ
る、エクソン社製の「アイソパー」を満たした超音波処
理装置70によりパネル100に周波数50KHzの振
動を伝え、パネル100内に挟持される分散系中で偏在
する電気泳動粒子9を拡散させた。この際、第1電極2
及び第2電極4は短絡させてあり、そこには電気泳動粒
子9のもつ表面電荷の極性と同極性の電圧+15Vを印
加しておいた(図11)。
【0083】なお、本例に従って製造したパネル100
に電圧印加回路40を接続して表示を行ったところ、駆
動電圧が±40Vのとき、表示コントラストが8、応答
速度が10msec程度の値が得られた。
【0084】また、本例のように小さな粒径の電気泳動
粒子9を用いることで、解像度に直接関係する小区域の
大きさである画素の大きさは、100μm角で形成する
ことができた。
【0085】(実施例2)本例の工程も実施例1と同様
に、図1に対応する。
【0086】本例において使用した材料は実施例1と同
様である。
【0087】(第1工程)分散系を第1基板1の、表示
装置の内側になる面にむけて6分間、流量10ml/s
ec、ノズル径100μmで噴射した。この際に、第1
基板1は水平面から角度を持つように傾斜させた。この
とき、傾斜角度は約30°とした。また、第1電極2及
び第2電極4に±60Vの矩形波電圧を1Hzで印加し
ておいた。なお、噴射した分散系に含まれる電気泳動粒
子9の濃度は、本例にて最終的に作製される電気泳動表
示装置の表示に最適とされる濃度よりも高めに調整した
(図5)。
【0088】(第2工程)〜(第6工程) 実施例1記載の第2工程以降と同様。
【0089】本例に従って製造した電気泳動表示装置の
性能は、実施例1と同様であった。
【0090】(実施例3)本例の工程は、図2に対応す
る。
【0091】本例において使用した材料は接着剤を除い
て実施例1と同様である。
【0092】(第1工程)ノズルを用いて分散系を、第
1基板1上の画素領域(図示無し)に配置した。この際
に、第1電極2に−50V、第2電極4に+50Vの直
流電圧を印加させておき、配置後の電気泳動粒子9を第
1電極2上に引き寄せておいた。なお、分散系に含まれ
る電気泳動粒子9の濃度は、本例にて最終的に作製され
る前記電気泳動表示装置の表示に最適とされる濃度に調
整した(図7)。
【0093】(第2工程)第1基板1と第2基板3の周
囲及びその他の接着部分の接着を行った。これにより、
パネル100内に分散系を封入することができた。な
お、接着剤には東亜合成(株)製の紫外線硬化型接着剤
「ラックストラックLCR0634」を用いた。
【0094】この際、第1電極2に−50V、第2電極
4に+50Vの直流電圧を印加させて、電気泳動粒子9
を第1電極2上に移動させておいた。
【0095】(第3工程)パネル100に向けて液適を
流量10ml/sec、ノズル径100μm程度で噴射
し、パネル100に挟持される分散系中の電気泳動粒子
9に振動を加えた。それと同時に、短絡させた第1電極
2及び第2電極4に電気泳動粒子9のもつ表面電荷の極
性と同極性の電圧+15Vを印加しておいた。
【0096】本例に従って製造した電気泳動表示装置の
性能は、実施例1と同様であった。
【0097】(実施例4)本例の工程は、図3に対応す
る。
【0098】本例において使用した材料は実施例1と同
様である。なお、本例においては、基板をフッ素樹脂で
コーティングしており、その材料については後述する。
【0099】(第1工程)複写機(図示無し)を用い
て、電気泳動粒子9を第2基板3に印刷した。なお、第
2基板3の印刷面にはフッ素樹脂60を塗布しておい
た。フッ素樹脂60には、旭硝子株式会社製の「CYT
OP」を使用した(図8)。
【0100】(第2工程)〜(第5工程) 実施例1記載の(第3工程)〜(第6工程)と同様。
【0101】本例に従って製造した電気泳動表示装置の
性能は、実施例1と同様であった。
【0102】(実施例5)本例の工程は、図3に対応す
る。
【0103】本例において使用した材料は実施例1と同
様である。なお、本例においても、基板をフッ素樹脂で
コーティングしており、その材料については後述する。
【0104】(第1工程)複写機(図示無し)を用いて
電気泳動粒子9を含有する液体分散媒8を第1基板1に
印刷した。なお、第1基板1の印刷面にはフッ素樹脂6
0を塗布しておいた。フッ素樹脂60には、住友スリー
エム株式会社製の「フロラードFC−722」を使用し
た(図8)。
【0105】(第2工程)〜(第5工程) 実施例1記載の(第3工程)〜(第6工程)と同様。
【0106】本例に従って製造した電気泳動表示装置の
性能は、実施例1と同様であった。
【0107】(実施例6)本例では、一対の基板のどち
らにも第1電極2及び第2電極4が形成されている場合
について記載する。なお、本例では第2基板3側を表示
側として作製した。
【0108】本例において使用した材料は第2基板3上
に形成した一対の電極以外は実施例1と同様である。第
2基板3上の電極の材料については後述する。
【0109】(第1工程)電気泳動粒子9を含有する液
体分散媒8を満たした容器(図示無し)の中に、第1基
板1を、パネルの内側となる面が下方を向くようにして
沈め、直後に第1電極2及び第2電極4に±60Vの矩
形波電圧を1Hzで印加した。この際に、容器内の分散
系はゆっくりと撹拌しておいた。電圧印加時間は8分と
した。また、容器内の分散系に含まれる電気泳動粒子9
の濃度を、本例にて最終的に作製される電気泳動表示装
置の表示に最適とされる濃度よりも低めに調整した(図
4)。
【0110】その後に、第1電極2に−60Vの、第2
電極4に+60Vの電圧を印加して、電気泳動粒子9を
第1電極2上に引き寄せておき、容器に満たされた分散
系の液面を徐々に下げ、容器内に沈められている第1基
板1を、分散系に曝されている状態から解除した。その
後に第1基板1の、パネルの内側となる面を上方に向け
てから、第1電極2及び第2電極4の電圧を解除した。
【0111】(第2工程)第1工程で第1基板1上に配
置した分散系中に含まれる液体分散媒8を適量だけ蒸発
させた。蒸発させる際には、第1基板1をデシケータに
入れた。これにより、第1基板1上の液体分散媒8はほ
とんど蒸発し、電気泳動粒子9は液体分散媒8によって
若干湿った状態になった(図6)。
【0112】第2基板3にも、同様に上記第1及び第2
工程を行った。なお、第2基板3に形成される第1電極
2及び第2電極4はITOで形成した。
【0113】(第3工程)第1基板1と第2基板3の周
囲及びその他の接着部分に富士フィルム社製「スタフィ
クス」を用いて熱融着による接着を行なった。但し、後
工程で一対の基板間に液体分散媒8を注入するための注
入口(図示無し)部分は接着しなかった。
【0114】(第4工程)一定容積の液体分散媒8が入
った密閉容器65中の気相部分に空パネルを入れ、密閉
容器65の気相部分の圧力を大気圧力よりも低くしてか
ら、一定容積の液体分散媒8の中に空パネルを沈める。
このとき、第1基板1に含まれる第1電極2に−100
V、第2電極4に+100Vの直流電圧を印加させて、
正に帯電している電気泳動粒子9を第1電極上に引き寄
せておいた。
【0115】次に密閉容器65中の気相部分の圧力を大
気圧力と同じにして、前記一対の基板間に設けてある注
入口から液体分散媒8を充填した(図9)。
【0116】(第5工程)密閉容器65内から速やかに
パネル100を取り出し、注入口を接着してパネル10
0内に分散系を封入した。
【0117】(第6工程)液体分散媒8と同じ材料であ
る、エクソン社製の「アイソパー」を満たした超音波処
理装置70によりパネル100に周波数50KHzの振
動を伝え、パネル100内に挟持される分散系中で偏在
する電気泳動粒子9を拡散させた。この際、第1電極2
及び第2電極4は短絡させてあり、そこには電気泳動粒
子9のもつ表面電荷の極性と同極性の電圧+15Vを印
加しておいた(図11)。
【0118】本例に従って製造した電気泳動表示装置の
第1基板1に形成されている第1電極2と第2基板3の
第1電極2とを同期させ、また第1基板1に形成されて
いる第2電極4と第2基板3の第2電極4とを同期させ
て、それぞれに電圧を印加して表示を行ったところ、駆
動電圧が±25Vのとき、表示コントラストが8、応答
速度が7msec程度の値が得られた(図13)。
【0119】
【発明の効果】以上、詳細に述べてきたように、本発明
によれば、微小な電気泳動粒子を用いても、分散系中の
電気泳動粒子の良好な均一分布状態を実現することがで
き、従来よりも解像度及びコントラストを向上させた電
気泳動表示装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置の製造方法の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図2】本発明の表示装置の製造方法の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図3】本発明の表示装置の製造方法の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図4】本発明の表示装置の製造方法の一工程を示す概
念図である。
【図5】本発明の表示装置の製造方法の一工程を示す概
念図である。
【図6】本発明の表示装置の製造方法の一工程を示す概
念図である。
【図7】本発明の表示装置の製造方法の一工程を示す概
念図である。
【図8】本発明の表示装置の製造方法の一工程を示す概
念図である。
【図9】本発明の表示装置の製造方法の一工程を示す概
念図である。
【図10】本発明の表示装置の製造方法の一工程を示す
概念図である。
【図11】本発明の表示装置の製造方法の一工程を示す
概念図である。
【図12】本発明の表示装置の製造方法により作製した
表示装置の一例を示す概念図である。
【図13】本発明の表示装置の製造方法により作製した
表示装置の一例を示す概念図である。
【図14】従来の電気泳動表示装置を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
1 第1基板 2 第1電極 3 第2基板 4 第2電極 7 スペーサ 8 液体分散媒 9 電気泳動粒子 40 電圧印加回路 50 ノズル 60 フッ素樹脂 65 密閉容器 70 超音波処理装置 100 パネル

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向配置し少なくとも一方が透明
    な一対の基板と、該一対の基板を所定の間隔に保持する
    スペーサと、前記一対の基板間に挟持された液体分散媒
    と電気泳動粒子とを含む分散系と、該分散系に電圧を印
    加する一対の電極と、を少なくとも有し、前記一対の電
    極の間に印加した電圧により生ずる電界によって前記電
    気泳動粒子を移動させることで表示を行う表示装置の製
    造方法であって、前記一対の基板間に前記分散系を封入
    する封入工程と、前記一対の基板間に封入された前記分
    散系中の前記電気泳動粒子に外部から振動を与える工程
    と、を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記封入工程は、少なくとも一方の前記
    基板上に前記電気泳動粒子を付着させる付着工程と、前
    記電気泳動粒子が付着した面を内側に向けて前記スペー
    サを介して前記一対の基板を接着によって互いに固定し
    て前記空パネルを作製する工程と、前記空パネルの内部
    に前記液体分散媒を充填してパネルを作製する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記付着工程は、前記一対の電極を具備
    する前記基板である電極形成基板を作製する工程と、前
    記電極形成基板が具備する前記一対の電極間に電圧を印
    加しながら、前記電極形成基板に前記分散系を接触させ
    る工程と、前記電極形成基板上に残された前記分散系に
    含まれる前記液体分散媒を適量だけ蒸発させる工程と、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の表示装置の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記分散系を接触させる工程は、前記分
    散系の中に前記電極形成基板を浸漬する工程と、前記電
    極形成基板が具備する前記一対の電極間に電圧を印加し
    つつ、前記分散系を前記電極形成基板上から零しながら
    前記電極形成基板を前記分散系中から引き上げる工程
    と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の表示装置
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記分散系を接触させる工程は、前記分
    散系を前記電極形成基板上に注ぎつつ、前記電極形成基
    板が具備する前記一対の電極間に電圧を印加しながら前
    記電極形成基板上から前記分散系を零す灌注工程である
    ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記一対の電極間に印加する電圧は、経
    時的に極性を交互に変化させることを特徴とする請求項
    3から5のうちのいずれか一項に記載の表示装置の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記灌注工程においては、前記分散系が
    注がれている間、前記基板を振動あるいは回転させるこ
    とを特徴とする請求項5又は6に記載の表示装置の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記電極間に印加する電圧は、前記分散
    系中の前記電気泳動粒子の濃度の設計に応じて制御する
    ことを特徴とする請求項3から7のうちのいずれか一項
    に記載の表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記付着工程においては、前記電気泳動
    粒子を含む印刷用材料を前記基板上に印刷することによ
    り、前記基板上に前記電気泳動粒子を付着させることを
    特徴とする請求項2に記載の表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記空パネルの内部に前記液体分散媒
    を充填する工程は、一定容積の前記液体分散媒が入った
    密閉容器中の気相部分に前記空パネルを入れる工程と、
    前記密閉容器内の圧力を大気圧力よりも低くする工程
    と、一定容積の前記液体分散媒の中に前記空パネルを沈
    める工程と、前記液体分散媒に前記空パネルが浸漬した
    状態で前記密閉容器内の圧力を大気圧力と同じにする工
    程と、を含むことを特徴とする請求項2から9のうちの
    いずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記空パネルの内部に前記液体分散媒
    を充填する工程においては、前記空パネルは前記一対の
    電極を具備し、前記分散媒を前記空パネル内に注入して
    いる間は、前記電極間に電圧を印加することを特徴とす
    る請求項10に記載の表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記封入工程は、少なくとも一方の前
    記基板上に前記スペーサを形成する工程と、前記スペー
    サの形成された前記基板上にノズルを用いて前記分散系
    を配置する工程と、前記基板上に配置された前記分散系
    を保ちながら前記一対の基板を接着によって互いに固定
    する工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の
    表示装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記スペーサの形成された前記基板上
    にノズルを用いて前記分散系を配置する工程において
    は、前記スペーサの形成された前記基板は前記一対の電
    極を具備し、ノズルを用いて前記分散系を配置している
    間は、前記一対の電極間に直流電圧を印加しておくこと
    を特徴とする請求項12に記載の表示装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記一対の基板を接着によって互いに
    固定する工程においては、前記スペーサの形成された前
    記基板は前記一対の電極を具備し、少なくとも工程の最
    初から前記一対の基板の互いへの接着部分が着接するま
    での間は、前記一対の電極間に直流電圧を印加しておく
    ことを特徴とする請求12又は13に記載の表示装置の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 前記振動を与える工程において、振動
    を与える方法は、外部振動源から発する振動を、媒介体
    を介して伝える方法であることを特徴とする請求項1か
    ら14のうちのいずれか一項に記載の表示装置の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 前記振動を与える工程において、振動
    を与える方法は、打突体を外部から前記パネルに衝突さ
    せる方法であることを特徴とする請求項1から14のう
    ちのいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記振動を与える工程においては、外
    部から前記電気泳動粒子に振動を与え終わるまでの所定
    の期間、前記一対の電極を前記電気泳動粒子の帯電極性
    と同極性の帯電状態に保つことを特徴とする請求項15
    又は16に記載の表示装置の製造方法。
JP2000365076A 2000-03-23 2000-11-30 表示装置の製造方法 Pending JP2002169189A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000365076A JP2002169189A (ja) 2000-11-30 2000-11-30 表示装置の製造方法
US09/814,734 US6919003B2 (en) 2000-03-23 2001-03-23 Apparatus and process for producing electrophoretic device
US11/061,878 US7691248B2 (en) 2000-03-23 2005-02-22 Apparatus and process for producing electrophoretic device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000365076A JP2002169189A (ja) 2000-11-30 2000-11-30 表示装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002169189A true JP2002169189A (ja) 2002-06-14

Family

ID=18835911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000365076A Pending JP2002169189A (ja) 2000-03-23 2000-11-30 表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002169189A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004271610A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Canon Inc カラー電気泳動表示装置
JP2010156948A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Chuka Eikan Kofun Yugenkoshi 無気泡のパッケージ方法
JP2011048324A (ja) * 2009-07-29 2011-03-10 Seiko Epson Corp 電気泳動粒子を含む分散液を封入する封入方法及び電気泳動表示体
JP2012063690A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Mitsubishi Pencil Co Ltd 電気泳動表示装置の製造方法
JP2012063696A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Mitsubishi Pencil Co Ltd 電気泳動表示装置の製造方法
JP2012181256A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Mitsubishi Pencil Co Ltd 電気泳動表示装置の製造方法
US8446663B2 (en) 2010-08-13 2013-05-21 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Electronic paper display device and method for manufacturing the same
JP2015021818A (ja) * 2013-07-18 2015-02-02 コニカミノルタ株式会社 表面プラズモン増強蛍光測定装置および表面プラズモン増強蛍光測定方法
JP2015021889A (ja) * 2013-07-22 2015-02-02 コニカミノルタ株式会社 表面プラズモン増強蛍光測定方法および表面プラズモン増強蛍光測定装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004271610A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Canon Inc カラー電気泳動表示装置
JP2010156948A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Chuka Eikan Kofun Yugenkoshi 無気泡のパッケージ方法
JP2011048324A (ja) * 2009-07-29 2011-03-10 Seiko Epson Corp 電気泳動粒子を含む分散液を封入する封入方法及び電気泳動表示体
US8446663B2 (en) 2010-08-13 2013-05-21 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Electronic paper display device and method for manufacturing the same
JP2012063690A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Mitsubishi Pencil Co Ltd 電気泳動表示装置の製造方法
JP2012063696A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Mitsubishi Pencil Co Ltd 電気泳動表示装置の製造方法
JP2012181256A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Mitsubishi Pencil Co Ltd 電気泳動表示装置の製造方法
JP2015021818A (ja) * 2013-07-18 2015-02-02 コニカミノルタ株式会社 表面プラズモン増強蛍光測定装置および表面プラズモン増強蛍光測定方法
JP2015021889A (ja) * 2013-07-22 2015-02-02 コニカミノルタ株式会社 表面プラズモン増強蛍光測定方法および表面プラズモン増強蛍光測定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6919003B2 (en) Apparatus and process for producing electrophoretic device
JP4557539B2 (ja) 電気泳動ディスプレイ
US7342556B2 (en) Display device and method of manufacturing same
US20020171910A1 (en) Electrophoretic displays containing magnetic particles
CA2176483A1 (en) Formulations for improved electrophoretic display suspensions and related methods
JP2002169189A (ja) 表示装置の製造方法
US20230205037A1 (en) Color electrophoretic layer including microcapsules with nonionic polymeric walls
JP2000056342A (ja) 電気泳動表示装置及びその駆動方法
JP2000322003A (ja) 表示装置の製造方法
JP3492237B2 (ja) 表示装置の製造方法
JP2002072258A (ja) 電気泳動型表示装置およびその製造方法
CN116560151A (zh) 电子纸显示面板及其制备方法和驱动方法、显示装置
JP2004184945A (ja) 表示装置
JP2004151553A (ja) 電気泳動表示装置の製造方法
JPH0353224A (ja) 電気泳動表示素子
JP3501679B2 (ja) 表示装置の製造方法
WO2012112824A1 (en) Dual particle electrophoretic display and method of manufacturing same
JP3531916B2 (ja) 電気泳動装置の製造方法
JP3483521B2 (ja) 電気泳動装置の製造方法
US20240036431A1 (en) Transparent electrophoretic display with hollow common electrode
JP2002099002A (ja) 画像表示媒体
JP4706947B2 (ja) 固体粒子の分散方法及び表示装置
JP2002268100A (ja) 表示装置
JP3486596B2 (ja) 電気泳動表示装置の製造装置および製造方法
JP2004117453A (ja) 表示媒体とそれを用いた表示装置及び可逆表示体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040720

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040907