JP2002168744A - せん断試験治具 - Google Patents

せん断試験治具

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JP2002168744A JP2000362430A JP2000362430A JP2002168744A JP 2002168744 A JP2002168744 A JP 2002168744A JP 2000362430 A JP2000362430 A JP 2000362430A JP 2000362430 A JP2000362430 A JP 2000362430A JP 2002168744 A JP2002168744 A JP 2002168744A
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健司 本橋
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 試験体の引張せん断試験または繰り返しせん
断試験を可能とする簡単な構造の試験用冶具とその補助
部材を提供する。 【解決手段】 材料試験機に装着される第1試験用冶具
および第2試験用冶具よりなるせん断試験用であって、
第1試験用冶具はジョイント部、冶具本体、把持部より
なり、ジョイント部の軸の延長線上に把持部の中心が位
置した構造となっており、第2試験用冶具はジョイント
部、冶具本体、把持部よりなり、外観クランク形状とな
っているか、あるいはジョイント部が第1ジョイント
部、連結部、第2ジョイント部よりなり外観クランク形
状を有するか、あるいは把持部の中心が第2ジョイント
部の軸の延長線上とずれた位置に設けられたものであ
る。また試験用冶具は上述の第2試験用冶具に対応する
構造となったものであり、また補助部材は上述のジョイ
ント部に対応する構造となったものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム弾性を有する試験
体、とくに建築用シーリング材の材料試験において、引
張せん断試験または繰り返しせん断試験が容易に実施す
ることができるようにしたせん断試験用治具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】シーリング材などのゴム弾性を有する材
料を評価するために、通常JIS A1439(199
7)に規定される単純な引張試験が行われている。すな
わち、建築用シーリング材の場合は、たとえば図6に示
すような被着体により形成した目地状空間にシーリング
材を充填し硬化させていわゆる小口の試験体を作製し、
ついで、図7や図8に示すように試験機の上下のバーに
結合された試験用治具Dと試験用治具Eに試験体の両端
を把持させ、上下のバーのいずれかを駆動させて試験体
に引張り荷重をかけるという単純な引張試験データに基
づいて応力や伸びなどの材料特性を評価することが行わ
れている。しかしながら、シーリング材は建物外壁の防
水のためなどに充填使用されるが、この場合建築物の振
動、外壁材の収縮とか風圧などの諸要因により硬化後の
シーリング材には引張り・圧縮方向の応力だけではな
く、せん断方向にも応力がかかることが多い。しかし、
前述の単純な引張試験による方法ではシーリング材に必
要とされる硬化後の物理特性の評価が引張り・圧縮方向
のみに限定されており、シーリング材の評価方法として
は十分なものではない。
【0003】また、接着剤の接着強さ試験では、JIS
K 6850(1994)「接着剤の引張り・せん断接
着強さ試験法」に接着された部分のせん断方向での接着
強さを評価する方法が規定されている。ここでは、まず
図9に示すような試験体を製造し、これを図10に示す
ように試験用治具D,Eに把持させて引張試験を行いせ
ん断接着強さを計測している。
【0004】ここでは、試験体を製造するにあたり、被
接着材料14と被接着材料14’とを接着剤13で図9
に示すように端部付近で接着するが、そのままでは引張
り試験機に把持させることができない。そのため、図9
に示すように、補助材15を被接着材料14’に向かい
合わせるように接着剤13’で接着するとともに補助材
15’を被接着材料14に向かい合わせるように接着し
て、治具で把持させやすいように加工する。この場合、
接着した箇所の長手方向の中心が引張り方向となるよう
にしなければならない。
【0005】そして、図10に示すように試験用治具
D、Eに試験体を把持させて引張試験を行い、接着剤1
3の接着強さを測定するものである。
【0006】ここで使用する試験用治具は従来の引張試
験用のものをそのまま使用するものである。
【0007】しかしながら、従来の形状の治具そのもの
であるから、本発明で目的とするようなゴム弾性を有す
る試験体の引張せん断や繰り返しせん断の試験に応用す
ることは不可能で、そのまま応用しても単純なせん断接
着強さ引張試験そのものとなってしまう。
【0008】このため、ゴム弾性を有する試験体のせん
断変形試験は評価方法が確立されていないのが現状であ
る。
【0009】
【解決しようとする課題】本発明は、上述のような従来
の事情にかんがみてなされたものであって、従来からあ
る引張試験機を使用してゴム弾性を有する試験体、とく
にシーリング材の引張せん断試験または繰り返しせん断
試験が可能で簡単な試験用治具を提供しようとするもの
である。本試験用治具は簡単な構造でありながら、ゴム
弾性を有する試験体、とくに硬化後の建築用シーリング
材にかかるせん断応力に対してシーリング材硬化物がひ
ずみ量、接着強さ、応力減衰など、どのような挙動を示
すかを容易に試験することができるものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めの、本発明は以下のようなせん断試験用治具とその補
助部材の構成をとるものである。 (1)材料試験機に装着されるせん断試験用治具であっ
て、試験機に結合されるジョイント部、治具本体および
試験体を把持する把持部よりなり、外観クランク形状を
有することを特徴とする治具、(2)材料試験機に装着
されるせん断試験用治具において、試験機に結合される
ジョイント部、治具本体および試験体を把持する把持部
よりなり、前記ジョイント部は、治具本体に結合する第
1ジョイント部、第1ジョイント部と第2ジョイント部
とを連結する連結部、試験機に結合する第2ジョイント
部よりなり、外観クランク形状を有することを特徴とす
る治具、(3)材料試験機に装着されるせん断試験用治
具であって、ジョイント部、治具本体、把持部よりな
り、かつ、前記ジョイント部は治具本体に結合する第1
ジョイント部、第1ジョイント部と第2ジョイント部と
を連結する連結部、試験機に結合する第2ジョイント部
よりなる構造を有し、把持部の中心が第2ジョイント部
の軸の延長線上とずれた位置に設けられているものであ
ることを特徴とする治具、(4)材料試験機に装着され
るせん断試験用治具のジョイント部材において、治具本
体に結合する第1ジョイント部、第1ジョイント部と第
2ジョイント部とを連結する連結部、試験機に結合する
第2ジョイント部よりなり、外観クランク形状を有する
せん断試験用治具のジョイント部材、(5)材料試験機
に装着される第1試験用治具および第2試験用治具より
なるせん断試験用治具であって、第1試験用治具は試験
機へのジョイント部、治具本体および試験体を把持する
把持部よりなり、かつジョイント部の軸の延長線上に把
持部の中心が位置した構造となっているものであり、第
2試験用治具は、試験機に結合されるジョイント部、治
具本体および試験体を把持する把持部よりなり、外観ク
ランク形状を有するものであることを特徴とするせん断
試験用治具、(6)材料試験機に装着される第1試験用
治具および第2試験用治具よりなるせん断試験用治具で
あって、第1試験用治具は試験機に結合されるジョイン
ト部、治具本体および試験体を把持する把持部よりなる
とともにジョイント部の軸の延長線上に把持部の中心が
位置した構造となっており、第2試験用治具は、試験機
に結合されるジョイント部、治具本体および試験体を把
持する把持部よりなり、前記ジョイント部は治具本体に
結合される第1ジョイント部、第1ジョイント部と第2
ジョイント部とを連結する連結部、試験機に結合する第
2ジョイント部よりなり、外観クランク形状を有するも
のであることを特徴とするせん断試験用治具、および
(7)材料試験機に装着される第1試験用治具および第
2試験用治具よりなるせん断試験用治具であって、第1
試験用治具は試験機に結合されるジョイント部、治具本
体および試験体を把持する把持部よりなるとともにジョ
イント部の軸の延長線上に把持部の中心が位置した構造
となっており、第2試験用治具は、試験機に結合される
ジョイント部、治具本体および試験体を把持する把持部
よりなり、前記ジョイント部は治具本体に結合される第
1ジョイント部、第1ジョイント部と第2ジョイント部
とを連結する連結部、試験機に結合する第2ジョイント
部よりなる構造を有し、把持部の中心が第2ジョイント
部の軸の延長線上とずれた位置に設けられたものである
ことを特徴とするせん断試験用治具。
【0011】上述の(1)〜(3)に記載の試験用治具
においては、これ自体を2つ組み合わせて実際にせん断
試験を行うこともできるが、通常は従来の試験用治具と
組み合わせて使用するほうがよい。というのはこれ自体
を2つ組み合わせて使用する場合にはジョイント部の第
1ジョイント部と第2ジョイント部のそれぞれの中心線
(軸)を近接させたものにしないと相当大きな試験体を
用意しなければならないし、あまり大きな試験体ではせ
ん断試験が実際を反映したものとはいえないし、さらに
大きな試験体では硬化に時間がかかるなどの点もあげら
れる。そのため、図1〜3などに示すように従来型の試
験用治具と組み合わせて使用したほうがやりやすいなど
の利点がある。
【0012】上述の(4)に記載のジョイント部材は、
従来の試験用治具で把持部と治具本体をそのまま使用
し、ジョイント部を替えてしようすることができれば便
利であるから、そのためのものとして使用できる。すな
わち、従来の試験用治具でジョイント部が治具本体と容
易に着脱可能な構造となっている場合には、このジョイ
ント部のジョイント構造と交換可能なように本発明のジ
ョイント部材の第1ジョイント部の構造をしておけばよ
い。
【0013】また、上述の(5)〜(7)に記載の第1
試験用治具と第2試験用治具よりなるせん断試験用治具
の場合には、そのまま試験機に装着すればよい。試験体
の大きさにあわせて各種のものを取りそろえることもで
きるし、わざわざ従来の試験用治具を本発明の第2試験
用治具の代用として使用した場合には、治具本体の位置
とか把持部の位置など調整する必要がでてくるが、この
ような調整をしなければならないなどの不便も解消され
る。そして、第2試験用治具や上述の(1)〜(3)に
記載の試験用治具の場合には、ジョイント部の連結部の
構造としては、棒状のものだけではなくU字型とかS字
型など第1ジョイント部と第2ジョイント部を連結する
構造のものであればどのような構造のものでもさしつか
えない。そして、第1ジョイント部、第2ジョイント部
および連結部よりなるジョイント部の全体的な構造外観
としてはH字型、N字型、S字形状などのものもあげら
れる。これらの形状も本発明でいう外観クランク形状に
含まれるものである。
【0014】また上述の(3)あるいは(7)の試験用
治具として把持部の中心が第2ジョイント部の軸(すな
わち中心線)の延長線上になくずれた位置に設けられた
ものを使用するが、第2ジョイント部は試験機本体の下
側バーに結合される。そしてこの試験用治具は下側バー
の上下動にあわせて上下動するか、あるいは静止してい
ることになるが、試験体にせん断応力を加えるために
は、第2ジョイント部の軸(中心線)は垂直線と一致し
ているが、この軸とはずれた位置に把持部の中心がくる
ようにすることが図1〜5にみるごとく不可欠である。
【0015】この一対の試験治具を試験機の上下のバー
にジョイントするが、一方の治具をたとえば上側バーに
ジョイントし、他方の治具を下側バーにジョイントし、
試験体の両端を一対の治具の把持部にそれぞれ把持させ
るが、この際、両者の治具の把持部の軸(それぞれの把
持部の中心を結んだ方向の中心線)を同一とすることが
必要である。
【0016】そして、たとえば下側バーを駆動させて試
験する場合、試験体に荷重をかけると試験体にはせん断
応用がかかるから引張せん断試験をすることができ、ま
た下側バーを上下両方向に往復運動させると繰り返しせ
ん断試験をすることができる。
【0017】また、試験機には応力検知装置を取り付け
ることになるが、上側バーでも下側バーでもよい。さら
に、上側バーを駆動させて試験を行ってもよい。
【0018】本発明の試験治具を装着する試験機として
は通常普通に使用される万能引張試験機があげられる。
このため何ら特殊な試験機は必要としない。本発明の試
験治具は構造が簡単であるところから、従来の引張試験
治具と交換が容易であって、何ら特別な技能を必要とし
ないものである。このため特殊な技能を有しない者でも
容易に試験ができるとともに、製造においても容易であ
るとともに変形するなどの問題も生じない。
【0019】また、小口の試験体など同じ形状をした試
験体を使用することにより、本発明の試験治具を用いて
引張せん断試験あるいは繰り返しせん断試験を実施する
ことができるとともに従来からの治具を用いて引張試験
などの試験を総合的に短時間のうちに実施することが可
能となる。
【0020】さらに、本発明の試験治具を用いれば特殊
な形状をした試験体を用意しなくてすみ、はん用性のあ
る試験体を用意するだけで試験を行うことができる。
【0021】以下において、本発明の試験治具とそれを
用いた引張せん断試験または繰り返しせん断試験の方法
について図1〜図6を参照しながら例示し説明する。
【0022】しかしながら、これらの説明は例示であっ
て、これらだけに本発明が限定されるものではなく、各
種の変形が可能であり、これらの変形も本発明に包含さ
れるものである。
【0023】本発明のせん断試験用治具で試験される試
験体の1例を図6に示す。ここでは、ゴム弾性を有する
試験体として被着体11と被着体12により形成した目
地状空間に建築用シーリング材10を充填し硬化させた
いわゆる小口のシーリング材試験体Cが示されている。
試験用治具に取り付けるためには両端の被着体を試験用
治具の把持部に把持させる。
【0024】本発明のせん断試験用治具を試験機本体に
取り付けるとともに試験体Cを治具に把持させた場合の
概略を示したのが図4あるいは図5である。
【0025】図4は、下側バー3が上下方向に駆動する
ようにした場合の例を示し、図5は、逆に上側バー2’
が上下方向に駆動するようにした場合の例を示すもので
ある。
【0026】そして、これらの場合における試験体Cを
把持した両治具を取り出して示したものが図1〜図3で
あって、図1はその概略正面図、図2は図1に示すもの
の左側面図、図3は図1に示すものの右側面図をそれぞ
れ示すものである。
【0027】第1試験用治具Aは、図2や図3でみるよ
うに外観下向きコ字状の形状の治具本体aとこの治具本
体上面中央には分離可能に結合したジョイント部4が設
けられているとともに治具本体の下向きコ字状の両脚部
内側下方に対向して試験体を把持する把持部5,5’が
設けられている。このジョイント部4は、上側バー2
(または2’)に設けられた応力検知機8(または
8’)に結合される。
【0028】第2試験用治具Bは、ジョイント部を除い
て第1試験用治具Aの治具本体aと同じ構造で、上下が
逆になっている治具本体bと、この治具の上向きコ字状
の両脚部内側上方に対向して試験体を把持する把持部
7.7’が設けられているとともに、治具本体下面中央
に分離可能に結合したジョイント部6が設けられてい
る。
【0029】このジョイント部6は、治具本体に直接結
合する第1ジョイント部6aとこの第1ジョイント部下
方と第2ジョイント部上方とを連結する連結部6cと第
2ジョイント部6bとよりなり、この第2ジョイント部
6bが下側バー(3または3’)に結合されるものであ
って、第1試験用治具Aのジョイント部4と構造が相違
し、この構造の相違により引張せん断試験あるいは繰り
返しせん断試験が可能となるものである。
【0030】試験機に装着された場合、第1試験用治具
Aのジョイント部4の軸(中心線)の延長線上に把持部
の中心5aが位置するように配置されるとともに、第2
試験用治具Bの第2ジョイント部の軸(中心線)とも一
致するように第2試験用治具Bを配置し、かつこの軸は
垂直線と一致するようにしてある。
【0031】また、第2試験用治具の第1ジョイント部
の軸の延長線上に把持部の中心7aが位置するように配
置されるとともにこの軸も垂直線と一致するようにして
ある。さらに、第1ジョイント部と第2ジョイント部の
それぞれの中心線は平行の関係にあるようになってい
る。
【0032】そして、第1試験用治具の把持部の中心5
aと第2試験用治具の把持部の中心7aとを結ぶ直線Z
は当初水平となるように設定される。
【0033】図1では第2試験用治具Bのジョイント部
6の連結部6cはその軸(中心線)が第1ジョイント部
と第2ジョイント部のそれぞれの軸X、Yと直交するよ
うに端部と端部を連結した構造となっているものが示さ
れているが、必ずしもこのような構造となっているだけ
には限定されないし、また第1ジョイント部と第2ジョ
イント部の中間部を連結したものであってもよいし、ま
たN字形に連結したり、連結部の形状自体もU字形、V
字形など任意の形状をとりうるものである。しかし、棒
状の形状のものが連結部の構造としては、材料が少なく
てすむ、設計しやすいなどの点から一番好ましいもので
ある。
【0034】図4は、図1〜図3に示された試験体Cを
把持した試験治具A、Bを試験機に装着したものを示す
概略正面図である。
【0035】この例での試験機では、下側バー3を下方
に駆動させることにより試験体の引張せん断試験を行う
ものであり、また下側バー3を上下方向に駆動を繰り返
すことにより繰り返しせん断試験を行うことができるよ
うになっているものである。
【0036】この試験機本体1は、固定された上側バー
2と上下方向に摺動可能な下側バー3を有し、上側バー
2には応力検知機8が装着されるとともに、この検知機
には第1試験用治具Aがジョイント部4を介して結合さ
れている。
【0037】一方下側バー3には第2試験用治具Bがそ
の第2ジョイント部6bを介して結合されており、この
バー3は下方に駆動されるか、あるいは上下方向に繰り
返し駆動されるようになっている。試験体Cは第1試験
用治具Aの把持部5.5’および第2試験用治具Bの把
持部7.7’で把持されている。
【0038】このようにして、下側バー3を下方に駆動
すると、試験体Cには引張せん断力がかかり、この応力
は応力検知機8で検知測定され、データは記録計9に送
られて記録される。
【0039】また、下側バー3を上下方向に往復駆動さ
せると、繰り返しせん断力が測定できることになる。
【0040】引張せん断試験の場合には、応力検知機8
および記録計9の零点調整をした後、下側バー3を下方
に駆動させ試験体Cに引張りせん断荷重をかけ測定を開
始し、試験体Cが破壊するまで駆動を続け引張せん断試
験が行われる。
【0041】また、繰り返しせん断試験の場合には、下
側バー3の移動距離を試験体Cが破壊されない範囲で設
定し、下側バー3の下降と上昇を繰り返して試験体Cに
繰り返しせん断荷重をかけて行うものである。
【0042】このようにすることにより、試験体の一定
変位時のせん断応力、せん断ひずみ量、せん断接着強
度、繰り返しせん断時の応力減衰挙動などのデータを得
ることができる。
【0043】図5には、図4とは相違して上側バー2’
を上方に駆動することにより引張せん断試験あるいは繰
り返しせん断試験を行う場合を示してある。図中3’は
下側バーを示し、その他の配置は図4の場合と同じであ
る。引張せん断試験を行う場合には試験体Cが破壊され
るまで上下方向に摺動可能な上側バー2’を上方に駆動
させ、繰り返しせん断試験の場合には試験体Cが破壊さ
れない範囲で移動距離を設定し、上側バー2’を上昇と
下降を繰り返して試験体Cに繰り返し荷重をかけて行う
ものである。
【0044】
【発明の効果】上述したように、本発明の試験治具は構
造がきわめて簡単でありながら、特殊な試験機を使用せ
ずに従来からの引張り試験機に適用することが可能であ
って、従来評価することの困難であったゴム弾性を有す
る材料、とくに建築用シーリング材の引張せん断試験ま
たは繰り返しせん断試験を実現することができるもので
ある。そして、本発明の試験治具の交換には特殊な技能
を必要としないものであって、簡単に交換し、すぐ測定
を開始することができるなどの利点もあわせもつもので
ある。
【0045】また、試験体としてはん用性のあるものを
使用できるので、特殊な形状のものを用意しなくてよい
などの利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験体を把持させた本発明の試験用治具の1例
を示す概略正面図である。
【図2】図1に示す試験用治具の左側面図である。
【図3】図1に示す試験用治具の右側面図である。
【図4】本発明の治具を試験機に装着した場合の1例を
示す概略正面図である。
【図5】本発明の治具を他の試験機に装置した場合の例
を示す概略正面図である。
【図6】建築用シーリング材と被着体とで作製した試験
体の1例を示す立体図である。
【図7】試験体を把持させた従来の試験用治具の概略正
面図である。
【図8】図7の従来の治具の側面図である。
【図9】接着剤の接着力試験のための従来の試験体の1
例を示す立体図である。
【図10】図9の接着力試験のための試験体を把持させ
た従来の試験用治具の概略正面図である。
【符号の説明】
A 第1試験用治具 B 第2試験用治具 a 治具本体 b 治具本体 1 試験機本体 2 上側バー 2’ 上側バー 3 下側バー 3’ 下側バー 4 ジョイント部 5 把持部 5a 把持部の中心 5’ 把持部 6 ジョイント部 6a 第1ジョイント部 6b 第2ジョイント部 6c 連結部 7 把持部 7a 把持部の中心 7’ 把持部 8 応力検知機 8’ 応用検知機 9 記録計 C 試験体 10 建築用シーリング材 11 被着体 12 被着体 D 第1試験用治具 E 第2試験用治具 X 軸、垂直線 Y 軸、垂直線 Z 5aと7aを結ぶ直線 13 接着剤 13’ 接着剤 14 被接着材料 14’ 被接着材料 15 補助片 15’ 補助片
フロントページの続き (72)発明者 小林 真人 茨城県新治郡千代田町上稲吉2044番地6号 オート化学工業株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2G061 AA11 DA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料試験機に装着されるせん断試験用治
    具であって、試験機に結合されるジョイント部、治具本
    体および試験体を把持する把持部よりなり、外観クラン
    ク形状を有することを特徴とする治具。
  2. 【請求項2】 材料試験機に装着されるせん断試験用治
    具において、試験機に結合されるジョイント部、治具本
    体および試験体を把持する把持部よりなり、前記ジョイ
    ント部は、治具本体に結合する第1ジョイント部、第1
    ジョイント部と第2ジョイント部とを連結する連結部、
    試験機に結合する第2ジョイント部よりなり、外観クラ
    ンク形状を有することを特徴とする治具。
  3. 【請求項3】 材料試験機に装着されるせん断試験用治
    具であって、 ジョイント部、治具本体、把持部よりなり、かつ、前記
    ジョイント部は治具本体に結合する第1ジョイント部、
    第1ジョイント部と第2ジョイント部とを連結する連結
    部、試験機に結合する第2ジョイント部よりなる構造を
    有し、把持部の中心が第2ジョイント部の軸の延長線上
    とずれた位置に設けられているものであることを特徴と
    する治具。
  4. 【請求項4】 材料試験機に装着されるせん断試験用治
    具のジョイント部材において、 治具本体に結合する第1ジョイント部、第1ジョイント
    部と第2ジョイント部とを連結する連結部、試験機に結
    合する第2ジョイント部よりなり、外観クランク形状を
    有するせん断試験用治具のジョイント部材。
  5. 【請求項5】 材料試験機に装着される第1試験用治具
    および第2試験用治具よりなるせん断試験用治具であっ
    て、 第1試験用治具は試験機へのジョイント部、治具本体お
    よび試験体を把持する把持部よりなり、かつジョイント
    部の軸の延長線上に把持部の中心が位置した構造となっ
    ているものであり、第2試験用治具は、試験機に結合さ
    れるジョイント部、治具本体および試験体を把持する把
    持部よりなり、外観クランク形状を有するものであるこ
    とを特徴とするせん断試験用治具。
  6. 【請求項6】 材料試験機に装着される第1試験用治具
    および第2試験用治具よりなるせん断試験用治具であっ
    て、 第1試験用治具は試験機に結合されるジョイント部、治
    具本体および試験体を把持する把持部よりなるとともに
    ジョイント部の軸の延長線上に把持部の中心が位置した
    構造となっており、 第2試験用治具は、試験機に結合されるジョイント部、
    治具本体および試験体を把持する把持部よりなり、前記
    ジョイント部は治具本体に結合される第1ジョイント
    部、第1ジョイント部と第2ジョイント部とを連結する
    連結部、試験機に結合する第2ジョイント部よりなり、
    外観クランク形状を有するものであることを特徴とする
    せん断試験用治具。
  7. 【請求項7】 材料試験機に装着される第1試験用治具
    および第2試験用治具よりなるせん断試験用治具であっ
    て、 第1試験用治具は試験機に結合されるジョイント部、治
    具本体および試験体を把持する把持部よりなるとともに
    ジョイント部の軸の延長線上に把持部の中心が位置した
    構造となっており、 第2試験用治具は、試験機に結合されるジョイント部、
    治具本体および試験体を把持する把持部よりなり、前記
    ジョイント部は治具本体に結合される第1ジョイント
    部、第1ジョイント部と第2ジョイント部とを連結する
    連結部、試験機に結合する第2ジョイント部よりなる構
    造を有し、把持部の中心が第2ジョイント部の軸の延長
    線上とずれた位置に設けられたものであることを特徴と
    するせん断試験用治具。
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