JP2002163757A - 車両追従モデル調整機構を備えた交通流シミュレータ - Google Patents

車両追従モデル調整機構を備えた交通流シミュレータ

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JP2002163757A
JP2002163757A JP2000360289A JP2000360289A JP2002163757A JP 2002163757 A JP2002163757 A JP 2002163757A JP 2000360289 A JP2000360289 A JP 2000360289A JP 2000360289 A JP2000360289 A JP 2000360289A JP 2002163757 A JP2002163757 A JP 2002163757A
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Tetsuya Yamazaki
徹也 山崎
Seiichi Suzuki
誠一 鈴木
Yasunori Katayama
恭紀 片山
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National Institute for Land and Infrastructure Management
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範囲の道路ネットワークで交通流シミュレ
ーションを行う上で不都合な不安定挙動を解消し、現実
の様々な条件下での車両追従挙動を良好に再現できる交
通流シミユレータの提供。 【解決手段】 追従走行中の車両の加減速を計算する車
両追従モデル式を入力する車両追従モデル入力機能と、
実現象における追従走行挙動データを収集する実測デー
タ収集機能と、車両追従モデルパラメータについて安定
領域を求め、前記実測データを教師データとして安定領
域内にて車両追従モデルパラメータを同定する車両追従
モデル調整機構を備えることにより、先行車の速度変化
や車間距離等様々な走行条件に対し、安定で不自然な挙
動を起こさずに実現象を再現可能な車両追従モデルを得
る交通流シミュレータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実際の道路網を走
行する個々の車両の走行挙動を模擬する交通流シミユレ
ータに関し、微小時間(タイムステップ)ごとに車両の
速度・位置等の状態を更新していくタイムスキャニング
方式の交通流シミュレータを対象とし、追従走行をする
車両の加速度あるいは速度の動的状態を計算する車両追
従モデル式のパラメータの安定領域を導出し安定性を考
慮した上で、さらに教師データを再現するようパラメー
タサーベイを行い車両追従モデルを調整する交通流シミ
ュレータに関する。
【0002】ここで車両追従モデルは、ある時点におけ
る先行車と追従車の速度や車間距離といった実際に追従
車が走行する時の速度決定に影響する要素(入力変数)
とその影響度を決定する係数(パラメータ)、および最
大減速度、目標速度、反応遅れ時間等の車両・ドライバ
ー固有情報(定数)で構成され、次時点の加速度あるい
は速度を求める方程式である。
【0003】
【従来の技術】従来の交通流シミュレータにおいて、模
擬する車両走行挙動の安定性は、厳密に考慮されていな
かった。ここでの安定性とは、先行車の加減速の影響を
受け追従車が先行車に追突したり、あるいはそれを回避
するために非現実的な減速を行なったり、さらに車群と
してみた場合に長時間車間距離の伸縮(振動)を繰り返
す現象がある場合を不安定、逆にない場合を安定と定義
する。従来の車両追従モデルを備えた交通流シミュレー
タの例では、シミュレーションで複数の車両が追従走行
中に追突する恐れがある場合には、反応遅れを考慮せず
先行車とほぼ同時にプレーキ操作を行うなどの非現実的
な挙動を行なったり、物理法則に反した過大な減速挙動
で追突を回避したリしていた。しかし、実現象では通常
ドライバーはあまりに頻繁なアクセル、プレーキ操作は
行わず、最低限の時間で速度に応じた妥当な車間距離に
収束させようとするため、上記のような補正的な処理を
行うことによって個々の車両の挙動が実現象とかけ離
れ、さらにそれらを広範囲の道路ネットワーク上での交
通流として巨視的に見たときに個々の車両が交通流に及
ぼす影響の評価が正確に行えない可能性があった。
【0004】また、既存の文献等に交通流シミュレーシ
ョンにおける追従走行の安定性について言及したものも
あるが、不安定要因の根本的な解決方法は示されておら
ず、一定の条件下でシミュレーション結果から走行軌跡
などの結果を見て、追従走行挙動で追突が起こっていな
いことや不自然な加減速挙動が行われていないことを確
認して安定性を判別しており、これを様々な条件下で用
いる車両追従モデルに対し理論的に解決する方法は提案
されていなかった。
【0005】車両追従方程式のパラメータを調整する手
法としては、特開平11−232583号の交通シミュ
レーション・システムにて感知器で収集した車両情報を
用いる方法が提案されているが、安定性まで考慮に入れ
た調整方法とはなっていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、交通流シミ
ュレータでこれまで厳密に考慮されてこなかった車両追
従挙動の安定性について、先行車の速度や車間距離とい
った動的状態あるいは反応遅れ時間や目標車頭時間とい
った車両・ドライバーの固有情報など様々な条件に対
し、衝突や不自然な加減速挙動などの不安定な挙動を起
さない、安定性のある車両追従モデルをもった交通流シ
ミュレータを提供することを目的とする。具体例を挙げ
ると、高齢者ドライバーの運転のように反応が遅い場合
や、自動運動制御技術の導入により極端に短い車間距離
で追従走行を行う場合などには、不安定な状態となりや
すい。シミユレーシヨンにおいて前記のような条件で追
従走行を再現するには、車両追従モデル式パラメータの
安定領域を知ることが大きな手助けとなる。
【0007】さらに、安定領域内においてもパラメータ
の数値の組合わせは膨大なものとなるが、これをパラメ
ータサーベイ機能によって追従走行シミュレーションを
行い自動的に教師データに基づいた同定を行うことで、
パラメータ調整に要する時間および労力を削減する。
【0008】
【課題を解決するための手段】交通流シミユレーション
において追従走行中の車両の加減速を計算する車両追従
モデル式を入力する車両追従モデル入力機能と、実現象
における追従走行挙動データを収集する実測データ収集
機能と、車両追従モデルパラメータについて安定領域を
求め,前記実測データを教師データとして安定領域内に
て車両追従モデルパラメータを同定する車両追従モデル
調整機構を備えることにより、安定で不自然な挙動を起
こさずに実現象を再現可能な車両追従モデルを得る。
【0009】また、車両追従モデル入力機能により様々
な車両追従モデル式のパラメータ調整および適用を可能
とし、さらに実測データ収集機能により実測データ以外
にも他の交通流のシミュレータで再現された走行挙動等
を教師データとして車両追従モデル調整をすることも可
能である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、交通流シミュレータ
で用いる車両追従モデルのパラメータについて安定領域
を求め、実測データを教師データとして安定領域内にて
車両追従モデルパラメータを同定することにより、シミ
ユレーション上で教師データの追従走行挙動と同様の挙
動を再現する安定な車両追従モデルを得るために、後述
の車両追従モデル調整機構を備える。
【0011】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の交通流シミユレータにおける車両
追従モデルを調整するシステムの全体構造を示す構成図
である。交通流シミユレータの車両追従モデルを調整す
るシステムは、車両追従モデルを入力する車両追従モデ
ルを入力機能4,実際の車両動作のデータを収集する実
測データ収集機能2,前記実測データを基に交通流シミ
ュレータの車両追従モデルパラメータを調整する車両追
従モデル調整機構1,前記車両追従モデル調整機構1で
求めたパラメータを用いて交通流をシミユレーションす
る交通流シミュレータ3から構成される。
【0012】前記車両追従モデル調整機構1は、前記実
測データ収集機能2から実績データを基に作られる実績
データベース11,前記車両追従モデルを入力する入力
機能4からのデータで作成される車両追従モデル式のデ
ータベース12,前記車両追従モデル式を動作点近傍で
線形化する線形化機構13,前記線形モデル式を基に作
成された伝達関数を格納する伝達関数データベース1
4,前記伝達関数から安定領域を探索する安定領域探索
機能15,前記探索機能15で求められた安定領域の情
報を格納する安定領域データベース16,前記実績デー
タと前記安定領域の情報から車両追従モデル式パラメー
タのサーベイ条件を設定する条件設定機能17,前記パ
ラメータサーベイの条件と実績データおよび車両追従モ
デル式から最適な車両追従モデル式パラメータをサーベ
イするパラメータサーベイ機能18,前記パラメータサー
ベイ結果を格納するパラメータデータベース19から構
成される。
【0013】図2は実測データ収集機能2によって収集
される複数台車両の走行状態に関するデータを示す。実
際の追従走行の場合、先行車の速度変化に対し、それ以
降の追従車は遅れ時間を伴って反応し、速度に応じて妥
当な車間距離をとるようにアクセルあるいはブレーキ操
作を加減速する。実測データ収集機能2では、実際の道
路上にて追従走行を行っている2台以上の複数の車両に
ついて、それぞれの車長1eni,1eni+I,と刻々変化す
る先行車および追従車の速度vi,vi+I,車間距離l
i+I,基準点からの位置xiを一定のサンプリング周期で
記録する。そして、それを実績データベース11に格納
しておくが、必要に応じて加速度、車頭距離,車頭時
間、車間時間等に変換して使用する。実測データ収集機
能2の代りに、目的によって他の交通流シミユレータを
用いることもできる。これは、他の交通流シミュレータ
の走行挙動を本交通流シミュレータで再現したい場合な
どである。
【0014】図3は車両追従モデル入力機能4にて入力
することのできる車両運動モデルの例を示す。複数台の
車両が車群を成しそれぞれ先行車に追突しないように走
行する挙動を再現する追従モデル41だけでなく、先行
車の速度等に影響を受けずに自由に走行する挙動を再現
する自由走行モデル42,信号あるいは停止車両のよう
な障害物の影響によって停止する際の挙動を再現する停
止モデル43等の様々な走行挙動を再現する車両運動モ
デルを入力できる。以降は、車両追従モデルを入力した
場合について説明する。
【0015】図4は、車両追従モデル式を非線形微分方
程式と捉え、微小時間区間における変動分を線形となみ
すことによりラプラス変換を行い、線形代数方程式であ
る伝達関数を求める線形化機構13の説明図である。前
記線形化機構は、車両追従モデル式データベース12か
ら取得した車両追従モデル式に対し、先行車および追従
車の速度変数を式1のように基準値と微小変化分、ここ
では定速走行時の速度VSと先行車の速度変化分△Vi,追
従車の速変動分△Vi+1で表現することにより、加速度、
速度、距離に関するその他の変数もvS,△Viおよび△
Vi+1で表現する機能131、前記表現機能131によっ
て求めらる式に対し△Viおよび△Vi+1が微小値であるこ
とを利用して式2のように正規化を行う機能132,前
記正規化機能132によって求めらめる式に対し変化分
Viおよび△Vi+1の2次以上のオーダーの項を誤差とみ
なし消去する機能133,前記消去機能133によって
求められる式を整理する機能134,整理機能134に
よって求められる式に対し式3の例に示すようにラブラ
スを変換を行う機能135,ラプラス変換機能135に
よって求められる式に対し複素数sについて式の整理を
行い一巡伝達関数GFBを求める機能136、前記整理機
能136によって求められる一巡伝達関数GFBより式4
に示すようにn台車群伝達関数Gnを計算する機能13
7から構成される。式の整理機能134や136につい
ては市販の数式演算処理ソフト例えばMathematicaなど
を利用することで、自動的に行うことができる。以上の
一連の処理によって、実際に一巡伝達関数導出を行った
例を式5に示す。
【0016】図5は車両追従モデル式の車両・ドライバ
ー固有の情報定数および係数パラメータに対する安定領
域を探索する前記安定領域探索機能15に関する説明図
である。安定領域探索機能は、追従モデル式で用いる車
両およびドライバー固有の情報定数の実用範囲(例えば
反応遅れ時間は1秒から2秒範囲等)と係数バラメータ
の上限・下限を設定する安定領域探索範囲設定機能15
1、前記探索範囲設定機能151で設定した範囲内を微
小刻み幅で区切り、伝達関数データベース14に格納さ
れている一巡伝達関数とn台車群伝達関数について、条
件をそれぞれ毎回変化させて、ボード線図を描画する機
能152,前記ボード線図演算機能152によって求め
られる一巡伝達関数の位相線図を格納する一巡伝達関数
位相線図データベース153、同じく前記ボード線図演
算機能152によって求められる一巡伝達関数のゲイン
線図を格納する一巡伝達関数ゲイン線図データベース1
54、同じく前記ボード線図演算機能152によって求
められるn台車群伝達関数のゲイン線図を格納する車群
伝達関数ゲイン線図データベース155,前記一巡伝達
関数位相線図から位相角180度と交差する点の角周波
数を求める位相角180度クロス点抽出機能156,前
記一巡伝達関数ゲイン線図からゲインが0となる点の角
周波数を求めるゲイン零クロス点抽出機能157,前記
n台車群伝達関数ゲイン線図からゲインが最大となる角
周波数を求めるゲイン最大抽出機能158,前記位相角
180度クロス点と前記ゲイン零クロス点と前記ゲイン
最大点より安定性を判別し、安定領域データベース16
に安定領域情報を格納する安定判別機能159から構成
される。
【0017】前記ボード線図演算機能の152のフロー
を図6に示す。はじめに一巡伝達関数GFB(s)およびn
台車群伝達関数Gn(s)に対し、sにiω(iは複素数)を
代入する処理1521を行なう。そして、角周波数ωを
利用領域ωl〜ωnで変化させる処理1552により、一
巡伝達関数GFB(iω)の極座標表現の振幅gをゲイン線
図データベース154へ格納し、ωを除いた位相角θを
位相線図データベース153に格納する処理1523を
行う、ここで、位相角θを求めるときには、式6を用い
る。次に、n台車群伝達関数Gn(iω)の極座標表現の振
幅gをゲイン線図データベータ155ヘ格納する処理1
524を行う。ωがωnになるまで上記処理を繰返し行
い、ω=ωnとなった時点で処理を終了する判断152
5を行う。前記の処理により求められる一巡伝達関数の
位相線図153とゲイン線図154、およびn台車群伝
達関数のゲイン線図155の例は、それぞれ図8、図9
および図11のようになる(例はn=10の場合)。ま
た、n台車群伝達関数の位相線図の例は図10のように
なる。それぞれ、横幅はωの対数値、縦軸は図8と図1
0が位相角、図9と図11がゲインをとったグラフであ
る。
【0018】次に、前記安定判別機能159のフローを
図7に示す。はじめに前記ゲイン零クロス点抽出機能1
57にて求められた一巡伝達関数ゲインgがOdBとな
るときのωg0(ゲイン交差角周波数)に対する位相角θ
FBを求める処理1591を行い、位相余裕(θFB+18
0)を計算して安定領域データベース16に格納する処
理1592を行う。次に、前記位相角180度クロス点
抽出機能156にて求められた一巡伝達関数位相角θが
180度となるときの最小のωθ 180(位相交差角周波
数)に対するゲインgFBを求める処理1593を行い、
先行車と追従車の2台についての安定性を意味する局所
安定性についてgFBが0以下のときは局所安定、0より
大きいときは局所不安定の判別をして結果を安定領域デ
ータベース16に格納する処理1594を行う。さら
に、前記ゲイン最大点抽出機能158にて求められたn
台車群伝達関数のゲインgが最大となるときのωgmax
対するゲインgmaxを求める処理1595を行い、n台の
車群についての安定性を意味する漸近安定性について、
gmaxが0以下のとき漸近安定、gmaxが0より大きいとき
漸近不安定の判別をして結果を安定領域デーダベース1
6に格納する処理1596を行う。前記安定領域探索範
囲設定機能151にて設定された車両・ドライバー固有
の情報定数の実用範囲、例えば反応遅れ時間の実用範囲
1599、最大減速度の実用範囲15910、目標車頭
時間の実用範囲15911等および係数パラメータの上
限・下限1598に対し、範囲内をそれぞれ微小区間、
例えば0.1刻み程度で分割し、それら全ての条件組合せ
に対しボード線図演算152から安定判別159までの処
理を行い、全ての組合せに対し判別を行なったら終了す
る判断1597を行う。
【0019】安定判別の実例を図12に、また前記安定領
域探索処理を行うことにより求められた安定領域の例を
図13および図14に示す、図12において一巡伝達関数の位
相が180度となる最小のωθ 180に対するゲインgFBは0
よりも大きくなっており、この場合先行車と追従車2台
の関係は不安定、すなわち局所不安定であると言える。
次に、10台の車群について、伝達関数のゲインの最大
値gmaxを調べると、0よりも大きくなっている、この場
合10台の車群の関係は不安定、すなわち、漸近不安定
であると言える。図13は車両・ドライバーの固有情報
定数を固定して、追従モデル式の係数パラメータ、ここ
では例として式5で用いたK1,K2に上限・下限を設定
し、その範囲を0.1刻みで分割して順に変化させ、各組
合せに対し一巡伝達関数による局所安定性と10台の車
群伝達関数による漸近安定性について安定判別を行った
結果を示している。また、図14は係数パラメータK1
2に加え、反応遅れ時間△を実用範囲の0,5秒から3秒
の間で変化させ、局所安定性について安定判別を行った
結果を示している。
【0020】以上のようにして、局所安定性について安
定判別を行い、ともに安定である条件に対して、そのパ
ラメータを用いた車両追従モデルは安定であると言うこ
とができる。
【0021】図15は追従モデルのパラメータサーベイ
機能18に関する説明図である。パラメータサーベイ機
能は、条件設定機能17にて設定されたサーベイ条件と
車両追従モデルデータベース12からの追従モデル式を
用いて追従走行をシミュレーションする追従走行シミュ
レーション機能181、前記シミュレーションによって
収集される車両の追従走行情報を格納する走行情報デー
タベース182、前記走行情報と実績データベース11
からの実績情報を比較する比較機能183,前記比較機
能によって求められたシミュレーションと実績の誤差を
格納する誤差データベース184,前記誤差により車両
追従モデルパラメータを評価し、サーベイ範囲内を全て
評価し終わった時点で最終結果をパラメータデータベー
ス19に出力する誤差評価機能185から構成される。
【0022】前記条件設定機能17で設定されるサーベ
イ条件は、安定領域内の反応遅れ時間、目標車頭時間、
最大減速度、停止余裕長等の車両・ドライバー固有の情
報定数と、追従モデル式の係数パラメータのサーベイ範
囲およびサーベイする際の刻み幅(試行回数)等であ
る。
【0023】次に、前記追従走行シミュレーション機能
181のフローを図16に示す。はじめに、実績データ
ベース11よりシミュレーションを行う際の前提条件と
なる先行車の位置と速度の時間変化情報を取得する処理
1811と、各追従車の初期位置と初期速度を取得する
処理1812を行う。そして、前記条件設定機能による
サーベイ条件の設定処理1813を行い、先行車の走行
状態に対し時刻T0からTnまでタイムステップごとに追
従車の加減速挙動をシミュレーションする処理1814を行
う。追従走行シミュレーションでは、まず前記条件設定
機能で設定したバラメータを追従モデル式に適用して、
各追従車の次時点の加速度を計算する処理1815を行う。
このときの追従モデル式20の入出力関係は図17に示すよ
うになっており、現時点の前方車との車間距離201,自車
の速度202およびその他速度決定に影響を与える要素203
を入力することで、次時点すなわちタイムステップ後の
加速度204を計算し出力する。入力には速度と車間距離
および車長から求められる車頭距離や車間時間、車頭時
間等を用いることもある。そして、各追従車に対し、求
められた加速度をもとに速度205および位置の状態を更
新し、走行軌跡データベース182に格納する処理1816を
行う。シミュレーションではこれらの処理を繰返し行
い、時刻Tnになったら終了する判断1817を行う。
前記追従走行のシミユレーションは簡便性と実行速度を
考え、交通流シミユレータ本体とは独立した処理として
いるが、実際には交通流シミユレータ本体を用いてシミ
ュレーションを行うこともでき、その場合追従走行シミ
ユレーション機能181の役割を交通流シミュレータ3
で行うことになる。
【0024】前記実測値と計算値の比較機能183で
は、追従走行シミユレーションにおいて実測データと同
等の条件でシミユレーションを行って得られた走行再現
データをもとに、実績データと同時刻における位置また
は車間距離の差をタイムステッフごと全時間帯に渡り計
算し、係数バラメータの1つの組合せを適用した場合の
誤差として出力する。そして、前記誤差評価機能185
では誤差がこれまでのシミユレーションで最小かどうか
評価し、係数パラメータを刻み幅分変化させ再び追従走
行シミユレーシヨン181からの処理を行う。サーベイ
範囲内をすベて評価し終ったら、最も誤差の小さい係数
パラメータ組合せを最終結果としてパラメータデータベ
ース19に格納し、交通流シミュレータ3において適用
する。
【0025】
【発明の効果】本発明の交通流シミユレータにおいて、
車両追従モデル調整機構を適用することで、車両が衝突
あるいは車間距離の伸縮(振動)を長時間繰返す現象を起
こす可能性を排除した安定な追従モデル式パラメータを
得ることができる。また、実際に車両追従モデルを適用
する前にあらかじめパラメータの適切な安定領域がわか
るので、目的の交通状況を再現するためにバラメータの
微妙な調整が必要となった場合でも、どの範囲でパラメ
ータを変化させることができるのか容易に判断できる。
さらに、パラメータサーベイ機能より任意の追従モデル
に対して、安定性を考慮した上で膨大なパラメータの組
み合わせの中から教師データにできるだけ近い挙動を示
す追従モデルパラメータを求められる。
【0026】図17に本発明の車両追従モデル調整機構を
適用して安定な追従モデルにてシミュレーションを行っ
た場合の例と、図18に不安定な追従モデルにとシミユレ
ーションを行った場合の例を示す。安定な追従モデルの
場合、先行車の速度変化に対し後続の追従車の車間距離
変化はすぐに収束し、再び車群を形成する。不安定な追
従モデルの場合、先行車の速度変化に対し後続の追従車
になるにしたがい車間距離が大きくなり収束しなくなっ
てしまう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の交通流シミュレータにおける車両追
従モデル調整システムの構成図である。
【図2】 追従走行挙動の状態を表す変数の説明図であ
る。
【図3】 車両追従モデル入力機能にて入力可能な車両
運動モデルを示す図である。
【図4】 追従モデル式の線形化機構を説明する機能説
明図である。
【図5】 安定領域探索機能を説明する機能説明図であ
る。
【図6】 ボード線図演算機能を説明するフロー図であ
る。
【図7】 安定性の評価機能を説明するフロー図であ
る。
【図8】 一巡伝達関数の位相角を表すボード線図(位
相線図)である。
【図9】 一巡伝達関数のゲインを表すボード線図(ゲ
イン線図)である。
【図10】 車群伝達関数の位相角を表すボード線図(位
相線図)である。
【図11】 車群伝達関数のゲインを表すボード線図(ゲ
イン線図)である。
【図12】 安定性評価の具体例説明図である。
【図13】 追従モデル式の係数バラメータの安定領域の
例を示す図である。
【図14】 追従モデル式の反応遅れ時間と係数パラメー
タの局所安定領域の例を示す図である。
【図15】 パラメータサーベイ機能を説明する機能説明
図である。
【図16】 追従走行シミュレーション機能を説明するフ
ロー図である。
【図17】 追従モデル式の入出力関係を表す図である。
【図18】 本発明を適用し安定な車両追従モデルを用い
てシミュレーションを行った結果の例を示す図である。
【図19】 本発明を適用し不安定な車両追従モデルを用
いてシミュレーションを行った結果例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 恭紀 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 Fターム(参考) 5H004 GA08 GB12 HA07 HA08 HB07 HB08 KD62 LA13 5H180 AA01 DD01 EE02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交通流シミュレーションにおいて追従走
    行中の車両の加減速を計算する車両追従モデル式を入力
    する車両追従モデル入力機能と、実現象における追従走
    行挙動データを収集する実測データ収集機能と、車両追
    従モデルパラメータについて安定領域を求め、前記実測
    データを教師データとして安定領域内にて車両追従モデ
    ルパラメータを同定する車両追従モデル調整機構を備え
    ることにより、安定で不自然な挙動を起こさずに実現象
    を再現可能な車両追従モデルを利用できることを特徴と
    する交通流シミユレータ。
  2. 【請求項2】 前記実測データ収集機能は、実測データ
    の代わりに他の交通流シミュレータで再現された追従走
    行挙動の再現データを利用することもでき、再現データ
    を用いて車両追従モデル調整を行うことにより、他の交
    通流シミユレータと同様の追従走行挙動を再現可能な車
    両追従モデルを利用できることを特徴とする請求項1記
    載の交通流シミユレータ。
  3. 【請求項3】 前記車両追従モデル入力機能は、追従モ
    デル式以外にも先行車の影響を受けない走行挙動を再現
    する自由走行モデルや停止挙動を再現する停止モデルな
    どの様々な構成をした車両運動モデル式を入力すること
    ができ、それら車両運動モデルのパラメータ調整を行う
    ことにより、様々な車両運動モデルを利用できることを
    特徴とする請求項1記載の交通流シミユレータ。
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