JP2002158461A - 電子機器の筐体 - Google Patents

電子機器の筐体

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JP2002158461A
JP2002158461A JP2000351404A JP2000351404A JP2002158461A JP 2002158461 A JP2002158461 A JP 2002158461A JP 2000351404 A JP2000351404 A JP 2000351404A JP 2000351404 A JP2000351404 A JP 2000351404A JP 2002158461 A JP2002158461 A JP 2002158461A
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JP
Japan
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outer portion
housing
electronic device
aluminum
press
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Withdrawn
Application number
JP2000351404A
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English (en)
Inventor
Takashi Kayama
俊 香山
Junichi Ogasawara
順一 小笠原
Mitsukuni Sano
充邦 佐野
Kenichi Ogura
健一 小倉
Atsushi Yamazaki
淳 山▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Sony Corp
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd, Sony Corp filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
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  • Casings For Electric Apparatus (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化、組立性の向上、放熱性の向上、およ
びコストダウンを図れるとともに、リサイクルが容易な
電子機器の筐体および電子機器を提供すること。 【解決手段】 電子機器1の筐体12において、プレス
成形された金属製の外側部40と、外側部40の内側に
配置される樹脂製の内側部50とを備え、外側部40
は、アルミニウムに主添加元素としてマグネシウムが添
加された金属素材をプレス成形することにより形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の筐体お
よび電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器、たとえば携帯型の電子機器の
例を挙げると、いわゆるノート型のパーソナルコンピュ
ータ等がある。この種の電子機器の筐体は、たとえばマ
グネシウム等の金属で作られていたり、あるいはポリカ
ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)等の樹
脂により作られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、マグネシウ
ム等の金属は、加工性に難があり2次加工等で多大な手
間がかかってしまい、コストが高いという問題がある。
またポリカABSのような樹脂は、電磁的シールドの確
保や電気的なグランドを取ることに問題があり、たとえ
ば樹脂で作られた筐体の内面にニッケル等の材料を蒸着
で形成する必要がある。このような樹脂で作られている
筐体は、リサイクルをする際に蒸着したニッケルと樹脂
の分離をすることが困難であるという問題がある。しか
も樹脂で作られた筐体は金属で作られた筐体に比べて外
観上の高級感が出しにくいという問題がある。また、セ
ルフタップ強度も低いために、ナット等を別ピースで圧
入する必要があった。
【0004】樹脂で筐体を形成する場合には、電磁的シ
ールドを確保するために、樹脂の中にカーボンや金属粉
を入れるような試みもあるが、このようにカーボンや金
属粉を樹脂に混ぜると、樹脂自体の強度が低くなり、樹
脂に対してたとえばネジ穴等をセルフタップにより形成
することが困難となる。従ってそのような樹脂にはナッ
ト等を埋め込んで、そのナットに対してネジをねじ込ん
で取り付けるようにしなければならず、軽量化が図れ
ず、組立性が悪い。そこで本発明は上記課題を解消し、
軽量化、組立性の向上、放熱性の向上、およびコストダ
ウンを図れるとともに、リサイクルが容易な電子機器の
筐体および電子機器を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電子
機器の筐体において、プレス成形された金属製の外側部
と、前記外側部の内側に配置される樹脂製の内側部と、
を備え、前記外側部は、アルミニウムに主添加元素とし
てマグネシウムが添加された金属素材をプレス成形する
ことにより形成されていることを特徴とする電子機器の
筐体である。請求項1では、金属製の外側部はプレス成
形されている。樹脂製の内側部は、外側部の内側に配置
される。外側部は、アルミニウムに主添加元素としてマ
グネシウムが添加された金属素材をプレス成形すること
により形成されている。これにより、金属製の外側部と
樹脂製の内側部を別々にリサイクル処理することができ
る。外側部に使用しているアルミニウム合金は主添加元
素としてマグネシウムを添加している合金であり、アル
ミニウム合金の中では比較的強度が高く、また、成形性
にも優れている。これにより、純アルミニウムを使用す
る場合と比較して板厚を薄くすることが可能となり、軽
量化が達成できる。
【0006】請求項2の発明は、請求項1に記載の電子
機器の筐体において、前記外側部の厚みは、0.6mm
ないし0.9mmである。請求項2では、外側部の厚み
が0.6mmよりも薄いと(小さいと)、筐体としての
剛性を充分に確保できなくなるばかりか、筐体自体の熱
容量が小さくなるために、充分な放熱性を発揮できなく
なる。外側部の厚みが0.9mmよりも厚いと、軽量化
効果がなくなる。
【0007】請求項3の発明は、請求項1に記載の電子
機器の筐体において、前記外側部の内面に固定され、カ
シメるための爪を有する接合部材と、前記内側部の内面
に配置される深絞り形状部材であり、前記接合部材の前
記カシメるための爪をカシメることで前記外側部と前記
内側部を一体的に固定する前記深絞り形状部材とを有す
る。請求項3では、接合部材は外側部の内面に固定され
ており、カシメるための爪を有している。深絞り形状部
材は、内側部の内面に配置されており、この深絞り形状
部材は、カシメるための爪をカシメることで、外側部と
内側部を一体的に固定することができる。これにより、
リサイクルを行う場合に、カシメるための爪のカシメ状
態を解除することにより、金属製の外側部と樹脂製の内
側部を簡単に分離してそれぞれ別々にリサイクル処理す
ることができる。
【0008】請求項4の発明は、請求項1に記載の電子
機器の筐体において、前記外側部は、前記内側部に対し
てカシメるための爪をカシメることで一体的に固定す
る。請求項4では、外側部は内側部に対してカシメるた
めの爪をカシメることで、一体的に固定している。これ
により、カシメるための爪のカシメ状態を解除すること
により、金属製の外側部と樹脂製の内側部を簡単に分離
してそれぞれ別々にリサイクルすることができる。
【0009】請求項5の発明は、請求項1に記載の電子
機器の筐体において、筐体の内部に配置される対象物を
前記外側部に電気的にアースするためのアース部材を有
し、前記アース部材は、前記外側部の内面と前記内側部
の外面の間に挟まれて保持される接地部と、前記接地部
と一体に形成され、前記内側部の突出部の頂部に配置さ
れて前記対象物に電気的に接続される接続部と、を有す
る。請求項5では、アース部材の接地部は、外側部の内
面と内側部の外面の間に挟まれて保持されている。これ
により接地部は外側部に対して電気的に接地してアース
できる。アース部材の接続部は、接地部と一体に形成さ
れており、この接続部は突出部の頂部に配置されてい
て、対象物に対して電気的に接続されるようになってい
る。これにより、筐体の内部に配置された対象物は、ア
ース部材を用いて、簡単に外側部に対して電気的にアー
スを取ることができる。
【0010】請求項6の発明は、電子機器の筐体におい
て、プレス成形された金属製の外側部と、前記外側部の
内側に配置される樹脂製の内側部と、を備え、前記外側
部は、アルミニウムに主添加元素としてマンガンが添加
された金属素材をプレス成形することにより形成されて
いることを特徴とする電子機器の筐体である。請求項6
では、金属製の外側部はプレス成形されている。樹脂製
の内側部は、外側部の内側に配置される。外側部は、ア
ルミニウムに主添加元素としてマンガンが添加された金
属素材をプレス成形することにより形成されている。こ
れにより、金属製の外側部と樹脂製の内側部を別々にリ
サイクル処理することができる。外側部に使用している
アルミニウム合金は主添加元素としてマンガンを添加し
ている合金であり、アルミニウム合金の中では純アルミ
ニウムより強度が高く、成形性にも優れている。これに
より、純アルミニウムを使用する場合と比較して板厚を
薄くすることが可能となり、軽量化が達成できる。
【0011】請求項7の発明は、請求項6に記載の電子
機器の筐体において、前記外側部の厚みは、0.6mm
ないし0.9mmである。請求項7では、外側部の厚み
が0.6mmよりも薄いと(小さいと)、筐体としての
剛性を充分に確保できなくなるばかりか、筐体自体の熱
容量が小さくなるために、充分な放熱性を発揮できなく
なる。外側部の厚みが0.9mmよりも厚いと、軽量化
効果がなくなる。
【0012】請求項8の発明は、電子機器の筐体におい
て、プレス成形された金属製の外側部と、前記外側部の
内側に配置される樹脂製の内側部と、を備え、前記外側
部は、アルミニウムに主添加元素としてシリコンとマグ
ネシウムが添加された金属素材をプレス成形することに
より形成されていることを特徴とする電子機器の筐体で
ある。請求項8では、金属製の外側部はプレス成形され
ている。樹脂製の内側部は、外側部の内側に配置され
る。外側部は、アルミニウムに主添加元素としてシリコ
ンとマグネシウムが添加された金属素材をプレス成形す
ることにより形成されている。これにより、金属製の外
側部と樹脂製の内側部を別々にリサイクル処理すること
ができる。外側部に使用しているアルミニウム合金は主
添加元素としてシリコンとマグネシウムを添加している
合金であり、時効処理を施すことによって強度が向上す
る合金である。これにより、純アルミニウムを使用する
場合と比較して板厚を薄くすることが可能となり、軽量
化が達成できる。
【0013】請求項9の発明は、請求項8に記載の電子
機器の筐体において、前記外側部の厚みは、0.6mm
ないし0.9mmである。請求項9では、外側部の厚み
が0.6mmよりも薄いと(小さいと)、筐体としての
剛性を充分に確保できなくなるばかりか、筐体自体の熱
容量が小さくなるために、充分な放熱性を発揮できなく
なる。外側部の厚みが0.9mmよりも厚いと、軽量化
効果がなくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明
の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨
の記載がない限り、これらの形態に限られるものではな
い。
【0015】図1は、本発明の電子機器の筐体を有する
電子機器の好ましい実施の形態を示している。この電子
機器は、一例として携帯型のコンピュータであり、いわ
ゆるノート型のコンピュータである。このコンピュータ
1は、表示部2と本体3を有している。表示部2はたと
えば液晶表示パネル2Aを有している。表示部2のヒン
ジ4は、本体3のヒンジ6に対して連結されており、表
示部2は、中心軸CLを中心として、本体3に対してR
方向に閉じることができる。
【0016】本体3は、筐体12を有し、この筐体12
は上部筐体部分20と下部筐体部分21を有している。
上部筐体部分20と下部筐体部分21が重なり合うこと
で、その内部に必要な電子部品や回路基板および冷却用
のファンモータ等を収容している。上部筐体部分20
は、キーボード5を有している。図1のヒンジ4,4の
間にはバッテリ7が着脱自在に装着されている。図2
は、筐体12の上部筐体部分20と下部筐体部分21を
分解して概略的に示している。
【0017】図3は、図1に示す筐体12の下部筐体部
分21の構造例を示す平面図である。下部筐体部分21
は、前側部30、後側部32、側部34、もう1つの側
部36を有している。後側部32のほぼ両端部には、ヒ
ンジ部分4A,4Aが突出して形成されている。各ヒン
ジ部分4Aは、図2に示すように上部筐体部分20の対
応するヒンジ部分11と重なることで、各ヒンジ4を構
成している。バッテリ7は、たとえば円筒状のバッテリ
であり、複数回充電可能な2次電池であり、たとえばリ
チウムイオン電池を用いることができる。
【0018】図3の下部筐体部分21は、概略的にはプ
レス成形された金属製の外側部40と樹脂製の内側部5
0を有する二重構造の筐体である。外側部40の内面に
対して内側部50の少なくとも一部分が重ねて固定され
ている。外側部40は金属素材をプレス成形により形成
されているが、この金属素材としては放熱性、加工性お
よび軽量化と製造上の歩留りやコスト等の観点から次の
ような材質を採用することができる。尚、以下に示す5
000系、3000系、及び6000系の金属材料は、
JIS規格(日本工業規格)に定められている。
【0019】金属製の外側部40は、アルミニウムに対
して主添加元素がマグネシウムである5000系の金属
材料を採用することができる。この5000系の金属材
料(アルミニウム材質)は、アルミニウム合金の中では
比較的強度が高く、また、成形性にも優れている。これ
により、純アルミニウムを使用する場合と比較して板厚
を薄くすることが可能となり、軽量化が達成できる。主
添加元素がマグネシウムであるアルミニウム材質を用い
る場合のアルミニウム材質の板厚は、次のように設定す
るのが望ましい。複雑な形状を有するたとえば下部筐体
部分21の外側部40を形成する場合に、従来のように
マグネシウムを用いる場合には、マグネシウムは歩留り
やコスト等を考慮すると、そのマグネシウムの板厚は
1.0mm以上が必要である。このマグネシウムの厚み
を1.0mmとした時の同等の性能を得るためのアルミ
ニウムの板厚は、次のような計算式で得ることができ
る。
【0020】計算式 (1)重量同一の際の計算式A1 ×ρA1 =tMg ×ρMgA1 =(ρMg /ρA1 )×tMgA1 ≒0.644×tMg =0.644×1.0=0.644mm‥‥‥(式1) (2)剛性同一の際の計算式(曲げ剛性の式を使用) (tA1 3 ×EA1 =(tMg 3 ×EMgA1 =(EMg /EA1 1/3 ×tMg A1 ≒0.863×tMg =0.863×1.0=0.863mm‥‥‥(式2) (3)デント性同一の際の計算式A1 ×σyA1 =tMg ×σyMgA1 =(σyMg /σyA1 )×tMgA1 ≒0.662×tMg =0.662×1.0=0.662mm‥‥‥(式3) ここで、tA1 :アルミニウム材の板厚 ρA1 :アルミニウム材の比重(=2.70) EA1 :アルミニウム材のヤング率(=70Gpa) σyA1 :アルミニウム材の耐力(=145Mpa ,5182−0
を想定) tMg :マグネシウム材の板厚 ρMg :マグネシウム材の比重(=1.74) EMg :マグネシウム材のヤング率(=45Gpa) σyMg :マグネシウム材の耐力(=96Mpa)
【0021】上記重量同一の際の計算式1は、マグネシ
ウムと同等の重量にするためのアルミニウム材の板厚を
算出するための式である。ここでは、マグネシウムの板
厚を1.0mmと仮定した際のアルミニウム材の板厚を
計算によって求めており、0.644mmの材料を使用
すれば同等の重量になることが分かる。上記剛性同一の
際の計算式2は、製品に曲げモーメントが負荷される際
にマグネシウムと同等の剛性、即ちたわみにするための
アルミニウム材の板厚を算出するための式である。ここ
では、マグネシウムの板厚を1.0mmと仮定した際の
アルミニウム材の板厚を採算によって求めており、0.
863mmの材料を使用すれば同等の剛性を有すること
が分かる。上記デント性同一の際の計算式3は、マグネ
シウムと同等の局部変形、即ち、局部的なへこみに対す
る感受性を同等にするためのアルミニウム材の板厚を算
出するための式である。ここでは、マグネシウムの板厚
を1.0mmと仮定した際のアルミニウム材の板厚を計
算によって求めており、0.662mmの材料を使用す
れば同等のデント性を有することが分かる。上記の重量
同一の際の計算式1と、剛性同一の際の計算式2、およ
びデント性同一の際の計算式3において、マグネシウム
の板厚tMgが1.0mmとした場合には、主添加元素
がマグネシウムのアルミニウム材質の厚みは0.644
mmであり、剛性同一の際の計算式では、アルミニウム
素材の厚みは0.863mmであり、デント性同一の際
の計算式によれば、アルミニウム素材の厚みは0.66
mmとなる。このことから、マグネシウムが主添加元素
であるアルミニウム素材の板厚の範囲は、好ましくは
0.6mmないし0.9mmであり、最も好ましくは
0.8mmである。この5000系のアルミニウム素材
の板厚が0.6mmよりも小さいと(薄いと)、剛性や
デント性が低く、筐体としての剛性を充分に確保できな
くなるばかりか、筐体自体の熱容量が小さくなるため
に、充分な放熱性を発揮できなくなる。またこの500
0系のアルミニウム素材の板厚が0.9mmよりも大き
いと、剛性はよいが重量が大きくなってしまい、軽量化
効果がなくなる。
【0022】このように外側部40の素材としては、加
工性に難のあるマグネシウム素材に代えてアルミニウム
に主添加元素がマグネシウムである金属素材を用いる。
しかしこれに代えて、アルミニウム材質は、主添加元素
がマンガン(Mn)である3000系または、アルミニ
ウム材質は、主添加元素がシリコン/マグネシウム(S
i/Mg)である6000系であってもよい。この30
00系のアルミニウム材質はアルミニウム合金の中では
純アルミニウムより強度が高く、成形性にも優れてい
る。これにより、純アルミニウムを使用する場合と比較
して板厚を薄くすることが可能となり、軽量化が達成で
きる。この3000系のアルミニウム素材の板厚が0.
6mmよりも小さいと(薄いと)、剛性やデント性が低
く、筐体としての剛性を充分に確保できなくなるばかり
か、筐体自体の熱容量が小さくなるために、充分な放熱
性を発揮できなくなる。またこの3000系のアルミニ
ウム素材の板厚が0.9mmよりも大きいと、剛性はよ
いが重量が大きくなってしまい、軽量化効果がなくな
る。また6000系のアルミニウム材質は、時効処理を
施すことによって強度が向上する合金である。これによ
り、純アルミニウムを使用する場合と比較して板厚を薄
くすることが可能となり、軽量化が達成できる。この6
000系のアルミニウム素材の板厚が0.6mmよりも
小さいと(薄いと)、剛性やデント性が低く、筐体とし
ての剛性を充分に確保できなくなるばかりか、筐体自体
の熱容量が小さくなるために、充分な放熱性を発揮でき
なくなる。またこの6000系のアルミニウム素材の板
厚が0.9mmよりも大きいと、剛性はよいが重量が大
きくなってしまい、軽量化効果がなくなる。
【0023】また内側部50を樹脂で作る場合には、加
工性等を考慮して、ABS(アクリロニトリルブタジエ
ンスチレン)、PA(ポリアセタール)、PBT(ポリ
ブチレンテレフタレート)、PEI(ポリエーテルイミ
ド)、PC(ポリカーボネート)、PPO(ポリフェニ
レンオキサイド)、PPE(ポリフェニレンエーテル)
等を採用することができる。内側部50を樹脂で作る場
合に特に好ましくは、上述した樹脂に対してカーボンフ
ァイバーを含有させる。このように樹脂に対してカーボ
ンファイバーを含有させると、図1の筐体12の内部に
配置された電子部品やその他の部分からの生じる電磁波
を反射して、外部に放出しない優れた効果がある。また
重量もアップしないという利点がある。
【0024】上述したように、下部筐体部分21の外側
部40が金属により作られているので、下部筐体部分2
1のほとんどの体裁面を金属のプレス成形で形成するこ
とができるので、たとえ複雑な形状であっても、良好な
外観上の体裁面を演出することができる。
【0025】図3に示す下部筐体部分21は、外側部4
0と内側部50を有している。図4は、図3の下部筐体
部分21をE方向から見た下部筐体部分21の側面図で
ある。図5は図4の下部筐体部分21をF方向から見た
側面図である。図6は、図3に示す内側部50を示す平
面図であり、図7は、図6の内側部50の側面図であ
る。図8〜図13は、たとえば図3に示す下部筐体部分
21における外側部40と内側部50の結合部分100
0の構成例を示している。
【0026】図8と図9に示すように外側部(アウター
とも呼ぶ)40と内側部(インナーとも呼ぶ)50は、
重ねて配置されている。外側部40の内面40Iと内側
部50の外面50Uが、たとえばほぼ密着して配置され
ている。図8と図9に示すように、内側部50の内面5
0Iには、深絞り形状部材200が設けられている。図
9に示すように外側部40の内面40Iには接合部材3
00が設けられている。深絞り形状部材200は、たと
えばアルミニウムにより作られており、接合部材300
もたとえばアルミニウムにより作られている。絞り形状
部材200は、図9に示すように円錐部210とフラン
ジ部220を有している。フランジ部220には、2箇
所に孔230が反対位置に形成されている。円錐部21
0の頂部240には孔250が形成されている。これに
対して接合部材300は、リング状部分310と2つの
カシメるための爪320が突出するようにして反対位置
に形成されている。リング状部分310の中には孔33
0が形成されている。
【0027】図10と図11に示すように、接合部材3
00はリング状部分310の上下に、リング状の突出部
340と350が形成されている。突出部350は、外
側部40の孔40Hに対してはめ込んで図11(A)の
はめ込み前の状態から図11(B)のカシメ状態にカシ
メることにより、接合部材300は外側部40に対して
固定することができる。
【0028】そして、図8と図9に示すように、接合部
材300の2つの爪320がフランジ部220の孔23
0に対して挿入した後に、図8に示すようにT方向に機
械的にカシメることで、外側部40と内側部50および
深絞り形状部材200は一体的に機械的に固定できる。
【0029】図12は、このように一体化された外側部
40と内側部50および深絞り形状部材200などの構
造例を拡大して示す断面図である。図13に示すように
深絞り形状部材200の中に、たとえばねじ400をは
め込んでたとえば上部筐体部分20のめねじ20Rにね
じ込むことにより、下部筐体部分21と、上部筐体部分
20をねじにより一体的に固定することができる。しか
しこのようにねじ400を固定する対象としては、上部
筐体部分20以外に、たとえば内部の回路基板であって
も勿論構わないし、他の部分であっても勿論構わない。
【0030】図14〜図16は、下部筐体部分21の外
側部40と内側部50の別の形状部分を示している。図
14〜図16に示す部分は、図3に示すヒンジ部4Aで
ある。外側部40の内側に内側部50が配置されるので
あるが、外側部40からは複数のカシメ用の爪430が
突出して形成されている。しかも外側部40の壁面44
0,450,460には、それぞれ内側に向けてワンタ
ッチではめ込むための爪470が内側に向けて形成され
ている。
【0031】一方、内側部50には、孔530が形成さ
れている。この他に内側部50の壁面540,550,
560には、それぞれ凹部570が形成されている。内
側部50の外面50Uを、外側部40の内面40Iに対
して密着するようにしてはめ込むと、爪430が孔53
0にはまり込むとともに、爪470が凹部570にはま
り込む。そして、爪430をG方向にカシメることによ
り、図15に示すように、外側部40と内側部50は一
体的にカシメるだけで固定することができる。図16は
図15の部分590を拡大して示している断面を有する
斜視図である。
【0032】次に、図17〜図19は、図3の一例とし
て結合およびアース取り出し部分の構造例を示してい
る。図17に示す結合およびアース取り出し部分200
0は、アース部材600を有している。このアース部材
600は、図18〜図20に示すように、接地部601
と接続部602を有している。接地部601は接続部6
02に対して連続して形成されており、接地部601
は、好ましくは凸部603を有している。この凸部60
3は、金属製の外側部40の内面40Iに対して電気的
に確実に接地してアースすることができるように設けら
れているものである。
【0033】図21はアース部材600の形状例を示し
ている。接続部602は、リング状部分605を有して
いる。このアース部材600は、導電性に優れ弾性変形
可能な材質、たとえば純アルミニウムの系統である10
00系や分散強化形合金である3000系のアルミニウ
ム材料、更には、銅合金により作られている。
【0034】図17と図18に示すように、内側部50
には、たとえば長方形状の孔50Dが形成されている。
この孔50Dには、接地部601を外側部40の内面4
0Iへ押さえ付けるための部材50Fが固定されてい
る。図18に示すように、リング状部分605の内周部
分は、絞り形状部分610により、内側部50の突出部
700の頂部701に固定されている。アース部材60
0の接続部602は、ボス状の突出部700のテーパー
状の外周面710に沿って配されている。接地部601
は、部材50Fにより折り曲げられて外側部40の内面
40Iへ押付けられており、接地部601の突起603
がアース部材600のスプリングバック力により、外側
部40の内面40Iに対して十分な力で電気的に接地さ
れている。
【0035】図20は、このボス状の突出部700を用
いて、筐体内部にメインの回路基板290を電気的に接
続した例を示している。メイン基板290の導体部29
1は、アース部材600のリング状部分605の上に載
せられており、ねじ740はねじ込むことにより、メイ
ンの回路基板290は、ボス700の孔720に対して
ねじ込まれる。これにより孔720の内周面にはねじ7
40のおねじ部分によりいわゆるセルフタッピングによ
りめねじが形成されることから、ねじ740は孔720
の内周面に確実に固定することができる。このねじ74
0による固定により、メインの回路基板290の導体部
分291は、アース部材600のリング状部分605に
対して電気的に接続することができる。このことから、
メインの回路基板290の導体部分291は、アース部
材600を介して外側部40の内面40Iに対して電気
的に接地してアースすることができるのである。
【0036】ところで上述した実施の形態では、本発明
の電子機器の筐体として、図1に示す電子機器の筐体1
2の下部筐体部分21を例に挙げているが、これに限ら
ず上部筐体部分20あるいは表示部の筐体2Bを同様に
して構成することもできる。また電子機器としては、携
帯型のコンピュータに限らず、たとえばビデオカメラ、
スチルカメラ、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯オーディ
オ機器等を含むものである。
【0037】本発明の実施の形態では、金属製の外側部
40と樹脂製の内側部50は、カシメるための爪のカシ
メ状態を解除すれば、簡単に分離することができるの
で、金属製の外側部と樹脂製の内側部を別々にして、そ
れぞれリサイクル処理を行うことができるので、リサイ
クル性を向上できる。また外側部40は放熱性に優れた
金属を採用できるので、筐体の放熱性を向上をできる。
外側部40はマグネシウムのみで成形されておらず、ア
ルミニウムを基材としているので、プレス成形が容易で
ある。内側部は樹脂により作ることができるので、コス
トダウンを図ることができるとともに、内側部と外側部
は、カシメるための爪を用いて一体的に固定することが
できるので、組立性の向上が図れるので、コストダウン
を図ることができる。
【0038】このように本発明の実施の形態では筐体の
外側部(アウター)が金属製であり、筐体の内側部(イ
ンナー)が樹脂で構成されており、金属製の外側部は、
従来用いられているマグネシウム製の筐体部分と同等の
剛性を維持しつつ、複雑な形状の加工が可能である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
軽量化、組立性の向上、放熱性の向上、およびコストダ
ウンを図れるとともに、リサイクルが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器の筐体を有する電子機器の好
ましい実施の形態を示す斜視図。
【図2】図1の電子機器の筐体の上部筐体部分と下部筐
体部分を示す分解図。
【図3】下部筐体部分を示す平面図。
【図4】下部筐体部分の側面図。
【図5】下部筐体部分の別の側面図。
【図6】下部筐体部分の内側部を示す平面図。
【図7】図6の内側部を示す側面図。
【図8】外側部と内側部および深絞り形状部分等を示す
斜視図。
【図9】図8の内側部と外側部を分離した状態を示す斜
視図。
【図10】外側部と接合部材を示す斜視図。
【図11】接合部材を外側部の孔にはめ込む状態を示す
図。
【図12】図8のJ−Jにおける断面構造例を示す図。
【図13】図12の部分を使用している例を示す図。
【図14】図3のヒンジ部の構成例を示す分解斜視図。
【図15】ヒンジ部の組立例を示す斜視図。
【図16】図15のH−Hにおける断面構造例を示す
図。
【図17】図3の結合およびアース取り出し部分の構造
例を示す斜視図。
【図18】図17のA−Aにおける断面構造例を示す
図。
【図19】アース部材を取り付ける様子の例を示す図。
【図20】アース部材を用いてメインの回路基板と外側
部の電気的なアースを設ける例を示す図。
【図21】アース部材の形状例を示す図。
【符号の説明】
1・・・コンピュータ(電子機器)、4A・・・ヒンジ
部、12・・・筐体、21・・・下部筐体部分、40・
・・外側部(アウター)、50・・・内側部(インナ
ー)、200・・・深絞り形状部材、300・・・接合
部材、320・・・カシメるための爪、430・・・カ
シメるための爪、600・・・アース部材、601・・
・接地部、602・・・接続部、700・・・突出部、
1000・・・結合部分、2000・・・結合およびア
ース取り出し部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 順一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 佐野 充邦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 小倉 健一 東京都千代田区丸の内2−6−1 古河電 気工業株式会社内 (72)発明者 山▲崎▼ 淳 東京都千代田区丸の内2−6−1 古河電 気工業株式会社内 Fターム(参考) 4E360 ED02 ED08 EE02 GA24 GA34 GA52 GA53 GA60 GB46 GC04 GC08 GC14 5E321 AA01 CC02 GG01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子機器の筐体において、 プレス成形された金属製の外側部と、 前記外側部の内側に配置される樹脂製の内側部と、を備
    え、 前記外側部は、アルミニウムに主添加元素としてマグネ
    シウムが添加された金属素材をプレス成形することによ
    り形成されていることを特徴とする電子機器の筐体。
  2. 【請求項2】 前記外側部の厚みは、0.6mmないし
    0.9mmである請求項1に記載の電子機器の筐体。
  3. 【請求項3】 前記外側部の内面に固定され、カシメる
    ための爪を有する接合部材と、 前記内側部の内面に配置される深絞り形状部材であり、
    前記接合部材の前記カシメるための爪をカシメることで
    前記外側部と前記内側部を一体的に固定する前記深絞り
    形状部材とを有する請求項1に記載の電子機器の筐体。
  4. 【請求項4】 前記外側部は、前記内側部に対してカシ
    メるための爪をカシメることで一体的に固定する請求項
    1に記載の電子機器の筐体。
  5. 【請求項5】 筐体の内部に配置される対象物を前記外
    側部に電気的にアースするためのアース部材を有し、 前記アース部材は、 前記外側部の内面と前記内側部の外面の間に挟まれて保
    持される接地部と、 前記接地部と一体に形成され、前記内側部の突出部の頂
    部に配置されて前記対象物に電気的に接続される接続部
    と、を有する請求項1に記載の電子機器の筐体。
  6. 【請求項6】 電子機器の筐体において、 プレス成形された金属製の外側部と、 前記外側部の内側に配置される樹脂製の内側部と、を備
    え、 前記外側部は、アルミニウムに主添加元素としてマンガ
    ンが添加された金属素材をプレス成形することにより形
    成されていることを特徴とする電子機器の筐体。
  7. 【請求項7】 前記外側部の厚みは、0.6mmないし
    0.9mmである請求項6に記載の電子機器の筐体。
  8. 【請求項8】 電子機器の筐体において、 プレス成形された金属製の外側部と、 前記外側部の内側に配置される樹脂製の内側部と、を備
    え、 前記外側部は、アルミニウムに主添加元素としてシリコ
    ンとマグネシウムが添加された金属素材をプレス成形す
    ることにより形成されていることを特徴とする電子機器
    の筐体。
  9. 【請求項9】 前記外側部の厚みは、0.6mmないし
    0.9mmである請求項8に記載の電子機器の筐体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10152081B2 (en) 2008-10-13 2018-12-11 Apple Inc. Portable computer unified top case
US10474189B2 (en) 2008-10-13 2019-11-12 Apple Inc. Portable computer unified top case
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