JP2002155447A - 防火布 - Google Patents

防火布

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JP2002155447A
JP2002155447A JP2000346465A JP2000346465A JP2002155447A JP 2002155447 A JP2002155447 A JP 2002155447A JP 2000346465 A JP2000346465 A JP 2000346465A JP 2000346465 A JP2000346465 A JP 2000346465A JP 2002155447 A JP2002155447 A JP 2002155447A
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fiber
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Katsuro Tsukamoto
勝朗 塚本
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Japan Matex KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製鉄所、発電所、造船所、自動車工場等にお
いて発生する火花を効果的に遮り、防火用カ−テンとし
て好適に採用しうる断熱性に優れた防火布を提供する。 【解決手段】 1本または複数本の軟質糸材(4)を1
つに束ねた或いは1本に撚り合わせた軟質糸(2)と、
1本または複数本の硬質糸材(5)を1つに束ねた或い
は1本に撚り合わせた硬質糸(3)とを織り合わせると
ともに、前記軟質糸材(4)は、ヤング率が7200〜
7700kg/mm2 、溶融点が550〜900℃の軟
質繊維(6)からなり、かつ前記硬質糸材(5)は、ヤ
ング率が20000〜25000kg/mm2 で不溶融
性の硬質繊維(7)からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防火布、特に、発
電所、製鉄所、造船所、自動車工場等において発生する
火花、火の粉を効果的に遮り、防火用カ−テンとして好
適に採用しうる断熱性に優れた防火布に関する。
【0002】
【従来の技術】発電所、製鉄所、造船所、自動車工場等
において、金属溶融、金属加工、溶接時等に発生する高
温の火花、火の粉、或いは熱気から作業者の身体を守る
ために、従来、金属板、耐熱ガラス板等が多用されてい
る。しかし、これらの板材は、工場内等で場所をとり、
また、成形に手間を要することから、設置場所に柔軟に
対応しうる布を用いた防火材が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような布を用いた
防火材として、不溶融性の炭素繊維から形成することが
提案されているが、炭素繊維は、ヤング率が極めて高く
て硬いため、なじみ性が低く、これから糸を成形して布
を織るのが困難であり、又、例え布を成形しても、該布
に比較的大きな隙間、即ち「目」が生じ、高温の火花を
確実に遮蔽できないという問題がある他、布全体の可撓
性が低下し、設置場所に柔軟に対応させるのが難しく、
しかもコスト高の問題もある。
【0004】本発明は、硬質繊維からなる硬質糸材を用
いた硬質糸と、軟質繊維からなる軟質糸材を用いた軟質
糸とを織り合わせることを基本として、成形性、柔軟
性、可撓性を確保しながら、隙間を低減した織物を形成
でき、飛散する火花を効果的に遮り、防火用カ−テンと
して好適に採用しうる断熱性に優れた防火布の提供を目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の内、請求項1記載の発明は、1本または複
数本の軟質糸材を1つに束ねた或いは1本に撚り合わせ
た軟質糸と、1本または複数本の硬質糸材を1つに束ね
た或いは1本に撚り合わせた硬質糸とを織り合わせると
ともに、前記軟質糸材は、ヤング率が7200〜770
0kg/mm2、溶融点が550〜900℃の軟質繊維
からなり、かつ前記硬質糸材は、ヤング率が20000
〜25000kg/mm2 で不溶融性の硬質繊維からな
ることを特徴とする防火布である。
【0006】また、請求項2記載の発明は、前記軟質繊
維が、ガラス繊維であり、硬質繊維が炭素繊維であるこ
とを特徴とする請求項1記載の防火布である。また、請
求項3記載の発明は、前記炭素繊維が、アクリルを不活
性ガス中で800〜1000℃で加熱焼成した黒化繊維
であることを特徴とする請求項2記載の防火布である。
また、請求項4記載の発明は、前記硬質糸が、前記軟質
糸材により巻回されることを特徴とする請求項1から3
のいずれかに記載の防火布である。また、請求項5記載
の発明は、前記軟質繊維が、短繊維からなる金属ウール
とガラス綿とを混紡した不織布を帯状にして撚り加工す
ることにより得られることを特徴とする請求項1記載の
防火布である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る防火布の実施
の形態について、図面に基づき説明する。図1は本発明
の防火布の一実施形態を示す平面図であり、図2は軟質
糸材により巻回された硬質糸の一実施形態を示す線図で
ある。
【0008】本発明に係る防火布(1)は、軟質糸
(2)と硬質糸(3)とを織り合わせたものである。軟
質糸(2)は、1本または複数本の軟質糸材(4)を1
つに束ねることにより、或いは1本に撚り合わせること
により形成されるとともに、硬質糸(3)は、1本また
は複数本の硬質糸材(5)を1つに束ねることにより、
或いは1本に撚り合わせることにより形成される。
【0009】前記硬質糸材(5)は、硬質繊維(7)を
引きそろえ、所望の撚りをかけたものである。なお、撚
りをかけなくても良い。前記硬質繊維(7)には、ヤン
グ率が20000〜25000kg/mm2 で不溶融性
の繊維が用いられる。具体的には、硬質繊維(7)とし
て、炭素繊維が好ましく用いられる。一般に、有機繊維
を窒素気流などの不活性ガス中で加熱焼成し、さらに高
熱処理すると炭素繊維がつくられるが、この炭素繊維
は、熱処理の温度で次のように分類される。 黒化繊維・・・200〜500℃ 炭素繊維・・・800〜1200℃ 黒鉛繊維・・・2500〜3000℃ 本発明に係る防火布(1)に用いられる硬質繊維(7)
として、これらの炭素繊維の中でも、アクリルを不活性
ガス中で800〜1000℃の温度で加熱焼成して得ら
れる炭素繊維が好ましく用いられる。
【0010】1000℃よりも更に高温で熱処理して得
られる炭素繊維、黒鉛繊維は、ヤング率が高くなって硬
くなりすぎるので、防火布(1)に比較的大きな隙間、
即ち目が生じやすく、防火性能の確保が難しくなるとと
もに、織り加工が困難となり、成形性、柔軟性が低下し
やすく、また、コストも高くなる。発電所、製鉄所、造
船所、自動車工場内等において、金属加工、溶接時など
の際に発生する火花に対する防火性、耐火性、或いは熱
気に対する断熱性等を考慮すると、800〜1000℃
の焼成温度で十分である。しかしながら、本発明に係る
防火布(1)において、800℃よりも低温、例えば2
78〜288℃で加熱焼成されたPAN系のセミカーボ
ン繊維、即ちPAN系の黒化繊維を用いてもよく、ま
た、1000℃よりも高温で熱処理して得られる炭素繊
維を用いてもよい。
【0011】前記硬質繊維(7)のヤング率が2000
0kg/mm2 未満となると、軟らかくなりすぎて、防
火布(1)の保形性が減じるとともに、火花に対する抵
抗が低下し、防火性能を十分に得るのが困難になること
がある。逆に、硬質繊維(7)のヤング率が25000
kg/mm2 よりも大きくなると、硬くなりすぎ、なじ
み性、成形性が低下し、防火布(1)に比較的大きな目
が生じやすく、又、織り加工が困難となるとともに、可
撓性が低減し、設置場所に柔軟に対応しきれないことが
ある。従って、硬質繊維(7)としては、不溶融性で、
ヤング率が20000〜25000kg/mm2 、より
好ましくはヤング率が20000〜23000kg/m
2 の範囲にあるのが良い。
【0012】前記軟質糸材(4)は、軟質繊維(6)を
引きそろえ、所望の撚りをかけたものである。なお、撚
りをかけなくても良い。前記軟質繊維(6)は、ヤング
率が7200〜7700kg/mm2 、溶融点が550
〜900℃の繊維が用いられる。ヤング率が7200k
g/mm2 よりも小さいと、軟らかくなりすぎて、火花
に対する抵抗が低下し、防火性能を十分に得るのが困難
になるとともに、前記硬質繊維(7)との硬さの差が大
きくなり、防火布(1)の保形性、成形性が低減する。
逆に、軟質繊維(6)のヤング率が7700kg/mm
2 よりも大きいと、硬くなりすぎ、防火布(1)の目を
十分に埋めることが難しくなり、又、織り加工が困難と
なるとともに、防火布(1)全体の硬さが過度に大きく
なり、可撓性、取扱い性を損ない、設置場所に柔軟に対
応しきれない場合がある。従って、軟質繊維(6)のヤ
ング率は、7200〜7700kg/mm2 、より好ま
しくは7300〜7500kg/mm2 の範囲にあるの
が良い。
【0013】また、軟質繊維(6)の溶融点が550℃
よりも低いと、低温で溶融してしまい、不用意に裂けて
しまうことがあり、火花を十分に遮ることができなくな
る一方、逆に900℃よりも高いと、火花が当たっても
溶融しなくなり、防火布(1)の目を軟質繊維(6)の
溶融物で閉じることが困難となる。従って、軟質繊維
(6)の溶融点は、550〜900℃、より好ましくは
800〜850℃の範囲にあるのが良い。
【0014】具体的には、軟質繊維(6)として、ガラ
ス繊維が好ましく用いられうるが、ガラス繊維の中で
も、アルカリ含有量(Na2 OとK2 O)が1%以下の
無アルカリガラスが、断熱性、耐食性を高めうる観点か
ら好ましい。
【0015】また、軟質繊維として、Ni、Fe、SU
S304、SUS430等からなりかつ長さ7〜30m
m、φ3〜10μmの範囲の短繊維を用いた金属ウール
と、ガラス綿とを混紡した不織布を帯状にして撚糸機に
かけ、撚り糸にしたものを好ましく採用できる。かかる
場合、金属ウールは、体積比で3〜20%の範囲とす
る。3%よりも少ないと、なじみ性が悪くなり、逆に2
0%よりも多いと、重くなりすぎるので好ましくない。
また、撚糸機による撚りは、山々間で測定して1m当り
30〜70の範囲とする。撚り数が70よりも多いと、
繊維が硬くなりすぎ、30よりも小さいと、保形性が低
下する。
【0016】前記軟質繊維(6)は、引きそろえて1本
に束ねられ、前記軟質糸材(4)を形成するとともに、
前記硬質繊維(7)は、引きそろえて、適宜撚りがかけ
られ(撚りをかけないものでもよい)、1本に束ねら
れ、前記硬質糸材(5)が形成される。
【0017】前記軟質糸(2)は、1本または複数本の
前記軟質糸材(4)を1本に束ねることにより、或いは
1本に撚り合わせることにより形成されるとともに、前
記硬質糸(3)は、1本または複数本の前記硬質糸材
(5)を1本に束ねることにより、或いは1本に撚り合
わせることにより形成される。さらに、このような軟質
糸(2)を、たて糸或いはよこ糸とし、硬質糸(3)
を、よこ糸或いはたて糸として、該軟質糸(2)、硬質
糸(3)を織り合わせることにより、防火布(1)が得
られる。なお、硬質糸(3)を、たて糸として防火布
(1)を形成するのが、耐久性、保形性を保持しうる観
点から好ましい。
【0018】この防火布(1)を、例えば火花受けの防
火用カーテンの材料として用いると、火花が該防火布
(1)に付着しても、軟質繊維(6)のみが溶融して防
火布(1)の目を詰め、火花の通り抜けを防ぎ、優れた
防火性を得ることができる。
【0019】また、前記軟質糸(2)と硬質糸(3)と
からなる織物組織としては、限定されるわけでは勿論な
いが、たて糸とよこ糸とが1本ずつ交互に交錯し、丈夫
で機械的性能に優れ、成形が容易であるとともに、軟質
繊維(6)の溶融により目詰め効果が最も顕著ないわゆ
る「平織」が好ましい。
【0020】また、前記硬質糸(3)の周りに、図2に
示す如く、該硬質糸(3)よりも小径の軟質糸材(4)
を巻回させた硬質糸(3A)を、防火布(1)のたて
糸、またはよこ糸に用いることにより、該防火布(1)
の硬質糸(3A)が露出する部分にも、前記軟質繊維
(6)を存在させることができ、飛散する火花等が軟質
繊維(6)に付着して該軟質繊維(6)を溶融させ防火
布(1)の目を詰める作用を更に促進させうる。また、
前記硬質糸材(5)が撚り合わされている場合には、硬
質糸(3)に巻回される軟質糸材(4)が、硬質糸
(3)の「ほつれ」を防止することにも役立つ。なお、
防火布(1)に使用される硬質糸(3)を、全て軟質糸
材(4)が巻回された硬質糸(3A)としてもよく、
又、部分的に該硬質糸(3A)を用いてもよいが、後者
の場合、1つとび、2つとび等、防火布(1)全体に均
一に硬質糸(3A)を配置するのが、防火性、耐火性を
確保しうる観点から好ましい。
【0021】なお、前記軟質糸(2)をたて糸又はよこ
糸とし、硬質糸(3)をよこ糸又はたて糸とした織物の
組織には、前述した平織の他にも、斜文織等の一重組
織、重ね組織、パイル組織、からみ組織、紋織組織等の
種々の形態を採用しうる。
【0022】また、本発明に係る防火布(1)は、火花
受けの防火用カーテンの他にも、防火着等の衣類など、
種々の防火、断熱材として利用できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る防火布の実施例を示すこ
とにより、本発明の効果をより明確にする。 (実施例1)ヤング率が7400kg/mm2 、溶融点
が820℃のガラス繊維を引きそろえてφ1.3mmの
軟質糸を製造した。また、ポリアクリロニトリル系繊維
(PAN)を窒素気流中で900℃で加熱焼成し、ヤン
グ率が22000kg/mm 2 の炭素繊維を引きそろえ
てφ1.5mmの硬質糸を製造するとともに、硬質糸を
たて糸、軟質糸をよこ糸として平織の布を形成した。織
り加工の成形性は良好であり、得られた布の保形性、柔
軟性も、カーテン材として良好であった。また、得られ
た布からなるカーテン材により、造船所の艤装ラインか
ら1m離れて火花を5時間連続して受けたところ、完全
に火花を遮蔽することが確認できた。 (比較例1)ヤング率が7400kg/mm2 、溶融点
が820℃のガラス繊維を引きそろえてφ1.3mmの
軟質糸を製造した。また、ポリアクリロニトリル系繊維
(PAN)を窒素気流中で2000℃で加熱焼成し、ヤ
ング率が26000kg/mm2 の炭素繊維を引きそろ
えてφ1.5mmの硬質糸を製造するとともに、硬質糸
をたて糸、軟質糸をよこ糸として平織の布を形成した。
織り加工は困難であり、また、得られた布の柔軟性も、
カーテン材としては硬すぎるものであった。また、得ら
れた布からなるカーテン材により、造船所の艤装ライン
から1m離れて火花を5時間連続して受けたところ、火
花を完全には遮蔽できないことが確認できた。 (比較例2)ヤング率が7400kg/mm2 、溶融点
が820℃のガラス繊維を引きそろえてφ1.3mmの
軟質糸を製造した。また、ポリアクリロニトリル系繊維
(PAN)を窒素気流中で500℃で加熱焼成し、ヤン
グ率が15000kg/mm 2 の炭素繊維を引きそろえ
てφ1.5mmの硬質糸を製造するとともに、硬質糸を
たて糸、軟質糸をよこ糸として平織の布を形成した。織
り加工の成形性は良好であったが、得られた布の保形
性、柔軟性は、工場で用いられる断熱用のカーテン材と
しては軟らかすぎるものであった。また、得られた布か
らなるカーテン材により、造船所の艤装ラインから1m
離れて火花を5時間連続して受けたところ、火花を完全
には遮蔽できないことが確認できた。 (比較例3)ヤング率が7900kg/mm2 、溶融点
が850℃のガラス繊維を引きそろえてφ1.3mmの
軟質糸を製造した。また、ポリアクリロニトリル系繊維
(PAN)を窒素気流中で900℃で加熱焼成し、ヤン
グ率が22000kg/mm 2 の炭素繊維を引きそろえ
てφ1.5mmの硬質糸を製造するとともに、硬質糸を
たて糸、軟質糸をよこ糸として平織の布を形成した。織
り加工はやや困難であり、また、得られた布の可撓性、
柔軟性は、カーテン材としてはやや硬すぎるものであっ
た。また、得られた布からなるカーテン材により、造船
所の艤装ラインから1m離れて火花を5時間連続して受
けたところ、火花を完全には遮蔽できないことが確認で
きた。 (比較例4)ヤング率が7000kg/mm2 、溶融点
が790℃のガラス繊維を引きそろえてφ1.3mmの
軟質糸を製造した。また、ポリアクリロニトリル系繊維
(PAN)を窒素気流中で900℃で加熱焼成し、ヤン
グ率が22000kg/mm 2 の炭素繊維を引きそろえ
てφ1.5mmの硬質糸を製造するとともに、硬質糸を
たて糸、軟質糸をよこ糸として平織の布を形成した。織
り加工はやや困難であり、また、得られた布の保形性、
柔軟性は、工場で用いられる断熱用のカーテン材として
は軟らかすぎるものであった。また、得られた布からな
るカーテン材により、造船所の艤装ラインから1m離れ
て火花を5時間連続して受けたところ、火花を完全には
遮蔽できないことが確認できた。
【0024】実施例1と比較例1〜4とを比較すると、
本発明に係る防火布は、成形性、保形性、柔軟性を確保
しながら、十分な防火・耐火性能を発揮できることが分
かる。
【0025】次に、本発明に係る防火布の難燃性をテス
トした。 (実施例2〔試験体〕)ヤング率が7400kg/mm
2 、溶融点が820℃のガラス繊維を引きそろえてφ
1.3mmの軟質糸を製造した。また、ポリアクリロニ
トリル系繊維(PAN)を窒素気流中で900℃で加熱
焼成し、ヤング率が22000kg/mm 2 の炭素繊維
を引きそろえてφ1.5mmの硬質糸を製造するととも
に、硬質糸をたて糸(600本/m)、軟質糸をよこ糸
(300本/m)として平織の布を形成した。得られた
布の大きさは900×1500mmであり、数量は3体
である。また、厚さは2.0mm、重量は800g/m
2 であった。 (試験方法)試験は、JIS A 1323(建築工事
用シートの溶接及び溶断火花に対する難燃性試験方法)
に規定する難燃性B種に従って行った。火花発生用鋼板
の切断条件を表1に示し、試験結果を表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】試験の結果、実施例2(試験体1、2、
3)は、JIS A 1323に規定する難燃性B種に
合格し、防火布としての難燃性を充足していることが確
認された。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明は、1本または複数本の軟質糸材を1つに束ねた或い
は1本に撚り合わせた軟質糸と、1本または複数本の硬
質糸材を1つに束ねた或いは1本に撚り合わせた硬質糸
とを織り合わせるとともに、前記軟質糸材は、ヤング率
が7200〜7700kg/mm2 、溶融点が550〜
900℃の軟質繊維からなり、かつ前記硬質糸材は、ヤ
ング率が20000〜25000kg/mm2 で不溶融
性の硬質繊維からなることを特徴とする防火布であるた
め、硬質糸材からなる硬質糸間に生じる隙間、即ち
「目」を軟質繊維で埋めることができ、発電所、製鉄
所、造船所、自動車工場などにおいて、金属加工、溶接
等から発生する火花等を確実に受けて遮ることが可能と
なり、防火用カーテン等の不燃織物、断熱材として好適
に採用しうるとともに、耐火性、防火性、断熱性、保形
性、柔軟性をバランスよく兼ね備えた防火布を、簡易な
成形作業で得ることが可能となる。また、硬質繊維のみ
を用いた布に比べて、成形性、可撓性を向上しうるとと
もに、設置場所に柔軟に対応でき、しかもコストの削減
を図りうる。
【0030】また、請求項2記載の発明によれば、前記
軟質繊維が、ガラス繊維であり、硬質繊維が炭素繊維で
あるため、火花が落ちてもガラス繊維が溶融して防火布
の目を詰めることが可能となり、不溶融性の炭素繊維と
協働して確実に火花を遮ることが出来る。
【0031】また、請求項3記載の発明によれば、前記
炭素繊維が、アクリルを不活性ガス中で800〜100
0℃で加熱焼成した繊維であるため、耐火性、防火性、
断熱性、保形性に優れた防火布を、成形性よくかつ経済
的に製造しうるとともに、防火布の柔軟性を確保しう
る。
【0032】また、請求項4記載の発明によれば、前記
硬質糸が、前記軟質糸材により巻回されるため、防火布
の硬質糸が露出する部分にも、前記軟質繊維を存在させ
ることができ、飛散する火花等が軟質繊維に付着して該
軟質繊維を溶融させ防火布の目を詰める作用を更に促進
させうるとともに、前記硬質糸材が撚り合わされている
場合の硬質糸の「ほつれ」を防止することにも役立つ。
【0033】また、請求項5記載の発明によれば、前記
軟質繊維が、短繊維からなる金属ウールとガラス綿とを
混紡した不織布を帯状にして撚り加工することにより得
られることを特徴としているため、金属ウールにより強
度が高められ、しかも防火布の耐熱性を向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防火布の一実施形態を示す平面図であ
る。
【図2】軟質糸材により巻回された硬質糸を示す線図で
ある。
【符号の説明】
1 防火布 2 軟質糸 3 硬質糸 4 軟質糸材 5 硬質糸材 6 軟質繊維 7 硬質繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 15/12 D03D 15/12 A Z Fターム(参考) 4L036 MA04 MA35 MA39 PA21 PA46 UA25 4L048 AA03 AA04 AA05 AA44 AA48 AA53 AB12 AB32 AC14 BA01 BA02 CA06 CA12 DA01 DA19 DA24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1本または複数本の軟質糸材を1つに束
    ねた或いは1本に撚り合わせた軟質糸と、1本または複
    数本の硬質糸材を1つに束ねた或いは1本に撚り合わせ
    た硬質糸とを織り合わせるとともに、 前記軟質糸材は、ヤング率が7200〜7700kg/
    mm2 、溶融点が550〜900℃の軟質繊維からな
    り、かつ前記硬質糸材は、ヤング率が20000〜25
    000kg/mm2 で不溶融性の硬質繊維からなること
    を特徴とする防火布。
  2. 【請求項2】 前記軟質繊維は、ガラス繊維であり、硬
    質繊維は炭素繊維であることを特徴とする請求項1記載
    の防火布。
  3. 【請求項3】 前記炭素繊維は、アクリルを不活性ガス
    中で800〜1000℃で加熱焼成した繊維であること
    を特徴とする請求項2記載の防火布。
  4. 【請求項4】 前記硬質糸は、前記軟質糸材により巻回
    されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
    載の防火布。
  5. 【請求項5】 前記軟質繊維は、短繊維からなる金属ウ
    ールとガラス綿とを混紡した不織布を帯状にして撚り加
    工することにより得られることを特徴とする請求項1記
    載の防火布。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102005001211A1 (de) * 2005-01-11 2007-04-26 Reick, Michael, Dr.-Ing. Rauchverschluss zur Verhinderung der Rauch- und Brandausbreitung
CN102383237A (zh) * 2011-09-30 2012-03-21 江苏喜登博服饰有限公司 一种新型耐热抗燃面料
CN105274687A (zh) * 2015-09-16 2016-01-27 太仓市月祥化纤有限公司 一种复合阻燃面料纤维
CN110344162A (zh) * 2019-08-05 2019-10-18 河北来利翼腾塑胶制造有限公司 一种施工用防火毯及其制备工艺

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