JP2002153522A - 便 器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】便器本体に水の浸透性がなく柔軟性を有する材
質で作られた防護衣を有し、体の不自由な患者や寝たき
りの老人の腰部に防護衣を固定することにより、減圧効
果を高め、用便をスムーズに処理する。 【構成】便器本体１を利用者８の臀部にあてがい、防護
衣４で腰部全体を包み防護衣４にあらかじめ縫い付けら
れた面ファスナー６で固定する。大小便の排泄時には、
冷水または温水源に接続された噴射ノズル２から水を噴
射して肛門付近の洗浄を行い、同時に排出孔２に接続さ
れた減圧タンク１０内部を負圧して、用便および臭気を
減圧タンク１０内に移送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、体の不自由な患者や寝
たきりの老人の用便を衛生的に処理する便器に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】体の不自由な患者や寝たきりの老人等の
用便を処理する用具として、差込式便器や便器付き介護
用ベッドなどが知られている。また、特開平５−２１２
０７７号公報に記載されているように、差込式便器に泡
発生器とタンク、真空吸引ポンプを接続し用便を泡発生
器から供給された気泡とともにタンクに吸引する用便吸
入処理装置がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、差込式便器や
便器付き介護用ベッドは用便時に、臭気が室内に放出さ
れて不具合さがある。また、上記の用便吸入処理装置で
は差込式便器部分に減圧効果を高める仕組みがないた
め、用便がタンク内に吸引されない事が起こりうる。

【０００４】本発明は、上記の事実から考えられたもの
で、ベッドで寝ている人に使用でき、臭気を周囲に発散
させることのない便器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、漏斗状の便器
本体の下部に用便を排出する排出孔と、臀部を洗浄する
噴射ノズルを有し、漏斗状の便器本体の上部に臭気の漏
洩防止と減圧効果を高めるための防護衣とを有すること
を特徴とする。または、上記漏斗状の便器本体と上記防
護衣を包括し、快適性と減圧効果をより高めるための下
部防護衣を有することを特徴とする。

【０００６】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は本発明による便器の平面図である。便器本
体１は、用便（大小便）を排出する排出孔２と、臀部を
洗浄する噴射ノズル３と、便器本体１の上部に取り付け
臭気の漏洩防止と減圧効果を向上させる防護衣４と、便
器本体１と防護衣４を包括でき快適性と減圧効果をより
高める下部防護衣５から構成される。

【０００７】図２は便器本体１の側面図である。便器本
体１の内側に排出孔２と、噴射ノズル３から構成され
る。便器本体１は股間に挟みやすいように、上端部は楕
円形の一方をつぶしたような形に作られ、金属製で漏斗
状をしており、細く絞られた下部に用便を排出する排出
孔２が形成されている。

【０００８】噴射ノズル３は、先端がシャワー状になっ
ており、冷水または温水を噴射させて臀部を洗浄すると
ともに、用便を排出孔２にスムーズに移動させる。噴射
ノズル３の形状や位置は、実施例に限定されるものでは
なく、種々の態様にすることができる。しかし、シャワ
ー状にしたことで、多量の水量を供給することが可能と
なり、臀部の洗浄と、用便の排出とを容易にすることが
できる。

【０００９】防護衣4は、水の浸透性がなく柔軟性を有
する材質で、ゴム引き布、合成樹脂のシート等を用い、
オムツカバーのような形に作り、足および胴に密着する
ように周囲にゴム７を取り付けている。さらに、便器本
体１との間に隙間ができないように便器本体１の上部に
固着してある。なお、防護衣４はゴムバンドなどにより
便器本体１に装着するようにして、着脱自在にしてもよ
い。

【００１０】下部防護衣５は防護衣４と同様の構造と
し、防護衣４全体と便器本体１の大部分を包括できる大
きさとする。下部防護衣５は防護衣４のみでは、防水効
果が不充分となる場合に使用するものであるから、便器
本体１全体を覆う必要はなく、防護衣４を覆えればよ
い。

【００１１】図３は本発明の使用状態を示す説明図であ
る。体の不自由な患者や寝たきりの老人などである利用
者８の臀部又は股間に便器本体１をあてがい、防護衣４
で腰部全体を包み防護衣４にあらかじめ縫い付けられた
面ファスナー６とゴム７とで腰部や太股に密着するよう
に固定する。さらに、必要に応じて防護衣４を包括でき
るように、外側から下部防護衣５を面ファスナー６とゴ
ム７とで利用者８の腰部と太股に固定する。

【００１２】また、排出孔２は、自由に可撓する吸引管
９を介して、減圧タンク１０に接続される。用便中に減
圧タンク１０を作動させておくことにより、便器本体１
の内部および防護衣４の内部は負圧力となり、用便およ
び臭気等を減圧タンク１０内に移送できる。なお、減圧
タンク１０は図４に示すように用便貯留タンク１２に吸
引手段としての例えば家庭用掃除機１３の吸い込み口を
接続する形で実現してもよい。

【００１３】噴射ノズル３にはホース１１により、冷水
または温水源などに接続される。用便中は冷水または温
水などを供給することにより、用便を排出孔２まで移動
することを助けるとともに、肛門付近の洗浄を行う。

【００１４】

【発明の効果】上述のように、本発明の便器によれば漏
斗状の便器本体の下部に用便を排出する排出孔と、臀部
を洗浄する噴射ノズルを有し、漏斗状の便器本体の上部
に臭気の漏洩防止と減圧効果を高めるための防護衣と、
を有するので、防護衣内を減圧可能な構成にし、用便が
臭気とともに減圧タンクにスムーズに移送することがで
き、体の不自由な患者や寝たきりの老人などの用便時の
臭気を取り去り、快適な介護をすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による便器の平面図である。

【図２】便器本体の側面図である。

【図３】本発明の使用状態を示す説明図である。

【図４】減圧タンクを用便貯留タンクと家庭用掃除機で
構成した実施例を示す図である。

【符号の説明】

１ 便器本体 ２ 排出孔 ３ 噴射ノズル ４ 防護衣 ５ 下部防護衣

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】漏斗状の便器本体の下部に用便を排出する
   排出孔と、臀部を洗浄する噴射ノズルを有し、漏斗状の
   便器本体の上部に臭気の漏洩防止と減圧効果を高めるた
   めの防護衣と、を有することを特徴とする便器。
2. 【請求項２】上記漏斗状の便器本体と上記防護衣を包括
   するための下部防護衣を有することを特徴とする請求項
   １記載の便器。