JP2002153264A - 菌体生産方法 - Google Patents

菌体生産方法

Info

Publication number
JP2002153264A
JP2002153264A JP2000391593A JP2000391593A JP2002153264A JP 2002153264 A JP2002153264 A JP 2002153264A JP 2000391593 A JP2000391593 A JP 2000391593A JP 2000391593 A JP2000391593 A JP 2000391593A JP 2002153264 A JP2002153264 A JP 2002153264A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
cells
bacteria
weight
suruga
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000391593A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Someya
善久 染谷
Shinji Nakagawa
伸司 中川
Fumihide Matsuda
文英 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
M RAITO KK
Raito Kk M
Hokuetsu Paper Mills Ltd
Komine Co Ltd
Someya KK
Original Assignee
M RAITO KK
Raito Kk M
Hokuetsu Paper Mills Ltd
Komine Co Ltd
Someya KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by M RAITO KK, Raito Kk M, Hokuetsu Paper Mills Ltd, Komine Co Ltd, Someya KK filed Critical M RAITO KK
Priority to JP2000391593A priority Critical patent/JP2002153264A/ja
Publication of JP2002153264A publication Critical patent/JP2002153264A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、セルロース系土壌菌担持水分調節材
料用の菌体である駿河菌の安価・安定供給可能な菌体生
産技術を提供する。 【解決手段】本発明は、バチルス コーアグランスある
いはバチルス サーアクランスなる駿河菌のいずれか一
方又は両方の菌体を支持体に担持させて該菌体を生産す
る方法であって、該支持体はセルロースを含有するセル
ロース系素材により形成し、該支持体の水分含量を30
重量%以上75重量%以下に調整し、該菌体の栄養材料
を該支持体材料乾燥重量に対し1重量%以上20重量%
以下で該支持体に添加し、該菌体を該支持体に担持させ
る前処理工程、及び該支持体に担持させた該菌体を55
℃以上80℃以下の温度で高温発酵させて該支持体乾燥
グラム重量当り10個以上の菌数に菌体培養処理を行
なう工程、を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は菌体の生産方法であ
り、農業用・漁業用・畜産用・工業用・環境浄化用の微
生物資材分野および微生物培養技術分野に関し、被発酵
処理物資のリサイクル技術分野に及ぶ。
【0002】
【従来の技術】製紙・パルプ工場で発生する流出微細パ
ルプ残滓(以下パルプ残滓と標記)については、従来セ
ルロース繊維質による土壌改良効果は注目されている。
一方、水分を多量に含む糞尿等の発酵処理を行なうに際
し、籾殻、衾、米糠、藁等により、発酵に適する水分に
調整し野積発酵等の方法がある。しかしながら、加えた
籾殻、衾、米糠、藁等に含まれる有機質、特にリグニン
等の発酵処理に長時間を要し、結果的には、糞尿等の速
やかな発酵処理を実現していない。
【0003】この問題に関し、無機質乾燥品を水分調節
材料として使用することにより発酵処理時間を短縮する
方法が提案され、水分調節材料として一部利用されてい
る。しかしながら、無機質乾燥品を水分調節材料として
使用する場合、充分な発酵処理温度と時間を得るため
に、配合処方を含めた注意深い発酵処理管理が必要とさ
れる。
【0004】更に無機質乾燥品を得るために、加熱焼却
処理等を行なう必要があると同時に、無機質の追加使用
は、発酵処理完成品の減容減量化には寄与しないところ
でもある。
【0005】一方、糞尿等水分を多量に含む要処理物資
は相当量に達し、食品残滓等についても発酵減容処理が
望まれている現状である。水分調節材料を使用する発酵
減容処理は、燃料使用量を最小と出来るのみならず、過
大な排水処理を必要としない利便性があり、安価で取扱
いを容易とする天然セルロース系水分調節材料の安定供
給に係る開発が望まれている。
【0006】しかし、セルロース系水分調節材料の安定
供給に係る開発に加えて、土壌菌担持水分調節材料を構
成する発酵機能資材である菌体の安価・安定供給に係る
生産技術の開発がなされなければ、糞尿、食品残滓等の
発酵減容処理の市場においてセルロース系水分調節材料
の普及は達し得ないものである。なお菌体が使用される
のは、セルロース系水分調節材料に対して初回の菌体接
種のみならず、土壌菌担持水分調節材料のリサイクル、
すなわち被発酵処理物資のリサイクル使用を行なう場合
にも安定した芽胞形成性能と菌数を維持する必要がある
ため、適時に菌体接種を行なう必要がある。これらの菌
体接種のために安価・安定供給可能な菌体生産技術の開
発は強く望まれるところである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、土壌菌
担持水分調節材料を構成する発酵機能資材である菌体の
安価・安定供給に係る生産技術を確立すべく鋭意研究し
た結果、菌体担持支持体の選択、支持体の水分含量及び
栄養源含量、及び菌体の発酵処理条件を最適に調整する
ことで効果的な菌体生産方法を発明するに至った。
【0008】すなわち本発明の目的は、土壌菌、特に芽
胞形成細菌であるバチルス コーアグランス(Baci
llus Coagulans)とバチルス サーアク
ランス(Bacillus Circulans)(工
業技術院生命工学技術研究所FERM P−1780
7)(以下この2種の土壌菌を「駿河菌」という)が耐
高温性と保存性に優れることに着目し、セルロース系素
材の優れた菌担持特性と必要量の栄養材料を合理的に組
合せて、栄養源・水分・温度を適正に調整して高温発酵
により菌体培養処理を行うことで支持体乾燥グラム重量
当り10個以上の菌数を担持させることを可能として
駿河菌の安価・安定供給を実現する菌体生産方法を提供
することである。
【0009】また本発明のもう一つの目的は、支持体と
して安価で安定入手可能な製紙工場又はパルプ工場等か
ら流出する微細パルプ残滓又は汚泥を用いることで、よ
り高濃度、すなわち支持体乾燥グラム重量当り10
以上の菌数を担持させることを可能として駿河菌の安価
・安定供給を実現する菌体生産方法を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の駿河菌の
菌体生産方法は、バチルス コーアグランスあるいはバ
チルス サーアクランスのいずれか一方又は両方の菌体
を支持体に担持させて該菌体を生産する方法であって、
該支持体はセルロースを含有するセルロース系素材によ
り形成し、該支持体の水分含量を30重量%以上75重
量%以下に調整し、該菌体の栄養材料を該支持体材料乾
燥重量に対し1重量%以上20重量%以下で該支持体に
添加し、該菌体を該支持体に担持させる前処理工程、及
び該支持体に担持させた該菌体を55℃以上80℃以下
の温度で高温発酵させて該支持体乾燥グラム重量当り1
個以上の菌数に菌体培養処理を行なう工程、を有す
ることを特徴とする。
【0011】支持体単位重量あたり担持される菌体の最
大量は、支持体に依存するものであり、支持体は菌体担
持能力に優れた材料が好ましい。請求項1記載の発明で
は、支持体はセルロースを含有するセルロース系素材に
より形成し、支持体乾燥グラム重量当り10個以上の
菌数を担持させることを可能として駿河菌の安価・安定
供給を実現する。
【0012】請求項1記載の発明では、菌体培養処理工
程前に前処理工程、すなわち、支持体の水分含量を30
重量%以上75重量%以下に調整し、該菌体の栄養材料
を支持体材料乾燥重量に対し1重量%以上20重量%以
下で支持体に添加し、菌体を支持体に担持させることが
必要となる。このとき水分調整、栄養材料添加、菌体担
持の各処理の順序は制限はなく、いずれの順であっても
よい。
【0013】芽胞形成細菌である駿河菌による発酵処理
を可能とする被発酵処理物は、駿河菌の始動栄養源とし
て作用するものであり、駿河菌の増殖を可能とする栄養
材料となる。このとき栄養源は、支持体に担持しうる限
度の菌数増殖に要するに充分な量のみ添加されることが
好ましい。
【0014】芽胞形成細菌の菌数計測では芽胞数を計数
する可能性は否定できない。しかし、いわゆる菌体(若
しくは種菌)として扱う場合には担持される芽胞を含む
数を菌数として扱うことは合理的である。菌体と芽胞と
を区別することは煩雑な作業を要するので、これらを区
別せずに菌数計測を行なうことはむしろ菌数計測の容易
性から好ましい。また芽胞形成細菌は乾燥保存性又は耐
熱保存性等が良好であるため、取り扱いが容易である。
上述の菌数計測や易取扱性の理由により芽胞形成細菌を
使用することは利便性が向上し、品質規格化も可能とす
るものである。本発明における菌数は、芽胞を含む菌体
数をいうものとする。
【0015】請求項1記載の菌体培養処理工程は、支持
体に担持させた菌体を55℃以上80℃以下の温度で高
温発酵させて支持体乾燥グラム重量当り10個以上の
菌数に菌体培養処理を行なうものであり、これにより生
産された菌体は、土壌菌担持水分調節材料に接種するこ
ととなる。
【0016】芽胞形成細菌の植継接種については、芽胞
形成能の衰退は危惧されるところであり、土壌菌担持水
分調節材料のリサイクル使用すなわち被発酵処理物資の
リサイクル使用に際しては、適時の芽胞形成細菌の菌体
補給接種は必要である。したがって本発明による菌体生
産方法は、拡大する需要に対応し得るものであり、以下
に示す請求項2記載の発明により駿河菌のさらなる安価
・安定供給を可能とする。
【0017】請求項2記載の駿河菌の菌体生産方法は、
請求項1記載の菌体生産方法において、前記支持体は製
紙工場又はパルプ工場等から流出する微細パルプ残滓又
は汚泥であり、前記菌体培養処理工程は該支持体に担持
させた該菌体を55℃以上80℃以下の温度で高温発酵
させて該支持体乾燥グラム重量当り10個以上の菌数
に菌体培養処理を行なう工程であることを特徴とする。
【0018】請求項1記載の駿河菌の菌体生産方法にお
いて、支持体として製紙工場又はパルプ工場等から流出
する微細パルプ残滓又は汚泥を用いることにより、支持
体乾燥グラム重量当り10個/g以上の菌体を担持さ
せることを可能として駿河菌の安価・安定供給を実現す
ることが可能である。
【0019】発酵処理を目的とする菌体の支持材料とし
ては、天然セルロース系素材が適するが、好ましくは微
細であり多数の細孔を有し、更にセルロース体はダメー
ジを受けていることが好ましい。このような天然セルロ
ースとしてのパルプ残滓は、高濃度の菌数を担持するこ
とができ菌体の支持材料に適する。更には、安価・安定
供給が可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、セルロース系支持体、
駿河菌及び栄養材料を原材料として、高温発酵処理によ
る細菌培養により構成する。
【0021】土壌菌、特に駿河菌の菌体生産用支持体と
してのセルロース系素材としては、木材パルプ、非木材
パルプ、故紙パルプを使用することができる。これらの
素材は微細孔を有し菌を高濃度で担持しうる。更には、
これらのパルプ繊維が機械的乃至は微生物的ダメージを
受けていることが好ましい。パルプ残滓は微細であり特
にダメージを強く受けており特に適する。
【0022】食品添加用パルプ及び食物繊維も本発明の
セルロース系素材として使用することができる。都市下
水汚泥もセルロース質を含み菌担持性能にも優れ使用す
ることができる。その他、籾殻、藁、木材ダスト等もセ
ルロース系素材として扱うことができる。
【0023】支持体を構成するセルロース繊維は可能な
限り綿状に分離されている状態が好ましい。塊状若しく
はペレット状を為す場合は菌担持量が減少するからであ
る。但し、菌体生産段階で攪拌破砕処理が組み込まれる
場合は、塊状若しくはペレット状を為しても良い。
【0024】次に土壌菌、特に駿河菌を支持体に担持さ
せる方法について記載する。支持体の水分含量が15重
量%以下の状態では駿河菌が不活化状態となる。しかも
駿河菌を混合するのみで菌担持量を10個/g以上と
することは困難である。したがって、菌担持量を10
個/g以上とするためには、菌体生産に際して添加した
細菌を増殖させ、支持体に食い付かせる方法が合理的で
ある。すなわち、水分を調整し、更には、短時間に増殖
させるために栄養材料を添加し培養温度を調整する。
【0025】駿河菌を活性状態へ始動させるために、支
持体の水分含量は15重量%を超える必要がある。支持
体の水分含量が30重量%未満では、高温発酵熱により
乾燥が進み速やかな菌体増殖は阻害される。支持体の水
分含量が75重量%を超える状態では好気性が悪化し、
支持体の水分含量が80重量%を超える状態では好気発
酵が阻害される。したがって、支持体の水分含量は30
重量%以上75重量%以下に調整することが好ましい。
【0026】栄養材料としては、米糠、衾が入手容易で
あり品質も安定し保存性にも優れる。添加量としては、
菌体支持体材料乾燥重量に対し、1重量%以上20重量
%以下が適正である。駿河菌は僅かな栄養源でも菌増殖
は可能である。したがって、衾のみを栄養材料とするこ
ともできるが、外気温度が低い場合は米糠を併用するこ
とが好ましい。逆に外気温度が高い場合に米糠を主体に
使用するとカビ臭が発生する。
【0027】その他栄養材料として、野菜屑、魚滓、肉
屑、麦芽等の従来被発酵処理物資として扱われている材
料を使用することもできる。配合割合は、それぞれの栄
養材料の有姿重量にて、菌体支持体材料乾燥重量に対し
1重量%以上20重量%以下前記範囲に調整されること
が好ましい。
【0028】添加する栄養材料は、駿河菌の適正な増殖
に必要な量、すなわち支持体に担持しうる限度の菌数増
殖に要するに充分な量とする。多量に添加した場合は、
消費され尽くされるに長時間を要する結果となるのみで
あり費用増加となり、支持体への菌担持量の増加にはそ
れほど寄与しないからである。
【0029】駿河菌は、55℃以上80℃の温度で充分
に活動することが認められている。したがって菌体生産
を目的とする本発明においては、この特性を活かして初
発発酵温度を30℃以上に加温調整する方法を採用でき
る。更には初発発酵温度を35℃から45℃の範囲に加
温調整することにより、短時間に駿河菌は増殖し、自然
発酵温度上昇のみで55℃以上に達し高温発酵に達す
る。80℃を超える場合は駿河菌の増殖は停滞し不活化
する。後述する実施例1、表2および図1に示すとお
り、完成した菌体の菌担持量は10個/g以上とな
る。
【0030】菌担持量増加により菌体希釈倍率を増加さ
せることが出来るので、土壌菌担持水分調節材料への菌
体接種量の減量が実現される。接種媒体と菌体との混合
作業においても、菌体希釈倍率の増加は確実な接種を可
能とする。実施例2に示すように、パルプ残滓を支持体
とする、実施例1−1に示す生産方法で完成した菌体
(菌数として1.5x10個)を支持体乾燥重量に対
し1/5000重量部接種した水分調節材料の初発菌数
は10個/g以上であり、土壌菌担持水分調節材料を
短時間で形成する。
【0031】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実
施例に限定して解釈されない。次の4種類の支持体につ
いて菌体生産試験を行ない、それぞれについて評価を行
なった。表1に支持体−1〜4の条件を示した。
【表1】 支持体−1及び支持体−2は、凝集沈殿にて捕集し、脱
水処理を行い、水分を50%に調整し、攪拌破砕機械で
支持体−1は綿状とし、一方支持体−2は細粒状に調整
した。支持体−3は、水を加え水分50%に調整した。
栄養材料添加量は、支持体材料乾燥重量当りの配合重量
%を示す。支持体−4は、抄紙工程流出パルプ残滓を水
分50%に調整し、栄養材料のみ無添加とした。駿河菌
は、それぞれの支持体乾燥グラム重量当り1/5000
×10個となるように接種した。
【0032】(実施例1)支持体−1〜4それぞれに所
定量の駿河菌を添加し、攪拌機で混合し駿河菌培養を行
なった。初発処理温度は35℃に設定し、以降自然発酵
とし、7日間培養し温度および菌数計測を行ない評価し
た。表2に検体の生菌数測定結果及び図1に経過日数と
発酵温度を示す。
【0033】
【表2】 図1に示すように実施例1−1、1−2、1−3におい
ては、高温度発酵が達成され、表2に示すように菌体が
支持体−1〜3に高濃度で担持され、いずれの場合も菌
体として完成していた。一方、図1に示すように比較例
1においては、高温度発酵は達成されず、表2に示すよ
うに菌数は乾燥グラム重量当り10〜10個であ
り、支持体4に菌体を高濃度で担持させることができな
かった。
【0034】(実施例2)支持体−1〜3それぞれの支
持体材料(栄養材料は添加しない)に、同一支持体で完
成した実施例1−1、1−2、1−3の菌体を担持した
支持体を、支持体乾燥重量に対しそれぞれ1/5000
重量部添加し攪拌混合機械で混合し、土壌菌担持水分調
節材料を調整した。菌数計測は乳糖ブイヨン液体培地及
びペプトンぶどう糖液体培地により55℃×2日間培養
を行ない10倍希釈5連MPNにより行なった。いずれ
についても前記土壌菌担持水分調節材料は乾燥グラム重
量当り10個以上の菌数を担持した。したがって、実
施例1−1、1−2、1−3の菌体を担持した支持体
は、土壌菌担持水分調節材料の菌体接種に使用すること
ができた。
【0035】(実施例3−1)実施例2で調整した土壌
菌担持水分調節材料を使用し、野菜屑発酵処理をおこな
い完成した発酵処理物の水分を10重量%から15重量
%に調整し、発酵を完結させ、実施例1−1で完成した
菌体担持させた支持体を1/5000重量部添加し、攪
拌混合機で混合し、水分調節材料を調整した。菌数計測
は実施例2と同様に行ない、前記土壌菌担持水分調節材
料は乾燥グラム重量当り10個/g以上であった。し
たがって、実施例1−1の菌体を担持した支持体を用い
て使用済みの土壌菌担持水分調節材料へ再度菌体接種を
行うことで、土壌菌担持水分調節材料のリサイクル使用
をすることができる。
【0036】(実施例3−2)さらに実施例3−1で再
度菌体を接種した水分調節材料を使用し、魚滓の発酵処
理を行ない、完成した発酵処理物の水分を10重量%か
ら15重量%の範囲に調整し、発酵を完結させ、実施例
1−1で完成した菌体を1/5000重量部添加し、攪
拌混合機で混合し、水分調節材料を調整した。菌数計測
は実施例2と同様に行ない、該水分調節材料は乾燥グラ
ム重量当り10個/g以上であった。したがって、さ
らなる使用済みの土壌菌担持水分調節材料のリサイクル
使用をすることもできる。
【0037】(実施例4)実施例1−3で調整した菌体
を使用し、土壌菌を食品添加用パルプに担持させ、実施
例2、3−1、3−2の手順に従い発酵処理および菌数
計測をおこなった。いずれの段階においても処理物乾燥
グラム重量当り10個以上の菌数であった。したがっ
て、支持体が食品添加用パルプであっても土壌菌担持水
分調節材料のリサイクル使用、さらなる使用済みの土壌
菌担持水分調節材料のリサイクル使用もすることができ
る。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の発明により、土壌菌、特
に芽胞形成細菌であるバチルス コーアグランスとバチ
ルス サーアクランスなる駿河菌が耐高温性と保存性に
優れることに着目し、微細であり多数の細孔を有するセ
ルロースを含有するセルロース系素材の優れた菌担持特
性と必要量の栄養材料を合理的に組合せて、栄養源・水
分・温度を適正に調整して高温発酵により菌体培養処理
を行うことで支持体乾燥グラム重量当り10個以上と
いう高濃度の菌数を担持させることを可能として駿河菌
の安価・安定供給を可能とした。
【0039】菌担持量増加により菌体希釈倍率を増加さ
せることが出来るので、土壌菌担持水分調節材料への菌
体接種量の減量が実現された。接種媒体と菌体との混合
作業においても、菌体希釈倍率の増加は確実な接種を可
能とし、土壌菌担持水分調節材料を短時間で形成した。
また水分調節材料のリサイクル使用が可能となった。
【0040】微細であり多数の細孔を有するセルロース
を含有するセルロース系素材として食品添加用パルプを
支持体とすることでも菌体を生産することができ、飼料
分野への駿河菌の用途開発も可能となった。
【0041】請求項2記載の発明により、支持体として
安価で安定入手可能な製紙工場又はパルプ工場等から流
出する微細パルプ残滓又は汚泥を用いることで、より高
濃度、すなわち支持体乾燥グラム重量当り10個以上
というさらに高濃度の菌数を担持させることを可能とし
て駿河菌の安価・安定供給を可能とした。これにより土
壌菌担持水分調節材料製造費用を軽減するのみならず、
駿河菌の菌数を維持しながら、水分調節材料のリサイク
ル使用が可能となった。このことは、被発酵処理物資の
リサイクル使用にも寄与するものであり循環型社会構築
に資するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−1、1−2、1−3及び比較例1に
ついて経過日数と発酵温度の関係を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000241810 北越製紙株式会社 新潟県長岡市西蔵王3丁目5番1号 (72)発明者 染谷 善久 神奈川県横浜市旭区鶴ヶ峰本町2−6−29 株式会社染谷内 (72)発明者 中川 伸司 新潟県長岡市西蔵王3丁目5番1号北越製 紙株式会社研究所内 (72)発明者 松田 文英 神奈川県大和市上草柳822の1番株式会社 エムライト内 Fターム(参考) 4B033 NA02 NA12 NB12 NB45 NB62 NB65 NC04 NC12 ND04 NF05 NF06 NF10 4B065 AA15X AC02 BB26 BC32 BC33 BC42 CA55

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バチルス コーアグランス(Bacill
    us Coagulans)あるいはバチルス サーア
    クランス(Bacillus Circulans)
    (工業技術院生命工学技術研究所FERM P−178
    07)のいずれか一方又は両方の菌体を支持体に担持さ
    せて該菌体を生産する方法であって、該支持体はセルロ
    ースを含有するセルロース系素材により形成し、 該支持体の水分含量を30重量%以上75重量%以下に
    調整し、該菌体の栄養材料を該支持体材料乾燥重量に対
    し1重量%以上20重量%以下で該支持体に添加し、該
    菌体を該支持体に担持させる前処理工程、 及び該支持体に担持させた該菌体を55℃以上80℃以
    下の温度で高温発酵させて該支持体乾燥グラム重量当り
    10個以上の菌数に菌体培養処理を行なう工程、 を有することを特徴とする菌体生産方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の菌体生産方法において、前
    記支持体は製紙工場又はパルプ工場等から流出する微細
    パルプ残滓又は汚泥であり、前記菌体培養処理工程は該
    支持体に担持させた該菌体を55℃以上80℃以下の温
    度で高温発酵させて該支持体乾燥グラム重量当り10
    個以上の菌数に菌体培養処理を行なう工程であることを
    特徴とする駿河菌の菌体生産方法。
JP2000391593A 2000-11-20 2000-11-20 菌体生産方法 Pending JP2002153264A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000391593A JP2002153264A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 菌体生産方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000391593A JP2002153264A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 菌体生産方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002153264A true JP2002153264A (ja) 2002-05-28

Family

ID=18857707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000391593A Pending JP2002153264A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 菌体生産方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002153264A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009091523A (ja) * 2007-10-12 2009-04-30 Three S Kk 土壌活性剤の製造方法
US7790457B2 (en) 2004-03-02 2010-09-07 Japan Agency For Marine-Earth Science And Technology Solid cellulosic culture medium and process for producing the same
WO2014017717A1 (ko) * 2012-07-27 2014-01-30 강원대학교 산학협력단 동시 중온추출 및 발효 공정을 이용한 천연물의 생리활성 물질 함량을 증진시키는 방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000167345A (ja) * 1998-12-07 2000-06-20 Mitsubishi Jushi Engineering Kk 生物脱臭剤および生物脱臭装置
JP2000239084A (ja) * 1998-12-24 2000-09-05 Ryokuei:Kk 枝葉材の堆肥化方法および枝葉材堆肥

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000167345A (ja) * 1998-12-07 2000-06-20 Mitsubishi Jushi Engineering Kk 生物脱臭剤および生物脱臭装置
JP2000239084A (ja) * 1998-12-24 2000-09-05 Ryokuei:Kk 枝葉材の堆肥化方法および枝葉材堆肥

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7790457B2 (en) 2004-03-02 2010-09-07 Japan Agency For Marine-Earth Science And Technology Solid cellulosic culture medium and process for producing the same
JP2009091523A (ja) * 2007-10-12 2009-04-30 Three S Kk 土壌活性剤の製造方法
WO2014017717A1 (ko) * 2012-07-27 2014-01-30 강원대학교 산학협력단 동시 중온추출 및 발효 공정을 이용한 천연물의 생리활성 물질 함량을 증진시키는 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Pinheiro et al. Trametes versicolor laccase production using agricultural wastes: a comparative study in Erlenmeyer flasks, bioreactor and tray
CN102583771B (zh) 难分解性废水的生物处理方法及废水处理剂
Son et al. Optimization of fermentation conditions for the production of bacterial cellulose by a newly isolated Acetobacter
CN107162656A (zh) 一种畜禽粪便超高温堆肥方法
CN109402015B (zh) 一株热噬淀粉芽孢杆菌及其应用
Razali et al. Red pigment production by monascus purpureus in stirred-drum bioreactor
CN105087411A (zh) 一种用于城市生活垃圾高温堆肥的复合菌剂及其生产方法
CN108065037A (zh) 微生物发酵制备功能性饲料的方法及功能性饲料
El-Bakry et al. Inoculation effect of thermophilic microorganisms on protease production through solid-state fermentation under non-sterile conditions at lab and bench scale (SSF)
Atkinson et al. Putative anaerobic activity in aerated composts
CN112760274B (zh) 一种有机固废高温好氧堆肥菌种及其应用
US4062727A (en) Process for manufacturing high density cell cultures
CN112441859B (zh) 一种好氧-厌氧两步发酵处理疫病动物废水的方法
CN104073445B (zh) 一种秸秆与粪便沼气发酵预处理微生物菌剂
CN108277187A (zh) 用于市政污泥高效生物干化的微生物菌剂
CN107881164A (zh) 一种固定化微生物和此固定化微生物的制备方法及应用
CN110317763B (zh) 一种高效微生物复合菌剂
JP2002153264A (ja) 菌体生産方法
CN106145585A (zh) 高效复合微生物粪污处置剂及其制备方法
US2505360A (en) Fungus enzyme production
CN109704823A (zh) 利用微生物发酵秸秆提高秸秆低聚木糖含量及抗氧化活性
JP4313525B2 (ja) コンポスト肥料の製造方法
CN100434401C (zh) 一种用调理剂进行污泥堆肥化的方法
JP4150523B2 (ja) コンポスト肥料の製造方法
CN107324506A (zh) 一种处理养殖废水生物制剂的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20050106

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070820

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070827

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070828

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101130