JP2002150308A - 図面編纂システム及び記録媒体 - Google Patents

図面編纂システム及び記録媒体

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JP2002150308A
JP2002150308A JP2000262463A JP2000262463A JP2002150308A JP 2002150308 A JP2002150308 A JP 2002150308A JP 2000262463 A JP2000262463 A JP 2000262463A JP 2000262463 A JP2000262463 A JP 2000262463A JP 2002150308 A JP2002150308 A JP 2002150308A
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Katsumi Amano
克己 天野
Toru Hamano
亨 浜野
Koji Ikefuchi
幸治 池渕
Koji Matsuzaki
康治 松崎
Keiji Yamauchi
啓二 山内
Kyoko Uruma
恭子 漆間
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JEKKU KK
JECC Co Ltd
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JEKKU KK
JECC Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】未整備の既製図面から、整備された詳細且つ多
機能の図面データを電子的に高速に生成し、他の地理デ
ータを含め多目的GISに展開可能とする。 【解決手段】この発明によるシステムでは、公図や地籍
図などの未整備地図に基づく部分地図(規定図面/対象
図)データを取得すると(S1〜S5)、この部分地図
データは、都市計画図などの標準地図(現況図)データ
と対照され(S6)、所定の指示により座標変換され、
標準地図データの対応する領域に一致する図面データが
生成される(S7)。この座標変換には、両地図データ
上の複数の点を指示すると、指示された複数点の重心
(平均点)に基づき変換係数を算出するヘルマート変換
や、指示された各点で分割される複数の領域毎に変換係
数を算出する4点指示変換などの方法が採用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、公図(字図又は
字限図)や地籍図などの部分地図及び都市計画図や道路
台帳図などの標準地図を基にして、整備された詳細且つ
多機能の書面(図面及び文書)データを生成すると共
に、さらに、以後の管理に役立つ地理データを生成する
ことができる統合的な図面編纂システム及びそのための
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、図面をより精度の高いものに仕
上げるために、土地形状が不自然な形や形状が現状と一
致しない土地については、地籍図、都市計画図や道路台
帳図を合成するほか、各種座標変換、各種CAD編集コ
マンドや各種座標交点計算などを用いて土地形状をより
正確な形状に合わせていく作業があり、このような作業
は「図面編纂」と呼ばれている。例えば、古図(旧地
図)や自治会の世話役からの情報(地域毎の土地の慣習
など)や過去に遡った土地の経緯(土地がどのように分
筆されてできたのかなど)を調査して、このような形が
より正確だという土地形状にベクトル形式で編集してい
く。
【0003】〔法定外公共物の譲与作業〕地方分権推進
計画(平成10年5月29日閣議決定)に基づき、本年
4月1日から地方分権一括法が施行され、各地方公共団
体は、法定外公共物の譲与のための事務をする必要に迫
られている。ここで、「法定外公共物」とは、道路、河
川、海浜地、寄洲、用悪水路、ため池、海等の公共物の
うち、道路法、河川法、下水道法、海岸法等の特別法が
適用または準用されないものをいう(大部分は国有地で
あるが、公有地、私有地のものもある)。このうち、国
有の法定外公共物については、建設省の所管であるが、
財産的な管理は建設省所管国有財産部局長(知事)が国
の機関として行い、機能的な実際の管理は、一般的に
は、公共物の存在する当該市町村が行っていることが多
い〔例えば、認定外道路(里道・赤線又は赤道など)、
青線(河川法・下水道法の適用又は準用されない水
路)、国有畦畔(のり地・澗地・土手代等)、海浜地・
海等〕。
【0004】地方分権推進計画や地方分権一括法によれ
ば、道路、河川、公園、下水道等の区域内で各々の用途
に供されている国有の法定外公共物(里道、水路等の敷
地)は、所定の事務手続を行うことにより、国有財産法
第28条や、道路法、河川法等の特別法などの法律の定
めに従って、実際の管理者である当該地方公共団体に無
償で譲与される。つまり、国有の法定外公共物のうち、
里道、水路(溜池、湖沼を含む。)として現に公共の用
に供する機能を有するものについては、その財産を市区
町村に譲与し、機能管理、財産管理ともに自治業務とす
る(機能を喪失しているものについては、国にて直接管
理を行う)ことになっている。
【0005】このような法定外公共物の譲与ために、市
区町村などの地方公共団体は、譲与対象となる膨大な域
内の法定外公共物を的確に把握し、里道及び水路に所定
の着色を行った国有財産特定図面(以下、単に「特定図
面」という。)、位置図等の図面や、指定された様式の
国有財産譲与申請書(以下、単に「譲与申請書」とい
う。)、引継通知書、国有財産一覧表等の各種調書を作
成しなけならない。特に、図面については、法務局備付
けの地図〔所謂「17条(不動産登記法)地図」(旧土
地台帳付属地図)であり、「公図」、「字〔限〕図」と
もいう。〕、この地図と同等の市町村備え付けの地図
や、これらの図面と同等の精度を有する既成地図(例え
ば、地籍図)などの図面(以下、「規定図面」とい
う。)を使用して特定図面を多数作成する必要がある。
この場合、作成される特定図面は、現況を忠実に反映さ
せて整備された地図データとしておくことが、譲与申請
においても、以後の管理においても望ましいことであ
る。
【0006】特定図面の作成に使用される規定図面の中
には、ディジタルデータ化され、現況を比較的正確に反
映したものも若干存在するが、大部分は、方位や縮尺が
均一でなかったり経年変化により劣化したものが多いの
で、所望の特定図面を作成するのは容易ではない。ま
た、このような劣化した規定図面をそのまま用いて譲与
申請した場合は、譲与財産に係る公共物の以後の財産管
理に当って、譲与申請に投じた多大の作業を有効に活か
すことができない結果になってしまうであろうと予測さ
れる。
【0007】〔公共用図面の管理〕地方公共団体では、
従来より、域内における所定の情報を盛り込んだ紙の地
図を手作業で作成し、紙の図面により管理しているとこ
ろが少なくない。このような手作業による紙図面を用い
た業務では、重要なドキュメントを維持管理したり、必
要な情報を随時把握して更新を行い、適時・的確に対応
して行くことはできない。また、従来の手作業業務で
は、ファイル管理一つをとっても、場所の確保・保管
や、整理一覧の作成など対処すべき業務が多く、これら
を維持するためには、人材教育、責任・担当者の設定な
どが必要になる。また、情報量の増加に伴い、“書類が
書類を生む”という言葉が示すように、日々の書面の作
成・管理業務は複雑化し、特に、上述した法定外公共物
の譲与及びその後の管理に関する業務は、資料が膨大に
なることが予想され、対応がますます困難になるものと
考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な事情に鑑み、方位や縮尺が均一でなかったり経年変化
で劣化した未整備の既製図面から、整備された詳細且つ
多機能の図面データを電子的に高速に生成すると共に、
さらに、この図面データを電子的にファイリングし、他
の地理データを含めて多目的のGISシステムに展開可
能として以後の図面管理を効果的に行うことができるよ
うにした統合的な図面編纂システムを提供することを主
たる目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の一つの特徴に
従うと、ベクトル化された部分地図データを取得する手
段と、取得された部分地図データを座標変換し、標準地
図データの対応する領域に一致させる座標変換手段とを
具備する図面編纂システム、並びに、ベクトル化された
部分地図データを取得するステップと、取得された部分
地図データを座標変換し、標準地図データの対応する領
域に一致させるステップとから成るプログラムを記録し
ている図面編纂のための記録媒体が提供される。
【0010】この発明の別の特徴に従うと、地域毎の土
地区画を表わす部分地図データを入力する手段と、入力
された部分地図データをベクトル化する手段と、ベクト
ル化された部分地図データを座標変換し、標準地図デー
タの対応する領域に一致させる座標変換手段とを具備す
る図面編纂システムが提供される。
【0011】この発明の他の特徴に従うと、部分地図デ
ータが表わす図形上において複数の基準点を指示する手
段と、標準地図データが表わす図形上において、指示さ
れた基準点に対応する複数の対応点を指示する手段と、
指示された基準点とこれらの基準点に対する幾何学的な
平均点との差分を算出する手段と、指示された対応点と
これらの対応点に対する幾何学的な平均点との差分を算
出する手段と、算出された両差分に基づいて、部分地図
データから標準地図データへの変換係数を算出する手段
と、算出された変換係数に基づいて、部分地図データの
座標位置を変換する手段とを具備する図面編纂システ
ム、並びに、部分地図データが表わす図形上において、
指示された複数の基準点とこれらの基準点に対する幾何
学的な平均点との差分を算出するステップと、標準地図
データが表わす図形上において、指示された基準点に対
応して指示された複数の対応点とこれらの対応点に対す
る幾何学的な平均点との差分を算出するステップと、算
出された両差分に基づいて、部分地図データから標準地
図データへの変換係数を算出するステップと、算出され
た変換係数に基づいて、部分地図データの座標位置を変
換するステップとから成るプログラムを記録している図
面編纂のための記録媒体が提供される。
【0012】この発明のさらに他の特徴に従うと、部分
地図データが表わす図形上において複数の基準点を指示
する手段と、標準地図データが表わす図形上において、
指示された基準点に対応する複数の対応点を指示する手
段と、指示された基準点及び対応点で表わされる各多角
形の内部にそれぞれ第1及び第2共通点を設定する手段
と、設定された第1共通点を起点として指示された基準
点を通る直線にて、部分地図データの座標系を複数の領
域に分割する手段と、設定された第2共通点を起点とし
て指示された基準点を通る直線にて、標準地図データの
座標系を複数の領域に分割する手段と、基準点、第1共
通点、対応点及び第2共通点の座標に基づいて、部分地
図データ及び標準地図データの対応する領域毎に、部分
地図データから標準地図データへの変換係数を算出する
手段と、算出された変換係数に基づいて、部分地図デー
タの座標位置を領域毎に変換する手段とを具備する図面
編纂システム、並びに、部分地図データが表わす図形上
において、指示された基準点で表わされる多角形の内部
に第1共通点を設定するステップと、標準地図データが
表わす図形上において、指示された基準点に対応する対
応点で表わされる多角形の内部に第2共通点を設定する
ステップと、設定された第1共通点を起点として指示さ
れた基準点を通る直線にて、部分地図データの座標系を
複数の領域に分割するステップと、設定された第2共通
点を起点として指示された基準点を通る直線にて、標準
地図データの座標系を複数の領域に分割するステップ
と、基準点、第1共通点、対応点及び第2共通点の座標
に基づいて、部分地図データ及び標準地図データの対応
する領域毎に、部分地図データから標準地図データへの
変換係数を算出するステップと、算出された変換係数に
基づいて、部分地図データの座標位置を領域毎に変換す
るステップとから成るプログラムを記録している図面編
纂のための記録媒体が提供される。
【0013】〔発明の作用〕この発明による図面編纂シ
ステムでは、ベクトル化された部分地図データを座標変
換して標準地図データの対応する領域に一致させて図面
データを得るようにしている。このシステムでは、部分
地図としては、例えば、公図、地籍図、課税用電子地図
情報、圃場整備図、更には、用地実測図などが用いられ
る。これらの未整備ともいえる地図情報は、このシステ
ムにより修正され、広範囲にわたる比較的整備された現
況の標準地図(都市計画図や道路台帳図等)と容易に対
照可能となり、このような標準地図に嵌め込んだりする
ことができる。また、部分地図の小さい地域の情報を広
域的な電子的図面データに正確に反映することができ
る。
【0014】この発明の図面編纂システムでは、地域毎
の土地区画を表わす部分地図データを入力すると、部分
地図データは、ベクトル化された後、座標変換が行わ
れ、標準地図データの対応する領域と一致した図面デー
タに矯正される。従って、部分地図として、例えば、公
図のように、方位や縮尺が均一でなかったり経年変化で
劣化した未整備の既製図面(公図や地籍図などの紙の図
面)を用いても、正確で精度の高い地図データに改変す
ることができ、以後の修正も簡単である。
【0015】この発明においては、上述したように、既
製図面を基にして取得される図面データを、予め用意さ
れた都市計画図や道路台帳図等の標準地図データの対応
する領域に一致するように、座標変換して整備された部
分地図データを得るようにしている。このような座標変
換は、「図面編集」と呼ばれ、ラスター形式の図面デー
タに対しては、例えば、「4点補正」、「傾斜補正」、
「メッシュ補正」、「2点補正」などと呼ばれる座標変
換(「ラスター編集」と呼ぶ。)があり、ベクトル形式
の図面データに対しては、例えば、「4点指示変換」や
「ヘルマート変換」と呼ばれる座標変換(「ベクトル編
集」と呼ぶ。)などが適用される。従って、図面データ
として、例えば、公図のように、方位や縮尺が均一でな
かったり経年変化で劣化した未整備の既製図面を用いて
も、正確で精度の高い地図データに改変することがで
き、さらに、各部分地図データに対応して属性情報を付
加する処理(なお、後述する実施例においては、この処
理をも含めて「図面編纂」と呼んでいる。)により、各
土地区画毎の地理的特徴を一層明確且つ詳細に把握する
ことができることになる。
【0016】すなわち、この発明の図面編纂システムで
は、部分地図データが表わす図形上において複数の基準
点を指示し、標準地図データが表わす図形上において、
指示された基準点に対応する複数の対応点を指示する
と、指示された基準点とこれらの基準点に対する幾何学
的な平均点(重心)との差分が算出され、指示された対
応点とこれらの対応点に対する幾何学的な平均点(重
心)との差分が算出される。さらに、算出された両差分
に基づいて、部分地図データから標準地図データへの変
換係数が算出され、算出された変換係数に基づいて、部
分地図データの座標位置が変換される。このように、部
分地図データ及び標準地図データから幾何学的に求めら
れる平均点(重心)を基準にして部分地図データの座標
位置を変換する座標変換手法は、「ヘルマート変換」と
呼ばれる。
【0017】また、部分地図データが表わす図形上にお
いて複数の基準点を指示し、標準地図データが表わす図
形上において、指示された基準点に対応する複数の対応
点を指示し、指示された基準点及び対応点で表わされる
各多角形の内部にそれぞれ第1及び第2共通点を設定す
ると、部分地図データの座標系は、設定された第1共通
点を起点として指示された基準点を通る直線にて複数の
領域に分割され、標準地図データの座標系は、設定され
た第2共通点を起点として指示された基準点を通る直線
にて、部分地図データ座標系の各領域に対応する複数の
領域に分割される。さらに、基準点、第1共通点、対応
点及び第2共通点の座標に基づいて、部分地図データ及
び標準地図データの対応する領域毎に、部分地図データ
から標準地図データへの変換係数が算出され、算出され
た変換係数に基づいて、部分地図データの座標位置が領
域毎に変換される。
【0018】このように、部分地図データ及び標準地図
データを、一点を頂点とする三角形状の複数(典型的に
は、例えば4つ)の領域に分割し、分割された各領域毎
に部分地図データの座標位置を変換する座標変換手法
は、「4点指示変換」と呼ばれる。なお、この4点指示
変換は、原理的には、部分地図データの空間を任意の三
角形面に分割し、それぞれの三角形面に対して標準地図
データの対応面への適切な座標変換系を与えて全体空間
の座標変換を行うものである。
【0019】この発明では、上述のように、多点指示形
のヘルマート変換により、部分地図データ及び標準地図
データから幾何学的に求められる平均点(重心)を基準
にして部分地図データの座標位置を変換したり、或い
は、4点指示変換により、4つの領域に分割し、分割さ
れた各領域毎に部分地図データの座標位置を変換してい
るので、部分地図データと標準地図データの一致処理を
高精度且つ高速に行い、計算誤差を少なくすることがで
きる。
【0020】なお、この発明による図面編纂システム
は、さらに、座標変換された部分地図データに属性情報
を付加する手段と、座標変換された部分地図データ及び
付加された属性情報に基づいて、部分地図データに対応
する図面データを生成したり、或いは、所定の土地区画
に対応属性が表記された図面を出力する手段とを具備す
るように構成することができる。つまり、土地区画など
への属性情報の付加により、各区画毎の地理的特徴を明
確に把握し、より整備された地図データを得ることがで
き、また、例えば、所定の土地区画に属性に対応する色
塗りを施して図面を出力することができる。さらに、書
式ライブラリから選択された所定の書式データに所定の
属性情報を合成して文書を出力するように構成すること
ができ、この構成により、前述した法定外公共物譲与な
どの公共用書面作成に当っても、効率的に所望の図面や
文書を作成することができる。
【0021】さらに、この発明の一実施態様によると、
地域毎の土地区画を表わす部分地図データを座標変換
し、標準地図データの対応する領域に一致させる座標変
換手段と、座標変換された部分地図データの土地区画に
属性情報を付加する手段と、座標変換された部分地図デ
ータ及び付加された属性情報を検索可能にファイリング
する手段と、部分地図データの属する地区の地理情報
を、ファイリングされた情報とリンクする手段とを具備
する図面編纂システムを構成することができる。この図
面編纂システムでは、地域毎の土地区画を表わす部分地
図データを座標変換し、標準地図データの対応する領域
に一致させ、各土地区画に属性情報を付加して、これら
の情報を検索可能にファイリングするようにしているの
で、部分地図の地形情報及び各地区の詳細な属性情報
が、標準地図の現況にぴったりと整合された状態で、フ
ァイリングされ、以後の書面管理段階において十分且つ
効果的な活用が可能になる。さらに、ファイリングされ
たこれらの情報は、地理情報システムや図面管理システ
ムにより、当該地域を含む地区の地理情報とリンクされ
るので、多機能・多目的の一元化された統合的地理情報
システムに発展させ、特に、公共用のサービス及び管理
をトータルに支援するシステムに展開することができ
る。
【0022】〔法定公共物・法定外公共物譲与申請支援
システムとしての特徴〕また、この発明の実施例におい
ては、法定公共物・法定外公共物譲与申請支援システム
への適用が説明されており、法定公共物・法定外公共物
譲与申請支援システムとして、例えば、以下の(1)〜
(4)のような特徴的な構成を有するシステムが提供さ
れる。
【0023】(1)土地区画を表わす図形情報及び土地
区画の属性を表わす属性情報から成る地図データを取得
するデータ取得手段と、取得された地図データから法定
公共物又は法定外公共物に関するデータを選択し、対応
する図形情報及び属性情報を抽出する公共物選択手段
と、抽出された図形情報及び属性情報に基づいて、選択
された法定公共物又は法定外公共物の土地区画を表わす
図面、及び、選択された法定公共物又は法定外公共物の
属性をまとめた文書を出力する書面出力手段とを具備す
る法定公共物・法定外公共物譲与申請支援システム:こ
のシステムにおける書面出力手段は、所定の土地区画の
属性に対応する色塗りを施して図面を出力し、書式ライ
ブラリから選択された所定の書式データに所定の属性情
報を合成して文書を出力するように構成される。
【0024】この法定公共物・法定外公共物譲与申請支
援システム(1)では、データ取得手段により、土地区
画を表わす図形情報及び土地区画の属性を表わす属性情
報から成る地図データを取得すると、取得された地図デ
ータから法定公共物又は法定外公共物に関するデータを
選択し、対応する図形情報及び属性情報が抽出される。
そして、書面出力手段により、抽出された図形情報及び
属性情報に基づいて、選択された法定公共物又は法定外
公共物の土地区画を表わす図面、及び、選択された法定
公共物又は法定外公共物の属性をまとめた文書を出力す
る。従って、地図データとして、例えば、公図、地籍
図、国調データ〔国土調査法に基づく国土調査(地籍調
査)の結果得られる数値化地図情報〕、課税用電子地図
情報、圃場整備図、更には、用地実測図などを用い、こ
れらの地図データにおける図形情報及び属性情報から法
定公共物又は法定外公共物に対応するデータを抽出する
ことにより、法定公共物又は法定外公共物の譲与申請に
係る各種図面(位置図面・譲与地図等)や各種文書(国
有財産譲与申請書・引継通知書・国有財産一覧表等)を
自動的に作成することができる。また、書面を出力する
場合、所定の土地区画属性に対応する色塗り等の表記を
施して図面を出力し、書式ライブラリから選択された所
定の書式データに所定の属性情報を合成して文書を出力
するようにしているので、法定外公共物等の譲与申請に
当って、効率的に所望の書面を作成することができる。
【0025】(2)土地区画を表わす図形情報及び土地
区画の属性を表わす属性情報から成る地図データを取得
するデータ取得手段と、取得された地図データから法定
公共物又は法定外公共物に関するデータを選択する公共
物選択手段と、選択された法定公共物又は法定外公共物
を含む複数の地図データを検索可能にファイリングする
手段と、ファイリングされた地図データが属する地区の
地理情報を、ファイリングされた地図データとリンクす
る手段とを具備する法定公共物・法定外公共物譲与申請
支援システム。
【0026】この法定公共物・法定外公共物譲与申請支
援システム(2)では、データ取得手段により取得され
た地図データから法定公共物又は法定外公共物に関する
データが選択された後、選択された法定公共物又は法定
外公共物を含む複数の地図データは、検索可能にファイ
リングされ、さらに、ファイリングされた地図データが
属する地区の地理情報が、ファイリングされた地図デー
タにリンクされる。このように、ファイリングされた公
共物譲与申請作業の成果データは、当該土地区画を含む
地区ごとに、地理情報システムや他の図面管理システム
による地理情報とリンクされることによって、多機能・
多目的の一元化された統合的地理情報システムに発展さ
せ、特に、公共用のサービス及び管理をトータルに支援
することができる。
【0027】(3)上述した(1)、(2)の法定公共
物・法定外公共物譲与申請支援において、データ取得手
段は、データ取得手段は、既製図面を基にして取得され
る図面データを、予め用意された標準地図データの対応
する領域に一致する図形情報に座標変換すると共に、座
標変換された図形情報に対応する属性情報を入力するよ
うに構成され、このデータ取得手段は、さらに、既製図
面を基にして取得される図面データを座標変換して、予
め用意された標準地図データの対応する領域に一致する
図形情報を取得すると共に、取得された図形情報に対応
する属性情報を入力するように構成することができる。
この構成によれば、地図データを取得するのに、既製図
面を基にして取得される図面データに基づいて、少なく
とも法定公共物又は法定外公共物についてベクトル化さ
れた図形情報及びディジタル化された属性情報を取得す
るようにしているので、必要最小限の公共物の地図デー
タとして編集可能なベクトル図形データ及びディジタル
属性データが得られ、膨大な公共物譲与申請処理のため
に活用することができる。
【0028】(4)上述した(1)、(2)の法定公共
物・法定外公共物譲与申請支援において、データ取得手
段は、また、予めベクトル化された図形情報及びディジ
タル化された属性情報から成る地図データを取得するよ
うに構成することができる。この構成によれば、地図デ
ータを取得するのに、予めベクトル化された図形情報及
びディジタル化された属性情報から成る地図データを取
得するようにしているので、課税用電子地図情報などの
数値化されたこの種のデータが用意されている土地区画
については、簡単に、法定公共物・法定外公共物譲与申
請やその後の管理のためのデータを作成することができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、この発
明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例にお
いては、法定公共物・法定外公共物の譲与申請にともな
う地図情報の処理に適用したものについて説明する。し
かしながら、これは単なる一例であって、この発明は、
整備されていない部分的な地図情報を、整備された地図
情報に整合性よく嵌め込んだり組み合わせたりする種々
の地図情報の整備処理に適用し得るものであり、従っ
て、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の構成変更
が可能である。
【0030】〔システム構成の概略〕図1は、この発明
の一実施例による図面編纂システムの全体的なハードウ
エア構成を表わすシステムブロック図である。この例で
は、この発明による図面編纂業務を中心的に行うホスト
コンピュータ1は、パーソナルコンピュータ(PC)が
用いられ、CPU(中央処理装置)2、システムメモリ
3、外部記憶装置4、キーボードやマウス等の操作子を
もつ入力操作装置5、ディスプレイ等の表示装置6を備
え、これらの装置2〜6は、バス7を介して互いに接続
されている。
【0031】システム全体を制御するCPU2は、この
発明による図面編纂処理に関する各種プログラムに従っ
て種々の制御を行い、システムメモリ(ROM&RA
M)3は、基本プログラムや固定データ/パラメータを
記憶したROM(読出専用メモリ)、及び、各種アプリ
ケーションプログラムやデータ等を一時記憶するRAM
(ランダムアクセスメモリ)を備える。
【0032】さらに、外部記憶装置4は、ハードディス
クドライブ(HDD)の外、CD−ROM/FDD(フ
ロッピィディスク)/MO(光磁気)ディスク等の記憶
媒体を用いた記憶装置から成り、図面編纂処理に関する
各種アプリケーションプログラムや各種データ/パラメ
ータを記憶している。また、この例では、外部記憶装置
4は、データファイリング(公共物電子キャビネット)
機能を備え、この発明による図面編纂のために、都市計
画図(所謂「白地図」)や道路台帳図等の比較的整備さ
れた最新の詳細現況図データを予め格納しておいたり、
図面編纂やGIS化処理の後は、統合化された公共用図
面データ管理をするために、多目的な行政ニーズに対応
可能な各種データベースを構築することができる。
【0033】また、入力操作装置5は、ディスプレイ6
に表示される各種画面を視認しつつ、キーボードの所定
キーを操作したり或いはディスプレイ6上の操作ボタン
をマウス等で指示することにより、図面編纂のための各
種処理を遂行することができる。
【0034】バス7には、入出力インターフェイス8を
介して、スキャナシステム等の図面データ入力装置9、
実測図データ入力装置10、画像データ入力装置11、
プリンタ(例えば、カラーレーザプリンタ)やプロッタ
(例えば、カラーインクジェットプロッタ)などの書面
出力装置12が接続される。バス7には、さらに、通信
インターフェイス13及び通信ネットワーク14を介し
て他のコンピュータシステム15を接続して、入出力装
置9〜12を含むホストコンピュータ1のシステムとの
間で、必要なデータを授受することができる構成として
いる。従って、他のコンピュータシステム15は、ホス
トコンピュータ1のシステムの一部機能を負担すること
ができる。
【0035】なお、図面データ入力装置9は、主とし
て、域内各地域の登記状態を表わす規定図面(公図等)
のデータを入力するのに用いられ、通常、操作性の容易
なスキャナシステムを用いるが、デジタイザシステムを
用いることもできる。図面データ入力装置9のうち、ス
キャナシステムは、また、上述した詳細現況図を背景図
データとして新たに入力するのにも用いられる。実測図
データ入力装置10は、必要に応じて、例えば、地上の
トータルステーション(TS:Total Station )やGP
S(Global Positioning System :全地球測位システ
ム)装置等のディジタル測量装置から得たディジタル測
量データを基にして得た実測図データを、部分的な地図
として入力するものである。また、画像データ入力装置
11は、ディジタルカメラ等から得た当該地域内の現況
写真データを、公共物電子キャビネットにおける現状確
認データとして、必要に応じて入力するものである。
【0036】ホストコンピュータ1(更には他のコンピ
ュータシステム15)は、外部記憶装置4や入力装置
9,10から入力される図面データを利用し、ディスプ
レイ6の表示援助の下で入力操作装置5を操作すること
により、以下に説明する図面編纂のための各種処理を行
う。そして、ホストコンピュータ1による各種処理の結
果得られる成果物データは、書面出力装置12から、図
面(特定図面等)や調書(譲与申請書、引継通知書、国
有財産一覧表等)などの紙書面として出力される。
【0037】〔全体的な作業工程(1)〕図2は、この
発明の一実施例による図面編纂システムの機能を含む法
定公共物・法定外公共物譲与申請支援業務の全体的な工
程を概略的に表わす概略工程図である。この法定公共物
・法定外公共物譲与申請支援業務においては、予め、
(1)予備調査段階ST1で、必要なデータが存在する
地域を調査して、入力すべき規定図面を決定する。次い
で、この発明の法定公共物・法定外公共物譲与申請支援
による作業工程に入り、(2)図面データ入力段階ST
2において、決定された規定図面や現況詳細図のデータ
を、スキャナ等の図面データ入力装置9を用いてシステ
ム内に入力し、ディジタル化する。続く(3)図面編纂
段階ST3では、図面データ入力装置9又は外部記憶装
置4から、対応する地域を含む詳細現況図データを背景
図として取り込み、ディジタル化された各地域の規定図
面データを、対応する現況図データに順次一致させてい
く図面編纂処理を行う。このためにベクトル編集が行わ
れるが、必要に応じてラスター編集を行い、また、属性
入力をも行う。なお、属性入力作業自体は図面編纂業務
とはいえないが、図面を開いて画地や線分毎に属性を入
力していくので、この図面編纂段階ST3で属性入力す
るのが良い。
【0038】次の(4)書面作成段階ST4において
は、図面編纂処理の結果得られたデータに基づいて、法
定外公共物譲与等のための特定図面(規定図面に対応)
・位置図等の図面や譲与申請書等の調書(なお、正式に
は、譲与申請書を除く、特定図面、引継通知書、国有財
産一覧表及び国有財産譲与契約書を「添付図書」という
が、この明細書では、譲与申請書と特定図面を除く添付
図書とを「調書」と総称している。)を作成する。そし
て、(5)電子ファイル化段階ST5では、作成された
図面・調書等の成果データを電子ファイル(公共物電子
キャビネット)化し、さらに、(6)GIS統合化段階
ST6において、法定外公共物譲与等の成果以外の他の
公共用地図情報を付加し、地理情報システムとして統合
化された公共用図面データを作成し、これによって、公
共物の統合的な管理・利用を行う。以下、各段階ST1
〜ST6での作業をより詳しく説明しよう。
【0039】(1)予備調査 予備調査段階ST1では、最初に、地方分権推進計画に
係る法定外公共物譲与等の手続きに必要な作業計画を立
てる。例えば、期間を協議し、市区町村の役所での管理
状況等を調査・収集した上、閲覧申請書(公用)の作成
手順等を定め、調査範囲を確定する。次いで、作業計画
に基づいて公図等の規定図面を調査する。法定外公共物
譲与等の手続きは、“実測をしないでよい”という極め
て簡便な方法で行われるので、法定外公共物譲与に当っ
て提出する特定図面の原図として使用される規定図面に
は、法務局等備え付けの地図(公図)(或いは、これと
等価な市町村備付け等の地図)等を使用することができ
る。従って、法務局等において、調査すべき全区域の規
定地図を閲覧・謄写し、法定外公共物の候補である無番
地の里道(赤線)及び水路(青線)が存在する地域を全
て洗い出す。この際、“里道(赤線)か水路(青線)
か”が不明瞭なときは、旧地図等を対照しつつ着色等を
確認するなお、地図上に書き込まれている里道・水路の
幅員(間・尺表示)等は、財産譲与後の境界確定業務や
管理台帳の整備事業における重要な資料となる。
【0040】次に、洗い出した地域の規定図面を現況詳
細図等を参照して整理したり、現地を調査する等によ
り、特定作業を行う。すなわち、図面整理や現地調査等
により、無番地の里道(赤線)及び水路(青線)につい
て、機能を有しているか喪失しているかを調べ、譲与申
請の対象となる法定外公共物に係る里道・水路か、法定
公共物か、或いは、国への引き継ぎを要するものかを、
予め特定しておく。この場合、公園、住宅、学校、病院
等の公共施設内にあったり、不法占拠等があって、廃滅
状態等となり機能を喪失しているものは、国への引き継
ぎを要するものとし、また、機能を有するもののうち、
道路・河川・公園の区域及び下水道区域内等は、法定公
共物と特定する。なお、この特定作業に併せて、法定公
共物のうら、道路法第90条第2項及び下水道法第36
条に従い国有財産譲与申請対象とするものについても、
ピックアップしておく。またこの段階で、市町村関係者
に調査結果を報告し、整理の方法、譲与申請のための書
面の様式、国へ引継ぐための書面等を、関係各機関と協
議しておく。
【0041】(2)〜(4)書面データ作成処理 図面入力段階ST2〜書面作成段階ST4は、特定作業
を終えた地域の規定図面に基づいて法定外公共物譲与等
のための書面データ(図面及び調書)を作成するための
処理ステージである。このステージでは、法定外公共物
譲与申請、法定公共物譲与申請及び国への引継ぎを行う
ものに区分されて、管理機関(建設事務所長等)に提出
する書面のためのデータが作成される。例えば、図面に
ついては、各譲与申請の区分毎に、里道及び水路の種別
及びそれらの始終点が記入され、里道(赤線)及び水路
(青線)の着色がなされた特定図面及び位置図(管内
図)又は住宅地図(行政別)等を作成する。また、財産
の所在地・種類(道路、河川)・利用計画(道路敷、河
川敷)・特定番号等を記入して、譲与申請書や添付図書
(引継通知書、国有財産一覧表等)などの調書や、依頼
用各種書類が作成される。そして、作成される図面、調
書及び書類には、路線別の整理番号を互いに整合するよ
うに付記しておく。
【0042】この書面データ作成処理では、図面入力段
階ST2にて、法務局備付けの地図や、市町村備付けの
図面等を電子的にラスターデータからベクトルデータに
変換する。図面編纂段階ST3において、ベクトルデー
タに変換された規定図面データの座標位置を現況図デー
タに順次一致させて、距離や方向が整備された規定図面
データに変換する。さらに、規定図面の所定区画に対し
て、譲与申請の必須項目を含む属性情報(特定番号・種
類・起終点住所等)を付加・入力し、さらに、必要に応
じて付属情報を入力する。書面作成段階ST4において
は、図面編纂により整備された規定図面及び付加・入力
された属性情報に基づいて、所定区画に色塗りがなされ
た特定図面や、特定図面の範囲及び配置を表わした全体
的な位置図(配置図)等の他、各種調書(譲与申請書・
引継通知書・国有財産一覧表等)を効率よく作成する。
【0043】(5)電子ファイル化処理 電子ファイル化段階ST5では、書面作成処理の結果、
成果として得られた図面や調書等のデータを外部記憶装
置4に格納して、譲与申請作業にて作成されるドキュメ
ントをファイリングする。つまり、成果品データを「公
共物電子キャビネット」としてファイル化し、公共物ド
キュメントのファイリングシステムを構築する。譲与申
請作業では、法定外公共物及び法定公共物に付随して、
申請項目以外の種々の付属情報(管理者名、路線名、現
状写真、資産税課税用電子地図情報等)が得られるの
で、成果データとしては、これらの付属情報も外部記憶
装置4の公共物電子キャビネットに格納される。
【0044】このように、各種図面及び各種調書を電子
化したファイリングシステムで運営することにより、申
請書面作成処理により得られていく膨大な成果品を、譲
与申請期間(5年間)の間か以後かを問わず、生きた情
報として活用することができる。例えば、資産税課税用
電子地図情報等から譲与対象財産の地図抽出が可能とな
るように構成する。また、成果品の履歴管理を行うこと
より、譲与申請期間は、膨大な申請処理に拘わらず円滑
な申請を行うことができ、譲与後も、そのまま財産管理
システムに移行することが可能になる。
【0045】(6)GIS統合化処理 GIS統合化段階ST6では、譲与申請作業に取得した
情報以外の各種公共用データを付加することにより、他
のGIS情報を含めた統合的な管理を創造することがで
きる。例えば、財産管理、境界管理、山間管理、上下水
道管理、地籍管理、農地管理、道路管理、国土利用管理
等に利用することができる。
【0046】〔書面作成処理の詳細〕図3〜図7は、こ
の発明の一実施例による法定公共物・法定外公共物譲与
申請支援システムにおいて実行される図面編集処理の一
例を表わすフローチャートである。この図面編集処理
は、図2の図面入力段階ST2以降の工程に対応してお
り、図面入力段階ST2及び図面編纂段階ST3につい
ては、ベクトル編集を採用するかラスター編集を採用す
るかに応じて図3又は図4の処理フローに基づく処理が
実行される。
【0047】図3〜7を用いてこの発明による図面編纂
システムについて簡単に説明すると、公図や地籍図など
の未整備地図に基づく部分地図(規定図面/対象図)デ
ータを取得すると(S1〜S5,SR1〜SR2)、こ
の部分地図データは、都市計画図などの標準地図(現況
図)データと対照され(S6,SR3)、所定の指示に
より座標変換され、標準地図データの対応する領域に一
致する図面データが生成される(S7,SR4)。この
座標変換には、両地図データ上の複数の点を指示する
と、指示された複数点の平均点(重心)に基づき変換係
数を算出するヘルマート変換や、指示された各点で分割
される複数の領域毎に変換係数を算出する4点指示変換
などの方法が採用される。そして、部分地図データの土
地区画には、必要に応じて(例えば、法定公共物・法定
外公共物譲与申請などに関して)属性情報が付加され
(S11〜S14)、座標変換後の部分地図データ及び
付加された属性情報に基づき土地区画に対応属性を表記
した図面が出力される(S15,S23)。さらに、こ
れらの成果データ(座標変換された部分地図データ及び
付加された属性情報)は検索可能にファイリングされ
(S24〜S25)、ファイリングされた情報には対応
する地区の地理情報がリンクされる(S26)。
【0048】〔ベクトル編集=図面編纂(1)〕通常の
場合、ベクトル編集が採用され、この場合は、図3にお
いて、ステップS1で、作成される特定図面の原図面と
して、ベクトル編集により処理すべき規定図面(所定地
域に複数の画地を配置した公図等の地図)が決定される
と、次のステップS2では、決定された各規定図面につ
いて、ベクトル形式のデータ〔地域内の各区画(画地)
が、区画点を頂点とし各点間を区画線(画地線)で結ん
だ多角形で表わされる多角形ポリゴンデータ〕であるか
否かを区別する。ここで、当該規定図面が既にベクトル
化されている場合(YES)には、ステップS3に進ん
で、外部記憶装置4の規定図面データファイルから規定
図面データ(例えば、一部の地籍図)を取り込むと、直
ちに、ディスプレイ6上に規定図面を展開し、ステップ
S5に進む。
【0049】一方、当該規定図面が既にベクトル化され
ている場合(NO)には、ステップS4に進む。ステッ
プS4では、処理対象とする公図等の規定図面を図面デ
ータ入力装置9のスキャナシステムから読み込み、続く
ステップS5において、既成のベクトル化プログラムを
用いたベクトル化処理により、規定図面データをベクト
ル化し、ディスプレイ6上に展開した上、ステップS5
に進む。
【0050】図8は、ステップS4又はステップS5の
処理により、ディスプレイ6上に表示される規定図面の
一例を示す(○印は、区画点を表わす。)。ステップS
6においては、ディスプレイ6上に展開した規定図面に
対応する詳細現況図(例えば、都市計画図や道路台帳
図)のデータ(ラスターデータ=画像データ)を、外部
記憶装置4の詳細現況図データベース或いは図面データ
入力装置9のスキャナシステムから取り込み、ディスプ
レイ6上に規定図面の背景図として異なる色で表示す
る。そして、表示された規定図面(以下、「対象図」と
いう。)及び詳細現況図(以下、「背景図」という。)
の縮尺を調整し、両者の相似する部分が大略互いに重な
り合うように表示位置を移動する。図9は、ステップS
6の処理により、ディスプレイ6上に表示される背景図
の一例を示し、図10は、両者の相似部分を互いに重ね
合わせた状態の一例を示す。
【0051】次のステップS7では、入力操作装置5の
操作子(マウス)を用いて、ディスプレイ6に表示され
た対象図上の複数の区画点(例えば、画地の頂点のう
ち、最外側の4〜8頂点)を指示し、各区画点に対し
て、背景図上の共通点を対応付ける指示を行う。例え
ば、図11に示すように、対象図において幾何学的に特
徴がある最外側の区画点P1〜P8と、これらの点に対
応する背景図の幾何学的特徴点(頂点)Q1〜Q8とを
対応付ける多点指示を行う。そして、ディスプレイ6の
メニューボタンをクリックして「ヘルマート変換」と呼
ばれる多点指示形座標変換を指示すると、対象図データ
の位置ベクトルに対して、後述する多点指示形ヘルマー
ト変換処理が実行され、指定された対象図の各区画点の
位置は背景図上の各対応点の座標位置に一致し、対象図
の各区画(角地)は、図12に示すように、背景図の対
応領域にほぼぴったりと納まり、整備された地域地図に
生まれ変わる。
【0052】このステップS7で対象図上の各点を背景
図上の対応する各点に一致させる処理には、上述した
「ヘルマート変換」の外にも、例えば「4点指示変換」
又は「2点指示変換」と呼ばれる処理など種々の手法を
採用することができる。4点指示変換の場合、画面上
で、対象図の4つの図形的な特徴点(例えば、最外側の
4点)及び背景図上の対応する共通点を指示し、メニュ
ーボタンをクリックして「4点指示変換」を指定する
と、対象図の各点位置ベクトルに対して指示された4点
で分割される領域毎に座標変換が行われ、対象図各点の
位置を背景図各点の座標位置に一致させる。また、2点
指示変換の場合には、同様に、対象図及び背景図上の対
応する特徴的な2点を指示すると、対象図データに対し
てこれら2点間を結ぶ方向の縮尺を背景図に合わせる座
標変換が行われ、対象図各点の位置を背景図各点の座標
位置に一致させることができる。
【0053】続いて、ステップS8では、ディスプレイ
6に表示された対象図及び背景図を対比し、背景図に対
する対象図の微妙なずれを修正する微調整処理を行う。
すなわち、ステップS7のヘルマート変換処理で、背景
図と一致しない区画点が対象図に現われた場合、不一致
点を指定してこれに対応する背景図上の位置を指定した
上、「変形」などのCAD編集コマンドボタンを指示し
て微調整処理を行う。この微調整処理により、個々の区
画点が背景図の対応点に一致するように図形変換され
る。
【0054】更に次のステップS9では、各種CAD編
集コマンド、交点計算や分割計算などにより、細部の修
正、接合、分割等、その他の図形データ処理を行う。細
部の修正では、例えば、対象図内の里道・水路(無番
地)に関して、登記以後造成等により現況と相違し、対
応する共通部分が背景図にない場合などに、里道・水路
(無番地)の図形データを修正する。また、ステップS
2〜S8の処理を済ませた複数の隣接地域の対象図を合
併して、より広い範囲の特定図面とする場合、これらの
対象図において隣接する画地境界線が一致するように、
これらの境界線を互いに接合する処理を行う。さらに、
1地域の対象図のサイズが大き過ぎる場合等は、指定さ
れた区画線(画地線)に沿って、複数の区域の対象図に
分割することができる。そして、以上のような処理を、
1つの地区に含まれる1地域乃至複数地域の特定図面
(対象図)の全てに対して実行することにより、1地区
分のベクトル編集〔図面編纂(1)〕処理が完了する。
【0055】〔ラスター編集〕当該地域の現況が規定地
図と殆ど相違しない場合にはラスター編集を便宜的に採
用することができる。この場合は、図4において、最初
のステップSR1で、作成される特定図面の原図面とし
て、ラスター編集により処理すべき規定図面が決定され
ると、次のステップSR2では、処理対象とする公図等
の規定図面を図面データ入力装置9のスキャナシステム
から読み込んでディスプレイ6上に表示し、続くステッ
プSR3にて、ディスプレイ6上に表示された規定図面
に対応する詳細現況図(例えば、都市計画図や道路台帳
図)のデータを、外部記憶装置4の詳細現況図データベ
ース或いは図面データ入力装置9のスキャナシステムか
ら取り込み、ディスプレイ6上に規定図面の背景図とし
て異なる色で表示する。
【0056】次いで、表示された規定図面(対象図)及
び詳細現況図(背景図)の縮尺を調整し、表示位置を移
動し、また、傾斜を調整(傾斜補正)することによっ
て、両者の相似する部分が大略互いに重なり合うように
する。そして、対象図の各点の座標位置を背景図の対応
各点に一致させる幾何学的座標変換が行われ、この変換
には、「4点補正」或いは「メッシュ補正」と呼ばれる
処理が採用される。
【0057】「4点補正」の場合、入力操作装置5の操
作子(マウス)を用いて、ディスプレイ6上の対象図の
4つの図形的な特徴点(例えば、最外側の4頂点)を指
定し、特徴点に対して背景図上の共通点を対応付けの指
定を行う。そして、ディスプレイ6のメニューボタンを
クリックして「4点補正」を指示すると、対象図の画像
データ(ラスターデータ)に対して座標変換が行われ、
指定された対象図の各特徴点の位置を背景図上の各対応
点の座標位置に一致させる。また、「メッシュ補正」の
場合には、メッシュ間隔を同一縮尺とした上、対象図及
び背景図の対応する個々のメッシュ毎に、対応4メッシ
ュ点の一致を指示することによって、部分的にメッシュ
画点位置を補正し、これを繰り返すことにより、対応各
点を一致させる。
【0058】そして、ステップSR5では、画像ノイズ
点の除去、里道・水路(無番地)の輪郭線画像の修正
等、対象図画像データの細部修正処理を行う。以上の処
理を行うことにより、ラスター編集による1地域の処理
が完了する。なお、上述した図4のラスター編集は、土
地の状況が殆ど変化しないと考えられる地域について便
宜的に特定図面を作成する場合に取り敢えず採用される
べき手法であり、公共用地図データを将来的に弾力的な
運用を図ろうとする場合には、全ての地域について、図
3のベクトル編集を採用することが好ましい。
【0059】〔属性情報等の入力=図面編纂(2)〕ベ
クトル編集(場合によっては、一部ラスター編集)によ
り、所定期間に譲与申請される地区に含まれる各地域の
図面の整備が行われ、ベクトル化された対象図(規定図
面)が現況図に一致させられ、整備された地区内各地域
の対象図データが得られると、ステップS10(図5)
以降のステップに進み、書面作成のためのデータ処理が
行われる。まず、ステップS10では、ディスプレイ6
上に、編集処理により整備された対象図を順次呼び出
し、各対象図内における夫々の多角形を指定して、多角
形を形成する区画線同士を結線する指示を与える(ラス
ター編集を経たものは、この段階で、少なくとも公共物
についてベクトル化する。)。これにより、1筆毎に、
画地が定義され、里道・水路を表わす1筆毎の画地とし
て定義される。
【0060】続くステップS11からは、対象図内の所
定の画地に対して、譲与申請の必須項目を含む属性情報
や、必要に応じて入力される公共物付属情報等の入力が
始まる。先ず、ステップS11では、これら属性情報等
を「属性表」を作成した上で入力するかどうかを決定
し、属性表を用いて情報入力する場合(YES)はステ
ップS12,S13に進み、属性表を用いない場合(N
O)にはステップS14に進む。
【0061】ステップS12では、表計算プログラムに
より各法定外公共物(又は法定公共物)の属性情報を整
理する「属性表」を作成する。そして、この属性表の入
力項目に従って、里道・水路を表わす1筆毎に、法定外
公共物(又は法定公共物)である旨、及び、当該法定外
公共物(又は法定公共物)の属性情報〔特定番号(地区
に対応する地区番号及び地区内の各地域特定図面に対応
する地域枝番号から成る)・種類・起終点住所・譲与申
請等の種別(法定外、道路法第90条第2項、下水道法
第36条、国へ引継等)、地目、所有者等〕を、順次、
入力していく。続くステップS13では、これらの属性
情報をテキストデータで保持するテキストファイルを作
成し、将来、GIS属性データベースに簡単に移行する
ことができるようにする。
【0062】一方、ステップS14に進んだ場合には、
対象図と共にディスプレイ6に表示される属性情報入力
画面を用いて、里道・水路を表わす1筆毎に、法定外公
共物(又は法定公共物)である旨、及び、当該法定外公
共物(又は法定公共物)の属性情報〔特定番号(地区に
対応する地区番号及び地区内の各地域特定図面に対応す
る地域枝番号から成る)・種類・起終点住所・譲与申請
等の種別(法定外、道路法第90条第2項、下水道法第
36条、国へ引継等)、地目、所有者等〕を、順次、入
力していく。図13は、属性情報入力画面の一例を示
す。
【0063】このようにして情報入力を終えると、ステ
ップS15において、各対象図において、譲与申請対象
となる里道・水路等を表わす画地(多角形)内部に、公
共物属性に応じたペイント処理を施す。例えば、譲与申
請する法定外公共物に係る里道(道路)は「赤」、水路
(河川)は「青」を着色する。また、譲与申請する法定
公共物に係る市町村道敷は「黄」、下水道敷に「緑」、
その他の敷地は「茶」を着色する。さらに、このステッ
プS14では、里道・水路等の公共物の起終点位置に起
終点マーク(起点は「△」、終点は「▲」)を記入す
る。
【0064】さらに、ステップS16では、里道・水路
等の公共物の幅員、路線名等、予備調査段階ST1で得
られた種々の公共物付属情報を入力し、既に入力されて
いる属性情報を補充する。このような付属情報は、将
来、多目的地理情報システムの下で効果的に活用するこ
とができるように、できるだけ入力項目を多くしておく
ことが好ましい。また、対象図の図形データ(点・線・
面)に対して、自由な属性を定義することができるよう
にしておく。これらのステップS10〜S15の処理に
より、一応、譲与申請に関係する書面を作成するのに必
要なデータのセットを終えるが、さらに、ステップS1
7〜S22(図6)に進んで、里道・水路等の各公共物
について、セットされたデータの妥当性を確認する。
【0065】ステップS17では、各公共物について改
めて現地調査する必要があるかどうか判断し、その必要
があれば(YES)、ステップS18で、現地調査結果
をみたり再度現地調査を行うことにより、1筆毎に、当
該公共物に入力された情報が現況と整合していることを
確認し、また、その必要がなければ(NO)、ステップ
S19で、ディスプレイ6の対象図に再度現況図を重ね
合わせて表示させ、当該公共物に入力された情報が現況
と整合していることを確認する。そして、現況と整合し
ない場合には、ステップS11以前に戻ってデータ修正
を行い。また、必要な場合には、ステップS1に戻って
図面編纂の冒頭からやり直す。
【0066】現況との整合を再確認すると、ステップS
20において、里道・水路等について公共的機能を有し
ているかどうかを調べる。ここで、各里道・水路等が公
共的なものとして機能している場合には、ステップS2
1で当該里道・水路等について譲与申請すべき法定外公
共物又は法定公共物であることを確認し、機能していな
い場合には、ステップS22で、原規定図面上にあった
里道・水路等が、国へ引き継ぐものであることを確認す
る。また、これらの確認が得られない場合は、ステップ
S11に戻って属性情報(譲与申請等の種別データ)の
修正を行う。
【0067】〔書面の作成〕機能の確認を終えると、ス
テップS23で、機能を有しており且つ譲与申請すべき
であると確認された各地区の里道・水路等について、譲
与申請用書面を作成することができる。例えば、調書類
については、外部記憶装置4の書式パターンライブラリ
に、指定された様式の書式パターンが、調書別に予め格
納されている。調書作成の種別指示に応じて、対応する
書式パターンを読み出す一方、図面編纂段階ST4で得
られたデータ(属性情報及び付属情報)から必要なデー
タを抽出する。そして、抽出したデータを、読み出した
書式パターンに記入することにより所定形式の調書類を
作成することができる。これにより、譲与申請書・引継
通知書・国有財産一覧表等の調書を容易に作成すること
ができる。また、図面については、譲与申請等の種別
(法定外公共物等)及び譲与申請書に記入される譲与対
象物の所在地区に応じて、ステップS1(SR1)〜S
15の処理を経た地区内の全対象図が、書面出力装置1
2から特定図面として紙出力される。
【0068】〔電子ファイル化〜GIS統合化〕ステッ
プS17における書面作成処理の結果、各地区毎に得ら
れる成果データ(図面や調書等の必須情報の他に、その
他の属性情報及び付属情報が含まれる。)は、ステップ
S24にて、外部記憶装置4の公共物電子キャビネット
に格納され、公共物データとして管理される。これらの
格納データは、ステップS25にて、必要に応じて随時
更新することができ、これにより、最新の公共物データ
を提供することができる。従って、成果データの格納或
いは格納データの更新の際に、公共物電子キャビネット
には最新の情報が入力されていくので、生きた電子化公
共物情報を取り扱うファイリングシステムを運営するこ
とができる。
【0069】さらに、ステップS26では、譲与申請作
業に取得したりその後それを更新した公共物データをベ
ースにして、その他の各種公共用データを、順次、GI
S情報として各レイヤ毎に追加していくことができ、こ
れにより、多種公共物の一元的管理が可能な多目的公共
用地理情報システムを構築し、以後の行政上の公共物管
理を効果的にサポートすることができる。例えば、法定
外調査事業、財産管理、境界管理、山間管理、上下水道
管理、地籍管理、農地管理、道路管理、国土利用管理な
どに利用可能とし、地図をベースとして、各種情報の照
会、図面・帳票の再編集・出力なども効率よく行うこと
ができるようになる。
【0070】すなわち、地理情報システムのデータベー
スに、大量且つ他種の公共物管理のための各種地図情報
を格納しておき、必要な時に、必要な管理項目に関して
検索・閲覧・出力・修正などの管理業務を行うことがで
きる電子キャビネットとして利用するように構成するこ
とができる。単に、図面や書類等のドキュメントの電子
化を支援するためだけでなく、デジタルカメラの画像デ
ータ・スキャニング画像データなども一括して保管する
ことが可能となる。例えば、ディスプレイ6上にサムネ
イル表示図面の縮小表示を行い、目的とする公共物の管
理図面をいち早く確認することができ、この図面を入力
操作装置5の操作子でダブルクリックすると、対応する
アプリケーションが立ち上がり図面の修正などを行うこ
とができるようになる。また、人間の判断力を考えた高
速検索を行い、写真集やカタログのページをめくるよう
に、大きな画面で目を使って検索することができ、格納
データにはひとつひとつ情報カードを付けて管理し、こ
の情報カードを利用して膨大なデータの中から必要なド
キュメントを探し出すための絞り込み検索を行うことが
できるようにしてもよい。
【0071】〔ヘルマート変換〕次に、この発明の一実
施例による図面編纂に採用されるヘルマート変換処理に
ついて説明する。いま、x−y直交座標系において、第
1図形P(x,y)から第2図形Q(X,Y)に変換す
るものと仮定し、第1図形P(x,y)上の多数の点の
うちから任意に指定(指示)したn個の点P1(x1,
y1)〜Pn(xn,yn)は、それぞれ、第2図形Q
(X,Y)の上の多数の点のうちのn個の既知の点Q1
(X1,Y1)〜Qn(Xn,Yn)に対応するものと
する〔ただし、3≦n≦8。図11の場合、n=8〕。
ヘルマート変換は、第1及び第2図形上の標本点P1
(x1,y1),Q1(X1,Y1)間〜標本点Pn
(xn,yn),Qn(Xn,Yn)間の各座標値差を
最小になるようにする(誤差を最適化する)直交変換の
手法である。
【0072】すなわち、変換結果と真値Q(Q1〜Q
n)との差V〔V1(vx1,vy1)〜Vn(vx
n,vyn)〕を導入して、次式(a)で表わされる変
換を想定し、この変換において真値Qとの差(真値差)
Vを最小にすることを考えて、そのための座標変換係数
を求めるものである:
【数1】
【0073】この直交変換の一般式は、次式(b)で表
わされる:
【数2】 ここで、係数C(g,h,i,j)については、 g:x軸方向の伸縮率(伸縮率k、回転角wに対し、g
=kcosw)、 h:y軸方向の伸縮率(同じく、h=ksinw)、 i:x軸方向の平行移動量、 j:y軸方向の平行移動量。
【0074】この一般式(b)に、標本点P1(x1,
y1)〜Pn(xn,yn),Q1(X1,Y1)〜Q
n(Xn,Yn)及び真値差V1(vx1,vy1)〜
Vn(vxn,vyn)を当てはめ、未知数である係数
C(g〜j)について解いたマトリクスを構成すると、
次式(c)で表わすことができる:
【数3】
【0075】そこで、最小自乗法を用いて係数C(g〜
j)の最確値を求める。つまり、次式(d)を用いて式
(c)を解くと、式(e)〜(h)の結果を得ることが
できる:
【数4】
【数5】
【0076】従って、これらの式(e)〜(h)から各
係数g〜jを算出し、これを式(b)に適用すれば、ヘ
ルマート変換を行うことができることになる。
【0077】さて、実際の計算手法について説明する。
まず、式(g),(h)に着目すると、各式はそれぞれ
次式(i),(j)に変形することができる:
【数6】
【0078】両式(i),(j)は、変換元座標の平均
点を変換先座標の平均点に平行移動するということを示
していることが解る。そこで、各平均点に対応して、変
換元の原点座標は([x]/n,[y]/n)、変換先
の原点座標は([X]/n,[Y]n)として表示す
る。つまり、変換元及び変換先座標の平均点Pm(x
m,ym),Qm(Xm,Ym)は、次式(1),
(2)で表わされ、変換前の第1図形P及び変換後の第
2図形Qを点P1〜Pn,Q1(X1,Y1)〜Qnを
頂点とする単純なn角形と考えて、それらの重心を与え
るとも考えることができる〔重心の計算〕:
【数7】
【0079】上述の平均点(重心)Pm(xm,y
m),Qm(Xm,Ym)の計算を行う際、国家座標が
用いられている場合には数値のオーバーフローを起す可
能性が高い。そこで、実際の数値計算は、以下の
〔a〕、〔b〕のような手順で行う。
【0080】〔a〕変換元である第1図形P上の標本点
P1(x1,y1)〜Pn(xn,yn)の平均点Pm
(xm,ym)の座標を、次式(k)によって算出す
る:
【数8】
【0081】〔b〕同様に、変換先である第2図形Q上
の標本点Q1(X1,Y1)〜Qn(Xn,Yn)の平
均点Qm(Xm,Ym)の座標を、次式(m)によって
算出する:
【数9】
【0082】次いで、式(1)の係数g,hを算出する
際にも、オーバーフローを回避するため、以下の
〔c〕,〔d〕のような手段を講じる。
【0083】〔c〕変換元座標の各標本点P1(x1,
y1)〜Pn(xn,yn)の平均点Pm(xm,y
m)との座標値差Δx1〜Δxn,Δy1〜Δynを次
式(3)によって算出し、変換先座標の各標本点Q1
(X1,Y1)〜Qn(Xn,Yn)の平均点Qm(X
m,Ym)との座標値差ΔX1〜ΔXn,ΔY1〜ΔY
nを、次式(4)によって算出する:
【数10】
【0084】〔d〕第2図形Q(X,Y)は、重心P
m,Qmを基準としてx及びy軸方向の水平及び垂直変
換係数G,Hを用い、次式(5)により、第1図形P
(x,y)から第2図形Q(X,Y)に変換されるもの
とし、係数G,Hの値をそれぞれ次式(n),(o)に
よって算出する:
【数11】
【0085】式(n),(o)において、 [Δx]=Δx1+Δx2+…+Δxn [Δy]=Δy1+Δy2+…+Δyn [ΔX]=ΔX1+ΔX2+…+ΔXn [ΔY]=ΔY1+ΔY2+…+ΔYn は、式(1),(2)及び式(3),(4)から、何れ
も値が0になり、式(n),(o)は、次式(p),
(q)に書き換えることができる。そこで、式(5)で
表わされる変換系に関して、式(6)で与えられる数値
S1〜S6を用いて、x,y軸各方向の変換係数G,H
を、それぞれ、次式(7),(8)により計算する〔系
の計算〕:
【数12】
【0086】また、重心Pm,Qmを基準として、回転
角W及び伸縮率Kを用いると、第1及び第2図形P
(x,y),Q(X,Y)間の変換系は、次式(9)で
表わすことができる:
【数13】
【0087】x,y軸各方向の変換係数G,Hと回転角
W及び伸縮率Kとの間には、図14に示す関係、すなわ
ち、次式(10),(11)の関係がある:
【数14】
【0088】従って、回転角Wは、次式(12)により
算出することができる〔回転角の計算〕:
【数15】
【0089】しかしながら、回転角Wについては、式
(12)では、条件判断が多く、プログラムのコードが
複雑になる。そこで、回転角Wの計算には、“H/|H
|”及び“G/|G|”を使用して符号を算出する次式
(13)を用い、条件判断のステップを省略する。つま
り、式(13)を用いることにより、回転角Wの計算を
簡略化してプログラミングのステップ数を短縮し、座標
変換計算の時間短縮を実現することができる:
【数16】
【0090】また、伸縮率Kは、回転角W=πのときに
計算不能に陥らないように場合分けをして、次式(1
4)により算出することができる:
【数17】
【0091】式(14)により算出される値は、必ず、
次表から正の数値になることが明らかである。そこで、
このように伸縮率Kが正の数値になることに着目し、伸
縮率Kの計算には、直角三角形の斜辺を求める単純な計
算式(11)を用い、これにより、条件判断のステップ
を省略することができる。また、式(14)のように三
角関数を用いると、三角関数の計算で発生する小数点以
下無限に続く端数を処理することにより誤差が生じる
が、式(11)を用いることにより、数値計算上の誤差
を抑えることができる。
【表1】
【0092】以上のことから、ヘルマート変換の実際の
適用に当たっては、x軸及びy軸方向の水平及び垂直変
換係数G,Hが得られると、式(13),(11)を用
いて両変換係数G,Hから回転角W及び伸縮率Kを求め
た後、式(9)を用いて、n個の標本点P1(x1,y
1)〜Pn(xn,yn)を含む第1図形P(x,y)
上の各点座標値x,yから、対応する第2図形Q(X,
Y)の各点座標値X,Yを計算するのが、実用上好まし
い。
【0093】〔4点指示変換〕この発明の一実施例によ
る図面編纂においては、対象図(部分地図)と背景図な
どの標準地図についてそれぞれ対応する4点を指示する
と、「4点指示変換」と呼ばれる座標変換処理によっ
て、対象図上の指定された各点の位置が標準地図の対応
領域にほぼぴったりと納まるように変換される。この4
点指示変換は、図15に示すように、対象図などの変換
元座標(旧座標)系において、指示された4点P1〜P
4の交叉線分P1−P3,P2−P4(外側への延長線
を含む)により座標分割して4つの領域a〜dを設定
し、標準地図などの変換先座標(新座標)系において
も、同様に、対応する4点Q1〜Q4で4領域A〜Dに
座標分割し、設定された4つの変換元領域a〜d内の座
標点を変換先領域A〜D内の座標点に座標変換するもの
である。
【0094】より具体的にいうと、図15(1)に示す
ように、変換元座標系において、凸四角形を形成するよ
うに4点P1〜P4を指示し、指示された4点P1〜P
4で構成される凸四角形の対角線P1−P3,P2−P
4の交点P0を求め、線分P0−P1,P0−P2,P
0−P3,P0−P4(外側への延長線を含む)によっ
て座標系を分割して領域a〜dを設定する。変換先座標
系においても、図15(2)に示すように、同様に、各
点Q1〜Q4に対応する既知点Q1〜Q4で構成される
凸四角形の対角線Q1−Q3,Q2−Q4の交点Q0を
求め、線分Q0−Q1,Q0−Q2,Q0−Q3,Q0
−Q4(外側への延長線を含む)によって座標系を分割
して領域A〜Dを設定する。そして、変換元の各領域a
〜dを、別々の座標変換系を用いて、対応する変換先の
各領域A〜Dに座標変換する。
【0095】このような4点指示変換は、ベクトル編集
に好適に採用することができ、例えば、背景図(標準地
図)となる都市計画図の上に対象図である公図ベクトル
を重ねる場合など、公図を変換元(旧座標)とし都市計
画図を変換先(新座標)とし、重ねる対象となる領域の
ほぼ外周を4つの標本点で指示することにより所望の座
標変換を行うことができる。この場合、両図において標
本点となる角(かど)の点がぴったりと重なるように対
応しており、画地線の直線性が保証されていることが好
ましく、また、変換前後の座標点数は変わらない。
【0096】図16及び図17は、この発明の一実施例
による4点指示変換の処理例を表わすフローチャートを
示し、4点指示変換を用いた座標変換は、このフローチ
ャートに従って以下の流れで行われる。まず、ステップ
C1は標本点の入力ステップである。このステップC1
では、変換元座標系(x,y)から4つの標本点P1〜
P4を指定し、変換先座標系(X,Y)からこれら各点
に対応する4標本点Q1〜Q4を指定し、これらの標本
点座標値P1(x1,y1)〜P4(x4,y4),Q
1(X1,Y1)〜Q4(X4,Y4)を入力する。
【0097】次のステップC2では、変換元の標本点P
1〜P4及び変換先の標本点Q1〜Q4により構成され
る各四角形(P1〜P4,Q1〜Q4)が、共に、凸四
角形になるか否かを判定する。ここで、両四角形が凸形
を形成しない場合、即ち、各四角形の対角線の交点が求
められない場合は、ステップC1に戻って標本点P1〜
P4及び変換先の標本点Q1〜Q4を設定し直し、両四
角形が凸形を形成するまでステップC1,C2の処理を
繰り返す。凸四角形が形成されると、ステップC2から
ステップC3に進む。このステップC3からステップC
6に至るステージは、変換元の領域a〜dから変換先の
領域A〜Dへの座標変換情報を作成するための座標変換
マトリクス作成ステージである。
【0098】このステージ(C3〜C6)の最初のステ
ップC3では、変換元座標系(x,y)及び変換先座標
系(X,Y)を、それぞれ、凸四角形(P1〜P4,Q
1〜Q4)の対角線P1−P3,P2−P4;Q1−Q
3,Q2−Q4で4つの領域点a〜d,A〜Dに分割
し、対角線の交点P0(x0,y0),Q0(X0,Y
0)を両座標系の原点に移動する。次のステップC4で
は、対角線の交点を原点O(0,0)に移動した変換元
及び変換先の各凸四角形(P11〜P41,Q11〜Q
41)を用いて、それぞれ、第1座標変換マトリクス
[m1],[M1]並びに第2座標変換マトリクス[m
2],[M2]を作成する。このような第1及び第2座
標変換マトリクスの作成手順を図18及び図19を用い
て以下に詳しく説明する。
【0099】変換元については、変換元の凸四角形P1
〜P4〔図15(1)〕の対角線P1−P3,P2−P
4の交点P0(x0,y0)を求め、図18(1)に示
すように、交点P0を変換元座標系(x,y)の原点O
(0,0)へ移して変換元の平行移動後座標系(x*,
y*)上の凸四角形P11〜P41に座標変換する。こ
こで、対角線P1−P3(P11−P31)がx(x
*)軸となす角度を“α0”とすると、さらに、凸四角
形P11〜P41を全体的に角度“−α0”だけ回転し
て、相対する2頂点P11,P31をx軸上に移して、
図18(2)に示すように、変換元の回転後座標系
(x’,y’)上の凸四角形P12(x12,y12)
〜P42(x42,y42)に座標変換する。
【0100】ここで、もとの凸四角形P1〜P4から、
一方の対角線P12−P32が変換元座標系(x,y)
のx軸方向に平行となる〔平行移動後座標系(x*,y
*)のx*軸に一致する〕凸四角形P12〜P42に変
換させる変換情報を第1座標変換マトリックス[m1]
とすると、凸四角形P12〜P42を含む回転後座標系
(x’,y’)は、次式(15)で表わすことができ
る:
【数18】
【0101】式(15)は、凸四角形P12〜P42の
各頂点P12(x12,y12)〜P42(x42,y
42)の座標値を表わす次式(16)を満足する:
【数19】
【0102】さらに、図18(2)に示すように、対角
線P12−P32がx軸に平行となる凸四角形P12〜
P42について、対角線P22−P42を剪断変換
(x’座標値のみを変化)し、残る2頂点P22(x2
2,y22),P42(x42,y42)をy’軸上に
移し、図20(1)に示すように、剪断変換後座標系
(x”,y”)上の凸四角形P13〜P43に座標変換
する。このように、凸四角形P12〜P42から、さら
に、他方の対角線P23−P43もy軸に平行する
〔y’(y*)軸に一致する〕凸四角形P13〜P43
に変換させるための変換情報を第2座標変換マトリック
ス[m2]とし、対角線P22−P42がy’軸となす
角度を“β0”とすると、凸四角形P13〜P43を含
む剪断変換後座標系(x”,y”)は、次式(17)で
表わすことができる:
【数20】
【0103】式(17)は、凸四角形P13〜P43の
頂点P23(x23,y23),P43(x43,y4
3)のx’座標値を表わす次式(18)を満足する:
【数21】
【0104】そして、マトリクス[m1]にマトリクス
[m2]を乗じ、もとの凸四角形P1〜P4〔図15
(1)〕から、両対角線P13−P33,P23−P4
3がx,y両軸に平行する〔x’(x*),y’(y
*)両軸に一致する〕凸四角形P13〜P43〔図20
(1)〕に変換させるための座標変換マトリクス[m
3]を作成する。つまり、凸四角形P13〜P43を含
む座標系(x”,y”)は、このマトリクス[m3]を
用いて次式(19)のように表わすことができる:
【数22】
【0105】変換先についても、同様にして、座標変換
マトリクス[M1],[M2]、[M3](=M1]
[M2])を作成することができる。すなわち、変換先
の凸四角形Q1〜Q4〔図15(2)〕の対角線Q1−
Q3,Q2−Q4の交点Q0(X0,Y0)を求め、図
19(1)に示すように、交点Q0を変換先座標系
(X,Y)の原点O(0,0)へ移して変換先の平行移
動後座標系(X*,Y*)上の凸四角形Q11〜Q41
に座標変換する。ここで、対角線Q11−Q31がX*
軸となす角度を“γ0”とすると、さらに、凸四角形Q
11〜Q41を全体的に角度“−γ0”だけ回転して、
相対する2頂点Q11,Q31をX*軸上に移し、図1
9(2)に示すように、変換先の回転後座標系(X’,
Y’)上の凸四角形Q12(X12,Y12)〜Q42
(X42,Y42)に座標変換する。
【0106】このような平行移動及び回転操作に対応し
て、変換先の凸四角形Q1〜Q4から、一方の対角線Q
12−Q32が変換先座標系(X,Y)のX軸方向に平
行となる〔平行移動後座標系(X*,Y*)のX*軸に
一致する〕凸四角形Q12〜Q42に変換させるための
第1座標変換マトリクス[M1]を、式(15)と同様
にして作成する〔(X’,Y’,1)=(X,Y,1)
[M1]〕。このマトリクス[M1]は、変換先におけ
る凸四角形Q1〜Q4の各頂点Q1(X1,Y1)の座
標値から凸四角形Q12〜Q42の各頂点Q12(X1
2,Y12)〜P42(X42,Y42)の座標値を求
める次式(20)を包含する:
【数23】
【0107】さらに、図19(2)に示すように、対角
線Q12−Q32がX軸に平行となる凸四角形Q12〜
Q42について、対角線Q22−Q42を剪断変換
(X’座標値のみを変化)し、残る2頂点Q22(X2
2,Y22),Q4(X42,Y42)をY’軸上に移
し、図20(2)に示すように、剪断変換後座標系
(X”,Y”)上の凸四角形Q13〜Q43に座標変換
する。これにより、凸四角形Q12〜Q42から、他方
の対角線Q23−Q43もY軸に平行する〔Y’(Y
*)軸に一致する〕凸四角形Q13〜Q43に変換させ
るための第2座標変換マトリクス[M2]を、対角線Q
2−Q4がy軸となす角度δ0を用い、式(17)と同
様にして作成する〔(X”,Y”,1)=(X’,
Y’,1)[M2]〕。このマトリクス[M2]は、凸
四角形Q12〜Q42の各頂点Q12(X12,Y1
2)の座標値から凸四角形Q13〜Q43の頂点Q23
(X23,Y23),Q43(X43,Y43)のX’
座標値を求める次式(21)を包含する:
【数24】
【0108】そこで、マトリクス[M1]にマトリクス
[M2]を乗じ、変換先の凸四角形P1〜P4〔図15
(2)〕から、両対角線Q13−Q33,Q23−Q4
3がX,Y両軸に平行する〔X’(X*),Y’(Y
*)両軸に一致する〕凸四角形Q13〜Q43〔図20
(2)〕に変換するための座標変換マトリクス[M3]
を作成することができる。つまり、凸四角形P13〜P
43を含む座標系(X”,Y”)は、このマトリクス
[M3]を用いて次式(22)で表わされる:
【数25】
【0109】これらのマトリクス[m3]=[m1]
[m2],[M3]=[M1][M2]を利用すること
で、凸四角形(P1〜P4,Q1〜Q4)を含む図15
(1),(2)の変換元及び変換先座標系(x,y),
(X,Y)は、それぞれ、凸四角形(P1〜P4,Q1
〜Q4)の各頂点をx,y軸及びX,Y軸に平行な
x”,y”各軸及びX”,Y”各軸上に移動した凸四角
形(P13〜P43,Q13〜Q43)を含む図20
(1),(2)の座標系(x”,y”),(X”,
Y”)に変換することができる。そして、図20
(1),(2)の直交座標系においては、分割領域a〜
d,A〜Dは、それぞれ、当該直交座標系(x”,
y”),(X”,Y”)の第1〜第4象限に対応するこ
とになる。
【0110】さて、図16及び図17の4点指示変換の
処理フローに戻り、ステップC4(図16)からステッ
プC5(図17)に進むと、図20に示すように、4頂
点が各座標軸上に移った両凸四角形P13〜P43,Q
13〜Q43の間で分割領域a〜d,A〜Dを互いに対
応させるための象限別座標変換マトリクス[n1]〜
[n4]を、両凸四角形間で対応する各象限(分割領
域)毎に作成する。図20(1)の座標系(x”,
y”)において、原点O(0,0)から頂点P13(x
13,y13)〜P43(x43,y43)への線分の
長さを夫々“|/O,P13|”〜“|/O,P43
|”とし、図20(2)の座標系(X”,Y”)におい
て、原点O(0,0)から頂点Q13(X13,Y1
3)〜Q43(X43,Y43)への線分の長さを夫々
“|/O,Q13|”〜“|/O,Q43|”とする
と、変換元第1分割領域aから変換先第1領域Aへ変換
する第1象限の対応付けについては、次式(23)に従
って、第1象限別座標変換マトリクス[n1]を作成す
る:
【数26】
【0111】同様に、変換元第2分割領域bから変換先
第2分割領域Bへの第2象限については、次式(24)
に従って、第2象限別座標変換マトリクス[n2]を作
成する:
【数27】
【0112】変換元第3分割領域cから変換先第3分割
領域Cへの第3象限については、次式(25)に従っ
て、第3象限別座標変換マトリクス[n3]を作成す
る:
【数28】
【0113】そして、変換元第4分割領域dから変換先
第4分割領域Dへの第4象限については、次式(26)
に従って、第4象限別座標変換マトリクス[n4]を作
成する:
【数29】
【0114】これらの象限別座標変換を表わす式(2
3)〜(26)において、変換先線分“/O,Q13”
〜“/O,Q43”と変換元線分“/O,P13”〜
“/O,P43”との間の比を表わすマトリクス成分
は、次式(27)に示すように、第1〜第4象限(分割
領域)毎に座標系(x”,y”)から座標系(X”,
Y”)に座標変換する際の伸縮率K1〜K4を表わす:
【数30】
【0115】次のステップC6においては、第1及び第
2座標変換マトリクス[m1],[m2];[M1]
[M2]([m1][m2]=[m3];[M1][M
2]=[M3])並びに象限別座標変換マトリクス[n
1]〜[n4]に基づき、領域別座標変換マトリクス
[t1]〜[t4]を作成する。このマトリクス[t
1]〜[t4]は、次式(28)でマトリクス[tk]
で代表されるように、変換元の各領域a〜dから対応す
る変換先の各領域A〜Dへの領域別変換情報であり、式
(29)に基づいて算出される:
【数31】
【0116】このようにして、ステップC3〜C6の座
標変換マトリクス作成ステージで領域別変換情報(座標
変換マトリクス)[t1]〜[t4]を作成すると、ス
テップC7〜C10の座標変換ステージに進む。まず、
ステップC7では、変換元座標系(x,y)上における
変換対象地点の座標P(x,y)を入力する。
【0117】続くステップC8において、当該変換対象
地点P(x,y)の位置判定を行う。このように、変換
対象の点P(x,y)が変換元の凸四角形P1〜P4を
対角線で分割した領域a〜dの何処に位置するかを判定
するには、座標変換情報の作成の過程で求められるマト
リックス[m3]により式(23)で変換した座標値
(x”,y”)から、次の表2に示される条件で判定す
ることができる:
【表2】
【0118】次に、ステップC9において、この位置判
定結果に従い、前述した式(28),(29)に基づき
当該変換対象地点P(x,y)を変換先座標系(X,
Y)上の地点Q(X,Y)に座標変換する。すなわち、
(1)変換対象地点P(x,y)が第1分割領域aに位
置すると判定された場合には、式(28),(29)で
第1領域別座標変換マトリクス[t1]を用いて変換先
座標点Q(X,Y)を算出し、(2)変換対象地点P
(x,y)が第2分割領域bに位置すると判定された場
合には、式(28),(29)で第2領域別座標変換マ
トリクス[t2]を用いて変換先座標点Q(X,Y)を
算出し、(3)変換対象地点P(x,y)が第3分割領
域cに位置すると判定された場合には、式(28),
(29)で第3領域別座標変換マトリクス[t3]を用
いて変換先座標点Q(X,Y)を算出し、(4)変換対
象地点P(x,y)が第4分割領域dに位置すると判定
された場合には、式(28),(29)で第4領域別座
標変換マトリクス[t4]を用いて変換先座標点Q
(X,Y)を算出する。
【0119】或る変換対象地点P(x,y)の変換先へ
の座標変換を終えると、ステップC9から終了判定の処
理ステップC10に進み、座標変換すべき変換対象地点
がまだ存在するか否かの終了判断を行い、座標変換すべ
き変換対象地点が存在する場合には、ステップC10
(NO)からステップC7に戻って、ステップC7〜C
10の座標変換処理を繰り返す。
【0120】このようにして、ステップC7〜C10の
座標変換ステージにおいて、各領域a〜dに含まれる各
ベクトルデータについて領域毎に座標変換を行い、ベク
トル編集が達成される。そして、ステップC10で座標
変換すべき変換対象地点がもはや存在せず終了すべきと
判断した場合(YES)に、この4点指示変換の処理を
終了する。
【0121】このような4点指示変換を用いると、経年
変化して歪んだ公図などの図面から読み取ったベクトル
図又はラスター図を、都市計画図などの標準図面上の正
しい座標に合わせることができる。上述した4点指示変
換においては、マトリクス[t1]〜[t4]([m
1]〜[m3],[n1]〜[n4])などの座標変換
情報の作成の際に、変換領域を対角線で分割している
が、これはあくまでもユーザの入力操作や計算方法を簡
略化するためである。この4点指示変換は、さらに拡張
した手法で実施することができ、例えば、図21に示す
ように、指示した凸四角形P1〜P4,Q1−Q4の内
部に明確に存在する既知点P0,Q0を対角線の交点に
相当するものとして入力することによって、より高精度
の変換結果を得ることができる。
【0122】この場合、線分P0−P1〜P0−P4,
Q0−Q1〜Q0−Q4(外側への延長線を含む)によ
り、領域a〜d,A〜Dに分割し、これら4線分を変換
元及び変換先座標系(x,y),(X,Y)の直交各軸
の正負方向に平行化して、図20と同様の直交座標系
(x”,y”),(X”,Y”)を求めて象限別座標変
換マトリクスを算出すればよい。また、図21の内部点
P0,Q0を入力する手法は、4点を超える多点の指示
による変換に拡張することも可能である。
【0123】以上説明したところから明らかなように、
この発明による4点指示変換を用いると、全2次元座標
空間に対する座標変換が可能になる。例えば、国土地理
院が推奨しているアフィン変換では、指定した4点から
構成される四角形の内点に対する座標変換しか行なえな
いが、地図編集実務の上では、四角形の境界線上の点や
スキャンした原図の歪みのため微妙に四角形の境界線の
外側に位置する点も変換対象点としなければならない。
これに対して、4点指示変換では、変換対象の領域を対
角線などによって4つの空間に分割し、それぞれの空間
に対する座標変換マトリックスを構成することによって
全空間の座標変換を可能としているのである。
【0124】この発明による4点指示変換は、既に述べ
たように、公図などの不正確な部分地図データの嵌め込
みに有効に応用することができる。図面編纂の業務は、
公図などの古地図を読み取った形状を現況の土地の形状
の中に嵌め込む作業であり、地籍図の合成のように殆ど
歪みのない図面の頭郭合成とは事情を異にしている。公
図の嵌め込みでは、座標値や面積は二の次であり、図形
の特徴を合わせることに重きが置かれている。すなわ
ち、図面編纂では、公図上の特徴を持った複数の点を現
況の点に強制的に合わせる作業が必要となるが、4点指
示変換はこのような作業に好適である。
【0125】また、図15〜図20で説明した4点指示
変換では、指定された4点から構成される凸四角形の頂
点と対角線の交点の5点から4つの三角形面を構成し、
それぞれに座標変換系を設定するというように、作業者
に求める入力項目を簡略化しているが、4点指示変換の
本来の考え方は、図21に関して述べたところから明ら
かなように、歪んだ空間を任意の三角形面に分割し、そ
れぞれの三角形面に対して適切な座標変換系を与えるこ
とにより、全体空間の座標変換を可能にすることにあ
る。従って、本来の構想に従い、歪んだ図面上の複数の
点から適切な三角形面を構成し、それぞれに座標変換系
を設定することで全空間の座標変換が可能で、なおかつ
変換先の座標を固定したい点が複数ある場合に対処する
ことも可能になる。
【0126】〔全体的な作業工程(2)〕図2では、法
定公共物・法定外公共物譲与申請支援業務について、主
として図面編纂を行う場合を中心にして説明した。この
発明の一実施例による法定公共物・法定外公共物譲与申
請支援業務では、本格的な図面編纂を行うだけでなく、
事情によっては、最小限の編集作業で必要な図面データ
を得ることができる。図22は、このような場合の主た
る作業工程を概略的に表わす概略工程図である。
【0127】図面22の法定公共物・法定外公共物譲与
申請支援システムを極く簡単に説明すると、公図や数値
化データ等(規定地図)から得た地図データを基にして
(ST12)、法定公共物又は法定外公共物に関する図
形情報及び土地区画の属性を表わす属性情報を抽出する
(ST13)。特定作業(ST14)で機能確認された
法定公共物又は法定外公共物の図形及び属性情報に基づ
いて、当該公共物の土地区画を表わす図面及び当該公共
物の属性をまとめた文書を出力する(ST15)。さら
に、図形情報及び属性情報から成る地図データは検索可
能にファイリングされ(ST16)公共用地理情報とリ
ンクされる(ST17)。なお、公図などの未整備図面
については、ヘルマート変換や4点指示変換などの図面
編集(座標変換)により、都市計画図などの標準地図に
一致した図形情報に補正する(ST12)。
【0128】図22の作業工程は、以下のような作業段
階ST11〜ST17より成り、作業段階ST11,S
T12〜ST14,ST15,ST16,ST17は、
ほぼ、図2の作業段階ST1,ST2〜ST3,ST
4,ST5,ST6に対応し、既に説明した作業と同様
の作業が行われる。各段階ST11〜ST17での作業
内容を簡単に説明すると、次のとおりである: (1)予備調査段階ST11では、段階ST1と同様
に、予め、作業計画を立て、必要なデータが存在する地
域を調査して、入力すべき規定図面を決定し、これに応
じて、公図や地籍図などの既製図面や国調データなどの
数値化データを整理・調達する。 (2)図面データ入力段階ST12においては、調達し
た既製図面(公図、地籍図など)や数値化データ(国調
データなど)の図面データを、スキャナ等の図面データ
入力装置9又は外部記憶装置4を用いてシステム内に入
力し、ディジタル化し、図形情報及び属性情報から成る
地図データを取得する。この場合、公図などの未整備図
面については、ヘルマート変換や4点指示変換などの座
標変換や、CAD編集、交点計算、分割計算などをして
図面編纂を行い、必要に応じて属性入力を行う。 (3)公共物抽出段階ST13では、図面データから、
里道、水路等の公共物を抽出したり、或いは、建設省、
内務省などの所管にかかる国有地等の公共物を抽出す
る。 (4)特定作業段階ST14では、道路台帳図、住宅地
図などの図面上において、抽出された公共物の機能を確
認したり、或いは、現地調査により、抽出された公共物
の機能を確認する。 (5)書面作成段階ST15では、機能が確認された公
共物について、法定外公共物譲与等のための国有財産特
定図面などの着色図面や、国有財産一覧表などの各種調
書を作成する。 (6)ファイリング(電子ファイル化)段階ST16で
は、作成された図面・調書等を含む成果データを電子キ
ャビネット化し、この電子キャビネット(「公共物電子
キャビネット」)により提出書面を管理する。 (7)GIS統合化段階ST17では、成果データに公
共用地図情報を付加して地理情報システムとして統合化
された公共用図面データを作成し、以後、譲与された公
共物等の物件だけでなくその他の公共物についても統合
的な維持管理に当る。
【0129】〔図面入力及び公共物抽出処理〕図23及
び図24は、上述した図面データ入力段階及び公共物抽
出段階での処理例を表わすフローチャートである。図2
2の図面データ入力段階ST12及び公共物抽出段階S
T13は、特定図面の元図データとなる規定図面を入力
し、書面(図面及び調書)生成用元データを作成するス
テージである。このステージの前半の図面入力段階に対
応するステップS31〜S40においては、公図や地籍
図のように紙面上に図形が描かれた既製図面から特定図
面の元図データを入力する場合(A)は、ステップS3
1〜S39の処理を行う。これに対して、国調データの
ように図形が既にベクトル化され属性データを備えた数
値化データから元図データを入力する場合(B)には、
ステップS40の処理を行うだけであり、データ処理内
容は非常に簡単になる。
【0130】まず、既製図面(公図、地籍図等)からデ
ータ入力する場合(A)には、ステップS31で、当該
既製図面をスキャナ9にかけて図面データを読み取りラ
スターデータに変換する。このラスターデータは、次の
ステップS32において、図面番号が付番された上、以
後の処理の対象図としてディスプレイ6の画面上に表示
される。そして、続くステップS33では、画面上に
「すべてをベクトル化するか?」と打診されるので、ユ
ーザは、ラスター化された図面データのすべてをベクト
ル化するか否かを決定する。ここで、すべてのベクトル
化を行う(YES)場合にはステップS34に進み、そ
うでない(NO)場合にはステップS35に進む。な
お、ステップS32,S33(図23)間に、図4のス
テップSR3,SR4に相当する背景図表示及び4点/
メッシュ補正等の補正ステップを挿入することにより、
予めラスターデータに対して背景図に一致させる補正を
しておくことができる。
【0131】ステップS33からステップS35に進ん
だ場合は、既に説明した図面編集処理(図3〜図7)の
ステップS10〜S14に対応する処理を行う。このス
テップS35では、ディスプレイ6の画面上に表示され
たラスター図を手動でトレースするトレース式などの方
法により、法定外公共物及び法定公共物だけをベクトル
化する。従って、この場合には、図面データの処理内容
は、公共物のみのベクトル化となり非常に簡略化され
る。次いで、ステップS51にて、1筆毎の法定外公共
物及び法定公共物について、地区名、起終点地番、図上
種類などの属性を入力し、直ちに、この図面入力及び公
共物抽出処理を終了する。
【0132】なお、ステップS35の処理を行う場合、
その前段に、図面編集処理(図3〜図7)のステップS
R3〜SR5の処理を加え、対象図をラスター編集によ
り補正して距離や方向が整備された図面データに変換す
るようにしてもよい。
【0133】一方、ステップS34に進んだ場合は、所
謂「ベクトル編集」又は「CAD編集」に入り、図面編
集処理(図3〜図7)のステップS5〜S14と同様の
処理を行う。まず、このステップS34でラスターデー
タを基にして全ての図面データをベクトル化する。この
ベクトル化には、「オートベクトライザー」と呼ばれる
自動ベクトル化プログラムを利用したり、或いは、上述
したトレース式などを用いる。次に、ステップS36に
て、ラスター図に対応する現況図を画面上に背景図とし
て表示する。ここで現況図として表示される背景図に
は、都市計画図、道路台帳図、住宅地図、航空写真など
があり、この明細書では「標準地図」と呼ばれる。
【0134】続くステップS37では、対象図と背景図
の対応する各点が一致するように、へルマート変換、4
点指示変換又は2点指示変換(指示された2点間を結ぶ
方向の縮尺を標準地図に合わせる)などの変換処理を行
う。この変換処理により対応する各点を近づけるが、合
致させることができない点については、次のステップS
38(図24)において、更なるベクトル(CAD)編
集、交点計算や分割計算などによりデータの細部修正、
接合や分割をして合わせていく。
【0135】ステップS37,S38のベクトル(CA
D)編集などによって対象図と背景図が一致すると、対
象図データ中の各筆について、1筆毎に、地番、地目、
所有者などの属性を入力し、ベクトル(CAD)編集後
のデータをディスプレイ6の画面上に展開/表示し(ベ
クトルデータが展開された画面を「CAD画面」と呼
ぶ。)、公共物を自動的に抽出する処理ステージの第1
ステップS52に向かう。
【0136】特定図面の元になる図面には、既に、図面
データがベクトル化されており、図中の各筆について1
筆毎に地番、地目、所有者などの属性データが入力済み
となっているデータがある。このような数値化データか
ら元図データを入力する場合(B)には、ステップS4
0において、当該数値化データを取得し、これをCAD
画面としてディスプレイ6上に展開した後、直ちに、ス
テップS52に進む。
【0137】ステップS52においては、既に入力され
た属性を利用して、里道や水路などの無地番長狭物を一
括して選択する。続いて、ステップS53において、選
択された無地番長狭物に関するデータをCAD画面上で
見ながら個々に確認して、起終点地番、図上種類、管理
者などを抽出する。
【0138】次に、ステップS54にて、既に入力され
た属性を利用して、所有者が建設省、内務省などになっ
ている国有地を一括的に選択し、続くステップS55で
は、選択された国有地に関するデータの所有者を画面で
確認して、起終点地番、図上種類、管理者などを抽出す
る。
【0139】このようにして抽出された無地番長狭物や
国有地などの公共物は、次のステップS56において、
図上種類別に(例えば、里道は赤色に、水路は青色
に、)着色され、ユーザがこれを画面上で確認すると、
この図面入力及び公共物抽出処理を終了する。
【0140】〔特定作業の処理〕図25は、特定作業段
階での処理例を表わすフローチャートである。この特定
作業においては、まず、ステップS61において、ディ
スプレイ6の画面上に、対象図を、都市計画図、道路台
帳図、住宅地図、航空写真などの現況図と重ね合わせ
て、里道、水路などの公共物が現在も存在することを確
認する。次のステップS62では、現地において実際に
現況を確認する必要があるか否かを判断し、現地確認が
必要な場合は、ステップS63に示すように、現地に図
面を持っていき、1筆毎に里道、水路などの現況を確認
した上、ステップS64に進み、そうでない場合は、直
ちに、ステップS64に進む。
【0141】ステップS64においては、里道、水路な
どの当該公共物が機能しているか否かを判断する。つま
り、里道や水路などとして現在も現況として残っている
かどうかを確認する。ここで、機能していると判断した
場合は、ステップS65で、当該公共物について譲与申
請を確認した上、また、そうでない(当該公共物が機能
していない)場合は、ステップS66で、規定図面上に
あった当該公共物の用途廃止を確認した上、ステップS
67に進む。そして、ステップS67において、機能を
有し譲与申請が確認された公共物について、背景図デー
タに特定番号を付番していく。
【0142】〔書面作成乃至GIS統合化の処理〕図2
6は、書面作成段階乃至GIS統合化段階での処理例を
表わすフローチャートである。この処理フローでは、書
類作成の第1ステップS71において、譲与申請が確認
された公共物を判定別に(里道は赤色に、水路は青色
に)着色した国有財産特定図面を作成し、第2ステップ
S72にて、譲与申請が確認された公共物を判定別に一
覧表にまとめて、国有財産一覧表を作成する。
【0143】これらの書面を作成した後、これらの成果
データは、ステップS81において、外部記憶装置4を
用いて構築される公共物電子キャビネット(ファイリン
グシステム)にファイリングされる。ファイリングされ
たデータは、ステップS82に示すように、必要に応じ
て随時更新され、最新の公共物データとして管理され
る。さらに、ステップS91において、譲与申請作業の
結果、取得したり更新した公共物データをベースにし
て、その他の各種公共用データを、順次、GIS情報と
して各レイヤ毎に追加し、多種公共物の一元的管理が可
能な多目的公共用地理情報システムを構築する。
【0144】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、部分的な地図データを基にして、現況の標準地図と
容易に対照可能な地図データを生成することにより、こ
の地図データを広域的な電子的図面データに正確に反映
することができる。また、方位や縮尺が均一でなかった
り経年変化で劣化した公図のように未整備図面を部分地
図データに用いても、正確な地図データに改変すること
ができ、以後の修正も簡単である。また、座標変換によ
り矯正された部分地図データは、各区画毎の地理的特徴
を明確に把握することができる。
【0145】さらに、地域毎の土地区画を表わす部分地
図データを座標変換し、標準地図データの対応する領域
に一致させることにより、部分地図の地形情報は、標準
地図の現況との整合性よく整備され、以後の書面管理に
おいて十分且つ効果的に活用することができる。
【0146】また、ヘルマート変換により、部分地図デ
ータ及び標準地図データから幾何学的に求められる重心
(平均点)を基準にして部分地図データの座標位置を変
換したり、或いは、4点指示変換により、部分地図デー
タの歪んだ空間を任意の三角形面に分割し、それぞれの
三角形面に対して標準地図データの対応点への適切な座
標変換系を与えて全体空間の座標変換を行うことによ
り、部分地図データと標準地図データの一致処理を高精
度且つ高速に行い、計算誤差を少なくすることができ
る。
【0147】なお、地域毎の土地区画を表わす部分地図
データを座標変換して得られる図面データは、土地区画
の属性情報などと共に検索可能にファイリングするよう
に構成することにより、現況との整合性に優れたファイ
リングシステムを構築することができる。さらに、地理
情報システムや図面管理システムにより、当該地域を含
む地区の地理情報とリンクするように構成すれば、多機
能・多目的の一元化された統合的地理情報システムに発
展させ、特に、公共用のサービス及び管理をトータルに
支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例による図面編纂シ
ステムのハードウエア構成を示すシステムブロック図で
ある。
【図2】図2は、この発明の一実施例による図面編纂シ
ステムが適用される法定公共物・法定外公共物譲与申請
業務の全体的な作業工程を概略的に表わす概略工程図で
ある。
【図3】図3は、この発明の一実施例による図面編纂シ
ステムで実行される図面編集処理を表わすフローチャー
トの第1部分(1/5)である。
【図4】図4は、この発明の一実施例による図面編纂シ
ステムで実行される図面編集処理を表わすフローチャー
トの第2部分(2/5)である。
【図5】図5は、この発明の一実施例による図面編纂シ
ステムで実行される図面編集処理を表わすフローチャー
トの第3部分(3/5)である。
【図6】図6は、この発明の一実施例による図面編纂シ
ステムで実行される図面編集処理を表わすフローチャー
トの第4部分(4/5)である。
【図7】図7は、この発明の一実施例による図面編纂シ
ステムで実行される図面編集処理を表わすフローチャー
トの第5部分(5/5)である。
【図8】図8は、図面編纂段階における規定図面の表示
例である。
【図9】図9は、図面編纂段階における現況詳細図の表
示例である。
【図10】図10は、図面編纂段階において現況詳細図
に規定図面を重ねた場合の表示例である。
【図11】図11は、図面編纂段階における座標変換時
の多点指示を説明するための図である。
【図12】図12は、図面編纂段階における座標変換終
了時の画面表示例である。
【図13】図13は、図面編纂段階における属性情報入
力画面の一例である。
【図14】図14は、この発明の一実施例による図面編
纂システムの図面編纂段階で適用される多点指示ヘルマ
ート座標変換を説明するための図である。
【図15】図15は、この発明の一実施例において4点
指示により領域毎に座標変換を行う「4点指示変換」の
概念を説明するための図である。
【図16】図16は、この発明の一実施例による4点指
示変換の処理例を表わすフローチャートの一部である。
【図17】図17は、この発明の一実施例による4点指
示変換の処理例を表わすフローチャートの他部である。
【図18】図18は、4点指示変換の変換元図形に対す
る第1及び第2座標変換マトリクスの作成を説明するた
めの図である。
【図19】図19は、4点指示変換の変換先図形に対す
る第1及び第2座標変換マトリクスの作成を説明するた
めの図である。
【図20】図20は、4点指示変換における象限別座標
変換マトリクスの作成を説明するための図である。
【図21】図21は、4点指示変換の拡張性を説明する
ための図である。
【図22】図22は、この発明の別の実施例による図面
編纂システムが適用可能な法定公共物・法定外公共物譲
与申請業務の全体的な作業工程を概略的に表わす概略工
程図である。
【図23】図23は、この発明の別の実施例による図面
編纂システムで実行される図面入力及び公共物抽出段階
における処理を表わすフローチャートの一部である。
【図24】図24は、この発明の別の実施例による図面
編纂システムで実行される図面入力及び公共物抽出段階
における処理を表わすフローチャートの他部である。
【図25】図25は、この発明の別の実施例による図面
編纂システムで実行される特定作業段階における処理を
表わすフローチャートである。
【図26】図26は、この発明の別の実施例による図面
編纂システムで実行される書面作成乃至GIS統合化段
階における処理を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ(PC)、 4 各種データのファイリング機能を備える外部記憶装
置、 9 図面データ入力装置、 10 実測図データ入力装置、 11 画像データ入力装置、 12 書面出力装置、 P1〜P4 変換元座標系(x,y)にて指示される4
点、 Q1〜Q4 変換先座標系(X,Y)にて指示される4
点、 α0 対角線P11−P31がx軸となす角度、 β0 対角線P22−P42がy軸となす角度、 γ0 対角線Q11−Q31がX軸となす角度、 δ0 対角線Q22−Q42がY軸となす角度、 [m1],[m2] 変換元の第1及び第2座標変換マ
トリクス、 [M1],[M2] 変換先の第1及び第2座標変換マ
トリクス、 [n1]〜[n4] 象限別座標変換マトリクス、 [t1]〜[t4] 領域別座標変換マトリクス(領域
別変換情報)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池渕 幸治 大阪府箕面市船場東2丁目1番15号 株式 会社ジェック内 (72)発明者 松崎 康治 大阪府箕面市船場東2丁目1番15号 株式 会社ジェック内 (72)発明者 山内 啓二 大阪府箕面市船場東2丁目1番15号 株式 会社ジェック内 (72)発明者 漆間 恭子 大阪府箕面市船場東2丁目1番15号 株式 会社ジェック内 Fターム(参考) 2C032 HB03 HC32 5B046 EA04 FA04 5B050 BA17 EA13 5B057 AA13 BA23 CA02 CA12 CA17 CB02 CB12 CB16 CC01 CD01 CD20 CH01 DC06 5L096 BA18 DA02 EA27 FA60 FA66 FA69 MA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベクトル化された部分地図データを取得す
    る手段と、 取得された部分地図データを座標変換し、標準地図デー
    タの対応する領域に一致させる座標変換手段とを具備す
    ることを特徴とする図面編纂システム。
  2. 【請求項2】地域毎の土地区画を表わす部分地図データ
    を入力する手段と、 入力された部分地図データをベクトル化する手段と、 ベクトル化された部分地図データを座標変換し、標準地
    図データの対応する領域に一致させる座標変換手段とを
    具備することを特徴とする図面編纂システム。
  3. 【請求項3】部分地図データが表わす図形上において複
    数の基準点を指示する手段と、 標準地図データが表わす図形上において、指示された基
    準点に対応する複数の対応点を指示する手段と、 指示された基準点とこれらの基準点に対する幾何学的な
    重心との差分を算出する手段と、 指示された対応点とこれらの対応点に対する幾何学的な
    重心との差分を算出する手段と、 算出された両差分に基づいて、部分地図データから標準
    地図データへの変換係数を算出する手段と、 算出された変換係数に基づいて、部分地図データの座標
    位置を変換する手段とを具備することを特徴とする図面
    編纂システム。
  4. 【請求項4】部分地図データが表わす図形上において複
    数の基準点を指示する手段と、 標準地図データが表わす図形上において、指示された基
    準点に対応する複数の対応点を指示する手段と、 指示された基準点及び対応点で表わされる各多角形の内
    部にそれぞれ第1及び第2共通点を設定する手段と、 設定された第1共通点を起点として指示された基準点を
    通る直線にて、部分地図データの座標系を複数の領域に
    分割する手段と、 設定された第2共通点を起点として指示された基準点を
    通る直線にて、標準地図データの座標系を複数の領域に
    分割する手段と、 基準点、第1共通点、対応点及び第2共通点の座標に基
    づいて、部分地図データ及び標準地図データの対応する
    領域毎に、部分地図データから標準地図データへの変換
    係数を算出する手段と、 算出された変換係数に基づいて、部分地図データの座標
    位置を領域毎に変換する手段とを具備することを特徴と
    する図面編纂システム。
  5. 【請求項5】ベクトル化された部分地図データを取得す
    るステップと、 取得された部分地図データを座標変換し、標準地図デー
    タの対応する領域に一致させるステップとから成るプロ
    グラムを記録していることを特徴とするの図面編纂のた
    めの記録媒体。
  6. 【請求項6】部分地図データが表わす図形上において、
    指示された複数の基準点とこれらの基準点に対する幾何
    学的な平均点との差分を算出するステップと、 標準地図データが表わす図形上において、指示された基
    準点に対応して指示された複数の対応点とこれらの対応
    点に対する幾何学的な平均点との差分を算出するステッ
    プと、 算出された両差分に基づいて、部分地図データから標準
    地図データへの変換係数を算出するステップと、 算出された変換係数に基づいて、部分地図データの座標
    位置を変換するステップとから成るプログラムを記録し
    ていることを特徴とする図面編纂のための記録媒体。
  7. 【請求項7】部分地図データが表わす図形上において、
    指示された基準点で表わされる多角形の内部に第1共通
    点を設定するステップと、 標準地図データが表わす図形上において、指示された基
    準点に対応する対応点で表わされる多角形の内部に第2
    共通点を設定するステップと、 設定された第1共通点を起点として指示された基準点を
    通る直線にて、部分地図データの座標系を複数の領域に
    分割するステップと、 設定された第2共通点を起点として指示された基準点を
    通る直線にて、標準地図データの座標系を複数の領域に
    分割するステップと、 基準点、第1共通点、対応点及び第2共通点の座標に基
    づいて、部分地図データ及び標準地図データの対応する
    領域毎に、部分地図データから標準地図データへの変換
    係数を算出するステップと、 算出された変換係数に基づいて、部分地図データの座標
    位置を領域毎に変換するステップとから成るプログラム
    を記録していることを特徴とする図面編纂のための記録
    媒体。
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