JP2002148895A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002148895A
JP2002148895A JP2000342971A JP2000342971A JP2002148895A JP 2002148895 A JP2002148895 A JP 2002148895A JP 2000342971 A JP2000342971 A JP 2000342971A JP 2000342971 A JP2000342971 A JP 2000342971A JP 2002148895 A JP2002148895 A JP 2002148895A
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JP2000342971A
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English (en)
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Sadayuki Iwai
貞之 岩井
Yuji Sawai
雄次 澤井
Mitsuru Takahashi
充 高橋
Katsuhiro Aoki
勝弘 青木
Hajime Koyama
一 小山
Toru Nakano
徹 仲野
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンデム中間転写方式における中間転写ベル
トの長さ、移動速度、誘電率、体積抵抗率を規定し、低
コストで転写チリの少ない良好な画像の画像形成装置を
提案する。 【解決手段】 (式)L/V<ρ・ε・ε を満
たすように、中間転写ベルト2のベルト移動速度V
比誘電率ε、体積抵抗率ρ、及び距離Lを設定する。
この時、Lは中間転写ベルト2表面に電荷を付与する
行程からトナーの移動を伴う行程間での中間転写ベルト
2上の距離、Lは像坦持体1と中間転写ベルト2の接
触対向部間の中間転写ベルト2上の最短距離、Lは中
間転写ベルト2の移動回転方向上流に位置する最近接像
坦持体1と中間転写ベルト2の接触対向部との間の中間
転写ベルト2上の移動距離、Lは転写手段とクリーニ
ング部との間の中間転写ベルト2表面の移動距離、L
は像坦持体1と中間転写ベルト2の接触対向部のうちク
リーニング部よりも中間転写ベルト2回転下流方向の最
近接の接触対向部と中間転写ベルト2表面の移動距離と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンデム中間転写
型の電子写真法を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年はオフィスでも大量のカラー文書が
取り扱われるようになり、以前にも増して高速のフルカ
ラープリンター、フルカラー複写機が望まれている。一
般に近年普及し始めたカラーレーザープリンタは、一つ
の像坦持体、いわゆる感光体に複数の現像装置が接触可
能に配置され、感光体一回転毎に各々の色のトナー像を
作成し、その像を感光体から中間転写体、もしくは転写
ドラムなどに保持された紙に順次転写しておき、カラー
トナー像を作成する、いわゆる1ドラム方式が主流であ
る。その中にも前述の中間転写体上で複数色のトナー像
を重ね、その後紙に一括転写する中間転写方式と、転写
ドラムなどに保持された紙に順次転写していきカラート
ナー像を作成する直接転写方式とがある。直接転写方式
は構造が簡単で低コストだが、紙に複数回転写する場合
に紙の抵抗や含水分によって条件が異なるため、安定し
た作像が難しい。中間転写方式では、画像の紙への転写
は一回で済むので画質の安定性、紙種対応性がよい、な
どとの特徴がある。
【0003】しかし、いずれの機械も4色を使用したカ
ラー像を得るためには感光体が4回回転せねばならず、
生産性が上がらなかった。そこで、高速化を対応するた
めに、感光体を色の数だけ増やし、それに対応してそれ
ぞれの現像器を配置し、紙が感光体に連続して接触し、
カラー画像を得られる、いわゆるタンデム方式又はイン
ライン方式の機械も上市されている。この場合、1ドラ
ム方式と感光体の外周速度が等速で在れば、4倍以上の
速度で印刷することが可能である。しかしながら上述の
ように感光体から紙に直接転写を行う直接転写方式の場
合は、紙転写の際の不安定性や、紙搬送の際の位置あわ
せの問題なども多い。そこで、タンデム方式で且つ中間
転写体を使用する、いわゆるタンデム中間転写方式が実
開昭59-192159号公報を初めとして提案されて
いる。
【0004】図1は、1ドラム中間転写方式において中
間転写体に中間転写ベルトを使用した従来の構成例を示
している。この場合、感光体1から中間転写ベルト2へ
の転写部は一カ所のみであり、通常中間転写ベルトの外
周長は印字したい紙の長さ分は最低でも必要であるた
め、一色目の画像を中間転写ベルト2に転写してから二
色目の画像を再び同じ転写部で転写するまでには、ある
程度の時間がかかる。そのため、中間転写ベルト2に比
較的体積抵抗の高い材質のものを使用した場合に転写の
際中間転写ベルト2が帯電しても、再び転写が行われる
までのあいだに帯電した電荷が緩和できる時間的余裕が
ある。
【0005】一方、1ドラム中間転写方式と異なり、タ
ンデム中間転写方式の場合は、一つの中間転写ベルトの
外周周りに複数の感光体が配置されており、複数の感光
体から画像を転写する転写部を備える。そのため、隣接
する転写部の間隔を規制しているのは主に機械的な大き
さの制約であり、通常は機械をコンパクトに設計するた
めに出来うる限り転写部間隔を狭めている。従って、感
光体から中間転写ベルト上へ一次転写が行われてから二
次転写が行われるまでの時間が短くなる。この場合、一
次転写の際に生じた電荷が緩和できる時間的余裕がない
ため、中間転写ベルトの表面には電荷が残留して二次転
写を阻害し、良好なトナー像の転写のためにはより強度
の電界を必要としたりする。
【0006】また一次転写の際に、感光体上の潜像の電
位に影響され、その電位差を写し取るような電位ムラが
残留してしまい、この電位ムラのため、たとえばベタ画
像を二色目に中間転写ベルト上に転写する際に、先に中
間転写ベルト上に画像の載っている部分の転写効率が悪
く、載っていない部分の転写効率がよい、などという転
写ムラが発生したり、トナー像の転写の際に転写チリ
(トナーチリ)が発生する場合がある。ここで、転写チ
リとは、感光体から中間転写ベルトへのトナー像の一次
転写の際に、像担持体上に形成されたトナー像が本来転
写されるべき位置に転写されず、その周辺に拡散して転
写されてしまい、結果として画像がぼけてしまう現象で
あり、特に細線部分での画像のシャープさを損なわせる
ものである。
【0007】転写チリを防止する技術としては、特開平
1−282571号公報において、トナー像を中間転写
媒体に転写する毎に、用紙剥離チャージャーで転写され
たトナー像の除電を行う技術、特開平2−183276
号公報において、最終転写段階の転写電位を直前の転写
電位より大きくし、かつ、各転写段階へ移る間に中間転
写媒体に所定電圧を印加する技術、特開平4−1471
70号公報において、中間転写ベルトから用紙にトナー
像を転写する前に中間転写ベルト上の電荷を除電する技
術、などが挙げられる。ところが、特開平1−2825
71号公報、特開平2−183276号公報、特開平4
−147170号公報の技術では、除電や電圧印加の手
段及びこれらの手段を制御する制御手段を設ける必要が
生じ、制御機構が煩雑になると共に、装置の小型化の妨
げともなるという問題があった。
【0008】それらの問題を鑑み、特開平10−786
89号公報では、1ドラム中間転写方式における中間転
写ベルトの長さ、移動速度、誘電率、体積抵抗率を規定
した出願がなされている。しかしここではタンデム中間
転写方式での考察がなされていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点に鑑み、本
発明は、タンデム中間転写方式における中間転写ベルト
の長さ、中間転写ベルトの移動速度、中間転写ベルトの
誘電率、体積抵抗率を規定し、低コストで転写チリの少
ない良好な画像の画像形成装置を提案する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、複数の像坦持体を備え、
各像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段
と、複数像担持体に各々接触対向する転写面が移動可能
な中間転写体と、中間転写体に像担持体上のトナー像を
順次重ね合わせて転写する中間転写手段と、中間転写体
上の重ねトナー像を転写材に転写する転写材転写手段と
を備えた画像形成装置において、中間転写体表面に電荷
を付与する工程から、中間転写体上に於いてトナーの移
動を伴う工程の箇所までの、中間転写体上の距離をL
とし、中間転写体の表面移動速度、体積抵抗率及び比誘
電率をV、ρ及びεとし、真空の誘電率をεとし
たとき、 L/V>ρ・ε・ε で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装置
とする。
【0011】請求項2の発明は、請求項1に記載の画像
形成装置において、各像担持体と中間転写体の接触対向
部間の、中間転写体上の距離のうち最も短いものをL
とし、中間転写体の表面移動速度、体積抵抗率及び比誘
電率をV、ρ及びεとし、真空の誘電率をεとし
たとき、 L/V>ρ・ε・ε で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装置
とする。
【0012】請求項3の発明は、請求項1に記載の画像
形成装置において、中間転写体から転写材へのトナー像
転写部と、トナー像転写部から見て中間転写体の移動回
転方向上流に位置する最近接像担持体と中間転写体の接
触対向部との間の中間転写体表面の移動距離をL
し、中間転写体の表面移動速度、体積抵抗率及び比誘電
率をV、ρ及びεとし、真空の誘電率をεとした
とき、 L/V>ρ・ε・ε で表される条件を満たすこ
とを特徴とする画像形成装置とする。
【0013】請求項4の発明は、請求項1に記載の画像
形成装置において、中間転写体上をクリーニングするク
リーニング手段を備えている場合、中間転写体上の重ね
トナー像を転写材に転写する転写材転写手段と、クリー
ニング手段によるクリーニング部との間の中間転写体表
面の移動距離をLとし、中間転写体の表面移動速度、
体積抵抗率及び比誘電率をV、ρ及びεとし、真空
の誘電率をεとしたとき、 L/V>ρ・ε・ε で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装置
とする。
【0014】請求項5の発明は、請求項1に記載の画像
形成装置において、中間転写体上をクリーニングするク
リーニング手段を備えている場合、複数の像担持体と中
間転写体の接触対向部のうち、クリーニング手段による
クリーニング部よりも中間転写体回転下流方向の最近接
の接触対向部と、クリーニング部と中間転写体との間の
中間転写体表面の移動距離をLとし、中間転写体の表
面移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をV、ρ及び
εとし、真空の誘電率をεとしたとき、 L/V>ρ・ε・ε で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装置
とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について説明す
る。中間転写体は、中間転写ベルトの他に中間転写ドラ
ムとして構成することも考えられるが、ここでは中間転
写ベルトとして構成した例で説明する。また、像坦持体
は感光体として説明する。
【0016】図2は、本発明の一例である、カラーレー
ザプリンタにおける内部機構の概略構成図である。カラ
ーレーザプリンタ本体は従来公知の電子写真方式による
カラー画像形成を行うための、画像処理部、画像書込
部、画像形成部、給紙部、から構成されている。
【0017】画像信号を元に画像処理部で画像処理し
て、画像形成用の黒(BL)、イエロー(Y)、マゼン
タ(M)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込
部へ送信する。画像書込部は、レーザ光源と回転多面鏡
等の偏向器と走査結像光学系装置とミラー群とによって
構成されるレーザ走査光学系装置や、一次元もしくは二
次元に多数のLEDが配列したLEDアレイと結像光学
系装置とによって構成されるLED書込み系装置などで
あり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有
し、画像形成部の各色毎に設けられた感光ドラムBL、
Y、M、Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
【0018】画像形成部は黒(BL)用、イエロー
(Y)用、マゼンタ(M)用、シアン(C)用の各感光
体BL、Y、M、Cを備え、この各色用の画像形成体に
は通常OPC感光体が用いられる。各感光体の周囲に
は、帯電装置、画像書込部からのレーザ光の露光部、
黒、イエロー、マゼンタ、シアンの各色用の現像装置、
転写装置、クリーニング装置、除電装置等が配設されて
いる。尚、現像装置には、二成分磁気ブラシ現像方式を
用いている。
【0019】中間転写ベルト2は各感光体BL、Y、
M、Cと各転写装置の間に介在し、この間に各感光体か
ら各色のトナー像が順次重ね合わせて転写され、感光体
上のトナー顕像を坦持する。中間転写ベルト2が最終画
像形成部を抜けた後には中間転写ベルト2上には4色重
なったカラーの画像が形成されている。
【0020】転写紙は給紙部から給紙された後、まずレ
ジストローラを介して二次転写手段へと導入され、中間
転写ベルト2と二次転写装置13が接触するところで画
像が転写紙に転写される。画像転写後の転写紙は定着装
置14に搬送され、画像が定着され、カラー画像が得ら
れる。その後、画像が転写紙に転写し終わった中間転写
ベルトは二次転写位置より下流に設けられた中間転写ベ
ルトクリーニング手段によって転写残トナーが除去さ
れ、再び画像形成部によって次の画像が形成される。
【0021】図3は現像ユニット11の概略構成図であ
る。現像ユニット11は現像ローラ15とドクタブレー
ド16、スクリュ17a・17b、トナー濃度センサ1
8と外ケース19からなる。スクリュ17a・17bは
現像ローラ15より斜め下方向の位置にあり、スクリュ
17aとスクリュ17bは水平方向並列に配設されてい
る。外ケース19にはスクリュ17aとスクリュ17b
を2室に分ける仕切り板が設けられている。この仕切り
板の奥と手前は、現像剤がスクリュ17a・17b間を
循環できるように切り欠かれている。また、外ケース1
9は感光体ドラム20と対面する部分は開口しており、
この開口部から現像ローラ15の一部が露出するように
なっている。また図3のように、外ケース19は現像ロ
ーラ15横でスクリュ17aの上の空間を少し多めにし
て現像ローラ15、スクリュ17a・17b、ドクタブ
レード16を囲っている。現像ローラ15は回転可能な
非磁性の現像スリーブ21と内側に磁界発生手段である
マグネット22が固定されて構成されている。
【0022】現像剤は非磁性トナーと磁性キャリアのか
らなる二成分現像剤である。現像剤は送り方向が反対の
スクリュ17a・17bによって攪拌されながら搬送さ
れ、2室を常に循環している。攪拌搬送されて循環して
いる現像剤はスクリュ17aによって現像スリーブ21
に供給され、マグネット22の磁力によって磁気ブラシ
状に保持されて現像スリーブ21の回転方向に汲み上げ
られる。汲み上げられた磁気ブラシ状の現像剤はドクタ
ーブレード16によって適正な量に穂切りされて感光体
ドラム20と対向している現像部へと送られる。ドクタ
ーブレード16で穂切りされて残った現像剤は重力で現
像スリーブ21表面の外側を落ちてスクリュ17aに戻
され、再度攪拌搬送されながら現像スリーブ21に供給
することが繰り返される。
【0023】一方、現像部に送られた現像剤は感光体ド
ラム20上の静電潜像にトナーが移行して顕像化され
る。顕像化に使われなかった現像剤は外ケース19内に
戻り、マグネット22の磁力が働かない部分で現像スリ
ーブ21から離れてスクリュ17aに回収される。この
ように現像剤はスクリュ17aとスクリュ17bを攪拌
搬送されて循環しながら現像スリーブ21に供給、回収
される。また画像が繰り返し出力されるとトナー濃度が
薄くなるので、トナー濃度センサ18で検知しながら一
定濃度になるようにトナー補給する。
【0024】次にクリーニングユニットについて説明す
る。クリーニングユニットとは一次転写後感光体ドラム
20上に残留したトナーを除去するもので、弾性体のク
リーニングブレード23若しくはファーブラシ24、あ
るいはそれらを併用したものが用いられる。本発明では
弾性体例えばポリウレタンゴムのクリーニングブレード
23と、導電性のファーブラシ24と、ファーブラシ2
4に接触して配設された金属性の電界ローラ25と、電
界ローラ25のスクレーパ26と、さらに不図示の回収
スクリュで構成されている。
【0025】動作としては、まず感光体ドラム20の回
転方向とは逆方向のカウンタで回転しているファーブラ
シ24で、感光対ドラム20上の残留トナーを掻き落と
し、ファーブラシ24に付着したトナーはファーブラシ
24に対してカウンタで回転している電界ローラ25で
取り除き、電界ローラ25はスクレーパ26でクリーニ
ングされる。このとき電界ローラ25にはバイアスが印
可されており、静電気力で残留トナーが感光体ドラム2
0からファーブラシ24、ファーブラシ24から電界ロ
ーラ25と移動して最後スクレーパ26で掻き落とされ
不図示の回収スクリュで不図示の廃トナーボトルに回収
されるかあるいは現像ユニット11に戻して再利用す
る。クリーニングユニットと現像ユニット11の位置関
係はクリーニングユニットの回収スクリュの部分が現像
ユニット11のスクリュ17bの上側にある外ケース1
9に対して上側に重なって配設されている。
【0026】通常、抵抗体における時定数τは、τ=
(抵抗体の誘電率)×(抵抗体の体積抵抗率)で表され
ることが知られている。これは抵抗体の抵抗成分と容量
成分とが並列に接続された回路の場合の時定数であり、
中間転写体時定数は上記の回路を等価回路と見なすこと
が出来る。
【0027】図4のモデルにおいて、中間転写体のベル
ト表面に蓄積した電荷をq、そのときの中間転写ベルト
表裏面間の電位差をVとし、中間転写ベルトの静電容量
をCと抵抗Rに流れる変位電流をIとすると、 (式1)q=C・V (式2)I=V/R (式3)I=dq/dt 上記の数式を整理すると、 (式4)(1/q)×dq/dt=1/(RC) となり、この数式をqについて時間で解くと、 (式5)q(t)=exp(−t/RC) 上記の関係より、表面電位に換算すると、 (式6)V(t)=exp(−t/RC)/C となり、t=RCの時に中間転写ベルトが帯電した直後
の初期の電位差1/eになる。
【0028】Vが1/eに減衰するまでの時間、すなわ
ち、中間転写ベルト上面電位が下降して、下面電位との
電位差が初期状態の1/eになるまでの時間が中間転写
ベルトの時定数τに相当し、τ=RCとなる。単位面積
当たりのC及びRは、中間転写ベルトの厚さをd、体積
抵抗率をρ、比誘電率をε、真空の誘電率をεとし
たとき、 (式7)C=ε・ε/d (式8)R=ρ・d となることから、時定数τは、 (式9)τ=ρ・ε・ε となる。したがって、中間転写ベルト厚み方向の時定数
はτ=(中間転写ベルトの誘電率)×(中間転写ベルト
の体積抵抗率)で表されることがわかる。
【0029】ここで、中間転写ベルトが何らかの影響で
表面が帯電したとする。中間転写ベルトが帯電する要因
としては、機械を構成する何らかの部品との摩擦帯電
や、コロナチャージャや放電ブラシなどによる放電によ
る帯電、またはローラや板など、導電性の部材との接触
による帯電などが挙げられる。たとえば、二次転写前に
トナーを帯電してトナーのQ/Mを挙げて転写効率を向
上する場合や、中間転写ベルトクリーニング前に2次転
写残トナーをコロナチャージャや導電性ローラで帯電さ
せ極性を揃えてクリーニングし易くしたりする場合がこ
の例に当てはまる。そのほか、中間転写ベルトが導電性
のローラに巻き付いているだけでも摩擦帯電を起こして
表面に電荷がのる現象なども観測され、この電荷が転写
不良などを引き起こしている場合がある。
【0030】このように中間転写ベルトの表面の帯電は
トナー像の移動に際に大きな問題となる。トナーは電界
の作用で移動するが、その電界強度を決定するのは、中
間転写ベルト裏面と対向面、例えば感光体の素管や二次
転写ローラの芯金、との電位差であるが、中間転写ベル
ト表面が帯電していると、その影響は大きい。また、中
間転写ベルト表面が全面に渡って均一に帯電しているな
らばまだしも、実際には、中間転写ベルト表面は帯電ム
ラが生じていることが多く、その場合は、部分部分で転
写ムラとなってしまう。よって、中間転写ベルト表面が
帯電してから、次にトナーの移動の行程に入るまでの間
をT0とすると、T0<τであれば中間転写ベルト上面電
位が十分に減衰し、トナーの移動に与える影響が少な
い。中間転写ベルトが何らかの影響で表面が帯電してか
ら次のトナーの移動に入るまでの、中間転写ベルト上の
表面の長さをL、中間転写ベルト表面の移動速度をV
Lとしたとき、TはL/Vと表されるので、 (式10)L/V<ρ・ε・εとなる。
【0031】ここで、本発明の請求項1に記載の通り、
式10を満たすように中間転写ベルトの体積抵抗率、比
誘電率、移動速度、及び距離を設定すれば、中間転写ベ
ルト表面の帯電による転写時のトナー像の乱れを防止す
ることが出来る。以下、同様に、請求項2に記載の通
り、一次転写を繰り返し行う場合のタンデム中間転写方
式での感光体間距離を設定すれば、中間転写ベルト表面
の帯電による転写時のトナー像の乱れを防止することが
出来る。同様に、請求項3に記載の通り、最終の一次転
写位置から二次転写位置までの距離を設定すれば、中間
転写ベルト表面の帯電による転写時のトナー像の乱れを
防止することが出来る。同様に、請求項4に記載の通
り、二次転写位置から中間転写ベルトのクリーニング位
置までの距離を設定すれば、中間転写ベルト表面の帯電
による転写時のトナー像の乱れを防止することが出来
る。同様に、請求項5によって中間転写ベルトのクリー
ニング位置から再び、中間転写ベルト上で色重ねを行う
ために、第一色目の一次転写位置までの距離を設定すれ
ば、ベルト表面の帯電による転写時のトナー像の乱れを
防止することが出来る。
【0032】ここで、図2の実施形態に基づいて、中間
転写ベルトに求められる特性を試算する。図2において
は4本の感光体が中間転写ベルトに接しているが、この
場合の4本の感光体間の距離は全て等しく、L=12
0mmである。また、最終の感光体と中間転写ベルトの
接触部から二次転写位置までの距離はL=190mm
であり、二次転写位置からクリーニング部までの距離
は、L=245mm、クリーニング部から最初の感光
体との接触部まではL=95mmである。
【0033】上記の条件の内、請求項1に記載のように
Lがもっとも短いのは、クリーニング部から最初の感光
体までの距離Lであり、 (式11)L/V>ρ・ε・ε を満足すれば良好な画像が得られるはずである。
【0034】図2について、中間転写ベルトとしては、
比誘電率ε=8、厚さ=150μm、周長=1060m
mのフッ素系樹脂シートからなるシームレスベルトを用
いた。この中間転写ベルトを抵抗値の異なるものを用意
し、中間転写ベルトの体積抵抗率ρ及び表面抵抗率ρ
を三菱化学製の測定器(商品名:ハイレスタ、プロー
ブ:HRS)で測定したところ、一方の中間転写ベルト
Aは体積抵抗率ρ=1×1011〜5×1011Ωcm、
及び表面抵抗率ρ=1×109〜1×1010Ω/□
(印加電圧:500V、タイマー:10秒)であった。
また、他方の中間転写ベルトBは体積抵抗率ρ=5×
1012〜1×1013Ωcm、及び表面抵抗率ρ=5×
1010〜1×1011Ω/□(印加電圧:500V、タイ
マー: 10秒)であった。機械の動作速度は中間転写
ベルトの線速がV=360mm/secとなる様に
し、画像を印刷してみたところ、中間転写ベルトAでは
比較的良好な画像であったが、中間転写ベルトBでは1
次転写率が悪く、特に色を重ねていくに従って転写率が
低下した。また、全面的に細かい斑点模様が見られた。
【0035】ここで、本実施条件でのL/V=0.
26であり、中間転写ベルトAではρ・ε・ε
0.071〜0.354、中間転写ベルトBではρ
ε・ε =3.54〜7.1である。よって、中間転写
ベルトAでは概略本発明で規定された条件内であったの
に対して、中間転写ベルトBは本発明の記載の条件下か
ら大きく逸脱しており、何らかの方策を講じなければ良
好な画像が得られない結果となった。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、この画像形成
装置においては、何らかの影響によって中間転写ベルト
の表面が帯電するような場合があっても、その後一次転
写や、二次転写、中間転写ベルト上トナーのクリーニン
グなどの、中間転写ベルト上のトナーが移動するプロセ
ス課程に到達するまでに中間転写体上の電荷が緩和さ
れ、トナーの移動を妨げるようなことがなく、特別の装
置を必要とすることなく良好な画像を提供できる。
【0036】請求項2の発明によれば、中間転写体が像
坦持体と中間転写体の接触対向部から次の像坦持体と中
間転写体の接触対向部に移動する間に、最初の接触対向
部において中間転写体表面に移動した電荷が、1/e以
下に減衰することによって、中間転写体上の電位履歴が
十分に解消され、中間転写体上でトナー像を重ねて転写
する場合に、画像が乱れたり、転写効率が低下したりす
るようなことがなく、特別の装置を必要とすることなく
良好な画像を提供できる。
【0037】請求項3の発明によれば、中間転写体が、
色重ねを行う最終の像坦持体と中間転写体の接触対向部
から、中間転写体から紙へトナー像を転写する位置まで
移動する間に、接触対向部において中間転写体表面に移
動した電荷が、1/e以下に減衰する。よって、中間転
写体上の電位履歴が十分に解消され、中間転写体上から
紙にトナー像を転写する場合に、画像が乱れたり、転写
効率が低下したりするようなことがない。
【0038】請求項4の発明によれば、中間転写体から
転写紙へのトナー像転写部において、中間転写体表面に
生じた電荷が、1/e以下に減衰することによって、中
間転写体上の電位履歴が十分に解消され、中間転写体上
に紙へのトナー像転写の際に残った残留トナーの電荷が
十分に低下し、中間転写体クリーニングの効率が低下し
たりするようなことがない。
【0039】請求項5の発明によれば、中間転写体が中
間転写体のクリーニング部から像坦持体と中間転写体の
接触対向部に移動する間に、クリーニング部において中
間転写体表面に移動した電荷が、1/e以下に減衰す
る。よって、中間転写体上の電位履歴が十分に解消さ
れ、像担持体上から、中間転写体上へトナー像を転写す
る際に、トナー像の転移を電界が乱すようなことがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト形状の中間転写体を使用した従来の構成
例である。
【図2】本発明の一例である、カラーレーザプリンタ内
部機構の概略構成図である。
【図3】本発明の一例である、現像ユニットの概略構成
図である。
【図4】中間転写体の等価回路図である。
【符号の説明】
1 感光体(像坦持体) 2 中間転写ベルト(中間転写体) 3 帯電器 4 Bk現像器 5 C現像器 6 M現像器 7 Y現像器 8 転写バイアスローラ 9 入り口ローラ 10 転写バイアス電源 11 現像ユニット 12 給紙装置 13 2次転写装置 14 定着装置 15 現像ローラ 16 ドクタブレード 17a、17b スクリュ 18 トナー温度センサ 19 外ケース 20 感光体ドラム 21 現像スリーブ 22 マグネット 23 クリーニングブレード 24 ファーブラシ 25 電界ローラ 26 スクレーパ
フロントページの続き (72)発明者 青木 勝弘 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小山 一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 仲野 徹 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H030 AB02 BB21 BB42 BB43 BB46 2H032 AA05 AA15 BA01 BA09 BA23 BA26 BA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の像坦持体を備え、各像担持体上に
    トナー像を形成するトナー像形成手段と、複数像担持体
    に各々接触対向する転写面が移動可能な中間転写体と、
    中間転写体に像担持体上のトナー像を順次重ね合わせて
    転写する中間転写手段と、中間転写体上の重ねトナー像
    を転写材に転写する転写材転写手段とを備えた画像形成
    装置において、中間転写体表面に電荷を付与する工程か
    ら、中間転写体上においてトナーの移動を伴う工程の箇
    所までの、中間転写体上の距離をLとし、中間転写体
    の表面移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をV、ρ
    及びεとし、真空の誘電率をεとしたとき、 L/V>ρ・ε・ε で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、各像担持体と中間転写体の接触対向部間の、中間転
    写体上の距離のうち最も短いものをLとし、中間転写
    体の表面移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をV、ρ
    及びεとし、真空の誘電率をεとしたとき、 L/V>ρ・ε・ε で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、中間転写体から転写材へのトナー像転写部と、トナ
    ー像転写部から見て中間転写体の移動回転方向上流に位
    置する最近接像担持体と中間転写体の接触対向部との間
    の中間転写体表面の移動距離をLとし、中間転写体の
    表面移動速度、体積抵抗率及び比誘電率をV、ρ
    びεとし、真空の誘電率をεとしたとき、 L/V>ρ・ε・ε で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、中間転写体上をクリーニングするクリーニング手段
    を備えている場合、中間転写体上の重ねトナー像を転写
    材に転写する転写材転写手段と、クリーニング手段によ
    るクリーニング部との間の中間転写体表面の移動距離を
    とし、中間転写体の表面移動速度、体積抵抗率及び
    比誘電率をV、ρ及びεとし、真空の誘電率をε
    としたとき、 L/V>ρ・ε・ε で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、中間転写体上をクリーニングするクリーニング手段
    を備えている場合、複数の像担持体と中間転写体の接触
    対向部のうち、クリーニング手段によるクリーニング部
    よりも中間転写体回転下流方向の最近接の接触対向部
    と、クリーニング部と中間転写体との間の中間転写体表
    面の移動距離をLとし、中間転写体の表面移動速度、
    体積抵抗率及び比誘電率をV、ρ及びεとし、真空
    の誘電率をεとしたとき、 L/V>ρ・ε・ε で表される条件を満たすことを特徴とする画像形成装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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