JP2002148576A - 光学結晶薄膜の製造方法及び光変調素子 - Google Patents

光学結晶薄膜の製造方法及び光変調素子

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JP2002148576A
JP2002148576A JP2000342096A JP2000342096A JP2002148576A JP 2002148576 A JP2002148576 A JP 2002148576A JP 2000342096 A JP2000342096 A JP 2000342096A JP 2000342096 A JP2000342096 A JP 2000342096A JP 2002148576 A JP2002148576 A JP 2002148576A
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optical
optical crystal
crystal thin
oxide
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English (en)
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Toshiaki Anzaki
利明 安崎
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光変調素子等の光学素子に適用可能で、欠
陥、不純物が少なく、緻密且つ均質で結晶性の良好な光
学結晶薄膜を比較的低温で製造することができる光学結
晶薄膜の製造方法及び光変調素子を提供する。 【解決手段】 酸化物の光学結晶薄膜を製造する方法と
して、酸化物中の金属成分のみを含有する金属ターゲッ
ト及び酸素から成る反応性ガスを用いた反応性スパッタ
リングを採用した。スパッタチャンバ7内に酸素から成
る反応性ガスが導入され、形成すべき光学結晶薄膜の酸
化物(LiNbO3又はLiTaO3)中の金属成分(L
i−Nb混合金属又はLi−Ta混合金属)から成る金
属ターゲットから飛来する原料粒子4が、円筒型基板ホ
ルダ2の外周面に取り付けられた基板1に対して堆積し
て酸化物の光学結晶薄膜が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学結晶薄膜の製
造方法及び光変調素子に関し、特に、スパッタリングに
よる光学結晶薄膜の製造方法及び該光学結晶薄膜を用い
た光変調素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光学結晶は、レンズ、プリズム、光学フ
ィルタのように機能が受動的である光学部品に従来から
利用されており、その場合には、方解石(CaC
3)、水晶(SiO2)、雲母等の天然結晶を用いて形
成されている。一方、光学結晶は、外部からの情報信号
(磁界、電界、光、応力、熱等)により、その結晶がも
つ光学的性質を制御する能動的な機能を有する機能部品
にも利用されており、その場合には、光学結晶は、フッ
化物、塩化物等のアルカリハライド結晶と共に、酸化物
結晶を用いて形成される。
【0003】これら光学結晶のうち、ニオブ酸リチウム
(LiNbO3)やタンタル酸リチウム(LiTaO3
に代表される複合酸化物光学結晶は、圧電性、焦電性に
優れ、焦電型赤外線センサや表面弾性波デバイス等に適
用されている。また、電気光学効果や非線形光学効果を
利用した光変調器、光導波路、光スイッチ、光結合器等
の光集積回路基板材料として用いられている。
【0004】光学結晶による光の制御機能を以下に説明
する。
【0005】第1に、光を電気に変換する機能、すなわ
ち、光照射によって励起されたエレクトロン又はホール
を電流として取り出す機能である。この原理は、太陽電
池で馴染み深いものだが、光検出器としても実用化され
ている。
【0006】第2に、電気を光に変換する機能、すなわ
ち、電流を注入することでキャリアの反転分布を起こさ
せて、効率よくコヒーレントな光を得る機能である。半
導体レーザ(LD:Laser Diode)や発光ダイオート(LE
D:Light Emitting Diode)が代表的なものである。
【0007】第3に、光を電気で制御する機能、すなわ
ち、入力光の振幅、位相を電界で変える機能である。酸
化物光学結晶の最も得意とする分野であり、光変調器、
光スイッチ、光偏向器等の光制御素子(光変調素子)が
代表的なものである。代表的の光学結晶材料としてLi
NbO3,LiTaO3,BaTiO3,KNbO3,KH
2PO4,Ba2NaNb515等がある。
【0008】第4に、光を音(超音波)で変調する機能
であり、この機能は、入力光の光路を変えることができ
ることから、レーザプリンタ等の光偏向器に用いられて
いる。代表的な光学結晶材料としてPbMoO4,Pb
GeO3等がある。
【0009】第5に、酸化物磁性体材料が有する磁気で
光を制御する機能であり、光アイソレータ、光磁気記憶
素子として用いられている。代表的な光学結晶材料とし
て、Y3FeO12(YIG),BiドープYIG等があ
る。
【0010】第6に、光で光を制御する機能であり、そ
の代表的な現象は光の誘導放出であり、固体レーザの基
本概念となっている。代表的な光学結晶材料として、N
dドープY3AL512(YAG),NdP514,Mg2
SiO4,BeAL24等がある。
【0011】第7に、光と光が相互作用する機能であ
り、実時間ホログラム、フォトリフラクティブにおける
光の増幅、光混合や光演算素子等、近年、研究開発が盛
んに行われている。代表的な光学結晶材料として、Ce
ドープ(Sr,Ba)Nb26,LiNbO3,BaT
iO3,Bi12GeO20,Bi12SiO20等がある。
【0012】このように、光学結晶の得意とする光の制
御機能は、電気によるもの、音波によるもの、磁場によ
るもの、光によるもの、及び光・光応答機能等、結晶中
を伝播する光の性質を外部から変えるものが主となる。
【0013】光学結晶材料の単結晶の一般的な作製法と
して、チョクラルスキー法といわれる引き上げ法が用い
られ、上述した複合酸化物光学結晶から単結晶を作製す
る場合には、それらの融点が非常に高い(LiNb
3:Tm=1253℃、LiTaO3:Tm=1650
℃)ために融点以上の温度に加熱する必要があり、白金
やロジウム、イリジウム等の高価な加熱用のルツボが必
要となる。また、不純物の混入も起こりやすいので、大
口径の良質な単結晶が得にくく、結果的に得られた単結
晶は高価なものとなる。
【0014】また、これらの複合酸化物光学結晶に基づ
いて製造される電気光学デバイスは、上述した高価なバ
ルク単結晶から特定の面方位をもたせて切り出された数
百ミクロン(μm)厚のウエハを用いて作製されるが、
上述した各種の電気光学デバイスに用いられた場合に実
質的に機能する部分はウエハ表面の数μmから数十μm
の領域のみである。従って、各種の電気光学デバイスと
して適用可能な良質の光学結晶材料の単結晶を、低コス
トに作製する技術を確立することは、多分野におけるデ
バイス開発の工業化に大きく貢献することになり、薄膜
化による異種材料との積層化、各種デバイスの小型化、
高性能化、及び多機能化が期待される。
【0015】特に、互いに内面に反射膜を有する2枚の
平行平板対から成る光共振器(エタロン:挟帯域フィル
タの一種)、2枚の平行平板対などの構成材料を全て薄
膜で構成した薄膜エタロン、ロッドレンズ、及び導波路
等の光学素子に、薄膜状の光学結晶を作製して一体化す
る技術を確立することは、素子を集積化し、更に複数の
素子の光軸調整等の工程を簡略化する効果が期待され
る。
【0016】これらの薄膜形成方法としては、化学気相
成長(CVD)法、ゾルーゲル法、及びスパッタリング
法等が報告されているが、これらのうち、化学気相成長
法及びゾルーゲル法は、基体(基板)を比較的高温で加
熱するというプロセスが必要である。例えば、化学気相
成長法を用いた例として特開平06−112139号公
報があり、該公報には、原料ガスの反応促進と、結晶化
のために基体を700℃〜900℃に加熱するプロセス
とが記載されている。また、スパッタリング法を用いた
例として特開平06−279181号公報があり、該公
報には、磁気光学結晶であるガーネット薄膜を形成する
ためのターゲット材料が開示されており、基体を600
℃以上に加熱するプロセスが記載されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように光学結晶材料は、その単結晶を特殊な方法によ
り高温で成長させ、これをウエハ状にスライスして使用
していたために、コンパクト化(集積化)、アライメン
トレス化(工程簡素化)が困難であった。
【0018】また、光学結晶薄膜の製造方法において、
高温を必要とするプロセスがある場合には、上述した光
学素子に薄膜を形成することは難しく、不純物が少なく
緻密且つ均質で結晶性の良好な光学結晶薄膜を比較的低
温で形成することは困難であった。
【0019】本発明は、光変調素子等の光学素子に適用
可能で、欠陥、不純物が少なく、緻密且つ均質で結晶性
の良好な光学結晶薄膜を比較的低温で製造することがで
きる光学結晶薄膜の製造方法及び光変調素子を提供する
ことを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の光学結晶薄膜の製造方法は、酸化物
の光学結晶薄膜を、該酸化物中の金属成分のみを含有す
る金属ターゲット及び酸素から成る反応性ガスを用いた
反応性スパッタリングにより形成することを特徴とす
る。
【0021】上記目的を達成するために、請求項2記載
の光学結晶薄膜の製造方法は、酸化物の光学結晶薄膜
を、該酸化物中の金属成分を含有する金属亜酸化物ター
ゲット及び酸素から成る反応性ガスを用いた反応性スパ
ッタリングにより形成することを特徴とする。
【0022】請求項3記載の光学結晶薄膜の製造方法
は、請求項1又は2記載の光学結晶薄膜の製造方法にお
いて、前記ターゲットは、Li及びNbの少なくとも一
方又はLi及びTaの少なくとも一方を含有することを
特徴とする。
【0023】請求項4記載の光学結晶薄膜の製造方法
は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学結晶薄
膜の製造方法において、前記光学結晶薄膜の形成過程の
間、前記光学結晶薄膜を150℃以上に加熱し、及び/
又は前記ターゲットの表面を100℃以上に加熱するこ
とを特徴とする。
【0024】上記目的を達成するために、請求項5記載
の光変調素子は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載
の製造方法により円柱形状又は円筒形状に形成された酸
化物の光学結晶薄膜を有したことを特徴とする。
【0025】上記目的を達成するために、請求項6記載
の光変調素子は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載
の製造方法により酸化物の光学結晶薄膜を導波路状に形
成して成ることを特徴とする。
【0026】上記目的を達成するために、請求項7記載
の光変調素子は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載
の製造方法により酸化物の光学結晶薄膜を光共振器内部
に形成して成ることを特徴とする。
【0027】光学結晶は高い結晶性が必要であるため、
従来からエピタキシャル成長法により成長させた単結晶
を用いている。これに匹敵する高い結晶性を薄膜形成過
程で得ようとすると、被覆される基体(基板)の材料に
高いエネルギを与え、基体表面で原子・分子の再配置を
促進させる手段が必要である。通常は、熱、プラズマ、
イオン等が結晶化を促進させるエネルギとして用いられ
るが、特に、スパッタリングは、これらのエネルギを付
与させやすいので、高結晶性の薄膜を形成するには比較
的適した方法である。
【0028】しかしながら、スパッタリングで酸化物薄
膜を形成する際に、特に、所定の組成に調整された酸化
物焼結体をターゲットとして用いる場合には、酸化物薄
膜の組成や結晶性は、主にターゲット材料、すなわちタ
ーゲットの組成、焼結度、又はターゲットを製造するプ
ロセスに大きく依存し、酸化物薄膜の特性を制御するの
に制限がある。組成に関しては、ターゲットを構成する
酸化物焼結体の組成がそのまま酸化物薄膜の組成になる
ことは一般的に少なく、スパッタリングを実施するとき
には多くの複雑な設定事項を必要とする。また、結晶性
に関しては、従来から上述したような結晶化を促進させ
るエネルギを付与する手段、あるいはスパッタリング時
のガス組成を最適に調整する手段を組み合わせることに
よって酸化物薄膜の高結晶化が図られてきたが、光学結
晶として十分な機能を有するものを得ることは困難であ
った。
【0029】また、酸化物焼結体をターゲットとして用
いることは、工業的生産上取り扱いがしやすいという大
きなメリットを有するものの、このターゲットから化学
量論的な意味で所定の酸化度をもった組成と、配向がそ
ろった高い結晶性とを合わせ持つ、光学結晶として機能
する酸化物薄膜(光学結晶薄膜)を得ることは難しかっ
た。
【0030】本発明者は、このような事情を考慮しつつ
鋭意研究を行ったところ、光学結晶薄膜を、酸化物中の
金属を主成分とした金属ターゲットを用いると共に、ス
パッタ時の反応性ガスとして酸素を用いる反応性スパッ
タリングを採用することで、上記問題が解決することを
見いだした。この金属ターゲット及び酸素から成る反応
性性ガスを用いた反応性スパッタリングの場合には、励
起された金属原子が金属ターゲットからはじき出されて
基体表面上に堆積して成長する過程で、酸素との化学反
応が継続する。この酸素との化学反応の継続により、そ
の酸化反応の過程で金属が化学量論的な意味で所定の酸
化度をもった組成に変化し、配向が一定方向にそろって
結晶成長する余地が生まれることになる。この余地を利
用することによって光学結晶として十分な機能を発揮す
る、結晶性の高い酸化物の光学結晶薄膜を形成すること
ができる。
【0031】反応性スパッタリングという薄膜形成過程
で化学反応を同時に進行させることは、上述した酸化物
ターゲットを用いる場合に比べて高度な生産技術を要す
ることになるが、光学結晶材料の薄膜を従来の技術に比
べて比較的低温で形成するという本発明の目的を達成す
る手段として有効である。
【0032】更に、従来の光学結晶が数百μmの厚さの
ウエハでありながら、実質的に光学デバイスとして機能
する部分が表面下数μm〜数十μmの領域であることを
考えると、光学結晶を基体上に薄膜の状態で形成するこ
とは、その生産性及びコストの観点で産業上の利用効果
が大きい。
【0033】加えて、基体上に薄膜状の光学結晶を形成
することは、エタロン、ロッドレンズ、導波路等の光学
素子を基体として用いることにより光学結晶が有する光
変調素子としての機能と、光学素子が有する帯域フィル
タ、コリメータとしての機能とを一体として、デバイス
の集積化を可能にするというメリットがある。更に、複
数のデバイスの組み立て、複数のデバイス間の光軸調整
等、従来、非常に手間のかかっていた実装工程を簡略化
することができる。
【0034】また、本発明者は、薄膜形成過程で金属原
料の酸化反応を利用することにより、高結晶性の酸化物
光学結晶薄膜を得るという上述の技術において、ターゲ
ット材料を金属に代えて亜酸化物にしても同様の効果が
あることを見いだした。亜酸化物ターゲットは、実質的
な酸化反応をともない、上述の金属ターゲットの場合と
同様の反応プロセスを生起させることができるので、実
用上、金属ターゲットよりも使いやすい。
【0035】また、本発明者は、酸化物光学結晶薄膜の
結晶化を促進させる手段として、基体及び基体上に形成
される薄膜を150℃以上に加熱することが好ましいこ
とを見いだした。好ましくは酸化物光学結晶薄膜を20
0℃以上に加熱する。加熱温度の上限は、基体の耐熱温
度に依存する。例えば、基体が屈折率分布型マイクロレ
ンズの場合には350℃以下であり、基体が石英ガラス
の場合には物性的には1500℃以下であればよいが、
加熱装置の能力を考慮して900℃以下が好ましい。加
熱は、薄膜形成中に行われるのが好ましいが、所定の膜
厚に成膜された後で再加熱処理してもよい。
【0036】加熱手段は、一般的に用いられている抵抗
加熱式ヒータ、ハロゲンランプヒータであり、その使い
やすさから好適に用いられる。これに代えて、レーザを
基体表面にスキャンさせながら照射して加熱すること
も、エネルギ密度を高めた加熱方法として好ましい。紫
外線等に代表される電磁波を照射して加熱することも薄
膜を結晶化させるのに効果的である。高周波(RF)イ
オンガンを配置し、該イオンビームを基体に照射して加
熱することも、基体及び薄膜を励起・加熱する手段とし
て好ましい。また、加熱条件をスパッタリング装置の能
力や基体の大きさ等を考慮して任意に決定するのが好ま
しい。基体又は薄膜の加熱手段は、上述した加熱手段に
限定されるものではない。反応性ガスとして用いる酸素
のイオン化率をRF(高周波)プラズマ等のプラズマに
より高めておくことも、酸素の反応性を高めることにな
り有効である。
【0037】また、ターゲットの表面温度をできるだけ
高くすることは、原料物質の粒子(原子)がAr等の不
活性ガスとの衝突によって与えられる運動エネルギだけ
でなく、熱エネルギを付加的に受けることになり効果的
である。
【0038】ターゲット表面の好ましい温度範囲は10
0℃〜170℃である。より好ましくは150℃〜17
0℃である。100℃以下の場合では、粒子に与える熱
エネルギが不足するため実質的な効果がない。上限温度
は、ターゲット材料がLi−Nb又はLi−Taの場合
には、その融点が約180℃付近にあるので170℃以
下とする。ターゲット表面を加熱する方法としては、カ
ソードを冷却する冷却手段の冷却能率を抑えることが簡
便で効果的なので好ましい。ハロゲンランプ、レーザ等
で表面を加熱することも容易に用いられる手段である。
【0039】なお、スパッタリングで形成される薄膜の
結晶化を促進させる手段として、ターゲット表面温度を
できるだけ高くするという本発明にかかる技術は、本発
明に記載したターゲットの種類・材質に限定されるもの
ではない。例えば、本発明では適用しない金属酸化物焼
結体ターゲットを用いる場合でも、本技術が一定の効果
を奏するであろうことは容易に理解できる。
【0040】また、スパッタリングによって比較的結晶
性が良い薄膜を形成しやすい物質(例えば、ZnO、S
nO2、MgO、ITO(スズドープ酸化インジウ
ム)、TiO2、Ta23、SiO2等)を、光学結晶薄
膜をスパッタリングする前に予め10〜100nm程度
の厚さの下地膜として形成しておくことも効果的であ
る。すなわち、非晶質であるガラス基体の上に高い結晶
性をもつ物質を直接堆積させるよりも、ガラス基体上に
補助的にZnO等の結晶性物質を形成しておく方が高結
晶化のために好ましい。
【0041】本発明が対象とする光学結晶薄膜は、すで
に産業界の多くの分野で実用化されているLiNb
3、LiTaO3、BaTiO3、及びこれら以外の公
知の酸化物結晶(例えば、LiVO3、LiB35、L
3Ga5SiO14、Y3FeO12など、上述の従来技術
において例示した光を制御する機能を有する種々の結
晶)が好適であり、特に、LiNbO3とLiTaO3
好適である。これらの物質の光学特性を改善させるため
に微量成分としてTi、Bi、H、Nd、Fe、Rh等
が適宜含有されたものでもよい。
【0042】かかる酸化物から成る光学結晶薄膜を形成
するためのターゲットは、該酸化物中の金属成分(Li
NbO3の場合、Li及びNbの少なくとも一方)を含
有するか又はその金属亜酸化物が好ましい。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0044】図1は、本発明の実施の形態に係る光学結
晶薄膜の製造方法を用いた反応性スパッタリングによる
光学結晶薄膜の製造装置を示す模式図である。
【0045】図1において、ガラス基板等から成る基板
(基体)1は、スパッタチャンバ7内の中央に配置され
たカルーセルと呼ばれる円筒型基板ホルダ2の外周面に
所定数取り付けられる。円筒型基板ホルダ2が所定の回
転速度で連続的に回転し、基板1がターゲット3の正面
を通過するときに、ターゲット3から飛来する原料粒子
4が基板1上に堆積して薄膜が形成される。円筒型基板
ホルダ2は、基板1上に形成される薄膜が所定の厚さに
なるまで回転される。
【0046】スパッタリングの原料(ターゲット材料)
であるターゲット3は、図1では1種類のみ図示されて
いるが、例えば後述する薄膜エタロン素子を形成する場
合には、誘電体多層膜ハーフミラーを形成する必要があ
るので、光学結晶薄膜の形成に用いる材料から成るター
ゲットの他に高屈折率材料及び低屈折率材料から成る各
ターゲットの計3種類のターゲットが配置される。この
誘電体多層膜ハーフミラーは、高屈折率材料及び低屈折
率材料を交互に所定数積層し反射膜としての機能を果た
すものである。酸化物の光学結晶薄膜を形成するための
金属成分のみ又は金属亜酸化物のターゲット3を用いた
反応性スパッタリングを行うために、ターゲット3に
は、該ターゲット3と基板1間にプラズマを生起させる
ための放電用電源(不図示)が接続されている。この放
電用電源は、DC(直流)、MF(中周波)、RF(高
周波)のいずれでもよい。本実施の形態では、例えば、
LiNbO3とLiTaO3の光学結晶薄膜を形成するた
めに、金属ターゲット3はそれぞれLi−Nbの混合金
属や合金、Li−Taの混合金属や合金、又はそれぞれ
の亜酸化物LiNbOx(0<x<3)、LiTaOx
(0<x<3)から成る。
【0047】基板1を加熱するための基板励起源5が、
円筒型基板ホルダ2に関してターゲット3と反対側に配
置されている。基板励起源5は、レーザ、ハロゲンラン
プ、紫外線ランプ、イオン銃等から成り、基板1に所定
の照射エネルギ6を照射して基板1を励起(加熱)させ
るものである。これらのうち、ハロゲンランプが安価で
取り扱いやすく好適である。基板励起源5は、スパッタ
チャンバ7内のできるだけ加熱効率のよい位置に配置さ
れるのがよく、図1ではターゲット3の位置と反対側に
配置されているが、円筒型基板ホルダ2が回転して基板
1がターゲット3の正面に到達する直前の位置に配置さ
れるのが好ましい。また、光学結晶の薄膜形成過程の
間、好ましくは、薄膜の形成中又は形成後に、薄膜の結
晶性を高めるために基板1を常時加熱し、薄膜を加熱す
るのが好ましく、図示していないがスパッタチャンバ7
内の遊び空間に別の基板励起源を配置して基板1を加熱
するのが好ましい。この場合、光学結晶薄膜の加熱温度
を150℃以上、好ましくは200℃以上とする。
【0048】また、光学結晶薄膜の結晶性を高めるため
に、ターゲット3の表面温度をできるだけ高くしておく
ことが好ましい。その手段としては、上述したようにタ
ーゲット3を冷却するための冷却手段(不図示)の冷却能
率を抑制すれば、ターゲット3付近のプラズマエネルギ
によってターゲット3の表面温度を約100℃以上とす
ることができるので最も簡便である。
【0049】すなわち、ターゲット材料の導電性が小さ
い場合には、電位をターゲット3全面に均一に印可させ
るためにバッキングプレート(不図示)と呼ばれる金属板
(一般的に銅製)がカソード電極として用いられ、ターゲ
ット3とバッキングプレートとは、抵抗率が小さく熱伝
導率が大きい金属インジウムでボンディングされる。こ
のボンディング材料を溶融させないためにバッキングプ
レートが冷却水で冷却されるので、ターゲット表面温度
は通常約50℃程度となる。
【0050】本実施の形態では、ターゲット3として金
属又は金属亜酸化物を用いるため、バッキングプレート
とターゲット3とをボンディングする必要がなく、又は
ターゲット3をバッキングプレートと一体化した形状に
することができるので、ターゲット3の温度を高くして
も問題が生じない。バッキングプレートと一体化した形
状のLi−Nb系、Li−Ta系のターゲットを使用す
る場合、Liと水との反応性を考慮して温度を制御する
手段としては水冷を避け、油冷もしくは空冷とするのが
好ましい。また、ターゲット表面の温度は100℃〜1
70℃が好ましい。更に150〜170℃の範囲が好ま
しい。
【0051】金属と酸素との反応性スパッタリングを行
うための酸素から成る反応性ガスの導入装置(図示せ
ず)が、ターゲット3の近傍に配置されており、ターゲ
ット3から飛来する金属粒子4が化学量論的に完全な酸
化物結晶になるように化学反応させるべく、反応性ガス
の流量は特に精密に制御される。
【0052】本実施の形態では、スパッタリングを行う
製造装置として上述したバッチ型を説明したが、これに
限らず本発明が開示した要件が実現できるものであれ
ば、例えばインライン型でもクラスタ型でもよい。
【0053】次に、光学結晶の光学特性を、図2の電気
光学結晶(以下、「光学結晶」という)を用いた光変調
素子の動作原理を参照して説明する。電気光学素子であ
る光変調素子は、光学結晶に印加した電界の大きさに従
い、電界の方向に沿って屈折率が変化する性質を利用す
るものであり、通常、図2に示す形態で使用される。
【0054】図2は、光学結晶を用いた光変調素子の動
作原理を示す概略図である。
【0055】図2において、レーザからの無偏光な光
(入射光)は、光学結晶22の光学軸に対して45°傾
けた偏光子21(ポラライザ)を通過すると、偏光子2
1の偏光軸によって決まる方向で振動する電場のみが直
線偏光として通過する。この直線偏光した光は、光学結
晶22内で同位相のy成分とz成分に分けられる。電界
がゼロのときは光学結晶22を通過後も光の偏光成分は
保たれ、偏光子(波長板)23に対して直角に配置され
た検光子(アナライザ)24に遮られて、光(出射光)
は出力されない。一方、z方向に電界を印加するとz方
向成分の屈折率が変化して、y及びz方向の各2成分間
の光伝搬速度が異なり位相差が生じる。光学結晶22を
通過した2成分は合成された後に楕円偏光した光とな
り、検光子24の偏光軸方向成分は通過して出射光が出
力される。位相差λ/2(λ:レーザ波長)だけ変化す
るに要する電圧を半波長電圧といい、この電圧を印加す
ると最大の光出力が得られ、印加電圧の変化により光の
偏光面の楕円の形が変わって出力光の振幅を変調するこ
とができる。一般に、光学結晶は自然複屈折性があり位
相板等で調整される。
【0056】このように、光学結晶は、電界を印加する
ことで屈折率を変化させて出力光(出射光)の変調を行
い、特に印加された電界の方向を光軸と平行にした場合
には、出力光の位相を変調する特性を有する。
【0057】また、光学結晶のなかには、入射光とは別
の光を外部から照射することにより、空間的に屈折率を
変化させることができ、出射光を変調させることができ
るものがある。このような光学結晶としては、LiTa
3やLiNbO3等が知られている。
【0058】次に、本発明の一実施の形態に係る光変調
素子について図3を参照して説明する。
【0059】図3は、本発明の実施の形態に係る光変調
素子の構造を示す概略図である。
【0060】図3において、本光変調素子30は、上述
したスパッタリングにより形成された光学結晶薄膜31
を、誘電体材料から成る誘電体多層膜ハーフミラー32
で挟んだ構造の光共振器(薄膜エタロン)型から成る。
通常のエタロンは、互いに内面に反射膜を有する2枚の
平板により極めて高い平行性の間隙を保持して構成され
た素子であって、この間隙が光共振部となって、2枚の
平行平板間を光が多重反射(多重反射共鳴)をくり返す
ことによって、その間隙に応じた波長の光を出射する帯
域フィルタとして利用される。前記光共振部に誘導放出
型の光半導体を配置したものが半導体レーザである。
【0061】薄膜エタロンは、上述したエタロンの構成
材料を全て薄膜で構成したものであって、例えば、前記
反射膜を誘電体多層膜ハーフミラーで構成し、前記光共
振部を誘電体薄膜等の透明膜で構成したものである。こ
のように、薄膜エタロンは、機能の点において誘電体多
層膜フィルタとここでは同義である。
【0062】光共振部の厚さは数μm〜約百μmの範囲
であり、使用する光(入射光:波長λ)の半波長の整数
倍(N・λ/2)とすれば、入射光が多重反射して共振
現象が発現し、より狭帯域にフィルタリングされた出射
光を得ることができる。赤外光を用いる光通信の場合で
は、使用する光の波長λは約1550nmである。
【0063】本実施の形態における薄膜エタロンは、上
述した光共振部に光学結晶薄膜31を配したものであ
る。前述したように、共振部内で入射光の多重反射を実
現させることにより、光学結晶薄膜31内で光路長を長
くするのと同様の効果が現れ、入射光が光学結晶をその
まま通過する場合に比べて光と光学結晶との相互作用の
効果がより強く発現する。本実施の形態に係る光学結晶
薄膜を形成する方法によれば、特に、薄膜エタロンを用
いた光変調素子において光学結晶を利用することによる
効果が大きくなる。
【0064】次に、本発明方法により形成された光学結
晶薄膜を用いた光変調素子の実施例について図4〜図6
を参照して説明する。
【0065】図4は、マイクロレンズの一端面に光学結
晶薄膜を形成した光変調素子の一例の概略図である。
【0066】図4において、マイクロレンズ50は、円
柱形状(ロッド形状)でありながらレンズやコリメータ
としての機能を有し、その端面は平坦である。このマイ
クロレンズ50の一端面に、上述した薄膜形成方法によ
り光学結晶薄膜31を光共振部に配した光共振器(薄膜
エタロン)型素子を作製すれば、マイクロレンズ50の
如き光学部品と光共振器(薄膜エタロン)型素子とを一
体にして集積化を図ることができる。
【0067】この光共振部に電極を形成すれば、電界に
よる屈折率変化を発現させることが可能になる。また、
光共振部がフォトリフラクティブな特性を有するLiN
bO 3やLiTaO3のような光学結晶の場合には、電界
の印加に代えてLEDや半導体レーザなどで図4に示す
ような一体化された光変調素子の主光軸に、例えば、垂
直な方向から光を照射すれば、光により光共振部の屈折
率を変化させることができる。
【0068】図5は、ガラス基板上に形成された光学結
晶薄膜部に光導波路を形成した光変調器(光変調素子)
の一例の概略図であり、(a)は変導波路型、(b)は
分岐干渉型である。
【0069】図5(a)の変導波路型変調器は、導波路
を周波数変調を行える素子としたものであり、図5
(b)の分岐干渉型変調器は、導波路を増幅や光スイッ
チングを行える素子としたものである。素子の機能とし
ては公知であるが、ガラス基板上に所望の機能を発現さ
せるために薄膜状の素子を形成すれば、従来のように光
学結晶材料をバルクの状態で製作してそのうちのごく一
部を使用する場合に比べて、工業上安価に製造でき、取
り扱いもしやすくなる。加えて、他の光学部品(例え
ば、光ファイバやマイクロレンズ等)と接合して使用す
る場合には、組み立ての際の光軸調整等の工程を格段に
容易にすることができる。
【0070】図6は、マイクロレンズの外周面に光学結
晶薄膜を形成した光変調素子の一例の概略図である。
【0071】図6において、本光変調素子は、図4のマ
イクロレンズ50の一端面に代えて、その外周面にLi
NbO3の光学結晶薄膜を形成したものである。
【0072】この光変調素子は、LiNbO3薄膜に対
してマイクロレンズの主光軸に平行な方向に電界を印可
した場合、マイクロレンズ50の外周面の屈折率(n)
が印加電界の大小により変化するので、マイクロレンズ
50の焦点距離を可変することができる。図中のfは、
マイクロレンズ50により集束変調された光の焦点位置
であり、電界を印加することにより、fa〜fbの間で
可変できることを示す。この効果により、他の光学部品
と組み合わせるときの位置調整等、従来非常に手間のか
かっていた工程を簡略化することができる。
【0073】以上説明した発明の実施の形態において、
光学結晶としての機能を発現させる光の波長は、可視域
から赤外域まで(約300〜2000nm)である。
【0074】次に、本発明の実施例について説明する。
【0075】(実施例1)まず、上述した図1のスパッ
タリング装置を用いて縦50mm×横50mm×厚さ1
mmの大きさのソーダライムガラスから成る基板1上
に、高屈折率材料としてTa23と、低屈折率層として
SiO2とを交互に計10層積層し、厚さ約800nm
の誘電体多層膜ハーフミラー32を形成した。誘電体多
層膜ハーフミラー32の形成には、タンタル及びシリコ
ン金属のターゲットを用いて酸素との反応性スパッタリ
ングを行った。
【0076】次に、この誘電体多層膜ハーフミラー32
の表面に、LiNbO3から成る光学結晶薄膜31を厚
さが約93μmになるように形成した。詳細には、Li
−Nb混合金属から成る金属のターゲット3を用い、酸
素(O2)とアルゴン(Ar)とを40:60の体積流
量比率でスパッタチャンバ7内に導入し、0.93Pa
(7mTorr)の圧力下でターゲット3に40kHz
のパルス電圧(MF)を印加してマグネトロンスパッタ
リングを行った。このとき、出力1kWのハロゲンラン
プヒータから成る基板励起源5を用いて基板1の表面を
約150℃に加熱しながら光学結晶薄膜31を形成し
た。続いて、この基板1上に形成された誘電体多層膜ハ
ーフミラー32と同じ方法で同じ構造の誘電体多層膜ハ
ーフミラー32を、光学結晶薄膜31の表面に形成し
た。
【0077】これをスパッタチャンバ7から取り出し、
基板1上に形成された光共振器(薄膜エタロン)を得
た。この素子の光学結晶薄膜31に電極41を取り付け
て図3に示したような光変調素子30を作製した。
【0078】図7は、本実施例に係る光変調素子の光学
特性測定方法の概略図であり、(a)は測定方法を示
し、(b)は光変調素子に照射した入射光の光学特性を
示し、(c)は光変調素子から出力された出射光の光学
特性を示す。本実施例及び比較例では、測定に用いた光
の波長を約532nm(半導体グリーンレーザ光)とし
た。
【0079】図7(a)において、上述したように作製
された光変調素子30のLiNbO 3から成る光学結晶
薄膜31に電源42により電極41を介して所定の電界
Eを印加し、図示の方向から図7(b)の光学特性を示
す信号光を入射して、基板1から出力された出射光の電
気光学特性(図7(c))を測定した。この結果、図7
(b)の入射光イに対して図7(c)の出射光イが得ら
れ、図7(b)の入射光ロに対して図7(c)の出射光
ロが得られた。
【0080】測定して得られた電気光学特性は、電気光
学定数(以下、「r値」という)により評価を行った。
r値は、次式の関係で示される定数であって、電界Eの
大きさに対して屈折率nが変化する程度を表す係数であ
る。
【0081】△(1/n2)=rE r値は、大きい方がより電気光学特性が良いことを示
し、その値が1×10-1 2m/Vであれば光変調素子と
しての機能を十分に発揮し、実用可能と判断することが
できる。上述のLiNbO3の光学結晶薄膜31が形成
された光変調素子30のr値を測定したところ、最大r
値(rmax)=2×10-12m/V程度の良好な特性
を示した。
【0082】また、この光学結晶薄膜31の結晶性をX
線回折で評価したところ、LiNbO3の光学結晶に固
有の回折角度位置に半値巾の小さい回折ピークがあり、
高い結晶性を有する薄膜であることが碓認された。
【0083】これらの結果は、金属ターゲットを用いた
酸素との反応性スパッタリングにおいて、基板の加熱温
度を約150℃以上とすれば、結晶性の良好な光学結晶
薄膜が得られることを示している。
【0084】(実施例2)LiNbO3から成る光学結
晶薄膜31を形成するときの基板の加熱温度を約150
℃から約400℃に代えた以外は、上記実施例1と同様
の方法で光変調素子を作製した。
【0085】本実施例の光変調素子について、上記実施
例1と同様の方法でr値の測定を行った結果、r値は最
大で約5×10-12m/V程度の良好な特性を示した。
また、光学結晶薄膜31の結晶性をX線回折で評価した
ところ、LiNbO3結晶に固有の回折角度位置に半値
巾の小さい回折ピークが認められ、回折強度は実施例中
最大の結果が得られ、高い結晶性を有する薄膜であるこ
とが確認された。
【0086】この結果により、LiNbO3薄膜の結晶
性を促進させる手段として基板温度を高くすることが大
きな効果を奏すると考えることができる。
【0087】(実施例3)LiNbO3の光学結晶薄膜
31を形成するためのスパッタリング条件以外は、上記
実施例1と同様の方法で光変調素子を作製した。
【0088】亜酸化物ターゲットとしてLiNbの亜酸
化物(LiNbOx:0<x<3)を用い、O2とAr
とを30:70の体積流量比率でスパッタチャンバ7内
に導入し、0.40Pa(3mTorr)の圧力下で該
亜酸化物ターゲットに100kHzのパルス電圧(M
F)を印加してマグネトロンスパッタリングを行った。
このとき、出力1kWのハロゲンランプヒータを用い
て、基板1の表面を約200℃に加熱しながら光学結晶
薄膜31を形成した。
【0089】得られた光変調素子のr値を上記実施例1
と同様の方法で測定したところ、rmax=1×10
-12m/V程度であり、この値は実施例のなかで比較的
小さいものの実用可能範囲である。また、光学結晶薄膜
31の結晶性をX線回折で評価したところ、LiNbO
3結晶に固有の回折角度位置に半値巾の小さい回折ピー
クが認められ、回折強度も、実施例のなかでは比較的小
さいものの、高い結晶性を有する薄膜であることが確認
された。
【0090】これらの結果は、金属亜酸化物ターゲット
を用いた酸素との反応性スパッタリングにおいても、結
晶性の良好な光学結晶薄膜を形成することができること
を示している。
【0091】(実施例4)基板1として、光学部品の一
種である屈折率分布型マイクロレンズを採用し、上記実
施例1と同様の方法で図4に示すような光変調素子を作
製した。
【0092】まず、マイクロレンズ50をその一端面が
ターゲット3に対向するようにスパッタリング装置の円
筒型基板ホルダ2に取り付け、マイクロレンズ50の一
端面上に実施例1と同様の方法で誘電体多層膜ハーフミ
ラー32を形成した。次いで、この誘電体多層膜ハーフ
ミラー32の表面に、LiNbO3から成る光学結晶薄
膜31を厚さが約93μmになるように形成した。詳細
には、Li−Nb混合金属から成る金属のターゲット3
を用い、O2とArとを70:30の体積流量比率でス
パッタチャンバ7内に導入し、0.40Pa(3mTo
rr)の圧力下で金属のターゲット3に40kHzのパ
ルス電圧(MF)を印加してマグネトロンスパッタリン
グを行った。このとき、出力1kWのハロゲンランプヒ
ータを用いて、マイクロレンズ50の表面を約200℃
に加熱しながら光学結晶薄膜31を形成した。続いて、
マイクロレンズ50上に形成した誘電体多層膜ハーフミ
ラー32と同じ方法で同じ構造の誘電体多層膜ハーフミ
ラー32を光学結晶薄膜31の表面に形成した。これに
より、マイクロレンズ50と光共振器(薄膜エタロン)
型素子とを一体にした光学部品を得た。
【0093】この光変調素子の光学結晶薄膜31に電極
41を取り付けてr値を測定したところ、rmax=3
×10-12m/V程度の良好な特性を示した。また、得
られた光学結晶薄膜31の結晶性をX線回折で評価した
ところ、LiNbO3結晶に固有の回折角度位置に半値
巾の小さい回折ピークが認められ、高い結晶性を有する
光学結晶薄膜であることが確認された。
【0094】この一体化光変調素子に広帯域波長の無偏
光の光を入射すれば、出射光はエタロンで狭帯域にフィ
ルタリングされ、且つマイクロレンズ50の焦点に集束
された光となる。エタロンの共振部に電極を接続して電
気光学素子として機能させれば出射光は前述の変調に加
えて楕円偏光とすることができ、更に偏光子を適宜配置
すれば、振幅を変調させることができる。
【0095】また、上述した電界の印加に代えてマイク
ロレンズ50の主光軸に垂直な方向からLEDや半導体
レーザの変調信号を有する光を照射することにより、上
記電気光学素子と同様の光変調機能を発現させることも
可能である。
【0096】(実施例5)LiNbO3からなる光学結
晶薄膜31を形成するときのスパッタリング条件を代え
た以外は、実施例1と同様の方法で図3に示したような
光変調素子30を作製した。すなわち、光学結晶薄膜3
1を形成するときに、反応ガスであるO2とArとを7
0:30の体積流量比率で導入し、基板を加熱せず且つ
ターゲット表面温度を約170℃になるようにしてスパ
ッタリングを行った。基板温度は約100℃であった。
【0097】ターゲットをLi−Nb混合金属を用いて
バッキングプレートと一体型の形状になるように製作
し、冷却媒として低粘度のシリコンオイルを用いて、こ
の冷却媒の流量を調整することにより、ターゲットの表
面温度を約170℃になるように調節した。
【0098】本実施例の光変調素子について、実施例1
と同様の方法でr値の測定を行った結果、r値は最大で
約2×10-12m/V程度の良好な特性を示した。
【0099】また、この光学結晶薄膜31の結晶性をX
線回折で評価したところ、LiNbO3結晶に固有の回
折角度位置に半値巾の小さい回折ピークが認められ、回
折強度は実施例1とほぼ同程度であり、高い結晶性を有
する薄膜であることが確認された。
【0100】本実施例の結果は、基板加熱に代えて、タ
ーゲット表面温度を高く保つことにより、結晶性の良好
な光学結晶薄膜が得られることを示している。なお、高
結晶化を促進する手段として、基板を加熱する方法を併
用することがさらに高い効果を奏するであろうことは、
上記実施例2によって容易に想到しうる。
【0101】(実施例6)LiTaO3からなる光学結
晶薄膜31をスパッタリング条件以外は実施例1と同様
に形成し、実施例1と同様の手順で光変調素子を作製し
た。
【0102】Li−Ta混合金属からなる金属のターゲ
ット3を用い、O2とArとを80:20の体積流量比
でスパッタチャンバ7内に導入し、0.98Pa(7m
Torr)の圧力下でターゲット3に40kHzのパル
ス電圧(MF)を印可してマグネトロンスパッタリング
を行った。このとき、出力1kWのハロゲンランプヒー
タを用いて基板1の表面を約250℃に加熱した。
【0103】本実施例で得られた光変調素子について、
実施例1と同様の方法でr値の測定を行った結果、r値
は最大で約1×10-12m/V程度であり、この値は実
施例のなかでは比較的小さいものの実用可能範囲であ
る。本実施例により、本発明が提供する方法を用いて結
晶性の良好なLiTaO3からなる光学結晶薄膜が得ら
れることが示された。
【0104】(比較例1)LiNbO3から成る光学結
晶薄膜を形成するためのターゲット材料としてLiNb
3の酸化物焼結体を用いた以外は、上記実施例1と同
様の方法で光学結晶薄膜を共振部に備える薄膜エタロン
型光変調素子を作製した。
【0105】この光変調素子のr値の測定を試みたが、
電気光学現象(屈折率変化)が検出限界以下であり、測
定できなかった。また、光学結晶薄膜の結晶性をX線回
折で評価したところ、LiNbO3結晶に固有の回折角
度位置に回折ピークが認められるものの、回折強度は小
さく十分な結晶性を有する薄膜が得られていないことが
確認された。
【0106】この結果は、酸化物ターゲットを用いた酸
素との反応性スパッタリングでは、薄膜形成過程での化
学反応による結晶化促進がなされず、作製された光変調
素子は、光学結晶としての機能が十分には発現されなか
ったことを示している。
【0107】(比較例2)LiNbO3から成る光学結
晶薄膜を上述のスパッタリング法に代えて金属アルコキ
シドを出発原料とするゾルーゲル法により形成した以外
は、上記実施例1と同様の方法で光変調素子を作製し
た。
【0108】具体的には、リチウムの原料アルコキシド
Li(t−OC419)と、ニオブの原料アルコキシド
Nb(OCH13)5とを混合し、十分に撹拝して、更に
溶媒としてエチルセロソルブを加え粘度を調整して塗布
液を作成した。エチルセロソルブは、乾燥速度が比較的
遅いので、薄膜の表面を平坦に形成するために選択し
た。この塗布液を、ガラス基板上に形成された誘電体多
層膜ハーフミラー32の表面にスピンコートし、風乾
後、200℃で加熱乾燥を行った。塗布〜乾燥の工程
を、膜厚が他の実施例と同じく約100μmになるまで
約20回くり返し、最後に400℃で2時間焼成した。
【0109】得られた光変調素子のr値の測定を試みた
が、電気光学現象(屈折率変化)が検出限界以下であ
り、比較例1と同様に測定できなかった。また、光学結
晶薄膜の結晶性をX線回折で評価したところ、LiNb
3結晶に固有の回折角度位置に回折ピークが認められ
るものの、回折強度は極めて小さく十分な結晶性を有す
る薄膜が得られていないことが確認された。
【0110】この結果は、金属アルコキシドを出発原料
とした薄膜形成方法では、薄膜形成過程での結晶化が不
十分で、作製された光変調素子は光学結晶としての機能
が発現されなかったことを示している。
【0111】実施例1〜5及び比較例1,2における薄
膜形成方法と得られた光学変調素子の光学特性を表1に
まとめて示す。また、各実施例、及び各比較例で得られ
た光学結晶薄膜の結晶性を比較した結果を図8に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記
載の製造方法によれば、酸化物の光学結晶薄膜を、該酸
化物中の金属成分のみを含有する金属ターゲット及び酸
素から成る反応性ガスを用いた反応性スパッタリングに
より形成することにより、光変調素子等の光学素子に適
用可能で、欠陥、不純物が少なく緻密且つ均質で、結晶
性のよい光学結晶材料の薄膜を比較的低温で製造するこ
とができる。
【0114】また、請求項2記載の製造方法によれば、
酸化物の光学結晶薄膜を、該酸化物の金属成分を含有す
る金属亜酸化物ターゲット及び酸素から成る反応性ガス
を用いた反応性スパッタリングにより形成することによ
り、請求項1記載の製造方法と同様に、光変調素子等の
光学素子に適用可能で、欠陥、不純物が少なく緻密且つ
均質で、結晶性のよい光学結晶材料の薄膜を比較的低温
で製造することができる。
【0115】また、請求項4記載の製造方法によれば、
光学結晶薄膜の形成の間、光学結晶薄膜を150℃以上
に加熱し、及び/又はターゲットの表面を100℃以上
に加熱することにより、光学結晶薄膜の結晶化を促進す
ることができる。
【0116】また、請求項5記載の光変調素子によれ
ば、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法に
より円柱形状又は円筒形状に形成された酸化物の光学結
晶薄膜を有したので、異なる機能を持つ素子の一体化に
よりデバイスの集積化が図られ、従来より手間のかかっ
ていた実装工程を簡略化することができる。
【0117】また、請求項6記載の光変調素子によれ
ば、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法に
より酸化物の光学結晶薄膜を導波路状に形成して成るの
で、工業上安価にでき、取り扱いがしやすくなると共
に、光軸調整等の工程を格段に容易にすることができ
る。
【0118】また、請求項7記載の光変調素子によれ
ば、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法に
より酸化物の光学結晶薄膜を光共振器内部に形成して成
るので、異なる機能を持つ素子の一体化によりデバイス
の集積化が図られ、従来より手間のかかっていた実装工
程を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光学結晶薄膜の製造
方法を用いた反応性スパッタリングによる光学結晶薄膜
の製造装置を示す模式図である。
【図2】光学結晶を用いた光変調素子の動作原理を示す
概略図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光変調素子の構造を
示す概略図である。
【図4】マイクロレンズの一端面に光学結晶薄膜を形成
した光変調素子の一例の概略図である。
【図5】ガラス基板上に形成された光学結晶薄膜部に光
導波路を形成した光変調器(光変調素子)の一例の概略
図であり、(a)は変導波路型、(b)は分岐干渉型で
ある。
【図6】マイクロレンズの外周面に光学結晶薄膜を形成
した光変調素子の一例の概略図である。
【図7】本実施例に係る光変調素子の光学特性測定方法
の概略図であり、(a)は測定方法を示し、(b)は光
変調素子に照射した入射光の光学特性を示し、(c)は
光変調素子から出力された出射光の光学特性を示す。
【図8】実施例1〜5、及び比較例1,2のLiNbO
3による光学結晶薄膜の結晶性を比較した比較図であ
る。
【符号の説明】
1 基板(基体) 2 円筒型基板ホルダ 3 ターゲット 4 原料粒子 5 基板励起源 6 照射エネルギ 7 スパッタチャンバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 6/12 G02B 6/12 J

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物の光学結晶薄膜を、該酸化物中の
    金属成分のみを含有する金属ターゲット及び酸素から成
    る反応ガスを用いた反応性スパッタリングにより形成す
    ることを特徴とする光学結晶薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化物の光学結晶薄膜を、該酸化物中の
    金属成分を含有する金属亜酸化物ターゲット及び酸素か
    ら成る反応性ガスを用いた反応性スパッタリングにより
    形成することを特徴とする光学結晶薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ターゲットは、Li及びNbの少な
    くとも一方又はLi及びTaの少なくとも一方を含有す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の光学結晶薄膜
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記光学結晶薄膜の形成過程の間、前記
    光学結晶薄膜を150℃以上に加熱し、及び/又は前記
    ターゲットの表面を100℃以上に加熱することを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学結晶
    薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    製造方法により円柱形状又は円筒形状に形成された酸化
    物の光学結晶薄膜を有したことを特徴とする光変調素
    子。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    製造方法により酸化物の光学結晶薄膜を導波路状に形成
    して成ることを特徴とする光変調素子。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    製造方法により酸化物の光学結晶薄膜を光共振器内部に
    形成して成ることを特徴とする光変調素子。
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