JP2002148357A - 遠隔観測用降雨計 - Google Patents

遠隔観測用降雨計

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JP2002148357A
JP2002148357A JP2000342840A JP2000342840A JP2002148357A JP 2002148357 A JP2002148357 A JP 2002148357A JP 2000342840 A JP2000342840 A JP 2000342840A JP 2000342840 A JP2000342840 A JP 2000342840A JP 2002148357 A JP2002148357 A JP 2002148357A
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Kunio Hane
邦夫 羽根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で瞬間的な降雨量の遠隔自動測定
が可能な遠隔観測用降雨計を提供する。 【解決手段】 雨水を受け止める受水ロート102を含
むサブ貯水槽100と、入水した雨水を細管210に導
くメイン貯水槽200と、このメイン貯水槽200から
細管210を通して滴り落ちる水滴の滴下時間間隔から
測定時の瞬間降雨量を測定する測定回路300が筐体1
0内に設けられている。メイン貯水槽200に貯留され
た雨水が、細管210より滴り落ち、その時間間隔を光
センサ400によって検出する。そして、この時間間隔
と細管210の外径、水の表面張力等から瞬間的な降雨
量を測定回路300によって判定し、測定結果を遠隔地
の管理者端末等に対して伝送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡単な構成で瞬間
降雨量を測定することができる遠隔観測用降雨計に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば図3に示すように、受
水ロート1とメスシリンダ2による目視型の降雨計が知
られている。この降雨計では、受水ロート1に入水した
雨水はメスシリンダ2に貯留され、メスシリンダ2の目
盛りを見ることにより、雨量を測定することができる。
しかし、この降雨計では、遠隔的な観察ができない。ま
た、雨量を測定する単位時間を容易に変更できず、瞬間
的な雨量を測定することも困難であった。そこで、最近
では、電子的な測定手段によって雨量を測定する種々の
降雨計が提供されている。例えば図4に示す転倒マス型
降雨計は、受水ロート3に入水した雨水を転倒マス4に
落下させるものである。転倒マス4は、雨水を貯留する
左右対称形の計量マス4A、4Bを有し、軸受け5によ
って転倒可能に支持されている(特公平6−19477
号公報参照)。そして、いずれか片方の計量マス4A、
4Bに規定量の雨水が貯留する度に各計量マス4A、4
Bが交互に転倒し、各計量マス4A、4Bに対応して設
けられた電気スイッチ6A、6Bを押下する。これによ
り、電気スイッチ6A、6Bからの検出パルスを計数す
ることで、雨量を自動的に測定することができる。
【0003】また、このような転倒マスを用いたものの
代わりに、水の重量を測定することにより、雨量を測定
するものが知られている(例えば特許第2907480
号公報)。さらに、水の重量ではなく、雨水を貯留槽か
ら油槽内を落下させ、この水滴の数をカウントすること
により、雨量を測定するものも知られている(例えば特
開平6−66956号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような転倒マス型降雨計では、転倒マスに規定量以上の
雨水が溜らなければ雨量の測定ができないため、例えば
雨の降り始めや小雨の時など、任意の時刻に雨量を測定
することができないという問題があった。また、上述し
たメスシリンダによる目視型の降雨計は一定時間の平均
降水量を測定するものであり、また、転倒マス型降雨計
は一定の雨量に達するまでの時間を測定するものである
ため、いずれも瞬時値の測定はできないという問題があ
った。また、転倒マス型降雨計は、2つの計量マスの交
互の転倒の繰り返しが起きたときに電気信号を送る機構
上、可動部分の摩擦抵抗に測定結果が影響されるため軸
受けの保守と管理が煩雑であるという問題があった。
【0005】また、水の重量を測定する降雨計では、雨
水が一定量以上たまった状態の測定となることから、突
然に雨が降り出した場合や小雨から大雨に変わった場合
等には、その瞬間的な降雨量を測定することは困難であ
る。さらに、雨水を貯留槽から油槽内で落下させ、水滴
の数をカウントする降雨計においても、水滴を油槽内で
落下させる構成が複雑であり、また、突然に雨が降り出
した場合や小雨から大雨に変わった場合等に、その瞬間
的な降雨量を測定することは困難である。
【0006】そこで本発明の目的は、簡易な構成で瞬間
的な雨量の変化に対しても応答性の良い降雨測定を行う
ことが可能な遠隔観測用降雨計を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、雨水を受け止める入水手段と、入水した雨水
を細管に導く雨水誘導手段と、前記細管を通して滴り落
ちる水滴の滴下時間間隔から測定時の瞬間降雨量を測定
する測定手段とを有することを特徴とする。本発明の遠
隔観測用降雨計において、雨が降ると雨水は入水手段に
よって受け止められ、雨水誘導手段に流入する。そし
て、この雨水誘導手段内に流入した雨水は、通常の降雨
量の場合には、そのまま細管を通して滴り落ちる。した
がって、その水滴の時間間隔を測定手段によって測定
し、この水滴の滴下時間間隔から、その測定時における
瞬間降雨量を算出する。ここで、細管から滴り落ちる水
滴の重さは、水の表面張力と水滴が滴る細管の先端面の
外径によって決まることから、その水滴を数えることで
降雨量を測定できるものである。
【0008】このような構成により、水滴の滴下する時
間間隔から測定時の瞬時降雨量(雨量の変化)を測定す
ることができる。また、さらに一定時間に滴下する水滴
数を数えることで、平均降雨量の測定を行うことも可能
である。したがって、本発明の遠隔観測用降雨計では、
簡易な構成で瞬間的な雨量の変化に対しても応答性の良
い降雨測定を行うことができ、豪雨の降り始め等を的確
に観測することが可能となる。また、降雨量を電子的に
測定するため観測者が不要で、測定結果を有線あるいは
無線で伝送する自動観測が可能である。また、降雨測定
を行うための可動部分が無く、保守と管理が容易であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明による遠隔観測用降
雨計の実施の形態について説明する。図1は本発明の実
施の形態による遠隔観測用降雨計の構造を示す概略断面
図である。本例の降雨計は、基本的な構成として、雨水
を受け止める受水ロート(入水手段)102を含むサブ
貯水槽100と、入水した雨水を貯蔵するメイン貯水槽
(雨水誘導手段)200と、このメイン貯水槽200か
ら細管210を通して滴り落ちる水滴の滴下時間間隔か
ら測定時の瞬間降雨量(雨量の変化)を測定する測定回
路(測定手段)300とを筐体10内に設けて構成した
ものである。
【0010】受水ロート102は、ロート状に形成さ
れ、天空に開口した太径のものであり、この受水ロート
102から雨水を入水し、この雨水を下方のメイン貯水
槽200に供給するものである。サブ貯水槽100は、
受水ロート102と筐体10の上縁部によって構成され
るものであり、雨量が大きい場合の貯水槽として機能す
るものである。受水ロート102には、上面にガード1
10及びフィルタ120が設けられ、側方にオーバーフ
ローパイプ130が設けられている。ガード110は、
例えば耐雹用及びいたずら防止用のものであり、例えば
格子状に形成され、受水ロート102の上面開口部(特
にフィルタ120)を雹や落ち葉等の落下、あるいは不
心得者のいたずら等から保護する。フィルタ120は、
雨水に含まれる砂塵や油煙を排除するものであり、例え
ば濾紙等のように、できるだけ保水性が小さく、雨水を
迅速に下方に通過させることにより、本降雨計の応答性
を損なわないものを用いるものとする。オーバーフロー
パイプ130は、サブ貯水槽100でオーバーフローし
た雨水を筐体10の外部に排出するものである。
【0011】また、メイン貯水槽200は、受水ロート
102から落下してきた雨水を貯留するタンク状に形成
されており、このメイン貯水槽200には、細管210
と、水温測定器220と、オーバーフロー防止弁230
が設けられている。このメイン貯水槽200は、降雨量
が一定以上大きくなった場合に、雨水を貯めるためのも
のであり、通常の降雨量では、受水ロート102から落
下してきた雨水が、メイン貯水槽200に長時間留まる
ことなく、細管210に導かれるようになっている。し
たがって、このメイン貯水槽200の底面は、受水ロー
ト102から落下してきた雨水をできるだけ速く細管2
10に導くような構成を採用している。例えば、細管2
10に近づく程、徐々に下方に傾斜した傾斜面状に形成
する、あるいは細管210につながる複数の溝を形成
し、この溝に沿って雨水が細管210に流れ込むといっ
た構成となっている。なお、図示の例は、傾斜面状に形
成した例である。また、雨が激しくなると、細管210
の最大滴下量より雨量が大きくなり、メイン貯水槽20
0に雨水が溜り始めることになるが、このメイン貯水槽
200に雨水が溜り始める雨量は、細管210による最
大滴下量と受水ロート102の開口面積に基づいて決定
されることになる。したがって、本形態の降雨計では、
測定したい瞬間降雨量に基づいて、細管210の寸法や
受水ロート102の開口面積を設計するものとし、例え
ば数10mm程度の雨量の豪雨に対し、降り始めを比較
的高いレスポンスで測定できるようにしたものである。
【0012】細管210は、メイン貯水槽200内の雨
水の水滴を下方に落下させるものであり、上述のような
理由から所望の最大滴下量を得るために必要な外径寸法
を有する先端面をもつものである。水温測定器220
は、メイン貯水槽200内で雨水の温度を測定するもの
である。この水温測定器220によって検出された水温
データは、雨水の表面張力等を算出するのに利用され
る。なお、図1では具体的に示していないが、本形態の
降雨計では、通常の雨ではメイン貯水槽200に雨水は
多く貯留しないため、この雨水の温度を検出するために
は、例えばメイン貯水槽200の底面に、細管210に
向う雨水が通る溝を設け、この溝内に水温測定器220
の検出子を配置することにより、少量の雨水について
も、できるだけ確実に温度の測定を行えるようにしてい
る。オーバーフロー防止弁230は、メイン貯水槽20
0内に配置されたフロート232に連動して受水ロート
102を開閉し、メイン貯水槽200内で水位が一定の
高さを越えた場合に、受水ロート102からの雨水の落
下を防止し、メイン貯水槽200側のオーバーフローを
防止するものである。上述のように、本形態の降雨計で
は、通常の雨ではメイン貯水槽200内に雨水がたまら
ない構成であるため、オーバーフロー防止弁230は異
常な大雨の際に機能するものである。
【0013】測定回路300は、メイン貯水槽200の
細管210より滴り落ちる水滴を光センサ400によっ
て検出し、この検出信号に基づいて、瞬間雨量等の各デ
ータを算出するものである。光センサ400は、細管2
10より落下する水滴の落下経路を挟んで左右両側に発
光部410と受光部420を配置したものである。発光
部410は例えば発光ダイオードまたはレーザダイオー
ド等であり、受光部420は例えばフォトダイオード等
である。そして、発光部410からの光は、細管210
より落下する水滴によって間欠的に遮られ、この光の状
態を受光部420によって検出することにより、水滴が
落下する時間間隔を測定回路300で測定する。また、
筐体10の下部には、ドレインパイプ140が設けら
れ、筐体10内に落下した雨水を筐体10の外部に排出
するようになっている。
【0014】図2は本発明の実施の形態による遠隔観測
用降雨計の測定回路300の構成を示すブロック図であ
る。この測定回路300は、温度・表面張力補正回路3
10と、時間平均降雨量演算回路320と、水滴数カウ
ンタ330と、時間間隔τ1設定回路340と、瞬間降
雨量演算回路350と、時間間隔τ2測定回路360
と、パルス発生回路370と、測定方式切り替えスイッ
チ380とを有する。
【0015】温度・表面張力補正回路310は、水温測
定器220からの検出信号に基づいて、降雨量の測定に
用いる温度と表面張力のデータを補正する回路である。
時間平均降雨量演算回路320は、水滴数カウンタ33
0によるカウント値に基づいて、予め設定された時間間
隔τ1に対する時間平均の降雨量を演算する回路であ
る。水滴数カウンタ330は、パルス発生回路370か
ら出力されるパルス信号と時間間隔τ1設定回路340
で設定された時間間隔τ1に基づいて、時間平均降雨量
演算回路320で使用する時間間隔τ1に対する水滴数
をカウントするものである。時間間隔τ1設定回路34
0は、時間平均降雨量演算回路320で使用する時間間
隔τ1を設定するためのものである。
【0016】瞬間降雨量演算回路350は、時間間隔τ
2測定回路360で測定された時間間隔τ2に基づい
て、瞬間降雨量を演算する回路である。時間間隔τ2測
定回路360は、パルス発生回路370から出力される
パルス信号に基づいて、瞬間降雨量演算回路350で使
用する水滴の時間間隔τ2を測定する回路である。パル
ス発生回路370は、光センサ400の受光部420か
ら出力される検出信号に対応するパルス信号を発生する
回路である。測定方式切り替えスイッチ380は、瞬間
降雨量を測定するか、平均降雨量を測定するかを切り替
えるためのスイッチであり、パルス発生回路370の出
力経路を切り替えるように動作する。
【0017】次に、以上のような構成の遠隔観測用降雨
計の詳細な機能、及び動作について説明する。まず、図
1において、雨水は枯葉や砂利などを防ぐ最上部の耐
雹、耐いたずらガード110を通過し、フィルタ120
で砂塵や油煙を濾過された後に、受水ロート102で集
められ、メイン貯水槽200に注ぎ込まれる。雨水はメ
イン貯水槽200の底から細管210の中を通り、滴下
する。この時、水滴の重さmは、円形断面の細管210
の先端面の外径の半径r、水の表面張力γを用いて以下
の式で示される。 mg=2πrγ ……(1) ここで、gは重力加速度である。なお、水の表面張力は
温度に依存するため、メイン貯水槽200の水温測定を
行い、その温度における表面張力をデータとして予め測
定回路300に設定させ、mの補正を行う。
【0018】細管210から滴下した水滴は発光部41
0から照射する直径1mm以下の細い光ビームを横切
る。なお、受光部420は、定常状態で光ビームを直接
受けるように設置する場合と、定常状態では光ビームが
入射しないところに設置しておく場合とがある。受光部
420の位置が前者のときは水滴の落下で光が遮られる
ことにより、水滴の検出を行う。また、受光部420の
位置が後者のときは水滴からの散乱光を受光部420が
受けることにより、水滴の検出を行う。このような水滴
の検出により、一定の時間間隔τ1で水滴の数nを数
え、水滴数にmを乗じ、これを受水ロート102の面積
Sで割れば、τ1時間当たりの降水量となる。これを1
時間/τ1時間倍すれば「時間当たりの降水量M」とな
る。これが平均時間の降雨量の測定方式である。すなわ
ち、τ1を秒の単位とすれば、以下のようになる。 M=3600・m・n/(S・τ1) ……(2)
【0019】次に、瞬時降雨量は、水滴の滴下から次の
滴下までの時間間隔τ2を測定し、これを時間当たり降
雨量に換算する。τ2を秒単位で表すと、時間当たり降
雨量Mは、以下のようになる。 M=3600・m/(S・τ2) ……(3) 測定回路300は、以上の計算を行うものである。ま
た、図1において、滴下した水滴は、ドレインパイプ1
40を通って排水される。なお、通常の雨では、メイン
貯水槽200に流入した水は、そのまま細管210より
滴下し、メイン貯水槽200に長く貯留することはな
い。したがって、豪雨の降り始め等において、水滴の時
間間隔と降雨量は比例することになり、有効な瞬間降雨
量の測定を行うことができ、この瞬間降雨量の変化を観
測することにより、豪雨の到来を予知することが可能と
なる。
【0020】また、豪雨のためにメイン貯水槽200の
水深が一定以上になると、オーバーフロー防止弁230
が受水ロート102を遮断し、メイン貯水槽200の水
深を抑制し、細管210の部分に表面張力以外の水圧が
かからないようにする。これにより、時間当たり100
mmに達するような豪雨の時にも水滴のサイズを安定化
させ、適正な測定状態を維持できるようにしている。ま
た、豪雨で受水ロート102が遮断されると、この受水
ロート102が貯水槽として機能する。そして、筐体1
0の長さ寸法は、使用地域の気象条件によって定めるも
のとし、降雨量が多い地域では受水ロート102の上方
に長く延在させるようにする。例えば、上方に10cm
延在させると、一瞬で100mmの降雨があっても、そ
の雨量を第1貯留槽100によって蓄えることができ
る。また、サブ貯水槽100のオーバーフローパイプ1
30は、想定を越える降雨があった時に処理不能の雨水
を排水する。このような構成により、豪雨による被害を
最小限に抑えることができ、豪雨がいったん止んだ後
は、メンテナンスが不要な状態のままで各貯水槽10
0、200の水を細管210を通して排水でき、再び観
測可能な状態に復帰できる。
【0021】次に、図2に基づいて測定回路300の動
作について説明する。パルス発生回路370では、受光
部420の検出信号に基づいて単一パルスを作り、測定
方式切り替え回路380を介して水滴数カウンタ330
または時間間隔τ2測定回路360にパルス出力を供給
する。そして、式(2)によって平均降雨量を測定する
場合には、一定時間間隔τ1の間のパルスを水滴数カウ
ンタ330で数え、時間平均降雨量演算回路320で降
雨量を算出する。また、式(3)によって瞬間降雨量を
測定する場合には、時間間隔τ2測定回路360によっ
て2つのパルス間の時間間隔τ2を測定し、これを基に
瞬時降雨量演算回路350で降雨量を算出する。また、
温度・表面張力補正回路310では、サブ貯水槽100
の水温を測定し、水温と表面張力の関係から、式(2)
と式(3)に用いる水滴の重さmを補正する。このよう
な測定回路300の測定の結果は、コネクタ等を通して
有線あるいは無線によって遠隔地の管理センタあるいは
個別の管理者が有する端末装置に伝送され、モニタ等に
表示される。これにより、遠隔地の管理者が降雨量を把
握することができる。
【0022】以上のような遠隔観測用降雨計によって測
定作業を行う場合、まず、雨量が多い時は式(3)を用
いて水滴と水滴の時間間隔τ2を測定する瞬時降雨量を
計算する。降雨計の許容最大降雨量を、例えば毎時10
0mmと予め定め、この毎時降雨量までを測定できるよ
うに、受水ロート102の上部開口部の直径と細管21
0の最大滴下量を定める。細管210の最大滴下量は、
細管210の最大流量時でも水滴を形成して連続流とな
らないようにする。細管210の最大流量を調節するに
は、例えば細管210の外部から圧力をかけて細管21
0の内径を機械的に変形することで調節することができ
る。また、水滴の大きさを調節するには、細管210の
先端面の外径を変更することが必要であるため、例えば
外形の異なる管を選択して使うか、あるいは予め太い管
を用意して、先端を研磨し、所望の外径に調整するもの
とする。また、メイン貯水槽200の水面の面積は、受
水ロート102の面積の半分以上の広い面積として、雨
滴が受水ロート102に落ちる時間的な不均一さを平均
化する。これにより、瞬時測定値の精度が向上する。
【0023】また、雨量が少ない場合や通常のメスシリ
ンダを用いた目視観測の測定時間間隔と条件を合わせる
場合には、式(2)を用いる方法を採用する。この場
合、一定時間τ1内の水滴数を数えて、細管210から
水滴が落ちる間隔の変動を押さえる。なお、式(3)を
使う方法でτ1時間の間、複数回の測定を行い、これら
の平均値を求めれば、原理的には式(2)による方法と
同じ測定結果となる。
【0024】以上のような本形態による遠隔観測用降雨
計では、次のような効果を得ることができる。 (A)数分毎などの非常に短い時間間隔で降雨量を測定
することができる。すなわち、雨量が多ければ時間1τ
を数分に設定し、雨量が少なければ瞬時降雨量を測定し
てレスポンスの良い測定ができる。 (B)測定時の瞬時降雨量と一定時間の平均降雨量の双
方を測定できる。すなわち、測定方式の切り替えを遠隔
制御することで、式(2)を用いる方式と式(3)を用
いる方式を選択することにより、レスポンの早い測定と
一般的な平均値の測定のいずれか都合の良い方を選べ
る。
【0025】(C)雨量計のそばに観測者が不要であ
り、測定結果を遠隔地に伝送する自動観測が可能であ
る。図2に示す構成により、降雨計は全て自動化されて
おり、測定結果を有線通信あるいは無線通信によって遠
隔地の通信端末装置に伝送することができる。また、遠
隔地の通信端末装置からの制御信号によって上述した式
(2)による時間平均降雨量の測定と式(3)の瞬時降
雨量の測定を選択することができる。 (D)降雨観測部は可動部分が無く、保守と管理が容易
である。図1で示すように、雨水に含まれる砂塵や油煙
はフィルタ120で濾過し、水滴の大きさと滴下数を決
定する細管210が詰まらないようにしている。また、
このフィルタ120は濡れると機械的な強度が弱くなる
ため、ガード110を設けておく。ガード110は落ち
葉によりフィルタ120の表面が汚損されること、雹な
どの自然現象やいたずらなどによる破損を防ぐものであ
る。汚損や破損の可能性が無くなることで、黄砂や砂塵
などのフィルタ120が汚れるシーズンの後に定期的に
フィルタ交換を行うことが可能となる。
【0026】また、以上のような構成の降雨計におい
て、さらに以下のような応用を行うことが可能である。 (A)燃料電池の使用時における応用例 電源に燃料電池を用いる場合は、電池が発生する熱を排
出して筐体10内の温度上昇を防ぐ方法として、ガード
110を熱伝導性の良い金属で作り、燃料電池とヒート
パイプで接続してガード110から熱を放散する。ま
た、冬季はガード110を0°C以上に保つことでガー
ド110とフィルタ120の凍結を防ぐことができる。 (B)集中豪雨地域での応用例 集中豪雨地域では、時間あたり100mmを越える雨量
となることがある。この場合は、ガード110の下に受
水ロート102の面積を制限する例えば板等を挿入す
る。この板等には、円形あるいは任意の形状の穴を開
け、この穴の縁部を上方にむけて突出させ、外部からの
飛沫が穴の中に入らないようにする。これにより、板の
穴以外に降った雨は、受水ロート102に入ることなく
筐体外部に流れるようにする。
【0027】また、受水ロート102の面積を制限する
方法の代わりに、測定系(細管210、光センサ40
0、及び測定回路300)を2組設けることで、通常の
降雨量では1組みの測定系で測定を行い、集中豪雨のと
きだけ、2組みの測定系で測定を行い、処理量を2倍に
して大量の雨量に対応できるようにすれば、通常は降雨
量が少ないが、集中豪雨の可能性がある地域に対応でき
る。これにより、殆ど起こり得ない集中豪雨にも対処で
きる。なお、測定系は2組みに限らず、3組み以上を設
けることも可能である。また、2以上の細管210を設
け、各細管210から落ちる水滴を1つの光センサで測
定し、1つの細管210から落ちる水滴とみなして上述
の例と同様に処理するような構成とすることも可能であ
る。このようにした場合にも、各細管210から落ちる
水滴の滴下時間間隔が比較的大きい場合には、水滴が同
時に落ちる確率は非常に低く、わずかな誤差しか生じな
いため、より簡易で安価な構成により、有効な観測を行
うことが可能である。
【0028】また、以上のような対策にもかかわらず、
瞬時的な集中豪雨により細管210の処理量が間に合わ
ず、メイン貯水槽200の水位が規定量以上になる、あ
るいは溢れる危険がある時は、オーバーフロー防止弁2
30が閉まることで、受水ロート102と筐体10の上
縁部によって構成されるサブ貯水槽100が機能するこ
とになる。そして、このサブ貯水槽100に貯まった雨
水は、メイン貯水槽200の水位が下がれば、自動的に
メイン貯水槽200に落ちて水位を一定とする。このよ
うな構成により、豪雨による被害を最小限に抑えること
ができ、豪雨が止んだ後は、メンテナンスが不要な状態
のままで雨水を排水でき、再び観測可能な状態に復帰で
きる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明の遠隔観測用
降雨計では、雨水を受け止める入水手段と、入水した雨
水を細管に導く雨水誘導手段と、誘導手段から細管を通
して滴り落ちる水滴の滴下時間間隔から測定時の瞬間降
雨量を測定する測定手段とを有する。このため、本発明
の遠隔観測用降雨計では、簡易な構成で瞬間的な雨量の
変化に対しても応答性の良い降雨測定を行うことがで
き、豪雨の降り始め等を的確に観測することができる効
果がある。また、降雨量を電子的に測定するため観測者
が不要で、遠隔地からの自動観測が可能であるという効
果がある。さらに、降雨測定を行うための可動部分が無
く、保守と管理が容易であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による遠隔観測用降雨計の
構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態による遠隔観測用降雨計の
測定回路の構成を示すブロック図である。
【図3】従来の目視型降雨計の具体例を示す説明図であ
る。
【図4】従来の転倒マス型降雨計の具体例を示す説明図
である。
【符号の説明】
10……筐体、100……サブ貯水槽、102……受水
ロート、200……メイン貯水槽、210……細管、3
00……測定回路、310……温度・表面張力補正回
路、320……時間平均降雨量演算回路、330……水
滴数カウンタ、340……時間間隔τ1設定回路、35
0……瞬間降雨量演算回路、360……時間間隔τ2測
定回路、370……パルス発生回路、380……測定方
式切り替えスイッチ。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雨水を受け止める入水手段と、 入水した雨水を細管に導く雨水誘導手段と、 前記細管を通して滴り落ちる水滴の滴下時間間隔から測
    定時の瞬間降雨量を測定する測定手段と、 を有することを特徴とする遠隔観測用降雨計。
  2. 【請求項2】 前記入水手段は受水ロートであり、前記
    雨水誘導手段は底面に細管を設けた貯水槽であることを
    特徴とする請求項1記載の遠隔観測用降雨計。
  3. 【請求項3】 前記細管及び貯水槽は、降雨量が一定量
    以下である場合には、貯水槽内に雨水を貯留させること
    なく細管より順次滴下させるものであることを特徴とす
    る請求項2記載の遠隔観測用降雨計。
  4. 【請求項4】 前記入水手段の上部開口部にフィルタ手
    段を配置し、前記フィルタ手段の上面にガード手段を有
    することを特徴とする請求項1記載の遠隔観測用降雨
    計。
  5. 【請求項5】 前記測定手段は、前記細管を通して滴り
    落ちる水滴の時間間隔を検出する光センサを有すること
    を特徴とする請求項1記載の遠隔観測用降雨計。
  6. 【請求項6】 前記測定手段を駆動する電源は燃料電池
    であり、前記ガード手段を前記燃料電池の放熱用手段と
    して兼用したことを特徴とする請求項3記載の遠隔観測
    用降雨計。
  7. 【請求項7】 前記測定手段は、前記細管を通して滴り
    落ちる水滴の滴下時間間隔から測定時の瞬間降雨量を測
    定する第1の測定方式と、前記細管を通して滴り落ちる
    水滴の単位時間当りの数から平均降雨量を測定する第2
    の測定方式とを有することを特徴とする請求項1記載の
    遠隔観測用降雨計。
  8. 【請求項8】 前記測定手段による第1の測定方式と第
    2の測定方式を遠隔地から通信手段を介して切り替える
    手段を有することを特徴とする請求項7記載の遠隔観測
    用降雨計。
  9. 【請求項9】 前記測定手段による測定結果を遠隔地に
    通信手段を介して伝送する手段を有することを特徴とす
    る請求項1記載の遠隔観測用降雨計。
  10. 【請求項10】 前記貯水槽としての雨水誘導手段の水
    位が一定以上になった場合に、前記入水手段から雨水誘
    導手段への雨水の流入を制限する制限手段を有すること
    を特徴とする請求項2記載の遠隔観測用降雨計。
  11. 【請求項11】 前記測定手段は、前記細管の先端面の
    外径と水の表面張力から水滴の重さを求め、前記水滴の
    重さを前記水滴の滴下時間間隔と前記入水手段における
    雨水を受け止める面積の積によって割ることにより瞬間
    降雨量を算出することを特徴とする請求項1記載の遠隔
    観測用降雨計。
  12. 【請求項12】 前記水の表面張力を前記雨水誘導手段
    に流入した雨水の温度によって補正する補正手段を有す
    ることを特徴とする請求項11記載の遠隔観測用降雨
    計。
  13. 【請求項13】 前記細管を1つの雨水誘導手段に対し
    て複数有し、各細管から滴り落ちる水滴を1つの測定手
    段によって検出し、降雨量の測定を行うことを特徴とす
    る請求項1記載の遠隔観測用降雨計。
  14. 【請求項14】 前記細管及び測定手段を1つの雨水誘
    導手段に対して複数有し、降雨量の測定を並行して行う
    ことを特徴とする請求項1記載の遠隔観測用降雨計。
  15. 【請求項15】 複数の測定手段によって降雨量の測定
    を並行して行うか、1つの測定手段によって降雨量の測
    定を単独で行うかを選択する選択手段を有することを特
    徴とする請求項14記載の遠隔観測用降雨計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007033262A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Japan Radio Co Ltd 観測方法および観測システム
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