JP2002131482A - 放射性塩素の固定化材料およびその固定化方法 - Google Patents
放射性塩素の固定化材料およびその固定化方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 放射性塩素の吸着性が大きく、安定して塩素
を固定化できる放射性塩素の固定化材料およびその固定
化方法の提供。 【解決手段】 重量%でアルミナセメントが15から7
0%、残部がカルシウム化合物からなる放射性塩素の固
定化材料であり、前記アルミナセメントがJIS規格の
1種、2種、3種、4種および5種から選ばれた少なく
とも1種からなり、前記カルシウム化合物が水酸化カル
シウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム(CaO)、炭酸カル
シウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、亜硫酸カ
ルシウム(CaSO3)および硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)
から選ばれた少なくとも1種からなるもの。
を固定化できる放射性塩素の固定化材料およびその固定
化方法の提供。 【解決手段】 重量%でアルミナセメントが15から7
0%、残部がカルシウム化合物からなる放射性塩素の固
定化材料であり、前記アルミナセメントがJIS規格の
1種、2種、3種、4種および5種から選ばれた少なく
とも1種からなり、前記カルシウム化合物が水酸化カル
シウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム(CaO)、炭酸カル
シウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、亜硫酸カ
ルシウム(CaSO3)および硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)
から選ばれた少なくとも1種からなるもの。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然の安定同位体の塩
素を起源として発生する放射性塩素を固定化するための
放射性塩素の固定化材料およびその固定化方法に関す
る。
素を起源として発生する放射性塩素を固定化するための
放射性塩素の固定化材料およびその固定化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子炉施設等において天然の安定同位体
の塩素を起源として中性子照射により発生する放射性塩
素は、主にCl-36、Cl-38である。特にCl-36は、半減期
が3.00×105年と非常に長く、またハロゲン族であるた
め、この核種を含む廃棄物を埋設処分した場合、地下水
への溶け込みが容易でまた天然バリアや人工バリア材へ
の収着も低いことが予想されることから被ばく線量当量
を評価する上で重要な核種となる可能性は高い。Cl-36
の起源となる塩素は原子炉施設内の各種の材料に極微量
含まれると考えられる。原子力発電所を例に取ると中性
子発生源である核燃料近傍にある材料(例えばステンレ
ス、ジルカロイ、インコネル、黒鉛、ハフニウム、ボロ
ンカーバイド)は、高密度の中性子が照射されるため、
材料中の塩素存在量が少量でもCl-36の生成量は無視で
きるほど少なくないことも予想される。
の塩素を起源として中性子照射により発生する放射性塩
素は、主にCl-36、Cl-38である。特にCl-36は、半減期
が3.00×105年と非常に長く、またハロゲン族であるた
め、この核種を含む廃棄物を埋設処分した場合、地下水
への溶け込みが容易でまた天然バリアや人工バリア材へ
の収着も低いことが予想されることから被ばく線量当量
を評価する上で重要な核種となる可能性は高い。Cl-36
の起源となる塩素は原子炉施設内の各種の材料に極微量
含まれると考えられる。原子力発電所を例に取ると中性
子発生源である核燃料近傍にある材料(例えばステンレ
ス、ジルカロイ、インコネル、黒鉛、ハフニウム、ボロ
ンカーバイド)は、高密度の中性子が照射されるため、
材料中の塩素存在量が少量でもCl-36の生成量は無視で
きるほど少なくないことも予想される。
【0003】上記のような材料を埋設処分する場合に
は、容器に封入される。この際、各種の固型化材料が用
いられ、容器中に固定化される。固定化材料としては、
セメント、アスファルト等が現在使用されているが、こ
れら材料については塩素がハロゲンであり、陰イオンの
形態である可能性が高いため吸着を期待できない。
は、容器に封入される。この際、各種の固型化材料が用
いられ、容器中に固定化される。固定化材料としては、
セメント、アスファルト等が現在使用されているが、こ
れら材料については塩素がハロゲンであり、陰イオンの
形態である可能性が高いため吸着を期待できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように放射性
塩素、特にCl-36は半減期が非常に長く、人体に与える
被ばく評価上からも重要核種になっている。この様な重
要核種を含む廃棄物は地層中に処分される。処分に通常
使用される固定化材料に対しては塩素はほとんど高い吸
着性は期待できない。
塩素、特にCl-36は半減期が非常に長く、人体に与える
被ばく評価上からも重要核種になっている。この様な重
要核種を含む廃棄物は地層中に処分される。処分に通常
使用される固定化材料に対しては塩素はほとんど高い吸
着性は期待できない。
【0005】セメント固化は、常温で固化させ、固化反
応中に放射性塩素が分離する心配がなく最も有力な固化
方法である。しかし、固化体が透水性で還元性であるた
め、固化体中の塩素化合物が加水分解を起こし放射性塩
素を溶出する可能性がある。また、セメント系固化材料
は、溶液中の放射性塩素濃度が高く(塩素濃度1×10- 3m
ol/l以上)なると吸着性が低下するおそれがある。仮
に、ヨウ素吸着材で用いられている銀吸着材中の銀を用
いAgClのような化合物を合成しても、地層環境が還元雰
囲気であることが予想され、AgClは銀と塩素イオンに分
解するものと予測される。これらのため、放射性塩素を
含む廃棄物を処理処分するには、放射性塩素を長期的に
安定した化合物中に固定化できる固定化材料および固定
化方法が必要である。
応中に放射性塩素が分離する心配がなく最も有力な固化
方法である。しかし、固化体が透水性で還元性であるた
め、固化体中の塩素化合物が加水分解を起こし放射性塩
素を溶出する可能性がある。また、セメント系固化材料
は、溶液中の放射性塩素濃度が高く(塩素濃度1×10- 3m
ol/l以上)なると吸着性が低下するおそれがある。仮
に、ヨウ素吸着材で用いられている銀吸着材中の銀を用
いAgClのような化合物を合成しても、地層環境が還元雰
囲気であることが予想され、AgClは銀と塩素イオンに分
解するものと予測される。これらのため、放射性塩素を
含む廃棄物を処理処分するには、放射性塩素を長期的に
安定した化合物中に固定化できる固定化材料および固定
化方法が必要である。
【0006】本発明は上記したような課題を解決するた
めになされたものであって、放射性塩素の吸着性が大き
く改善された放射性塩素の固定化材料およびその固定化
方法を提供することを目的としている。
めになされたものであって、放射性塩素の吸着性が大き
く改善された放射性塩素の固定化材料およびその固定化
方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の放射性塩素の固
定化材料は、重量%で、アルミナセメントが15から7
0%、残部がカルシウム化合物からなることを特徴とし
ている。本発明では放射性塩素の固定化材料としてアル
ミナセメントおよびカルシウム化合物からなるものを用
いることによって、放射性塩素を長期間にわたって安定
に固定化することができる。
定化材料は、重量%で、アルミナセメントが15から7
0%、残部がカルシウム化合物からなることを特徴とし
ている。本発明では放射性塩素の固定化材料としてアル
ミナセメントおよびカルシウム化合物からなるものを用
いることによって、放射性塩素を長期間にわたって安定
に固定化することができる。
【0008】本発明の放射性塩素の固定化材料は、重量
%で、アルミナセメントを予め硬化させ粉砕したものを
20から90%、残部をカルシウム化合物としたもので
あってもよい。
%で、アルミナセメントを予め硬化させ粉砕したものを
20から90%、残部をカルシウム化合物としたもので
あってもよい。
【0009】前記アルミナセメントは、JIS規格の1
種、2種、3種、4種および5種から選ばれた少なくと
も1種からなることが好ましい。
種、2種、3種、4種および5種から選ばれた少なくと
も1種からなることが好ましい。
【0010】また、本発明の放射性塩素の固定化材料
は、重量%で、アルミン酸カルシウムが15から60
%、残部がカルシウム化合物からなることを特徴とする
ものである。
は、重量%で、アルミン酸カルシウムが15から60
%、残部がカルシウム化合物からなることを特徴とする
ものである。
【0011】前記アルミン酸カルシウムとしては、例え
ば3CaO・Al2O3、CaO・Al2O3、CaO・2Al 2O3およびCaO・6Al2O
3から選ばれた少なくとも1種からなるものが挙げられ
る。
ば3CaO・Al2O3、CaO・Al2O3、CaO・2Al 2O3およびCaO・6Al2O
3から選ばれた少なくとも1種からなるものが挙げられ
る。
【0012】また、前記カルシウム化合物としては、例
えば水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム(C
aO)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaS
O4)、亜硫酸カルシウム(CaSO3)および硝酸カルシウ
ム(Ca(NO3)2)から選ばれた少なくとも1種からなるも
のが挙げられる。
えば水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム(C
aO)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaS
O4)、亜硫酸カルシウム(CaSO3)および硝酸カルシウ
ム(Ca(NO3)2)から選ばれた少なくとも1種からなるも
のが挙げられる。
【0013】本発明の放射性塩素の固定化材料は、上記
したような放射性塩素の固定化材料を、例えばポルトラ
ンドセメントまたはポルトランドセメントと高炉スラグ
を混合したセメント系固化材料に重量%で5%から70%
添加してなるものであっても構わない。
したような放射性塩素の固定化材料を、例えばポルトラ
ンドセメントまたはポルトランドセメントと高炉スラグ
を混合したセメント系固化材料に重量%で5%から70%
添加してなるものであっても構わない。
【0014】本発明の放射性塩素の固定化方法は、溶液
中の放射性塩素を、カルシウム化合物およびアルミネー
ト相鉱物と反応させ、モノサルフェート型化合物(3CaO
・Al2O3・CaCl2・mH2Oあるいは3CaO・Al2O3・Ca(ClO3)2・mH
2O)またはトリサルフェート型化合物(3CaO・Al2O3・3Ca
Cl2・nH2Oあるいは3CaO・Al2O3・3Ca(ClO3)2・nH2O)を形成
することにより、放射性塩素を固定化することを特徴と
するものである。
中の放射性塩素を、カルシウム化合物およびアルミネー
ト相鉱物と反応させ、モノサルフェート型化合物(3CaO
・Al2O3・CaCl2・mH2Oあるいは3CaO・Al2O3・Ca(ClO3)2・mH
2O)またはトリサルフェート型化合物(3CaO・Al2O3・3Ca
Cl2・nH2Oあるいは3CaO・Al2O3・3Ca(ClO3)2・nH2O)を形成
することにより、放射性塩素を固定化することを特徴と
するものである。
【0015】前記アルミネート相鉱物としては、例えば
アルミン酸カルシウム(CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、3CaO・
Al2O3、4CaO・Al2O3、CaO・6Al2O3)、アルミン酸カルシ
ウム水和物(3CaO・Al2O3・6H2O、CaO・Al2O3・10H2O、2CaO
・Al2O3・8H2O、3CaO・Al2O3・12H2O、4CaO・Al2O3・19H2O、4
CaO・Al2O3・13H2O)およびα−アルミナ(Al2O3)から選
ばれた少なくとも1種からなるものが挙げられる。
アルミン酸カルシウム(CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、3CaO・
Al2O3、4CaO・Al2O3、CaO・6Al2O3)、アルミン酸カルシ
ウム水和物(3CaO・Al2O3・6H2O、CaO・Al2O3・10H2O、2CaO
・Al2O3・8H2O、3CaO・Al2O3・12H2O、4CaO・Al2O3・19H2O、4
CaO・Al2O3・13H2O)およびα−アルミナ(Al2O3)から選
ばれた少なくとも1種からなるものが挙げられる。
【0016】また、前記カルシウム化合物としては、水
酸化カルシウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム(CaO)、
炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、
亜硫酸カルシウム(CaSO3)および硝酸カルシウム(Ca
(NO3)2)から選ばれた少なくとも1種からなるものが挙
げられる。
酸化カルシウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム(CaO)、
炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、
亜硫酸カルシウム(CaSO3)および硝酸カルシウム(Ca
(NO3)2)から選ばれた少なくとも1種からなるものが挙
げられる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
て説明する。
【0018】本発明では放射性塩素の固定化材料として
アルミナセメントおよびカルシウム化合物からなるもの
を用いることによって、放射性塩素をモノサルフェート
型化合物(3CaO・Al2O3・CaCl2・mH2Oあるいは3CaO・Al2O3・
Ca(ClO3)2・mH2O)またはトリサルフェート型化合物(3C
aO・Al2O3・3CaCl2・nH2Oあるいは3CaO・Al2O3・3Ca(ClO3) 2・
nH2O)として固定化することが可能になり、長期間にわ
たって放射性塩素を安定的に固定化することができる。
また、本発明の放射性塩素の固定化材料の主成分はカル
シウムアルミネートであるため、塩素濃度依存性が少な
く、高濃度の塩素に対しても吸着性が低下することがな
い。
アルミナセメントおよびカルシウム化合物からなるもの
を用いることによって、放射性塩素をモノサルフェート
型化合物(3CaO・Al2O3・CaCl2・mH2Oあるいは3CaO・Al2O3・
Ca(ClO3)2・mH2O)またはトリサルフェート型化合物(3C
aO・Al2O3・3CaCl2・nH2Oあるいは3CaO・Al2O3・3Ca(ClO3) 2・
nH2O)として固定化することが可能になり、長期間にわ
たって放射性塩素を安定的に固定化することができる。
また、本発明の放射性塩素の固定化材料の主成分はカル
シウムアルミネートであるため、塩素濃度依存性が少な
く、高濃度の塩素に対しても吸着性が低下することがな
い。
【0019】アルミナセメントを重量%で15から70
%に限定した理由は、アルミナセメントの濃度が15か
ら70%であれば従来のセメント系固化材料に比較して
高い分配係数が得られるからである。この範囲を外れる
場合には、分配係数が低下し塩素の吸着性が低下する。
%に限定した理由は、アルミナセメントの濃度が15か
ら70%であれば従来のセメント系固化材料に比較して
高い分配係数が得られるからである。この範囲を外れる
場合には、分配係数が低下し塩素の吸着性が低下する。
【0020】また、重量%でアルミナセメントを予め硬
化させ粉砕したものが20から90%とした理由は、2
0から90%であれば従来のセメント系固化材料に比較
して高い分配係数が得られ、この範囲を外れる場合には
分配係数が低下し塩素の吸着性が低下するからである。
化させ粉砕したものが20から90%とした理由は、2
0から90%であれば従来のセメント系固化材料に比較
して高い分配係数が得られ、この範囲を外れる場合には
分配係数が低下し塩素の吸着性が低下するからである。
【0021】アルミナセメントとしては、例えばJIS
規格の1種、2種、3種、4種、5種のアルミナセメン
トを用いることができ、強度等により適宜使い分けるこ
とが望ましい。
規格の1種、2種、3種、4種、5種のアルミナセメン
トを用いることができ、強度等により適宜使い分けるこ
とが望ましい。
【0022】本発明では、上記したアルミナセメントに
代えて例えばアルミン酸カルシウムを使用することがで
きる。アルミン酸カルシウムを使用する場合には重量%
で15から60%をアルミン酸カルシウムとし、残部を
カルシウム化合物とする。
代えて例えばアルミン酸カルシウムを使用することがで
きる。アルミン酸カルシウムを使用する場合には重量%
で15から60%をアルミン酸カルシウムとし、残部を
カルシウム化合物とする。
【0023】アルミン酸カルシウムを重量%で15から
60%としたのは、アルミン酸カルシウムの濃度が15
から60%であれば従来のセメント系固化材料に比較し
て高い分配係数が得られ、この範囲を外れる場合には分
配係数が低下し塩素の吸着性が低下するからである。
60%としたのは、アルミン酸カルシウムの濃度が15
から60%であれば従来のセメント系固化材料に比較し
て高い分配係数が得られ、この範囲を外れる場合には分
配係数が低下し塩素の吸着性が低下するからである。
【0024】アルミン酸カルシウムとしては、例えば3C
aO・Al2O3、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、CaO・6Al2O3が挙げ
られる。これらのものは、条件に合わせて適宜選択して
使用することが好ましい。
aO・Al2O3、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、CaO・6Al2O3が挙げ
られる。これらのものは、条件に合わせて適宜選択して
使用することが好ましい。
【0025】また、本発明におけるカルシウム化合物と
しては、水酸化カルシウム(Ca(OH) 2)、酸化カルシウ
ム(CaO)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸カルシウム
(CaSO4)、亜硫酸カルシウム(CaSO3)および硝酸カル
シウム(Ca(NO3)2)等が挙げられる。これらのカルシウ
ム化合物についても、条件に合わせて適宜選択して使用
することが好ましい。
しては、水酸化カルシウム(Ca(OH) 2)、酸化カルシウ
ム(CaO)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸カルシウム
(CaSO4)、亜硫酸カルシウム(CaSO3)および硝酸カル
シウム(Ca(NO3)2)等が挙げられる。これらのカルシウ
ム化合物についても、条件に合わせて適宜選択して使用
することが好ましい。
【0026】本発明では、上記したような固定化材料を
一般的に使用されるセメント系固化材料に混合して使用
することも可能である。この場合には、重量%で5〜7
0%の固定化材料をセメント系固化材料に添加すること
が好ましい。重量%で5〜70%としたのは、従来のセ
メント系固化材料に比較して高い分配係数が得られ、こ
の範囲をはずれる場合には分配係数が低下し塩素の吸着
性が低下するからである。前記したセメント系固化材料
の種類は特に制限されるものではないが、例えばポルト
ランドセメントまたはポルトランドセメントに高炉スラ
グを混合したものが挙げられる。
一般的に使用されるセメント系固化材料に混合して使用
することも可能である。この場合には、重量%で5〜7
0%の固定化材料をセメント系固化材料に添加すること
が好ましい。重量%で5〜70%としたのは、従来のセ
メント系固化材料に比較して高い分配係数が得られ、こ
の範囲をはずれる場合には分配係数が低下し塩素の吸着
性が低下するからである。前記したセメント系固化材料
の種類は特に制限されるものではないが、例えばポルト
ランドセメントまたはポルトランドセメントに高炉スラ
グを混合したものが挙げられる。
【0027】次に本発明の放射性塩素の固定化方法につ
いて説明する。
いて説明する。
【0028】本発明の放射性塩素の固定化方法は、例え
ば放射性塩素の入った溶液中に、カルシウム化合物およ
びアルミネート相鉱物を添加して反応させ、モノサルフ
ェート型化合物(3CaO・Al2O3・CaCl2・mH2Oあるいは3CaO・
Al2O3・Ca(ClO3)2・mH2O)またはトリサルフェート型化合
物(3CaO・Al2O3・3CaCl2・nH2Oあるいは3CaO・Al2O3・3Ca(C
lO3)2・nH2O)を形成することにより、放射性塩素を固定
化するものである。
ば放射性塩素の入った溶液中に、カルシウム化合物およ
びアルミネート相鉱物を添加して反応させ、モノサルフ
ェート型化合物(3CaO・Al2O3・CaCl2・mH2Oあるいは3CaO・
Al2O3・Ca(ClO3)2・mH2O)またはトリサルフェート型化合
物(3CaO・Al2O3・3CaCl2・nH2Oあるいは3CaO・Al2O3・3Ca(C
lO3)2・nH2O)を形成することにより、放射性塩素を固定
化するものである。
【0029】モノサルフェート型化合物またはトリサル
フェート型化合物として塩素を固定化することで、長期
間にわたって放射性塩素を安定的に固定化することがで
きる。
フェート型化合物として塩素を固定化することで、長期
間にわたって放射性塩素を安定的に固定化することがで
きる。
【0030】カルシウム化合物としては、水酸化カルシ
ウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム(CaO)、炭酸カルシ
ウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、亜硫酸カル
シウム(CaSO3)および硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)等
が挙げられ、条件に合わせて適宜選択して使用すること
が好ましい。
ウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム(CaO)、炭酸カルシ
ウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、亜硫酸カル
シウム(CaSO3)および硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)等
が挙げられ、条件に合わせて適宜選択して使用すること
が好ましい。
【0031】また、アルミネート相鉱物としては、アル
ミン酸カルシウム(CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、3CaO・Al2O
3、4CaO・Al2O3、CaO・6Al2O3)、アルミン酸カルシウム
水和物(3CaO・Al2O3・6H2O、CaO・Al2O3・10H2O、2CaO・Al2
O3・8H2O、3CaO・Al2O3・12H2O、4CaO・Al2O3・19H2O、4CaO・
Al2O3・13H2O)、α−アルミナ(Al2O3)等が挙げられ、
条件に合わせて適宜選択して使用することが好ましい。
ミン酸カルシウム(CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、3CaO・Al2O
3、4CaO・Al2O3、CaO・6Al2O3)、アルミン酸カルシウム
水和物(3CaO・Al2O3・6H2O、CaO・Al2O3・10H2O、2CaO・Al2
O3・8H2O、3CaO・Al2O3・12H2O、4CaO・Al2O3・19H2O、4CaO・
Al2O3・13H2O)、α−アルミナ(Al2O3)等が挙げられ、
条件に合わせて適宜選択して使用することが好ましい。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施の形態について、実施例
を参照して説明する。
を参照して説明する。
【0033】実施例1 JIS規格のアルミナセメント2種を用い、それに水酸
化カルシウムを合わせて100wt%になるように原料を調合
した。
化カルシウムを合わせて100wt%になるように原料を調合
した。
【0034】これらを均一に混合した後、水を水/調整
原料比0.5の量を添加し、ミキサ−で約5分間混練した。
これを、室温、相対湿度90%以上で28日間養生した。養
生後、その水和物を42メッシュ以下に粉砕した。次いで
粉砕物を3g分取した。塩素の模擬物として同族のハロゲ
ンであるヨウ素を用いて試験を行った。即ち0.1M-NaI溶
液を用いこの溶液30mlに分取した粉砕物を添加し、25℃
の恒温槽に7日間保持した。この液を0.45μmのポアサ
イズであるメンブレンフィルターでろ過し、ろ液中のヨ
ウ素をICP発光分析法により測定した。これらの測定
結果から、分配係数を以下の式により求めた。
原料比0.5の量を添加し、ミキサ−で約5分間混練した。
これを、室温、相対湿度90%以上で28日間養生した。養
生後、その水和物を42メッシュ以下に粉砕した。次いで
粉砕物を3g分取した。塩素の模擬物として同族のハロゲ
ンであるヨウ素を用いて試験を行った。即ち0.1M-NaI溶
液を用いこの溶液30mlに分取した粉砕物を添加し、25℃
の恒温槽に7日間保持した。この液を0.45μmのポアサ
イズであるメンブレンフィルターでろ過し、ろ液中のヨ
ウ素をICP発光分析法により測定した。これらの測定
結果から、分配係数を以下の式により求めた。
【0035】[式1]分配係数(ml/g)=固相中の塩素
濃度(mg/g)/液相中の塩素濃度(mg/ml)
濃度(mg/g)/液相中の塩素濃度(mg/ml)
【0036】すなわち、分配係数が大きい方が、固相中
に塩素が多く含まれていることになり、放射性塩素の収
着性に優れていることを示す。試験結果を図1に示す。
図1は、アルミナセメント濃度wt%に対する分配係数の
関係を表している。
に塩素が多く含まれていることになり、放射性塩素の収
着性に優れていることを示す。試験結果を図1に示す。
図1は、アルミナセメント濃度wt%に対する分配係数の
関係を表している。
【0037】図1に示されるように、ハロゲンに対して
アルミナセメントの濃度が15%から70%の範囲内であれ
ば、従来のセメント系固型化材料に比べて1桁以上高い
分配係数が得られることがわかる。
アルミナセメントの濃度が15%から70%の範囲内であれ
ば、従来のセメント系固型化材料に比べて1桁以上高い
分配係数が得られることがわかる。
【0038】実施例2 JIS規格のアルミナセメント2種を用い、水/セメン
ト比0.5で予め硬化させ、それを42メッシュ以下に粉砕し、
その粉砕物と水酸化カルシウムを合わせて100wt%になる
ように原料を調合した。
ト比0.5で予め硬化させ、それを42メッシュ以下に粉砕し、
その粉砕物と水酸化カルシウムを合わせて100wt%になる
ように原料を調合した。
【0039】次いでその原料を3g分取した。塩素の模擬
物として同族のハロゲンであるヨウ素を用いて試験を行
った。0.1M-NaI溶液30mlに分取した原料を添加し、25℃
の恒温槽に7日間保持した。この液を0.45μmのポアサ
イズであるメンブレンフィルターでろ過し、ろ液中の塩
素をICP発光分析法により測定した。これらの測定結
果から、分配係数を[数式1]により求めた。試験結果
を図2に示す。図2は、アルミナセメント硬化物濃度wt
%に対する分配係数の関係を表している。
物として同族のハロゲンであるヨウ素を用いて試験を行
った。0.1M-NaI溶液30mlに分取した原料を添加し、25℃
の恒温槽に7日間保持した。この液を0.45μmのポアサ
イズであるメンブレンフィルターでろ過し、ろ液中の塩
素をICP発光分析法により測定した。これらの測定結
果から、分配係数を[数式1]により求めた。試験結果
を図2に示す。図2は、アルミナセメント硬化物濃度wt
%に対する分配係数の関係を表している。
【0040】図2に示されるように、アルミナセメント
硬化物の濃度が20%から90%であれば、従来のセメント系
固型化材料の吸着性に比べて1桁以上高い値が得られる
ことがわかる。
硬化物の濃度が20%から90%であれば、従来のセメント系
固型化材料の吸着性に比べて1桁以上高い値が得られる
ことがわかる。
【0041】実施例3 アルミン酸カルシウム(CaAl2O3)を用い、それに水酸
化カルシウムを合わせて100wt%になるように原料を調合
した。
化カルシウムを合わせて100wt%になるように原料を調合
した。
【0042】次いで調合した原料を3g分取した。塩素の
模擬物として同族のハロゲンであるヨウ素を用いて試験
を行った。0.1M-NaI溶液30mlに分取した原料物を添加
し、25℃の恒温槽に7日間保持した。この液を0.45μm
のポアサイズであるメンブレンフィルターでろ過し、ろ
液中の塩素をICP発光分析法により測定した。これら
の測定結果から、分配係数を求めた。試験結果を図3に
示す。図3は、アルミン酸カルシウム濃度wt%に対する
分配係数の関係を表している。
模擬物として同族のハロゲンであるヨウ素を用いて試験
を行った。0.1M-NaI溶液30mlに分取した原料物を添加
し、25℃の恒温槽に7日間保持した。この液を0.45μm
のポアサイズであるメンブレンフィルターでろ過し、ろ
液中の塩素をICP発光分析法により測定した。これら
の測定結果から、分配係数を求めた。試験結果を図3に
示す。図3は、アルミン酸カルシウム濃度wt%に対する
分配係数の関係を表している。
【0043】図3に示されるように、アルミン酸カルシ
ウムの濃度が15%から60%であれば、従来のセメント系固
型化材料に比べて1桁以上高い分配係数が得られること
がわかる。
ウムの濃度が15%から60%であれば、従来のセメント系固
型化材料に比べて1桁以上高い分配係数が得られること
がわかる。
【0044】実施例4 アルミナセメントとして、JIS規格のアルミナセメン
ト1、2、3、4、5種を用い、それに水酸化カルシウ
ムを重量比1:2になるように混合し調整した。
ト1、2、3、4、5種を用い、それに水酸化カルシウ
ムを重量比1:2になるように混合し調整した。
【0045】これらを均一に混合した後、水を水/調整
原料比0.5の量を添加し、ミキサーで約5分間混練した。
これを、室温、相対湿度90%以上で28日間養生した。養
生後、その水和物を42メッシュ以下に粉砕した。次いで
粉砕物を3g分取した。塩素の模擬物として同族のハロゲ
ンであるヨウ素を用いて試験を行った。0.1M-NaI溶液30
mlに分取した粉砕物を添加し、25℃の恒温槽に7日間保
持した。この液を0.45μmのポアサイズであるメンブレ
ンフィルターでろ過し、ろ液中の塩素をICP発光分析
法により測定した。これらの測定結果から、分配係数を
求めた。試験結果を表1に示す。
原料比0.5の量を添加し、ミキサーで約5分間混練した。
これを、室温、相対湿度90%以上で28日間養生した。養
生後、その水和物を42メッシュ以下に粉砕した。次いで
粉砕物を3g分取した。塩素の模擬物として同族のハロゲ
ンであるヨウ素を用いて試験を行った。0.1M-NaI溶液30
mlに分取した粉砕物を添加し、25℃の恒温槽に7日間保
持した。この液を0.45μmのポアサイズであるメンブレ
ンフィルターでろ過し、ろ液中の塩素をICP発光分析
法により測定した。これらの測定結果から、分配係数を
求めた。試験結果を表1に示す。
【表1】
【0046】表1に示されるように、JIS規格のアル
ミナセメント1、2、3、4、5種のいずれを用いて
も、従来のセメント系固型化材料に比べて1桁以上高い
分配係数が得られることがわかる。
ミナセメント1、2、3、4、5種のいずれを用いて
も、従来のセメント系固型化材料に比べて1桁以上高い
分配係数が得られることがわかる。
【0047】実施例5 アルミン酸カルシウムとして3CaO・Al2O3、CaO・Al2O3、C
aO・2Al2O3、CaO・6 Al2O3を用い、それぞれに水酸化カル
シウムを重量比2:3になるように混合し調整した。
aO・2Al2O3、CaO・6 Al2O3を用い、それぞれに水酸化カル
シウムを重量比2:3になるように混合し調整した。
【0048】次いで調合した原料を3g分取した。塩素の
模擬物として同族のハロゲンであるヨウ素を用いて試験
を行った。0.1M-NaI溶液30mlに分取した原料物を添加
し、25℃の恒温槽に7日間保持した。この液を0.45μm
のポアサイズであるメンブレンフィルターでろ過し、ろ
液をICP発光分析法により測定した。これらの測定結
果から、分配係数を求めた。試験結果を表2に示す。
模擬物として同族のハロゲンであるヨウ素を用いて試験
を行った。0.1M-NaI溶液30mlに分取した原料物を添加
し、25℃の恒温槽に7日間保持した。この液を0.45μm
のポアサイズであるメンブレンフィルターでろ過し、ろ
液をICP発光分析法により測定した。これらの測定結
果から、分配係数を求めた。試験結果を表2に示す。
【表2】
【0049】表2に示すように、アルミン酸カルシウム
に3CaO・Al2O3、CaO・Al2O3、CaO・2Al 2O3、CaO・6Al2O3の
いずれを用いても、従来のセメント系固型化材料に比べ
て1桁以上高い分配係数が得られることがわかる。
に3CaO・Al2O3、CaO・Al2O3、CaO・2Al 2O3、CaO・6Al2O3の
いずれを用いても、従来のセメント系固型化材料に比べ
て1桁以上高い分配係数が得られることがわかる。
【0050】実施例6 固相に実施例3で用いた材料を使用し、これから3g分取
した。溶液として塩化ナトリウム溶液にCl-36をスハ゜イクし
たものを用い、1.0E-5〜1.0Mの濃度のNaCl溶液30mlに分
取した粉砕物を添加し、室温で12日間保持した。この液
を0.45μmのポアサイズであるメンブレンフィルターで
ろ過し、ろ液を一部分取し、溶液中に含まれるCl-36を
液体シンチレーション検出器で測定した。これらの測定
結果から、分配係数を求めた。試験結果を図4に示す。
した。溶液として塩化ナトリウム溶液にCl-36をスハ゜イクし
たものを用い、1.0E-5〜1.0Mの濃度のNaCl溶液30mlに分
取した粉砕物を添加し、室温で12日間保持した。この液
を0.45μmのポアサイズであるメンブレンフィルターで
ろ過し、ろ液を一部分取し、溶液中に含まれるCl-36を
液体シンチレーション検出器で測定した。これらの測定
結果から、分配係数を求めた。試験結果を図4に示す。
【0051】図4から塩素濃度に対する吸着性能の変化
が確認でき、塩素濃度増大とともに分配係数の低下が確
認できる。本発明で得られた材料は、同一条件の普通ポ
ルトランドセメントの硬化物粉砕物の結果よりも10〜10
0倍以上の分配係数値が得られることがわかる。
が確認でき、塩素濃度増大とともに分配係数の低下が確
認できる。本発明で得られた材料は、同一条件の普通ポ
ルトランドセメントの硬化物粉砕物の結果よりも10〜10
0倍以上の分配係数値が得られることがわかる。
【0052】実施例7 固相に実施例3で用いた材料と普通ポルトランドセメン
トの硬化物粉砕物の混合物を用い、これから3g分取し
た。溶液として塩化ナトリウム溶液にCl-36をスハ゜イクした
ものを用い、1.0E-3M、1.0E-4Mの濃度のNaCl溶液30mlに
分取した試料を添加し、室温で12日間保持した。この液
を0.45μmのポアサイズであるメンブレンフィルターで
ろ過し、ろ液を一部分取し、溶液中に含まれるCl-36を
液体シンチレーション検出器で測定した。これらの測定
結果から、分配係数を求めた。試験結果を図5に示す。
トの硬化物粉砕物の混合物を用い、これから3g分取し
た。溶液として塩化ナトリウム溶液にCl-36をスハ゜イクした
ものを用い、1.0E-3M、1.0E-4Mの濃度のNaCl溶液30mlに
分取した試料を添加し、室温で12日間保持した。この液
を0.45μmのポアサイズであるメンブレンフィルターで
ろ過し、ろ液を一部分取し、溶液中に含まれるCl-36を
液体シンチレーション検出器で測定した。これらの測定
結果から、分配係数を求めた。試験結果を図5に示す。
【0053】図5から本発明による材料の添加量が多く
なるにつれて塩素の分配係数は増加する傾向が確認でき
る。即ち、本発明の材料をセメントの吸着材として用い
ることが可能で、本発明の材料を用いることで塩素吸着
性能が高いセメント材料を得ることが可能となる。
なるにつれて塩素の分配係数は増加する傾向が確認でき
る。即ち、本発明の材料をセメントの吸着材として用い
ることが可能で、本発明の材料を用いることで塩素吸着
性能が高いセメント材料を得ることが可能となる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、アルミナセメントとカ
ルシウム化合物を配合して固化することにより、特に放
射性塩素に対して吸着性に富んだ放射性廃棄物の硬化物
を容易に形成することができ、放射性塩素を長期的に安
定な化合物中に固定化することができる。また、この硬
化物を吸着材とすることにより、放射性ヨウ素を固定化
することができる。
ルシウム化合物を配合して固化することにより、特に放
射性塩素に対して吸着性に富んだ放射性廃棄物の硬化物
を容易に形成することができ、放射性塩素を長期的に安
定な化合物中に固定化することができる。また、この硬
化物を吸着材とすることにより、放射性ヨウ素を固定化
することができる。
【0055】
【図1】アルミナセメント濃度に対する塩素模擬元素
(ヨウ素)の分配係数を示した特性図。
(ヨウ素)の分配係数を示した特性図。
【図2】アルミナセメント硬化物の濃度に対する塩素模
擬元素(ヨウ素)の分配係数を示した特性図。
擬元素(ヨウ素)の分配係数を示した特性図。
【図3】アルミン酸カルシウム濃度に対する塩素模擬元
素(ヨウ素)の分配係数を示した特性図。
素(ヨウ素)の分配係数を示した特性図。
【図4】初期塩素濃度と塩素の分配係数の関係(塩素濃
度依存性)を示した特性図。
度依存性)を示した特性図。
【図5】吸着材添加量に対する塩素の分配係数を示した
特性図。
特性図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 28/06 C04B 28/08 28/08 G21F 9/16 521F G21F 9/16 521 (C04B 28/06 //(C04B 28/06 7:32 7:32 14:30 14:30 14:28 14:28 14:36) 14:36) B09B 3/00 ZAB (72)発明者 村田 栄一 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 金子 昌章 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 高橋 陵太 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 中嶋 淳 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 東芝エ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA50 AB09 CA04 CA15 CA34 CA45 CA47 CC03 CC11 CC13 DA03 DA10 4G012 PA11 PA13 PA14 PA20 PB09
Claims (11)
- 【請求項1】 重量%で、アルミナセメントが15から
70%、残部がカルシウム化合物からなることを特徴と
する放射性塩素の固定化材料。 - 【請求項2】 重量%で、アルミナセメントを予め硬化
させ粉砕したものが20から90%、残部がカルシウム
化合物からなることを特徴とする放射性塩素の固定化材
料。 - 【請求項3】 前記アルミナセメントはJIS規格の1
種、2種、3種、4種および5種から選ばれた少なくと
も1種からなることを特徴とする請求項1または2記載
の放射性塩素の固定化材料。 - 【請求項4】 重量%で、アルミン酸カルシウムが15
から60%、残部がカルシウム化合物からなることを特
徴とする放射性塩素の固定化材料。 - 【請求項5】 前記アルミン酸カルシウムは3CaO・Al
2O3、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3およびCaO・6Al2O3から選ば
れた少なくとも1種からなることを特徴とする請求項4
記載の放射性塩素の固定化材料。 - 【請求項6】 前記カルシウム化合物は、水酸化カルシ
ウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム(CaO)、炭酸カルシ
ウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、亜硫酸カル
シウム(CaSO3)および硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)か
ら選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請
求項1乃至5のいずれか1項記載の放射性塩素の固定化
材料。 - 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項記載の放
射性塩素の固定化材料をセメント系固化材料に重量%で
5%から70%添加してなることを特徴とする放射性塩素
の固定化材料。 - 【請求項8】 前記セメント系固化材料はポルトランド
セメントまたはポルトランドセメントと高炉スラグを混
合したものであることを特徴とする請求項7記載の放射
性塩素の固定化材料。 - 【請求項9】 溶液中の放射性塩素を、カルシウム化合
物およびアルミネート相鉱物と反応させ、モノサルフェ
ート型化合物(3CaO・Al2O3・CaCl2・mH2Oあるいは3CaO・Al
2O3・Ca(ClO3)2・mH2O)またはトリサルフェート型化合物
(3CaO・Al2O 3・3CaCl2・nH2Oあるいは3CaO・Al2O3・3Ca(ClO
3)2・nH2O)を形成することにより、放射性塩素を固定化
することを特徴とする放射性塩素の固定化方法。 - 【請求項10】 前記アルミネート相鉱物は、アルミン
酸カルシウム(CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、3CaO・Al2O3、4
CaO・Al2O3、CaO・6Al2O3)、アルミン酸カルシウム水和
物(3CaO・Al2O3・6H2O、CaO・Al2O3・10H2O、2CaO・Al2O3・8
H2O、3CaO・Al 2O3・12H2O、4CaO・Al2O3・19H2O、4CaO・Al2O
3・13H2O)およびα−アルミナ(Al2O3)から選ばれた少
なくとも1種からなることを特徴とする請求項9記載の
放射性塩素の固定化方法。 - 【請求項11】 前記カルシウム化合物は、水酸化カル
シウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム(CaO)、炭酸カル
シウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、亜硫酸カ
ルシウム(CaSO3)および硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)
から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする
請求項9または10記載の放射性塩素の固定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000324447A JP2002131482A (ja) | 2000-10-24 | 2000-10-24 | 放射性塩素の固定化材料およびその固定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000324447A JP2002131482A (ja) | 2000-10-24 | 2000-10-24 | 放射性塩素の固定化材料およびその固定化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002131482A true JP2002131482A (ja) | 2002-05-09 |
Family
ID=18801980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000324447A Withdrawn JP2002131482A (ja) | 2000-10-24 | 2000-10-24 | 放射性塩素の固定化材料およびその固定化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002131482A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007161494A (ja) * | 2005-12-09 | 2007-06-28 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメント混和材及びセメント組成物 |
JP2010002379A (ja) * | 2008-06-23 | 2010-01-07 | Toshiba Corp | 放射性廃棄物の処理材の作製方法、放射性廃棄物の処理方法及び放射性廃棄体の埋め戻し方法 |
CN113173588A (zh) * | 2021-05-21 | 2021-07-27 | 昆明理工大学 | 一种硫酸铵母液除氯的硫酸钙铝法 |
-
2000
- 2000-10-24 JP JP2000324447A patent/JP2002131482A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4509015B2 (ja) * | 2005-12-09 | 2010-07-21 | 電気化学工業株式会社 | セメント混和材及びセメント組成物 |
JP2010002379A (ja) * | 2008-06-23 | 2010-01-07 | Toshiba Corp | 放射性廃棄物の処理材の作製方法、放射性廃棄物の処理方法及び放射性廃棄体の埋め戻し方法 |
CN113173588A (zh) * | 2021-05-21 | 2021-07-27 | 昆明理工大学 | 一种硫酸铵母液除氯的硫酸钙铝法 |
CN113173588B (zh) * | 2021-05-21 | 2023-09-15 | 昆明理工大学 | 一种硫酸铵母液除氯的硫酸钙铝法 |
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