JP2002129521A - 鋼とコンクリ−トの境界部のシール構造 - Google Patents

鋼とコンクリ−トの境界部のシール構造

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JP2002129521A JP2000325093A JP2000325093A JP2002129521A JP 2002129521 A JP2002129521 A JP 2002129521A JP 2000325093 A JP2000325093 A JP 2000325093A JP 2000325093 A JP2000325093 A JP 2000325093A JP 2002129521 A JP2002129521 A JP 2002129521A
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Katsuaki Takeda
勝昭 武田
Katsuyoshi Nakanishi
克佳 中西
Katsumi Shomura
克身 正村
Shiro Miyata
志郎 宮田
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリ−トに包囲された鋼体を有す複合構
造物において、鋼とコンクリ−トの接合部の防食方法、
特に、コンクリートから露出した鋼体の外面とコンクリ
−トの表面との境界部におけるシール材に作用する力を
低減し、かつシール材自体が損傷し難く、さらに、コン
クリートの表面からの水分ないし塩分の浸透を防止する
ことができる、鋼とコンクリ−トの境界部のシール構造
を提供することを目的とする。 【解決手段】 コンクリートから露出した鋼体の外面と
コンクリ−トの表面との境界部に、弾性のある樹脂塗料
を塗装する。さらに、コンクリ−トの表面に含浸性塗料
を塗装した後、その上に弾性のある樹脂塗料を塗装す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリ−トに包囲さ
れた鋼体を有す複合構造物において、鋼とコンクリ−ト
の接合部の防食方法、特に、コンクリートから露出した
鋼体の外面とコンクリ−トの表面との境界部におけるシ
ール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼・コンクリ−ト複合構造物は、鋼とコ
ンクリ−トの長所を取り入れたもので、鋼構造物あるい
はコンクリ−ト構造物よりも合理的で、かつ低コストで
ある。鋼部およびコンクリ−ト部の防食は、各々の分野
における長年の研究開発の成果を活用して対策を講じら
れているものの、鋼とコンクリ−トの接合部の防食方
法、特に、コンクリートから露出した鋼体の外面とコン
クリ−トの表面との境界部においては、特別な防食上の
配慮が必要となる。
【0003】第3図は、プレビーム合成桁の省力化にお
いて開示された防食構造を示す説明図である(川田技法
Vol.18 1999)。図3において、ウエブコ
ンクリ−トを省略したプレビ−ム橋梁10であって、外
桁20は全体がコンクリート21で被覆され、中桁30
はそのウエブの下方のみコンクリート31で被覆されて
いる。その鋼部は、耐候性鋼材を用い、表面には安定化
処理32を施し、下フランジまでの十分な被り厚さを確
保してコンクリートが設置されている。
【0004】コンクリート31から露出したウエブの外
面とコンクリ−トの表面との境界部33にはシ−ル34
が施され、この境界部33に発生するひび割れ(界面の
隙間など)から水分、塩分が侵入するのを防いでいる。
これにより、鋼とコンクリ−トの境界部の防食を実現し
ようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、以下のような問題のため、コンクリ
ート中の鋼体にまで水分ないし塩分が侵入し、腐食が進
行している。従来のシール材は弾性がないため、また、
シール材の設置範囲が境界部に限定されているため、構
造物に荷重が作用した際の応力作用によって、鋼体とシ
ールの境界あるいはコンクリートとシールとの境界に働
く力が緩和されることがないため、該境界でシールが剥
がれるとの問題がある。また、シール部自体にも割れが
生じるとの問題がある。さらに、コンクリートの表面か
らも、水分ないし塩分が浸透するとの問題がある。
【0006】本発明は前記の問題を解決するためになさ
れたもので、シール材に作用する力を低減し、かつシー
ル材自体が損傷し難く、さらに、コンクリートの表面か
らの水分ないし塩分の浸透を防止することができる、鋼
とコンクリ−トの境界部のシール構造を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の、鋼とコンクリ−トの境界部のシール
構造は、以下のとおりである。 [1] その一部をコンクリ−トに包囲された鋼体を有
す複合構造物において、コンクリートから露出した鋼体
の外面とコンクリ−トの表面との境界部に、弾性のある
樹脂塗料を塗装することを特徴とするものである。 [2] 前記[1]において、コンクリ−トの表面に含
浸性塗料を塗装した後、その上に弾性のある樹脂塗料を
塗装したことを特徴とするものである。 [3] 前記[1]または[2]において、弾性のある
樹脂塗料の塗装範囲が、境界部を跨いでコンクリートか
ら露出した鋼体の外面の所定範囲とコンクリ−トの表面
の所定範囲を含む断面L字状であることを特徴とするも
のである。 [4] 前記[1]または[2]または[3]におい
て、複合構造物が断面H型の鋼製桁を有す橋梁であっ
て、該鋼製桁の下フランジのコンクリートから露出した
外面とコンクリ−トの表面との境界部にウレタンエラス
トマーを塗装することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は本発明に
係る鋼とコンクリ−トの境界部のシール構造の一実施の
形態を示す縦断面図である。図1において、ウエブコン
クリ−トを省略したプレビ−ム橋梁において、断面H型
の鋼体1には耐候性鋼材を用い、その表面に安定化処理
(カプテンコートMなど)を施している。またそのウエ
ブ11の下方は、下フランジ12までの十分な被り厚さ
(図1において距離A)を確保して、コンクリート2に
包囲されている。
【0009】そして、ウエブのコンクートから露出した
部分とコンクリートとの境界3を跨いで、断面L字状に
弾性のある樹脂塗料であるウレタンエラストマ−4が塗
装されている。この塗装範囲は、ウエブ11では10m
m程度(図1において距離B)で良い。また、コンクリ
−ト2の表面では、コンクリ−ト内に埋設されたウエブ
11およびフランジ12がコンクリ−ト表面から浸透し
てくる水分や塩分の影響を受けるのを防ぐために、コン
クリ−ト2の十分な被り厚さに相当する30mm程度
(図1において距離C)でよいが、特に飛来塩分の多い
地域に建設される場合には50mm程度が望ましい。な
お、コンクリート2の表面はあらかじめ滑面処理を施し
た後、塗装している。
【0010】したがって、ウレタンエラストマ−4は変
形能(破断歪)が約30%と大きいから、構造物に荷重
が作用した際の応力作用によって、鋼体との境界あるい
はコンクリートとの境界に働く力が緩和され、該境界で
剥がれることがない。また、ウレタンエラストマ−4自
体にも割れが生じることがない。したがって、鋼・コン
クリ−ト接合部に水分、塩分が侵入するのを防ぐことが
できる。
【0011】なお、本発明は弾性のある樹脂塗料をウレ
タンエラストマ−に限定するものではなく、本発明の趣
旨を満足するものである限り何れの樹脂塗料を用いても
よい。
【0012】[実施の形態2]図2は本発明に係る鋼と
コンクリ−トの境界部のシール構造の他の実施の形態を
示す縦断面図である。図2において、、ウエブコンクリ
−トを省略したプレビ−ム橋梁において、断面H型の鋼
体1には耐候性鋼材を用い、その表面に安定化処理を施
している。またそのウエブ11の下方は下フランジ12
までの十分な被り厚さ(図1において距離A)を確保し
て、コンクリート2に包囲されている。また、コンクリ
ート2の表面には、エポキシ樹脂プライマーなどの含浸
性塗料5が塗装されている。
【0013】そして、ウエブのコンクートから露出した
部分とコンクリートとの境界3を跨いで、断面L字状に
弾性のある樹脂塗料であるウレタンエラストマ−4が塗
装されている。ウレタンエラストマ−4の塗装範囲は、
ウエブ11では10mm程度(図1において距離B)で
良い。また、コンクリ−ト2の表面では、含浸性塗料
が、水分や塩分がコンクリ−ト表面から浸透してくるこ
とを防止するから、ウレタンエラストマ−4の塗装範囲
は前記実施の形態1の場合より狭くすることができる。
【0014】したがって、含浸性塗料5がコンクリ−ト
表面からの水分、塩分の浸透を遮断するから、ウレタン
エラストマ−のシール効果と相乗のシール効果を得るこ
とができる。
【0015】なお、本発明の含浸性塗料は、エポキシ樹
脂プライマーに限定するものではなく、例えば、ポリウ
レタン樹脂プライマー、アルキルシリケート、反応型シ
ラン系含材など、本発明の趣旨を満足するものである限
り何れの塗料を用いてもよい。
【0016】
【発明の効果】以上述べた本発明の鋼とコンクリ−トの
境界部のシール構造によれば、以下に示すような顕著な
効果が得られる。 (1)鋼とコンクリ−トの境界部に、弾性のある樹脂塗
料を塗装するから、境界で剥がれることがなく、また、
弾性のある樹脂塗料自体に割れが生じることがないた
め、鋼とコンクリ−トの接合部に水分、塩分が侵入する
ことをを防ぐことができる。 (2)鋼とコンクリ−トの境界部近傍のコンクリート表
面に含浸性塗料を塗装して、コンクリ−ト表面からの水
分、塩分の浸透を遮断するから、前記弾性のある樹脂塗
料のシール効果と相乗したシール効果を得ることができ
ため、さらに、鋼とコンクリ−トの接合部に水分、塩分
が侵入することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼とコンクリ−トの境界部のシー
ル構造の一実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係る鋼とコンクリ−トの境界部のシー
ル構造の他の実施の形態を示す縦断面図である。
【図3】従来のプレビーム合成桁の省力化において開示
された防食構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1 断面H型の鋼体 2 コンクリート 3 ウエブのコンクートから露出した部分とコンクリー
トとの境界 4 弾性のある樹脂塗料 5 含浸性塗料 11 ウエブ 12 下フランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正村 克身 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 宮田 志郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2D059 AA07 GG02 GG22 2E001 DH25 FA30 GA06 GA52 GA63 HD01 HD11 MA01 MA02 MA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その一部をコンクリ−トに包囲された鋼
    体を有す複合構造物において、コンクリートから露出し
    た鋼体の外面とコンクリ−トの表面との境界部に、弾性
    のある樹脂塗料を塗装することを特徴とする、鋼とコン
    クリ−トの境界部のシール構造。
  2. 【請求項2】 コンクリ−トの表面に含浸性塗料を塗装
    した後、その上に弾性のある樹脂塗料を塗装したことを
    特徴とする請求項1記載の、鋼とコンクリ−トの境界部
    のシール構造。
  3. 【請求項3】 弾性のある樹脂塗料の塗装範囲が、境界
    部を跨いでコンクリートから露出した鋼体の外面の所定
    範囲とコンクリ−トの表面の所定範囲を含む断面L字状
    であることを特徴とする請求項1または2記載の、鋼と
    コンクリ−トの境界部のシール構造。
  4. 【請求項4】 複合構造物が断面H型の鋼製桁を有す橋
    梁であって、該鋼製桁の下フランジのコンクリートから
    露出した外面とコンクリ−トの表面との境界部にウレタ
    ンエラストマーを塗装することを特徴とする請求項1ま
    たは2または3記載の、鋼とコンクリ−トの境界部のシ
    ール構造。
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