JP2002129132A - ポリサルホン系樹脂用接着剤 - Google Patents

ポリサルホン系樹脂用接着剤

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JP2002129132A
JP2002129132A JP2000332052A JP2000332052A JP2002129132A JP 2002129132 A JP2002129132 A JP 2002129132A JP 2000332052 A JP2000332052 A JP 2000332052A JP 2000332052 A JP2000332052 A JP 2000332052A JP 2002129132 A JP2002129132 A JP 2002129132A
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adhesive
ketone
polysulfone
polysulfone resin
acetophenone
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JP2000332052A
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Sachisuke Oba
祥右 大場
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SUNNY KOGYO KK
Original Assignee
SUNNY KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリ
エーテルサルホンなどのポリサルホン系樹脂を接着接合
するために用いられる接着剤、特に、ポリサルホン系樹
脂製のフェルール継手とパイプを接着接合するため最適
な接着剤を提供する。 【解決手段】 常温液体のケトンを、ポリサルホン系樹
脂用接着剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ポリサルホン、
ポリフェニルサルホン、ポリエーテルサルホンなどのポ
リサルホン系樹脂を接着接合するために用いられる接着
剤に関するものであって、より詳しくは、フェルール継
手とパイプを接着接合するために用いられるポリサルホ
ン系樹脂製フェルール継手用接着剤に関するもので、接
着剤又はプラスチック加工技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、飲料、医薬品、酪農、化学、バイ
オテクノロジーなどの多くの分野においては、流体移送
のための手段として、フェルール継手とパイプを用いた
サニタリー配管システムが採用されている。
【0003】このサニタリー配管システムは、I.D.
F.(国際酪農連盟)やI.S.O.(国際標準化機
構)などの規格に準拠して施工されるもので、洗浄ある
いは殺菌のために、必要に応じて分解されるものであ
る。
【0004】サニタリー配管システムに用いられる材料
としては、従来、ステンレスや塩化ビニル樹脂などが使
用されているが、これらの材料の内、例えば、ステンレ
スの場合は溶接による接続が基本であるので、溶接部が
組織変化して薬品による腐食や錆を生じ、配管内の流体
の組成変化、変質あるいは分解、さらには異物の混入な
どのおそれがある一方、塩化ビニル樹脂は耐熱性に劣
り、温度80℃以上の高温液体の移送や配管内面の薬品
洗浄、あるいは温湯や蒸気による洗浄には不適当である
という問題を有していた。
【0005】このような問題を解決するため、この発明
の発明者は、先にポリサルホン系樹脂をフェルール継手
やパイプに用いることを提案した(特開2000−21
3682号)。
【0006】前記の出願は、ポリサルホン系樹脂が透明
で耐熱性、耐蝕性や耐衝撃性に優れるため、配管内部の
流動状態や汚染状態を外部より容易に発見でき、洗浄や
殺菌などの時期を容易に把握することができ、効果的な
洗浄・殺菌を行うことができ、また、分解や組み立てが
容易であり、配管の分解による洗浄や殺菌の作業が簡単
であるという優れた効果を奏するものである。
【0007】この発明者は、さらに、先の提案におい
て、ポリサルホン系樹脂製のフェルール継手とパイプの
接合方法についても提案を行い、その中で接着剤を用い
ての接着接合方法についても提案し、その中で、発明者
は接着剤として、塩化メチレンやメチルピロリドンなど
を例示した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発明者
が先に提案した接着剤、塩化メチレンやメチルピロリド
ンは、ポリサルホン系樹脂の接着剤として優れたもので
あるが、サニタリー配管システムにおいては、高温(温
度80〜90℃)・高圧(10〜20kgf/cm2
という過酷な条件が採用されることがあるので、かゝる
過酷な条件に適応する能力にやや欠けるものであること
が見出された。
【0009】この発明はかゝる、現状に鑑み、高温高圧
のような過酷な条件下でも、ポリサルホン系樹脂の接着
剤として有効な接着剤を見出すべく研究を行った結果、
特定のケトン化合物が有効であることを見出してこの発
明を完成したのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明の請
求項1に記載の発明は、常温液体のケトンからなること
を特徴とするポリサルホン系樹脂用接着剤である。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、常温液体
の芳香族ケトン又は長鎖脂肪族ケトンからなることを特
徴とするポリサルホン系樹脂用接着剤である。
【0012】さらに、請求項3に記載の発明は、アセト
フェノンからなることを特徴とするポリサルホン系樹脂
用接着剤である。
【0013】さらにまた、請求項4に記載の発明は、前
記常温液体のケトンからなり、ポリサルホン系樹脂製フ
ェルール継手の接着に用いられることを特徴とするポリ
サルホン系樹脂製フェルール継手用接着剤である。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明は、常温液体のケトン
を、ポリサルホン系樹脂の接着に用いる接着剤とするも
のである。
【0015】接着剤の主成分である常温液体のケトン
は、メチルイソブチルケトンを始めとして、種々の化合
物が知られているが、この発明にとり好ましいものは、
メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−ヘプチルケ
トン、メチル−n−アミルケトンなどの長鎖脂肪族ケト
ンやメチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチル
アセトフェノンなどの芳香族ケトンであり、特に好まし
いものは、香料としての使用で食品添加物に容認されて
いるアセトフェノンである。
【0016】この発明の接着剤は、ポリサルホン系樹脂
の接着に有効なもので、前記ポリサルホン系樹脂として
は、ポリサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリエーテ
ルサルホンなどが挙げられる。
【0017】特にこの発明の接着剤は、ポリサルホン系
樹脂製のパイプとポリサルホン系樹脂を材質の一部とす
るフェルール継手のポリサルホン系樹脂製部材との接着
に適したもので、ポリサルホン系樹脂を用いたサニタリ
ー配管システムの形成に有効なものである。
【0018】この発明の接着剤を構成する、前記常温液
状のケトンは、その多くが溶剤として知られているが、
この発明における、それら化合物によるポリサルホン系
樹脂の接着も、溶着によるものと推測されるので、材質
がポリサルホン系樹脂である被着体の接着に際しては、
被着体の表面に、この発明の接着剤を塗布し、接着剤が
揮散する前に、他の被着体を重ね合わせ、適宜圧力を加
えることにより、被着体同士を接着することができる。
【0019】接着は溶剤でもあるケトンの大部分が揮散
することにより完了するので、ケトンが揮散し、接着力
が発揮されるようになるまで、被着体同士を圧着してお
くこと、すなわち養生が必要であり、被着体の形状に応
じて養生条件を実験的に求める必要がある。
【0020】例えば、この発明の接着剤の開発の目的で
あった、接着剤が揮散し難い被着体であるポリサルホン
系樹脂製のパイプと、ポリサルホン系樹脂製フェルール
継手の接着に際しては、接着剤の塗布されたパイプをフ
ェルール継手に差し込み、その状態を約30秒間固定
し、30秒間固定したものは、常温で1〜2週間放置
(養生)することにより、被着体同士が強固に接着され
る。
【0021】
【作用】この発明における常温液状のケトンには、溶剤
として知られているものもあるが、ポリサルホン系樹脂
に対しては、溶着作用を奏するに適した溶解力を有する
ことにより、ポリサルホン系樹脂からなる被着体を強固
に接着、しかも、高温高圧に耐える接着力で接着するこ
とを可能にするものと思われる。
【0022】
【実施例】以下、具体的な実施例に基づいて、この発明
の優れた効果を説明する。実施例1、比較例1 外観 (接着剤滴下試験) エチルアルコールで清浄にしたポリフェニルサルホン製
の板状試験片の表面に、アセトフェノン(実施例1)又
は塩化メチレン(比較例1)を滴下し常温にて自然乾燥
させた。両者共に、透明な仕上がりで、試験片の表面に
ヘアークラック、クレイジング、著しい溶解などの損傷
は発生しなかった。
【0023】接着強度(引張強度) 引張試験用ダンベル片(全長175mm、中心部幅10
mm)を二分し、一方の先端の表面1cm2にアセトフ
ェノン又は塩化メチレンを塗布し、他方の先端部分を重
ね合わせて2kg/cm2の荷重をかけて接着した。室
温で1週間以上養生した試験片を用いて引張試験機(温
度20℃×65%RH、引張速度10mm/min)で
接着強度を測定したところ、アセトフェノンの場合は1
2.4MPa/100mm2、塩化メチレンの場合は
9.2MPa/100mm2であった(n=2)。
【0024】常温耐圧試験 長さ300mmのポリフェニルサルホン製パイプの両端
に、アセトフェノン又は塩化メチレンを刷毛で塗布し、
両端ともサニタリー継手に素早く差し込み、そのまま約
30秒間保持した。接着したパイプと継手は常温で1〜
2週間養生した後、継手にテフロン(登録商標)製サニ
タリーパッキンを装着し、一方の継手には閉止継手を接
続し、他方の継手にはフェルールネジ付き継手を繋ぎ、
共にサニタリークランプにて締め付け固定した。フェル
ールネジ付き継手に手押ポンプ式加圧試験機を接続し、
パイプ内に水を封入し、手押ポンプ式加圧試験機にて水
圧を加えた。各圧力において、5分間維持し、その圧力
での水漏れの有無を目視で観察したところ、塩化メチレ
ンで接着したものは、10kgf/cm2で漏れ始め、
15kgf/cm2で接着部が剥離したが、アセトフェ
ノンで接着したものは35kgf/cm2の圧力にも耐
えるものであった。
【0025】高温耐圧試験 上記耐圧試験を温度90℃の水槽内で、パイプ内に封入
する水も温度90℃の熱水で行った。アセトフェノンで
接着したパイプ及び継手は、温度90℃の高温下におい
ても、35kgf/cm2の圧力に耐えるものであっ
た。
【0026】
【発明の効果】この発明の接着剤は、ポリサルホン系樹
脂の接着接合に適したもので、特にポリサルホン系樹脂
製パイプやフェルール継手を用いるサニタリー配管シス
テムにおいて、当該配管システムにおいて用いられるこ
とのある過酷な条件、例えば、高温(温度80〜90
℃)・高圧(10〜20kgf/cm2)という条件に
おいても、内容物を漏洩させることのない、ポリサルホ
ン系樹脂製パイプとフェルール継手の接着を可能とする
ものであり、サニタリー配管システムの有効性を著しく
向上させるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温液体のケトンからなることを特徴と
    するポリサルホン系樹脂用接着剤。
  2. 【請求項2】 前記ケトンが、 芳香族ケトン又は長鎖脂肪族ケトンであることを特徴と
    する請求項1に記載のポリサルホン系樹脂用接着剤。
  3. 【請求項3】 前記ケトンが、 アセトフェノンであることを特徴とする請求項1記載の
    ポリサルホン系樹脂用接着剤。
  4. 【請求項4】 前記常温液体のケトンからなり、ポリサ
    ルホン系樹脂製フェルール継手の接着に用いられること
    を特徴とするポリサルホン系樹脂用接着剤。
JP2000332052A 2000-10-31 2000-10-31 ポリサルホン系樹脂用接着剤 Pending JP2002129132A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114836161A (zh) * 2022-05-30 2022-08-02 郑春华 一种共混改性聚氨酯胶黏剂的制备工艺

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