JP2002122779A - 定倍率可変焦点結像方法および装置 - Google Patents

定倍率可変焦点結像方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焦点合わせを行って定位置に物体の像を結ば
せる結像方法および装置において、結像倍率を一定にし
て焦点合わせを行うことができる可変焦点結像方法およ
び装置を得る。 【解決手段】 収束レンズ2と焦点距離を変更できる曲
面鏡4により結像光学系を構成し、曲面鏡4の頂点が収
束レンズ2の像焦点に一致するように配置して、物体1
の像6が一定の位置に生ずるように、鏡面を変形させて
曲面鏡4の焦点距離を調整し、焦点合わせを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の監視システ
ム、交通計測システム、自動走行車、製品の外観形状を
自動検査する装置などの画像応用の分野で利用されるも
ので、各システムあるいは各装置が対象とする物体に焦
点を合わせてその像を得るための方法と装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】焦点合わせを行う方法は、一般のカメラ
に見られるように、物体の位置に応じてレンズを前後さ
せる方法がこれまで一般的であった。しかし、近年、微
細加工技術と微小アクチュエータ技術の適用により、透
明液体をガラスの薄板で挟んだ形状可変の、したがって
焦点距離可変のレンズが作製された。これを観察顕微鏡
の対物レンズに組み合わせて用い、眼の残像時間の間に
焦点距離を高速度で変化させ、奥行きのある物体の各部
に高速に順次焦点を合わせることによって、焦点深度の
深い、立体製品外観検査装置を実現しようとする研究が
報告されている(金子卓、大矢信之、川原伸章、可変焦
点レンズを用いた長焦点深度視覚機構、デンソーテクニ
カルレビュー、Vol.3、No.1、52頁乃至58
頁、1998)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】レンズを移動して焦点
を合わせる方法では、レンズの質量が大きいためTVカ
メラ画像の更新周期あるいは眼の残像時間に匹敵する3
0〜60Hz程度の高速の繰り返し焦点合わせ動作が困
難である。
【0004】一方、高速可変焦点レンズを用いる焦点合
わせ方法では、レンズの焦点距離が変わるため焦点を合
わせることはできても結像倍率も変化し、像の大きさが
変わる。このため、寸法や形状の測定を行う分野では、
得られた画像データの寸法補正を行う必要があり、画像
データの計算機処理に多大の時間を要し、高速化に不利
である。この問題を解決するには可変焦点レンズを焦点
合わせ位置に応じて移動させる必要があるが、これも高
速動作を必要とする分野では、これまでの焦点合わせ方
法と同様に実用的ではない。
【0005】本発明は、このような事情のもとでなされ
たものであって、奥行きをもつ立体に対して、テレビジ
ョン方式における画像取得速度と同様な高速度で、しか
も結像倍率を一定に保った状態で立体の各部に焦点合わ
せを行うことができるようにすることを発明の課題とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、収束レンズの物体焦点(前側焦
点とも言う)を基準として、この焦点から任意の距離に
物体を配置し、物体の各点から生じる光を前記収束レン
ズに入射させ、この収束レンズの出射光を収束レンズの
像焦点(後側焦点とも言う)に設置された結像機能を有
する焦点距離可変の鏡面に入射させる。このとき、焦点
を合わせる物体面の距離に応じて前記鏡面の焦点距離を
設定することによって、像が鏡面から一定の距離に生じ
るようにする。
【0007】焦点距離が可変の鏡面を含む可変焦点結像
光学系を上記のように構成し、焦点合わせを行うことに
よって、焦点を合わせる物体の位置に関わらず結像倍率
を一定にすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0009】図1は、本発明にかかる、定倍率で焦点合
わせを行い物体の像を得る方法と装置の構成を示すため
に、結像光学系の断面図を記号的に表現したものであ
る。1は焦点合わせの対象となる物体、2は収束レン
ズ、3は収束レンズ2により生ずる物体1の像、4は鏡
面の形状変化により焦点距離を変えることができる曲面
鏡、5は半透明の平面鏡、6は収束レンズ2と曲面鏡4
により得られる物体の像である。7は光学系の中心軸と
なる光軸である。Fは収束レンズ2の物体焦点である。
Oは半透明の平面鏡5の光軸7との交点、Mは曲面鏡4
の鏡面の頂点で光軸上にある。Sは物体像6の光軸上の
位置を示す。曲面鏡4は、その鏡面が入射光側から見て
凹面であれば、通常、凹面鏡と呼ばれ、凸面であれば凸
面鏡と呼ばれるもので、ここではこれらを総称して曲面
鏡と呼ぶこととする。また鏡面の曲率半径が無限大であ
れば通常の平面鏡と同一のものとなるが、ここでいう曲
面鏡は、その特別の形態として平面鏡を含むものとす
る。通常、光学では、凸面と凹面の向きを曲率半径の正
負に対応させ、符号つきの曲率半径を用いて、光軸近傍
の近軸領域における物体とその像の位置関係を示す鏡面
の結像式を導いている。従って、曲率半径の表現を用い
れば、曲面鏡4は、その近軸領域の鏡面の曲率半径の大
きさと正負により、曲率半径が有限の大きさで正のとき
は凸面鏡、負のときは凹面鏡、曲率半径が無限大のとき
は平面鏡である。
【0010】物体1が、収束レンズ2の物体空間(物空
間とも言う)において、物体焦点Fから距離pの位置に
あるとき、その像3は収束レンズ2の像焦点から距離q
の位置に生じ、その距離関係は、収束レンズ2の焦点距
離をfとすると、レンズの公式により一般にf/p=q
/fとして与えられる。ここで、記号/は除算を表して
いる。またp>0は焦点合わせ位置が物体焦点Fから前
方に、p<0は物体焦点Fから後方にあることを表す。
物体像3を形成する光は曲面鏡4により反射され、平面
鏡5により光路の変更を受けて最終的に物体像6を形成
する。平面鏡5は曲面鏡4の入射光と反射光を分離する
ために用いられている。従って、半透明の平面鏡5の代
わりに、曲面鏡4への入射光が著しく妨げられない程度
の大きさをもつ全反射鏡を用いてもよい。ここで曲面鏡
4の鏡面の近軸領域の曲率半径をR、この鏡面の頂点M
と収束レンズ2の中心(厳密には像主点)との間の距離
をd、この鏡面の頂点Mから平面鏡5の光軸点Oを経て
物体像6の位置Sに至る光路長をsとし、光軸近傍の近
軸光線を扱う近軸光学を適用すると、物体像6の位置S
を決定する曲面鏡4の結像式は、1/(d−f−q)+
1/s=−2/Rとして与えられる。そこで光路長sを
一定として、物体の焦点合わせ面の位置p(=f×f/
q)に応じて上式を満たすように曲面鏡4の曲率半径R
を設定することにより、定位置Sに物体像を結像させる
ことができる。このとき結像倍率mは、収束レンズ2の
結像倍率(−f)/pと曲面鏡4の結像倍率(−s)/
(d−f−q)の積から、m=(−s/f)/{1−
(d−f)/q}として与えられる。ここでd=fのと
き、すなわち曲面鏡4の鏡面の頂点Mを収束レンズ2の
像焦点に一致させることにより、結像倍率mは、物体位
置p(=f×f/q)に関わらず、一定値(−s)/f
とすることができる。負号は倒立像を示す。実際に、鏡
面の頂点Mと収束レンズ2の像焦点を一致させるときの
許容設定誤差は、結像倍率mの許容される変動量の限界
値で定められる。本発明では、一致させるとは、許容誤
差の範囲で一致させることを意味する。一定倍率の条件
として鏡面の頂点Mと収束レンズ2の像焦点が一致し、
d=fであるとき、焦点合わせのために、曲率半径Rは
2×q×s/(s−q)または2×f/{(p/f)−
(f/s)}で表される値に設定する。ここで、p×s
<f×fの関係が成立しているときは、曲率半径Rは負
の値となるので曲面鏡4は凹面鏡とし、p×s>f×f
の関係が成立しているときは、曲率半径Rは正の値とな
るので曲面鏡4は凸面鏡とし、p×s=f×fであれば
曲率半径Rは無限大になるので、曲面鏡4は平面鏡とす
る。さらに近軸光学によれば、曲面鏡4の結像作用を表
す焦点距離fmは、fm=−R/2で与えられる。そこ
で、この関係式を使い、一定の曲率半径で表現できる球
面鏡の外に、放物面鏡、双曲面鏡などの非球面鏡を含め
た曲面鏡を広く対象とするため、上記近軸領域の曲率半
径による焦点合わせ条件を焦点距離による焦点合わせ条
件に一般化して表現すると、定倍率で定位置に像を得る
ための焦点距離の設定値は、q×s/(q−s)または
f/{(f/s)−(p/f)}であるとすることがで
きる。
【0011】前記の第一の実施の形態では、曲面鏡4の
入射光と反射光を分離するために半透明の平面鏡5を用
いたが、曲面鏡4自身を収束レンズ2の光軸に対して傾
けることによって反射光の向きを変えることができる。
この場合の実施の形態を図2に示す。この第二の実施の
形態における本発明の作用は、曲面鏡4自身が平面鏡5
の作用を兼ねていることを除けば第一の実施の形態と同
様であり、半透明の平面鏡5がない分、光の透過損失が
少ない。しかし曲面鏡4を収束レンズ2の光軸に対して
傾けた場合、前記の近軸光学の適用範囲から大きくはず
れてくるため、像の品質を重視するときは、曲面鏡4の
鏡面に非球面による低収差設計を適用するとともに、収
差補正レンズを併用するなど収差の極小化を図る必要が
ある。
【0012】図1に示した発明の実施の形態では、物体
像6は曲面鏡4の頂点Mから有限の光路長sだけ隔たっ
たところに生じるとした。第三の実施の形態として、収
束レンズ2と曲面鏡4による物体像が無限遠に生じるよ
うにした実施の形態を図3について説明する。前記の結
像距離sと曲面鏡4の曲率半径Rの関係を与える関係式
で、結像距離sを無限大とし、曲面鏡4の鏡面の頂点が
収束レンズ2の像焦点位置にあってd=fとすると、収
束レンズ2と曲面鏡4による物体像を無限遠に生ずるよ
うにするために必要な曲率半径Rの値は、前記結像式か
ら2qまたは2×f×f/pとなる。また焦点距離fm
では、−qまたは−f×f/pに設定しなければならな
い。このとき焦点合わせを行う物体の位置が収束レンズ
2の物体焦点の前方にあればp>0であるので曲率半径
Rは正の値をとり、曲面鏡4は凸面鏡の形をなすことに
なる。逆に焦点を合わせる物体の位置が収束レンズ2の
物体焦点の後方にあればp<0であるので曲率半径Rは
負の値をとり、曲面鏡4は凹面鏡の形をなすことにな
る。図3で示した実施の形態は、前者の場合を示してい
る。図1で示した実施の形態との違いは、無限遠にでき
た物体の像を利用するために有限の距離内に再結像させ
る必要があり、収束レンズ8を加えて、その焦点面に物
体像6を得ている。この場合も、物体の位置pに関わら
ず、無限遠にできた像は収束レンズ8の焦点面の位置に
再結像していて、しかも結像倍率mは一定の値となり、
収束レンズ8の焦点距離をfrとすると、焦点距離の比
(−fr)/fとなる。
【0013】収束レンズ2と曲面鏡4による物体像が無
限遠に生じるようにした他の実施の形態を図4に示す。
この実施の形態は、図2に示した実施の形態に対応し、
図3に示した実施の形態との違いは、半透明鏡5を用い
る代わりに曲面鏡4自身によって光路変更を行うように
したものである。この場合も焦点合わせを行う位置pに
関わらず、物体像6を収束レンズ8の焦点面の位置に一
定倍率(−fr)/fで得ることができる。
【0014】これまで前記の実施の形態において、曲率
半径可変あるいは焦点距離可変の曲面鏡4の具体的な構
成については述べていないが、種々の構成で実現でき
る。例えば、空洞をもつ構造物(空洞構造物)の円形開
口を有する平坦な端面部をガラス薄板で覆い、そのガラ
ス薄板を円形開口の周辺部で固定して空洞内部を外部に
対して密閉し、空洞構造物内外の流体の圧力差により、
空洞の内外をしきるガラス薄板に弾性変形を起こさせ、
変形量に応じた曲率半径を有する鏡面を形成することが
できる。このとき、ガラス薄板の外側表面にアルミニウ
ム蒸着を施しておけばガラス薄板は高い反射率を示し、
本発明の実施に必要な焦点距離可変の曲面鏡4として利
用できる。変形させるためにガラス薄板に加える差圧を
作り出すには、空洞構造物内にシリコン油等の流体を導
入し、コンプレッサによる流体の加圧と電磁弁による流
体の流量制御を行って、外部の大気と空洞構造物内の流
体との間に差圧の変化ができるようにすればよい。
【0015】一方、近年進歩の著しい半導体微細加工技
術を適用すれば、流体による薄板の加圧変形に比べより
高速に動作する、軽量、小形の可変焦点距離の曲面鏡を
構成することができる。本発明の実施に有用な、半導体
微細加工技術を適用して製作した可変焦点距離曲面鏡の
例をその断面図により図5に示す。この技術は、平成元
年電気学会全国大会予稿集第6冊163頁から164頁
に掲載された、原田昌信、畑澤康善、佐藤一雄、藤田博
之および生駒俊明の研究報告(講演番号715、講演題
目「単結晶シリコン薄膜を用いた可変焦点凹面鏡」)に
より既に公知になっている。4aは焦点距離可変の凹面
鏡を構成するシリコン薄板で、単結晶シリコン基板9の
中央部をエッチングして形成した厚さ16乃至50ミク
ロン、直径10mm程度の円形の薄板である。光の反射
面には反射率を高めるためにアルミニウムの薄膜を蒸着
することができる。10はガラス基板で、曲面鏡を形成
するシリコン薄板4aに対向する位置にエッチングによ
り深さ30ミクロンの溝が掘られ、その底にはスパッタ
蒸着により電極11が形成されている。この電極11と
シリコン基板9の間に可変直流電源12により電圧を印
加すると、静電気力によりシリコン薄板4aが電極11
に引き付けられてたわみ、入射光13に対して焦点距離
が可変の凹面鏡となる。したがって、このシリコン薄板
4aは、図1と図2において説明した本発明の実施の形
態の構成要素として用いることができる。前記の原田昌
信、畑澤康善、佐藤一雄、藤田博之および生駒俊明の研
究報告によれば、40Vから400V程度の印加電圧に
よって焦点距離を0.1mから5m程度まで変化させる
ことができる。これは、収束レンズ2の焦点距離fおよ
び曲面鏡と結像位置Sとの間の光学長sをそれぞれ10
0mmとしたとき、物体位置p=0mmからp=98m
mまでに対して、定倍率で焦点合わせできることを意味
しており、工業製品の部品検査などに十分な焦点合わせ
範囲である。また江刺正喜、藤田博之、五十嵐伊勢美、
杉山進著「マイクロマシーニングとマイクロメカトロニ
クス」培風館、1992年発行、137頁に記載の報告
によれば、図5と同様な構造をもつシリコン薄板の印加
パルス電圧による変位動作の立上り時間は約1msで、
シリコン薄板による曲面鏡はテレビジョン方式における
30Hz乃至60Hzのフレーム周波数に十分追従でき
る高速動作性能を有している。
【0016】図3と図4の実施例では凸面鏡を必要とす
る。この場合の曲面鏡は、図5に示した曲面鏡に変更を
加えることにより実現可能である。すなわち図5に示し
た構造物を入射光の向きを逆向きにして使用すればよ
い。すなわち図6において、入射光13を、透明なガラ
ス基板14とその上に設けられた透明電極15を通過さ
せた後に、静電気力により引き付けられて変形し凸面鏡
を構成するシリコン薄板4bに入射させるようにして使
用すればよい。
【0017】なお、図5に示した構造物を図1および図
2に示した本発明の実施形態の曲面鏡4として、あるい
は図6に示した構造物を図3および図4に示した本発明
の実施形態の曲面鏡4として使用し、焦点合わせ動作を
させるためには、焦点合わせ位置に対応する変形をシリ
コン薄板に起こさせる電圧信号を送って可変直流電源1
2を制御する制御装置が必要になるが、これは通常の技
術をもってすれば直ちに実現できるので、ここでは説明
のため改めて図示することはしていない。
【0018】前記の実施の形態の説明においては対象を
物体としたが、他の光学装置により形成された光学像に
対しても本発明が適用できることは光学的に明らかであ
る。この場合、収束レンズ2の物体空間に生じる光学像
が、収束レンズ2と曲面鏡4により再結像され、再結像
倍率は光学像の焦点合わせ位置によらず一定となる。
【0019】また前記の実施の形態の説明で、収束レン
ズ2は、一般的には、複数のレンズの組合せからなる複
合レンズであり、また全体として単一の収束レンズと同
様な正の焦点距離をもつ、複数のレンズや鏡からなる、
より複雑な複合光学系であってもよい。このとき、曲面
鏡4の鏡面は、前記の実施の形態において述べたのと同
様に、複合光学系の像焦点に設置され、複合光学系の合
成焦点距離が前記の収束レンズ2の焦点距離fとして扱
われる。
【0020】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施されるとき、以下に記載されるような効果を奏する。
【0021】収束レンズの像焦点に曲面鏡の鏡面を設置
して焦点合わせを行うので、曲面鏡の曲率半径あるいは
焦点距離を制御することにより、像を得ようとする物体
の任意の位置に焦点を合わせることができると同時に、
物体の像を一定の倍率で得ることができる。
【0022】したがって、本発明の応用システムとし
て、焦点合わせされた物体の像をCCDカメラで受像
し、画像情報を計算機処理して物体の形状計測や形状欠
陥検査を行う画像計測システムにおいて、物体の位置に
よる像の大きさの変化を補正する必要がなく、物体の形
状計測を高速に効率良く行うことができる。また倍率補
正に伴う補正誤差の発生を避けることができるから、高
精度の形状計測を行うことができる。
【0023】また望遠レンズなど他の光学装置の像を対
象にして本発明を適用するとき、再結像倍率が一定で、
その像の形を歪ませることがないので、遠方にある物体
の計測や監視にも応用することができ、本発明によれ
ば、製造分野のみならず、交通計測、施設監視など産業
の多くの分野の画像応用システムにおいて、有用な定倍
率可変焦点結像方法および装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における定倍率可変焦点結像方法および
装置の光学系の実施形態を示す垂直断面図である。
【図2】本発明における定倍率可変焦点結像方法および
装置の光学系において、光路変更を平面鏡の代わりに曲
面鏡により行うようにした他の実施形態を示す垂直断面
図である。
【図3】本発明における定倍率可変焦点結像方法および
装置の光学系において、収束レンズによる像が無限遠に
生じるように構成した他の実施形態を示す垂直断面図で
ある。
【図4】収束レンズによる像が無限遠に生じるように構
成した本発明における定倍率可変焦点結像方法および装
置の光学系において、光路変更を平面鏡の代わりに曲面
鏡により行うようにした他の実施形態を示す垂直断面図
である。
【図5】印加する直流電圧により焦点距離を変えること
ができる曲面鏡で、特に凹面鏡を実現するのに適した曲
面鏡の垂直断面図である。
【図6】印加する直流電圧により焦点距離を変えること
ができる曲面鏡で、特に凸面鏡を実現するのに適した曲
面鏡の垂直断面図である。
【符号の説明】
1 焦点合わせの対象となる物体 2 収束レンズ 3 収束レンズ2により生ずる物体1の像 4 焦点距離を変えることができる曲面鏡 4a 可変焦点距離の凹面鏡を構成するシリコン薄板 4b 可変焦点距離の凸面鏡を構成するシリコン薄板 5 半透明の平面鏡 6 収束レンズ2と曲面鏡4により得られる物体の像 7 光学系の中心軸となる光軸 8 収束レンズ 9 単結晶シリコン基板 10 ガラス基板 11 電極 12 可変直流電源 13 入射光 14 透明なガラス基板 15 透明電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焦点合わせを行って定位置に物体の像を
    結ばせる結像方法であって、物体あるいは他の光学手段
    により得られた物体像を収束レンズの物体空間に配置
    し、鏡面の変形により焦点距離を変えることができる曲
    面鏡をその頂点が前記収束レンズの像焦点に一致するよ
    うに配置して、この曲面鏡の焦点距離を変化させて前記
    物体あるいは前記物体像に焦点を合わせることにより、
    一定の倍率で前記物体の結像あるいは前記物体像の再結
    像を行わせることを特徴とする、定倍率可変焦点結像方
    法。
  2. 【請求項2】 焦点合わせを行って定位置に物体の像を
    結ばせる結像装置であって、収束レンズと、この収束レ
    ンズの像焦点に頂点を一致させて配置した鏡面の変形に
    より焦点距離を変えることができる曲面鏡とを備え、こ
    の曲面鏡の焦点距離を変えることにより一定の倍率で焦
    点合わせを行えることを特徴とする、定倍率可変焦点結
    像装置。
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