JP2002111087A - 可撓性圧電素子とそれを用いた異常監視装置 - Google Patents

可撓性圧電素子とそれを用いた異常監視装置

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JP2002111087A
JP2002111087A JP2000300039A JP2000300039A JP2002111087A JP 2002111087 A JP2002111087 A JP 2002111087A JP 2000300039 A JP2000300039 A JP 2000300039A JP 2000300039 A JP2000300039 A JP 2000300039A JP 2002111087 A JP2002111087 A JP 2002111087A
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Yuko Fujii
優子 藤井
Takeshi Nagai
彪 長井
Shigetoshi Kanazawa
成寿 金澤
Masahiko Ito
雅彦 伊藤
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の可撓性圧電素子は、圧電素子周囲の温
度を別に設けた温度センサで管理しなければならない。 【解決手段】 高分子母材中21に圧電セラミック粉体
22を混入した複合圧電体シート23と、前記複合圧電
体シート23の両面に配置された可撓性電極24と、前
記両可撓性電極24に接続された出力電圧検知手段27
と、前記可撓性電極24の少なくとも一方の面に設けら
れた絶縁層25と、前記絶縁層25の表面に設けられた
シールド電極26と、前記複合圧電体シート23の静電
容量を検知する静電容量検知手段28とから可撓性圧電
素子を構成し、静電容量検知手段28で、複合圧電体シ
ート23の静電容量を測定して可撓性圧電素子の温度を
検出することができるため、温度検出も可能でかつ検知
精度の良い可撓性圧電素子を簡単な構成で実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性圧電素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、可撓性圧電素子としては、図11
に示すように高分子母材1と圧電セラミック粉体2とを
混合しシート状に成形後、この複合圧電体シート3表面
に電極4を設け、出力電圧検知手段5によって振動を検
知する。この際に、電極4としては分極処理によって付
与された圧電特性や高分子母材1の耐熱性等を考慮して
一般に銅、アルミニウム、金等の金属蒸着あるいは接着
剤により貼付した金属の箔電極が用いられている。
【0003】また、特開平5−102548号公報で
は、平板状複合圧電体3に金属を溶射した溶射電極を用
いた可撓性圧電素子が提案されている。
【0004】また、特開平9−254633号公報で
は、異常監視装置は図12に示すように人体センサ6と
限界温度スイッチ7と室内温度制御部8を設けており、
人体センサ6と限界温度スイッチ7は別々に構成されて
いる。特に人体センサ6はセンサ部9と、前記センサ部
9に伝送路10を介して高周波数信号を伝送する発振部
11と、センサ部9に供給された高周波信号がセンサ部
9で反射されて発振部11側に戻る反射信号を検出する
反射波センサ部12と検出された反射信号を取込んでデ
ータ処理する制御部13で構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
可撓性圧電素子では時間的に変化する圧力は検出できる
が温度を検出できないという課題を有していた。つまり
可撓性圧電素子の最高使用温度は80〜120℃程度で
あるがこの可撓性圧電素子が最高使用温度以上に放置さ
れる環境になった場合、その圧電性能が変化する。
【0006】このため、従来の可撓性圧電素子では、可
撓性圧電素子の周囲に断熱材を設けて使用温度の影響を
防ぐ必要があり複雑な構成となっていた。また、他の方
法として温度センサを別途に準備し、可撓性圧電素子の
温度を管理する方法がある。しかし温度センサで検出さ
れる温度は必ずしも可撓性圧電素子の温度と一致しない
という課題があった。
【0007】また、異常監視装置は人体センサと限界温
度スイッチと室内温度制御部が別々の構成となっている
ため複雑な構成となっていた。さらに人体センサは、反
射波を検知する方式であるため、人体の有無、大小は検
知できるが微小振動を検知して得られる呼吸、心拍等の
人体情報を検知できるものではなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、高分子母材中に圧電セラミック粉体を混
入した複合圧電体シートと、前記複合圧電体シートの両
面に配置された可撓性電極と、前記両可撓性電極に接続
された出力電圧検知手段と、前記可撓性電極の少なくと
も一方の面に設けられた絶縁層と、前記絶縁層の表面に
設けられたシールド電極と、前記複合圧電体シートの静
電容量を検知する静電容量検知手段とからなる可撓性圧
電素子である。
【0009】上記発明によれば、複合圧電体シートに圧
力が印加されたとき、圧電効果によって複合圧電体シー
トに電圧が発生するため、この複合圧電体シートの両面
に配置された可撓性電極間に発生する出力電圧を出力電
圧検知手段によって検出することにより圧力検知をす
る。また、静電容量検知手段で、複合圧電体シートの静
電容量を測定して可撓性圧電素子の温度を検出すること
ができるため、温度センサを特別に準備する必要がな
い。このため、温度検出も可能な可撓性圧電素子を簡単
な構成で実現できる。
【0010】さらに、可撓性電極上に設けた絶縁層とシ
ールド電極によって外部ノイズを除去できるため、精度
の良い出力を得ることが可能となるうえ、可撓性電極表
面の汚れや劣化を抑制することが可能となる。この結
果、可撓性電極の信頼性も向上するとともに、複合圧電
体シートの静電容量検知や出力電圧の検知精度も向上す
る。
【0011】また、可撓性圧電素子を用いた異常監視装
置は、可撓性圧電素子と、可撓性圧電素子の出力電圧検
知手段の出力結果に基づいて人体情報を検知する人体情
報検知手段と、前記人体情報検知手段と静電容量検知手
段の出力結果に基づいて警報を発生する警報手段とを設
けた異常監視装置である。
【0012】そして、人体情報検知手段によって人体の
有無を検知しかつ、静電容量検知手段の結果に基づいて
温度を検知することができるので、異常温度に達した場
合は警報手段で警報を発するため熱死等の熱害を防止で
きる。さらに、可撓性圧電素子のみで振動と温度を検知
できるため、簡単な構成で異常監視装置を構成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するために請求項
1の発明は、高分子母材中に圧電セラミック粉体を混入
した複合圧電体シートと、前記複合圧電体シートの両面
に配置された可撓性電極と、前記両可撓性電極に接続さ
れた出力電圧検知手段と、前記可撓性電極の少なくとも
一方の面に設けられた絶縁層と、前記絶縁層の表面に設
けられたシールド電極と、前記複合圧電体シートの静電
容量を検知する静電容量検知手段とからなる可撓性圧電
素子である。
【0014】そして、温度センサを別に準備する必要が
ないので簡素な構成で圧力と温度の両者を検知できる可
撓性圧電素子を提供できるうえ、シールド電極を設けて
外部ノイズを除去できるので精度良く出力電圧を検知す
ることができるとともに信頼性が向上する。
【0015】請求項2記載の発明は、静電容量検知手段
によって絶縁層の静電容量を検知する構成とした可撓性
圧電素子である。
【0016】そして、静電容量検知手段によって絶縁層
の静電容量を検知することによって可撓性圧電素子の温
度を簡単な構成で検知することができる。さらに絶縁層
の材質を選択することによって温度検知精度も容易に調
節可能となる。
【0017】請求項3記載の発明は、静電容量検知手段
の出力結果に基づいて静電容量値を温度に換算する温度
検出手段を接続してなる可撓性圧電素子である。
【0018】そして、静電容量検知手段により検出され
た容量値は、温度検出手段により温度に換算されるので
容易に温度を直読できる。
【0019】請求項4記載の発明は、静電容量検出手段
の検出結果に基づいて、出力電圧検知手段を補正する補
正手段を設けた可撓性圧電素子である。
【0020】そして、出力電圧検知手段からの出力結果
を温度補正することによって、温度特性の影響を取り除
くことができるため、高精度な圧力変化が検知可能とな
る。
【0021】請求項5記載の発明は、高分子母材を塩素
化ポリエチレンで構成した可撓性圧電素子である。
【0022】そして、塩素化ポリエチレンは優れた耐熱
性と優れた可撓性を有するのでこれらの特性を兼ね備え
た平板状複合圧電体が得られる。
【0023】請求項6記載の発明は、圧電セラミック粉
体をチタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体で構成した可撓
性圧電素子である。
【0024】そして、チタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶
体の圧電セラミック粉体は工業的に多量に利用されてい
るので、安価であり、入手も容易であるため、高感度で
安価な可撓性圧電素子が提供できる。
【0025】請求項7記載の発明は、圧電セラミック粉
体をチタン酸鉛で構成した可撓性圧電素子である。
【0026】そして、チタン酸鉛の誘電率は、チタン酸
鉛とジルコン酸鉛の固溶体の誘電率よりも小さいので、
圧電セラミック粉体の誘電率を小さくできるため、分極
処理が容易になり、簡単に高感度な可撓性圧電素子が提
供できる。
【0027】請求項8記載の発明は、絶縁層の膜厚を複
合圧電体シートの膜厚以下で構成した可撓性圧電素子。
【0028】そして、絶縁層の膜厚を複合圧電体シート
の膜厚以下で構成することにより、振動が複合圧電体シ
ートに伝達され易いので、より高い出力電圧が得られ検
知精度が向上する。
【0029】請求項9記載の発明は、可撓性圧電素子
と、可撓性圧電素子の出力電圧検知手段の出力結果に基
づいて人体情報を検出する人体情報検知手段と、前記人
体情報検知手段と可撓性圧電素子の静電容量検知手段の
出力結果に基づいて警報を発生する警報手段とを設けた
異常監視装置である。
【0030】そして、人体情報検知手段によって人体の
有無を検知しかつ、静電容量検知手段の結果に基づいて
温度を検知することができるので、異常温度に達した場
合は警報手段で警報を発するため熱死等の熱害を防止で
きる。さらに、可撓性圧電素子のみで振動と温度を検知
できるため、簡単な構成で異常監視装置を構成できる。
【0031】請求項10記載の発明は、人体情報検知手
段と静電容量検知手段の出力結果に基づいて温度を制御
する温度制御手段を設けた異常監視装置である。
【0032】そして、人体情報検知手段によって人体の
有無を検知しかつ、静電容量検知手段の結果に基づいて
温度を検知することができるので、人が存在しているに
も関わらず温度が高い場合には空調制御手段によって温
度制御することができ、熱死等の熱害を防止できる。
【0033】請求項11記載の発明は、人体情報検知手
段を呼吸と心拍の少なくとも1つの人体情報を検知する
異常監視装置である。
【0034】そして、人体情報検知手段で人体の呼吸、
心拍数を検知することができるので温度によって間接的
に人体異常を検知するのではなく、直接人体への異常を
検知することが可能となるため精度良い異常監視装置を
実現できる。
【0035】請求項12記載の発明は、人体情報検知手
段の結果が予め設定された設定値の範囲外であれば異常
と判断し、緊急通報する通報手段を設けた異常監視装置
である。
【0036】そして、人体に異常が発生した場合には通
報手段により、即座に無線などで緊急通報することがで
きるため、より人体の安全を管理することが可能とな
る。
【0037】
【実施例】以下、本説明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0038】(実施例1)図1は本発明の実施例1にお
ける可撓性圧電素子の断面図である。この可撓性圧電素
子は高分子母材21中に圧電セラミック粉体22を、オ
ープンロール装置で混合して均一に分散させた後、熱プ
レス装置により平板金型で厚さ0.2mmのシートに成形
して、複合圧電体23を得た。この複合圧電体シート2
3の両面に平板状金型を使用して熱プレスにより、複合
圧電体シート23と可撓性電極24を熱圧着した。本実
施例では可撓性電極24として塩素化ポリエチレンにカ
ーボンを混入したカーボン電極を使用した。
【0039】次に圧電特性を付与するために、可撓性電
極24間に直流高電圧を印加して圧電セラミック粉体2
2を分極した。
【0040】以上の可撓性圧電素子構成の中で、高分子
母材21に塩素化ポリエチレン、圧電セラミック粉体2
2にチタン酸ジルコン酸鉛を用いた。高分子母材21と
してエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレン樹脂、
塩素化ポリエチレン樹脂などが用いられるが、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂の耐熱性は(60〜80℃)程度で
あるのに対し、塩素化ポリエチレンは、120℃の高耐
熱を有する点で優れている。また、塩素化ポリエチレン
は分子量や結晶化度等を適切に選ぶことにより、加硫無
しでも上記高耐熱性を実現できる点で有効である。ま
た、塩素化ポリエチレンは可撓性に優れるため、外力に
よる電極剥離等が抑制され、信頼性及び感度が高い。ま
た、圧電セラミック粉体22の材質は、チタン酸鉛とジ
ルコン酸鉛の固溶体であることが望ましい。この組成の
圧電セラミックは電子部品用セラミックとして工業的に
多量に実用されているので、安価であり入手も容易であ
る。
【0041】また、チタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体
以外にも圧電セラミック粉体22の材質としてチタン酸
鉛も好ましい。チタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体の比
誘電率はおよそ(800〜3000)程度の大きな値で
あるが、チタン酸鉛の比誘電率は(200〜300)程
度の小さな値である。この場合、圧電セラミック粉体2
2と可撓性電極24の間に高分子母材21に起因する静
電容量は、圧電セラミック粉体22に起因する静電容量
と同程度にできる。従って、圧電セラミック粉体22の
分極が容易にできる。
【0042】上記複合圧電体シート23の可撓性電極2
4の上面に絶縁層25を設け、この絶縁層25の上面に
シールド電極26を設けて可撓性圧電素子を構成する。
このシールド電極26は複合圧電体シート23及び可撓
性電極24を覆うように構成しアースに接続することに
よって外部のノイズを除去する。
【0043】本実施例において絶縁層25は200μm
のPETフィルムを使用した。可撓性圧電素子の出力電
圧は可撓性圧電素子の一部あるいは全面に時間的に変化
する圧力が印加されたとき、その部分の圧電素子に生じ
る加速度に応じた振動電圧が可撓性電極24に誘起さ
れ、この振動電圧は複合圧電体シート23の両面に設け
た可撓性電極24に接続された出力電圧検知手段27に
より検出される。この振動電圧を用いて、時間的に変化
する圧力を検知する。
【0044】他方、複合圧電体シート23の温度は可撓
性電極24間の複合圧電体シート23の静電容量を静電
容量検知手段28によって検知することで検出できる。
つまり、図2に示すように、複合圧電体シート23はそ
の構成材料特有の静電容量の温度特性を示すので、検出
された静電容量から温度を求めることが可能となる。
【0045】本実施例では高分子母材21として塩素化
ポリエチレン、圧電セラミック粉末22としてチタン酸
鉛とジルコン酸鉛の固溶体を使用し、この時の静電容量
の温度特性は約−1800ppm/℃であった。この静電
容量から、温度を求めるには、この静電容量の温度特性
を参照する必要がある。しかし、その都度参照する事は
煩雑な作業であるので、図3に示すように静電容量温度
特性に基づき、静電容量を温度に換算する温度換算手段
29を静電容量検知段28に接続することが望ましい。
これにより温度を直読できる。
【0046】また、図2に示すように複合圧電体シート
23は温度上昇に伴って静電容量は低下する。この複合
圧電体シート23は可撓性電極24を介することで、外
力の印加によって電荷を発生する。この電荷発生量Qは
外力量によって定まるが、出力電圧Vは複合圧電体シー
ト23自身の静電容量をCとすると、V=Q/Cの関係
式で定まり、出力電圧Vは静電容量Cに依存する。この
ため、静電容量Cが小さいほど出力電圧Vは大きくなり
見かけ上の感度は高くなるが、逆に温度が低下すること
によって複合圧電体シート23の静電容量は増加する。
この結果、感度は低下してしまう。このため、図4に示
すように複合圧電体シート23の温度を検知し、出力電
圧検知手段27の出力結果を補正する補正手段30を設
けることによって温度に依存しない信頼性の高い出力感
度を得ることが可能となる。
【0047】このように本発明の実施例1の構成は、温
度と圧力を同時に検出することができるため簡単な構成
となる。さらに温度を検知することによって出力電圧を
補正することができるので、信頼性の高い可撓性圧電素
子を実現できる。また、絶縁層25とシールド電極26
を設けることによって外部ノイズを除去できるため圧力
などの振動検知の精度が向上するうえ、可撓性電極23
の表面保護の役割を果たすため信頼性も向上する。
【0048】なお、本実施例において絶縁層25を可撓
性電極24の両面に設けたが、片面のみに設けもう一方
の可撓性電極24と絶縁層25の上面に設けたシールド
電極26とを同電位としてアースに接続することによっ
ても同様の効果が得られる。
【0049】(実施例2)図5は本発明実施例2の可撓
性圧電素子の構成図である。本実施例2において、実施
例1と異なる点は静電容量検知手段28が絶縁層25の
静電容量を検知する構成とした点である。本実施例の絶
縁層25の静電容量を検知する方式においても可撓性圧
電素子の温度を検知することができるので実施例1と同
様の効果が得られた。とくに、絶縁層25は絶縁材料で
あれば良いため材料選択の幅が広がる。このため、絶縁
層25の温度特性を考慮した材料選択を行なうことによ
って温度検知精度も調節可能となる。また、絶縁層25
は膜厚に関係なくノイズ除去に有効であったが、出力電
圧の大きさに変化が見られた。図6に複合圧電体シート
23の厚みと絶縁層25の膜厚比率(絶縁層25/複合
圧電体シート23)と出力電圧の関係を示す。この出力
電圧は一定圧力を約1Hz周期に印加した時の出力電圧検
知手段27により検出された電圧である。絶縁層25の
膜厚は約25〜190μm、複合圧電体シート23は約
190〜400μmまで変化させた。この結果、絶縁層
25の膜厚と複合圧電体シート23との膜厚比は1以
下、つまり絶縁層25の膜厚は複合圧電体シート23以
下が望ましいことが解る。これは絶縁層25が複合圧電
体シート23よりも膜厚が大きくなると、振動の電圧が
抑制されるためである。
【0050】(実施例3)図7は本発明実施例3の可撓
性圧電素子の構成図である。本実施例3において、実施
例1と異なる点は異常監視装置として実施例1で記載し
た可撓性圧電素子を用いた点である。
【0051】なお、実施例1と同一符号のものは同一構
造を有し、説明は省略する。
【0052】本発明の異常監視装置は高分子母材中21
に圧電セラミック粉体22を混入した複合圧電体シート
23と、前記複合圧電体シート23の両面に配置された
可撓性電極24と、前記両可撓性電極24に接続された
出力電圧検知手段27と、前記両可撓性電極24に接続
され前記複合圧電体シート23の静電容量を検出する静
電容量検知手段28とからなる可撓性圧電素子31と、
前記可撓性圧電素子31の出力電圧検知手段27の出力
結果に基づいて人体情報を検出する人体情報検知手段3
2と、前記人体情報検知手段32と前記可撓性圧電素子
31の静電容量検知手段28の出力結果に基づいて警報
を発生する警報手段33とを備えている。
【0053】次に動作、作用を説明すると可撓性圧電素
子31の出力電圧検知手段27の出力信号は人体情報を
検知する人体情報検知手段32に送られる。この人体情
報検知手段32は出力電圧検知手段27によって得られ
る振動圧を人体情報として検知する。人が存在する場合
では体動等による振動で、出力電圧検知手段27になん
らかの信号が得られるが、物体の場合には動きが無いた
めに、出力電圧検知手段27にはまったく信号が得られ
ない。この振動圧の有無によって人であるか物であるか
を区別することが可能となる。この人体情報検知手段3
2によって人の存在を検知しているにも関わらず、静電
容量検知手段28の結果によって温度が規定温度範囲外
になった場合には熱死等の熱害の危険性があるため警報
手段33を駆動させる。この結果、危険な状態を容易に
周囲に知らせることが可能となり人体の安全を確保でき
る。
【0054】(実施例4)図8は本発明実施例4の可撓
性圧電素子の構成図である。本実施例4において、実施
例2と異なる点は人体情報検知手段32と静電容量検知
手段28の出力結果に基づいて、温度制御する温度制御
手段34を設けた点である。
【0055】なお、実施例1と同一符号のものは同一構
造を有し、説明は省略する。
【0056】次に動作、作用を説明すると、可撓性圧電
素子31の出力電圧検知手段27の出力信号は人体情報
を検知する人体情報検知手段32に送られる。この人体
情報検知手段32は出力電圧検知手段27によって得ら
れる振動圧を人体情報として検知する。人が存在する場
合では体動等による振動で、出力電圧検知手段27にな
んらかの信号が得られるが、物体の場合には動きが無い
ために、出力電圧検知手段27にはまったく信号が得ら
れない。この振動圧の有無によって人であるか物である
かを区別することが可能となる。この人体情報検知手段
32によって人の存在を検知しているにも関わらず、静
電容量検知手段28の結果によって温度が規定の温度範
囲外になった場合には熱死等の熱害の危険性があるた
め、温度制御手段34により温度を規定値以下になるよ
う温度制御する。この結果、熱害などの危険な状態を避
けることができ人体の安全を確保できる。また、規定の
温度範囲を狭く設定にすることで、人が存在する場合の
み、快適な空調制御が可能となる。
【0057】(実施例5)図9は本発明実施例5の可撓
性圧電素子の構成図である。本実施例5において、実施
例2及び3と異なる点は人体情報検知手段32が人体の
有無だけでなく、呼吸、心拍の少なくとも1つを検知
し、これらが既定値からはずれた場合には人体異常と判
断し通報する通報手段35設けた点である。
【0058】なお、実施例1と同一符号のものは同一構
造を有し、説明は省略する。
【0059】本構成の可撓性圧電素子31は実施例2〜
4で記載したように、体動による振動検知で人体の有無
を検知したが、より詳細な人体情報も同時に得ることが
できる。図10(a)、図10(b)に出力電圧検知手
段27の出力信号を示した。ここで図10(a)は呼
吸、図10(b)は心拍に相当するものである。この出
力電圧検知手段27の出力信号は、人体の心臓の活動や
呼吸活動により伝搬される身体の微小な体動により得ら
れるものであり、人体情報検知手段32によって出力信
号を各々呼吸、心拍に適切なフィルタを選択し処理する
ことで図10(a)呼吸、図10(b)心拍が検知可能
となる。
【0060】この結果、人体情報検知手段32によって
呼吸や心拍等の人体情報を検知し熱害等による人体の異
変を呼吸数や心拍数の変化により、即座に検知すること
が可能となる。また異常検知した場合には図9に示した
通報手段35によって適切なサービス機関や施設等に通
報することにより、異常時においても早急な対応が可能
となるので信頼性の高い異常監視装置を提供できる。ま
た、静電容量検知手段28の出力結果が設定温度範囲内
であっても人体情報検知手段32の出力が異常であれ
ば、熱害等が主要因ではない他の要因での人体の異常と
判断し、この場合も同様に通報手段35によって適切な
サービス機関や施設等に通報する。
【0061】この結果、より信頼性の高い異常監視装置
を提供することができる。
【0062】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、本発明
によれば、静電容量検知手段で、複合圧電体シートの静
電容量を検知することで可撓性圧電素子の温度を検知す
ることができるため、温度検知可能な可撓性圧電素子を
簡単な構成で実現できるうえ、シールド電極と絶縁層を
備えることにより振動検知精度及び可撓性圧電素子自身
の信頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における可撓性圧電素子の断
面図と出力電圧と温度検出するための構成図
【図2】本発明の静電容量の温度特性を示す特性図
【図3】同可撓性圧電素子の断面図と温度換算するため
の構成図
【図4】同可撓性圧電素子の断面図と温度補正するため
の構成図
【図5】本発明の実施例2における可撓性圧電素子の断
面図と出力電圧と温度検出するための構成図
【図6】本発明の絶縁層と複合圧電体シートの膜厚比と
出力電圧の関係を示す特性図
【図7】本発明の実施例3における可撓性圧電素子の断
面図と異常監視装置の構成図
【図8】本発明の実施例4における可撓性圧電素子の断
面図と異常監視装置の構成図
【図9】本発明の実施例5における可撓性圧電素子の断
面図と異常監視装置の構成図
【図10】(a)人体情報検知手段における検知時間と
出力電圧(呼吸成分)の特製図(b)人体情報検知手段
における検知時間と出力電圧(心拍成分)の特製図
【図11】従来の可撓性圧電素子の断面図
【図12】従来の異常監視装置の構成図
【符号の説明】
1 高分子母材 2 圧電セラミック粉体 3 複合圧電体シート 4 可撓性電極 5 出力電圧検知手段 6 人体センサ部 7 限界温度スイッチ 8 室内温度制御部 9 センサ部 10 伝送部 11 発振部 12 反射波センサ部 13 制御部 21 高分子母材 22 圧電体セラミック粉体 23 複合圧電体シート 24 可撓性電極 25 絶縁層 26 シールド電極 27 出力電圧検知手段 28 静電容量検知手段 29 温度換算手段 30 補正手段 31 可撓性圧電素子 32 人体情報検知手段 33 警報手段 34 温度制御手段 35 通報手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金澤 成寿 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 伊藤 雅彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子母材中に圧電セラミック粉体を混
    入した複合圧電体シートと、前記複合圧電体シートの両
    面に配置された可撓性電極と、前記両可撓性電極に接続
    された出力電圧検知手段と、前記可撓性電極の少なくと
    も一方の面に設けられた絶縁層と、前記絶縁層の表面に
    設けられたシールド電極と、前記複合圧電体シートの静
    電容量を検知する静電容量検知手段とからなる可撓性圧
    電素子。
  2. 【請求項2】 静電容量検知手段は絶縁層の静電容量を
    検知する請求項1記載の可撓性圧電素子。
  3. 【請求項3】 静電容量検知手段の出力結果に基づいて
    温度を換算する温度換算手段を設けた請求項1または2
    記載の可撓性圧電素子。
  4. 【請求項4】 静電容量検知手段の検出結果に基づい
    て、出力電圧検知手段を補正する補正手段を設けた請求
    項1または2記載の可撓性圧電素子。
  5. 【請求項5】 高分子母材が塩素化ポリエチレンである
    請求項1または2記載の可撓性圧電素子。
  6. 【請求項6】 圧電セラミック粉体がチタン酸鉛とジル
    コン酸鉛の固溶体である請求項1または2記載の可撓性
    圧電素子。
  7. 【請求項7】 圧電セラミック粉体がチタン酸鉛である
    請求項1または2記載の可撓性圧電素子。
  8. 【請求項8】 絶縁層の膜厚を複合圧電体シートの膜厚
    以下にする請求項1または2記載の可撓性圧電素子。
  9. 【請求項9】 可撓性圧電素子と、前記可撓性圧電素子
    の出力電圧検知手段の出力結果に基づいて人体情報を検
    知する人体情報検知手段と、前記人体情報検知手段の出
    力結果と前記可撓性圧電素子の静電容量検知手段の結果
    に基づいて警報を発生する警報手段とを設けた請求項1
    ないし8のいずれか1項記載の異常監視装置。
  10. 【請求項10】 人体情報検知手段と静電容量検知手段
    の出力結果に基づいて温度を制御する温度制御手段を設
    けた請求項9記載の異常監視装置。
  11. 【請求項11】 人体情報検知手段は呼吸と心拍の少な
    くとも1つを検知する請求項9または10項記載の異常
    監視装置。
  12. 【請求項12】 人体情報検知手段の結果が予め設定さ
    れた設定値の範囲外であれば異常と判断し緊急通報する
    通報手段を設けた請求項9ないし11のいずれか1項記
    載の異常監視装置。
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