JP2002109207A - ポートフォリオのVaR計測システム - Google Patents

ポートフォリオのVaR計測システム

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JP2002109207A
JP2002109207A JP2000295786A JP2000295786A JP2002109207A JP 2002109207 A JP2002109207 A JP 2002109207A JP 2000295786 A JP2000295786 A JP 2000295786A JP 2000295786 A JP2000295786 A JP 2000295786A JP 2002109207 A JP2002109207 A JP 2002109207A
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Akihisa Mikami
陽久 三上
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NISSAY ASSET MANAGEMENT CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的長期間のポートフォリオのリスク管理
で、VaRの測定誤差が少なく、様々な角度からの分析
を行えるVaR計測システムを提供する。 【解決手段】 ポートフォリオを構成する各資産毎の過
去におけるベンチマークの収益率と、ポートフォリオの
資産構成比と、前記過去のベンチマークからリスクおよ
び相関係数を計測し、ポートフォリオのVaRを算出す
るプログラム一式を、投資情報提供側装置からインター
ネットを介してクライアント側装置にダウンロードし、
ダウンロード後のプログラムに対するクライアント側装
置からの、ポートフォリオの資産構成比の入力と、該ポ
ートフォリオの期待収益率の入力とに応じて、前記クラ
イアント側装置でVaR計測の結果を得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、年金ポートフォリ
オのVaR計測システムに関し、特に比較的長期間のポ
ートフォリオのリスクを管理する場合に、VaRの測定
誤差が少なく、また、様々な角度からの分析を行えるV
aR計測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、公的年金(厚生年金)に上乗せ
するかたちで、企業等が従業員の福利厚生のために用意
している企業年金制度として厚生年金基金がある。この
厚生年金基金は企業側と従業員とが所定の割合で賃金に
応じた金銭を月々積み立てており、積立金額は巨額なも
のとなる場合がある(例えば数十〜数千億円)。この積
立金(資産)をより有利に運用するために、株式や債券
等の様々な資産に分散投資を行うことが一般的となって
いる。こうして構築された株式や債券等の金融資産の組
み合わせをポートフォリオと呼ぶ。
【0003】年金をはじめとする資産運用においては、
中長期的視点からポートフォリオの決定が非常に重要で
ある。一般に、個々の年金スポンサー(例えば、投資顧
問会社に厚生年金基金の運用を委託した前記企業等)に
よって従業員の年齢構成や将来の年金給付額等(負債と
称する)が異なるため、負債に応じてポートフォリオも
異なってくる。そこで、年金スポンサーは、年金給付等
の負債特性を勘案した上で、中長期的に安定した収益を
確保するために、基準となる資産配分を決定し、この資
産配分に沿ったかたちで運用機関(投資顧問会社等)に
委託することも多い。この基準となる資産配分を「基準
アセットミックス(政策アセットミックスとも呼ばれ
る)」と称し、年金スポンサーにとっては、基準アセッ
トミックスから乖離するリスクの把握も重要な要素とな
る。
【0004】年金資産運用を取り巻く環境変化に伴い、
年金ポートフォリオは従来の安全性資産中心の運用か
ら、外貨建資産をはじめとしたリスク性資産中心の運用
へとシフトしつつあり、効率的な運用を行うためには、
リスクの適切な把握とコントロールが重要となってきて
いる。そのような中で、年金ポートフォリオのリスク管
理指標として、バリュー・アット・リスク(Value at Ris
k:以下、VaRと標記する)が注目を集めている。こ
こに、VaRとは、現在のポートフォリオの価値が金利
・株価・為替等の変動により一定期間経過後(リスク評
価期間)に減少するリスクを統計的手法で求めた値であ
り、具体的には、ある一定の確率(信頼水準)で起こり
得る将来の損失額の最大値として定義される。
【0005】元来、VaRは銀行のトレーディング勘定
の市場リスク(マーケットリスク)を定量化するための
指標として導入されたものであり、今後短期間の間に発
生するリスクを想定した指標である。例えば、銀行の自
己資本比率規制(BIS規制)ではリスク評価期間とし
て今後10営業日(2週間)のVaRを算出するよう規
定している。このため、従来のVaRの計測では、直近
のマーケットのトレンドは通常考慮されずに計算されて
いる(各資産毎の期待収益率を加味しない)。
【0006】また、従来のVaR算出の手法(VaR計
測モデル)としては以下のものが知られている。 分散共分散法は、各資産毎の収益率に正規分布を仮定
した上で、解析的に算出する方法である。この方法は計
算内容も分かりやすく、計測負荷の面からも効率的な方
法と言われている。 モンテカルロ・シミュレーション法は、乱数を利用し
て各資産毎の収益率をある一定の規則に従ってランダム
に発生させ、将来の価格分布を生成することによって、
当該分布のある一定のパーセント点としてVaRを計算
する方法で、デリバティブ商品の非線形リスク等にも対
応可能な汎用性の高い方法である。収益率を発生させる
際に正規分布以外の様々な分布を仮定することも可能で
ある。
【0007】ヒストリカル・シミュレーション法は、
過去に生じたことが将来もそのまま実現するとの仮定の
もとで、過去の変動パターンを、VaRを計測するポー
トフォリオに当てはめることによって、将来の価格分布
を生成し、VaRを算出する方法である。特定の分布を
仮定することがないため、現実のマーケット変動の特性
であるファット・テール(正規分布に比較して分布の裾
が厚いこと。具体的には図15を参照)や価格のジャン
プ過程などを織り込むことができる。
【0008】さて、銀行におけるトレーディング商品等
のリスク管理においては、そのポジション調整は短期間
のうちに機動的に行える関係で、BIS規制にあるよう
に、リスク評価期間も短期間で行われるものの、年金ポ
ートフォリオの場合には、資金の性格上、比較的長期的
な視点からの運用が求められることから、それに応じて
リスク評価期間も長期間を考慮しなければならない。即
ち、3ヶ月から1年、あるいはそれ以上のVaRを高い
精度で予測することが求められることとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
VaRの算出手法には以下の欠点がある。 ポートフォリオの期待収益率は通常ゼロとして計算さ
れるため、従来通りの方法でリスク評価期間を延長した
場合、VaRの測定誤差が極めて大きくなる。なぜなら
ば、リスク評価期間が短期であれば、期待収益率にどの
ような推定値を入れてみたところで結果に大差がないこ
とが一般的に知られているが、リスク評価期間が長期に
なると、期待収益率の影響が大きくなるためである。 分散共分散法では、各資産等の収益率に正規分布を仮
定しているが、現実には収益率は正規分布には従ってい
ないため(図15参照)、その結果VaRの測定誤差は
極めて大きくなる。
【0010】モンテカルロ・シミュレーション法で
は、各資産毎の収益率が一定の分布に従うとの仮定のも
とで乱数を発生させるため、仮定した分布が現実のマー
ケット変動から乖離している場合には、同様にVaR測
定誤差が大きくなる。 ヒストリカル・シミュレーション法では、過去に生じ
たことが将来も起こると仮定するため、参照する過去の
時期(観測期間)のトレンドに大きく影響される。ま
た、例えば過去10年間の月次データを利用する場合な
ど、時系列データは10年×12ヶ月=120しか存在しないた
め、例えば信頼水準5%のVaRは、120のデータの下か
らたかだか6番目の値を抽出することとなるなど、サン
プル数が少ないことによる推定誤差の拡大が懸念され
る。
【0011】また、従来の方法では、現在の年金資産に
増減はないものとしてVaRを算出するのが一般的であ
るが、リスク評価期間が長期の場合には、その間に発生
する掛金収入や給付金支払等のキャッシュ・フローの影
響が非常に大きくなり、これらを反映しない従来のVa
R計測方法では計測誤差が大きくなる。
【0012】さらに、VaRを活用してより有効なリス
ク管理を行うためには、様々な切り口からの分析をでき
る限り効率的に行う必要がある。具体的には、定期的に
VaRを算出し、ある時点と他の時点とのVaRの変動
要因を分析すること、基準アセットミックスからの乖離
をVaRで把握すること、各運用機関毎のVaRを算出
すること(各運用機関毎の運用パフォーマンスとの対比
でVaRを活用する)などが挙げられる。
【0013】そこで本発明の課題は、比較的長期間のポ
ートフォリオのリスクを管理する場合に、VaRの測定
誤差が少なく、また、様々な角度からの分析を行えるV
aR計測システムを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、ポートフォリオを構成する各資産毎の過去
におけるベンチマークの収益率(リターン)と、ポート
フォリオの資産構成比と、前記過去のベンチマークから
リスクおよび相関係数を計測し、ポートフォリオのVa
Rを算出するプログラム一式を、投資情報提供側装置か
らインターネットを介してクライアント側装置にダウン
ロードし、ダウンロード後のプログラムに対するクライ
アント側装置からの、ポートフォリオの資産構成比の入
力と、該ポートフォリオの期待収益率の入力とに応じ
て、前記クライアント側装置でVaR計測の結果を得る
ようにしたことを特徴とする。このようにすれば、クラ
イアント側装置で、比較的長期間のポートフォリオのV
aRを計測する場合に、VaRの測定誤差が少なく、ま
た、様々な角度からの分析が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の「ポートフォリオ
のVaR計測システム」を、図示の実施例に基づいて説
明する。
【0016】(1)第1実施例 図1は本実施例の「VaR計測システムVS」のシステ
ム構成図、図2はVaR計測装置VKの構成図である。
図1に示すように、VaR計測システムVSは、投資顧
問会社側に設置する「投資情報提供側装置」であるVa
R計測装置VKと、年金スポンサー側に設置する「クラ
イアント側装置」であるクライアント端末AT,BT,
CTと、VaR計測装置VKとクライアント端末AT,
BT,CTとを接続するインターネットINTとを備え
てなる。投資顧問会社側はVaR計測装置VKの利用
を、インターネット上にホームページを開設することに
より年金スポンサー側に提供する。年金スポンサー側に
はパスワードが付与され、所定のパスワードを持つクラ
イアント端末のみが前記ホームページを利用可能として
おく。
【0017】図2に示すように、VaR計測装置VK
は、ネットワーク(インターネット)INT上でクライ
アント端末AT,BT,CTに対してVaRに関する情
報を提供するサーバーであり、各種のデータを記憶した
記憶装置10と、CPU等からなる制御装置20と、マ
ウス,キーボードからなる入力装置30と、ディスプレ
イ,プリンタ等からなる出力装置40と、演算等に使用
するRAM51と、VaR決定装置VK全体の制御用プ
ログラムを格納したROM52とを備えてなる。
【0018】記憶装置10は、過去一定期間(例えば19
85〜2000年の15年間等)の国内株式等の月次の収益率デ
ータ(図3(A)参照)を記憶した「ベンチマーク収益
率データ記憶手段」であるヒストリカルデータ記憶部1
1と、図4に示すように、VaRを様々な角度から各々
演算する式を格納したシミュレーション数式記憶部12
とを備える。なお、ヒストリカルデータ記憶部11に格
納するベンチマーク(証券市場全体の動きを示す指標
(インデックス))としては、以下のものを用いている
が、これらの区分をより詳細にすることによって、より
精緻なVaRを計測可能となる。例えば、国内株式につ
いても、業種別のインデックスデータや、大型・小型株
別のインデックスデータ、外国債券であれば、国別のイ
ンデックスや為替データ等、ベンチマークは任意に拡張
可能であることは勿論である。 国内債券:NOMURA‐BPI 転換社債:NOMURA‐CBPI 国内株式:TOPIX 外国債券:ソロモン・スミス・バーニー世界国債インデ
ックス 外国株式:MSCI‐KOKUSAI 短資 :無担保コール
【0019】制御装置20は、年金スポンサーがクライ
アント端末を介して各種のデータを設定する設定部を備
える。即ち、VaRを計測するポートフォリオ設定部2
1と、各資産毎の期待収益率の設定を行う期待収益率設
定部22と、各資産毎のリスク・相関係数の設定を行う
リスク・相関係数設定部23と、ストレステストを実施
するか否かの有無を設定するストレステスト設定部24
とを備える。ここに、ストレステストとは、相場が急落
した場合にどの程度の損失が発生するかをシミュレーシ
ョンするものである。
【0020】図5に示すように、クライアント端末AT
は一般のパソコンからなり、CPU等からなる制御装置
60と、マウス,キーボードからなる入力装置71と、
ディスプレイ,プリンタ等からなる出力装置72と、演
算等に使用するRAM73と、クライアント端末AT全
体の制御用プログラムを格納したROM74とを備えて
なる。
【0021】制御装置60は、年金スポンサーの担当者
が各種のデータを入力する入力部を備える。即ち、年金
スポンサーが予め検討を行い最適と判断した基準アセッ
トミックスや、現時点のポートフォリオ、あるいは運用
機関別の資産構成比・時価残高を設定するポートフォリ
オ入力部61と、各資産毎の期待収益率の設定を行う期
待収益率入力部62と、各資産毎のリスク・相関係数の
設定を行うリスク・相関係数入力部63と、ストレステ
ストを実施するか否かの有無を設定するストレステスト
入力部64とを備える。
【0022】次に本実施例の動作を、図6を参照しつつ
説明する。本実施例は、今後の各資産毎のトレンドを予
測し、また、過去のマーケットデータ(各資産毎の代表
的なインデックスの月次収益率)を用いてリスク,相関
係数を計測し、精度の高いVaRの算出を行うものであ
る。年金スポンサーの担当者がクライアント端末から所
定のパスワードを使用して投資顧問会社のホームページ
にアクセスし、初期画面(図示省略)のVaR計測シミ
ュレーションキーをクリックする。すると、図7に示す
「VaR計測シミュレーション」の手順の全体像が表示
される。即ち、第1段階が年金ポートフォリオの入力で
あり、第2段階が期待収益率の想定(シミュレーション
時点における将来のトレンドの予測)である。
【0023】次いで、第1段階として「年金ポートフォ
リオの入力」ボタンをクリックすると、図8に示す「年
金ポートフォリオの入力」画面が表示されるので、年金
スポンサーはVaR計測を行うポートフォリオの資産構
成比及び時価残高を入力し(図6のステップS1)、
「次へ進む」ボタンをクリックする。すると、図9に示
す「期待収益率の想定」画面が表示されるので、入力装
置30を介して国内債券等の個々の「期待収益率」欄
に、期待収益率を入力する(図6のステップS2)。な
お、期待収益率欄には、投資顧問会社側が想定した直近
の市場見通しに基づく期待収益率が予めセットされてお
り、年金スポンサーの担当者はこのセットされた期待収
益率を上書き修正することが可能である。
【0024】期待収益率の入力・修正終了後、「入力完
了」ボタンをクリックすると図10に示す「VaR算出
の前提条件」画面が表示されるので、修正があるなら修
正終了後に、修正が無ければ直ちに「VaR計算」ボタ
ンをクリックすると、ヒストリカルデータ(図3
(A))に基づき算出されたリスクおよび相関係数(ス
テップS3)をもとに、分散共分散法によりポートフォ
リオのVaRの算出を行う(ステップS4)。VaRの
算出内容には、ポートフォリオ全体の複数のリスク評価
期間におけるVaR以外にも、各資産毎のVaR(ステ
ップS5a)及び各運用機関別のVaRがある(ステッ
プS5b)。また、基準アセットミックスを入力してお
くことで、現時点のポートフォリオが基準アセットミッ
クスからVaRでみてどの程度乖離しているのかを比較
することも可能であり、かつ資産別にも把握できる。
尚、以上の各VaRの算出においては、期待収益率以外
の前提となる観測期間(リスク・相関係数を予測するた
めに過去のインデックスデータを参照する期間)や信頼
水準等を任意に設定可能なことは勿論である。
【0025】ポートフォリオのVaR算出後、ストレス
テストを実施するか否かの選択により、ストレステスト
を実施しない場合には(ステップS6:NO)、直ちに
図11に示す「VaR算出結果」が画面に表示される
(ステップS7)。この画面には、シミュレーション時
点での市場のトレンドを加味した上で、長期間のリスク
評価期間におけるVaR値等が表示される。次に年金ス
ポンサーの担当者はシミュレーションを続行するか否か
を決定し(ステップS8)、シミュレーションを続行す
る場合には(ステップS8:YES)、ポートフォリオ
や期待収益率等の前提条件を変更し(ステップS9)、
ステップS1に戻り、自由な基準に基づくVaRを算出
可能である。前記ステップS6において、ストレステス
トを実施する場合には、ヒストリカルデータから極端な
ストレス時のリターンを抽出し(ステップS11)、ポ
ートフォリオのストレス時の損失額を算出し(ステップ
S12)、図12に示す画面に表示する(ステップS
7)。
【0026】(2)第2実施例 本実施例は特定の顧客に対してコンサルティング(情報
提供)を行う場合であって、前記第1実施例(分散共分
散法)に加えて、ヒストリカル・シミュレーション法,
モンテカルロ・シミュレーション法のそれぞれのシミュ
レーションモデルを選択可能とすることにより、モデル
の違いによる計測誤差のリスクの低減を図るとともに、
モンテカルロ・シミュレーション法とヒストリカル・シミ
ュレーション法を融合した新しい方法によりVaRを計
測するものであり、加えて年金ポートフォリオの長期的
資金であるという特性に鑑み、これらの各手法に対して
前記第1実施例にて説明したトレンドを考慮することに
加え、様々な切り口からVaRに関する分析を可能とし
た場合である。第2実施例の処理の流れを図13に示
す。
【0027】ここに、モンテカルロ・シミュレーション
法とヒストリカル・シミュレーション法を融合した方法
とは、以下のVaR算出方法をいう。基本的に、ファッ
ト・テールという現実のマーケット変動の特徴を反映し
つつ、ヒストリカル・シミュレーション法によるデータ
数の制約の問題を解決するために、過去一定期間のヒス
トリカルデータからランダムにサンプリングを行うこと
(ブートストラップ法)により各資産毎に将来の収益率
を生成し、設定した年金ポートフォリオの価格分布を生
成することによりVaRを算出するものである。(図4
参照) その際、ヒストリカル・データをベースとすることによ
り生ずる過去のトレンドを除去するために、事前にヒス
トリカル・データを今後のトレンド(現時点での今後の
市場見通しに基づき、各資産毎に期待収益率を考慮す
る)に合致するよう、ヒストリカルデータの分布の修正
を行う。
【0028】さらにまた、ランダムにサンプリングを行
うのみならず、例えばヒストリカル・データの中から直
近のマーケット変動をより重視したVaR計測を行うた
めに、最近のデータに大きなウェイトを与える等、ヒス
トリカル・データからのサンプリングに際して、任意の
分布を仮定することが可能となっている。具体的事例は
図3(B)参照。
【0029】また、リスク評価期間が長期間となるた
め、その間に発生する掛金収入や給付金支払等のキャッ
シュ・フローを任意に反映することが可能であり、精度
の高いVaRを算出することができる。さらに、様々な
インデックスに対する感応度を入力することにより、個
々のポートフォリオ特性を反映することが可能である。
【0030】さらに、VaRによる年金ポートフォリオ
のリスク管理をより効率的に行う観点から、VaR計測
対象ポートフォリオは任意に設定可能であるため、各運
用機関別のVaRを同時に算出することが可能である。
また、VaRを各資産毎にも分解可能なため、どの資産
クラスでどの程度のリスクをとっているのかを確認する
ことが出来る。さらに、定期的にVaRを算出し、その
結果を逐次保存することにより、任意の異なる時点間の
VaRの変動要因を様々なファクターにて分解すること
(時系列分析)が可能である。具体的な分解例を図14
に示す。
【0031】(3)第3実施例 銀行等においてリスク管理に利用されるVaRは、通
常、自己資本と対比されるが、年金ポートフォリオの場
合には、比較対象が明確でもなく、その点が年金ポート
フォリオにおいて有効なVaRの活用の妨げになってい
ると推測される。この点を解決する手段として、以下の
2例を実施することが可能である。
【0032】第1例は、現在の年金制度として、許容さ
れるVaRはどの程度の水準であるのかを事前に判断
し、予め最大損失額として許容されるVaRの水準を与
えることにより、これまで算出してきたVaR計測ロジ
ックを全く逆に適用することにより、その事象が起こる
確率(信頼水準)やリスク評価期間を逆算して算出する
ことが可能となる。これにより、年金スポンサーはリス
ク管理を行う上でのリスク評価期間(タイムスパン)や
ダウンサイドリスクを捉える上での明確な水準を得るこ
とが可能となるものである。
【0033】第2例は、厚生年金基金等の年金制度のV
aRを単体で評価することに加え、母体企業として保有
する資産全体のリスクをVaRとして算出することによ
り、自己資本等との対比が可能となる。そこで、母体企
業の保有する資産を組み入れて、企業全体のVaRを計
測することで、年金制度の在り方そのものも含めたトー
タルなリスク管理が可能となるのである。
【0034】なお、前記実施例ではVaR計測装置とク
ライアント端末とをインターネットを介して接続し、双
方向通信を行いながらVaR計測を行うようにしたが、
このVaR計測のプログラムをVaR計測装置からクラ
イアント端末にダウンロードし、クライアント端末側の
みでVaR計測を行うようにすることも可能である。ま
た、前記VaR計測のプログラムをフロッピィディスク
等の記録媒体に記録し、その記録媒体を顧客に提供する
ことも可能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以
下の効果を発揮することができる。VaRは、通常、短
期的なリスクを計測する指標であるが、年金ポートフォ
リオでは長期間のリスクを計測する必要があるため、通
常の概念を単純に拡張するだけでは計算誤差が拡大す
る。そこで、VaR計測時点での予測される将来のトレ
ンドを考慮する(各資産毎に期待収益率を加味する)こ
とにより、より予測精度の高いVaRを算出することが
できる。
【0036】また、長期間のVaRを計測するため、そ
の間の掛金収入や給付金支払等のキャッシュ・フローを
考慮することで、より予測精度の高いVaRを算出する
ことができる。また、ヒストリカル・シミュレーション
法とモンテカルロ・シミュレーション法を融合すること
で、それぞれの長所を合わせもつことにより、より予測
精度の高いVaRを算出することができる。また、ヒス
トリカル・データからのサンプリングの際にもさまざま
な分布を使用することができ、VaR算出により汎用性
を備えている。
【0037】また、計測したいポートフォリオを同時に
複数設定可能であり、現時点のポートフォリオや、各運
用機関別のポートフォリオのVaRを同時に算出可能で
あり、かつ、これらのVaRを、各資産毎に分解するこ
とが可能であり、かつ基準アセットミックスとの対比が
可能であり、かつ、トレンド等も複数設定して、トレン
ドの差異によるVaRの比較も可能である。さらに、定
期的にVaRを算出するとともに、ある時点のVaR
と、別の時点のVaRとの差の要因を分解することが可
能である。また、VaRは、ある定常状態におけるリス
ク量であるため、暴落等の非日常的なケースが発生した
場合には、予測される変動をはるかに上回る変動が起こ
りうることになる。そのため、過去の相場急落局面が起
こった場合にどの程度損失が発生するか(ストレス・テ
スト)を算出しておくことにより、重大な局面のリスク
管理が可能となる。
【0038】また、銀行等においてリスク管理に利用さ
れるVaRは、通常、自己資本と対比されるが、年金ポ
ートフォリオの場合には、対比対象が明確でもなく、そ
の点が年金ポートフォリオにおいて有効なVaRの活用
の妨げになっていると推測される。本発明によれば「リ
スク評価期間の逆算」や「母体企業の保有する資産を組
入れたVaR計測」や「母体企業の事業リスクの加味」
により、トータルなリスク管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のシステム構成図である。
【図2】 同システムを構成するVaR計測装置の機能
ブロック図である。
【図3】(A)はVaR計測装置のヒストリカルデータ
記憶部に格納するデータ、(B)はデータサンプリング
における分布設定例を示すグラフである。
【図4】 VaR計測装置のシミュレーション数式記憶
部に格納するシミュレーション用の数式である。
【図5】 同システムを構成するクライアント端末の機
能ブロック図である。
【図6】 第1実施例のフローチャートである。
【図7】 同第1実施例におけるVaRシミュレーショ
ンの全体像を示す画面である。
【図8】 同第1実施例におけるポートフォリオの入力
項目を示す画面である。
【図9】 同第1実施例における期待収益率の想定の画
面である。
【図10】 同第1実施例におけるVaR算出の前提条
件を示す画面である。
【図11】 同第1実施例におけるVaR算出結果を示
す画面である。
【図12】 同第1実施例におけるストレステストの結
果を示す画面である。
【図13】 同第2実施例のフローチャートである。
【図14】 同第2実施例におけるVaRの変動要因分
析結果例を示す図である。
【図15】 ファットテールの概念を示す図である。
【符号の説明】
RS ポートフォリオのVaR計測システム AT,BT,CT クライアント端末 INT インターネット VK VaR計測装置 10 VaR計測装置の記憶装置 20 VaR計測装置の制御装置 60 クライアント端末の制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 17/60 326 G06F 17/60 326 19/00 110 19/00 110

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポートフォリオを構成する各資産毎の過
    去におけるベンチマークの収益率(リターン)と、ポー
    トフォリオの資産構成比と、前記過去のベンチマークか
    らリスクおよび相関係数を計測し、ポートフォリオのV
    aRを算出するプログラム一式を、投資情報提供側装置
    からインターネットを介してクライアント側装置にダウ
    ンロードし、 ダウンロード後のプログラムに対するクライアント側装
    置からの、ポートフォリオの資産構成比の入力と、該ポ
    ートフォリオの期待収益率の入力とに応じて、前記クラ
    イアント側装置でVaR計測の結果を得るようにしたこ
    とを特徴とするポートフォリオのVaR計測システム。
  2. 【請求項2】 投資情報提供側装置に、ポートフォリオ
    を構成する各資産毎の過去におけるベンチマークの収益
    率(リターン)を記憶したベンチマーク収益率データ記
    憶手段と、 ポートフォリオの資産毎の期待収益率と、前記過去のベ
    ンチマークの収益率からリスクおよび相関係数を計測
    し、ポートフォリオのVaRを算出する数式を格納した
    数式記憶手段とを備え、 クライアント側装置に、ポートフォリオの資産構成比を
    入力するポートフォリオ資産構成比入力手段と、 ポートフォリオの期待収益率を入力する期待収益率入力
    手段とを備え、 前記投資情報提供側装置およびクライアント側装置を、
    インターネットに接続してなることを特徴とするポート
    フォリオのVaR計測システム。
  3. 【請求項3】 前記VaR算出の数式は、記号の定義を
    次の如くした場合に、該定義より成り立つ以下の数式で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2記載のポ
    ートフォリオのVaR計測システム。 【数1】
  4. 【請求項4】 前記VaRの算出には、キャッシュフロ
    ーを含めることを特徴とする請求項1または請求項2記
    載のポートフォリオのVaR計測システム。
  5. 【請求項5】 前記VaRの算出には、ヒストリカル・
    シミュレーション法およびモンテカルロ・シミュレーシ
    ョン法を含めることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載のポートフォリオのVaR計測システム。
  6. 【請求項6】 ヒストリカルデータを用いる際に、様々
    な分布を用いることを特徴とする請求項1または請求項
    2、または請求項4または請求項5に記載のポートフォ
    リオのVaR計測システム。
  7. 【請求項7】 計測したいポートフォリオを同時に複数
    設定可能であり、現時点のポートフォリオや、各運用機
    関別のポートフォリオのVaRを同時に算出可能であ
    り、かつ、これらのVaRを、各資産毎に分解すること
    が可能であり、かつ基準アセットミックスとの対比が可
    能であり、かつ、トレンド等も複数設定して、トレンド
    の差異によるVaRの比較も可能であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2、または請求項4乃至請求項
    6の何れか1つに記載のポートフォリオのVaR計測シ
    ステム。
  8. 【請求項8】 定期的にVaRを算出するとともに、あ
    る時点のVaRと、別の時点のVaRとの差の要因を分
    解することが可能なことを特徴とする請求項7記載のポ
    ートフォリオのVaR計測システム。
  9. 【請求項9】 過去の相場急落局面が起こった場合にど
    の程度損失が発生するか(ストレス・テスト)を加味す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2、または請
    求項4乃至請求項8の何れか1つに記載のポートフォリ
    オのVaR計測システム。
  10. 【請求項10】 現在の年金ポートフォリオとして許容
    されるVaRはどの程度の水準であるのかを与え、その
    事象が起こる確率やリスク評価期間を逆算して算出する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2、または請求
    項4乃至請求項9の何れか1つに記載のポートフォリオ
    のVaR計測システム。
  11. 【請求項11】 年金ポートフォリオは組織体個々の年
    金制度であり、母体組織体が保有する資産全体のリスク
    をVaRとして算出することにより、母体組織体の行う
    事業リスクを加味することを特徴とする請求項1または
    請求項2、または請求項4乃至請求項10の何れか1つ
    に記載のポートフォリオのVaR計測システム。
  12. 【請求項12】 投資情報提供側装置に、ポートフォリ
    オを構成する各資産毎の過去におけるベンチマークの収
    益率(リターン)を記憶する工程と、 ポートフォリオの資産毎の期待収益率に応じて、前記過
    去のベンチマークの収益率からリスクおよび相関係数を
    計測し、ポートフォリオのVaRを算出する工程とを備
    え、 クライアント側装置に、ポートフォリオの資産構成比を
    入力する工程と、 ポートフォリオの期待収益率を入力する工程とを備える
    と共に、 前記クライアント側装置の工程を、インターネットを介
    して前記投資情報提供側装置に送信し、VaRを計測す
    るようにしたことを特徴とするポートフォリオのVaR
    計測方法。
  13. 【請求項13】 投資情報提供側装置用に、ポートフォ
    リオを構成する各資産毎の過去におけるベンチマークの
    収益率(リターン)を記憶する処理と、 ポートフォリオの資産毎の期待収益率に応じて、前記過
    去のベンチマークの収益率からリスクおよび相関係数を
    計測し、ポートフォリオのVaRを算出する処理とを夫
    々実行させるプログラムを備え、 クライアント側装置用に、ポートフォリオの資産構成比
    を入力する処理と、 ポートフォリオの期待収益率を入力する処理とを夫々実
    行させるプログラムを備え、 前記クライアント側装置の処理を、インターネットを介
    して前記投資情報提供側装置に送信し、前記VaR計測
    を前記クライアント側装置で行うようにしたプログラム
    を記録したことを特徴とする記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007505411A (ja) * 2003-09-11 2007-03-08 シティバンク,エヌ.エイ. アセット・アロケーションのための方法およびシステム
JP2009003938A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Lehman Brothers Inc セキュリティからなるポートフォリオを選択及び管理するための方法及びシステム
JP2009163407A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Ns Solutions Corp 情報処理装置
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