JP2002103483A - 封筒の自動製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙の供給を間欠停止させることなく連続走
行状態で裁断できるとともに切り粉も回収できるように
し生産性及び品質を向上させ得る封筒の自動製造装置を
提供すること。 【解決手段】 リール状に巻いた用紙Ｐを連続搬送する
ラインに、用紙Ｐの送り方向に間隔を置き且つ幅員方向
に２列の糊を塗る糊転写ローラ６と、用紙Ｐの幅員方向
の両端を中央部まで折り曲げる折り曲げガイド８と、用
紙Ｐを二重折りする圧着ローラ９と、用紙Ｐを送り方向
に所定寸法で裁断するカッタユニット１２と、用紙Ｐの
幅員方向の中央部を裁断するスリッティングディスク１
７とを順に配列する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ロール状に巻いた
用紙から封筒の製袋までを連続的に高速で製造できるよ
うにした封筒の自動製造装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の封筒の自動製造装置は、ロール状
に巻いた用紙をラインに流して糊代に糊を塗布し、筋折
りを入れて用紙を曲げ加工しながら糊代どうしを接着
し、その後断裁して１つの封筒を得るというのが基本的
な構成である。このような封筒の自動製造装置では、高
速化して生産性を向上させるためにライン速度を上げる
ことが重要とされている。

【０００３】封筒の自動製造装置における断裁装置は、
上下に往復動作するカッタを備え、糊付けされた用紙の
糊代をこのカッタで剪断する構成としたものが通常の場
合使用されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、往復動作す
るカッタによる剪断を利用した用紙の裁断では、カッタ
の動作に合わせて用紙の送りを間欠的に停止させる必要
がある。このため、糊付け工程までは用紙を連続搬送す
る処理ができても、断裁装置では用紙の送りを停止させ
るので、高速化に限界があり生産性にも大きく影響す
る。

【０００５】また、断裁装置による断裁では切り粉が出
る場合があり、この切り粉はそのまま放置されるので、
切り粉が封筒の製品に付着したまま出荷されてしまい、
製品品質を低下させる。

【０００６】このように、従来の封筒の自動製造装置で
は、製造の高速化に限界があるとともに切り粉による障
害が発生するという問題がある。また、用紙を搬送して
１枚ずつの封筒を製造していくので生産性の向上にも限
界がある。

【０００７】そこで、本発明は、用紙の供給を間欠停止
させることなく連続走行状態で裁断できるとともに切り
粉も回収できるようにし生産性及び品質を向上させ得る
封筒の自動製造装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の封筒の自動製造
装置は、リール状に巻いた用紙を連続搬送するライン
に、前記用紙の送り方向に間隔を置き且つ幅員方向に２
列の糊を塗る糊転写ローラと、前記用紙の幅員方向の両
端を中央部まで折り曲げる折り曲げガイドと、前記用紙
を二重折りする圧着ローラと、前記用紙を送り方向に所
定寸法で裁断するカッタユニットと、前記用紙の幅員方
向の中央部を裁断するスリッティングディスクとを順に
配列したことを特徴とする。

【０００９】本発明によれば、用紙の幅方向を２分割し
て同時に２枚の封筒を製造できるので、１枚ずつ封筒を
成形していく場合に比べて生産性が大幅に向上する。

【００１０】本発明においては、前記カッタユニット
は、前記用紙の搬送ラインの上にカッタローラを備える
とともに前記搬送ラインの下に切り粉排出ローラを備
え、前記カッタローラは周面に周方向に間隔を開けた２
枚刃のカッタ刃を備え、前記切り粉排出ローラには前記
２枚刃のカッタ刃の中に入り込んで切り粉を捕捉する爪
を備え、前記カッタローラと前記カッタ刃の刃先と前記
切り粉排出ローラの外周面の周速を前記用紙の搬送速度
と一致させて送り方向に回転駆動可能とするとともに、
前記２枚刃のカッタ刃の中に前記爪が入り込むように同
期して回転駆動する構成とすることができる。

【００１１】この構成では、用紙を一時的に停止させる
ことなく連続的にカッタユニットで裁断できるので、生
産性を更に向上させることができ、カッタユニットで裁
断するときの切り粉を切り粉排出ローラの爪で捕捉して
回収するので、切り粉が封筒製品に付着することがな
い。

【００１２】また、前記切り粉排出ローラの近傍に前記
爪によって捕捉した切り粉を吸引するバキュームヘッド
を備えたものとしてもよい。

【００１３】この構成では、切り粉排出ローラの爪で捕
捉した切り粉をバキュームヘッドで吸引して回収できる
ので、切り粉の飛散がなく、設備環境を良好の保てると
ともに封筒製品への付着も確実に防止できる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。

【００１５】図１は本発明の実施の形態による封筒の自
動製造装置のライン構成を示す概略平面図、図２はライ
ン構成の側面図である。

【００１６】図において、輪転機によって表面に印刷が
施された用紙Ｐがリール状に巻かれてラインの下流端に
配置され、繰出し装置（図示せず）によって用紙Ｐがラ
イン方向に連続的に給紙される。自動製造装置のライン
には、下流端を用紙Ｐに合わせてテーブル１が配置さ
れ、このテーブル１の下流端には２方向に製品を排出す
る一対の排出コンベア２ａ，２ｂを配置している。テー
ブル１は用紙Ｐを搬送すするために複数のベルトコンベ
アを含むものである。なお、用紙Ｐはその印刷面を下向
きにしてテーブル１上に繰り出され、ラインの中途で進
行方向にスリッティングして幅方向に２枚の封筒が最終
的に得られる設備とする。

【００１７】テーブル１の下流端には特殊なインクによ
る印刷によって用紙Ｐに窓５１を印刷する窓印刷ローラ
３が配置され、その下流には製品時にフラップとなる部
分に接着用のアドヘア糊５２を印刷するアドヘア糊印刷
ローラ４を配置している。アドヘア糊印刷ローラ４の下
流には用紙Ｐに印刷したアドヘア糊５２を乾燥させるた
めのドライヤ５，糊転写ローラ６，一対の折り筋入れデ
ィスク７が配置されている。ドライヤ５はヒータ（図示
せず）を内蔵したもので、用紙Ｐの通過時間を長くする
ため図２に示すように複数のローラ５ａを上下に配列し
てループを形成している。糊転写ローラ６は糊をタンク
（図示せず）から供給する一対の糊供給ローラ（図示せ
ず）と連動し、これらの糊供給ローラから供給された糊
を周面に付着させて用紙Ｐの糊代に糊５３を転写する。
折り筋入れディスク７は用紙Ｐの上面を圧下して折り目
５４を入れるものである。

【００１８】折り筋入れディスク７の下流には用紙Ｐの
幅方向の両端を折り目５４に沿って折り曲げる一対の折
り曲げガイド８を配置するとともに、その下流に圧着ロ
ーラ９を配置する。折り曲げガイド８は用紙Ｐの幅を下
流側に向けて狭めていきながら用紙Ｐの幅方向の両端を
折り目５４に沿って折り曲げる。そして、折り曲げガイ
ド８の下流に配置した圧着ローラ９はテーブル１との間
に用紙Ｐを挟み込んで用紙Ｐの糊代に転写された糊５３
によって用紙Ｐを重ね合わせて接着する。

【００１９】圧着ローラ９の下流には折り曲げた用紙Ｐ
の蛇行の補正と搬送速度の調整のための複数のループロ
ーラ１０を配置する。これらのループローラ１０は上下
方向に配置され、互いの高さを調整することによって蛇
行補正と搬送速度を調整することができる。

【００２０】ループローラ１０の下流には搬送ローラ１
１及びカッタユニット１２をそれぞれ配置する。搬送ロ
ーラ１１はテーブル１との間に折り畳まれて二重となっ
た用紙をニップして搬送するものである。カッタユニッ
ト１２は用紙Ｐを停止させることなく連続的に断裁する
もので、図３にその内部構造の断面図及び図４に要部の
拡大断面図をそれぞれ示す。

【００２１】図３において、カッタユニット１２は用紙
Ｐの搬送ラインの上側に配置したカッタローラ１３と切
り粉排出ローラ１４とを組み合わせたものであり、これ
らのカッタローラ１３及び切り粉排出ローラ１４は用紙
Ｐの搬送速度と同じ周速となるようにモータ（図示せ
ず）によって図中の矢印方向に回転駆動される。カッタ
ローラ１３は金属製の胴部１３ａとその周面に貼り付け
た硬質ゴム１３ｂとから構成されている。硬質ゴム１３
ｂには角度ピッチが９０°となるように切欠１３ｂ−１
をカッタローラ１３の軸線方向の全長に設け、この切欠
１３ｂ−１の中に硬質ゴム１３ｂの周面とほぼ一致する
長さの２枚のカッタ刃１３ｃが胴部1３ａに固定されて
いる。一方、切り粉排出ローラ１４はその周面に９０°
の角度ピッチで爪１４ａを軸線方向の全長に間隔を開け
て複数個配置したものである。ここで、カッタローラ１
３のカッタ刃１３ｃの刃先と切り粉排出ローラ１４の外
周のそれぞれが等しい周速となるように設定しておくこ
とで、図４に示すように２枚のカッタ刃１３ｃが用紙Ｐ
を剪断して切り粉排出ローラ１４の外周面に接触してい
るとき、爪１４ａをカッタ刃１３ｃの間に入り込ませる
ことができる。

【００２２】切り粉排出ローラ１４のすぐ下流には切り
粉を吸い込んで排出するためのバキュームヘッド１５を
配置する。このバキュームヘッド１５はカッタローラ１
３と切り粉排出ローラ１４のニップ点を指向する姿勢と
して配置され、爪１４ａで捕捉した切り粉をガイド１５
ａによってバキュームヘッド１５の吸引口に導入可能と
している。

【００２３】なお、前述のとおり、テーブル１は用紙搬
送用のコンベアを含むものであり、図３には用紙Ｐを搭
載して搬送するコンベア１ａを示している。コンベア１
ａはテーブル１の全長に配置に配置されるが、ドライヤ
５，ループローラ１０部分及びカッタユニット１２部分
では用紙Ｐの搬送に支障がない程度の長さだけ分断され
たものとする。

【００２４】図１に戻って、カッタユニット１２の下流
には封筒のフラップの根元に折り目を入れる一対の天筋
用ディスク１６を配置し、その下流には用紙Ｐをスリッ
ティングして２枚の封筒に断裁する一対のスリッティン
グディスク１７が配置されている。天筋用ディスク１６
や製品時にフラップとなる部分の根元を圧下して折り目
を入れるものであり、スリッティングディスク１７は剪
断によって用紙Ｐを裁断する機構を持つ。

【００２５】以上の構成において、リール状に巻かれた
用紙Ｐがその印刷面を下向きにしてテーブル１上に供給
され、窓印刷ローラ３を通過するときに特殊なインクに
よって用紙Ｐの上面（製品となったときには内面とな
る）に窓５１が印刷される。そして、下流に進むとアド
ヘア糊印刷ローラ４によって用紙Ｐの上面にアドヘア糊
５２が印刷され、このアドヘア糊５２はドライヤ５を通
過するときに乾燥させられる。糊転写ローラ６に達した
用紙Ｐにはこの糊転写ローラ６によって用紙Ｐの上面の
糊代に糊５３が転写され、更に下流に進んで折り筋入れ
ディスク７によって折り目５４が加工される。

【００２６】用紙Ｐが更に下流に進むと、折り曲げガイ
ド８によって用紙Ｐはその折り目５４部分で折り曲げら
れ、次第に印刷面が上向きとなっていく。そして、折り
曲げガイド８の出口に配置されている圧着ローラ９によ
って、用紙Ｐの幅方向の両端が二重に折り曲げられ、糊
５３を付けた糊代によって用紙Ｐが袋状に糊付けされ
る。幅方向の両端から二重になった用紙はループローラ
１０を通過するときに蛇行が補正されるとともにカッタ
ユニット１２の作動に整合するように速度が調整され
る。このような蛇行補正及び速度調整はループローラ１
０の上下方向の動きによるループ量の変更を利用したも
のである。

【００２７】ループローラ１０を過ぎた用紙Ｐはカッタ
ユニット１２に入って裁断される。このとき、カッタロ
ーラ１３のカッタ刃１３ｃの刃先及び切り粉排出ローラ
１４の外周面は用紙Ｐの搬送速度と一致する周速で図３
の矢印方向に回転するので、用紙Ｐを停止させることな
く搬送させながら裁断することができる。この裁断で
は、図４に示すように２枚のカッタ刃１３ｃの先端が切
り粉排出ローラ１４の外周面に接触するようになり、こ
の接触のときに用紙Ｐが剪断される。そして、２枚のカ
ッタ刃１３ｃの中に爪１４ａが入り込むようにカッタロ
ーラ１３と切り粉排出ローラ１４とを同期回転させるこ
とにより、カッタ刃１３ｃによって剪断された切り粉は
爪１４ａによって捕捉される。この捕捉された切り粉は
切り粉排出ローラ１４の回転によってバキュームヘッド
１５側に移動し、ガイド１５ａに案内されながらバキュ
ームヘッド１５に吸引回収される。

【００２８】このように、カッタローラ１３と切り粉排
出ローラ１４との協働により、用紙Ｐを連続送りしなが
らカットしていくことができ、従来の往復動作のカッタ
による裁断に比べると格段に加工速度を速くできる。ま
た、裁断によって発生する切り粉もバキュームヘッド１
５に吸引されて放散することがないので、製品の封筒に
付着することがなくなる。

【００２９】カッタユニット１２によって裁断された用
紙Ｐは裁断片Ｐ−１となってテーブル１上を進み、封筒
の製品のフラップの根元部分に折り目を入れる天筋用デ
ィスク１６によって天筋５５（後述の図５参照）が形成
される。そして、最終工程としてスリッティングディス
ク１７によって裁断片Ｐ−１はその幅方向（搬送方向と
直交する方向）に２分割して２枚の封筒２１として排出
コンベア２ａ，２ｂに供給される。これらの排出コンベ
ア２ａ，２ｂは図１においてそれぞれ矢印方向に封筒２
１を繰出し、製品として回収する。

【００３０】図５は製造された封筒２１を示すもので、
（ａ）は表面側から観た斜視図、（ｂ）裏面側から観た
斜視図である。

【００３１】封筒２１は用紙Ｐの幅方向の半分を用いて
２枚折りとして成形されたもので、窓５１を含む表面紙
２１ａと裏面紙２１ｂを重ね合わせたものである。表面
紙２１ａと裏面紙２１ｂの継ぎ目部分は折り曲げガイド
８と圧着ローラ９とによって加工された折り目５４に相
当し、長手方向の両端縁が糊５３によって接着されてい
る。また、表面紙２１ａが裏面紙２１ｂから突き出る部
分はフラップ２１ｃであり、その根元部分に天筋用ディ
スク１６による折り曲げ用の天筋５５が形成されてい
る。

【００３２】以上のように、本発明では、用紙Ｐの幅方
向を２分割して同時に２枚の封筒２１を加工成形するこ
とができ、リールに巻いた用紙を裁断して１枚ずつの封
筒として製造する場合よりも格段に生産性を向上させる
ことができる。また、カッタユニット１２による裁断の
ときも用紙Ｐを停止させることなく連続走行させながら
裁断できるので加工時間を短縮でき、裁断時に発生する
切り粉もバキュームヘッド１５に吸引回収されるので封
筒２１の製品に切り粉が付着することもない。

【００３３】

【発明の効果】本発明では、供給する用紙を幅方向に２
分割して同時に２枚の封筒を成形できるので、単位時間
当たりの封筒の製造枚数を増やすことができ、生産性を
大幅に向上させることができる。

【００３４】また、カッタユニットによる裁断では用紙
を連続搬送しながら裁断できるので、ラインを一時停止
させることなく加工でき、生産性を更に拡大できる。そ
して、カッタユニットで発生する切り粉は周囲に飛散す
ることなく回収されるので、製造された封筒に切り粉が
付着することがなく、製品の品質を高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の封筒の自動製造装置のライン構成を
示す平面図である。

【図２】 図１の自動製造装置のライン構成を示す概略
側面図である。

【図３】 裁断装置の要部を示す拡大断面図である。

【図４】 切り粉の回収を示す要部の拡大断面図であ
る。

【図５】 （ａ）は製造された封筒を表面側から観た斜
視図、（ｂ）は製造された封筒を裏面側から観た斜視図
である。

【符号の説明】 １ テーブル １ａ コンベア ２ａ，２ｂ 排出コンベア ３ 窓印刷ローラ ４ アドヘア糊印刷ローラ ５ ドライヤ ５ａ ローラ ６ 糊転写ローラ ７ 折り筋入れディスク ８ 折り曲げガイド ９ 圧着ローラ １０ ループローラ １１ 搬送ローラ １２ カッタユニット １３ カッタローラ １３ａ 胴部 １３ｂ 硬質ゴム １３ｂ−１ 切欠 １３ｃ カッタ刃 １４ 切り粉排出ローラ １４ａ 爪 １５ バキュームヘッド １５ａ ガイド １６ 天筋用ディスク １７ スリッティングディスク ２１ 封筒 ２１ａ 表面紙 ２１ｂ 裏面紙 ２１ｃ フラップ ５１ 窓 ５２ アドヘア糊 ５３ 糊 ５４ 折り目 ５５ 天筋 Ｐ 用紙

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リール状に巻いた用紙を連続搬送するラ
   インに、前記用紙の送り方向に間隔を置き且つ幅員方向
   に２列の糊を塗る糊転写ローラと、前記用紙の幅員方向
   の両端を中央部まで折り曲げる折り曲げガイドと、前記
   用紙を二重折りする圧着ローラと、前記用紙を送り方向
   に所定寸法で裁断するカッタユニットと、前記用紙の幅
   員方向の中央部を裁断するスリッティングディスクとを
   順に配列したことを特徴とする封筒の自動製造装置。
2. 【請求項２】 前記カッタユニットは、前記用紙の搬送
   ラインの上にカッタローラを備えるとともに前記搬送ラ
   インの下に切り粉排出ローラを備え、前記カッタローラ
   は周面に周方向に間隔を開けた２枚刃のカッタ刃を備
   え、前記切り粉排出ローラには前記２枚刃のカッタ刃の
   中に入り込んで切り粉を捕捉する爪を備え、前記カッタ
   ローラと前記カッタ刃の刃先と前記切り粉排出ローラの
   外周面の周速を前記用紙の搬送速度と一致させて送り方
   向に回転駆動可能とするとともに、前記２枚刃のカッタ
   刃の中に前記爪が入り込むように同期して回転駆動する
   構成としたことを特徴とする請求項１記載の封筒の自動
   製造装置。
3. 【請求項３】 前記切り粉排出ローラの近傍に前記爪に
   よって捕捉した切り粉を吸引するバキュームヘッドを備
   えていることを特徴とする請求項２記載の封筒の自動製
   造装置。