JP2002098760A - 気象レーダシステム - Google Patents

気象レーダシステム

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JP2002098760A
JP2002098760A JP2000289318A JP2000289318A JP2002098760A JP 2002098760 A JP2002098760 A JP 2002098760A JP 2000289318 A JP2000289318 A JP 2000289318A JP 2000289318 A JP2000289318 A JP 2000289318A JP 2002098760 A JP2002098760 A JP 2002098760A
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Hidetoshi Tanaka
秀俊 田中
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の気象レーダシステムは、気象状況に係
る時系列画像データとして平面的な反射強度についての
水平分布情報が取り扱われるのみであるので、十分な予
測精度を得ることができないという課題があった。 【解決手段】 気象レーダシステムにおいて、空間観測
部1と、観測データを蓄積する観測データウェアハウス
部2と、3次元空間で離散的に観測データを算出する状
況抽出部3と、観測データを時系列に蓄積する時系列デ
ータベース部4と、3次元的な変化予測モデルを作成す
る状態遷移分析部5と、変化予測モデル等を蓄積する状
態遷移データベース部6と、気象状況表示部7とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の気象レー
ダから時系列に得られる3次元観測データに基づいて、
局地的な領域に係る気象状況を解析するとともに当該領
域に係る将来の気象状況を予測する気象レーダシステム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は、例えば特開平11−3168
48号公報、特開平11−328407号公報等に記載
された従来の気象レーダシステムの構成を示す図であ
る。このシステムにおいては、気象レーダを含む観測装
置から時系列に得られる気象状況に係る画像を蓄積し
て、これら蓄積された画像を基にして将来の気象状況を
予測する。
【0003】図12において、101は気象レーダ、1
02は各気象レーダ101毎に設けられて気象レーダ1
01から送られるデータを蓄積するセンサデータウェア
ハウス部、103は複数の気象レーダ101により観測
されてセンサデータウェアハウス部102に蓄積された
反射強度データを基にして所与の地域に係る反射強度分
布を算出して画像化する画像化部である。これらの気象
レーダ101、センサデータウェアハウス部102およ
び画像化部103等は例えば気象庁内に配備され、観測
された反射強度データ、反射強度分布に係る画像処理デ
ータ等の処理対象データは、通信手段またはCD−RO
M等の記録媒体等を介して上記各設備間において交換さ
れる。
【0004】また、104は画像化部103において生
成された画像処理データを時系列に格納するとともに出
力指定に応じて時系列に画像データを供給する時系列画
像データベース部、105は出力指定を意図する信号を
送ることにより時系列画像データベース部104から時
系列に得られる画像データに基づいて変化モデルを生成
する変化計測部、106は変化計測部105で生成され
た変化モデルを格納する変化モデルデータベース部、1
07は時系列画像データベース部104から現在に近い
時系列画像データをユーザに選択させるとともに将来の
気象状況の予測をユーザに提示する予測表示部、108
は上記構成要素に係る各種の制御を実施する制御部であ
る。
【0005】次に動作について説明する。画像化部10
3は、複数の気象レーダ101により観測されてセンサ
データウェアハウス部102に蓄積された反射強度デー
タを基にして所与の地域に係る反射強度分布を算出して
反射強度の水平分布に係る平面的な画像処理データを作
成し、当該画像処理データを時系列画像データベース部
104へ時系列に出力する。変化計測部105は、時系
列画像データベース部104から時系列に得られる画像
データに基づいて観測対象の変化の推移を表現する変化
モデルを生成し、変化モデルデータベース部106へ当
該変化モデルを出力する。なお、変化モデルの生成につ
いては、例えば、特開平11−316848号公報に記
載された発明では、時系列画像データから観測対象に係
る3次元的な形状の推定および各部位の速度を推定する
ことにより、観測対象の変化に係るモデル化を実施して
いる。また、特開平11−328407号公報に記載さ
れた発明では、画像の変化速度および画像変化の反復パ
ターンを抽出することで観測対象の変化に係るモデル化
を実施している。
【0006】また、現時点において得られた観測対象に
係る時系列画像データから将来の気象状況の予測を実施
する際には、第1に、制御部108が画像化部103か
ら時系列画像データを直接的に取り出すか、または予測
表示部107を用いて現在の気象状況に最も近い時系列
画像データをユーザにより時系列画像データベース部1
04から選択させることで、現在の観測対象に係る時系
列画像データを取得する。次に、制御部108は、取得
された時系列画像データに基づいて、当該時系列画像デ
ータに対応する変化モデルあるいは類似時系列画像を検
索する。ここで、類似時系列画像とは、取得された時系
列画像データに類似する部位および当該類似する部位に
続く時系列画像データから成る部位とを有して、継続部
位により将来の画像の変化を予見可能とする時系列画像
データとして与えられるものとする。そして、制御部1
08は、検索された最適な変化モデル等に基づいて、観
測対象について予測される将来の気象状況を予測表示部
107においてユーザに提示する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の気象レーダシス
テムは以上のように構成されているので、気象状況に係
る時系列画像データとしては平面的な反射強度の水平分
布情報が取り扱われるのみであるので、空間的走査を実
施する気象レーダから得られる種々の3次元的情報を有
効に活用することができず、十分な予測精度を得ること
ができないという課題があった。
【0008】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、気象レーダから得られる3次元的
情報を有効に活用して気象状況の予測精度を向上するこ
とができる気象レーダシステムを得ることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る気象レー
ダシステムは、3次元観測を実施する複数の空間観測部
と、空間観測部から得られる観測データを時系列に蓄積
する観測データウェアハウス部と、観測データウェアハ
ウス部からユーザが指定する観測範囲内の観測データを
抽出して、当該観測データの分布を適切な混合比で混合
される複数の指数分布族、例えば正規分布により表現
し、当該複数の正規分布に基づいて観測範囲内に生成さ
れた格子点に対して蓋然性の高い観測データを付与する
状況抽出部と、該状況抽出部から、各格子点の座標並び
にそれぞれの格子点に付与された観測データを入力して
時系列に蓄積する時系列データベース部と、対象とする
格子点と当該格子点周りの近傍格子点との空間的関係並
びに時間的関係を規定する状態遷移モデルに基づいて、
時系列データベース部から得られる前の時刻幅における
近傍格子点に係る観測データと後の時刻幅における対象
とする格子点に係る観測データとの組み合わせから成る
組み合わせデータ全体を所定の数に分類して、それぞれ
に分類された組み合わせデータの集合を表現する正規分
布を個々に導いて当該正規分布に係るパラメータからな
る複数の状態遷移モデルパラメータを生成する状態遷移
分析部と、状態遷移モデルおよび当該状態遷移モデルに
対応する状態遷移モデルパラメータを蓄積する状態遷移
データベース部と、それぞれが個別の局所的な気象状況
に対応する状態遷移モデルパラメータのなかから現在の
近傍格子点の観測データに最も関連するものを検索し
て、次の時刻幅における対象となる格子点に係る観測デ
ータを導くことで気象状況に係る将来予測を実施して当
該予測結果を表示する気象状況表示部とを備えるように
したものである。
【0010】この発明に係る気象レーダシステムは、気
象状況表示部から複数の空間観測部のそれぞれへ観測条
件を伝達することが可能であり、空間観測部は指定され
た観測条件に従って動作するようにしたものである。
【0011】この発明に係る気象レーダシステムは、気
象状況表示部が、気象状況に係る将来予測結果をユーザ
に提示した後に、観測条件をユーザから受け付けてユー
ザにより選定された観測条件を伝達するようにしたもの
である。
【0012】この発明に係る気象レーダシステムは、気
象状況表示部が、予め設定された観測条件のなかから将
来予測結果に応じて1つまたは複数の観測条件を観測条
件選択肢として表示するようにしたものである。
【0013】この発明に係る気象レーダシステムは、観
測データウェアハウス部が、それぞれの空間観測部に係
る観測条件を同一とするように、それぞれの空間観測部
から得られる観測データを補正するようにしたものであ
る。
【0014】この発明に係る気象レーダシステムは、状
況抽出部が、観測データの次元を1つ増やし、その次元
の方向に、同一の観測データを、実際にあるいは計算上
仮想的に複製して拡張観測データとなし、当該拡張観測
データ全体を、適切な混合比で混合される複数の指数分
布族、例えば正規分布によって表現する対象とするよう
にしたものである。
【0015】この発明に係る気象レーダシステムは、状
況抽出部が、空間観測部の設置位置に応じてデータ値が
変動する観測データについては、各空間観測部毎に観測
データを算出して、算出された複数の観測データをベク
トル合成することで単一の観測データとしてデータ生成
するようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1による
気象レーダシステムの構成を示す図である。なお、この
実施の形態1では、2つの気象レーダを用いて指定領域
を観測して、該領域に係る気象状況の解析並びに予測提
示を実施する場合を例にとるものとする。
【0017】図1において、1は例えば電波を発して空
間観測を実施する気象レーダとして与えられる空間観測
部、2は空間観測部1から観測データを受け取って時系
列に蓄積する観測データウェアハウス部、3はユーザの
指定する観測範囲およびデータ種類に基づいてデータウ
ェアハウス部2から観測データを抽出して、当該観測デ
ータ全体を分類して観測範囲内の観測データの分布を適
切な混合比で混合される複数の指数分布族、例えば正規
分布により表現し、当該複数の正規分布に基づいて観測
範囲内に生成された格子点に対して蓋然性の高い観測デ
ータを付与する状況抽出部、4は状況抽出部3から各格
子点の座標並びにそれぞれの格子点に付与された観測デ
ータを入力して時系列に蓄積する時系列データベース
部、5は対象とする格子点と当該格子点周りの近傍格子
点との空間的関係並びに時間的関係を規定する状態遷移
モデルに基づいて、時系列データベース部4から得られ
る前の時刻幅における近傍格子点に係る観測データと後
の時刻幅における対象とする格子点に係る観測データと
の組み合わせから成る組み合わせデータ全体を所定の数
に分類して、それぞれに分類された組み合わせデータの
集合を表現する正規分布を個々に導いて当該正規分布に
係るパラメータからなる複数の状態遷移モデルパラメー
タを生成する状態遷移分析部、6は状態遷移モデルおよ
び当該状態遷移モデルに対応する状態遷移モデルパラメ
ータを蓄積する状態遷移データベース部、7はそれぞれ
が個別の局所的な気象状況に対応する状態遷移モデルパ
ラメータのなかから現在の近傍格子点の観測データに最
も関連するものを検索して、次の時刻幅における対象と
なる格子点に係る観測データを導くことで気象状況に係
る将来予測を実施して当該予測結果を表示する気象状況
表示部である。
【0018】次に動作について説明する。空間観測部1
は、仰角を固定して方位角を所定の角度刻みで時間的に
変化させる方式(以下、PPI方式と称する)または方
位角を固定して仰角を所定の角度刻みで時間的に変化さ
せる方式(以下、RHI方式と称する)を用いて、ある
いはPPI方式における仰角またはRHI方式における
方位角を所定の角度刻みで時間的に変化させる方式を用
いて、所定の測定距離毎の反射強度、反射物の速度の電
波放射方向成分(以下、反射速度と称する)、および反
射速度に係る標準偏差(以下、速度幅と称する)を測定
する。空間観測部1により観測されたデータは、観測デ
ータウェアハウス部2へ出力される。また、空間観測部
1は、気象状況表示部7からの指定に応じて、上記のP
PI方式またはRHI方式等の時間変化方式および他の
方式における角度刻みの変更、測定距離刻みの変更、電
波の強さの変更および測定時間長さの変更等を実施する
ことができる。
【0019】図2は、空間観測部1から観測データウェ
アハウス部2へ出力する観測データのデータ形式の例を
示す図である。観測日時および観測したレーダに係る識
別子(以下、レーダ識別子と称する)が付記された後
に、観測方式、方位角、仰角および各距離毎の観測デー
タが列記されている。
【0020】観測データウェアハウス部2は、状況抽出
部3からデータ範囲およびデータ形式の指定を受ける
と、指定に基づいて該当する観測データを状況抽出部3
へ出力する。なお、状況抽出部3に蓄積される観測デー
タについても、図2に示されたものと同様の観測データ
形式を採る。図2に示された観測データについては、2
ヶ所のレーダ設置場所である「釧路a」および「根室
b」からのデータが蓄積されている例が示されている。
なお、複数の空間観測部1相互間における観測条件、機
器特性等に係る差異を補償するために、観測データウェ
アハウス部2により観測データを適宜補正してから状況
抽出部3へ出力することも可能である。
【0021】図3は、状況抽出部3の内部動作を示すフ
ローチャートである。既に述べたように、状況抽出部3
は、第1にユーザの指定する観測範囲および測定データ
種類に基づいて観測データウェアハウス部2から観測デ
ータを抽出する(ステップST1)。図4は、観測範囲
の指定例を示す図である。図4において、11,12は
気象レーダ、13はユーザにより指定された観測範囲で
ある。また、図中の直線はそれぞれの気象レーダ11,
12から観測のために電波を放射する方向を示し、図中
の円は各方向において所定の距離毎に観測される複数の
代表的な観測部位(距離範囲)を示している。例えば、
ユーザが「2000年7月1日8時5分から10分まで
の観測範囲13内における反射強度および反射速度」と
いう指定を与えると、状況抽出部3は観測データウェア
ハウス部2から該当するデータを抽出する。上記の観測
範囲13の指定については、緯度、経度および高度に係
る範囲を指定することで3次元的な観測範囲が設定され
る。また、観測範囲内のデータを抽出するにあたって
は、気象レーダ11,12に係る設置緯度、設置経度、
設置高度およびレーダ観測に係る方位角、仰角、測定距
離に基づいて座標変換を実施して、指定された範囲内の
観測データを抽出する。図4に示される例では、観測範
囲外で斜線の付された丸印以外の丸印に係る位置におけ
る反射強度値および反射速度値が抽出される。なお、反
射強度のようにレーダの設置位置に応じてデータ値が変
動することのない観測データについては、レーダ識別子
に応じて分類することなくデータを抽出する。また、反
射速度のようにレーダの設置位置に応じてデータ値が変
動する観測データについては、レーダ識別子毎にデータ
を抽出する。
【0022】次に、状況抽出部3は、図3に示される観
測値取得ステップST1において取得した観測データの
総数をユーザに提示するとともに、ユーザの指定する数
または所与の計算式を用いて導出した数を混合数として
設定する。そして、当該設定された混合数だけ存在する
こととなる正規分布について、これら正規分布に係る平
均および分散が未知であるとともにこれら複数の正規分
布が未知の混合比で混合されることを前提として、混合
正規分布パラメータを算出する(ステップST2)。例
えば、観測データの総数をn、混合数をmとするととも
に、i番目の観測に係る観測位置をベクトルX、観測
データをベクトルYで表すものとする。そして、この
ベクトルXとベクトルYとを結合したn個のベクト
ルZ=(X,Y)について、期待値最大化法を用
いた最尤推定に基づいて、混合分布パラメータすなわち
m個の正規分布に係るそれぞれの平均、分散および混合
比を求める。さらに、上記のように求められたm個の正
規分布に基づいて観測データをm個のグループに分類す
る。なお、混合数を導出するための所与の計算式として
は、例えば「観測データ数の5%」等として与えられる
ものとする。また、ベクトルXおよびベクトルY
結合するとともに次元を1つ増やした総計で2n個のベ
クトルZ=(X,Y,1)およびZn+i=(X
,Y,2)について、期待値最大化法を用いた最尤
推定に基づいて、混合分布パラメータを求めることもで
きる。これにより、各観測データには諸次元方向に必ず
複製が存在することになり、その結果混合正規分布を構
成するいずれかの正規分布のパラメータを単一の観測デ
ータから求めなければいけない場合にも、平均は当該次
元上に複製した観測データの中間点に、分散は当該次元
上では0でない値に、それぞれなることが期待でき、分
散が全次元において0になることに起因する計算上の不
安定さを自然に回避することが可能となる。
【0023】図5は、上記の分類工程の結果を示す図で
ある。図5において、図4と同一符号は同一または相当
部分を示すのでその説明を省略する。21,22は、そ
れぞれ2つの正規分布の混合を前提として分類した結果
として得られた楕円状の正規分布である。なお、反射強
度のようにレーダの設置位置に応じてデータ値が変動す
ることのない観測データについては、レーダ識別子に関
連なく観測データを分類する。また、反射速度のように
レーダの設置位置に応じてデータ値が変動する観測デー
タについては、レーダ識別子毎に観測データを分類す
る。
【0024】次に、状況抽出部3は、図3に示される分
類ステップST2において得られた混合分布パラメータ
に基づいて、空間領域に所定の間隔で与えられた格子点
に対して当該格子点に対応する蓋然性の高い観測データ
を付与する(ステップST3)。この観測データの離散
的な記録に関しては、反射強度のようにレーダの設置位
置に応じてデータ値が変動することのない観測データに
ついては、分類ステップST2において得られたレーダ
識別子に関連しない混合分布パラメータに基づいて、そ
れぞれの格子点に対して、指定時刻範囲を付記した当該
格子点に対応する観測データを付与し、格子点全体に係
る観測データを時系列データベース部4へ出力する。図
6は、観測空間に生成された格子点の例を示す図であ
る。図6において、図4および図5と同一符号は同一ま
たは相当部分を示すのでその説明を省略する。格子点
は、等経度間隔、等緯度間隔および等高度間隔で3次元
的に生成され、図6には水平面方向に2次元的に広がる
複数の格子点が小円により示されている。各格子点と各
正規分布の中心との間の距離および各正規分布の混合比
に基づいて、各格子点に対応付けられる例えば反射強度
等の観測データを算出することが可能となる。
【0025】また、反射速度のようにレーダの設置位置
に応じてデータ値が変動する観測データについては、分
類ステップST2において得られたレーダ識別子毎の混
合分布パラメータに基づいて、それぞれの格子点に対し
て、指定時刻範囲を付記した当該格子点に対応する観測
データを付与し、格子点全体に係る観測データを時系列
データベース部4へ出力する。なお、格子点上のベクト
ルデータに係る融合方式については、ユーザの定義に従
うものとする。例えば、各格子点に対してレーダ識別子
毎に付与されるベクトルデータについては、単純にベク
トル合成することも可能であれば、またレーダ識別子に
係る正規分布の混合比を重み係数とした複数のベクトル
に対する重み付け和をもって当該格子点に対するベクト
ルデータとして用いることも可能である。また、このベ
クトルデータの蓄積方式については、方向を表す3次元
単位ベクトルと当該観測データの大きさとから成る4つ
の要素を有するベクトルデータに変換して蓄積するのが
好適である。
【0026】次に、時系列データベース部4は、既に述
べたように状況抽出部3から各格子点の座標およびそれ
ぞれの格子点に付与される観測データを入力するととも
に、状態遷移分析部5から時刻範囲および格子点範囲の
指定を受けて、当該指定に基づいて時系列データを状態
遷移分析部5へ出力する。図7は、時系列データベース
部4において蓄積される時系列データのデータ形式の例
を示す図である。図7には、2000年7月1日午前8
時5分から7分までの1分刻みのデータが示されてい
る。総数でN個存在する格子点について、それぞれ座標
値が先頭行に記載されるとともに、各格子点毎に反射強
度、反射速度の大きさ、および反射速度の向きを表す単
位ベクトルに係る緯度成分、経度成分、高度成分が記載
されている。また、時系列データベース部4は、同様に
気象状況表示部7からも時刻範囲および格子点範囲の指
定を受けて、当該指定に基づいて時系列データを気象状
況表示部7へ出力する。
【0027】図8は、状態遷移分析部5の内部動作を示
すフローチャートである。既に述べたように、状態遷移
分析部5は、第1にユーザから指定された時刻範囲およ
び格子点範囲あるいは予め設定された時刻範囲および格
子点範囲を時系列データベース部4へ指示して各格子点
に係る座標およびそれぞれの格子点に付与される観測デ
ータを入力する(ステップST11)。
【0028】次に、状態遷移分析部5は、状態遷移デー
タベース部6から状態遷移モデルを取得する(ステップ
ST12)。図9は、状態遷移モデルの一例を示す図で
ある。この状態遷移モデルにより、格子点と近傍格子点
との間の空間的関係および時間的関係が定義される。図
9(a)は、格子点と近傍格子点との間の空間的関係を
示すものである。この空間的関係は、実際には3次元的
に規定されるものであり、図では奥行き方向が省略して
示されている。図9(a)において、31は格子点デー
タ取得ステップST11で取得した格子点範囲、32は
格子点、33は格子点32に係る近傍格子点範囲であ
る。この場合、近傍格子点範囲は、縁部に存在する格子
点を除く各格子点について、対象とする格子点32を中
心として、各座標軸方向において位置に係る差異が1格
子点間隔以内である格子点の集合として与えられ、対象
とする格子点32自体も近傍格子点範囲33に含まれ
る。すなわち、2次元的には対象とする格子点周りの当
該格子点を含む9個の格子点、3次元的には対象とする
格子点周りの当該格子点を含む27個の格子点が近傍格
子点範囲として与えられる。なお、このような近傍格子
点範囲は、ユーザにより設定される場合もあれば、予め
定義される場合もある。
【0029】また、図9(b)は、格子点と近傍格子点
との間の時間的関係を示すものである。図9(b)にお
いて、34は例えば図7に示されるような1分刻みの時
刻幅として与えられるある時刻幅における対象とする格
子点の観測データを表現するものであり、例えば図7に
示される反射強度、反射速度および向きから成る一行の
観測データに相当するものである。また、35は観測デ
ータ34に係る時刻幅よりも前の時刻幅における近傍格
子点の観測データを表現するものである。すなわち、図
9(b)に示される状態遷移モデルは、前の時刻幅にお
ける近傍格子点の観測データが後の時刻幅における対象
とする格子点自体の観測データに影響を及ぼすことを表
現している。なお、時刻幅の設定については、ユーザに
より指定された方式または予め規定された方式に従うも
のとする。例えば、図7に示された上段の時刻幅を前の
時刻幅、下段の時刻幅を後の時刻幅とする。あるいは、
図7に示される2行の時刻幅を前の時刻幅、所定の数の
時刻幅を経た後の時刻幅を後の時刻幅とすることもでき
る。すなわち、前の時刻幅と後の時刻幅とについては、
連続的に設定することもできれば断続的に設定すること
もできる。なお、前の時刻幅に係る開始時刻を以下の記
載において開始時刻と称することとする。
【0030】図10は、状態遷移データベース部に格納
されている状態遷移モデルのデータ形式の例を示す図で
ある。図10に示される例においては、格子点範囲とし
て規定された範囲内の各格子点について、対象となる格
子点の座標と当該格子点に対する近傍格子点の座標、お
よびこれらの近傍格子点に係る観測データが対象となる
格子点に係る観測データに対して時間的影響を与えるこ
とを示す近傍格子点と対象となる格子点との間の相対的
な時刻幅を1行のデータとしてそれぞれ羅列すること
で、状態遷移モデルに係る空間的関係および時間的関係
を表現する。
【0031】次に、状態遷移分析部5は、観測データを
集計して状態遷移モデルのパラメータを算出する(ステ
ップST13)。以下に、集計方法の一例を示す。図9
に示される状態遷移モデルに基づいて、格子点データ取
得ステップST11で取得したデータから、対象となる
格子点に係る前の時刻幅における観測データと近傍格子
点に係る後の時刻幅における観測データとから成る組み
合わせデータを生成する。例えばある時刻幅tにおける
格子点に係る観測データXitおよびその前の時刻幅s
における近傍格子点に係る観測データXj1s〜X
j9sとの組み合せデータVは、V=(Xj1s,X
j2s,…,Xj9s,Xit)と記載することができ
る。各格子点について与えられるこれら複数の組み合せ
データVをユーザにより指定された分類数、または所与
の計算式を用いて導出した分類数に分類する。なお、分
類数を導出するための所与の計算式としては、例えば
「観測データ数の5%」等として与えられる。分類方式
については、例えば状況抽出部3における分類工程と同
様に、期待値最大化法を用いた最尤推定に基づく方式等
が考えられる。
【0032】次に、状態遷移分析部5は、集計ステップ
ST13で得られた状態遷移モデルパラメータ、すなわ
ち後の時刻幅における格子点に係る観測データおよび前
の時刻幅における近傍格子点に係る観測データから成る
組み合せデータVについてそれぞれ分類された組み合わ
せデータの集合に係る分類の重み、各集合を表現する正
規分布に係る平均および分散を状態遷移データベース部
6に記録する(ステップST14)。
【0033】状態遷移データベース部6は、ユーザ定義
による状態遷移モデルを登録するか、あるいは所与の状
態遷移モデルを予め設定することで、図9に示されるよ
うな状態遷移モデルを保持する。このように状態遷移デ
ータベース部6により保持された状態遷移モデルについ
ては、状態遷移分析部5からの指示に応じて当該状態遷
移分析部5への提示がなされる。そして、状態遷移デー
タベース部6は、状態遷移分析部5において状態遷移モ
デルに基づいて求められた状態遷移モデルパラメータを
受け取って蓄積する。図11は、蓄積される状態遷移モ
デルパラメータのデータ形式の一例を示す図である。図
11において、nは近傍格子点の数を示すものであり、
上記の近傍格子点の設定方式によれば、2次元ではn=
9となり、3次元ではn=27となる。この図の例にお
いては、組み合せデータVが説明の都合上4つに分類さ
れて、分類された各集合に係る正規分布における反射強
度、反射速度および反射の向きについての平均値が示さ
れている。図11に示される重みは、分類された各集合
に係る正規分布の重みを示すものである。簡単に説明す
れば、1行に記載されたデータが1つの局所的な気象状
況パターンに対応して、重みが各気象状況パターンの出
現する頻度に対応する。したがって、近傍格子点1から
近傍格子点nに係るデータについて現在の観測データに
最も合致する状態遷移モデルパラメータを図11に示さ
れるような複数のパラメータ群のなかから選択して、最
も関連する状態遷移モデルパラメータにおける対象とな
る格子点に係る観測データに基づいて所定の時刻幅後の
対象となる格子点に係る気象状況を予測し、複数の格子
点について同様の処理を実施することで所定の領域に係
る気象状況の予測が可能となる。なお、状態遷移データ
ベース部6は、気象状況表示部7からの指示に応じて、
当該気象状況表示部7へ状態遷移モデルおよび状態遷移
モデルパラメータを提示する。
【0034】次に、気象状況表示部7は、状態遷移デー
タベース部6に指示して状態遷移モデルおよび状態遷移
モデルパラメータを取得するとともに、当該状態遷移モ
デルおよび状態遷移モデルパラメータをユーザに提示す
る。また、時系列データベース部4に対して現在に最も
近い時刻範囲および格子点範囲を指示して当該範囲に係
る時系列データを取得するとともに、対象とする1また
は複数の格子点について現在に最も近い時刻における近
傍格子点データに最も関連する状態遷移モデルパラメー
タを検索して、当該検索された状態遷移モデルパラメー
タに基づいて予測される将来の気象状況に係るデータで
ある将来予測結果をユーザに提示する。この際、状態遷
移モデルパラメータに係る平均および分散から計算され
る確率分布、並びに状態遷移モデルパラメータに係る重
みから気象状況に係る予測の蓋然性を算出して、当該蓋
然性をユーザに併記して表示する。
【0035】また、気象状況表示部7は、それぞれの空
間観測部1へ観測条件を伝達する。観測条件としては、
例えば上記のPPI方式、RHI方式等の時間変化方
式、および他の方式における角度刻みの変更、測定距離
刻みの変更、電波強さの変更および観測時間長さの変更
等が挙げられる。気象状況に係る将来予測結果をユーザ
に提示した後に、ユーザにより規定される上記のような
観測条件の変更を空間観測部1へ伝達する。あるいは、
気象状況に係る将来予測結果を選択の条件とするととも
に、予め設定された観測条件のなかから将来予測結果に
応じて1つまたは複数の観測条件を観測条件選択肢とし
て表示して、ユーザにより選択された観測条件を空間観
測部1へ伝達するようにしてもよい。なお、空間観測部
1は指定された観測条件に従って動作するものとする。
【0036】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、複数の空間観測部1と、観測データウェアハウス部
2と、状況抽出部3と、時系列データベース部4と、状
態遷移分析部5と、状態遷移データベース部6と、気象
状況表示部7とを備えるように構成したので、3次元観
測を実施する複数の空間観測部1からの同時刻幅におけ
る情報を統合して所定の観測範囲に対して離散的な観測
データの集合からなる3次元的な時系列データベースを
作成するとともに、格子点間の空間的関係および時間的
関係を規定する状態遷移モデルに対して時系列データベ
ース部4に蓄積されたデータを適用することで得られる
3次元的に設定された状態遷移モデルパラメータのなか
から現在の観測データに最も近いものを選択することで
将来の気象状況予測を実施することができるから、空間
観測部1から得られる3次元的な観測データを最大限に
利用して予測精度を向上することができるという効果を
奏する。
【0037】また、気象状況表示部7から複数の空間観
測部1のそれぞれへ観測条件を伝達することが可能であ
り、空間観測部1は指定された観測条件に従って動作す
るように構成したので、ユーザが複数の空間観測部1を
制御することができて、適切な範囲指定などによる観測
条件の向上が図れるから、観測精度ひいては予測精度を
向上することができるという効果を奏する。
【0038】また、気象状況表示部7が、気象状況に係
る将来予測結果をユーザに提示した後に、観測条件をユ
ーザから受け付けてユーザにより選定された観測条件を
伝達するように構成したので、将来予測結果に応じて複
数の空間観測部1の制御を実施することができて、霧、
雷雲などが発生している特定地域への着目までの期間を
短縮することができるから、観測精度ひいては予測精度
を向上することができるという効果を奏する。
【0039】また、気象状況表示部7が、予め設定され
た観測条件のなかから将来予測結果に応じて1つまたは
複数の観測条件を観測条件選択肢として表示するように
構成したので、将来予測結果に応じてシステムが半自動
的に複数の空間観測部1を制御することにより、特定の
地域への着目までの期間をさらに短縮することができる
から、観測精度ひいては予測精度をさらに向上すること
ができるという効果を奏する。
【0040】また、観測データウェアハウス部2が、そ
れぞれの空間観測部1に係る観測条件を同一とするよう
に、それぞれの空間観測部1から得られる観測データを
補正するように構成したので、複数の空間観測部1間の
観測条件の差を補償して観測データを観測データウェア
ハウス部2に記録することにより、状況抽出部3におい
て作成する時系列データの精度を上げることができるか
ら予測精度を向上することができるという効果を奏す
る。
【0041】また、状況抽出部3が、観測データの次元
を1つ増やし、その次元の方向に、同一の観測データ
を、実際にあるいは計算上仮想的に複製して拡張観測デ
ータとなし、当該拡張観測データ全体を、適切な混合比
で混合した複数の正規分布によって表現する対象とする
ように構成したので、各観測データには諸次元方向に必
ず複製が存在することになり、その結果混合正規分布を
構成するいずれかの正規分布のパラメータを単一の観測
データから求めなければいけない場合にも、平均は当該
次元上に複製した観測データの中間点に、分散は当該次
元上では0でない値に、それぞれなることが期待でき、
分散が全次元において0になることに起因する計算上の
不安定さを自然に回避することができるという効果を奏
する。
【0042】さらに、状況抽出部3が、空間観測部1の
設置位置に応じてデータ値が変動する観測データについ
ては、各空間観測部1毎に観測データを算出して、算出
された複数の観測データを単純にベクトル合成すること
で、あるいは重み付けてベクトル合成することで単一の
観測データとしてデータ生成するように構成したので、
観測精度ひいては予測精度を向上することができるとい
う効果を奏する。
【0043】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、3次
元観測を実施する複数の空間観測部と、観測データを時
系列に蓄積する観測データウェアハウス部と、観測範囲
内の観測データの分布を適切な混合比で混合される複数
の指数分布族、例えば正規分布により表現し、観測範囲
内に生成された格子点において、指数分布族に基づいて
蓋然性の高い観測データを付与する状況抽出部と、各格
子点の座標並びにそれぞれの格子点に付与された観測デ
ータを入力して時系列に蓄積する時系列データベース部
と、状態遷移モデルに基づいて時系列データベース部か
ら得られる前の時刻幅における近傍格子点に係る観測デ
ータと後の時刻幅における対象とする格子点に係る観測
データとの組み合わせから成る組み合わせデータ全体を
所定の数に分類して個別の気象状況パターンにそれぞれ
対応する状態遷移モデルパラメータを生成する状態遷移
分析部と、状態遷移モデルおよび当該状態遷移モデルに
対応する状態遷移モデルパラメータを蓄積する状態遷移
データベース部と、状態遷移モデルパラメータのなかか
ら現在の近傍格子点の観測データに最も関連するものを
検索して気象状況に係る将来予測を実施して当該予測結
果を表示する気象状況表示部とを備えるように構成した
ので、3次元観測を実施する複数の空間観測部からの同
時刻幅における情報を統合して所定の観測範囲に対して
離散的な観測データの集合からなる3次元的な時系列デ
ータベースを作成するとともに、格子点間の空間的関係
および時間的関係を規定する状態遷移モデルに対して時
系列データベースに蓄積されたデータを適用することで
得られる3次元的に設定された状態遷移モデルパラメー
タのなかから現在の観測データに最も近いものを検索す
ることで将来の気象状況予測を実施することができるか
ら、空間観測部から得られる3次元的な観測データを最
大限に利用して予測精度を向上させることができるとい
う効果を奏する。
【0044】この発明によれば、気象状況表示部から複
数の空間観測部のそれぞれへ観測条件を伝達することが
可能であり、空間観測部は指定された観測条件に従って
動作するように構成したので、ユーザが複数の空間観測
部を制御することができて、適切な範囲指定などによる
観測条件の向上が図れるから、観測精度ひいては予測精
度を向上することができるという効果を奏する。
【0045】この発明によれば、気象状況表示部が、気
象状況に係る将来予測結果をユーザに提示した後に、観
測条件をユーザから受け付けてユーザにより選定された
観測条件を伝達するように構成したので、将来予測結果
に応じて複数の空間観測部の制御を実施することができ
て、霧、雷雲などが発生している特定地域への着目まで
の期間を短縮することができるから、観測精度ひいては
予測精度を向上することができるという効果を奏する。
【0046】この発明によれば、気象状況表示部が、予
め設定された観測条件のなかから将来予測結果に応じて
1つまたは複数の観測条件を観測条件選択肢として表示
するように構成したので、将来予測結果に応じてシステ
ムが半自動的に複数の空間観測部を制御することによ
り、特定の地域への着目までの期間をさらに短縮するこ
とができるから、観測精度ひいては予測精度をさらに向
上することができるという効果を奏する。
【0047】この発明によれば、観測データウェアハウ
ス部が、それぞれの空間観測部に係る観測条件を同一と
するように、それぞれの空間観測部から得られる観測デ
ータを補正するように構成したので、複数の空間観測部
間の観測条件の差を補償して観測データを観測データウ
ェアハウス部に記録することにより、状況抽出部におい
て作成する時系列データの精度を上げることができるか
ら予測精度を向上することができるという効果を奏す
る。
【0048】この発明によれば、状況抽出部が、観測デ
ータの次元を1つ増やし、その次元の方向に、同一の観
測データを、実際にあるいは計算上仮想的に複製して拡
張観測データとなし、当該拡張観測データ全体を、適切
な混合比で混合した複数の指数分布族、例えば正規分布
によって表現する対象とするように構成したので、各観
測データには諸次元方向に必ず複製が存在することにな
り、その結果混合正規分布を構成するいずれかの正規分
布のパラメータを単一の観測データから求めなければい
けない場合にも、平均は当該次元上に複製した観測デー
タの中間点に、分散は当該次元上では0でない値に、そ
れぞれなることが期待でき、分散が全次元において0に
なることに起因する計算上の不安定さを自然に回避する
ことができるという効果を奏する。
【0049】この発明によれば、状況抽出部が、空間観
測部の設置位置に応じてデータ値が変動する観測データ
については、各空間観測部毎に観測データを算出して、
算出された複数の観測データをベクトル合成することで
単一の観測データとしてデータ生成するように構成した
ので、観測精度ひいては予測精度を向上することができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による気象レーダシ
ステムの構成を示す図である。
【図2】 空間観測部から観測データウェアハウス部へ
出力する観測データのデータ形式の例を示す図である。
【図3】 状況抽出部の内部動作を示すフローチャート
である。
【図4】 観測範囲の指定例を示す図である。
【図5】 分類工程により得られた正規分布を示す図で
ある。
【図6】 観測空間に生成された格子点の例を示す図で
ある。
【図7】 時系列データベース部において蓄積される時
系列データのデータ形式の例を示す図である。
【図8】 状態遷移分析部の内部動作を示すフローチャ
ートである。
【図9】 状態遷移モデルの一例を示す図である。
【図10】 状態遷移データベース部に格納されている
状態遷移モデルのデータ形式の例を示す図である。
【図11】 蓄積される状態遷移モデルパラメータのデ
ータ形式の一例を示す図である。
【図12】 従来の気象レーダシステムの構成を示す図
である。
【符号の説明】
1 空間観測部、2 観測データウェアハウス部、3
状況抽出部、4 時系列データベース部、5 状態遷移
分析部、6 状態遷移データベース部、7 気象状況表
示部、11,12 気象レーダ(空間観測部)、13
観測範囲、21,22 正規分布、31 格子点範囲、
32 格子点、33 近傍格子点範囲、34 (後の時
刻幅の)格子点データ、35 (前の時刻幅の)近傍格
子点データ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元観測を実施する複数の空間観測部
    と、 該空間観測部から得られる観測データを時系列に蓄積す
    る観測データウェアハウス部と、 該観測データウェアハウス部からユーザが指定する観測
    範囲内の観測データを抽出して、当該観測データの分布
    を適切な混合比で混合される複数の指数分布族により表
    現し、上記観測範囲内に生成された格子点において、上
    記指数分布族に基づいて蓋然性の高い観測データを付与
    する状況抽出部と、 該状況抽出部から、各格子点の座標並びにそれぞれの格
    子点に付与された観測データを入力して時系列に蓄積す
    る時系列データベース部と、 対象とする格子点と当該格子点周りの近傍格子点との空
    間的関係並びに時間的関係を規定する状態遷移モデルに
    基づいて、前記時系列データベース部から得られる前の
    時刻幅における近傍格子点に係る観測データと後の時刻
    幅における対象とする格子点に係る観測データとの組み
    合わせから成る組み合わせデータ全体を所定の数に分類
    して、それぞれに分類された組み合わせデータの集合を
    表現する正規分布を個々に導いて当該正規分布に係るパ
    ラメータからなる複数の状態遷移モデルパラメータを生
    成する状態遷移分析部と、 状態遷移モデルおよび当該状態遷移モデルに対応する状
    態遷移モデルパラメータを蓄積する状態遷移データベー
    ス部と、 それぞれが個別の局所的な気象状況に対応する状態遷移
    モデルパラメータのなかから現在の近傍格子点の観測デ
    ータに最も関連するものを検索して、次の時刻幅におけ
    る対象となる格子点に係る観測データを導くことで気象
    状況に係る将来予測を実施して当該予測結果を表示する
    気象状況表示部とを備えることを特徴とする気象レーダ
    システム。
  2. 【請求項2】 気象状況表示部から複数の空間観測部の
    それぞれへ観測条件を伝達することが可能であり、空間
    観測部は指定された観測条件に従って動作することを特
    徴とする請求項1記載の気象レーダシステム。
  3. 【請求項3】 気象状況表示部が、気象状況に係る将来
    予測結果をユーザに提示した後に、観測条件をユーザか
    ら受け付けてユーザにより選定された観測条件を伝達す
    ることを特徴とする請求項2記載の気象レーダシステ
    ム。
  4. 【請求項4】 気象状況表示部が、予め設定された観測
    条件のなかから将来予測結果に応じて1つまたは複数の
    観測条件を観測条件選択肢として表示することを特徴と
    する請求項3記載の気象レーダシステム。
  5. 【請求項5】 観測データウェアハウス部が、それぞれ
    の空間観測部に係る観測条件を同一とするように、それ
    ぞれの空間観測部から得られる観測データを補正するこ
    とを特徴とする請求項1記載の気象レーダシステム。
  6. 【請求項6】 状況抽出部が、観測データの次元を1つ
    増やし、その次元の方向に、同一の観測データを、実際
    にあるいは計算上仮想的に複製して拡張観測データとな
    し、当該拡張観測データ全体を、適切な混合比で混合さ
    れる複数の指数分布族によって表現する対象とすること
    を特徴とする請求項1記載の気象レーダシステム。
  7. 【請求項7】 状況抽出部が、空間観測部の設置位置に
    応じてデータ値が変動する観測データについては、各空
    間観測部毎に観測データを算出して、算出された複数の
    観測データをベクトル合成することで単一の観測データ
    としてデータ生成することを特徴とする請求項1記載の
    気象レーダシステム。
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