JP2002079996A - 空気力学的表面における流れの剥離とそれに関連する現象の抑制方法及び装置 - Google Patents

空気力学的表面における流れの剥離とそれに関連する現象の抑制方法及び装置

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JP2002079996A
JP2002079996A JP2001051890A JP2001051890A JP2002079996A JP 2002079996 A JP2002079996 A JP 2002079996A JP 2001051890 A JP2001051890 A JP 2001051890A JP 2001051890 A JP2001051890 A JP 2001051890A JP 2002079996 A JP2002079996 A JP 2002079996A
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Layukallo Thombi
ラユカロ トンビ
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SAN RENTAL KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B64CAEROPLANES; HELICOPTERS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物体に沿う流体の流れが、物体表面から剥離
することを抑制する。 【解決手段】 少なくとも1つのバリアー部材(19)
は、物体表面1に設置される。バリアー部材19は物体
表面1からその近傍の剥離流れ層に対して伸長される。
ただし、バリアー部材19は剥離流れ層を横切るが、剥
離層の外側の定常流れ層には達しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体が航空機の翼
のような物体の外部表面や、ディフューザ表面のような
物体の内部表面に沿って通過する場合における、物体近
傍の流体の剥離を制御する方法及び構造に関するもので
ある。特に、本発明は、物体表面に接する流体の剥離に
関する不安定さ、振動及び抵抗を抑制する方法及び構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】流体力学でよく知られているように、流
体が固体表面に沿って移動する時に、流体は物体表面近
傍に境界層と呼ばれる粘性層を形成する。この境界層
は、この層の外部と較べ、低いエネルギーレベルを持
つ。境界層の内部においては、粘性の影響により、流れ
は歪められ、物体表面に対し垂直方向に、大きな速度勾
配が存在する。
【0003】大きな逆圧力勾配が存在する時、つまり、
圧力が流体の流れの方向に向かって増加する場合、図1
に示されるように、境界層は圧力勾配に抗することが出
来ず、物体表面から剥離し始める。図1には物体表面1
と、それに隣接する流体の流れの方向3が示される。
【0004】流れ5は、初期状態においては、物体表面
1に隣接して流れる。これを付着流5と呼ぶ。付着流5
は、剥離点9において物体表面1から剥離し、剥離流れ
7となる。剥離点9は、物体表面に対し、垂直方向の速
度勾配が、最初にゼロ以下になる点と定義される。
【0005】図18(a)及び図18(b)は流体流れ
をより詳細に示す。図18(a)には、物体2(例えば
航空機の翼)の外部表面1からの剥離が示され、図18
(b)では、物体2a(例えばディフューザ)の内部表
面1aからの剥離が示されている。この現象は「流れの
剥離」あるいは「剥離」と呼ばれる。図18(a)及び
(b)おいて、剥離点9は、流体流れが翼2,2aの表
面1,1aから初めて剥離する点である。剥離点9から
下流側において、流体は、渦17を形成し、剥離領域1
3中に剥離流れを形成する。また、剥離点9の下流であ
っても、物体表面1から離れた領域16では、流体は、
滑らかな流れを形成する。剥離流れ領域は、その領域の
局所的な流れの速度が、剥離点の前方の主流の流れ方向
と正反対になる領域と定義される。
【0006】図2(a)及び図2(b)に示すように、
流体が流れている時間が長くなるにつれて、この流れの
剥離は、初期剥離点9から上流に伝播する。これは図1
9(a)及び図19(b)に詳細に示される。図2
(a)は流体の流れの初期状態を示しており、図2
(b)はその後(時間が経過した後)の状態を示してい
る。初期状態においては、剥離点9は、流れの方向3に
関して、物体表面1の後端近くに位置する。その後、図
2(b)では、剥離点15は上流側へ移動する。そし
て、図19(a)に示されているように、擾乱波11
は、上流領域に影響を及ぼしながら、剥離領域13の内
部を上流に向かって伝播する。図19(b)に示されて
いるように、剥離点9が「調節された」剥離点15に変
化することによって、剥離流れの領域13は拡大する。
【0007】ほとんどの場合、流れの剥離は損失として
考えられ、それゆえに、それを避けるべきものとされて
いる。もし物体が航空機の翼である場合、流れの剥離は
一般に「失速」という状況として知られている。これ
は、航空機がその揚力を失う現象の原因となる。流れの
剥離は翼に作用する抗力も増加させる。このことは、特
に航空機の巡行時に不利になる。もし、剥離がディフュ
ーザの内面で起これば、その効率は低下する。
【0008】多くの場合、流れの剥離は、制御問題に関
連する非定常問題(現象が時間依存)の出現を導く。空
気力学的非定常は翼や、気体の構造疲労を引き起こす。
これは特に、遷音速流れとして知られる、流れの状態中
での航空機の飛行や、着陸体勢に入るような機体操作中
に、剥離流れにより生じる「バフェッティング」と呼ば
れる現象において、起こるものである。
【0009】流れの剥離はしばしば、他の干渉現象を起
こす。これは、自動車まわりの乱れた空気音や電力を供
給する送電線の風との干渉音という物理現象による実例
が挙げられる。
【0010】流れの速度が音速に近い状態、すなわち遷
音速流中では、流れの振動(通常は衝撃波の形成に関連
している)により誘起された剥離は非常に強くなる。こ
れらの振動を抑止する方法が、MihoraとCann
onの米国特許第5,692,709号に開示されてい
る。この米国特許では、空気力学的物体(翼やディフュ
ーザ)の表面の規定された位置において固定されている
単純な装置により、流れの振動を抑止する方法が開示さ
れている。これらの装置は、それが設置された位置で、
強制的に衝撃波の形成を促進するようにしたものであ
る。
【0011】前述の米国特許の他に、ある特定の条件下
で、流れの剥離を抑制する多くの方法が提案されてい
る。例えば、ヴォルテクス・ジェネレータ(Coxによ
る米国特許第5,253,828号)、リブレット(S
avilによる米国特許第4,863,121号)、大
規模乱流渦分散装置、多孔性あるいは溝付き壁、流体噴
射・吸引装置、移動表面、アクチュエータ(Wygna
nskiによる米国特許第5,209,438号)、振
動性柔軟構造、ステップ付きの物体表面などである。
【0012】前述のように、流れの剥離は、図18
(a)及び図18(b)に示されているように、剥離流
れ領域13の内部の、様々な大きさの渦構造(乱流によ
る渦)17に関連している。乱流渦17は、上流側に伝
播しうる擾乱波11を誘起する(図19(a)参照)。
擾乱波11内の擾乱の情報は、元の剥離点の上流側で受
け取られる。流れは、この情報に応じて、(自身でその
流れの状態を)調節する。それによって、剥離点は、何
らかのバランス(定常状態)が達成されるまで上流側に
移動する。擾乱波11の情報による、最初の剥離点9か
ら、調整された後の剥離点15(図19(b)参照)へ
の移動については、前述の通りである。擾乱が大きい場
合、流れ場全体は「非定常」になる。そして、剥離点
は、平均剥離点の周辺で変動する。このとき、流れ場は
フィードバックシステムを構成する。
【0013】前述したように、物体表面1上で、流体粒
子は極薄い境界層と呼ばれる粘性層を形成する。境界層
内の流体の速度はその外側に比較して、多くの場合、非
常に遅いので、この層内を擾乱が伝播することは容易で
ある。つまり、境界層内は非圧縮性流体場であると考え
られるので、情報の伝播は瞬時に起こる。これは、情報
は音波(圧力)波に乗って伝播するが、この波の伝播速
度である音速が、非圧縮流体においては無限大であるこ
とに起因する。境界層の外側が超音速である場合、上流
側への情報の伝播は境界層内に限られる。超音速流中に
おいては、物理量変化は上流側には伝播しない。それゆ
えに、擾乱波の境界層を通しての、上流側への伝播を避
けることは、流れの剥離の制御においては重要であり、
高速流においては特に重要である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、剥離
流れ領域内で発生する、擾乱の上流側への伝播を減少さ
せる方法及び構造を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様で
は、物体表面近傍における連続的な流体の流れの剥離を
抑制する抑制方法が提供される。その方法は、少なくと
も1つのバリアー部材を取り付けた物体表面を、定常な
流れと、物体表面と定常な流れの間の剥離領域を含むよ
うな流れとの中に与える工程と、少なくとも1つのバリ
アー部材の少なくとも一部を、定常流れの領域には達し
ないように剥離領域中に配置する工程とを含む。
【0016】少なくとも1つのバリアー部材は、剥離流
れ領域中に源を発する擾乱の、上流への影響の拡大を制
限するために動作することが好ましい。少なくとも1つ
のバリアー部材は、流体の流れの剥離の発生を低減させ
るために動作することが好ましい。少なくとも1つのバ
リアー部材は、流体の剥離に起因する流れの非定常性の
レベルを低減させるために動作することが好ましい。少
なくとも1つのバリアー部材は物体に働く抵抗を減少さ
せることが好ましい。少なくとも一つのバリア部材は物
体に対する流体の流れ方向に対し、お互いに所定の間隔
だけ離間していることが好ましい。物体表面は、物体の
外部表面であることが好ましい。物体は流線形物体であ
ることが好ましい。物体は鈍い物体であることが好まし
い。物体表面は、物体の内部表面であることが好まし
い。物体はディフューザであることが好ましい。少なく
とも1つのバリアー部材は、物体表面に取り付けられた
少なくとも1つの可動式タブを含むことが好ましい。少
なくとも1つの可動式のタブは、少なくとも1つのチャ
ンバーを覆うようにに取り付けられることが好ましい。
チャンバーは、可動式のタブの少なくとも一部分が剥離
領域に対して向って配置された時に、流れ場に対して露
出し、かつ、定常な流れの領域には達しないことが好ま
しい。
【0017】本発明の第2の態様では、物体表面近傍に
おける、連続的な流体の流れの剥離を抑制する構造が提
供される。その構造は、流体の定常流れ領域に沿って相
対的に移動する表面をもつ物体を含む。前記物体は、そ
の表面に取り付けられた少なくとも1つのバリアー部材
を有する。少なくとも1つのバリアー部材は、定常流れ
領域と物体表面と間の剥離領域中に配置され、物体表面
から剥離領域に対して伸長し、かつ、定常な流れ領域に
は達しない。
【0018】少なくとも1つのバリアー部材は、少なく
とも第1及び第2部分を有する少なくとも1つの可動式
タブを含むことが好ましい。第1部分は、物体表面と実
質的に同一平面上に存在し、第2部分は物体表面から剥
離領域に向かって伸長し、定常な流れの領域には達しな
いことが好ましい。その構造は、物体表面から物体の内
部に対して広がる、少なくとも1つのチャンバーを持つ
ことが好ましい。少なくとも1つのチャンバーは、少な
くとも1つのバリアー部材が物体表面から剥離流れの領
域に対して伸長した時に、流体の流れに対して露出する
ことが好ましい。その構造は複数のバリアー部材を含
み、その複数のバリアー部材は、物体に関する流れの方
向に対して、ある間隔を持って設置されていることが好
ましい。
【0019】本発明によれば、物体表面上に少なくとも
一つのバリアー部材(例えばタブ(補助翼))が配置さ
れる。図3に示されるように、バリアー部材19は、物
体1の表面から伸び、擾乱の上流への伝播と、それにが
上流に及ぼす影響を物理的に防止する。例えば、乱流渦
17によって励起された擾乱の上流への伝播を抑止す
る。図3から分かるように、バリアー部材19は、物体
表面1から剥離領域13に向って延びるが、それは剥離
領域13と、剥離領域13の外側の滑らかな流れ場(定
常領域)16との境界を越えるものではない。つまり、
バリア部材19が無いときには、物体表面1に隣接する
剥離領域13と、表面1に関する剥離領域13の外側の
定常領域16が存在する。バリアー部材19が、剥離領
域13の上流への伝播を抑止するために、剥離点9は、
上流側に移動することなく、そこにほぼ固定される。こ
のバリアー部材19は、剥離領域13に挿入されるが、
それが滑らかな(定常な)外部領域16に及ぶことはな
い。一つあるいは複数のバリアー部材の長さ、及び、物
体表面1との取り付け角は剥離の強さに応じて変化させ
ることが出来る。
【0020】このように、本発明には、剥離によって影
響を受けると予測される、もとの滑らかな物体表面1に
バリアー部材19を取り付けて改装するという方法が含
まれる。例えば、バリアー部材19としては、ステップ
状の部材や、タブが含まれる。これらのステップ状部材
やタブなどは、擾乱の上流への伝播を防ぐ、防御壁とし
て作用する。もし、これらのステップ状部材やタブが、
剥離領域内に維持されるならば、定常な流れの領域に干
渉することはない。
【0021】
【発明の実施の形態】本明細書を通じて、実質的に共通
の構成要素には同一の参照番号を使用した。本発明は、
物体表面に接して流れる流体の剥離を、その流れの継続
期間を通じて抑制する方法及び構造を開示する。物体表
面に沿う流体の流れとしては、(1)物体表面からある
距離だけ離れた所に流れる定常な流れ領域(定常流れ
層)、及び(2)物体表面と定常流れの領域の間の剥離
領域(剥離層)からなる。そして、本発明に従う方法
は、少なくとも一つのバリアー部材を含み、それは、物
体表面から剥離領域に向かって延びるが、定常流れの領
域に達することはない。本発明に従う、流れの剥離を抑
制する構造は、少なくとも一つのバリアー部材を含む。
このバリアー部材は、物体表面から剥離領域に向かって
延びるが、それが、外側の定常流れの領域に達すること
はない。
【0022】本発明に従って、少なくとも一つのバリア
ー部材を物体表面上に与えることにより、剥離領域が始
まる剥離点が、上流へ移動することが防止されること
で、流れの剥離が抑制される。
【0023】擾乱が上流へ伝播することを防止する部材
を設置するために、様々な技術を使用することが可能で
ある。もちろん、これに限られるわけではない。図4
(a)から図4(d)はバリアー装置を設置する技術を
示す。バリアー装置にはバリアー部材19が含まれる。
すなわち、一例として、図4(a)に示すように、物体
表面1から外側に対して、バリアー部材19を配置する
ことによりバリアー装置が与えられる。バリアー部材1
9は、流体流れに接した表面に設置される。バリアー部
材19を通過する流れが剥離したとき、バリアー部材1
9は、その前縁21(流れの方向に対して)のまわりで
矢印27の方向に回転することによって、展開する。展
開したバリアー部材19の下側位置に、チャンバー25
が形成される。チャンバー25には、流れの渦が吸い込
まれ、それによって、乱流渦に関するエネルギーは散逸
される。
【0024】必要に応じて、図4(b)に示されるチャ
ンバー25aを設置してもよい。このチャンバー25a
によれば、バリアー部材19が展開した際に、渦を吸い
込むための領域をより大きく確保することが出来る。
【0025】図4(c)に示されるように、バリアー部
材19をその中心33のまわりに回転させることによ
り、同じ効果を得ることが出来る。このとき、バリアー
部材19の前半部20a(流れの方向に対して)は、チ
ャンバー25aの内部に傾き、後半部20bは、チャン
バー25aの外部に向かって傾く。。
【0026】また、図4(d)に示すように、バリアー
部材19を物体表面1から流れに対して、垂直方向29
に突出させてもよい。複数のタブあるいは、その他のバ
リアー部材を用いてもよい。この場合、それらの大きさ
や、それぞれの部材の配置間隔や、展開角度について
は、それぞれの場合に従って、変化させることが出来
る。
【0027】図4(a)から図4(d)の各々におい
て、バリア部材19が、物体表面1から伸長されていな
い時、つまりバリア部材19が展開されていない時、表
面1はバリア部材19の上面と面一となる。例えば、図
4(a)から図4(c)については、バリア部材19が
上方に展開されていないときには、そのバリア部材19
の長手方向の表面は、物体表面1と同一平面をなす。図
4(d)においては、バリア部材19の上端面は、それ
が展開されていない、あるいは収納されているときに
は、物体表面1と同一平面をなす。
【0028】図5には、複数のバリアー部材(タブ)1
9a、19b、19cを有するマルチタブ構造が示され
る。複数のバリアー部材19a、19b、19cは、流
れ方向35に沿うように、物体表面1上に配置されてい
る。バリアー部材19a,19b,19cは、流れ方向
35に対して、所定の間隔をおいて配置されている。中
間のバリアー部材19bは、上流のバリアー部材19a
よりも大きく、下流のバリアー部材19cは中間のバリ
アー部材19bよりも長い。
【0029】図20には、複数のバリアー部材19a,
19b,19cによる流れの剥離の抑制が詳細に示され
ている。図20の右側位置において、擾乱波11が生成
され、乱流渦17が形成される。乱流渦17の形成、擾
乱波11の上流への伝播、及びそれによる影響は各バリ
アー部材19a,19b,19cによって制限される。
その結果、流れの剥離が抑制される。各バリアー部材1
9a,19b,19cの大きさや形、その下部のチャン
バーの配置は変更しても良い。
【0030】図6(a)及び図6(b)に示すように、
流れ41が鋭角な角部39を通り過ぎる場合、物体表面
1は剥離流れに常に曝される。この場合には、固定され
たタブ19d1,19d2,19e,19fを使用する
ことが出来る。例えば、図6(a)において、物体表面
1は、鋭角(例えば、直角)な角部39を持つ。垂直表
面43から伸びるバリアー部材19d1、19d2によ
って、流れの剥離が抑制される。バリアー部材19d1
と19d2の長さは異なる。そして、バリアー部材19
d1と19d2は垂直表面43の同一の位置から、違う
取り付け角で、流れ場に向いて延びている。図6(b)
のバリア構造は、相対的に長さの違う2つのバリアー部
材19e、19fを含む。バリアー部材19e、19f
は互いに平行に、垂直表面43から延びている。角39
に近い位置には、バリアー部材19fよりも短いバリア
ー部材19eが取り付けられている。図6(a)及び図
6(b)に示されるバリアー構造により、乱流渦17の
生成が減少し、流れの剥離が抑制される。
【0031】タブ(バリアー部材)19の有効性につい
ては、円柱表面の剥離流れの抑制によって、実証され
る。円柱まわりの流れの研究は、流体力学においては、
もっとも重要な研究課題の一つである。剥離が大きい場
合だけでなく、円柱の交流がカルマン渦列を形成する場
合でさえも、一連の渦は、下流に流される際に、ある周
波数を持って変動する。例えば、図7では、円柱51に
向かって流体が流れている。流体の流れの方向は矢印5
3で示される。円柱51の後方に渦列55が形成されて
いる。この渦列55の存在は、数え切れないほどの、実
用上の問題を引き起こす。その一つには、円柱51の破
壊が上げられる。それゆえに、流れの剥離と、それに起
因する振動の制御は非常に重要である。
【0032】タブによる剥離を遅延させる効果を図8を
参照して説明する。円柱51は、上側面51aと下側面
51bを持つ。円柱51において、矢印53とのなす角
(θ)が140度の位置に、一つのタブ19が取り付け
られる。図9は、流速が音速の6/10の時、つまり、
M=0.6のときの円柱51表面における圧力係数Cp
の角度分布を示したグラフである。タブ19の長さは、
円柱51の直径の20%である。図9において、曲線5
7は、タブを有さない円柱についての結果であり、曲線
59はθ=140°にタブ19を有する図8の円柱51
についての結果である。図9の点線58はタブ19の取
付け角度位置を示す。タブ19の前方と後方において
は、流れ場の様相が分断されていることが分かる。ま
た、タブ19の下流と上流の間のフィードバック情報は
少なくとも部分的には、切り離されていることが分か
る。結果として、タブ19の上流側の流れは、タブ19
で加速され、(時間平均の)剥離点は、後方に移動す
る。タブ19の存在は、実際には、円柱51に揚力を発
生させる。この効果は、円柱51がその軸まわりに回転
した際に生じる揚力効果(マグヌス効果)に似ている。
【0033】流れは円柱51の下側面51bでも剥離す
る。従って、下側面51bにもタブ19を取り付けるこ
とによって、流れの剥離を制御することが可能である。
図10の円柱51には、2つのタブ19が対称に取り付
けられている。図11に示すように、円柱51の後方に
作用する力(背圧)は、タブの取り付け角θが140°
のときに最大になる。図10の構造によって、全体では
15%の圧力抵抗の減少がもたらされる。尚、圧力抵抗
は、円柱51の表面全体にわたって、圧力値を積分する
ことにより求められた。さらに、全抵抗についても、同
様な結果が現れている。円柱51上の境界層が乱流の場
合は、層流の場合にくらべて、背圧に対するタブ19の
効果は大きくなる(つまり、背圧はより負圧のレベルが
大きくなる)。
【0034】流れの振動についてのタブ19の効果は図
12に示される。図12は、タブ19を、円柱51の上
側面51aと下側面51bに対称に、かつ、その間の角
度を130度で取り付けた時に、円柱51の外表面にお
けるθ=90°の位置の圧力データの周波数スペクトル
を示している。この場合、タブ19は常に剥離領域を横
切り、自由せん断層に達している。つまり、タブ19に
より、粘性層は定常流れの領域と、内部の剥離流れに分
割される。
【0035】図19中のピークは、カルマン渦列によ
る、流れの振動に関連するものである。タブ19の存在
によって、このピークは完全に消滅する。すなわち、剥
離した境界層内を伝播する流れのフィードバック情報は
完全に消去される。これによって、振動は取り除かれる
か、少なくとも円柱51に与える重大な影響を弱めるこ
とになる。
【0036】別例(4タブ構造)を図13に示す。ここ
では、より短い2つのタブ19g(円柱51の直径の1
0%の長さ)が上側面51aと下側面51bのそれぞれ
において、θ=140°と、θ=160°に連続的に配
置される。この場合では、タブ19gは部分的に剥離領
域に侵入しており、完全には剥離領域を横切らず、自由
せん断層には達していない。円柱51の表面全体の圧力
分布が図14に示されている。また、円柱51の上側面
51a及び下側面51bのそれぞれにθ=130°に取
り付けた場合(2タブ構造)のデータもプロットした。
両方の構造とも、グラフ中のθ=90°から150°に
かけて、負圧の分布がより大きく(つまり、よりCpが
下方に)なることを示している。従って、剥離を遅れさ
せるのに効果的であることが分かる。
【0037】さらに他の例が図15に示されている。こ
こでは、円柱51には2つの異なるサイズを有する4つ
のタブ19h、19iが取り付けられている。詳しく
は、タブ19iは円柱51の直径の10%の長さであ
り、タブ19hは円柱51の直径の20%の長さを有す
る。短いタブ19iはθ=120に、長いタブ19hは
θ=140°に取り付けられる。
【0038】この構造は、円柱まわりの流れの振動を減
衰させるのにとくに有効である。このマルチタブ構造
の、シングルタブに対する利点は、θ=90°で計測し
た圧力に対して、図16に示されている。
【0039】図16において、「マルチタブ」は図15
示されるように、円柱の上面51aと下面51bのそれ
ぞれに、一つ以上のタブを取り付けた構造に相当し、
「シングルタブ」は、円柱の上面51aと下面51bそ
れぞれで、θ=120°において、1つの10%タブ1
9iを取り付けた場合に相当する。図16から、流れが
継続している間、マルチタブの方がより流れの振動を抑
制していることが分かる。振動の抑制の度合は、図12
に示した20%タブ19hを円柱51の上側面51a、
下側面51bそれぞれのθ=130°に取り付けた場合
よりも若干良い結果をもたらす。
【0040】図17(a)〜図17(c)は、流れのマ
ッハ数Mが0.6のときの円柱まわりの空気流れの様子
を、流れ場を可視化する方法として、良く知られてい
る、シュリーレン法を用いて捕らえた写真である。図1
7(a)はタブなしの場合、図17(b)はタブをθ=
130°に取り付けた、図10と類似のシングルタブ構
造に相当する。図17(c)は、図15と類似のダブル
タブ構造に相当する。それぞれの写真で、空気は、左か
ら右に流れる。図17(a)から図17(c)のそれぞ
れで、円柱は支柱によって支持され、写真の左寄りの位
置に写っている。図17(a)から図17(c)に示す
ように、タブにより、後流中の渦の形成は、後方に押し
やられ、それと同時に円柱から離れる。このことは、背
圧が上る(負圧のレベルとしては下がる)ことの主な理
由である。タブが取り付けられた円柱は、タブなしの円
柱よりも、視認できるほどに、後流が狭いことがわか
る。
【0041】そのうえさらに、写真はマルチタブ構造
が、シングルタブ構造と比較して、乱流渦をさらに後方
に押しやっていることを鮮明に示している。以上の各実
施形態によれば、タブの大きさ、タブの数、タブとタブ
の間隔に応じて、以下の利点が得られる。
【0042】剥離がより後方に移動し、空気力学的物体
の外部に沿って流体が流れる場合に、揚力を増加させる
ことが可能になる。空気力学的物体の近傍における流れ
の振動あるいは、不安定を減少させ、場合によっては消
滅させることが可能である。
【0043】タブを取り付ける対象となる物体が鈍い物
体(例えば円柱)の場合、背圧を大きくし、圧力抵抗を
減少させることが出来る。以上の各実施形態は以下のよ
うに変更してもよい。
【0044】円柱表面(例えば鈍い物体)への適用に限
ったものではなく、物体は流線形や、他の形でも構わな
い。例えば、航空機の翼でも良い。それに加えて、バリ
ヤー部材を持つ物体表面は物体の外部表面でも、内部表
面でも良い。物体が内部表面を持つ場合としては例え
ば、ディフューザがある。
【0045】次に、上記実施形態及び各別例から把握で
きる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、
以下に記載する。 (付記1) 所定の相対速度で、物体の表面に沿って連
続的に流れる流体が、物体の表面から剥離するのを抑制
する流体剥離抑制方法であって、前記流体は、前記物体
の表面から前記相対速度に対応する所定の距離をおい
て、実質的に前記物体の表面に沿って流れる定常流れ層
を形成することと、前記方法は、前記物体の表面から突
出し、先端を有する少なくとも1つのバリアー部材を前
記物体に設ける工程を含み、前記少なくとも1つのバリ
アー部材の先端は、前記物体の表面と前記定常流れ層と
の間の領域に配置されることを特徴とする流体剥離抑制
方法。
【0046】(付記2) 所定の相対速度で、所定の方
向に連続的に流れる流体に接触する表面を有する物体に
設けられ、前記流体が前記物体の表面から剥離するのを
抑制する構造であって、前記流体は、前記相対速度に対
応する所定の距離だけ前記物体の表面から離間した領域
において、実質的に前記物体の表面に沿って流れる定常
流れ領域を形成することと、流体剥離抑制構造は、前記
物体に設けられ、前記物体の表面から突出する先端を有
する少なくとも1つのバリアー部材を備え、前記少なく
とも1つのバリアー部材の先端は前記物体の表面と前記
定常流れ領域との間の空間に配置されることを特徴とす
る流体剥離抑制構造。
【0047】(付記3) 前記少なくとも1つのバリア
ー部材は所定の長さを有する第1のタブと、前記第1の
タブよりも長い第2のタブとを含み、前記第1のタブは
前記第2のタブから離間して配置されることを特徴とす
る付記2の流体剥離抑制構造。
【0048】(付記4) 前記少なくとも1つのバリア
ー部材は所定の長さを有する第1のタブと、前記第1の
タブよりも長い第2のタブとを含み、前記第1のタブ及
び前記第2のタブは前記表面の同一位置から異なる方向
に延びるように配置されることを特徴とする付記2の流
体剥離抑制構造。
【0049】(付記5) 前記少なくとも1つのバリア
ー部材は、前記物体の表面に対して、突出位置と収納位
置との間で移動可能に取り付けられた板状部材を含むこ
とを特徴とする付記2の流体剥離抑制構造。
【0050】(付記6) 前記板状部材は、前記流れの
上流側に位置する上流縁と、前記流れの下流側に位置す
る下流縁と、前記上流縁と前記下流縁との間に広がる上
面とを有し、前記上流縁は前記物体に対して回動可能に
取り付けられていることと、前記板状部材が前記収納位
置に配置されたとき、前記上面は前記物体の表面と面一
になることとを特徴とする付記5の流体剥離抑制構造。
【0051】(付記7) 前記板状部材は、前記流れの
上流側に位置する上流縁と、前記流れの下流側に位置す
る下流縁と、前記上流縁と前記下流縁との間に広がる上
面とを有し、前記板状部材は、前記上流縁と前記下流縁
との中間軸のまわりで前記物体に対して回動可能であ
り、前記板状部材が前記収納位置に配置されたとき、前
記上面は前記物体の表面と面一になることとを特徴とす
る付記5の流体剥離抑制構造。
【0052】(付記8) 流体剥離抑制構造は、さら
に、前記物体の表面に形成されたチャンバーを備え、前
記板状部材が前記収納位置に配置されたとき、前記チャ
ンバーは閉鎖され、前記板状部材が前記突出位置に配置
されたとき、前記チャンバーは開放されることを特徴と
する付記5の流体剥離抑制構造。
【0053】
【発明の効果】本発明の方法及び構造によれば、流れの
剥離に起因する抵抗が減少され、剥離による不安定と振
動を抑制することができるとともに、剥離流れ領域中に
源を発する擾乱の、上流への影響の拡大を制限すること
ができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 物体表面に沿って流れる流体の模式図。
【図2】(a)及び(b)は、流れが物体表面から分離
する剥離点の移動を示す模式図。
【図3】 本発明の一実施形態のバリアー部材を有する
物体の概略図。
【図4】 (a)から(d)は、本発明の様々な実施形
態に従った、可動式のバリアー部材の概略断面図。
【図5】 複数のバリアー部材を有する物体の概略図。
【図6】 (a)及び(b)は、鋭角的な角部を持つ物
体に様々な配置形態で取り付けられたバリアー部材の概
略図。
【図7】 流体中に配置された円柱まわりに生じる渦の
模式図。
【図8】 表面にバリアー部材を有する円柱の概略図。
【図9】 円柱表面の圧力係数の分布と角度との関係を
示すグラフ。
【図10】 本発明の第2の実施形態の複数のタブを有
する円柱の概略図。
【図11】 表面圧力係数と図10のθとの関係を示す
グラフ。
【図12】 バリアー部材による振動の低減を示すグラ
フ。
【図13】 複数のタブを有する円柱の概略図。
【図14】 図13の具体例に対する、圧力係数と角度
との関係を示すグラフ。
【図15】 長さの異なるタブを有する円柱の概略図。
【図16】 バリアー部材による振動の低減を示すグラ
フ。
【図17】 (a)から(c)は、M=0.6の時の円
柱まわりの流体流れを示す写真であり、(a)は、バリ
アー部材のない円柱の場合、(b)は単一のバリアー部
材を有する円柱の場合、(c)は複数のバリアー部材を
有する円柱の場合である。
【図18】 (a)及び(b)は剥離した外部流れと内
部流れを示す模式図。
【図19】 (a)及び(b)は、本発明によって扱わ
れる、問題を明確にするために示される、剥離点と、剥
離領域の上流への伝播を示す模式図。
【図20】 本発明に従う具体例である、物体上から流
れに対して挿入したバリアー部材によって、擾乱の上流
への伝播を制限する様子を示す図。
【符号の説明】
1…物体表面、19,19a,19b,19c,19d
1,19d2,19e,19f,19g19h,19i
…バリヤ部材、25,25a…チャンバー。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月24日(2001.10.
24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項14
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項17
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様で
は、連続的な流体の流れに配置されたとき、定常な流れ
領域と剥離領域とを形成する物体表面近傍における連
続的な流体の流れの剥離を抑制する抑制方法が提供され
る。その方法は、少なくとも1つのバリアー部材を物
表面に設ける工程と、全ての前記少なくとも1つのバリ
アー部材の少なくとも一部を、前記少なくとも1つのバ
リアー部材を有さない前記物体により形成される前記
常流れの領域には配置せず、前記少なくとも1つのバリ
アー部材を有さない前記物体により形成される前記剥
領域中に配置する工程とを含む。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】少なくとも1つのバリアー部材は、剥離流
れ領域中に源を発する擾乱の、上流への影響の拡大を制
限するために動作することが好ましい。少なくとも1つ
のバリアー部材は、流体の流れの剥離の発生を低減させ
るために動作することが好ましい。少なくとも1つのバ
リアー部材は、流体の剥離に起因する流れの非定常性の
レベルを低減させるために動作することが好ましい。少
なくとも1つのバリアー部材は物体に働く抵抗を減少さ
せることが好ましい。少なくとも一つのバリア部材は物
体に対する流体の流れ方向に対し、お互いに所定の間隔
だけ離間していることが好ましい。物体表面は、物体の
外部表面であることが好ましい。物体は流線形物体であ
ることが好ましい。物体は鈍い物体であることが好まし
い。物体表面は、物体の内部表面であることが好まし
い。物体はディフューザであることが好ましい。少なく
とも1つのバリアー部材は、物体表面に取り付けられた
少なくとも1つの可動式タブを含むことが好ましい。少
なくとも1つの可動式のタブは、少なくとも1つのチャ
ンバーを覆うように取り付けられることが好ましい。チ
ャンバーは、可動式のタブの少なくとも一部分が剥離領
域に対して向って配置された時に、流れ場に対して露出
し、かつ、定常な流れの領域には達しないことが好まし
い。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明の第2の態様では、物体表面近傍に
おける、連続的な流体の流れの剥離を抑制する構造が提
供される。その構造は、前記連続的な流体の流れに配置
されたとき、剥離領域と、該剥離領域の外側に定常な流
れ領域とを形成し、かつ、前記流体の定常流れ領域に沿
って相対的に移動する表面をもつ物体と、前記物体の
面に設けられた少なくとも1つのバリアー部材
む。全ての前記少なくとも1つのバリアー部材は、前記
少なくとも1つのバリアー部材を有さない前記物体によ
り形成される前記剥離領域中に配置され、かつ、前記少
なくとも1つのバリアー部材を有さない前記物体により
形成される前記定常な流れ領域には達しない。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】少なくとも1つのバリアー部材は、少なく
とも第1及び第2部分を有する少なくとも1つの可動式
タブを含むことが好ましい。第1部分は、物体表面と実
質的に同一平面上に存在し、第2部分は物体表面から剥
離領域に向かって伸長し、定常な流れの領域には達しな
いことが好ましい。その構造は、物体表面から物体の内
部に対して広がる、少なくとも1つのチャンバーを持つ
ことが好ましい。少なくとも1つのチャンバーは、少な
くとも1つのバリアー部材が物体表面から剥離流れの領
域に対して伸長した時に、流体の流れに対して露出する
ことが好ましい。その構造は複数のバリアー部材を含
み、その複数のバリアー部材は、物体に関する流れの方
向に沿って、ある間隔を持って設置されていることが好
ましい。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体表面近傍における連続的な流体の流
    れの剥離を抑制する抑制方法であって、 少なくとも1つのバリアー部材を取り付けた物体表面
    を、定常な流れ領域及びその定常な流れ領域と物体表面
    との間の剥離領域を含む流れの中に与える工程と、 少なくとも1つのバリアー部材の少なくとも一部を、定
    常流れ領域には達しないように剥離領域に配置する工程
    とを備える抑制方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも1つのバリアー部材は、剥離
    領域中に源を発する擾乱の、上流への影響の拡大を制限
    するために動作する請求項1に記載の流れの剥離の抑制
    方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つのバリアー部材は、流体
    の流れの剥離の発生を低減させるために動作する請求項
    1に記載の流れの剥離の抑制方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つのバリアー部材は、流体
    の剥離に起因する流れの非定常性のレベルを低減させる
    ために動作する請求項1に記載の流れの剥離の抑制方
    法。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つのバリアー部材は物体に
    働く抵抗を減少させる請求項1に記載の流れの剥離の抑
    制方法。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも一つのバリアー部材を物
    体に対する流体の流れ方向に対し、お互いに所定の間隔
    だけ離間して配置する工程を含む請求項1に記載の流れ
    の剥離の抑制方法。
  7. 【請求項7】 物体表面は、物体の外部表面である請求
    項1に記載の流れの剥離の抑制方法。
  8. 【請求項8】 物体は流線形物体である請求項7に記載
    の流れの剥離の抑制方法。
  9. 【請求項9】 物体は鈍い物体である請求項7に記載の
    流れの剥離の抑制方法。
  10. 【請求項10】 物体表面は、物体の内部表面である請
    求項1に記載の流れの剥離の抑制方法。
  11. 【請求項11】 物体はディフューザである請求項10
    に記載の流れの剥離の抑制方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも1つのバリアー部材は、物
    体表面に取り付けられた少なくとも1つの可動式タブを
    含み、剥離流れ領域がタブ上を通過した時、タブの少な
    くとも一部は物体表面の外側の剥離領域内に配置され、
    かつ定常流れ領域には達しないように配置される請求項
    1に記載の流れの剥離の抑制方法。
  13. 【請求項13】 少なくとも1つの可動式のタブは、少
    なくとも1つのチャンバーに取り付けられることと、チ
    ャンバーは、可動式のタブの少なくとも一部分が剥離領
    域に対して向って配置された時に、流れ場に対して露出
    するし、かつ、定常流れ領域には達しない請求項12に
    記載の流れの剥離の抑制方法。
  14. 【請求項14】 物体表面近傍における、連続的な流体
    の流れの剥離を抑制する構造であって、 流体の定常流れ領域に沿って相対的に移動する表面をも
    つ物体と、 前記物体は、その表面に取り付けられた少なくとも1つ
    のバリアー部材を有することと、少なくとも1つのバリ
    アー部材は、定常流れ領域と物体表面と間の剥離領域中
    に配置され、物体表面から剥離領域に対して伸長し、か
    つ、定常な流れ領域には達しないことを特徴とする流れ
    の剥離を抑制する構造。
  15. 【請求項15】 少なくとも1つのバリアー部材は、少
    なくとも第1及び第2部分を有する少なくとも1つの可
    動式タブを含み、その第1部分は、物体表面と実質的に
    同一平面上に存在することと、第2部分は物体表面から
    剥離領域に向かって伸長し、定常な流れの領域には達し
    ないことを特徴とする請求項14に記載の流れの剥離を
    抑制する構造。
  16. 【請求項16】 その構造は、物体表面から物体の内部
    に対して広がる、少なくとも1つのチャンバーを持つこ
    とと、その少なくとも1つのチャンバーは、少なくとも
    1つのバリアー部材が物体表面から剥離流れの領域に対
    して伸長した時に、流体の流れに対して露出することを
    特徴とする請求項14に記載の流れの剥離を抑制する構
    造。
  17. 【請求項17】 その構造は複数のバリアー部材を含
    み、その複数のバリアー部材は、物体に関する流れの方
    向に対して、ある間隔を持って設置されていることを特
    徴とする請求項14に記載の流れの剥離を抑制する構
    造。
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