JP2002075636A - 表示装置の製造に供されるドナーフィルム、表示装置の製造方法および表示装置 - Google Patents

表示装置の製造に供されるドナーフィルム、表示装置の製造方法および表示装置

Info

Publication number
JP2002075636A
JP2002075636A JP2000256307A JP2000256307A JP2002075636A JP 2002075636 A JP2002075636 A JP 2002075636A JP 2000256307 A JP2000256307 A JP 2000256307A JP 2000256307 A JP2000256307 A JP 2000256307A JP 2002075636 A JP2002075636 A JP 2002075636A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
display device
light
donor film
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000256307A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Ito
信行 伊藤
Mitsuhiro Mukaidono
充浩 向殿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2000256307A priority Critical patent/JP2002075636A/ja
Publication of JP2002075636A publication Critical patent/JP2002075636A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色バランスの経時変化を回避する。簡便かつ
低コストで高精細な表示装置を提供する。 【解決手段】 ベースフィルム13上に、色変換層6ま
たは着色層6’と、電極層5と、発光層4とをこの順で
積層したドナーフィルム12を形成する。これらの各層
は、例えば一般的な蒸着法やスピンコート法を用いて簡
便に形成可能である。このドナーフィルム12の上記発
光層4を、基板2上に形成された電極層3と接触させ、
このドナーフィルム12にベースフィルム13側からレ
ーザー光を走査しながら照射する。その後、ドナーフィ
ルム12を剥離すると、ドナーフィルム12の各層のう
ち、レーザー光の照射された部分は、電極層3に転写さ
れる一方、レーザー光の照射されなかった部分はベース
フィルム13側にそのまま残る。このような転写を色変
換層6の異なるドナーフィルム12ごとに行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EL(エレクトロ
ルミネッセンス)表示装置のような自発光型の表示装置
の製造に供されるドナーフィルムと、当該ドナーフィル
ムを用いて行う表示装置の製造方法と、表示装置とに関
するものであり、特に、自発光型の表示装置において、
簡便かつ低コストで、しかも高精細なカラー表示を実現
するために用いられるドナーフィルムと、そのドナーフ
ィルムを用いた表示装置の製造方法と、表示装置とに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電子表示装置は、光線の利用方法によっ
て、受光型の表示装置と自発光型の表示装置との二種類
に大別される。受光型の表示装置は、外光の透過および
遮断を画像信号に応じて制御する制御手段をシャッタと
して用いることで画像を表示するものであり、制御手段
自身は発光しない。このような受光型の表示装置として
は、例えばLCD(液晶表示装置)が良く知られてお
り、現在広く普及している。
【0003】一方、自発光型の表示装置は、発光素子を
発光させることで、輝度(表示画像)を使用者に認識さ
せるものである。自発光型の表示装置としては、現在最
も普及しているCRT(冷陰極管)をはじめとして、有
機EL、無機EL、PDP(プラズマディスプレイパネ
ル)、LED(ライトエミッティングダイオード表示装
置)、VFD(蛍光表示管表示装置)、FED(フィー
ルドエミッションディスプレイ)などがある。
【0004】ここで、受光型の表示装置と自発光型の表
示装置とを比較すると、さらに以下のような違いがあ
る。
【0005】LCDに代表される受光型の表示装置は、
上記した表示原理から、一般にバックライトなどの光源
を必要とし、表示情報の態様にかかわらず常にバックラ
イトが点灯する。このため、受光型の表示装置では、全
表示状態とほぼ変わらない電力を消費することになる。
これに対して、自発光型の表示装置は、表示情報に応じ
て、点灯する必要のある箇所だけが点灯し、当該箇所に
おいてのみ電力が消費される。したがって、自発光型の
表示装置は、受光型の表示装置と比較して消費電力が少
ないという利点を原理的に有している。
【0006】また、受光型の表示装置の代表であるLC
Dは、液晶の複屈折による偏光制御を利用しているた
め、視野角依存性が強く、観察する方向によって表示状
態は大きく変わる。これに対して、自発光型の表示装置
では、そのような入射光の偏光制御を行わないため、こ
のような視野角の問題がほとんどない。
【0007】さらに、LCDは、有機弾性物質である液
晶の誘電異方性に由来する分子配向変化を利用するた
め、原理的に電気信号に対する応答時間が1ms以上で
ある。これに対して、上記した自発光型の表示装置で
は、電子/正孔といったいわゆるキャリア遷移、電子放
出、プラズマ放電などを利用しているため、応答時間は
ns桁である。このように、自発光型の表示装置はLC
Dとは比較にならないほど応答速度が高速であるため、
LCDの場合のように応答の遅さに起因して動画残像が
生じるという問題がない。
【0008】したがって、上記した消費電力、表示特
性、応答速度の観点から、近年では、自発光型の表示装
置の開発が活発に行われており、その一部は既に実用化
されている。
【0009】ところで、自発光型の表示装置として近年
注目されている有機ELは、受光型の表示装置であるL
CDと比較して上記した多くの利点を有するが、その反
面、LCDに劣る点も幾つかある。その中でも大きな問
題は、簡便で高精細なフルカラー化が困難な点である。
【0010】有機ELのカラー化は、基本的には、R
(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の発光材料を、素
子を構成する微細な画素にパターニングにより配置する
ことで実現できる。上記各画素に独立に信号を印加する
ことでカラー表示が可能となる。
【0011】ここで、上記発光材料は、低分子材料また
は高分子材料で構成することが可能であるが、発光材料
を低分子材料で構成する場合は、マスク蒸着法による真
空蒸着法により低分子材料を成膜するのが一般的であ
る。しかし、マスク蒸着法では、マスク端での材料の回
り込みや基板とマスクとの位置精度、平行精度などの問
題がどうしても避けられず、低分子材料を簡便にかつ高
精細でパターニング形成することが困難である。また、
対象ワークが大きくなればなるほどマスクの歪みなども
大きな問題となってくる。
【0012】一方、上記発光材料を高分子材料で構成す
る場合、高分子材料は溶媒に拡散してスピンコート法や
キャスト法により成膜されるので、その成膜法上、RG
Bの各色の高分子材料を各画素に対応して配置するのは
困難である。そのため、現在では高分子材料を用いて単
色素子は作製できるが、カラー素子は作製できない状況
にある。また、半導体や液晶の分野で広く用いられてい
る感光性レジストを用いたフォトリソグラフィー法は、
材料自体がレジストと混合溶解してしまうので、高分子
材料のパターニングには適用することができない。
【0013】勿論、各色の発光材料を混成して形成す
る、つまり、例えばRの発光材料は低分子材料で、Gや
Bの発光材料は高分子材料で形成するといったこともで
きない。
【0014】このように、有機ELのカラー化を実現す
べく、RGBの発光材料として低分子材料または高分子
材料を用い、当該発光材料をパターニング形成する場
合、各画素に対応するように簡便にかつ高精細にパター
ニングすることが困難である。
【0015】そこで、有機ELを簡便にかつ高精細に作
製する手法として、例えば特開平11−260549号
公報に開示されたフィルム転写法がある。このフィルム
転写法は、ベースフィルム上に電極および発光層を順に
積層してドナーフィルムを形成し、このドナーフィルム
を素子基板に貼り付け、レーザー光線の照射によって電
極および発光層を任意のパターンで当該基板に転写する
手法である。なお、パターンの転写後、上記のベースフ
ィルムは剥離される。また、上記公報では、ベースフィ
ルム上にさらに光/熱変換層および熱伝播層を形成し、
これら光/熱変換層および熱伝播層もともにレーザー光
線の照射によって基板に熱転写させている。
【0016】ここで、従来のフィルム転写法について、
さらに図8に基づいて具体的に説明すれば以下の通りで
ある。図8に示すように、ベースフィルム51上に電極
52および発光層53を蒸着法やスピンコート法により
形成し、ドナーフィルム54を形成する。一方、これと
は別に、素子を構成する基板55上に対向電極56を形
成する。そして、ドナーフィルム54の発光層53を上
記対向電極56と接触させ、ベースフィルム51側から
レーザー光源57によりレーザー光を図中a−b方向に
走査しながら照射する。その後、ベースフィルム51を
剥離すると、発光層53のうちレーザー照射されなかっ
た部分は対向電極56上に転写されず、ベースフィルム
51とともに剥離される一方、レーザー照射された部分
は対向電極56上に転写される。
【0017】フィルム転写法でカラー表示装置を作製す
るには、異なる色ごとにドナーフィルム54を作製して
おいて、それぞれのフィルムの位置をずらして転写を行
えばよい。図9は、このようにして作製されたカラー表
示装置58を、レーザー光の走査方向の一方向であるa
方向から見た場合の断面図を示している。なお、発光層
53a・53b・53cは、それぞれ、R光・G光・B
光を発光する層を示している。
【0018】レーザー光のスポット径を10μm以下に
絞ることは容易であるので、上記のようにレーザー光を
ドナーフィルム54に照射および走査することで、高精
細加工を簡便に行うことができる。
【0019】また、実用的な発光効率と安定性とを考慮
すると、理論的には3色の発光材料を低分子材料または
高分子材料で完全に揃えることが望ましいが、実際のと
ころ、例えばGの発光材料については、低分子、高分子
ともに良好な材料が開発されており、低分子材料ではB
の材料として比較的良いものがあるがRの材料の性能が
大きく遅れていたり、逆に、高分子ではRの材料として
は比較的良いものが報告されているがBの材料としては
良いものがないといった状況にある。したがって、3色
の発光材料を揃えてカラー化を実現することは、性能の
良い材料を有効的に活用するという意味では望ましくは
ない。
【0020】しかし、上記のフィルム転写法では、RG
Bに対応して別々に作製されたドナーフィルム54を用
いることでカラー表示装置58を作製できるので、発光
層53を異なる色ごとに低分子材料または高分子材料で
構成する、つまり、低分子材料を高分子材料とを色ごと
に使い分けて発光層53を形成することが可能となる。
この結果、性能の良い材料を有効活用して表示特性の向
上を図ることができる。
【0021】しかし、各色ごとに発光材料を異なる材料
で構成すると、発光材料ごとに寿命が異なることによっ
て色バランスが経時的に変化し、表示特性が経時的に変
化するという問題が生ずる。
【0022】そこで、近年では、1色の発光材料で高精
細なカラー表示装置を実現する手法として、例えば、色
変換層を用いるCCM(Color Change Material )法や
着色層を用いるCF(Color Filter)法が提案されてい
る。
【0023】CCM法は、エネルギーの高い短波長光を
エネルギーの低い長波長光に変換する色変換層と、RG
Bの3色の中で最も短波長である青色を発光する青色発
光層とを形成し、これらを組み合わせて用いることでフ
ルカラーを実現する手法であり、例えば、"Organic Mul
ticolor EL Display with Fine Pixels ”SID 97 DIGES
T p1073-1076に開示されている。図10は、このCCM
法によって形成された表示装置61の断面構造を示して
いる。以下、この表示装置61の製法について説明す
る。
【0024】まず、光透過性の基板62上に色変換層6
3をパターニングして形成する。この色変換層63は、
入射する青色光を赤色光に変換する色変換層63aと、
入射する青色光を緑色光に変換する色変換層63bと、
青色純度補正用の色変換層63cとから構成されてい
る。色変換層63としては、一般に蛍光体が用いられ
る。なお、後述の青色発光層66から発光される青色光
の色純度が良ければ、色変換層63cは不要である。
【0025】次に、色変換層63を覆うように樹脂など
からなる保護層64を形成する。保護層64上には、各
色変換層63a・63b・63cと位置が対応するよう
に電極65をパターン形成する。この電極65は、例え
ばITOからなる透明電極で構成される。電極65のパ
ターニングには一般的に酸が用いられるため、上記酸か
ら色変換層63を保護する意味で、保護層64は必要で
ある。
【0026】続いて、電極65を覆うように青色発光層
66を一括形成し、その上に電極67を形成する。電極
67は、一般には反射性の金属電極(例えばAl/Li
など)で構成され、例えばスピンコート法や蒸着法など
の通常の方法によって形成される。片側の電極67に反
射性を持たせることにより、青色発光層66からの電極
65および基板62側への光の出射量が倍増するメリッ
トがある。
【0027】このように発光層(青色発光層66)とは
別に色変換層63を設けることにより、発光層を1色の
光のみ発光する材料で構成することができ、その結果、
発光層の微細なパターニングを不要とすることができ
る。また、発光層が1色についてのみ設けられるので、
色バランスが経時的に変化することもない。さらに、色
変換層63自体に感光性を持たせることも可能であり、
色変換層63のパターニングを、上述の発光層のパター
ニングの場合とは異なり、通常の感光性レジストを用い
たフォトリソグラフィー法により微細に行うことが可能
となる。したがって、色変換層63を形成することによ
って、色バランスの経時変化を生じさせることなく、1
色の発光材料で高精細なフルカラー化を簡便に実現する
ことが可能となる。
【0028】一方、CF法は、白色発光層と、液晶の分
野でも広く使われている3色のカラーフィルタとを組み
合わせて用いることでフルカラー化を実現する手法であ
る。このCF法は、図10の青色発光層66を白色を発
光する材料とすること、色変換層63をRGBの着色層
とすること以外は、上記したCCM法と同じ作製プロセ
スを採る。なお、上記の着色層としては、一般には顔料
や染料が用いられる。
【0029】CF法では、発光色が白色であるため、白
色光の色純度にかかわらずRGBの3色の着色層が必要
であるが、着色層はフォトリソグラフィー法により微細
なパターニング形成が可能である。また、発光層(白色
発光層)とは別に着色層を設けることにより、発光層を
1色の光のみ発光する材料で構成することができ、その
結果、発光層の微細なパターニングを不要とすることが
できる。したがって、CF法においても、1色の発光材
料で高精細なフルカラー化を簡便に実現できるというC
CM法と同様の効果を得ることができる。また、CF法
においても発光層が1色についてのみ設けられるので、
色バランスの経時変化が生じることもない。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】ところで、CCM法お
よびCF法のどちらの手法においても、上記したメリッ
トはあるものの、表示装置61の駆動形態に応じて電極
65・67の少なくとも一方の電極を、色変換層63
(または着色層)と位置が対応するようにパターニング
する必要がある。電極65・67の両方をパターニング
するか、片方の電極だけをパターニングするかは、表示
装置61がパッシブマトリクス駆動かアクティブマトリ
クス駆動かによって異なる。
【0031】つまり、CCM法およびCF法では、色
変換層63(または着色層)のパターニングと、電極6
5・67のうちの少なくとも一方の電極のパターニング
との2回のパターニング、および、色変換層63(ま
たは着色層)と上記電極との位置合わせ、が必要不可欠
である。このため、上記の工程には、現在のところ
フォトリソグラフィー法を用いているが、コストがかな
りかかっているのが現状である。したがって、従来のC
CM法やCF法では、簡便かつ高精細でカラー表示装置
を作製できても、低コストで作製できないという問題が
生じている。
【0032】上記したCCM法やCF法は、材料面およ
び精度面から見た場合は非常に有効な手法ではあるが、
自発光型のカラー表示装置である有機ELが、現在広く
普及しているLCDの市場に参入し、産業として成長し
ていくためには、有機ELをさらに簡便かつ低コストで
製造できる手法が必要である。
【0033】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであり、その目的は、色バランスの経時変
化の問題を発生させずに、簡便かつ低コストで高精細な
表示装置を製造することができる表示装置の製造方法
と、その製造に供されるドナーフィルムと、上記製造方
法によって製造される表示装置とを提供することにあ
る。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表示装置の
製造に供されるドナーフィルムは、上記の課題を解決す
るために、ベースフィルム上に色変換層と電極層と発光
層とが順に積層されてなることを特徴としている。
【0035】上記の構成によれば、ベースフィルム上に
電極層および発光層だけでなく、色変換層が積層されて
いる。この色変換層は、例えば蛍光体や着色層で構成す
ることができる。このような色変換層がベースフィルム
に設けられているので、取り出したい色に対応する色変
換層を互いに異ならせたドナーフィルムを複数作製する
場合でも、各ドナーフィルムの発光層を全て同じ材料で
構成することができる。この場合、各色変換層に対応す
る発光層の寿命が各ドナーフィルムごとで異なるという
ことがない。これにより、例えば、各ドナーフィルムを
順に用い、ドナーフィルムの色変換層、電極層および発
光層を、素子基板上に形成された他の電極層の所定の位
置に順に転写することによってカラーの表示装置を作製
した場合でも、発光層から各色変換層を介して最終的に
得られる各光の色バランスが経時的に変化することはな
い。
【0036】なお、上記の色変換層を蛍光体で構成した
場合には、ベースフィルム上に電極層と発光層のみを形
成した従来のドナーフィルムを上記した本発明のドナー
フィルムと併用して上記表示装置を製造することも可能
である。
【0037】また、このような構成のドナーフィルムを
用いれば、例えば光ビームの走査および照射によって、
ドナーフィルムの色変換層、電極層および発光層を他の
電極層に所望の形状で転写することにより表示装置を製
造することができる。光ビームのスポット径を絞ること
は容易であるので、上記ドナーフィルムを用いれば、光
ビームの照射により高精細な表示装置を簡便に実現する
ことができる。
【0038】また、上記構成のドナーフィルムを用いれ
ば、光ビームの走査によるパターニングも兼ねた各層の
転写を行うことができるので、先にドナーフィルムのベ
ースフィルム上に色変換層、電極層および発光層を形成
する際には、これらをパターニングおよび位置合わせし
て形成することは不要である。したがって、これらの各
層をベースフィルムに形成するにあたり、例えば一般的
な蒸着法やスピンコート法を用いて低コストで行うこと
ができるので、このように低コストで作製されるドナー
フィルムを用いて表示装置を製造すれば、表示装置の製
造コストを従来のCCM法やCF法よりも確実に低減す
ることができる。
【0039】本発明に係る表示装置の製造に供されるド
ナーフィルムは、上記の課題を解決するために、上記色
変換層は、蛍光体で構成されていることを特徴としてい
る。
【0040】上記の構成によれば、色変換層が蛍光体で
構成されているので、発光層が発光した光を、当該色変
換層にてこれとは波長の異なる光に確実に変換すること
ができる。
【0041】本発明に係る表示装置の製造に供されるド
ナーフィルムは、上記の課題を解決するために、上記色
変換層は、顔料または染料で構成される着色層であるこ
とを特徴としている。
【0042】上記の構成によれば、色変換層が着色層で
あるので、発光層が発光した光を、当該着色層にてこれ
とは波長の異なる光に確実に変換することができる。
【0043】本発明に係るドナーフィルムは、上記の課
題を解決するために、上記ベースフィルムは、光/熱変
換層を含んで構成されていることを特徴としている。
【0044】上記の構成によれば、ベースフィルムに光
ビームを照射した場合に、ベースフィルムに含まれる光
/熱変換層にて効率的な光/熱交換が行われるので、光
ビームによりドナーフィルムの各層を素子基板に熱転写
する際に、熱転写の効率を高めることができる。
【0045】本発明に係るドナーフィルムは、上記の課
題を解決するために、上記発光層は、電子注入層、電子
輸送層、正孔注入層、正孔輸送層のいずれか1つを少な
くとも含んで構成されていることを特徴としている。
【0046】発光層が、電子注入層、電子輸送層、正孔
注入層、正孔輸送層のいずれか1つを少なくとも含んで
いれば、電子または正孔といったキャリアー種を、効率
よく発光層に輸送、注入することができ、これによっ
て、発光層内部での励起子の放射失活確率を向上させ、
発光効率を確実に向上させることができる。
【0047】本発明に係る表示装置の製造方法は、上記
の課題を解決するために、上述した本発明に係るドナー
フィルムを用い、上記ドナーフィルムの電極層を第1の
電極層とすると、上記ドナーフィルムの発光層を、素子
基板上に形成された第2の電極層に接触させ、ベースフ
ィルム側から光ビームを照射することにより、上記ドナ
ーフィルムの上記色変換層、上記第1の電極層および上
記発光層を上記第2の電極層に転写することを特徴とし
ている。
【0048】上述した本発明に係るドナーフィルムを用
い、光ビームの照射によって、上記ドナーフィルムの色
変換層(蛍光体または着色層)、第1の電極層および発
光層を第2の電極層に転写する際、光ビームのスポット
径を絞ることは容易であるので、光ビームの照射により
高精細な表示装置を簡便に実現することができる。
【0049】また、上記構成のドナーフィルムは、例え
ば一般的な蒸着法やスピンコート法により低コストで得
られるものであるので、このように低コストで作製され
るドナーフィルムを用いて表示装置を製造することによ
り、表示装置の製造コストを従来のCCM法やCF法よ
りも確実に低減することができる。
【0050】また、異なる色変換層を含むドナーフィル
ムを複数用いれば、カラーの表示装置を実現することが
可能であるが、このとき、各ドナーフィルムに色変換層
を形成していることから、各ドナーフィルムの発光層を
同じ材料で構成しても、色変換層を介して異なる色を確
実に取り出すことができる。したがって、各ドナーフィ
ルムの発光層を1種類の光のみを発光する材料で構成す
ることができるので、各色ごとに発光層の寿命が異なる
といった不都合が生じることは皆無であり、各色変換層
を介して得られる光の色バランスが経時的に変化するこ
ともない。
【0051】本発明に係る表示装置は、上記の課題を解
決するために、発光層と、上記発光層を挟持する第1お
よび第2の電極層とを備えた表示装置であって、色変換
層と、上記第1の電極層と、上記発光層とがベースフィ
ルム上に順に積層されてなるドナーフィルムの上記各層
を、光ビームの照射により上記第2の電極層に転写して
なることを特徴としている。
【0052】上記の構成によれば、ドナーフィルムに積
層された色変換層、第1の電極層および発光層が、光ビ
ームの照射による熱転写により、第2の電極層に転写さ
れる。これにより、第1の電極層と第2の電極層とで上
記発光層を挟持した表示装置が構成される。なお、上記
の色変換層は、蛍光体で構成されてもよいし、顔料や染
料を含む着色層で構成されてもよい。
【0053】このとき、光ビームのスポット径を絞るこ
とは容易であるので、上記した光ビームの照射により、
高精細加工を容易に行うことができ、その結果、高精細
な表示装置を容易に実現することができる。
【0054】また、上記構成のドナーフィルムは、例え
ば一般的な蒸着法やスピンコート法により低コストで得
られるものであり、このため、このようなドナーフィル
ムを用いて作製される本発明の表示装置も、従来のCC
M法やCF法よりも確実に低コストで作製されるもので
ある。したがって、製造コスト低減による装置の価格低
下を図ることができる。
【0055】また、異なる色変換層を含むドナーフィル
ムを複数用いれば、カラーの表示装置を実現することが
可能であるが、このとき、各ドナーフィルムに色変換層
を形成していることから、各ドナーフィルムの発光層を
同じ材料で構成しても、色変換層を介して異なる色を確
実に取り出すことができる。したがって、各ドナーフィ
ルムの発光層を1種類の光のみを発光する材料で構成す
ることができるので、各色ごとに発光層の寿命が異なる
といった不都合が生じることは皆無であり、各色変換層
を介して得られる光の色バランスが経時的に変化するこ
ともない。
【0056】本発明に係る表示装置の製造方法は、上記
の課題を解決するために、発光層と、上記発光層を挟持
する一対の電極層とを備えた表示装置の製造方法であっ
て、色変換層(例えば蛍光体や着色層)のみがベースフ
ィルム上に形成されたドナーフィルムを用い、上記一対
の電極層の一方の電極層に、上記ドナーフィルムに形成
された色変換層を光ビームの照射により転写することを
特徴としている。
【0057】上記の構成によれば、光ビームのスポット
径を絞ることは容易であることから、例えば色変換層の
異なる複数のドナーフィルムを用意しておき、これらの
ドナーフィルムを順に用いて行う各色変換層の転写を高
精細に行うことができる。これにより、高精細なカラー
表示装置を簡便に実現することができる。
【0058】また、上記構成のドナーフィルムは、例え
ば一般的な蒸着法やスピンコート法により低コストで得
られるものであるので、このように低コストで作製され
るドナーフィルムを用いて表示装置を製造することによ
り、表示装置の製造コストを従来のCCM法やCF法よ
りも確実に低減することができる。
【0059】また、発光層は、場所によらず同じ材料で
構成されるので、各色変換層を介して得られる光の色バ
ランスが経時的に変化することもない。
【0060】また、上記のように色変換層のみを電極層
に転写する構成とすることにより、発光層とこれを挟持
する一対の電極層とを連続して例えば蒸着法やスピンコ
ート法により先に形成しておくことができる。これによ
り、各電極層と発光層との間で分子レベルでの結合が容
易となり、上記両者間での電気的な接触が悪くなること
はない。その結果、表示装置の電力効率の低下を確実に
回避することができる。
【0061】本発明に係る表示装置は、上記の課題を解
決するために、発光層と、上記発光層を挟持する一対の
電極層とを備えた表示装置であって、色変換層(例えば
蛍光体や着色層)のみがベースフィルム上に形成された
ドナーフィルムの当該色変換層を、光ビームの照射によ
り上記一対の電極層の一方の電極層に転写してなること
を特徴としている。
【0062】上記の構成によれば、光ビームのスポット
径を絞ることは容易であるので、上記した光ビームの照
射により、高精細加工を容易に行うことができ、その結
果、高精細な表示装置を容易に実現することができる。
【0063】また、色変換層のみを形成したドナーフィ
ルムは、例えば一般的な蒸着法やスピンコート法により
低コストで得られるものであり、このため、このような
ドナーフィルムを用いて作製される本発明の表示装置
も、従来のCCM法やCF法よりも確実に低コストで作
製されるものである。したがって、製造コスト低減によ
る装置の価格低下を図ることができる。
【0064】また、発光層は、場所によらず同じ材料で
構成されるので、各色変換層を介して得られる光の色バ
ランスが経時的に変化することもない。
【0065】また、上記のように色変換層のみが電極層
に転写されて表示装置が構成されるので、発光層とこれ
を挟持する一対の電極層とを連続して例えば蒸着法やス
ピンコート法により先に形成しておくことができる。こ
れにより、各電極層と発光層との間での電気的な接触を
良好に保つことができ、表示装置の電力効率の低下を確
実に回避することができる。
【0066】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通り
である。
【0067】図2は、本実施形態に係る表示装置であっ
て、自発光型の有機EL(以下、表示装置と記載する)
1の断面構成を概略的に示している。この表示装置1
は、素子を構成する基板2上に、電極層3(第2の電極
層)、発光層4、電極層5(第1の電極層)および色変
換層6がこの順で積層された構造となっている。発光層
4、電極層5(第1の電極層)および色変換層6の各層
は、後述するドナーフィルム12(図4参照)から一括
転写されるものである。
【0068】電極層3は、例えばAl/Liなどの金属
材料で構成されている。また、電極層5は、例えばIT
Oなどの透明電極で構成されている。表示装置1がアク
ティブマトリクス駆動の場合は、電極層5が表示装置1
の各画素に対応して形成される。一方、表示装置1がパ
ッシブマトリクス駆動の場合は、電極層3および電極層
5が互いに直交するように形成される。
【0069】電極層3および電極層5は、それぞれ図示
しない駆動回路およびコントローラを介して電源と接続
されており、電極層3と電極層5と間に電圧が印加され
ることにより、電極層3と電極層5とで挟持された所定
画素の発光層4が点灯するようになっている。また、電
極層3は反射電極の役目も果たすので、発光層4から出
射される青色光の利用効率を上げることができる。
【0070】発光層4は、任意の1色の光のみを発光す
る材料を含んで構成されており、低分子材料であれば例
えば蒸着法により、高分子材料であれば例えばスピンコ
ート法やキャスト法により形成される。
【0071】この発光層4の具体的な構成としては、例
えば図3の構成を考えることができる。つまり、発光層
4が、発光材料7と、発光材料7の一方の側に積層され
る正孔輸送層8および正孔注入層9と、上記発光材料7
の他方の側に積層される電子輸送層10および電子注入
層11とからなる構成である。しかし、発光材料7のみ
の単層構造、あるいは、発光材料7と、正孔輸送層8、
正孔注入層9、電子輸送層10および電子注入層11の
うちいずれか1つの層との多層構造で発光層4を構成し
ても構わない。
【0072】ちなみに、本実施形態では、発光材料7と
正孔輸送層8とで発光層4を構成した。そして、発光材
料7としては、青色発光材料であるDPVBi(1,4-bi
s(2,2-diphenylivinyl)biphenyl )を用い、正孔輸送層
8としては、芳香族ジアミンであるα−NPDを用い
た。
【0073】色変換層6は、発光層4から出射される光
(青色光)を、これとは波長の異なる光に変換する機能
を有しており、色変換層6a・6b・6cで構成されて
いる。色変換層6aは、発光層4からの青色光を赤色光
に変換するものであり、色変換層6bは、発光層4から
の青色光を緑色光に変換するものである。また、色変換
層6cは、発光層4からの青色光の純度を補正するため
のものである。
【0074】これら色変換層6a・6b・6cは、例え
ば赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体でそれぞれ構成
される。色変換層6a・6b・6cをこのように蛍光体
で構成することにより、発光層4から出射される光とは
異なる色の光を確実に得る得ることができる。なお、発
光層4から出射される青色光の純度が良ければ、色変換
層6cは不要である。
【0075】次に、上記の表示装置1の製造に供される
ドナーフィルム12について説明する。
【0076】図4は、ドナーフィルム12の断面構成を
概略的に示している。同図に示すように、ドナーフィル
ム12は、ベースフィルム13上に、色変換層6と、電
極層5と、発光層4とが順に積層された構成となってい
る。なお、図4での色変換層6は、色変換層6a・6b
・6cのいずれかであるとする。
【0077】ベースフィルム13は、図5に示すよう
に、樹脂層14上に、光/熱変換層15と熱伝播層16
とがこの順で積層された構造となっている。樹脂層14
は、例えば、ポリエステル、ポリカーボネイト、ポリエ
ーテルスルホンをはじめとする大抵の樹脂を用いて構成
することができるが、本実施形態では、ポリエーテルス
ルホンを用いて厚さ300nmで形成されている。光/
熱変換層15は、例えばカーボン粒子混合の熱可塑性エ
ポキシ樹脂で構成され、熱伝播層16は、例えばポリα
メチルスチレンで構成されている。光/熱変換層15お
よび熱伝播層16を設けることで、後述するレーザー光
線の照射による色変換層6等の電極層3への熱転写を効
率よく行うことができる。
【0078】このようなベースフィルム13上に、色変
換層6が例えば印刷法やスピンコート法あるいは堆積法
によって形成されており、その上に電極層5が例えば蒸
着法により形成されている。そして、この電極層5上
に、正孔輸送層8および発光材料7からなる発光層4が
積層されている。
【0079】このように、本発明のドナーフィルム12
は、ベースフィルム13上に、電極層5および発光層4
だけでなく、色変換層6を積層して構成されているの
で、色変換層6a・6b・6cのいずれかを含むドナー
フィルム12を作製する場合でも、各ドナーフィルム1
2の発光層4を全て同じ材料で構成することができ、発
光層4の発光色を場所によらずほぼ一定とすることがで
きる。これにより、ドナーフィルム12を用いて以下の
手法により表示装置1を作製した場合でも、発光層4か
ら各色変換層6を介して最終的に得られる各光の色バラ
ンスが経時的に変化することはない。
【0080】次に、上記のドナーフィルム12を用いて
表示装置1を製造する手法について説明する。
【0081】なお、以下では、発光層4が発光する青色
光は、補正が不要となる程度の色純度を有しているもの
とし、赤色蛍光体からなる色変換層6aを形成したドナ
ーフィルム12、緑色蛍光体からなる色変換層6bを形
成したドナーフィルム12、色変換層6cの形成されて
いないドナーフィルム12が用意されているものとす
る。
【0082】まず、基板2上にAl/Li等からなる電
極層3を形成した後、図1に示すように、例えば色変換
層6bが形成されたドナーフィルム12の発光層4を、
上記電極層3と接触させる。そして、ベースフィルム1
3側から、レーザー光源17によってレーザー光(高エ
ネルギー光)を例えば図中a−b方向に走査しながらド
ナーフィルム12に照射する。このとき、レーザースポ
ットを例えば直径5μmに絞り、20μmの走査幅(走
査方向に垂直方向の幅)が得られるように走査を行う。
【0083】この結果、ドナーフィルム12の発光層
4、電極層5および色変換層6bのうち、レーザー光の
照射された部分は、基板2側の電極層3に熱転写される
一方、レーザー光の照射されなかった部分は、電極層3
に熱転写されずにそのままドナーフィルム12側に残
る。したがって、レーザー光の照射後、ドナーフィルム
12を基板2から剥がすと、ドナーフィルム12におい
てレーザー光の照射されなかった部分がベースフィルム
13とともに剥離される結果、基板2側の電極層3上に
は、発光層4、電極層5および色変換層6bが互いに積
層された状態の幅20μmのラインが複数形成されるこ
とになる。
【0084】続いて、色変換層6aを形成したドナーフ
ィルム12、および、色変換層6cを形成していないド
ナーフィルム12を順に用い、転写位置が先に転写した
部位と重ならないように位置合わせをしながら上記と同
様の工程を順に行う。これにより、図2に示すように、
RGBに対応したラインの形成された表示装置1が得ら
れることとなる。なお、図2は、3種類のドナーフィル
ム12を用いて製造された表示装置1を、図1の走査方
向の一方向であるa方向から見た場合の断面構造を示し
ている。表示装置1の完成後、電極層3を負極とし、電
極層5を正極として直流電界を印加したところ、カラー
発光を確認することができた。
【0085】以上のように、本実施形態の表示装置1の
製造方法は、色変換層6と、電極層5と、発光層4とが
ベースフィルム13上に順に積層されてなるドナーフィ
ルム12の上記各層を、基板2に形成された電極層3と
電極層5とで発光層4が挟持されるように、レーザー光
の照射により上記電極層3に転写する構成である。
【0086】レーザー光のスポット径を絞ることは容易
であるので、そのようなレーザー光の走査および照射に
よって色変換層6、電極層5および発光層4を高精細に
加工、転写することができ、高精細な表示装置を簡便に
実現することができる。
【0087】また、色変換層6、電極層5および発光層
4のベースフィルム13への形成は、例えば蒸着法やス
ピンコート法を用いて低コストで行うことができるの
で、このように低コストで作製されるドナーフィルム1
2を用いて行う表示装置1の製造を確実に低コストで行
うことができ、製造された表示装置1の価格低減を確実
に図ることができる。
【0088】また、ドナーフィルム12において、色変
換層6上で電極層5をパターンニングして形成する必要
がないため、従来のCCM法のように色変換層6を保護
するための保護層を必要としない。その結果、材料およ
び工程数を削減して従来のCCM法よりもさらに製造コ
ストの低減を図ることができる。さらに、発光層4と色
変換層6との距離が電極層5の厚み分となり、上記距離
が上記保護層を形成しない分、最小となるので、視野角
の問題がほとんど生じることがない。このような効果
は、色変換層6の代わりに着色層6’を用いる後述の実
施の形態2でも同様に得ることができる。
【0089】〔実施の形態2〕本発明の実施の一形態に
ついて、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
なお、説明の便宜上、実施の形態1と同一の構成には同
一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0090】実施の形態1では、青発光の発光層4と色
変換層6とを形成したドナーフィルム12を用いてカラ
ー表示装置1を製造した例について説明したが、本実施
形態では、白発光の発光層4’と着色層6’とを形成し
たドナーフィルム12(図4参照)を用いてカラー表示
装置1を製造する場合について説明する。図2は、本実
施形態で作製された表示装置1の構成をも示している。
【0091】この場合、発光材料7としては白色発光材
料を用い、この白色発光材料と例えば電子輸送層10と
を積層して発光層4’を形成する。上記の白色発光材料
としては、例えばBAlq3 にペリレンとDCM−1と
をドープしたものを用いることができる。また、上記の
電子輸送層10は、例えばZn(BOX)2 で構成する
ことができる。なお、発光層4’が単層あるいは多層構
造であってもよいのは、発光層4の場合と同様である。
【0092】一方、着色層6’は、顔料や染料で構成す
ることができ、実施の形態1で用いた色変換層6と同様
の機能、すなわち、発光層4’から出射される光を波長
の異なる光に変換して出力する機能を有している。した
がって、実施の形態1の色変換層6と本実施形態の着色
層6’とは、広い概念で言えばどちらも色変換層と言う
ことができる。
【0093】発光層4’が白色発光であるので、カラー
表示を行うためには、着色層6’としては、図2に示す
ように、赤顔料を含む着色層6a’と緑顔料を含む着色
層6b’と青顔料を含む着色層6c’との3種類が必要
である。したがって、ドナーフィルム12としては、ベ
ースフィルム13上に着色層6a’と電極層5と発光層
4’とを順に積層したもの、ベースフィルム13上に着
色層6b’と電極層5と発光層4’とを順に積層したも
の、ベースフィルム13上に着色層6c’と電極層5と
発光層4’とを順に積層したものの計3種類を用意する
必要がある。
【0094】表示装置1の製造の手法としては、実施の
形態1と全く同様である。つまり、基板2側の電極層3
に、例えば着色層6b’を含むドナーフィルム12の発
光層4’(電子輸送層10)を接触させ、図1に示すよ
うに、ベースフィルム13側からレーザー光源17によ
ってレーザー光をa−b方向に走査しながら照射する。
レーザー光のスポット径、走査幅については実施の形態
1と同様である。
【0095】この結果、ドナーフィルム12の発光層
4’、電極層5および着色層6b’のうち、レーザー光
の照射された部分は、基板2側の電極層3に熱転写され
る一方、レーザー光の照射されなかった部分は、電極層
3に熱転写されずにそのままドナーフィルム12側に残
る。したがって、レーザー光の照射後、ドナーフィルム
12を基板2から剥がすと、ドナーフィルム12におい
てレーザー光の照射されなかった部分がベースフィルム
13とともに剥離される結果、基板2側の電極層3上に
は、発光層4’、電極層5および着色層6b’が互いに
積層された状態の幅20μmのラインが複数形成される
ことになる。
【0096】続いて、着色層6a’を形成したドナーフ
ィルム12、着色層6c’を形成したドナーフィルム1
2を順に用い、転写位置が先に転写した部位と重ならな
いように位置合わせをしながら上記と同様の工程を順に
行う。これにより、図2に示すように、RGBに対応し
たラインの形成された表示装置1が得られることとな
る。表示装置1の完成後、電極層3を負極とし、電極層
5を正極として直流電界を印加したところ、カラー発光
を確認することができた。
【0097】以上のように、本実施形態の表示装置1の
製造方法は、着色層6’と、電極層5と、発光層4’と
がベースフィルム13上に順に積層されてなるドナーフ
ィルム12の上記各層を、基板2に形成された電極層3
と電極層5とで発光層4’が挟持されるように、上記電
極層3に転写する構成であり、発光層4’および着色層
6’と同等の機能を有する発光層4および色変換層6を
備えたドナーフィルム12を用いて行う実施の形態1と
全く同様の手法である。したがって、本実施形態の手法
によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができ
る。
【0098】なお、実施の形態1・2で説明した製法
は、ベースフィルム13への電極層5、発光層4または
4’の形成に蒸着法を用いることができるので、無機E
Lなどの自発光型の表示装置にも勿論適用可能である。
【0099】〔実施の形態3〕本発明の実施の一形態に
ついて、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
なお、説明の便宜上、実施の形態1・2と同一の構成に
は同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0100】本実施形態では、色変換層6のみがベース
フィルム13上に形成されたドナーフィルム21(図6
参照)を用いて図7に示す表示装置22を作製する手法
について説明する。図7は、図6におけるレーザー光の
走査方向の一方向であるa方向から見た場合の表示装置
22の断面構成を示している。
【0101】なお、ここでは、発光層4が発光する青色
光の色純度が補正不要な程度に良いものとする。したが
って、ドナーフィルム21としては、青色光を赤色光に
変換する色変換層6aが形成されたドナーフィルム21
と、青色光を緑色光に変換する色変換層6bが形成され
たドナーフィルム21との2種類が用意されているもの
とする。
【0102】まず、基板2上に、電極層3、発光層4、
電極層5を連続して蒸着法やスピンコート法により形成
し、従来と同じ単色発光素子を作製する。このとき、電
極層3・電極層5は、表示装置22の駆動形態に応じた
形状でパターン形成される。
【0103】次に、ドナーフィルム21の色変換層6b
を電極層5と接触させ、図6に示すように、ベースフィ
ルム13側からレーザー光源17によってレーザー光を
a−b方向に走査しながら照射する。レーザー光のスポ
ット径、走査幅については実施の形態1と同様である。
【0104】この結果、ドナーフィルム21の色変換層
6bのうち、レーザー光の照射された部分は、基板2側
の電極層5に熱転写される一方、レーザー光の照射され
なかった部分は、電極層5に熱転写されずにそのままド
ナーフィルム21側に残る。したがって、レーザー光の
照射後、ドナーフィルム21を基板2から剥がすと、ド
ナーフィルム21においてレーザー光の照射されなかっ
た部分がベースフィルム13とともに剥離される結果、
基板2側の電極層5上には、色変換層6bが幅20μm
のラインで複数形成されることになる。
【0105】続いて、色変換層6aを形成したドナーフ
ィルム21を用い、転写位置が先に転写した部位と重な
らないように位置合わせをしながら上記と同様の工程を
行う。これにより、図7に示すように、RGBに対応し
たラインの形成された表示装置22が得られることとな
る。表示装置22の完成後、電極層3を負極とし、電極
層5を正極として直流電界を印加したところ、カラー発
光を確認することができた。
【0106】以上のように、本実施形態に係る表示装置
22の製造方法は、色変換層6のみがベースフィルム1
3上に形成されたドナーフィルム21を用い、発光層4
を挟持する一対の電極層3・5の一方の電極層5の外部
に、ドナーフィルム21に形成された色変換層6を光ビ
ームの照射により直接転写する構成である。色変換層6
を形成したドナーフィルム21を用いるという点、およ
び、色変換層6の転写によって表示装置22を構成する
ことにより発光層4を1色の光のみ発光する材料で構成
できるという点では、実施の形態1と同じであるので、
本実施形態においても、基本的には実施の形態1と同様
の効果を得ることができる。そして、本実施形態の製法
によれば、さらに以下の作用効果を得ることができる。
【0107】実施の形態1の手法では、既に形成されて
しまった発光層4を、光/熱変換により電極層3上に転
写するため、電極層3と発光層4との分子レベルでの結
合が難しく、従来の蒸着法やスピンコート法に比べる
と、電極層3と発光層4との電気的接触、つまりコンタ
クトがどうしても低下する。この結果、簡便かつ高精細
にカラー表示装置が作製できても、装置の電力効率が低
下する場合がある。
【0108】しかし、本実施形態の手法によれば、電極
層3、発光層4、電極層5を先に蒸着法やスピンコート
法により積層しておき、色変換層6のみを熱転写する構
成としたので、電極層3と発光層4との間で分子レベル
での結合が容易であり、上記両者間でコンタクトクトが
問題になることはほとんどない。したがって、上記した
装置の電力効率の低下を回避することができる。
【0109】また、従来のCCM法では、色変換層を形
成した後、電極層のパターニングにそなえて色変換層を
保護するための保護層を形成する必要があるが、本実施
形態の手法は、既に形成された電極層5に色変換層6を
熱転写する構成なので、そのような保護層を必要としな
い。その結果、製造コストの低減および良好な視野角の
獲得という実施の形態1と同様の効果を得ることができ
る。このような効果は、色変換層6の代わりに着色層
6’を用いる後述の実施の形態4でも同様に得ることが
できる。
【0110】〔実施の形態4〕本発明の実施の一形態に
ついて、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
なお、説明の便宜上、実施の形態1ないし3と同一の構
成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0111】実施の形態3では、ベースフィルム上に色
変換層6のみを形成したドナーフィルム21を用いてカ
ラー表示装置22を製造した例について説明したが、本
実施形態では、着色層6’のみを形成したドナーフィル
ム21(図6参照)を用いてカラー表示装置22を製造
する場合について説明する。なお、この着色層6’は、
実施の形態2と同様に、広い概念で言えば色変換層を構
成するものである。図7は、本実施形態で作製された表
示装置22の構成をも示している。
【0112】この場合、基板2側には、発光層4の代わ
りに実施の形態2と同様の構成の発光層4’を形成し
た。一方、ドナーフィルム21としては、ベースフィル
ム13上に着色層6a’のみを印刷形成したものと、ベ
ースフィルム13上に着色層6b’のみを印刷形成した
ものと、ベースフィルム13上に着色層6c’のみを印
刷形成したものの計3種類を用意した。
【0113】表示装置22の製造の手法としては、実施
の形態3と全く同様である。つまり、基板2上に、電極
層3、発光層4’、電極層5を連続して蒸着法やスピン
コート法により形成し、従来と同じ単色発光素子を作製
する。このとき、電極層3・電極層5は、表示装置22
の駆動形態に応じた形状でパターン形成される。
【0114】次に、ドナーフィルム21の着色層6b’
を電極層5と接触させ、図6に示すように、ベースフィ
ルム13側からレーザー光源17によってレーザー光を
a−b方向に走査しながら照射する。レーザー光のスポ
ット径、走査幅については実施の形態3と同様である。
【0115】この結果、ドナーフィルム21の着色層6
b’のうち、レーザー光の照射された部分は、基板2側
の電極層5に熱転写される一方、レーザー光の照射され
なかった部分は、電極層5に熱転写されずにそのままド
ナーフィルム21側に残る。したがって、レーザー光の
照射後、ドナーフィルム21を基板2から剥がすと、ド
ナーフィルム21においてレーザー光の照射されなかっ
た部分がベースフィルム13とともに剥離される結果、
基板2側の電極層5上には、着色層6b’が幅20μm
のラインで複数形成されることになる。
【0116】続いて、着色層6a’を形成したドナーフ
ィルム21、着色層6c’を形成したドナーフィルム2
1を順に用い、転写位置が先に転写した部位と重ならな
いように位置合わせをしながら上記と同様の工程を順に
行う。これにより、図7に示すように、RGBに対応し
たラインの形成された表示装置22が得られることとな
る。表示装置22の完成後、電極層3を負極とし、電極
層5を正極として直流電界を印加したところ、カラー発
光を確認することができた。
【0117】以上のように、本実施形態に係る表示装置
22の製造方法は、着色層6’のみがベースフィルム1
3上に形成されたドナーフィルム21を用い、発光層
4’を挟持する一対の電極層3・5の一方の電極層5の
外部に、ドナーフィルム21に形成された着色層6’を
光ビームの照射により直接転写する構成であり、発光層
4’および着色層6’と同等の機能を有する発光層4お
よび色変換層6を備えたドナーフィルム21を用いて行
う実施の形態3と全く同様の手法である。したがって、
本実施形態の手法によれば、実施の形態3と同様の効果
を得ることができる。
【0118】なお、実施の形態3・4で説明した製法
は、基板2への電極層3、発光層4および電極層5の形
成と、ベースフィルム13への色変換層6(着色層
6’)の形成とを別々に行ってから熱転写を行う構成な
ので、無機ELなどその他の自発光型の表示装置の製造
にも適用することが可能である。
【0119】なお、各部材を構成する材料や成膜法につ
いては、上述の各実施の形態で説明した材料、方法に限
定されるわけではない。
【0120】
【発明の効果】本発明に係る表示装置の製造に供される
ドナーフィルムは、以上のように、ベースフィルム上に
色変換層と電極層と発光層とが順に積層されてなる構成
である。
【0121】それゆえ、ベースフィルム上に電極層およ
び発光層だけでなく、色変換層が設けられているので、
取り出したい色に対応する色変換層を互いに異ならせた
ドナーフィルムを複数作製する場合でも、各ドナーフィ
ルムの発光層を全て同じ材料で構成することができる。
これにより、これらのドナーフィルムを順に用い、ドナ
ーフィルムの各層を、素子基板上に形成された他の電極
層の所定の位置に順に転写することによってカラーの表
示装置を作製した場合でも、発光層から各色変換層を介
して最終的に得られる各光の色バランスが経時的に変化
することはない。
【0122】また、このような構成のドナーフィルムを
用いれば、例えば光ビームの走査および照射によって、
ドナーフィルムの色変換層、電極層および発光層を他の
電極層に所望の形状で転写することにより表示装置を製
造することができる。光ビームのスポット径を絞ること
は容易であるので、上記ドナーフィルムを用いれば、光
ビームの照射により高精細な表示装置を簡便に実現する
ことができる。
【0123】また、ドナーフィルムのベースフィルム上
に色変換層、電極層および発光層を形成するにあたり、
例えば一般的な蒸着法やスピンコート法を用いて低コス
トで行うことができるので、このように低コストで作製
されるドナーフィルムを用いて表示装置を製造すれば、
表示装置の製造コストを従来のCCM法やCF法よりも
確実に低減することができるという効果を併せて奏す
る。
【0124】本発明に係る表示装置の製造に供されるド
ナーフィルムは、以上のように、上記色変換層は、蛍光
体で構成されている構成である。
【0125】それゆえ、発光層が発光した光を、蛍光体
からなる色変換層にて、これとは波長の異なる光に確実
に変換することができるという効果を奏する。
【0126】本発明に係る表示装置の製造に供されるド
ナーフィルムは、以上のように、上記色変換層は、顔料
または染料で構成される着色層である構成である。
【0127】それゆえ、発光層が発光した光を、着色層
にてこれとは波長の異なる光に確実に変換することがで
きるという効果を奏する。
【0128】本発明に係るドナーフィルムは、以上のよ
うに、上記ベースフィルムは、光/熱変換層を含んで構
成されている構成である。
【0129】それゆえ、光ビームによりドナーフィルム
の各層を素子基板に熱転写する際に、熱転写の効率を高
めることができるという効果を奏する。
【0130】本発明に係るドナーフィルムは、以上のよ
うに、上記発光層は、電子注入層、電子輸送層、正孔注
入層、正孔輸送層のいずれか1つを少なくとも含んで構
成されている構成である。
【0131】それゆえ、電子または正孔といったキャリ
アー種を、効率よく発光層に輸送、注入することがで
き、これによって、発光層内部での励起子の放射失活確
率を向上させ、発光効率を確実に向上させることができ
るという効果を奏する。
【0132】本発明に係る表示装置の製造方法は、以上
のように、上述した本発明に係るドナーフィルムを用
い、上記ドナーフィルムの電極層を第1の電極層とする
と、上記ドナーフィルムの発光層を、素子基板上に形成
された第2の電極層に接触させ、ベースフィルム側から
光ビームを照射することにより、上記ドナーフィルムの
上記色変換層、上記第1の電極層および上記発光層を上
記第2の電極層に転写する構成である。
【0133】それゆえ、光ビームのスポット径を絞るこ
とは容易であるので、光ビームの照射により高精細な表
示装置を簡便に実現することができる。
【0134】また、上記のドナーフィルムは、例えば一
般的な蒸着法やスピンコート法により低コストで得られ
るものであるので、このように低コストで作製されるド
ナーフィルムを用いて表示装置を製造することにより、
表示装置の製造コストを従来のCCM法やCF法よりも
確実に低減することができる。
【0135】また、各ドナーフィルムに色変換層を形成
していることから、各ドナーフィルムの発光層を同じ材
料で構成しても、色変換層を介して異なる色を確実に取
り出すことができる。したがって、各ドナーフィルムの
発光層を同じ材料で構成することによって、各色変換層
を介して得られる光の色バランスが経時的に変化するの
を回避できるという効果を併せて奏する。
【0136】本発明に係る表示装置は、以上のように、
色変換層と、上記第1の電極層と、上記発光層とがベー
スフィルム上に順に積層されてなるドナーフィルムの上
記各層を、光ビームの照射により上記第2の電極層に転
写してなる構成である。
【0137】それゆえ、光ビームのスポット径を絞るこ
とは容易であるので、上記した光ビームの照射により、
高精細加工を容易に行うことができ、その結果、高精細
な表示装置を容易に実現することができる。
【0138】また、上記構成のドナーフィルムは、例え
ば一般的な蒸着法やスピンコート法により低コストで得
られるものであり、このため、このようなドナーフィル
ムを用いて作製される本発明の表示装置も、従来のCC
M法やCF法よりも確実に低コストで作製されるもので
ある。したがって、製造コスト低減による装置の価格低
下を図ることができる。
【0139】また、各ドナーフィルムに色変換層を形成
していることから、各ドナーフィルムの発光層を同じ材
料で構成しても、色変換層を介して異なる色を確実に取
り出すことができる。したがって、各ドナーフィルムの
発光層を同じ材料で構成することによって、各色変換層
を介して得られる光の色バランスが経時的に変化するの
を回避できるという効果を併せて奏する。
【0140】本発明に係る表示装置の製造方法は、以上
のように、色変換層(例えば蛍光体や着色層)のみがベ
ースフィルム上に形成されたドナーフィルムを用い、上
記一対の電極層の一方の電極層に、上記ドナーフィルム
に形成された色変換層を光ビームの照射により転写する
構成である。
【0141】それゆえ、光ビームのスポット径を絞るこ
とは容易であることから、例えば色変換層の異なる複数
のドナーフィルムを用意しておき、これらのドナーフィ
ルムを順に用いて行う各色変換層の転写を高精細に行う
ことができる。これにより、高精細なカラー表示装置を
簡便に実現することができる。
【0142】また、上記構成のドナーフィルムは、例え
ば一般的な蒸着法やスピンコート法により低コストで得
られるものであるので、このように低コストで作製され
るドナーフィルムを用いて表示装置を製造することによ
り、表示装置の製造コストを従来のCCM法やCF法よ
りも確実に低減することができる。
【0143】また、発光層は、場所によらず同じ材料で
構成されるので、各色変換層を介して得られる光の色バ
ランスが経時的に変化するのを回避できる。
【0144】また、発光層とこれを挟持する一対の電極
層とを連続して例えば蒸着法やスピンコート法により先
に形成しておくことができるので、各電極層と発光層と
の間で分子レベルでの結合が容易となる。これにより、
上記両者間での電気的な接触が悪化することによる表示
装置の電力効率の低下を確実に回避することができると
いう効果を併せて奏する。
【0145】本発明に係る表示装置は、以上のように、
色変換層(例えば蛍光体や着色層)のみがベースフィル
ム上に形成されたドナーフィルムの当該色変換層を、光
ビームの照射により上記一対の電極層の一方の電極層に
転写してなる構成である。
【0146】それゆえ、光ビームのスポット径を絞るこ
とは容易であるので、上記した光ビームの照射により、
高精細加工を容易に行うことができ、その結果、高精細
な表示装置を容易に実現することができる。
【0147】また、色変換層のみを形成したドナーフィ
ルムは、例えば一般的な蒸着法やスピンコート法により
低コストで得られるものであり、このため、このような
ドナーフィルムを用いて作製される本発明の表示装置
も、従来のCCM法やCF法よりも確実に低コストで作
製されるものである。したがって、製造コスト低減によ
る装置の価格低下を図ることができる。
【0148】また、発光層は、場所によらず同じ材料で
構成されるので、各色変換層を介して得られる光の色バ
ランスが経時的に変化するのを回避できる。
【0149】また、発光層とこれを挟持する一対の電極
層とを連続して例えば蒸着法やスピンコート法により先
に形成しておくことができるので、各電極層と発光層と
の間で分子レベルでの結合が容易となる。これにより、
上記両者間での電気的な接触が悪化することによる表示
装置の電力効率の低下を確実に回避することができると
いう効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の製造方法の一例を説明
するための説明図である。
【図2】上記の製造方法によって製造された表示装置の
概略の構成を示す断面図である。
【図3】上記表示装置が有する発光層の一構成例を示す
断面図である。
【図4】上記表示装置の製造に供されるドナーフィルム
の概略の構成を示す断面図である。
【図5】上記ドナーフィルムのベースフィルムの概略の
構成を示す断面図である。
【図6】本発明に係る表示装置の製造方法の他の例を説
明するための説明図である。
【図7】上記製造方法によって製造された表示装置の概
略の構成を示す断面図である。
【図8】フィルム転写法による従来の表示装置の製造方
法を説明するための説明図である。
【図9】上記製造方法によって製造された表示装置の概
略の構成を示す断面図である。
【図10】従来のCCM法またはCF法によって製造さ
れた表示装置の概略の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 表示装置 2 基板 3 電極層(第2の電極層) 4 発光層 5 電極層(第1の電極層) 6 色変換層 6’ 着色層(色変換層) 8 正孔輸送層 9 正孔注入層 10 電子輸送層 11 電子注入層 12 ドナーフィルム 13 ベースフィルム 15 光/熱変換層 21 ドナーフィルム 22 表示装置
フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB18 BB06 CA01 CB01 DB03 FA01 5C094 AA43 BA29 CA24 DA13 FB20 GB01 5G435 AA17 BB05 CC12 KK05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースフィルム上に、色変換層と電極層と
    発光層とが順に積層されてなることを特徴とする表示装
    置の製造に供されるドナーフィルム。
  2. 【請求項2】上記色変換層は、蛍光体で構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造に供
    されるドナーフィルム。
  3. 【請求項3】上記色変換層は、顔料または染料で構成さ
    れる着色層であることを特徴とする請求項1に記載の表
    示装置の製造に供されるドナーフィルム。
  4. 【請求項4】上記ベースフィルムは、光/熱変換層を含
    んで構成されていることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載の表示装置の製造に供されるドナーフ
    ィルム。
  5. 【請求項5】上記発光層は、電子注入層、電子輸送層、
    正孔注入層、正孔輸送層のいずれか1つを少なくとも含
    んで構成されていることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載のドナーフィルム。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載のドナ
    ーフィルムを用い、 上記ドナーフィルムの電極層を第1の電極層とすると、 上記ドナーフィルムの発光層を、素子基板上に形成され
    た第2の電極層に接触させ、 ベースフィルム側から光ビームを照射することにより、
    上記ドナーフィルムの上記色変換層、上記第1の電極層
    および上記発光層を上記第2の電極層に転写することを
    特徴とする表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】発光層と、上記発光層を挟持する第1およ
    び第2の電極層とを備えた表示装置であって、 色変換層と、上記第1の電極層と、上記発光層とがベー
    スフィルム上に順に積層されてなるドナーフィルムの上
    記各層を、光ビームの照射により上記第2の電極層に転
    写してなることを特徴とする表示装置。
  8. 【請求項8】発光層と、上記発光層を挟持する一対の電
    極層とを備えた表示装置の製造方法であって、 色変換層のみがベースフィルム上に形成されたドナーフ
    ィルムを用い、 上記一対の電極層の一方の電極層に、上記ドナーフィル
    ムに形成された色変換層を光ビームの照射により転写す
    ることを特徴とする表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】発光層と、上記発光層を挟持する一対の電
    極層とを備えた表示装置であって、 色変換層のみがベースフィルム上に形成されたドナーフ
    ィルムの当該色変換層を、光ビームの照射により上記一
    対の電極層の一方の電極層に転写してなることを特徴と
    する表示装置。
JP2000256307A 2000-08-25 2000-08-25 表示装置の製造に供されるドナーフィルム、表示装置の製造方法および表示装置 Pending JP2002075636A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000256307A JP2002075636A (ja) 2000-08-25 2000-08-25 表示装置の製造に供されるドナーフィルム、表示装置の製造方法および表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000256307A JP2002075636A (ja) 2000-08-25 2000-08-25 表示装置の製造に供されるドナーフィルム、表示装置の製造方法および表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002075636A true JP2002075636A (ja) 2002-03-15

Family

ID=18744935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000256307A Pending JP2002075636A (ja) 2000-08-25 2000-08-25 表示装置の製造に供されるドナーフィルム、表示装置の製造方法および表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002075636A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004095555A (ja) * 2002-08-29 2004-03-25 Eastman Kodak Co 有機発光表示装置製造用の基板を整合する方法
JP2007066907A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Samsung Sdi Co Ltd レーザ熱転写装置及びこれを利用した有機発光素子の製造方法
JP2007511890A (ja) * 2003-11-18 2007-05-10 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー エレクトロルミネセントデバイス、および色変換要素を備えるエレクトロルミネセントデバイスの製造方法
US7230374B2 (en) 2003-09-22 2007-06-12 Samsung Sdi Co., Ltd. Full color organic light-emitting device having color modulation layer
US7339315B2 (en) 2003-09-22 2008-03-04 Samsung Sdi Co., Ltd. Full color organic light-emitting device having color modulation layer
US7718341B2 (en) 2005-08-30 2010-05-18 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Laser induced thermal imaging apparatus and manufacturing method of organic light emitting diode using the same
US7960094B2 (en) 2005-11-04 2011-06-14 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Laser induced thermal imaging apparatus and laser induced thermal imaging method
US8017295B2 (en) 2005-11-04 2011-09-13 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Laser induced thermal imaging apparatus and laser induced thermal imaging method and organic light emitting display device using the same

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011077046A (ja) * 2002-08-29 2011-04-14 Global Oled Technology Llc 有機発光表示装置製造用の基板を整合する方法
JP2004095555A (ja) * 2002-08-29 2004-03-25 Eastman Kodak Co 有機発光表示装置製造用の基板を整合する方法
JP2009076475A (ja) * 2003-09-22 2009-04-09 Samsung Mobile Display Co Ltd カラー調節層を有するフールカラー有機電界発光素子の製造方法
US7230374B2 (en) 2003-09-22 2007-06-12 Samsung Sdi Co., Ltd. Full color organic light-emitting device having color modulation layer
US7339315B2 (en) 2003-09-22 2008-03-04 Samsung Sdi Co., Ltd. Full color organic light-emitting device having color modulation layer
US7892382B2 (en) 2003-11-18 2011-02-22 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Electroluminescent devices and methods of making electroluminescent devices including a color conversion element
JP2007511890A (ja) * 2003-11-18 2007-05-10 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー エレクトロルミネセントデバイス、および色変換要素を備えるエレクトロルミネセントデバイスの製造方法
JP2012043805A (ja) * 2003-11-18 2012-03-01 Samsung Mobile Display Co Ltd エレクトロルミネセントデバイス、および色変換要素を備えるエレクトロルミネセントデバイスの製造方法
KR101193201B1 (ko) 2003-11-18 2012-10-19 삼성디스플레이 주식회사 색 전환 소자를 포함하는 전기발광 장치 및 전기발광 장치의 제조 방법
US7718341B2 (en) 2005-08-30 2010-05-18 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Laser induced thermal imaging apparatus and manufacturing method of organic light emitting diode using the same
US7817175B2 (en) 2005-08-30 2010-10-19 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Laser induced thermal imaging apparatus and fabricating method of organic light emitting diode using the same
JP2007066907A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Samsung Sdi Co Ltd レーザ熱転写装置及びこれを利用した有機発光素子の製造方法
JP4723438B2 (ja) * 2005-08-30 2011-07-13 三星モバイルディスプレイ株式會社 レーザ熱転写装置及びこれを利用した有機発光素子の製造方法
US8537185B2 (en) 2005-08-30 2013-09-17 Samsung Display Co., Ltd. Laser induced thermal imaging apparatus and fabricating method of organic light emitting diode using the same
US8623583B2 (en) 2005-08-30 2014-01-07 Samsung Display Co., Ltd. Laser induced thermal imaging apparatus and fabricating method of organic light emitting diode using the same
US7960094B2 (en) 2005-11-04 2011-06-14 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Laser induced thermal imaging apparatus and laser induced thermal imaging method
US8017295B2 (en) 2005-11-04 2011-09-13 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Laser induced thermal imaging apparatus and laser induced thermal imaging method and organic light emitting display device using the same
US8153345B2 (en) 2005-11-04 2012-04-10 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Laser induced thermal imaging apparatus and laser induced thermal imaging method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7012365B2 (en) Light-emitting device and light-emitting display with a polarization separator between an emissive layer and a phase plate
US6841803B2 (en) Display device
JP4027164B2 (ja) 表示装置
KR101317577B1 (ko) 유기 일렉트로루미네슨스 표시 장치
US7732809B2 (en) Light emitting display providing with compensated cholesteric reflective polarizer for improved contrast even in high ambient light or large viewing angle
JP4775863B2 (ja) 有機el表示装置及びその製造方法
JP2002215067A5 (ja)
CN102577610B (zh) 有机电致发光显示装置
US20070290612A1 (en) Light Emitting Device and Method for Producing Same
JP2004103532A (ja) 有機発光表示装置
WO2010150535A1 (ja) 多色発光有機el表示装置およびその製造方法
JP2002075636A (ja) 表示装置の製造に供されるドナーフィルム、表示装置の製造方法および表示装置
JP2009129586A (ja) 有機el素子
WO2020098722A1 (zh) 一种全彩化显示模块及其制作方法
JP2009205929A (ja) フルカラー有機elディスプレイパネル
JP2007220431A (ja) 多色発光デバイス及びその製造方法
KR20140087993A (ko) 유기 발광 표시 장치 및 그의 제조 방법
CN112909201B (zh) 显示面板及其制备方法、显示装置
JP5943405B2 (ja) 有機el照明装置及びその製造方法
JP2008060038A (ja) 有機発光デバイス
KR20050102387A (ko) 유기전계발광표시소자 및 그 제조방법