JP2002066395A - 粉体噴射方法及び装置 - Google Patents

粉体噴射方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ溶射材料である粉体を、プラズマが
発生するか又はプラズマが発生している空間に対して、
パルス的に噴射することが可能であり、かつその噴射開
始時期の応答精度が高い粉体噴射方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 プラズマを発生させるか又はプラズマが
発生している空間に粉体を噴射する方法であって、底面
に透孔を有し、該透孔を機械的又は熱的エネルギーの印
加により破壊可能の材料で封止した密封性容器内に該粉
体を充填した後、該容器底面の透孔を封止している該破
壊性材料を破壊するとともに、該粉体を加圧ガスにより
該透孔を介して該空間に噴射させることを特徴とする粉
体の噴射方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマが発生す
るか又はプラズマが発生している空間に対して粉体を噴
射させるための方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板上に所定材料の被膜を形成させるた
めの方法として、プラズマによる溶射方法が知られてい
る。この方法は、溶射用材料の粉体を、プラズマで加熱
し、溶融させて液状微粒子とし、この液状微粒子をプラ
ズマジェットとともに、固体基材の表面に高速で衝突さ
せ、基材上にその材料の被膜を形成させる方法である。
本発明者らは、このようなプラズマ溶射法の改良法とし
て、超高速で高密度のパルスプラズマを用いる溶射方法
であって、金属、セラミックス、プラスチック等のあら
ゆる材料に適用することが可能で、かつ不純物量の低減
された材料被膜を与える新しいプラズマ溶射方法を既に
開発している。即ち、この方法は、先端が開口し、後端
が電気絶縁体で封止された筒体内に粉末状溶射材料をパ
ルス的に供給する工程と、該粉末状溶射材料の供給直後
に、該筒体の中心部に該筒体の長さ方向に沿って配設さ
れた陽極と該筒体内壁面との間にパルス電圧を印加する
とともに、該筒体内に高温のパルスプラズマを発生させ
る工程と、該高温パルスプラズマを該筒体開口に向けて
電磁加速させるとともに、該高温パルスプラズマにより
該筒体内に供給された粉末状溶射材料を溶融させて液状
微粒子化させる工程と、該筒体開口から、該溶射材料の
液状微粒子を該電磁加速された高温パルスプラズマとと
もに筒外へ射出させる工程からなることを特徴とする電
磁加速プラズマにより溶射方法である。このようなプラ
ズマ溶射方法においては、そのプラズマが発生するか又
は発生している空間に対して、溶射材料である粉体を安
価にかつ効率よくパルス的に噴射することが必要とされ
る。このような方法としては、電磁バルブを備えた粉体
供給装置や、粉体噴射ノズルを備えた粉体噴射装置(特
開2000−94332号公報)等があるが、その機構
が複雑である上、製造コストが高い等の問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プラズマ溶
射材料である粉体を、プラズマが発生するか又はプラズ
マが発生している空間に対して、パルス的に噴射するこ
とが可能であり、かつその噴射開始時期の応答精度が高
い粉体噴射方法及び装置を提供することをその課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、プラズマを発生させ
るか又はプラズマが発生している空間に粉体を噴射する
方法であって、底面に透孔を有し、該透孔を機械的又は
熱的エネルギーの印加により破壊可能の材料で封止した
密封性容器内に該粉体を充填した後、該容器底面の透孔
を封止している該破壊性材料を破壊するとともに、該粉
体を加圧ガスにより該透孔を介して該空間に噴射させる
ことを特徴とする粉体の噴射方法が提供される。また、
本発明によれば、プラズマを発生させるか又はプラズマ
が発生している空間に粉体を噴射する装置であって、底
面に透孔を有し、該透孔を機械的又は熱的エネルギーの
印加により破壊可能の材料で封止した粉体充填用の密封
性容器と、該容器底面の透孔を封止している該破壊性材
料に該材料の破壊に必要な機械的又は熱的エネルギーを
印加する手段と、該容器内の粉末を該透孔を介して噴射
させる加圧ガス配管を備えていることを特徴とする粉体
噴射装置が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においては、底面に透孔を
有し、該透孔を機械的又は熱的エネルギーの印加により
破壊可能の材料で封止した密封性容器を粉体充填用容器
として用いる。前記機械的エネルギーの印加による材料
の破壊方法としては、自動車のエアバックに用いられて
いる如き爆薬を爆発させたときに発生する衝撃波による
破壊や、その材料全体を一時に破壊させる高圧をパルス
的に印加して破壊する方法等がある。一方、熱的エネル
ギーの印加による材料の破壊方法としては、爆薬の燃焼
に際しての燃焼熱により材料を溶融ないし焼失(分解)
させる方法や、導電体細線に大量の電流をパルス的に流
してその細線を爆発(焼失)させるときに生じる高熱に
より材料を焼失(分解)させる方法、レーザ光により破
壊する方法等がある。容器底面の透孔を封止する材料と
しては、前記機械的又は熱的エネルギーにより破壊可能
なものであればどのようなものでもよい。このようなも
のには、プラスチックや金属、炭素材料、セラミック
ス、合成紙、不織布等が包含される。
【0006】本発明においては、前記のようにして容器
底面の透孔を封止していた材料が破壊されてその透孔が
開口したときに、その容器内の粉体をその透孔を介して
噴射させるために、該容器に対して、加圧ガス管を連結
させる。この場合、加圧ガスとしては、アルゴンガス、
ヘリウムガス、窒素ガス、キセノンガス、水素ガス等の
無機ガスが用いられる他、メタンガス等の有機ガスが用
いられる。また、これらのがすは、プラズマガスとして
はも作用する。
【0007】図1に本発明の装置の分解説明図を示す。
図1において、101は透孔104を有する第1筒体を
示し、102は透孔105を有する第2筒体を示し、1
03はその中心部に透孔106を有する蓋体を示す。第
1筒体101は、上部にリード線107、108が埋設
され、それらのリード線107、108の一方の各端部
間には導電体細線109が接続されている。リード線1
07、108の他方の各端部には、被覆電線110、1
11が接続されている。第1筒体101及び第2筒体1
02は、いずれも電気絶縁体(プラスチック等)で形成
されている。また、第1筒体と第2筒体とは、一体に連
結し得るように、その筒壁にはネジ孔が形成されてい
る。前記導電体細線は、銅線やニクロム線、タングステ
ン線等であることができ、その細線の太さは、直径で5
0〜200μm、好ましくは80〜120μmである。
また、リード線間に張設される導電体細線1本の数は1
つ又は複数(2〜10本)であることができる。蓋体1
03は、板体(円板)部112と、その中心部に立設さ
れた筒体(円筒)部113とからなる。板体部112
は、大寸法のもので、本発明の装置の固定化手段として
用いられる。その大きさは、本発明の装置を適用するプ
ラズマガン(筒体)の直径よりも大きなものであればよ
い。この板体部112の外周縁部には、ネジ止め用の透
孔114が透設されている。筒体部113の透孔106
の上端部には、連結間118を介して加圧ガス管119
が連結される。蓋体103の材質は特に制約されない
が、鉄、しんちゅう等の金属の他、プラスチック、セラ
ミックス等であることができる。
【0008】図1において、115及び117は0−リ
ングを示し、116は機械的エネルギーや熱的エネルギ
ーの印加により破壊可能な透孔封止用材料を示す。
【0009】図2に本発明の装置をプラズマ溶射装置に
対して適用した場合の状態図を示す。図2において、1
21は筒体101と102とを連結させる止めネジを示
し、122は固定用金具を示し、123は蓋体103を
固定用金具122に固定化するための止めネジを示す。
Lは透孔105に充填された粉体を示す。図2におい
て、1は筒体を示し、2は陽極を示し、10はその筒体
1の壁部5に形成した透孔を示す。Aは筒体内に形成さ
れた粉体を噴射するプラズマ形成用空間を示す。蓋体1
03を固定用金具122にネジ止めするには、止めネジ
の先端を板体部112の周縁部に透設された透孔114
内に挿通させ、固定用金具122のネジ孔124にネジ
止めする。筒体1の下部壁部は、図2に示すように、平
面状に切削されて固定金具122に固定化しやすくなっ
ている。また、その筒体1の上部壁部は、第1筒体10
1の固定化を容易にするように、平面形状に切削されて
いる。
【0010】本発明の装置を用いて筒体1の空間Aに粉
体Lを噴射させるには、加圧ガス管118を介して加圧
ガスを透孔106内に導入する。次に被覆電線110と
111との間にパルス電源により高電圧をパルス的に印
加し、導電体細線109に大量の電流を流す。すると、
導電体細線は、この大量の電流により瞬時に爆発(焼
失)し、その細線の上方近傍に配設されている封止用材
料116は、その際に発生する高温の熱量により瞬時に
焼失して、透孔105は開口する。透孔105が開口す
ると、透孔105内に充填されていた粉体Lは、加圧ガ
ス管119に連絡する加圧ガスの圧力により、その下方
の筒体1の空間A内にパルス的に噴射される。
【0011】本発明による粉体の噴射方法及び装置は、
プラズマが発生するか又はプラズマが発生している空間
に対する粉体の供給方法として適用されるが、特に、本
発明者らが既に開発した電磁加速プラズマによる溶射方
法に対して有利に適用される。次に、この溶射方法につ
いて詳述する。
【0012】先ず、このプラズマ溶射方法で用いられる
プラズマ射出装置(プラズマガン)の説明図を図3に示
す。図3は、プラズマ射出装置(プラズマガン)の説明
断面図を示す。図3(a)は、筒体の長手方向の断面
図、図3(b)は筒体の垂直方向の断面図を示す。図3
において、1は筒体(円筒体)、2は陽極、3は先端開
口、4は電気絶縁体を示す。Pはパルスプラズマ、Rは
磁束を示す。図3は、コンデンサバンク(パルス電源)
により、陰極を形成する筒体1と陽極2との間に電圧を
印加し、パルスプラズマPが、矢印Qの方向に流れる電
流によって形成される磁束(磁場)Rによる電磁力によ
り加速されている状態を示す。筒体1内のプラズマP
は、筒体内に形成される磁場Rによってローレンツ力を
受け、先端開口3の方向に加速的に移動され、その開口
3から高速のプラズマとなって射出される。この場合、
開口3から射出するプラズマの速度は、通常、2km/
秒以上、好ましくは3km/秒以上である。その上限値
は、特に制約されないが、通常、20km/秒程度であ
る。また、筒体内に形成されるプラズマを加速させる電
磁力は1MPa(メガパルス)以上、好ましくは2MP
a以上である。その上限値は、特に制約されないが、通
常、50MPa程度である。
【0013】前記筒体1は、銅やカーボン等の導電体材
料から形成される。その形状は、通常、円筒体である
が、その断面形状が6角形や8角形等の多角形の筒体で
あってもよい。筒体1の内径Dは、1〜10cm、好ま
しくは2〜5cmである。その長さ(絶縁体4の左端面
から開口3の先端面までの長さ)Lは、30〜200c
m、好ましくは40〜80cmである。また、そのL/
D比は、200〜3、好ましくは40〜10である。
【0014】陽極2は、銅や、カーボン等の導電体から
なり、その断面形状は、円形状や、多角形(四角形、6
角形、8角形等)の棒状体等であることができる。その
直径は、通常、1〜5cm、好ましくは1〜2cmであ
る。
【0015】陽極2と陰極1との間に印加する電圧はパ
ルス電圧である。このパルス電圧のピーク電圧は、通
常、3kV以上、好ましくは5kV以上である。その上
限値は、特に制約されないが、通常、30kV程度であ
る。また、そのパルス電圧の印加により生じるパルス電
流は、そのピーク電流で、通常、80キロA(アンペ
ア)以上、好ましくは100キロA以上である。その上
限値は、特に制約されないが、通常、300キロA程度
である。パルス電圧を発生させるための電圧印加時間
は、通常、0.01〜10m秒、好ましくは0.1〜
0.5m秒である。
【0016】プラズマ溶射するには、筒体1内に粉末状
溶射材料(以下、単に材料とも言う)をパルス的に供給
し、その供給直後にパルス電圧を印加し、その電圧の印
加により発生するパルスプラズマとともに、その材料を
高速で開口3から筒外へ射出させる。この場合、その先
端開口3から射出する材料の速度は、その材料の種類や
大きさ等により変るが、通常、50m/秒以上、好まし
くは100m/秒以上である。その上限値は、通常、3
00m/秒程度である。
【0017】筒体内への材料の供給は、パルス的に行わ
れ、その材料の供給開始から供給終了までの時間は、通
常1ミリ〜100ミリ秒、好ましくは2ミリ〜10ミリ
秒である。筒体内への材料供給装置としては、本発明に
よる図1及び図2に示したものが有利に用いられる。材
料の平均粒径は、通常、1〜200μm、好ましくは1
0〜100μm、より好ましくは30〜80μmであ
る。材料の供給量は、内径がD(cm)の筒体の断面積
(πD2/4)(cm2)に対する材料の容積V(c
3)の比[V/(πD2/4)]が、通常、0.1〜
1、好ましくは0.2〜0.6となるような割合であ
る。
【0018】パルス電圧の印加時期は、材料の供給直後
であるが、その具体的時間は、材料の供給終了時からパ
ルス電圧印加開始時までの時間の長さで2〜30m秒、
好ましくは3〜6m秒である。
【0019】筒体内におけるパルスプラズマの発生は、
従来公知の各種の方法により実施することができる。こ
のような方法としては、筒体内に、プラズマ発生に必要
な高温の熱量を与えるような方法であればよく、例え
ば、筒体内に導電体の細線(銅細線、ニクロム線等)を
張設しておき、この細線に大電流を流してその細線を爆
発(焼失)させる方法、筒体内で爆薬を燃焼させる方
法、筒体内にレーザ光を照射する方法、筒体内にプラズ
マを投入する方法等がある。プラズマ発生のためにプラ
ズマ用のガスが用いられるが、このプラズマ用ガスは、
常温において気体状を示すガスであればよい。このよう
なガスとしては、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガ
ス、キセノンガス、水素ガス等の無機ガスが用いられる
他、メタン等の有機ガスを用いることもできる。プラズ
マ用ガスを筒体内への供給する方法は、特に制約され
ず、材料とは別に連続的又は断絶的(パルス的)に供給
する方法や、材料とともに供給する方法等がある。プラ
ズマ用ガスの供給量は、内径がDcmの筒体の断面積
(πD2/4)cm2に対するプラズマ用ガスのモル数M
比[M/(πD2/4)]が、0.01〜10、好まし
くは0.5〜5となるような割合である。
【0020】次に、本発明の粉体噴射装置を付設したプ
ラズマ溶射装置を用いてプラズマ溶射を行う方法につい
て、図面を参照しながらさらに詳細に説明する。図4〜
図8は、プラズマ溶射装置を用いて行われる工程図を示
す。図4は、パルス電源(コンデンサバンク)の充電工
程を示す。図5は、材料の供給(噴射)工程説明図を示
す。図6は、パルスプラズマを発生させる工程説明図を
示す。図7は、材料を含むプラズマを磁気加速する工程
説明図を示す。図8は、材料を含むプラズマを基材表面
へ衝突させる工程説明図を示す。図4〜図8において、
11は材料噴射装置を示す。材料噴射装置としては、前
記した本発明の粉体噴射装置が用いられる。Wは導電体
細線、Pはプラズマ、Sは基板を示す。図3に示したの
と同じ符号は、同じ意味を有する。
【0021】図4に示した状態において、パルス電源
(コンデンサーバンク)15に充電する。充電終了後、
材料噴射装置11に連結する加圧ガス管119(図2参
照)に付設された開閉バルブ(図示されず)を瞬時(パ
ルス的)に開閉して加圧ガスをその装置11内に導入さ
せるとともに、その装置11内の封止用材料116(図
2を参照)を前記のようにして破壊させ、その装置内の
材料Lとともに、加圧ガスを筒壁5に形成された透孔1
0から筒内へパルス的に噴射させる(図5)。この場
合、材料Lを筒内へ噴射させる加圧ガスは、プラズマ用
ガスとしても作用する。
【0022】次に、その材料Lの筒内への噴射終了直後
にパルス電源15のスイッチを入れて、筒内に張設され
ている導電体細線Wを焼失させるとともに、その際に発
生する熱量によってプラズマ用ガスはプラズマ化され高
温のパルスプラズマPが発生する(図6)。材料噴出用
の透孔10の位置は、プラズマ発生用の導電体細線付近
であればよく、導電体細線の前方又は後方、好ましくは
やや後方の位置である。透孔10の位置と導電体細線W
との距離は、通常、100mm以内、好ましくは50m
m以内である。このようにして発生された高温プラズマ
Pは、筒体内に形成された電磁力により、筒体の先端開
口3の方向へ加速的に移動するが、その際、筒体内に存
在する材料Lを捕集する。この捕集された材料は、その
高温プラズマにより溶融されて液状微粒子に変換される
(図7)。材料Lの液状微粒子を含むパルスプラズマP
は、筒体1の先端開口3から高速度で噴出され、基板S
に衝突し、その基板表面には、その材料Lの被膜が形成
される(図8)。
【0023】このようにして基板S上に形成された材料
Lの被膜は、先端開口3から射出される材料を含むパル
スの速度が非常に高い速度であることから、空隙を含ま
ず、非常に緻密性及び密着性の良いものである。しか
も、その被膜には、高温プラズマPが電気絶縁材料4と
接触することがないので、その電気絶縁材料4に起因す
る不純物の混入を生じない。1回の溶射操作により、5
〜30μmの厚さの材料被膜を形成させることができ
る。
【0024】前記のプラズマ溶射方法により、基材上に
対して、導電性や非導電性の材料Lの被膜を形成するこ
とができる。特に、炭化ホウ素(B4C)や、窒化ホウ
素(BN)、炭化タングステン(WC)、モリブデン、
タングステン等の高融点材料の緻密でかつ密着性の良い
被膜を基板上に有利に形成させることができる。なお、
基板Sとしては、セラミック基板(シリコン、ガラス、
アルミナ)や、金属基板(SUSや、タングステン、モ
リブデン等)の他、プラスチック基板等が用いられる。
【0025】導電体細線Wとしては、銅線や、ニクロム
線、タングステン等を用いることができる。この場合、
その導電体細線は1本又は複数本(2〜10本)である
ことができ、その直径は50〜200μm、好ましくは
80〜120μm程度である。
【0026】図1及び図2に示した装置を用いて材料L
(粉体)を筒体内にパルス的に供給する場合、その装置
内の圧力は、その装置内圧力Aと筒体1内の圧力Bとの
比A/Bが5以上、好ましくは20以上であればよい。
通常は、6〜10の範囲になるような圧力であればよ
い。筒体内の圧力は、減圧であってもよい。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0028】実施例1 図4に示す装置を用いて、基板に対する材料の被膜を形
成した。この場合の主要操作条件を以下に示す。なお、
材料Lとしては、平均粒径が約60μmの微粉末状炭化
ホウ素B4Cを用いた。また、その材料の供給装置11
としては、図1及び図2に示した構造のものを用いた。
【0029】(1)筒体1 (i)材質:銅 (ii)内径D:4cm (iii)長さL:40cm (iv)L/D:10 (2)陽極2 (i)材質:銅 (ii)直径:1.5cm (iii)長さ:50cm
【0030】(3)材料供給装置11(図1、2) (i)封止用材料116:厚さ40μmのポリ塩化ビニ
リデンフィルム (ii)加圧ガスの圧力:8気圧、筒体1内の圧力:0気
圧 (iii)加圧用ガス(プラズマ用ガス):アルゴンガス (iv)銅細線109の太さ:直径100μm (v)銅細線焼失用パルス電源の電圧:1.0kV (vi)電圧の印加時間:200マイクロ秒 (vii)材料Lの供給量:1.0g
【0031】(4)パルス電源15 (i)印加電圧(ピーク電圧):5.9kV (ii)電圧印加時間:300マイクロ秒 (iii)電圧印加開始時期:材料Lの筒内への供給終了
後:4ミリ秒 (5)導電体細線W (i)材質:銅線 (ii)太さ:直径100μm (6)筒体1内の状態 (i)温度(プラズマのピーク温度):約1万℃ (ii)筒体1と陽極2との間のパルス電流(ピーク電
流):100キロA (iii)電磁力:約10MPa
【0032】(7)筒体1の先端開口3 (i)開口からのパルスプラズマの流出速度:2.5m
/秒 (ii)開口からの材料Lの射出速度:2.5km/秒 (8)基板S (i)材質:SUS304(ステンレス) (ii)基板表面上の材料被膜の厚さ:10μm (iii)該被膜の均一性及び緻密性:良好
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、プラズマが発生する以
前の空間又はプラズマが発生している空間に対して、そ
の溶射材料としての粉末を所定時期に正確にパルス的に
かつ効率的に噴射させることができる。また、その1回
の噴射量も大量にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉体噴射装置の分解説明図を示す。
【図2】本発明の装置をプラズマ溶射装置に適用した場
合の状態図を示す。
【図3】プラズマ溶射方法で用いられる溶射装置(プラ
ズマガン)の説明図を示す。
【図4】プラズマ溶射装置におけるパルス電源の充電工
程説明図を示す。
【図5】溶射装置内への溶射用材料を供給する工程説明
図を示す。
【図6】溶射装置内でパルスプラズマを発生させる工程
説明図を示す。
【図7】溶射装置内で溶射用材料を含むパルスプラズマ
を電磁加速する工程説明図を示す。
【図8】溶射用材料を含むパルスプラズマを基板に衝突
させる工程説明図を示す。
【符号の説明】
101 第1筒体 102 第2筒体 103 蓋体 109 導電体細線 116 封止用材料 119 加圧ガス管 122 固定用金具 L 材料(粉体) 1 筒体(陰極) 2 陽極 3 開口 4 電気絶縁体 5 筒壁 15 パルス電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 修三 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 北村 順也 大阪府枚方市津田山手2−8−1 株式会 社イオン工学研究所 Fターム(参考) 4F033 QA01 QB05 QB19 QD07 QG06 QG07 QG14 QG27 4K031 AB02 CB22 CB33 CB34 CB44 CB45 DA04 EA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマを発生させるか又はプラズマが
    発生している空間に粉体を噴射する方法であって、底面
    に透孔を有し、該透孔を機械的又は熱的エネルギーの印
    加により破壊可能の材料で封止した密封性容器内に該粉
    体を充填した後、該容器底面の透孔を封止している該破
    壊性材料を破壊するとともに、該粉体を加圧ガスにより
    該透孔を介して該空間に噴射させることを特徴とする粉
    体の噴射方法。
  2. 【請求項2】 プラズマを発生させるか又はプラズマが
    発生している空間に粉体を噴射する装置であって、底面
    に透孔を有し、該透孔を機械的又は熱的エネルギーの印
    加により破壊可能の材料で封止した粉体充填用の密封性
    容器と、該容器底面の透孔を封止している該破壊性材料
    に該材料の破壊に必要な機械的又は熱的エネルギーを印
    加する手段と、該容器内の粉体を該透孔を介して噴射さ
    せる加圧ガス配管を備えていることを特徴とする粉体噴
    射装置。
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