JP2002049002A - レーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工装置

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JP2002049002A
JP2002049002A JP2000235884A JP2000235884A JP2002049002A JP 2002049002 A JP2002049002 A JP 2002049002A JP 2000235884 A JP2000235884 A JP 2000235884A JP 2000235884 A JP2000235884 A JP 2000235884A JP 2002049002 A JP2002049002 A JP 2002049002A
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laser
light
pattern
compensating
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JP2000235884A
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Satoshi Matsumoto
松本  聡
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターゲットに照射されるレーザ光の高出力化
を容易に実現することが可能であると共に、高い加工精
度を有するレーザ加工装置を提供する。 【解決手段】 本発明のレーザ加工装置10は、入射す
る光の波面を補償するための波面補償手段20と、波面
補償手段20により波面補償された光をターゲットTに
照射させるための光学系80と、アレイ状に配列された
複数のレーザ光源51を有し、該複数のレーザ光源51
から出射される複数のレーザ光を互いに重なり合わない
ように波面補償手段20に入射させるための投光手段5
0と、波面補償手段20に入射する複数のレーザ光の波
面をそれぞれ独立に補償して所望の加工パターンを生成
するように該波面補償手段20を制御するための制御手
段40と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光をターゲ
ットに照射して所望のパターンに加工するためのレーザ
加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のレーザ加工装置として、例えば
特開平6−208088号公報に開示された光刻印装置
がある。この光刻印装置は、レーザ光源、空間光変調器
および空間光変調器を制御するための制御手段を備えて
いる。そしてこの光刻印装置では、制御手段により空間
光変調器に位相変調パターンを表示し、レーザ光源から
該空間光変調器にレーザ光を投射してレーザ光を位相変
調し、変調光をフーリエレンズでフーリエ変換して試料
の表面に所定の光学画像を結像再生して所望のパターン
を刻印している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のレーザ加工装置は単一のレーザ光源を用いてい
るため、ターゲットに照射されるレーザ光の出力には限
界があった。
【0004】一方、レーザ加工装置にはターゲットの所
望部位以外が加工されないように高い加工精度が要求さ
れる。
【0005】そこで本発明は、ターゲットに照射される
レーザ光の高出力化を容易に実現することが可能である
と共に、高い加工精度を有するレーザ加工装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため鋭意研究した結果、ターゲットに照射される
レーザ光の高出力化を容易に実現するためには、複数の
レーザ光源を用いることが有効であるとの結論に達し
た。そして、複数のレーザ光源を用いる場合に加工精度
を低下させないためには、複数のレーザ光源から出射さ
れる複数のレーザ光を互いに重なり合わないように波面
補償手段に入射させ、それぞれ独立に波面補償を施す必
要があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明のレーザ加工装置は、入
射する光の波面を補償するための波面補償手段と、波面
補償手段により波面補償された光をターゲットに照射さ
せるための光学系と、アレイ状に配列された複数のレー
ザ光源を有し、該複数のレーザ光源から出射される複数
のレーザ光を互いに重なり合わないように波面補償手段
に入射させるための投光手段と、波面補償手段に入射す
る複数のレーザ光の波面をそれぞれ独立に補償して所望
の加工パターンを生成するように該波面補償手段を制御
するための制御手段と、を備える。
【0008】このレーザ加工装置では、アレイ状に配列
された複数のレーザ光源から出射される複数のレーザ光
は、互いに重なり合わないように波面補償手段に入射さ
れる。そして、制御手段によって所望の加工パターンを
生成するように制御された波面補償手段により、複数の
レーザ光の波面がそれぞれ独立に補償される。そして、
波面補償手段により波面補償された複数のレーザ光が、
光学系を介してターゲットに照射される。このレーザ加
工装置は、投光手段としてアレイ状に配列された複数の
レーザ光源を有しているため、高出力化を容易に実現す
ることが可能である。しかも、複数のレーザ光を互いに
重なり合わないように波面補償手段に入射させて独立に
補償することができるため、波面補償の精度が高く、結
果として加工精度が高くなる。
【0009】また本発明のレーザ加工装置は、投光手段
の複数のレーザ光源から出射される複数のレーザ光の波
面を計測するための波面計測手段を更に備え、波面計測
手段により計測された複数のレーザ光の波面に基づい
て、制御手段を介して波面補償手段を制御することを特
徴としてもよい。
【0010】このレーザ加工装置では、波面計測手段に
より投光手段の複数のレーザ光源から出射される複数の
レーザ光の波面の状態が計測される。そして、波面計測
手段により計測された複数のレーザ光の波面の状態に基
づいて、制御手段を介して波面補償手段が制御される。
その結果、複数のレーザ光の波面を精度良く補償するこ
とが可能となる。
【0011】また本発明のレーザ加工装置では、投光手
段から出射されて波面計測手段に至るレーザ光の光路長
が、投光手段から出射されて波面補償手段に至るまでの
レーザ光の光路長と等しくなるように、投光手段に対し
て波面計測手段と波面補償手段とが配置されていること
を特徴としてもよい。
【0012】このレーザ加工装置では、投光手段から出
射されて波面補償手段に至るまでのレーザ光の光路長と
同じ距離だけ離れた位置で波面計測手段によってレーザ
光の波面の状態を計測することが可能となるため、当該
波面の状態に基づいてレーザ光の波面をより精度良く補
償することが可能となる。
【0013】また本発明のレーザ加工装置では、波面補
償手段は空間光変調器を含み、制御手段は空間光変調器
に所望の位相変調パターンを書き込むためのパターン書
き込み装置を含むことを特徴としてもよい。
【0014】このレーザ加工装置では、パターン書き込
み装置によって空間光変調器に位相変調パターンが書き
込まれる。そして、この位相変調パターンによって複数
のレーザ光源から出射される複数のレーザ光の波面がそ
れぞれ独立に補償される。
【0015】また本発明のレーザ加工装置では、パター
ン書き込み装置は、空間光変調器に書き込まれる複数の
位相変調パターンのデータを記憶するための記憶手段を
備えることを特徴としてもよい。
【0016】このレーザ加工装置では、パターン書き込
み装置は、記憶手段に記憶されている位相変調パターン
のデータを読み出すだけで、空間光変調器に所望の位相
変調パターンを書き込むことが可能となる。すなわち、
所望の光学画像から位相変調パターンを作成する手間が
省けるため、空間光変調器に位相変調パターンをビデオ
レートで書き換えることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の実施形態について説明する。なお、同一の要素に
は同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】図1は、本発明のレーザ加工装置10の一
実施形態の構成を模式的に示す平面図である。
【0019】図示のとおり、レーザ加工装置10は空間
光変調器(SLM;波面補償手段)20と、パターン書
き込み装置(制御手段)40と、投光手段50と、ハル
トマンセンサ(波面計測手段)70と、フーリエ変換レ
ンズ(光学系)80とを備えている。
【0020】SLM20は、平行配向ネマチック液晶を
光変調材料として用いた位相変調型の空間光変調器であ
る。空間光変調器としては、反射型、透過型のいずれを
も使用することができるが、本実施形態では特に反射型
の空間光変調器について説明する。図2に示すように、
SLM20は書き込み光の入射面に書き込み光の不要な
反射を防止するARコート21を施したガラス基板22
を備えている。そして、このガラス基板22の入射面と
反対側の面には、ITO23を介して入射光の強度に応
じて抵抗が変化するアモルファスシリコン(a−Si)
からなる光導電層24と、誘電体多層膜製のミラー層2
5とが積層されている。
【0021】またSLM20は、読み出し光の入射面に
同じくARコート26を施したガラス基板27を備えて
いる。そして、このガラス基板27の入射面と反対側の
面にはITO28が積層されており、前記したミラー層
25とITO28の上に配向層29,30がそれぞれ設
けられている。そして、これらの配向層29,30同士
を対向させて枠状のスペーサ31を介して接続し、スペ
ーサ31の枠内にネマチック液晶を充填して液晶層を設
けて光変調層32を形成している。この配向層29,3
0により、光変調層32内のネマチック液晶は配向層2
9,30の表面に対して平行あるいは垂直に配向されて
いる。そして両ITO23,28間には、所定の電圧を
印加するための駆動装置33が接続されている。
【0022】図1に示すように、上記した構成を有する
SLM20の書き込み光が入射する側に、パターン書き
込み装置40が配置されている。
【0023】パターン書き込み装置40は、書き込み光
を出射するための光源41と、書き込み光の画像を表示
するための透過型液晶テレビ42と、透過型液晶テレビ
42への画像表示を制御するための書き込み用電気信号
発生器43と、書き込み光に含まれる画像信号をSLM
20の光導電層24に結像させるための結像レンズ44
とを備えている。
【0024】この書き込み用電気信号発生器43は、フ
ーリエ変換した場合に試料(ターゲット)Tに対して実
際に照射したい光学画像が再生されるようなホログラム
パターン(位相変調パターン)を求めて液晶テレビ42
に表示する。
【0025】一方、SLM20の読み出し光の入射する
側には、この入射面の法面内で法線と角度θだけ傾けら
れた光軸上に投光手段50が配置されている。なお、法
面とは直線偏光の光がミラーに入射して反射される際に
入射光軸、反射光軸、ミラーの法線のいずれをも含む面
を指す。
【0026】投光手段50は、読み出し光を出射するた
めの複数のレーザダイオード(LD)からなるレーザダ
イオードアレイ(LDアレイ)51と、LDアレイ51
から出射された読み出し光を平行光に調整するためのシ
リンドリカルレンズアレイ(CLアレイ)53とを備え
ている。このLDアレイ51は、2次元あるいは1次元
のアレイ状に配列されたLDにより構成されており、光
源のコンパクト化が図られている。なお、LDアレイ5
1を構成するLDの数は高出力化の観点からは多い方が
好ましく、波面補償の複雑化の観点からは少ない方が好
ましい。
【0027】また、読み出し光の入射光路上には、ビー
ムスプリッタ60が配置されている。そして、ビームス
プリッタ60により分割された読み出し光の光路上に
は、LDアレイ51から出射される複数のレーザ光の波
面を計測するためのハルトマンセンサ(波面計測手段)
70が設けられている。ハルトマンセンサ70は、マイ
クロレンズアレイ(MLアレイ)71と電荷結合素子
(CCD)73とを備えている。このハルトマンセンサ
70は、パターン書き込み装置40の書き込み用電気信
号発生器43と電気的に接続されており、ハルトマンセ
ンサ70により計測された複数のレーザ光の波面の状態
に基づいて、書き込み用電気信号発生器43を介してS
LM20に書き込まれるホログラムパターンが制御され
る。
【0028】なお、投光手段50から出射されてハルト
マンセンサ70に至るレーザ光の光路長が、より詳細に
はLDアレイ51から出射されてMLアレイ71に至る
レーザ光の光路長L1が、投光手段50から出射されて
SLM20に至るまでのレーザ光の光路長と等しくなる
ように、より詳細にはLDアレイ51から出射されてS
LM20に至るまでのレーザ光の光路長L2と等しくな
るように、投光手段50に対してハルトマンセンサ70
とSLM20とが配置されている。ここで、「L1とL
2とが等しくなるように」とは実質的にL1とL2とが
等しければ足りる。これにより、MLアレイ51から出
射されてSLM20に至るまでのレーザ光の光路長L2
と同じ距離だけ離れた位置でハルトマンセンサ70によ
ってレーザ光の波面の状態を計測することが可能となる
ため、当該波面の状態に基づいてレーザ光の波面をより
精度良く補償することが可能となる。なお、上述したと
おりL1とL2とは実質的に等しければ足りるが、L2
≧L1であっても実質的に問題はない。これは、L2<
L1の場合はレーザ光のビーム径が広がり、ハルトマン
センサ70において隣接するレーザ光の半値幅に相当す
る部分(「レーザ光の半値幅に相当する部分」ついては
後述する)同士が重なり合ってしまうため、レーザ光の
波面の状態を精度良く計測することができなくなるから
である。これに対し、L2>L1の場合はハルトマンセ
ンサ70において受光されるレーザ光のビーム径が小さ
くなるが、このビーム径をSLM20におけるビーム径
まで拡大すれば、実質的に精度良くレーザ光の波面の状
態を計測することができるからである。
【0029】また、読み出し光の反射光路上には、SL
M20に書き込まれたホログラムパターンにより波面補
償された読み出し光をフーリエ変換するためのフーリエ
変換レンズ80が配置されている。
【0030】次に、上記したレーザ加工装置10の動作
について説明する。
【0031】まず、LDアレイ51を駆動して複数のレ
ーザ光を出射する。出射された複数のレーザ光からなる
読み出し光はCLアレイ53により平行光に調整され、
ビームスプリッタ60により一部が分割された後、その
一部は互いに重なり合わないようにハルトマンセンサ7
0に入射される。ここで「互いに重なり合わないよう
に」とは、「レーザ光のビーム径をレーザ光のピーク出
力に対して出力が1/2になるところの幅(半値幅)と
定義した場合に、当該半値幅に相当する部分が互いに重
なり合わないように」という意味である(これについて
は後述する)。ハルトマンセンサ70に入射した読み出
し光は、MLアレイ71によって結像されてCCD73
において受光される。このとき、読み出し光を構成する
複数のレーザ光の波面が歪んでいる場合は、各レーザ光
はMLアレイ71の個々のレンズに入射する波面の傾き
に応じて光軸からズレた場所に結像する。逆に言えば、
MLアレイ71の作るたくさんの像がそれぞれどれだけ
光軸からズレているか調べることで、個々のレーザ光の
レンズ上における波面の傾きを計測することができる。
このようにして分かった小さく傾いた波面を連続的につ
なぎ合わせれば、歪んだ波面の形がどのようなものかを
知ることができる。
【0032】ハルトマンセンサ70により計測された複
数のレーザ光の波面の状態は、書き込み用電気信号発生
器43に送られる。そして、複数のレーザ光の波面の状
態と試料Tに対して実際に照射したい光学画像とに基づ
いて、書き込み用電気信号発生器43によってSLM2
0に書き込むべきホログラムパターン(位相変調パター
ン)が作成され、液晶テレビ42に表示される。なお、
SLM20に書き込むべきホログラムパターンは、入射
される複数のレーザ光からなる読み出し光をそれぞれ独
立に補償するために、レーザ光の数と同数のホログラム
パターンの集合体からなる。例えば、図3に示すように
LDアレイ51がa〜iの9個のLDからなる場合は、
SLM20に書き込まれるホログラムパターンは、SL
M20の1〜9で示される領域に書き込まれる9個の小
さなホログラムパターンの集合体からなる。
【0033】このように、複数のレーザ光の波面の状態
を加味すると共に、複数のレーザ光を独立して補償する
ようにホログラムパターンを作成しているため、複数の
レーザ光を精度良く波面補償することが可能となる。こ
こで「波面補償」とは、図4に示すように、一般には波
面の形状を平面波にすることを言うが、本明細書では図
5に示すように、これ以外に波面の向きを変えるなど広
く波面を制御することを意味する。
【0034】次に、図1に示すように、書き込み光側の
光源41から液晶テレビ42に向けて書き込み光を出射
する。すると、書き込み光には液晶テレビ42を通過す
る際にホログラムパターンの画像情報が書き込まれる。
この画像情報を有する書き込み光は、結像レンズ44に
よりSLM20の光導電層24に結像される。SLM2
0の両ITO23,28間には、駆動装置33により数
ボルトの交流電圧が印加されているが、光導電層24に
書き込まれた画像によって、光導電層24は画素位置に
よって電気的インピーダンスが変化する。その結果、光
変調層32は画素位置によって印加される電圧の分圧が
異なってくる。
【0035】一方、LDアレイ51から出射された読み
出し光のうちビームスプリッタ60を透過した光は、互
いに重なり合わないようにSLM20の光変調層32へ
と入射される。ここで「互いに重なり合わないように」
とは、「レーザ光のビーム径をレーザ光のピーク出力に
対して出力が1/2になるところの幅(半値幅)と定義
した場合に、当該半値幅に相当する部分が互いに重なり
合わないように」という意味である。これは、レーザ光
のビームを互いに完全に分離することができれば問題は
ないが、実際にレーザ光のビームは広がりを持つ。従っ
て、レーザ光のビームがガウス分布していると仮定した
場合、レーザ光のビーム径を半値幅で定義すると全体の
約75%のパワーがその中に含まれることとなり、実用
上高効率でレーザ光を利用できる範囲を75%以上とす
ると、半値幅に相当する部分が重なり合わないようにす
れば、レーザ光の75%はロス無く使用することができ
るからである。前述したとおり、光変調層32は画素位
置によって印加される電圧の分圧が異なるので、この電
圧に応じて液晶分子の傾きが変化する。このとき、液晶
分子は法面内でその配向方向が変化する。その結果、画
素位置によって光変調層32の屈折率が変化する。光変
調層32に入射された複数のレーザ光からなる読み出し
光は、この屈折率変化によりそれぞれ独立して波面補償
され、ミラー層25により反射されて入射面から再び出
力される。
【0036】そして、この波面補償された読み出し光が
フーリエレンズ80によってフーリエ変換され、所望の
光学画像が結像再生されて試料Tの所定部位に照射され
る。
【0037】このように、本実施形態にかかるレーザ加
工装置10は、投光手段50としてLDアレイ51を有
しているため、高出力化を容易に実現することが可能で
ある。また、複数のレーザ光を互いに重なり合わないよ
うにSLM20に入射させて独立に波面補償することが
できるため、波面補償の精度が高く、結果として加工精
度が高くなる。
【0038】そして、上記したように本実施形態にかか
るレーザ加工装置10は高出力化を容易に実現すること
が可能であるため、加工パターンの自由度が高くなる。
すなわち、試料Tにおけるレーザ光強度の空間的な分布
を任意に作成した場合であっても、LDアレイ51を構
成するLDの数を増やせば、試料Tの各点においてレー
ザ光の強度を十分に確保することができる。さらに、高
出力のレーザ光を用いることにより試料Tの加工時間を
短縮して作業の効率化を図ることも可能となる。
【0039】また、本実施形態にかかるレーザ加工装置
10はハルトマンセンサ70を備えているため、LDア
レイ51から出射される複数のレーザ光の波面の状態を
加味してホログラムパターンを作成することができ、複
数のレーザ光をそれぞれ独立して精度良く波面補償する
ことが可能となる。その結果、加工精度がより一層高く
なる。
【0040】次に、本実施形態にかかるレーザ加工装置
10により、試料Tに施すことが可能な加工パターンの
実施例について説明する。
【0041】LDアレイ51としては、図6(a)に示
すように、3×3に配列された二次元LDアレイを考え
る。なお説明の便宜上、このLDアレイ51には図6
(b)に示すようにa〜iの記号を付す。
【0042】まず、加工パターンとしてツインビームを
形成する場合について説明する。図7に示すように、L
Dアレイ51の各レーザダイオードa〜iから出射され
るレーザ光を互いに重なり合わないようにSLM20の
領域1〜9にそれぞれ入射させる。SLM20の領域1
において、レーザダイオードaからのレーザ光をホログ
ラムパターンで波面補償して集光点Aに集光させる。こ
れと同様に領域2〜5ではレーザダイオードb〜eから
のレーザ光を波面補償し、集光点Aに集光させる。ま
た、領域6〜9ではレーザダイオードf〜iからのレー
ザ光を波面補償し、集光点Bに集光させる。これによ
り、ツインビームを形成することができる。なお、集光
点A、Bの間隔はホログラムパターンを調整することに
よって制御可能である。
【0043】次に、加工パターンとして強度グラデーシ
ョンを形成する場合について説明する。図8に示すよう
に、LDアレイ51の各レーザダイオードa〜iから出
射されるレーザ光を互いに重なり合わないようにSLM
20の領域1〜9にそれぞれ入射させる。SLM20の
領域1において、レーザダイオードaからのレーザ光を
ホログラムパターンで波面補償して集光点Aに集光させ
る。これと同様に領域2〜4ではレーザダイオードb〜
dからのレーザ光を波面補償し、集光点Aに集光させ
る。また、領域5〜7ではレーザダイオードe〜gから
のレーザ光を波面補償し、集光点Bに集光させる。さら
に、領域8〜9ではレーザダイオードh〜iからのレー
ザ光を波面補償し、集光点Cに集光させる。各レーザダ
イオードa〜iからのレーザ光の強度が等しければ、集
光点A、B、Cにおける光の強度比は4:3:2とな
り、強度グラデーションを付けることができる。なお、
各レーザダイオードからのレーザ光の集め方により、上
記したグラデーションパターンのみならず自由に2次元
的な強度パターンを形成することができる。
【0044】次に、加工パターンとして文字を形成する
場合について説明する。図9に示すように、LDアレイ
51の各レーザダイオードa〜iから出射されるレーザ
光を互いに重なり合わないようにSLM20の領域1〜
9にそれぞれ入射させる。そして、SLM20の各領域
において各レーザダイオードからのレーザ光をそれぞれ
独立にホログラムパターンにより波面補償することで、
文字を形成することができる。
【0045】なお、図7〜図9に示す上記した3つの加
工パターンでは、SLM20の各領域1〜9において波
面補償したレーザ光を、試料Tの1点でのみ結像してい
る。例えば、図7のツインビームを形成する場合は、S
LM20の領域1で波面補償したレーザ光を試料TのA
点でのみ結像してB点では結像していない。また、図9
の文字Tを形成する場合は、SLM20の各領域1〜9
で波面補償したレーザ光を試料Tの9個の加工点のそれ
ぞれに1:1で結像している。しかし、結像の方法は上
記したものに限られず、例えば文字Tを形成する場合に
SLM20の各領域1〜9においてそれぞれ文字Tの像
を作り、それらを試料Tの加工点で重ね合わせるように
してもよい。これは、ツインビームを形成する場合や強
度グラデーションを形成する場合も同様である。
【0046】次に、加工パターンとして試料Tの所定領
域において2次元的な強度が均一化されたビームホモジ
ナイザを形成する場合について説明する。図10に示す
ように、LDアレイ51の各レーザダイオードa〜iか
ら出射されるレーザ光を互いに重なり合わないようにS
LM20の領域1〜9にそれぞれ入射させる。そして、
SLM20の各領域において各レーザダイオードからの
レーザ光をそれぞれ独立にホログラムパターンにより波
面補償し、試料Tの領域Aにおける強度が均一になるよ
うに光を照射させる。このようにして、レーザダイオー
ドが並列していることによって生じる2次元的な強度パ
ターンを領域Aにおいて均一化することができる。
【0047】SLM20では、上記したような加工パタ
ーンをパターン書き込み装置40を介して短時間に変更
することが可能であり、加工パターンの変更の要請に機
敏に対応することができる。
【0048】なお、本発明は上記した実施形態に限定さ
れることなく種々の変形が可能である。
【0049】例えば、本実施形態ではSLM20にホロ
グラムパターンを書き込むためのパターン書き込み装置
として光アドレス方式を採用したが、書き込み用電気信
号発信器43からSLMに電気信号を直接送って位相変
調パターンを書き込む電気アドレス方式を採用してもよ
い。特に、SLMとして透過型のものを使用する場合
は、光アドレス方式は一般的でないため電気アドレス方
式を用いると好ましい。
【0050】また、本実施形態では波面補償手段として
SLMを用いたが、これに限定されることなく波面補償
手段として形状可変ミラーを用いてもよい。
【0051】また、本実施形態のレーザ加工装置10で
は、パターン書き込み装置40は、SLM20に書き込
まれる複数のホログラムパターンのデータを記憶するた
めの記憶手段を備えてもよい。この場合、記憶手段を書
き込み用電気信号発生器43に内蔵してもよい。このよ
うにすれば、書き込み用電気信号発生器43によって作
成されたホログラムパターンを記憶手段に記憶しておく
ことで、パターン書き込み装置40は、次回から記憶手
段に記憶されているホログラムパターンのデータを読み
出すだけで、液晶テレビ42にホログラムパターンを表
示することが可能となる。すなわち、所望の光学画像か
ら随時ホログラムパターンを作成するという手間が省け
るため、SLM20にホログラムパターンをビデオレー
トで書き換えることが可能となる。
【0052】また、本実施形態では位相変調パターンと
してフーリエ変換ホログラムパターンを用い、試料Tに
光を照射させるためのレンズとしてフーリエ変換レンズ
80を用いたが、位相変調パターンとしてフレネルホロ
グラムパターンを用いる場合は、試料Tに光を照射させ
るためのレンズとしては通常の結像レンズを用いること
ができる。
【0053】また、本実施形態では波面計測装置として
ハルトマンセンサ70を用いたが、これに限定されるこ
となくシェアリング干渉方式やマルチディザー方式を採
用した波面計測装置を用いてもよい。
【0054】
【発明の効果】本発明のレーザ加工装置は、投光手段と
してアレイ状に配列された複数のレーザ光源を有してい
るため、高出力化を容易に実現することが可能である。
しかも、複数のレーザ光を互いに重なり合わないように
波面補償手段に入射させて独立に補償することができる
ため、波面補償の精度が高く、結果として加工精度が高
くなる。
【0055】また、上記したように本発明のレーザ加工
装置は高出力化を容易に実現することが可能であるた
め、加工パターンの自由度が高くなると共に、高出力の
レーザ光を用いることにより加工時間を短縮して作業の
効率化を図ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ加工装置の一実施形態の構成を
模式的に示す平面図である。
【図2】空間光変調器の構成を示す断面図である。
【図3】LDアレイに対応するようにホログラムパター
ンが作成される様子を示す説明図である。
【図4】歪んだ波面を平面波に補償する様子を示す説明
図である。
【図5】歪んだ波面を波面に傾きを持たせた状態で平面
波に補償する様子を示す説明図である。
【図6】図6(a)は、レーザダイオードアレイの構成
を模式的に示す図である。図6(b)は、図6(a)の
レーザダイオードアレイの個々のレーザダイオードにa
〜iの記号を付した状態を示す図である。
【図7】加工パターンとしてツインビームを形成する場
合の説明図である。
【図8】加工パターンとして強度グラデーションを形成
する場合の説明図である。
【図9】加工パターンとして文字を形成する場合の説明
図である。
【図10】加工パターンとしてビームホモジナイザを形
成する場合の説明図である。
【符号の説明】
10…レーザ加工装置、20…空間光変調器、40…パ
ターン書き込み装置、50…投光手段、51…レーザダ
イオードアレイ、53…シリンドリカルレンズアレイ、
70…ハルトマンセンサ、80…フーリエ変換レンズ、
T…試料。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 5/40 G02B 27/00 E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射する光の波面を補償するための波面
    補償手段と、 前記波面補償手段により波面補償された光をターゲット
    に照射させるための光学系と、 アレイ状に配列された複数のレーザ光源を有し、該複数
    のレーザ光源から出射される複数のレーザ光を互いに重
    なり合わないように前記波面補償手段に入射させるため
    の投光手段と、 前記波面補償手段に入射する前記複数のレーザ光の波面
    をそれぞれ独立に補償して所望の加工パターンを生成す
    るように該波面補償手段を制御するための制御手段と、
    を備えるレーザ加工装置。
  2. 【請求項2】 前記投光手段の前記複数のレーザ光源か
    ら出射される前記複数のレーザ光の波面を計測するため
    の波面計測手段を更に備え、 前記波面計測手段により計測された前記複数のレーザ光
    の波面に基づいて、前記制御手段を介して前記波面補償
    手段を制御する請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】 前記投光手段から出射されて前記波面計
    測手段に至るレーザ光の光路長が、前記投光手段から出
    射されて前記波面補償手段に至るまでのレーザ光の光路
    長と等しくなるように、該投光手段に対して該波面計測
    手段と該波面補償手段とが配置されている請求項2に記
    載のレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】 前記波面補償手段は空間光変調器を含
    み、 前記制御手段は前記空間光変調器に所望の位相変調パタ
    ーンを書き込むためのパターン書き込み装置を含む請求
    項1〜3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 前記パターン書き込み装置は、前記空間
    光変調器に書き込まれる複数の位相変調パターンのデー
    タを記憶するための記憶手段を備える請求項4に記載の
    レーザ加工装置。
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