JP2002048706A - 物性評価装置及び物性評価方法 - Google Patents

物性評価装置及び物性評価方法

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JP2002048706A
JP2002048706A JP2000231896A JP2000231896A JP2002048706A JP 2002048706 A JP2002048706 A JP 2002048706A JP 2000231896 A JP2000231896 A JP 2000231896A JP 2000231896 A JP2000231896 A JP 2000231896A JP 2002048706 A JP2002048706 A JP 2002048706A
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powder
container
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JP2000231896A
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Munetake Sato
宗武 佐藤
Akinobu Hashimoto
顕宣 橋本
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Akebono Research and Development Centre Ltd
Original Assignee
Akebono Research and Development Centre Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉体の付着性や繊維材料の表面性状などを具
体的に数値化して解析できる物性評価装置を提供する。
また、粉体の付着性や繊維材料の表面性状などを定量的
に解析して評価できる物性評価方法を提供する。 【解決手段】 粉体内に埋設された埋設部材をその粉体
内から引き抜く引抜装置と、この引抜装置による埋設部
材の引き抜き時に粉体と埋設部材との間に作用する抗力
を測定する抗力測定装置と、を備え、その測定値に基づ
き粉体及び埋設部材の物性の評価を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、物性評価装置及び
その評価方法に関して、主に粉体の付着性や繊維の表面
性状などを評価する際に好適に使用される物性評価装置
及びその評価方法に関する。
【0001】
【従来の技術】従来、粉体の物性を評価するにあたって
は、例えば、粉体の安息角を測定してその付着性(流動
性)を評価する方法が一般的である。より具体的には、
図8に示すように試験体となる粉体Pを直径8cmの円
板101上に漏斗102を用いて円錐状に堆積させた
後、この堆積層P1の表面が水平面との間になす角度
(安息角)φγを直接分度器など用いて測定し、この測
定された値に基づいて粉体の付着性を評価していた。ま
た、繊維材料の物性を評価するにあたっては、人間が直
接手で触れてみて、その肌触りなどの表面性状を評価し
ていた。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
評価方法では何れの評価方法においても、人為的作業に
頼るところが大きく、その物性を評価する試験者の違い
によってその評価にもばらつきがあった。特に、粉体の
付着性を評価するにあたっては、その安息角を測定して
得られる測定値が試験者により大きく異なってくる。ま
た、繊維材料の表面性状を評価するにあたっては、その
表面性状を定量的に数値化する方法が未だ確立されてお
らず、人間の勘に頼らざる得なかった。
【0003】よって本発明は、粉体の付着性や繊維材料
の表面性状などを具体的に数値化して解析できる物性評
価装置を提供することを課題とする。また、粉体の付着
性や繊維材料の表面性状などを定量的に解析して評価で
きる物性評価方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記した技
術的課題を解決するために以下のように構成した。すな
わち、粉体内に埋設された埋設部材をその粉体内から引
き抜く引抜装置と、この引抜装置による埋設部材の引き
抜き時に前記粉体と埋設部材との間に作用する抗力を測
定する抗力測定装置と、を備えることを特徴とする。な
お、埋設部材としては、繊維材料が好ましい。
【0005】また、引抜装置は、基台に固定され前記粉
体及び埋設部材を収容する容器と、基台に対してスライ
ド自在に設けられた移動台と、この移動台上に固定され
ると共に前記容器内に収容された埋設部材を保持するロ
ードセルと、を有し、ロードセルは、抗力測定装置とし
ての機能を備える構成としてもよい。
【0006】一方、容器の側壁には、この容器内に収容
された埋設部材を引き出す為の引出孔が互いに対向して
一組設けられ、この容器に収容される埋設部材は、前記
引出孔を通り容器及びその容器内に収容された粉体を一
直線に貫通して配置されている構成としてもよい。
【0007】また、上記した技術的課題を解決するにあ
たっては、以下の物性評価方法を採用してもよい。すな
わち、粉体内に埋設された埋設部材をその粉体内から引
き抜く第1の行程と、前記第1の行程における前記埋設
部材の引き抜き時に、粉体と埋設部材との間に作用する
抗力を測定する第2の行程と、を有する方法を採用す
る。
【0008】粉体の物性を評価するにあたっては、複数
種類の粉体と、基準となるべき1種類の埋設部材とを準
備した後、その粉体のみを入れ替えながら前記第1の行
程及び第2の行程を繰り返し、その第2の行程にて各粉
体毎に得られる測定値に基づき各粉体の物性評価を行う
ようにしてもよい。なお、この場合、第2の行程にて得
られる測定値が大きくなる程、その粉体の付着性が大き
いと評価できる。
【0009】また、埋設部材の物性の評価するにあたっ
ては、複数種類の埋設部材と、基準となるべき1種類の
粉体とを準備した後、その埋設部材のみを入れ替えなが
ら第1の行程及び第2の行程を繰り返し、第2の行程に
て各埋設部材毎に得られる測定値に基づき各埋設部材の
物性評価を行うようにしてもよい。なお、この場合、第
2の行程にて得られる測定値が大きくなる程、その埋設
部材の表面性状が粗いと評価できる。なお、埋設部材と
しては、繊維材料が望ましい。
【0010】このように本発明の物性評価装置及び物性
評価方法では、粉体と埋設部材との間に作用する摩擦抵
抗などの抗力を測定して、その測定値に基づき粉体並び
に埋設部材の物性評価を行っている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、繊維材料及び粉体を評価対象として説明を行うが、
本発明は、これら繊維材料及び粉体の評価以外の用途に
おいても、勿論、適用できる。
【0012】まず、本実施の形態に示す物性評価装置に
ついてその概略を説明する。本実施の形態に示す物性評
価装置は、図1に示すように基台1に固定され内部に試
験体となる繊維材料L及び粉体Pが封入される容器(測
定セル)2と、基台1に対してスライド自在に設けられ
た移動台3と、この移動台3上に固定され移動台3と共
に移動するロードセル4と、移動台3をスライドさせる
ための駆動装置5と、移動台3の移動量を検出する変位
測定装置6と、を有する。以下、各構成について詳細に
説明する。
【0013】基台1上に固定される容器2は、図3及び
図4に示すように円筒形状の容器本体2aと、この容器
本体2aの両開口部に係合する上蓋2b及び下蓋2cと
から構成され、これらの部材、すなわち容器本体2a,
上蓋2b,下蓋2cを組み合わせた際にはその容器本体
2a内に一定容積の収容空間が確保される構造となって
いる。また、容器本体2aの側壁には、その一開口端側
から切り込まれた二つのスリット2dが互いに対向して
一組形成されている。
【0014】なお、この容器2内に試験体となる粉体P
及び繊維材料Lを収容する収容方法としては、まず、容
器本体2aと下蓋2cとを組み合わせた後、その容器本
体2a内に予め投入量を測定しておいた粉体Pの半分を
投入する。続いて、その粉体P上に繊維材料Lを載せ、
残りの粉体Pを容器本体2a内に投入する。なお、繊維
材料Lを粉体P上に載置する際には、繊維材料Lが粉体
P上を一直線に横切るように配置する。そして、粉体P
及び繊維材料Lの収容が完了した後、容器本体2aに上
蓋2bを取り付けて粉体P及び繊維材料Lを容器本体2
a内に収容する。なお、容器本体2a内に収容する粉体
Pの投入量を予め測定した理由としては、容器2内にお
ける粉体の空隙率を把握するためである。
【0015】また、粉体P上に繊維材料Lを載せる際に
は、その繊維材料Lの両端が容器本体2aに設けられた
スリット2dを通り容器本体2a外へと延びるように配
置する。すなわち、繊維材料Lを容器2に収容する際に
は、繊維材料Lがスロット2dを通り容器本体2a及び
その容器2内に収容された粉体Pを一直線に貫通するよ
うに設ける。
【0016】そして、これら粉体P及び繊維材料Lを収
容する容器2は、基台1に設けられた容器固定台1aに
固定用ボルト7を介して固定されている。なお、固定用
ボルト7による容器2の固定方法は、図1に示すように
容器2を上方及び下方から挟み付けるようにして固定し
ており、容器2に封入された粉体Pの弾性による、容器
2内の容積変化を防止している。なお、容器2内に収容
された粉体に所定圧力を加えて試験を行う際には、容器
2の蓋となる上蓋2b上に錘を載置して試験を行う。
【0017】一方、基台1に対してスライド自在に設け
られる移動台3は、移動台設置用ステー1bを介して基
台1上に取り付けられており、この移動台設置用ステー
1bに固定された駆動装置5にて駆動される。なお、駆
動装置5は電動モータ5a及び減速ギヤ5bなどから構
成されている。また、駆動装置5には速度調節機5cが
設けられており、移動台3の移動速度を任意に調節でき
る構造となっている。
【0018】また、変位測定装置6は、移動台3の下方
に設けられ、その測定値は、アンプ8を介して増幅され
て記録計9に記録されるようになっている。この変位測
定装置6は、単位時間あたりの移動台3の移動量、即
ち、粉体Pに対する繊維材料Lの引抜き速度を把握する
ためのものであり、引抜き速度を一定の値に管理するこ
とによって、より精度の高い物性評価を可能にしてい
る。
【0019】また、移動台3上にはロードセル4が固定
されており、前記容器固定台1aに固定された容器2内
の繊維材料Lは該ロードセル4によって保持されるよう
になっている。なお、ロードセル4は、試験体に作用す
る力を一点に集中してその力をアナログ信号に変換して
出力する実験装置であり、試験体に作用する力を測定す
る実験装置として広く一般に使用されている。本実施の
形態においては、測定荷重2kgf〜10kgfのロー
ドセルを採用している。
【0020】以下、上記した物性評価装置の使用方法を
踏まえ、本発明の物性評価方法について説明する。な
お、本発明の物性評価方法を説明するにあたり、以下の
説明では、繊維材料の表面性状(肌触り)を評価する物
性評価試験を例に挙げ説明を行う。
【0021】繊維材料の表面性状を評価するにあたって
は、まず、評価対象となる繊維材料を数種類準備する。
なお、評価対象として準備する繊維材料は直径10μm
〜1000μm程度の繊維材料が好ましい。続いて、基
準となるべく粉体を1種類準備する。準備する粉体の種
類は特に指定しないが直径0.1μm〜100μm程度
の粒子にて構成される粉体が望ましい。そして、これら
繊維材料及び粉体を上記した収容方法に基づき容器2内
に収容する。
【0022】なお、容器2は、予め準備した各繊維材料
に対してその各々に1つずつ準備しておくとよい。但
し、各容器2に投入する粉体の投入量は、何れの容器に
おいても同量とし、各容器2内における粉体の空隙率は
何れも一定の値となるようにする。また、評価対象とな
る繊維材料は、1つの容器2に対してその試行の都度入
れ替えるようにしてもよい。なお、この場合において
も、初回の試行における粉体の空隙率と2回目以降の試
行における粉体の空隙率とは同値とする。
【0023】そして、その評価対象となる繊維材料Lが
埋設された容器2(測定セル)を容器固定台1aに固定
すると共に、容器2から延びる繊維材料Lをロードセル
4に取り付ける。続いて、移動台3の移動速度、即ち、
繊維材料Lの引抜き速度を速度調節機5cを用いて設定
した後、駆動装置5に電力を供給して、容器2内より繊
維材料を引き出す方向に移動台3をスライドさせる。な
お、移動台3の移動速度は1μm/s〜1000μm/
s程度に設定するとよい。
【0024】そして、移動台3の移動に伴いロードセル
4も移動して容器2内に埋設された繊維材料Lを徐々に
引き抜きながらその際の抗力(引抜抵抗)を計測する。
また、ロードセル4にて計測された抗力は、アンプ8を
介して記録計9に記録される。またさらに、変位測定装
置6の測定値も同様にして記録計9に記録される。続い
て、他の繊維材料Lを埋設した容器2を容器固定台1a
にセットして上記した一連の行程を繰り返し行いその抗
力の測定する。
【0025】そして、各繊維材料Lにおける抗力を測定
した後、これら具体的に数値化された値に基づいて各繊
維材料の表面性状を比較検討する。例えば、抗力が大き
い程、その繊維材料の表面性状が荒く肌触りが悪いと評
価できる。また、抗力が小さい程、表面性状が滑らかで
あり肌触りがよいと評価できる。
【0026】なお、上記した説明では繊維材料を評価対
象として取り上げ説明したが、粉体の物性を評価する際
にも、上記した一連の行程と略同様の行程を繰り返して
評価を行う。
【0027】粉体Pの物性を評価するにあたっては、評
価対象となる複数種類の粉体Pと、基準となるべく繊維
材料Lを一種類準備して、各試行の都度その粉体Pのみ
を容器2に入れ替えながら抗力測定を行う。なお、上記
した繊維材料の物性評価試験と同様に、各粉体に対して
その各々に1つずつ容器2を準備しておき、各容器2毎
に異なる粉体を封入して、その容器2を入れ替えながら
試験を行ってもよい。
【0028】なお、各試行において、その容器2内にお
ける粉体の空隙率は何れの粉体においても一定値となる
ようにその投入量の調節を行う。また、基準となる繊維
材料Lも各試行とも同じ直径、同じ組成の繊維を用い
る。また、繊維材料Lの引抜き速度も各試行とも同じ速
度とする。
【0029】そして、各粉体毎に測定された測定値に基
づき各粉体の付着性を比較する。例えば、抗力が大きい
程、その粉体の付着性が大きいと評価できる。また、抗
力が小さい程、その付着性が小さいと評価できる。この
ように本発明の物性評価方法では、粉体内に埋設された
埋設部材を引き抜く際の抗力(引抜抵抗)を測定して、
その測定値に基づき物性の評価を行っている。以下、本
実施の形態に示す物性評価装置を使用しての具体的試験
例を説明する。
【0030】<試験例1>本実施の形態に示す物性評価
装置を用いて、フィラメント加工が施された合成繊維
(スパンライク糸)と、フィラメント加工が施されてい
ない未処理の合成繊維とにおける表面性状の違いを比較
する物性評価試験を実施した。なお、フィラメント加工
とは、合成繊維に天然繊維の風合いを持たせるための加
工であり、フィラメント加工が施された合成繊維は、ス
パンライク糸と称され天然繊維に近い肌触りとなる。以
下、図6に示す実験データを踏まえこの試験について説
明する。
【0031】<試験体>試験を実施するにあたっては、
炭酸カルシウム(16g)及び繊維材料としてウール調
スパンライク糸(ポリエステル製)を封入する容器2
と、同炭酸カルシウム(16g)及び未処理のポリエス
テル繊維を封入する容器2と、を準備する。なお、両容
器2は、上記したように一定の容積を有するため、同量
の炭酸カルシウムが封入される容器2内の空隙率は、同
値となる。 <試験方法>本実施の形態に示す物性評価装置を用い
て、各容器2(測定セル)毎におけるポリエステル繊維
の引抜抵抗を測定した後、その測定値を比較して表面性
状の評価を行う。 <試験結果>フィラメント加工が施されるポリエステル
繊維(スパンライク糸)が埋設された測定セル2の測定
値、及び未処理のポリエステル繊維が埋設された測定セ
ル2の測定値を図6に示す。なお、図6中Aが未処理の
ポリエステル繊維であり、図6中Bがフィラメント加工
済みのポリエステル繊維である。両者を比較すると、未
処理のポリエステル繊維に比べて、フィラメント加工が
施されたポリエステル繊維の方が、数倍引抜抗力が大き
くなっている。すなわち、この試験結果によると、未処
理のポリエステル繊維に比べて、フィラメント加工が施
されたポリエステル繊維の表面性状は粗いといえ、フィ
ラメント加工が施されたポリエステル繊維は天然繊維に
近い肌触りを有するといえる。
【0032】<試験例2>停滞期間の経過が摩擦部材の
原材料となる炭酸カルシウム(CaCO3)に与える影
響について把握するため、その物性評価試験を実施し
た。なお、摩擦部材とは、車両のブレーキ装置などに組
み込まれるライニングである。また、停滞期間とは、粉
体が空気中に放置された時間をいい、放置期間と言い換
えることもできる。一般に停滞期間が長くなると、炭酸
カルシウム(CaCO3)は空気中の水分を吸収して品
質が低下するといわれている。以下、図7に示す実験デ
ータを踏まえこの試験例について説明する。
【0033】<試験体>試験を実施するにあたっては、
停滞期間3日の炭酸カルシウム(CaCO3)及びナイ
ロン製釣り糸(直径0.5mm)を封入する容器2と、
停滞期間30日の炭酸カルシウム及び同ナイロン製釣り
糸(直径0.5mm)を封入する容器2と、を準備す
る。 <試験方法>本実施の形態に示す物性評価装置を用い
て、停滞期間の異なる炭酸カルシウムが個々に封入され
た容器2(測定セル)におけるナイロン製釣り糸の引抜
抗力を測定した後、その各測定セル毎に得られる測定値
を比較して、停滞期間の経過が炭酸カルシウムの品質に
与える影響を評価する。なお、各容器2内に封入される
炭酸カルシウムは同量であるが、吸湿による体積膨張等
の影響を考慮して同圧力にて封入する。すなわち、固定
用ボルト7にて容器2を締め付けず、上蓋2b上に一定
の加重を加えて試験を行う。 <試験結果>停滞期間3日の炭酸カルシウムが封入され
る測定セル2の測定値、及び停滞期間30日の炭酸カル
シウムが封入される測定セル2の測定値を図7に示す。
なお、図7中Aが停滞期間3日の炭酸カルシウムであ
り、図7中Bが停滞期間30日の炭酸カルシウムであ
る。両者を比較すると、停滞期間3日の炭酸カルシウム
に比べて、停滞期間30日の炭酸カルシウムの方が数
倍、引抜抗力が大きくなっている。すなわち、停滞期間
30日の炭酸カルシウムにおいては、停滞期間3日の炭
酸カルシウムに比べて粉体の付着性が大きくなっている
といえる。提言すると、空気中の水分などが不純物とし
て粉体中に混入していると推測できる。したがって、こ
の試験結果によると停滞期間が長い程、摩擦部材の原材
料となる炭酸カルシウムの品質は低下するといえる。
【0034】このように上記した各種試験の結果から、
本実施の形態に示す物性評価装置及び物性評価方法は、
その物性を評価するにあたって有用であるといえる。な
お、上記した物性評価装置は、本発明に係る物性評価装
置の一実施形態であり、容器2の形状及び移動台3の構
造など、その詳細は変更しても構わない。
【0035】また、本発明の物性評価装置及びその評価
方法は、上記したポリエステル繊維の評価及び摩擦部材
の原材料となる炭酸カルシウムの評価のみならず、粉末
冶金用金属粉体、電子部品用フィラーの原材料、医薬
品、セラミックス原材料等の物性評価にも適している。
また、小麦粉等の食料品、サンドブラスト用サンド、コ
ピー用トナー及びキャリア等の粉体製品の評価にも勿論
適用できる。さらに、ガラス繊維、合成繊維、天然繊
維、セラミックス繊維、金属繊維、毛髪等の物性評価に
も適用できる。また、埋設部材は、繊維材料のみならず
金属片や棒状の部材等であっても構わない。
【0036】また、上記した物性評価試験においては、
粉体の付着性及び繊維材料の表面性状の評価を行ってい
るが、本発明の物性評価装置及びその評価方法は、付着
性及び表面性状の評価にとどまることはない。例えば、
引抜抗力を測定することによって、その粉体及び埋設部
材に含まれる水分(含水量)を把握することもできる。
また、粉体の流動性なども解析することができる。この
ように本発明の用途は、上記した例にとどまることはな
い。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、人為的
作業や試験者の勘に頼らずとも粉体の付着性や繊維材料
の肌触りなどを具体的に数値化して解析できる物性評価
装置を提供することができる。また、粉体の付着性や繊
維材料の表面性状などを定量的に解析して評価できる物
性評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る物性評価装置の正面
図。
【図2】本発明の実施の形態に係る物性評価装置の平面
図。
【図3】本発明の実施の形態に係る容器の分解斜視図。
【図4】本発明の実施の形態に係る容器(測定セル)を
示す斜視図。
【図5】本発明の実施の形態に係る物性評価装置の測定
原理を示す原理図。
【図6】本発明の実施の形態に示す物性評価装置を用い
ての繊維材料物性評価試験に係る試験結果を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に示す物性評価装置を用い
ての粉体物性評価試験に係る試験結果を示す図。
【図8】従来の物性評価方法を示す図。
【符号の説明】
1 基台 1a 容器固定台 1b 移動台設置用ステー 2 容器(測定セル) 2a 容器本体 2b 上蓋 2c 下蓋 2d スリット 3 移動台 4 ロードセル 5 駆動装置 5a 電動モータ 5b 減速ギヤ 5c 速度調節機 6 変位測定装置 7 固定用ボルト 8 アンプ 9 記録計 101 円板 102 漏斗 P 粉体 P1 堆積層 L 繊維材料

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉体内に埋設された埋設部材を前記粉体内
    から引き抜く引抜装置と、前記引抜装置による埋設部材
    の引き抜き時に前記粉体と埋設部材との間に作用する抗
    力を測定する抗力測定装置と、を備えることを特徴とす
    る物性評価装置。
  2. 【請求項2】前記埋設部材は、繊維材料であることを特
    徴とする請求項1に記載の物性評価装置。
  3. 【請求項3】前記引抜装置は、基台に固定され前記粉体
    及び埋設部材を収容する容器と、基台に対してスライド
    自在に設けられた移動台と、この移動台上に固定される
    と共に前記容器内に収容された埋設部材を保持するロー
    ドセルと、を有し、 前記ロードセルは、前記抗力測定装置としての機能を備
    えることを特徴とする請求項1又は2に記載の物性評価
    装置。
  4. 【請求項4】前記容器の側壁には、この容器内に収容さ
    れた埋設部材を引き出す為の引出孔が互いに対向して一
    組設けられ、 前記容器に収容される埋設部材は、前記引出孔を通り前
    記容器及びその容器内に収容された粉体を一直線に貫通
    して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の
    物性評価装置。
  5. 【請求項5】粉体内に埋設された埋設部材を前記粉体内
    から引き抜く第1の行程と、前記第1の行程における埋
    設部材の引き抜き時に、前記粉体と埋設部材との間に作
    用する抗力を測定する第2の行程と、を有することを特
    徴とする物性評価方法。
  6. 【請求項6】複数種類の粉体と、基準となるべき1種類
    の埋設部材とを準備した後、前記粉体のみを入れ替えな
    がら前記第1の行程及び第2の行程を繰り返し、その第
    2の行程にて各粉体毎に得られる測定値に基づき各粉体
    の物性評価を行うことを特徴とする請求項5に記載の物
    性評価方法。
  7. 【請求項7】前記第2の行程にて得られる測定値が大き
    くなる程、その粉体の付着性が大きいと評価することを
    特徴とする請求項6に記載の物性評価方法。
  8. 【請求項8】複数種類の埋設部材と、基準となるべき1
    種類の粉体とを準備した後、前記埋設部材のみを入れ替
    えながら前記第1の行程及び第2の行程を繰り返し、そ
    の第2の行程にて各埋設部材毎に得られる測定値に基づ
    き各埋設部材の物性評価を行うことを特徴とする請求項
    5に記載の物性評価方法。
  9. 【請求項9】前記第2の行程にて得られる測定値が大き
    くなる程、その埋設部材の表面性状が粗いと評価するこ
    とを特徴とする請求項8に記載の物性評価方法。
  10. 【請求項10】前記埋設部材は、繊維材料であることを
    特徴とする請求項5から9の何れかに記載の物性評価方
    法。
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