JP2002041398A - 情報配信システム及びその方法 - Google Patents

情報配信システム及びその方法

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JP2002041398A
JP2002041398A JP2000219987A JP2000219987A JP2002041398A JP 2002041398 A JP2002041398 A JP 2002041398A JP 2000219987 A JP2000219987 A JP 2000219987A JP 2000219987 A JP2000219987 A JP 2000219987A JP 2002041398 A JP2002041398 A JP 2002041398A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サンプルなどとして一度配信もしくは配布を
受けたデータから、元の画像や音声を得ることができる
情報配信システムを提供する。 【解決手段】 サーバコンピュータ100では、電子透
かし埋め込み部104aが画像データに電子透かしを可
視状態で埋め込む。画像データ送信部104bはその画
像データを送信する。クライアントコンピュータ200
では、画像データ受信部204aがその画像データを受
信する。サーバコンピュータ100は、課金管理コンピ
ュータ350からの課金完了情報により画像購入を認識
したら、状態変更情報送信部104cが状態変更情報を
送信する。クライアントコンピュータ200では、状態
変更情報受信部204bがその状態変更情報を受信し、
状態変更部204cが、その状態変更情報に基づいて画
像データに埋め込まれている電子透かしを除去するか不
可視状態に変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静止画や動画など
の画像や楽曲などの音声のデータを配信するための技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットなどのネットワー
ク技術の発展に伴い、様々な情報をネットワークを介し
て配信する技術が提案されている。例えば、静止画や動
画や楽曲を所定のサンプリング周期でサンプリングして
デジタル信号に変換し、これをネットワークを介して配
信することが可能となっている。視聴者は、家庭に居な
がらにして、最新の静止画や動画や楽曲を手に入れるこ
とができる。
【0003】従来の配信システムでは、有料で静止画や
動画や楽曲を配信する場合、そのサムネイル画像やその
楽曲の一部がサンプル用のデータとして予め用意されて
おり、視聴者は、このサンプル用のデータを配信サーバ
からネットワークを介してダウンロードし、そのサンプ
ルを鑑賞した上で、気に入った場合に、料金を支払っ
て、再度、配信サーバからネットワークを介して元の静
止画や動画や楽曲のデータを取得することが行われてい
る。
【0004】また、別の配信システムでは、CD−RO
Mの製造コストの低さに着目し、静止画や動画や楽曲に
ついて、上記したサンプル用のデータをCD−ROMに
記録し、このCD−ROMを視聴者に配布することも行
なわれている。この場合、配布を受けた視聴者は、その
CD−ROMに記録されているサンプルを見たり聞いた
りして、気に入った場合に、料金を支払い、配信サーバ
からネットワークを介して元の静止画や動画や楽曲のデ
ータを取得することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の配信システムでは、何れも、最終的に配信され
るデータとは別に、サンプル用のデータを用意しなけれ
ばならないという問題があった。この場合のサンプル
は、楽曲であれば、イントロ以下の数十秒間の楽曲を含
んだデータであったり、サンプリング周波数を低減して
音質を劣化したデータであったりするが、いずれにせ
よ、元のデータとは別に作成して用意しなければならな
った。
【0006】また、視聴者の側からすると、前者の配信
システムでは、1度、サンプル用のデータを配信サーバ
からネットワークを介してダウンロードし、その楽曲が
気に入って購入すると、再度、配信サーバからネットワ
ークを介して元の楽曲のデータをダウンロードする必要
があり、同じ楽曲に対して2度、ダウンロードの手間を
とらなくてはならないという問題があった。また、後者
の配信システムでも、CD−ROMの配布を受けたにも
かかわらず、元の楽曲を手に入れるには、配信サーバか
らネットワークを介してデータをダウンロードする必要
があり、この場合も、データをダウンロードする手間が
生じるという問題があった。
【0007】以上の問題は、楽曲の場合だけでなく、静
止画や動画を有料で配信する場合でも同様であった。
【0008】従って、本発明の目的は、上記した従来技
術の問題点を解決し、サンプルなどとして一度配信もし
くは配布を受けたデータから、元の画像や音声を得るこ
とができる情報配信システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明
の第1の情報配信システムは、サーバコンピュータから
クライアントコンピュータに情報を配信する情報配信シ
ステムであって、前記サーバコンピュータは、画像及び
音声のうちの少なくとも一方を表すデータであって、電
子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている対象デー
タを、前記クライアントコンピュータに送信するデータ
送信部と、所定の条件が満たされた場合に、前記クライ
アントコンピュータに、知覚可能な状態にある前記電子
透かしを除去するかまたは知覚困難な状態にするための
状態変更情報を送信する状態変更情報送信部と、を備
え、前記クライアントコンピュータは、前記サーバコン
ピュータから送信された前記対象データを受信するデー
タ受信部と、前記サーバコンピュータから送信された前
記状態変更情報を受信する状態変更情報受信部と、前記
対象データに知覚可能な状態で埋め込まれている前記電
子透かしを、前記状態変更情報に基づいて、除去するか
または知覚困難な状態に変更する状態変更部と、を備え
ることを要旨とする。
【0010】このように、本発明の第1の情報配信シス
テムにおいては、サーバコンピュータのデータ送信部
が、画像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデータ
であって、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれて
いる対象データを送信すると、クライアントコンピュー
タのデータ受信部が、その対象データを受信する。その
後、サーバコンピュータにおいて、所定の条件が満たさ
れた場合に、状態変更情報送信部が、知覚可能な状態に
ある電子透かしを除去するかまたは知覚困難な状態にす
るための状態変更情報を送信すると、クライアントコン
ピュータの状態変更情報受信部が、その状態変更情報を
受信する。そして、クライアントコンピュータにおい
て、状態変更部が、対象データに知覚可能な状態で埋め
込まれている電子透かしを、状態変更情報に基づいて、
除去するかまたは知覚困難な状態に変更する。
【0011】従って、本発明の第1の情報配信システム
によれば、サーバコンピュータからクライアントコンピ
ュータに、画像または音声を表す対象データを配信し、
その後、所定の条件を満たした場合に、状態変更情報を
配信するだけで、クライアントコンピュータにおいて、
対象データに知覚可能な状態で埋め込まれている電子透
かしを、除去するか知覚困難な状態に変更することがで
き、サンプルであったデータを、不都合なく利用できる
データに容易に変換することができる。従って、サーバ
側(配信者側)においては、オリジナルのデータとは別
にサンプル用のデータを用意する必要がない。また、ク
ライアント側(視聴者側)においては、同じ対象データ
を2度ダウンロードする手間をとる必要がない。
【0012】また、知覚可能な状態にある電子透かしを
知覚困難な状態に変更した場合には、例え、知覚困難な
状態にあっても、電子透かしは対象データに埋め込まれ
たままとなる。従って、対象データが不正利用された場
合でも、埋め込まれている電子透かしを検出することに
より、不正利用の発見や追跡を容易に行うことができ
る。
【0013】本発明の第2の情報配信システムは、第1
及び第2のサーバコンピュータからクライアントコンピ
ュータに情報を配信する情報配信システムであって、前
記第1のサーバコンピュータは、画像及び音声のうちの
少なくとも一方を表すデータであって、電子透かしが知
覚可能な状態で埋め込まれている対象データを、前記ク
ライアントコンピュータに送信するデータ送信部を備
え、前記第2のサーバコンピュータは、所定の条件が満
たされた場合に、前記クライアントコンピュータに、知
覚可能な状態にある前記電子透かしを除去するかまたは
知覚困難な状態にするための状態変更情報を送信する状
態変更情報送信部を備え、前記クライアントコンピュー
タは、前記第1のサーバコンピュータから送信された前
記対象データを受信するデータ受信部と、前記第2のサ
ーバコンピュータから送信された前記状態変更情報を受
信する状態変更情報受信部と、前記対象データに知覚可
能な状態で埋め込まれている前記電子透かしを、前記状
態変更情報に基づいて、除去するかまたは知覚困難な状
態に変更する状態変更部と、を備えることを要旨とす
る。
【0014】このように、本発明の第2の情報配信シス
テムにおいては、第1のサーバコンピュータのデータ送
信部が、画像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデ
ータであって、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込ま
れている対象データを送信すると、クライアントコンピ
ュータのデータ受信部が、その対象データを受信する。
その後、所定の条件を満たした場合に、第1のサーバコ
ンピュータとは異なる第2のサーバコンピュータにおい
て、状態変更情報送信部が、知覚可能な状態にある電子
透かしを除去するかまたは知覚困難な状態にするための
状態変更情報を送信し、クライアントコンピュータの状
態変更情報受信部が、その状態変更情報を受信する。そ
して、クライアントコンピュータにおいて、状態変更部
が、対象データに知覚可能な状態で埋め込まれている電
子透かしを、状態変更情報に基づいて、除去するかまた
は知覚困難な状態に変更する。
【0015】従って、本発明の第2の情報配信システム
によれば、上記した第1の情報配信システムにおける効
果と同様の効果を奏し得る他、第1のサーバコンピュー
タは、対象データを専用に扱って、電子透かしの埋め込
まれた対象データの送信のみを担当し、第2のサーバコ
ンピュータは、状態変更情報のみを扱って、状態変更情
報の送信のみを担当しているので、各々のサーバコンピ
ュータの負荷が軽くて済む。
【0016】本発明の第3の情報配信システムは、画像
及び音声のうちの少なくとも一方を表すデータであっ
て、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている対
象データを有するクライアントコンピュータに、サーバ
コンピュータから情報を配信する情報配信システムであ
って、前記サーバコンピュータは、所定の条件が満たさ
れた場合に、前記クライアントコンピュータに、知覚可
能な状態にある前記電子透かしを除去するかまたは知覚
困難な状態にするための状態変更情報を送信する状態変
更情報送信部を備え、前記クライアントコンピュータ
は、前記サーバコンピュータから送信された前記状態変
更情報を受信する状態変更情報受信部と、前記対象デー
タに知覚可能な状態で埋め込まれている前記電子透かし
を、前記状態変更情報に基づいて、除去するかまたは知
覚困難な状態に変更する状態変更部と、を備えることを
要旨とする。
【0017】このように、本発明の第3の情報配信シス
テムにおいては、クライアントコンピュータが、予め、
画像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデータであ
って、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている
対象データを有している。そして、サーバコンピュータ
において、所定の条件が満たされた場合に、状態変更情
報送信部が、知覚可能な状態にある電子透かしを除去す
るかまたは知覚困難な状態にするための状態変更情報を
送信すると、クライアントコンピュータの状態変更情報
受信部が、その状態変更情報を受信する。そして、クラ
イアントコンピュータにおいて、状態変更部が、対象デ
ータに知覚可能な状態で埋め込まれている電子透かし
を、状態変更情報に基づいて、除去するかまたは知覚困
難な状態に変更する。
【0018】従って、本発明の第3の情報配信システム
によれば、クライアントコンピュータが画像または音声
を表すデータを有する場合に、所定の条件を満たすこと
によって、サーバコンピュータからクライアントコンピ
ュータに状態変更情報の配信を受けるだけで、クライア
ントコンピュータにおいて、対象データに知覚可能な状
態で埋め込まれている電子透かしを、除去するか知覚困
難な状態に変更することができ、サンプルであったデー
タを、不都合なく利用できるデータに容易に変換するこ
とができる。従って、サーバ側(配信者側)において
は、オリジナルのデータとは別にサンプル用のデータを
用意する必要もなく、クライアント側(視聴者側)にお
いては、オリジナルのデータを手に入れるために、デー
タをダウンロードする手間をとる必要がない。
【0019】また、知覚可能な状態にある電子透かしを
知覚困難な状態に変更した場合には、例え、知覚困難な
状態にあっても、電子透かしは対象データに埋め込まれ
たままとなる。従って、対象データが不正利用された場
合でも、埋め込まれている電子透かしを検出することに
より、不正利用の発見や追跡を容易に行うことができ
る。
【0020】本発明の第3の情報配信システムにおい
て、前記クライアントコンピュータの有する前記対象デ
ータは、前記クライアントコンピュータによって読み取
り可能な記録媒体に記録されていてもよい。
【0021】このように、画像または音声を表す対象デ
ータは、記録媒体に記録された上で、視聴者に配布され
る場合があるからである。
【0022】本発明の情報配信システムにおいて、前記
電子透かしは、広告情報及び宣伝情報の少なくとも一方
を含んでいることが好ましい。
【0023】このように、電子透かしが広告情報や宣伝
情報を含むことによって、電子透かしは、著作権を明示
したり、不正利用を防止したりする機能だけでなく、広
告・宣伝の機能を果たすことになり、それを埋め込まれ
た対象データ自体は、新たな広告・宣伝媒体となり得
る。
【0024】本発明の情報配信システムにおいて、前記
所定の条件は、前記サーバコンピュータにおいて、前記
クライアントコンピュータのユーザにより前記対象デー
タの表す画像もしくは音声が購入されたことが認識され
たという条件であることが好ましい。
【0025】提供した画像や音声がユーザによって購入
されていないのに、状態変更情報をそのユーザに配信す
るとなれば、ユーザはそれによってその画像や音声を自
由に利用することができるようになるので、画像や音声
の提供者は、多大な損失を被ってしまう恐れがあるから
である。
【0026】本発明の情報配信システムにおいて、前記
状態変更情報送信部は、前記状態変更情報を暗号化して
送信すると共に、前記状態変更情報受信部は、暗号化さ
れた前記状態変更情報を受信して復号化することが好ま
しい。
【0027】状態変更情報が第三者に知られてしまう
と、その者によって、電子透かしが除去または知覚困難
な状態にされて、提供した画像や音声が不正に利用され
る恐れがあるからである。
【0028】本発明の情報配信システムにおいて、前記
対象データが少なくとも画像を表す場合、前記電子透か
しは、該電子透かしが知覚可能な状態にある場合に視覚
で認識できる情報であり、前記電子透かしが知覚困難な
状態にある場合には、視覚での認識が困難になることが
好ましい。
【0029】このように、対象データが、視覚によって
認識する画像のデータである場合、電子透かしも、知覚
可能な状態では、視覚で認識でき、知覚困難な状態で
は、視覚での認識が困難になる情報である必要がある。
【0030】本発明の情報配信システムにおいて、前記
対象データが少なくとも音声を表す場合、前記電子透か
しは、該電子透かしが知覚可能な状態にある場合に聴覚
で認識できる情報であり、前記電子透かしが知覚困難な
状態にある場合には、聴覚での認識が困難になることが
好ましい。
【0031】このように、対象データが、聴覚によって
認識する音声のデータである場合、電子透かしも、知覚
可能な状態では、聴覚で認識でき、知覚困難な状態で
は、聴覚での認識が困難になる情報である必要がある。
【0032】本発明の第1のサーバコンピュータは、ク
ライアントコンピュータに情報を配信するサーバコンピ
ュータであって、画像及び音声のうちの少なくとも一方
を表すデータであって、電子透かしが知覚可能な状態で
埋め込まれている対象データを、前記クライアントコン
ピュータに送信するデータ送信部と、所定の条件が満た
された場合に、前記クライアントコンピュータに、知覚
可能な状態にある前記電子透かしを除去するかまたは知
覚困難な状態にするための状態変更情報を送信する状態
変更情報送信部と、を備えることを要旨とする。
【0033】このように、本発明の第1のサーバコンピ
ュータでは、データ送信部が、画像及び音声のうちの少
なくとも一方を表すデータであって、電子透かしが知覚
可能な状態で埋め込まれている対象データを、クライア
ントコンピュータに送信し、状態変更情報送信部が、所
定の条件が満たされた場合に、クライアントコンピュー
タに、知覚可能な状態にある前記電子透かしを除去する
かまたは知覚困難な状態にするための状態変更情報を送
信する。
【0034】従って、本発明の第1のサーバコンピュー
タによれば、サーバコンピュータから、画像または音声
を表す対象データを配信し、その後、所定の条件を満た
した場合に、状態変更情報を配信するだけで、クライア
ントコンピュータにおいて、対象データに知覚可能な状
態で埋め込まれている電子透かしを、除去するか知覚困
難な状態に変更することができ、サンプルであったデー
タを、不都合なく利用できるデータに容易に変換するこ
とができる。従って、サーバ側(配信者側)において
は、オリジナルのデータとは別にサンプル用のデータを
用意する必要がない。
【0035】本発明の第1のクライアントコンピュータ
は、サーバコンピュータから配信された情報を受信する
クライアントコンピュータであって、第1のサーバコン
ピュータから送信された、画像及び音声のうちの少なく
とも一方を表すデータであって、電子透かしが知覚可能
な状態で埋め込まれている対象データを受信するデータ
受信部と、前記第1のサーバコンピュータまたは該第1
のサーバコンピュータとは異なる第2のサーバコンピュ
ータから送信された、知覚可能な状態にある前記電子透
かしを除去するかまたは知覚困難な状態にするための状
態変更情報を受信する状態変更情報受信部と、前記対象
データに知覚可能な状態で埋め込まれている前記電子透
かしを、前記状態変更情報に基づいて、除去するかまた
は知覚困難な状態に変更する状態変更部と、を備えるこ
とを要旨とする。
【0036】このように、本発明の第1のクライアント
コンピュータでは、データ受信部が、第1のサーバコン
ピュータから送信された、画像及び音声のうちの少なく
とも一方を表すデータであって、電子透かしが知覚可能
な状態で埋め込まれている対象データを受信すると共
に、状態変更情報受信部が、前記第1のサーバコンピュ
ータまたは該第1のサーバコンピュータとは異なる第2
のサーバコンピュータから送信された、知覚可能な状態
にある前記電子透かしを除去するかまたは知覚困難な状
態にするための状態変更情報を受信する。そして、状態
変更部は、対象データに知覚可能な状態で埋め込まれて
いる電子透かしを、受信した状態変更情報に基づいて、
除去するかまたは知覚困難な状態に変更する。
【0037】従って、本発明の第1のクライアントコン
ピュータによれば、サーバコンピュータから配信された
画像または音声を表す対象データを受け、その後、状態
変更情報を受けるだけで、クライアントコンピュータに
おいて、対象データに知覚可能な状態で埋め込まれてい
る電子透かしを、除去するか知覚困難な状態に変更する
ことができ、サンプルであったデータを、不都合なく利
用できるデータに容易に変換することができる。従っ
て、クライアント側(視聴者側)においては、同じ対象
データを2度ダウンロードする手間をとる必要がない。
【0038】本発明の第2のサーバコンピュータは、ク
ライアントコンピュータに情報を配信するサーバコンピ
ュータであって、画像及び音声のうちの少なくとも一方
を表すデータであって、電子透かしが知覚可能な状態で
埋め込まれている対象データを、前記クライアントコン
ピュータに送信するデータ送信部を備えることを要旨と
する。
【0039】このように、サーバコンピュータが、対象
データを専用に扱って、電子透かしの埋め込まれている
対象データの送信のみを担当することより、サーバコン
ピュータの負荷は軽くて済む。
【0040】本発明の第3のサーバコンピュータは、画
像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデータであっ
て、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている対
象データを有するクライアントコンピュータに情報を配
信するサーバコンピュータであって、所定の条件が満た
された場合に、前記クライアントコンピュータに、知覚
可能な状態にある前記電子透かしを除去するかまたは知
覚困難な状態にするための状態変更情報を送信する状態
変更情報送信部を備えることを要旨とする。
【0041】このように、本発明の第3のサーバコンピ
ュータにおいては、所定の条件が満たされた場合に、状
態変更情報送信部が、対象データを有しているクライア
ントコンピュータに対し、知覚可能な状態にある電子透
かしを除去するかまたは知覚困難な状態にするための状
態変更情報を送信する。
【0042】従って、本発明の第3のサーバコンピュー
タによれば、クライアントコンピュータが画像または音
声を表すデータを有する場合に、所定の条件を満たすこ
とによって、サーバコンピュータから状態変更情報の配
信するだけで、クライアントコンピュータにおいて、対
象データに知覚可能な状態で埋め込まれている電子透か
しを、除去するか知覚困難な状態に変更することがで
き、サンプルであったデータを、不都合なく利用できる
データに容易に変換することができる。従って、サーバ
側(配信者側)においては、オリジナルのデータとは別
にサンプル用のデータを用意する必要もない。
【0043】本発明の第2のクライアントコンピュータ
は、画像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデータ
であって、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれて
いる対象データを有すると共に、サーバコンピュータか
ら配信された情報を受信するクライアントコンピュータ
であって、前記サーバコンピュータから送信された、知
覚可能な状態にある前記電子透かしを除去するかまたは
知覚困難な状態にするための状態変更情報を受信する状
態変更情報受信部と、前記状態変更情報に基づいて、記
対象データに埋め込まれている前記電子透かしを知覚可
能な状態から知覚困難な状態に変更する状態変更部と、
を備えることを要旨とする。
【0044】このように、本発明の第2のクライアント
コンピュータにおいては、予め、画像及び音声のうちの
少なくとも一方を表すデータであって、電子透かしが知
覚可能な状態で埋め込まれている対象データを有してい
る。そして、状態変更受信部が、サーバコンピュータか
ら送信された、知覚可能な状態にある電子透かしを除去
するかまたは知覚困難な状態にするための状態変更情報
を受信し、状態変更部が、対象データに知覚可能な状態
で埋め込まれている電子透かしを、状態変更情報に基づ
いて、除去するかまたは知覚困難な状態に変更する。
【0045】従って、本発明の第2のクライアントコン
ピュータによれば、画像または音声を表すデータを有す
る場合に、サーバコンピュータからの状態変更情報の配
信を受けるだけで、クライアントコンピュータにおい
て、対象データに知覚可能な状態で埋め込まれている電
子透かしを、除去するか知覚困難な状態に変更すること
ができ、サンプルであったデータを、不都合なく利用で
きるデータに容易に変換することができる。従って、ク
ライアント側(視聴者側)においては、オリジナルのデ
ータを手に入れるために、データをダウンロードする手
間をとる必要がない。
【0046】なお、本発明は、情報配信システム、それ
を構成するサーバコンピュータ及びクライアントコンピ
ュータの他、情報配信方法、それら装置または方法を実
現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュー
タプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプ
ログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、な
ど種々の態様で実現することができる。
【0047】
【発明の他の態様】本発明は、以下のような他の態様を
採ることも可能である。第1の態様は、クライアントコ
ンピュータに情報を配信する情報配信方法であって、
(a)画像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデー
タであって、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれ
ている対象データを、前記クライアントコンピュータに
送信する工程と、(b)所定の条件が満たされた場合
に、知覚可能な状態にある前記電子透かしを除去するか
または知覚困難な状態にするための状態変更情報を送信
する工程と、を備える情報配信方法である。
【0048】第2の態様は、サーバコンピュータから配
信された情報を受信するための情報受信方法であって、
(a)第1のサーバコンピュータから送信された、画像
及び音声のうちの少なくとも一方を表すデータであっ
て、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている対
象データを受信する工程と、(b)第1のサーバコンピ
ュータまたは該第1のサーバコンピュータとは異なる第
2のサーバコンピュータから送信された、知覚可能な状
態にある前記電子透かしを除去するかまたは知覚困難な
状態にするための状態変更情報を受信する工程と、
(c)前記対象データに知覚可能な状態で埋め込まれて
いる前記電子透かしを、前記状態変更情報に基づいて、
除去するかまたは知覚困難な状態に変更する工程と、を
備える情報受信方法である。
【0049】第3の態様は、電画像及び音声のうちの少
なくとも一方を表すデータであって、電子透かしが知覚
可能な状態で埋め込まれている対象データを有するクラ
イアントコンピュータに、情報を配信する情報配信方法
であって、(a)前記クライアントコンピュータに、知
覚可能な状態にある前記電子透かしを除去するかまたは
知覚困難な状態にするための状態変更情報を送信する工
程を備える情報配信方法である。
【0050】第4の態様は、サーバコンピュータから配
信された情報を受信するための情報受信方法であって、
(a) 画像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデ
ータであって、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込ま
れている対象データを用意する工程と、(b)前記サー
バコンピュータから送信された、知覚可能な状態にある
前記電子透かしを除去するかまたは知覚困難な状態にす
るための状態変更情報を受信する工程と、(c)前記状
態変更情報に基づいて、記対象データに埋め込まれてい
る前記電子透かしを知覚可能な状態から知覚困難な状態
に変更する工程と、を備える情報受信方法である。
【0051】このような種々の態様を採ることよって
も、上記した本発明の効果を奏することが可能となる。
【0052】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.第1の実施例: A−1.情報配信システムの構成: A−2.情報配信処理の内容: A−3.第1の実施例の効果: B.第2の実施例: B−1.情報配信システムの構成: B−2.情報配信処理の内容: B−3.第2の実施例の効果: C.第3の実施例: C−1.情報配信システムの構成: C−2.情報配信処理の内容: C−3.第3の実施例の効果: D.第4の実施例: D−1.情報配信システムの構成: D−2.情報配信処理の内容: D−3.第4の実施例の効果: E.変形例: E−1.変形例1: E−2.変形例2: E−3.変形例3: E−4.変形例4: E−5.変形例5: E−6.変形例6: E−7.変形例7: E−8.変形例8:
【0053】A.第1の実施例: A−1.情報配信システムの構成:図1は本発明の第1
の実施例としての情報配信システムの構成を示す説明図
である。この情報配信システムは、サーバコンピュータ
100と、クライアントコンピュータ200と、課金管
理コンピュータ350と、これらのコンピュータが接続
されるネットワーク300と、で構成されている。
【0054】このうち、サーバコンピュータ100は、
クライアントコンピュータ200に画像データなどの種
々の情報を配信するためのコンピュータである。このサ
ーバコンピュータ100は、CPU102と、ROM及
びRAMを含む内部記憶装置であるメインメモリ104
と、キーボード106と、マウス108と、外部記憶装
置であるハードディスク110と、CRTなどから成る
表示装置112と、スピーカなどから成る音声出力装置
114と、CD−ROMドライブ116と、ネットワー
クカードやモデムなどから成る通信装置120と、これ
ら各構成要素を接続するバス122と、を備えている。
なお、図1では各種のインターフェイス回路は省略され
ている。通信装置120は、通信回線を介してネットワ
ーク300に接続されている。
【0055】メインメモリ104には、対象となる画像
データに電子透かしを可視状態で埋め込む電子透かし埋
め込み部104aと、電子透かしの埋め込まれた画像デ
ータを送信する画像データ送信部104bと、可視状態
にある電子透かしを除去するか不可視状態に変更するた
めの状態変更情報を送信する状態変更情報送信部104
cの、各機能を実現するためのコンピュータプログラム
が格納されている。電子透かし埋め込み部104a、画
像データ送信部104b及び状態変更情報送信部104
cの機能については後で詳しく説明する。
【0056】このように、本実施例においては、対象と
なるデータは画像データであり、それに埋め込まれる電
子透かしは、知覚可能な状態において、視覚によって認
識できる情報である。例えば、文字や図形、形状や模様
や色彩、静止画や動画などが含まれる。なお、本明細書
において、電子透かしが可視状態にあるとは、視覚によ
って認識できる状態にあることを言い、不可視状態にあ
るとは、視覚による認識が困難である状態を言う。
【0057】一方、クライアントコンピュータ200
は、サーバコンピュータ100から配信される画像デー
タなどの種々の情報を受信するためのコンピュータであ
る。クライアントコンピュータ200は、サーバコンピ
ュータ100と同様に、CPU202と、ROM及びR
AMを含む内部記憶装置であるメインメモリ204と、
キーボード206と、マウス208と、外部記憶装置で
あるハードディスク210と、CRTなどから成る表示
装置212と、スピーカなどから成る音声出力装置21
4と、CD−ROMドライブ216と、ネットワークカ
ードやモデムなどから成る通信装置220と、これら各
構成要素を接続するバス222と、を備えている。な
お、図1では各種のインターフェイス回路は省略されて
いる。通信装置220も、通信回線を介してネットワー
ク300に接続されている。
【0058】メインメモリ204には、サーバコンピュ
ータから送信された画像データを受信する画像データ受
信部204aと、サーバコンピュータから送信された状
態変更情報を受信する状態変更情報受信部204bと、
状態変更情報に基づいて、画像データに可視状態で埋め
込まれている電子透かしを除去するか不可視状態に変更
する状態変更部204cの、各機能を実現するためのコ
ンピュータプログラムが格納されている。画像データ受
信部204a、状態変更情報受信部204b及び状態変
更部204cの機能については後で詳しく説明する。
【0059】サーバコンピュータ100のメインメモリ
104及びクライアントコンピュータ200におけるメ
インメモリ204に格納されている各部104a〜10
4c,204a〜204cの機能を実現するコンピュー
タプログラムは、CD−ROM118,218などのコ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で
提供される。コンピュータは、その記録媒体からCD−
ROMドライブ116,216などによってコンピュー
タプログラムを読み取って、直接、またはハードディス
ク110などの外部記憶装置に格納した後に、メインメ
モリ104,204などの内部記憶装置に転送する。あ
るいは、ネットワーク300上に図示しないプログラム
供給装置を設け、通信回線を介してコンピュータにコン
ピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コン
ピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶
装置に格納されたコンピュータプログラムがコンピュー
タのCPU102,202等のマイクロプロセッサによ
って実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュ
ータプログラムをコンピュータが読み取って直接実行す
るようにしてもよい。
【0060】なお、この発明における「記録媒体」とし
ては、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−
ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリ
ッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷され
た印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやRO
Mなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュー
タが読取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【0061】この明細書において、コンピュータとは、
ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概
念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作す
るハードウェア装置を意味している。また、オペレーシ
ョンシステムが不要でアプリケーションプログラム単独
またはファームウェア単独でハードウェア装置を動作さ
せるような場合には、そのハードウェア装置自体がコン
ピュータに相当する。ハードウェア装置は、CPU等の
マイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュ
ータプログラムを読み取るための手段とを少なくとも備
えている。例えば、携帯電話や、携帯情報端末や、プレ
ーヤや、レコーダや、などの電子機器に、CPUやRO
Mなどが組み込まれていて、これら電子機器がコンピュ
ータとしての機能を有する場合も、これら電子機器はコ
ンピュータの概念に当然に含まれる。コンピュータプロ
グラムは、このようなコンピュータに、上述の各手段の
機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。な
お、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラム
でなく、オペレーションシステムによって実現されてい
ても良い。更に、電子透かしの埋め込み処理や、画像や
音声の送信処理や、受信処理や、電子透かしの状態変更
処理を行なうプログラムは、画像や音声処理を行なうプ
ログラムに対して、プラグインの形式で付加されるもの
としてもよい。
【0062】なお、本実施例では、クライアントコンピ
ュータ200において、画像データ受信部204a、状
態変更情報受信部204b及び状態変更部204cの各
機能を実現するコンピュータプログラムとして、専用の
ブラウザソフトウェアを用いるようにしている。
【0063】また、図1において、課金管理コンピュー
タ350は、課金管理を行うと共に、クライアントコン
ピュータ200からの画像購入の指示によって、クライ
アントコンピュータ200のユーザに課金し、その課金
完了の情報をサーバコンピュータ100に伝えるコンピ
ュータである。この課金管理コンピュータ350も、通
信装置などによって通信回線を介してネットワーク30
0に接続されている。
【0064】A−2.情報配信処理の内容:図2は図1
の情報配信システムが行う情報配信処理の手順を示すフ
ローチャートである。この処理は、電子透かし埋め込み
部104a、画像データ送信部104b、状態変更情報
送信部104c、画像データ受信部204a、状態変更
情報受信部204b、状態変更部204cなどの処理と
して実現されている。
【0065】図示するように、この情報配信処理が起動
されると、まず、サーバコンピュータ100において、
電子透かし埋め込み部104aが、配信すべき対象とな
る画像データに、電子透かしを可視状態で埋め込む処理
を行う(ステップS12)。
【0066】具体的には、電子透かし埋め込み部104
aは、図3に示す埋め込み処理の手順に従って、電子透
かしの埋め込みを行う。図3は図1の電子透かし埋め込
み部104aが行う埋め込み処理の手順を示すフローチ
ャートである。電子透かし埋め込み部104aは、ま
ず、電子透かしを埋め込むべき対象となる画像(カラー
画像)Pと、埋め込むべき電子透かしである透かし画像
Wと、を特定する処理を行なう(ステップS105)。
これらの処理は、ハードディスク110に記憶された画
像ファイルを指定することにより行なわれる。
【0067】本実施例では、対象となるカラー画像Pと
して、RGB(赤,緑,青)表色系で表され、大きさm
×n画素から成り、各画素の色が、それぞれ、各8ビッ
ト(即ち、256階調)の三刺激値R,G,B(以下、
RGB成分という)で表されるカラー画像を用いた。こ
こで、 P={pij|i=0,1,2・・・・m-1;j=0,1,
2・・・・n-1} で表わすものとする。
【0068】また、透かし画像Wとしては、大きさがカ
ラー画像Pと同じm×n画素から成り、各画素の色が黒
または白である二値画像を用いた。具体的には、後述す
るように、白地に黒文字で「LOGO1」と記したロゴ
マーク画像を用意した。ここで、 W={wij|wij=1,0:i=0,1,2・・・・m-1;j=0,1,2・・ ・・n-1} で表わすものとする。即ち、画素の値は、マーク部分
(黒の部分)を1とし、非マーク部分(白の部分)を0
とした。
【0069】但し、透かし画像Wは、カラー画像Pと同
一の大きさを有している必要は必ずしもない。
【0070】なお、以下の議論のために、カラー画像P
に電子透かしである透かし画像Wを埋め込んだ後の画像
(以下、署名済み画像と呼ぶ)をQとする。この署名済
み画像Qも、大きさがカラー画像Pや透かし画像Wと同
じm×n画素から成る。従って、これを、 Q={qij|i=0,1,2・・・・m-1;j=0,1,2・・・・n-1} で表わすものとする。
【0071】両画像P,Wを用意した後、次に、画像処
理用の変数i,jを初期値0にセットする(ステップS
110,115)。そして、その変数i,jについて、
透かし画像Wの画素wijの値が1(即ち、マーク部分)
であるか否かの判断を行なう(ステップS120)。
【0072】判断の結果、画素wijの値が0(即ち、非
マーク部分)である場合には、その画素wijに対応する
カラー画像Pの画素pijを選択し、その画素pijのRG
B成分をそのまま署名済み画像Qの対応する画素qijの
RGB成分とする(ステップS130)。
【0073】即ち、カラー画像Pにおける画素pijのR
GB成分を(rij,gij,bij)とし、これを3次元ベ
クトルで表すと、図4に示すように、Pij=[rij,g
ij,bij]tとなる。また、署名済み画像Qにおける画
素qijのRGB成分を(Rij,Gij,Bij)とし、これ
を3次元ベクトルで表すと、qij=[Rij,Gij,Bi
j]tとなる。但し、添字tは転置を表す。従って、画素
wijの値が0の場合は、式(1)のように表される。
【0074】
【数1】
【0075】一方、画素wijの値が1(即ち、マーク部
分)である場合には、その画素wijに対応するカラー画
像Pの画素pijを選択し、その画素pijのRGB成分を
式(2)に示す変換行列Bによって変換し、得られたR
GB成分を署名済み画像Qの対応する画素qijのRGB
成分とする(ステップS125)。
【0076】
【数2】
【0077】即ち、画素wijの値が1の場合は、式
(3)のように表される。
【0078】
【数3】
【0079】式(2),(3)に示すように、変換行列
Bは、3次の正方行列であって、対角成分の全てが値z
(但し、zは任意の実数)から成り、その他の成分が値
x(但し、xは0以外の任意の実数)または−xから成
る。そして、各行及び各列の成分の和はそれぞれzとな
っている。このうち、対角成分である値zは、各画素の
輝度成分に対して著しい影響を与えるため、本明細書で
は、この値zを明るさ係数と呼ぶ。また、残りの係数x
は、透かし情報を生成するための秘密の係数であり、本
明細書では、この値xを透かし係数と呼ぶ。この透かし
係数の演算結果によって透かし信号となる色差信号が得
られる。
【0080】但し、前述したように、本実施例におい
て、透かし画像W、即ち、電子透かしは、可視状態で埋
め込むようにするため、変換行列Bにおける明るさ係数
zを1以外の値に設定する。すると、式(3)に基づい
て、署名済み画像Qにおけるマーク部分の画素のRGB
成分は、式(4)の如くになる。
【0081】
【数4】
【0082】式(4)の右辺を見ると、第1項では、カ
ラー画像Pにおけるマーク部分の画素のRGB成分に、
それぞれ明るさ係数zが掛けられており、この明るさ係
数zによって3原色の輝度成分に均等に影響を与えるこ
とになる。また、第2項では、透かし信号である色差信
号が新たに加算されることになる。この結果、明るさ係
数zに基づいて透かし情報が可視状態で埋め込まれると
共に、透かし係数xに基づいた透かし情報が潜在的に埋
め込まれることになる。
【0083】ここで、明るさ係数zを正の実数値と設定
すると、0<z<1の範囲では、マーク部分を黒色系に
表示することができ、z>1の範囲では、マーク部分を
白色系に表示することが可能である。また、この時、明
るさ係数zの値が1に近いほど、マーク部分の輝度が薄
くなり、不可視状態に近づく。一方、明るさ係数zの値
が1から離れるに従い、マーク部分には一層はっきりと
した輝度が得られる。
【0084】なお、透かし画像を可視状態で埋め込む際
には、輝度を大きく変化させることにより、画素値が上
限値を超えてオーバフローとなったり、下限値を超えて
アンダフローとなったりしやすいので、注意しなければ
ならない。もし、そのようなオーバフローやアンダフロ
ーが生じた場合には、その画素値を強制的に上限値また
は下限値に置き換えることにより、補正するようにす
る。
【0085】また、変換行列Bによって変換した結果、
得られたRGB成分が整数でない場合には、小数点以下
を四捨五入して整数化する。
【0086】以上のような演算処理を行なった後、変数
i,jを順次インクリメントしつつ(ステップS13
5,S145)、透かし画像Wの全画素について処理が
完了したか否かを判断し(ステップS140,S15
0)、完了するまで、カラー画像Pに電子透かしである
透かし画像Wを埋め込む上記処理を繰り返す。全画素に
ついての処理が完了すれば、透かし画像の埋め込み処理
を終了する。
【0087】ここで、カラー画像Pに電子透かしである
透かし画像Wを可視状態で埋め込んだ場合の具体例につ
いて説明する。
【0088】この具体例では、対象となるカラー画像P
として、図5(a)に示すポートレート画像と、図5
(b)に示すカフェテリア画像を用いた。これらの画像
は日本規格協会から発行されているカラーデジタル標準
画像データを縮小したもので、大きさが320×256
画素、RGB成分が各々8ビットの画像である。一方、
埋め込むべき電子透かしである透かし画像Wとしては、
図6に示すロゴマーク画像を用いた。
【0089】図6に示す可視用のロゴマーク画像を、図
5(a)に示すポートレート画像に埋め込む際には、黒
色系表示を採用するために、明るさ係数zを0.7に設
定すると共に、透かし係数xを0.1に設定するように
した。しかし、図5(b)に示すカフェテリア画像に埋
め込む際には、ポートレート画像の場合とロゴマークの
明るさを変えて、よりはっきりとロゴマークを認識でき
るようにするために、明るさ係数zを0.4に設定し
た。なお、透かし係数xは同じ0.1に設定した。
【0090】このような埋め込みの結果、各署名済み画
像は図7(a),(b)に示すように表される。図7
(a)と(b)を比較すれば明らかなように、可視用の
ロゴマークは、明るさ係数zの値によって、異なる輝度
で表示させることが可能である。
【0091】以上のようにして、署名済み画像、即ち、
電子透かしが可視状態で埋め込まれた画像が得られた
ら、次に、サーバコンピュータ100のCPU102
は、その画像の存在を、Webページや電子メールなど
の手段を利用して、ネットワーク300を介してクライ
アントコンピュータ200に知らせる(ステップS1
4)。その知らせを受けて、クライアントコンピュータ
200のユーザが、その画像の取得を希望すれば、その
ユーザの指示によって、クライアントコンピュータ20
0のCPU202は、その画像のダウンロードをサーバ
コンピュータ100に対して要求する(ステップS1
6)。
【0092】サーバコンピュータ100では、その要求
を受け取ると、画像データ送信部104bが、電子透か
しが可視状態で埋め込まれた画像データをハードディス
ク110から読み出して、通信装置120からネットワ
ーク300を介してクライアントコンピュータ200に
送信する(ステップS18)。クライアントコンピュー
タ200では、画像データ受信部204aが、サーバコ
ンピュータ100から送信された画像のデータを通信装
置220を介して受信し、ハードディスク210に格納
する(ステップS20)。
【0093】その後、クライアントコンピュータ200
のユーザが、その画像の表示を指示すると、クライアン
トコンピュータ200のCPU202は、その画像デー
タをハードディスク210から読み出して表示装置21
2に表示させる。ユーザは、これにより、画像の内容は
十分把握できるものの、このとき表示される画像には、
電子透かしが可視状態で埋め込まれているため、図7
(a),(b)に示したとおり、電子透かしが画像の邪
魔になり、このまま、この画像を利用するのには不都合
となっている。すなわち、この状態では、この画像は、
ユーザに対してサンプル用として提供されていることに
なる。
【0094】従って、ユーザが、この画像を気に入っ
て、この画像を不都合なく利用することを希望する場合
には、可視状態で埋め込まれている電子透かしを見えな
くするために、この画像を購入する必要がある。
【0095】そこで、ユーザが、この画像の購入を決定
し、その旨をクライアントコンピュータ200に指示す
ると、クライアントコンピュータ200は、画像購入の
指示をネットワーク300を介して課金管理コンピュー
タ350に送る(ステップS22)。課金管理コンピュ
ータ350では、その指示を受け取ると、内部にある課
金管理情報にアクセスして、クライアントコンピュータ
200のユーザを特定し、そのユーザに対して、画像購
入に対する課金を行う(ステップS24)。
【0096】なお、このとき、そのユーザが新規ユーザ
である場合には、課金管理コンピュータ350は、課金
処理に先立って、クライアントコンピュータ600に対
しユーザ登録手続を行うべき旨を指示する。そして、課
金管理コンピュータ350は、クライアントコンピュー
タ600のユーザによりユーザ登録手続が行われたこと
を確認したならば、その後、上記した課金処理を行う。
【0097】そして、課金管理コンピュータ350は、
そのユーザに対する課金完了の情報をネットワーク30
0を介してサーバコンピュータ100に送る(ステップ
S26)。サーバコンピュータ100では、その情報を
受け取ると、クライアントコンピュータ200のユーザ
が、配信した画像を購入したことを認識する。
【0098】ところで、可視状態で埋め込んだ電子透か
しを見えなくする場合、電子透かしを画像データから除
去してしまう方法と、電子透かしを画像データ内に留め
たまま、視覚では認識し難い状態、即ち、不可視状態に
変更する方法と、が考えられる。前者の方法による場合
には、画像データから電子透かしが完全になくなるの
で、その画像が不正利用された場合に、その発見や追跡
が困難になってしまう。従って、後者の方法を採った方
が、不正利用防止の観点からも望ましい。
【0099】よって、本実施例では、可視状態で埋め込
まれた電子透かしを不可視状態に変更する後者の方法に
ついて、まず説明する。
【0100】そこで、まず、サーバコンピュータ100
では、画像購入を認識したら、状態変更情報送信部10
4cが、可視状態にある電子透かしを不可視状態にする
ための状態変更情報を、ネットワーク300を介してク
ライアントコンピュータ200に送信する(ステップS
28)。
【0101】状態変更情報とは、具体的には、前述のス
テップS125で用いた変換行列Bにおける明るさ係数
zと透かし係数xの各値である。これらの値は、電子透
かしを埋め込んだ者のみが知る秘密鍵であり、この値を
用いることによって、可視状態にある電子透かしを不可
視状態に変更することが可能となる。
【0102】そこで、状態変更情報送信部104cは、
この秘密鍵である状態変更情報を第三者に知られないよ
うにするために、暗号化した上で、クライアントコンピ
ュータ200に送信する。
【0103】なお、状態変更情報の伝送には、サーバコ
ンピュータ100からの電子メールを利用してもよい
し、クライアントコンピュータ200からのダウンロー
ドによって行なうようにしてもよい。
【0104】クライアントコンピュータ200では、状
態変更情報受信部204bが、送信されきた状態変更情
報を受信し、暗号化されているその状態変更情報を復号
化する(ステップS30)。そして、状態変更部204
cが、ハードディスク210から電子透かしの埋め込ま
れている画像データを読み出し、復号化した状態変更情
報に基づいて、その電子透かしを可視状態から不可視状
態に変更する処理を行う(ステップS32)。
【0105】具体的には、状態変更部204cは、図8
に示す状態変更処理の手順に従って、電子透かしの状態
変更を行う。図8は図1の状態変更部204cが行う状
態変更処理の手順を示すフローチャートである。状態変
更部204cは、まず、受信した状態変更情報から、変
換行列Bにおける明るさ係数zと透かし係数xの各値を
特定する処理を行なう(ステップS305)。
【0106】次に、特定した明るさ係数zと透かし係数
xの各値を用いて、変換行列Bの逆行列B-1を生成する
(ステップS310)。
【0107】そして、電子透かしの埋め込まれた画像、
すなわち、署名済み画像Qを特定する処理を行なう(ス
テップS315)。この処理は、ハードディスク210
に記憶された画像ファイルを指定することにより行なわ
れる。
【0108】続いて、画像処理用の変数i,jを初期値
0にセットする(ステップS320,325)。そし
て、その変数i,jについて、署名済み画像Qの画素q
ijが可視のマーク部分の画素であるか否かの判断を行な
う(ステップS330)。
【0109】判断の結果、画素qijが、非マーク部分の
画素である場合には、その画素qijのRGB成分を、そ
のまま、新たな署名済み画像Q’の対応する画素qij’
のRGB成分とする(ステップS340)。
【0110】一方、画素qijが可視のマーク部分の画素
である場合には、その画素qijのRGB成分を、ステッ
プS310で生成した逆行列B-1によって、式(5)に
従って変換して、原画像であるカラー画像Pの対応する
画素pijのRGB成分を得る(ステップS335)。
【0111】
【数5】
【0112】但し、実際には、図3に示した電子透かし
の埋め込み処理において、カラー画像Pにおける画素P
ijのRGB成分を変換行列Bで変換した際に、その変換
結果が整数でない場合には、小数点以下を四捨五入して
整数化しているため、上記したように、ステップS33
5で、署名済み画像Qにおける画素qijのRGB成分
を、変換行列のBの逆行列B-1で変換したとしても、得
られる値は、原画像であるカラー画像Pにおける画素p
ijの元のRGB成分と必ずしも一致しない。即ち、ステ
ップS335の処理では、原画像であるカラー画像Pに
おける画素pijの元のRGB成分の近似値を得ることに
なる。
【0113】次に、得られた画素pijのRGB成分を、
明るさ係数zを1に、透かし係数xはステップS305
で特定した値のまま(即ち、先の埋め込み処理時と同じ
値)に、それぞれ設定した変換行列Bによって、前述し
た式(3)に従って変換し、得られたRGB成分を新た
な署名済み画像Q’の対応する画素qij’のRGB成分
とする(ステップS345)。
【0114】即ち、この場合は、式(6)のように表さ
れる。
【0115】
【数6】
【0116】ここで、B1は、明るさ係数zを1に設定
した変換行列Bを表し、qij1は、変換行列B1で変換し
て得られた画素のRGB成分を表す。具体的に、qij1
のRGB成分は、式(7)に示す如く表される。
【0117】
【数7】
【0118】式(7)の右辺を見ると、第1項では、原
画像であるカラー画像Pにおける画素pijのRGB成分
(実際にはの近似値)がそのまま維持されることにな
り、第2項では、透かし信号である色差信号のみが新た
に加算されることになる。この結果、各画素の輝度成分
はそのまま維持されることになり、透かし信号として透
かし係数xに基づく透かし情報のみが埋め込まれること
になり、よって、透かし情報が不可視状態で埋め込まれ
ることになる。
【0119】つまり、ステップS335及びS345の
処理を経ることによって、可視のマーク部分であった画
素は、不可視状態に変更されて、不可視のマーク部分の
画素になる。
【0120】なお、ステップ345においても、ステッ
プS125の場合と同様に、変換行列Bによって変換し
た結果、得られたRGB成分が整数でない場合には、小
数点以下を四捨五入して整数化する。
【0121】以上のような演算処理を行なった後、変数
i,jを順次インクリメントしつつ(ステップS35
0,S360)、透かし画像Wの全画素について処理が
完了したか否かを判断し(ステップS355,S36
5)、完了するまで、可視状態にある電子透かしを不可
視状態に変更させる上記処理を繰り返す。全画素につい
ての処理が完了すれば、電子透かしの状態変更処理を終
了する。
【0122】その後、クライアントコンピュータ200
のユーザが、画像の表示を指示すると、クライアントコ
ンピュータ200のCPU202は、電子透かしが不可
視状態となった画像データをハードディスク210から
読み出し、表示装置212に表示させる。このとき表示
される画像には、電子透かしが一見すると除去されてお
り、従って、ユーザは、この画像を不都合なく利用する
ことが可能となる。
【0123】ここで、可視状態で埋め込まれた電子透か
しを不可視状態にする場合の具体例について簡単に説明
する。
【0124】図7(a),(b)に示した署名済み画像
について、可視のマーク部分を、図8に示した手順で不
可視状態にした場合、結果としては、図9(a),
(b)に示すような新たな署名済み画像が得られる。図
9を見れば明らかなように、可視状態で表示されていた
マーク部分は不可視状態となって、一見すると、マーク
部分が除去されたかのように見える。そのため、クライ
アントコンピュータ200のユーザは、購入した画像を
不都合なく利用することができる。
【0125】但し、電子透かしは不可視状態になっただ
けで、画像から完全に除去されたわけではないので、仮
に、この画像が不正利用された場合でも、その発見や追
跡を容易に行うことができる。
【0126】即ち、この画像が不正利用されたという疑
いがある時には、図5(a),(b)に示す原画像であ
るカラー画像を用いて、図9(a),(b)に示す署名
済み画像から、不可視状態にあるマーク部分を、所定の
手順で抽出する。具体的には、原画像であるカラー画像
と署名済み画像と差分を、RGB各成分についてとり、
その差分を2値化することによって、マーク部分を抽出
する。抽出の結果としては、図10(a),(b)に示
すようなロゴマーク画像が得られる。図10を見れば明
らかなように、不可視状態で埋め込まれていたロゴマー
ク画像を、痕跡が十分確認できる程度に抽出することが
できる。
【0127】ところで、前述したように、可視状態で埋
め込んだ電子透かしを見えなくする方法としては、電子
透かしを画像データから除去してしまう方法と、電子透
かしを不可視状態に変更する方法と、があり、上記の説
明では、後者の方法を用いる場合について説明したが、
前者の方法を用いる場合には、後者の方法における処理
を次のように変更する。
【0128】即ち、前述した後者の方法では、図8に示
した状態変更処理において、原画像であるカラー画像P
の対応する画素pijのRGB成分を得た(ステップS3
35)後、電子透かしを不可視状態に変更するために、
画素pijのRGB成分を、明るさ係数zを1に、透かし
係数xを特定した値に、それぞれ設定した変換行列Bに
よって変換する(ステップS345)ようにしていた
が、前者の方法では、このステップS345の処理をス
キップするようにすればよい。
【0129】そのようにすれば、原画像であるカラー画
像Pの対応する画素pijのRGB成分が、そのまま、画
像Q’の対応する画素qij’のRGB成分となるので、
電子透かしは画像Q’から完全に除去されることにな
る。
【0130】A−3.第1の実施例の効果:以上説明し
たように、本実施例によれば、サーバコンピュータ10
0からクライアントコンピュータ200に画像データを
配信し、その後は、画像購入を条件として、状態変更情
報を配信するだけで、クライアントコンピュータ200
において、画像に埋め込まれていた電子透かしを見えな
くすることができ、サンプルであった画像を、不都合な
く利用できる画像に容易に変換することができる。従っ
て、サーバ側(配信者側)においては、原画像のデータ
とは別にサンプル用のデータを用意する必要がない。ま
た、クライアント側(視聴者側)においては、同じ画像
のデータを2度ダウンロードする手間をとる必要がな
い。
【0131】また、電子透かしを見えなくするために、
可視状態にある電子透かしを不可視状態に変更する方法
を採った場合は、画像から電子透かしが見えなくなった
後であっても、電子透かしは不可視状態で埋め込まれた
ままとなる。従って、画像が不正利用された場合でも、
埋め込まれている電子透かしを検出することにより、不
正利用の発見や追跡を容易に行うことができる。
【0132】B.第2の実施例: B−1.情報配信システムの構成:図11は本発明の第
2の実施例としての情報配信システムの構成を示す説明
図である。第1の実施例では、電子透かしの埋め込まれ
た画像データと、電子透かしを除去または不可視状態に
変更するための状態変更情報と、を同じサーバコンピュ
ータ100から配信していたが、本実施例では、異なる
サーバコンピュータから配信するようにしている。従っ
て、本実施例の情報配信システムは、画像データの配信
を行うサーバコンピュータ400と、状態変更情報の配
信を行うサーバコンピュータ500と、クライアントコ
ンピュータ200と、課金管理コンピュータ350と、
これらコンピュータが接続されるネットワーク300
と、で構成されている。
【0133】このうち、サーバコンピュータ400及び
500は、基本的には、第1の実施例で述べたサーバコ
ンピュータ100と同様の構成となっているが、メイン
メモリ404,504に格納されるコンピュータプログ
ラムが異なっている。
【0134】即ち、サーバコンピュータ400における
メインメモリ404には、画像データに電子透かしを可
視状態で埋め込む電子透かし埋め込み部404aと、電
子透かしの埋め込まれた画像データを送信する画像デー
タ送信部404bの、各機能を実現するためのコンピュ
ータプログラムが格納されているのに対し、サーバコン
ピュータ500におけるメインメモリ504には、可視
状態にある電子透かしを除去するか不可視状態に変更す
るための状態変更情報を送信する状態変更情報送信部5
04aの機能を実現するためのコンピュータプログラム
が格納されている。従って、それ以外の構成は、概ね、
サーバコンピュータ100と同様であるので、詳しい説
明は省略する。
【0135】B−2.情報配信処理の内容:図11の情
報配信システムが行う情報配信処理は、基本的には、第
1の実施例における情報配信処理と同じであるが、画像
データはサーバコンピュータ400から、状態変更情報
はサーバコンピュータ500から、別々に、クライアン
トコンピュータ200に配信する点が異なっている具体
的に、図2に示したフローチャートに従って説明する
と、まず、サーバコンピュータ400において、電子透
かし埋め込み部404aが、配信すべき対象となる画像
データに、電子透かしを可視状態で埋め込む処理を行う
(ステップS12)。次に、サーバコンピュータ400
のCPU402が、その画像の存在をネットワーク30
0を介してクライアントコンピュータ200に知らせる
(ステップS14)。その知らせに応答して、クライア
ントコンピュータ200のCPU202が、画像のダウ
ンロードをサーバコンピュータ400に対して要求する
(ステップS16)と、サーバコンピュータ400で
は、画像データ送信部404bが、電子透かしが可視状
態で埋め込まれた画像データを、ネットワーク300を
介してクライアントコンピュータ200に送信する(ス
テップS18)。
【0136】その後、クライアントコンピュータ200
のユーザが、画像の購入を決定し、クライアントコンピ
ュータ200と課金管理コンピュータ350との間で課
金処理(ステップS22,S24)が行われると、課金
管理コンピュータ350は、そのユーザに対する課金完
了の情報をネットワーク300を介して、今度は、サー
バコンピュータ500に送る(ステップS26)。サー
バコンピュータ500では、その情報を受け取ると、ク
ライアントコンピュータ200のユーザが画像を購入し
たことを認識し、状態変更情報送信部504aが、可視
状態にある電子透かしを不可視状態にするための状態変
更情報を、ネットワーク300を介してクライアントコ
ンピュータ200に送信する(ステップS28)。この
とき、状態変更情報送信部504aは、秘密鍵である状
態変更情報を暗号化した上で、クライアントコンピュー
タ200に送信する。
【0137】それ以降の処理は、第1の実施例の場合と
同様であるので、説明は省略する。なお、本実施例にお
いては、サーバコンピュータ400において、画像デー
タに対する電子透かしの埋め込みを行っているので、状
態変更情報の元になる、変換行列Bにおける明るさ係数
zと透かし係数xの各値の情報は、当初、サーバコンピ
ュータ400内に存在している。従って、もう一方のサ
ーバコンピュータ500からクライアントコンピュータ
200に状態変更情報を配信するためには、それら状態
変更情報の元になる情報と、それに対応する画像に関す
る情報とを、サーバコンピュータ400からサーバコン
ピュータ500に伝送する必要がある。具体的な伝送方
法としては、それらの情報を暗号化した上で、ネットワ
ーク300を介して伝送するか、または、それらの情報
を専用線を介して直接伝送するかの方法がとられる。サ
ーバコンピュータ500では、そのようにして受け取っ
た状態変更情報や画像に関する情報を対応付けた上で管
理している。
【0138】B−3.第2の実施例の効果:以上説明し
たように、本実施例においても、サーバコンピュータ4
00からクライアントコンピュータ200に画像のデー
タを配信し、その後は、画像購入を条件として、サーバ
コンピュータ500からクライアントコンピュータ20
0に状態変更情報を配信するだけで、クライアントコン
ピュータ200において、画像に埋め込まれていた電子
透かしを見えなくすることができ、サンプルであった画
像を、不都合なく利用できる画像に容易に変換すること
ができる。従って、サーバ側(配信者側)においては、
原画像のデータとは別にサンプル用のデータを用意する
必要もなく、クライアント側(視聴者側)においては、
同じ画像を2度ダウンロードする手間をとる必要がない
という効果を奏することができる。
【0139】また、本実施例においては、サーバコンピ
ュータ400は、画像データを専用に扱って、電子透か
しの埋め込みや画像データの送信のみを担当し、サーバ
コンピュータ500は、状態変更情報のみを扱って、状
態変更情報の管理や送信のみを担当しているので、各々
のサーバコンピュータの負荷が軽くて済む。また、画像
データを扱うサーバコンピュータ400の負荷は、状態
変更情報のみを扱うサーバコンピュータ500に比べて
重くなるので、ネットワーク300上に、画像データを
扱うサーバコンピュータ400を多数用意し、それらか
ら得られる状態変更情報を1台のサーバコンピュータ5
00によって管理するようにしてもよい。
【0140】C.第3の実施例: C−1.情報配信システムの構成:図12は本発明の第
3の実施例としての情報配信システムの構成を示す説明
図である。第1及び第2の実施例では、電子透かしの埋
め込まれた画像データをサーバコンピュータから配信す
るようにしていたが、本実施例では、そのような画像デ
ータをCD−ROMに記録し、そのCD−ROMをクラ
イアントコンピュータ200のユーザに配布するように
している。従って、本実施例の情報配信システムでは、
画像データの配信を行うサーバコンピュータは不要とな
り、状態変更情報の配信を行うサーバコンピュータ50
0と、CD−ROMに記録された画像データの読み取り
が可能であると共に、配信された状態変更情報を受信す
ることが可能なクライアントコンピュータ600と、課
金管理コンピュータ350と、これらコンピュータが接
続されるネットワーク300と、で構成されている。
【0141】このうち、クライアントコンピュータ60
0は、基本的には、第1の実施例で述べたクライアント
コンピュータ200と同様の構成となっているが、メイ
ンメモリ604に格納されるコンピュータプログラムが
異なっている。具体的には、クライアントコンピュータ
600のメインメモリ604には、サーバコンピュータ
500から送信された状態変更情報を受信する状態変更
情報受信部604aと、状態変更情報に基づいて、画像
データに可視状態で埋め込まれている電子透かしを除去
するか不可視状態に変更する状態変更部604bの、各
機能を実現するためのコンピュータプログラムが格納さ
れている。従って、それ以外の構成は、概ね、クライア
ントコンピュータ200と同様であるので、詳しい説明
は省略する。
【0142】C−2.情報配信処理の内容:本実施例で
は、前提として、前述したとおり、画像データはCD−
ROMに記録して、クライアントコンピュータ600の
ユーザに配布される。その画像データには予め電子透か
しが可視状態で埋め込まれている。CD−ROMの配布
の方法としては、そのCD−ROMを書籍などに添付し
て配布するようにしてもよいし、店頭や街頭で直接配布
するようにしてもよい。あるいは、特定のユーザだけに
郵送や宅配便にて配送するようにしてもよい。
【0143】こうして、クライアントコンピュータ60
0のユーザが、画像データの記録されたCD−ROMを
手に入れると、ユーザは、そのCD−ROMをCD−R
OM618と同じようにして、CD−ROMドライブ6
16に装着し、記録された画像データの読み取りと表示
を指示する。すると、クライアントコンピュータ600
のCPU602は、CD−ROMドライブ616によっ
て、その画像データをCD−ROMから読み出して、表
示装置612に表示させる。
【0144】このとき表示される画像には、前述したと
おり、電子透かしが可視状態で埋め込まれているため、
電子透かしが画像の邪魔になって、このままでは、この
画像を利用するのは不都合な状態となっている。すなわ
ち、CD−ROMに記録されている画像は、ユーザに対
してサンプル用として提供されていることになる。
【0145】図13は図12の情報配信システムが行う
情報配信処理の手順を示すフローチャートである。この
処理は、状態変更情報送信部504a、状態変更情報受
信部604a、状態変更部604bなどの処理として実
現されている。
【0146】ユーザが、表示した画像を気に入り、この
画像を不都合なく利用するために、この画像の購入を決
定し、その旨をクライアントコンピュータ600に指示
すると、図13に示す情報配信処理が起動される。ま
ず、クライアントコンピュータ600は、画像購入の指
示をネットワーク300を介して課金管理コンピュータ
350に送る(ステップS42)。課金管理コンピュー
タ350では、課金管理情報にアクセスして、クライア
ントコンピュータ200のユーザを特定し、そのユーザ
に対して画像購入に対する課金を行う(ステップS4
4)。このとき、そのユーザが新規ユーザである場合に
は、課金管理コンピュータ350は、ユーザ登録手続完
了後に、上記した課金処理を行う。
【0147】次に、課金管理コンピュータ350は、そ
のユーザに対する課金完了の情報をネットワーク300
を介してサーバコンピュータ500に送る(ステップS
46)。サーバコンピュータ500では、その情報を受
け取ると、クライアントコンピュータ200のユーザ
が、配布した画像を購入したことを認識する。
【0148】サーバコンピュータ500では、画像購入
を認識したら、状態変更情報送信部504aが、可視状
態にある電子透かしを除去または不可視状態に変更する
ための状態変更情報を、ネットワーク300を介してク
ライアントコンピュータ600に送信する(ステップS
48)。このとき、状態変更情報送信部104cは、秘
密鍵である状態変更情報を暗号化した上で、クライアン
トコンピュータ600に送信する。
【0149】クライアントコンピュータ600では、状
態変更情報受信部604aが、送信された状態変更情報
を受信して復号化し、元の状態変更情報を得る(ステッ
プS50)。その後、状態変更部604bが、CD−R
OMドライブ616によって、電子透かしが埋め込まれ
ている対象となる画像データをCD−ROMから読み出
し、取得した状態変更情報に基づいて、その電子透かし
を可視状態から不可視状態にする処理を行い(ステップ
S52)、それによって得られた画像データをハードデ
ィスク610に格納する。
【0150】以上の手順を踏むことによって、配布され
たCD−ROMに記録された画像データであっても、埋
め込まれている電子透かしを可視状態から不可視状態に
変更して、画像を不都合なく利用できるようにすること
が可能となる。
【0151】なお、本実施例においては、画像データに
予め電子透かしを可視状態で埋め込み、その画像データ
をCD−ROMに記録した上で、ユーザに配布してい
る。従って、画像データに対する電子透かしの埋め込み
は、基本的に、サーバコンピュータ500とは別の場所
で行われている。そのため、状態変更情報の元になる、
変換行列Bにおける明るさ係数zと透かし係数xの各値
の情報を、埋め込み処理の行われている場所から取得し
て、サーバコンピュータ500に入力する必要がある。
入力に当たっては、状態変更情報だけでなく、それに対
応する画像に関する情報も入力する。サーバコンピュー
タ500では、そのようにして入力された状態変更情報
や画像に関する情報を対応付けた上で管理する。
【0152】C−3.第3の実施例の効果:以上説明し
たように、本実施例では、クライアントコンピュータ6
00において、画像データの記録されているCD−RO
Mの配布を受けた場合に、画像購入を条件として、サー
バコンピュータ500からクライアントコンピュータ2
00に状態変更情報の配信を受けるだけで、画像に埋め
込まれていた電子透かしを見えなくすることができ、サ
ンプルであった画像を、不都合なく利用できる画像に容
易に変換することができる。従って、サーバ側(配信者
側)においては、原画像のデータとは別にサンプル用の
データを用意する必要もなく、クライアント側(視聴者
側)においては、原画像を手に入れるために、画像デー
タをダウンロードする手間をとる必要がない。さらにま
た、可視状態にある電子透かしを不可視状態に変更する
方法を採った場合は、画像から電子透かしが見えなくな
った後であっても、電子透かしは不可視状態で埋め込ま
れたままである。よって、その画像が不正利用された場
合でも、その電子透かしを検出することにより、不正利
用の発見や追跡を容易に行うことができる。
【0153】D.第4の実施例: D−1.情報配信システムの構成:図14は本発明の第
4の実施例としての情報配信システムの構成を示す説明
図である。第1の実施例では、サーバコンピュータ10
0から画像データを配信していたが、本実施例では、サ
ーバコンピュータから音声データを配信するようにして
いる。従って、本実施例の情報配信システムは、音声デ
ータなどの種々の情報を配信するサーバコンピュータ7
00と、その音声データなどを受信し、再生することが
可能なクライアントコンピュータ800と、課金管理コ
ンピュータ350と、これらのコンピュータが接続され
るネットワーク300と、で構成されている。
【0154】このうち、サーバコンピュータ700は、
基本的には、第1の実施例で述べたサーバコンピュータ
100と、クライアントコンピュータ800はクライア
ントコンピュータ200と、それぞれ同様の構成となっ
ているが、メインメモリ704,804に格納されるコ
ンピュータプログラムが異なっている。
【0155】即ち、サーバコンピュータ700における
メインメモリ704には、対象となる音声データに電子
透かしを可聴状態で埋め込む電子透かし埋め込み部70
4aと、電子透かしの埋め込まれた音声データを送信す
る音声データ送信部704bと、可聴状態にある電子透
かしを除去するか不可聴状態にするための状態変更情報
を送信する状態変更情報送信部704cの、各機能を実
現するためのコンピュータプログラムが格納されてい
る。電子透かし埋め込み部704a、音声データ送信部
704b及び状態変更情報送信部704cの機能につい
ては後で詳しく説明する。
【0156】一方、クライアントコンピュータ800に
おけるメインメモリ804には、サーバコンピュータか
ら送信された音声データを受信する音声データ受信部8
04aと、サーバコンピュータから送信された状態変更
情報を受信する状態変更情報受信部804bと、音声デ
ータに可聴状態で埋め込まれている電子透かしを、状態
変更情報に基づいて除去するか不可聴状態に変更する状
態変更部804cの、各機能を実現するためのコンピュ
ータプログラムが格納されている。音声データ受信部8
04a、状態変更情報受信部804b及び状態変更部8
04cの機能については後で詳しく説明する。
【0157】このように、本実施例においては、対象と
なるデータが音声データであるので、それに埋め込まれ
る電子透かしは、知覚可能な状態において、聴覚によっ
て認識できる情報である。例えば、音や、人などの声
や、楽曲などの他、雑音などが含まれる。なお、本明細
書において、電子透かしが可聴状態にあるとは、聴覚に
よって認識できる状態にあることを言い、不可聴状態に
あるとは、聴覚による認識が困難である状態を言う。
【0158】D−2.情報配信処理の内容:図15は図
14の情報配信システムが行う情報配信処理の手順を示
すフローチャートである。この処理は、電子透かし埋め
込み部704a、音声データ送信部704b、状態変更
情報送信部704c、音声データ受信部804a、状態
変更情報受信部804b、状態変更部804cなどの処
理として実現されている。
【0159】ところで、上述した第1の実施例では、画
像データに電子透かしを埋め込むために、変換行列Bを
利用していたが、本実施例では、音声データに電子透か
しを埋め込むために、離散コサイン変換(DCT変換)
を利用するようにしている。ここで、DCT変換につい
て簡単に説明する。
【0160】DCT変換は、信号を周波数成分に変換す
る直交変換の一手法である。離散コサイン変換(DCT
変換)及び逆変換(IDCT変換)は、以下の式(8)
〜(10)で表される。
【0161】
【数8】
【0162】
【数9】
【0163】
【数10】
【0164】ここで、g(n)は入力データ、G(m)
は変換係数であり、また、変換対象となる入力データブ
ロックのサイズはNである。
【0165】DCT変換は、一般に2次元の画像を対象
として、動画像圧縮の国際標準であるMPEGや静止画
像圧縮の国際標準であるJPEGに使われており、画像
ごとに大きく違う画素値の分布を、画像依存性の少ない
一定の性質をもつ変換係数に変換する性質をもってい
る。DCT変換はこのような性質を有しているので、変
換係数に透かし情報を埋め込むと、これを逆変換して得
られる画像においては、透かし情報が画像全体に拡散す
ることになる。
【0166】従って、このDCT変換を1次元の音声に
適用しても、同様に、変換係数に透かし情報を埋め込
み、これを逆変換して音声を得ると、その音声において
は、透かし情報が音声全体に拡散することになる。
【0167】Nの大きさを有するブロックに対する変換
係数は、1個の直流成分G(0)と、N2−1個の交流
成分とで構成される。また、直流成分の係数値が最大と
なり、それに近い交流成分ほどその係数値は大きくなる
傾向にある。すなわち、画像を形成するエネルギーの大
部分が低周波に集中する。このとき、各ブロックに対す
る変換係数値の分布は、直流成分をピークにもつラプラ
ス分布により近似できる。このような変換係数に、透か
し情報を自然な形で埋め込むためには、このようなラプ
ラス分布を大きく変化させないように透かし情報を埋め
込めばよい。
【0168】ところで、透かし情報をDCT変換すれ
ば、そのエネルギの大部分は低周波に集中し、ラプラス
分布により近似できる分布を有するはずである。そこ
で、原音声の変換係数と、透かし情報の変換係数とにそ
れぞれ所定の比を乗じて加算すれば、自然なかたちで透
かし情報を変換係数に埋め込むことが可能である。ま
た、この変換係数を空間領域に逆変換すると、透かし情
報が音声全体に分散されることになる。従って、周波数
領域と空間領域のいずれにおいても、第三者が、電子透
かしの埋め込まれている音声から電子透かしを不正に除
去することは困難である。
【0169】さて、それでは、図15に戻って、図15
に示す情報配信処理が起動されると、まず、サーバコン
ピュータ700において、電子透かし埋め込み部704
aが、配信すべき対象となる音声データに、電子透かし
を可聴状態で埋め込む処理を行う(ステップS62)。
【0170】具体的には、電子透かし埋め込み部704
aは、図16に示す埋め込み処理の手順に従って、電子
透かしの埋め込みを行う。図16は図1の電子透かし埋
め込み部104aが行う埋め込み処理の手順を示す説明
図である。電子透かし埋め込み部104aは、まず、電
子透かしを埋め込むべき対象となる音声(原音声)S
と、埋め込むべき電子透かしである透かし音声Tと、を
特定する処理を行なう。これらの処理は、ハードディス
ク710に記憶された音声ファイルを指定することによ
り行なわれる。
【0171】なお、以下の議論のために、原音声Sに電
子透かしである透かし音声Tを埋め込んだ後の音声(以
下、署名済み音声と呼ぶ)をUとする。
【0172】両音声S,Tを用意した後、次に、原音声
SをDCT変換することによって、第1のDCT変換係
数Xsを得る。また、透かし音声Tを同様にDCT変換
することによって、第2のDCT変換係数Xtを得る。
【0173】次に、式(11)に従って、第1と第2の
DCT変換係数の対応する周波数成分同士を合成し、第
3のDCT変換係数Xuを生成する。
【0174】
【数11】
【0175】すなわち、対応する各周波数成分ごとに、
第1のDCT係数Xsに重み係数a/nを乗じ、第2の
DCT係数Xtに重み係数b/mを乗じて加算(または
減算)することによって、第3のDCT変換係数Xuが
生成される。なお、2つの重み係数a/n,b/mは、
それぞれ0でない任意の値である。2つの重み係数a/
n,b/mは、有理数であること(すなわち、a,b,
n,mが整数であること)が好ましく、また、その和を
1に設定することが好ましい。これらの2つの重み係数
a/n,b/mは、原音声Sと透かし音声TのDCT係
数を合成する際の相対比を表すものと考えることも可能
である。
【0176】第3のDCT係数Xuには透かし情報が含
まれているので、「透かし付きDCT係数」とも呼ぶ。
この透かし付きDCT係数Xuを逆変換(IDCT)す
ると、署名済み音声Uが得られる。すなわち、この署名
済み音声Uは、原音声Sに電子透かしである透かし音声
Tが可聴状態で埋め込まれた音声である。従って、この
署名済み音声Uのデータを再生すると、原音声Sと共
に、透かし音声Tが重なり合って聞こえてくる。
【0177】以上のようにして、署名済み音声、即ち、
電子透かしが可聴状態で埋め込まれた音声が得られた
ら、次に、サーバコンピュータ700のCPU702
は、その音声の存在をWebページや電子メールなどに
よりネットワーク300を介してクライアントコンピュ
ータ800に知らせる(ステップS64)。その知らせ
を受けて、クライアントコンピュータ800のユーザ
が、その音声のダウンロードを希望すれば、そのユーザ
の指示によって、クライアントコンピュータ800のC
PU802は、その音声のダウンロードをサーバコンピ
ュータ700に対して要求する(ステップS66)。
【0178】サーバコンピュータ700では、その要求
を受け取ると、音声データ送信部704bが、電子透か
しが可聴状態で埋め込まれた音声データをハードディス
ク710から読み出して、ネットワーク300を介して
クライアントコンピュータ800に送信する(ステップ
S68)。クライアントコンピュータ800では、音声
データ受信部804aが、サーバコンピュータ700か
ら送信された音声データを受信して、ハードディスク8
10に格納する(ステップS70)。
【0179】それから、クライアントコンピュータ80
0のユーザが、その音声の再生を指示すると、クライア
ントコンピュータ800のCPU802は、その音声デ
ータをハードディスク810から読み出して、音声出力
装置814で出力させる。このとき、再生される音声に
は、電子透かしが可聴状態で埋め込まれているため、前
述したとおり、ユーザには、原音声の他に、透かし音声
が重なり合って聞こえてくる。従って、原音声を聞くた
めには、透かし音声が邪魔になり、この音声を利用する
のには不都合となっている。つまり、この状態では、こ
の音声は、ユーザに対してサンプル用として提供されて
いることになる。
【0180】従って、ユーザが、この音声を気に入った
場合には、可聴状態で埋め込まれている電子透かしを聞
こえなくするために、この音声を購入する必要がある。
【0181】そこで、ユーザが、この音声の購入を決定
し、その旨をクライアントコンピュータ800に指示す
ると、クライアントコンピュータ800は、音声購入の
指示をネットワーク300を介して課金管理コンピュー
タ350に送り(ステップS72)、課金管理コンピュ
ータ350では、その指示を受け取ると、クライアント
コンピュータ800のユーザを特定し、そのユーザに対
して、音声購入に対する課金を行う(ステップS7
4)。
【0182】そして、課金管理コンピュータ350は、
そのユーザに対する課金完了の情報をネットワーク30
0を介してサーバコンピュータ700に送る(ステップ
S76)。サーバコンピュータ700では、その情報を
受け取ると、クライアントコンピュータ800のユーザ
が、配信した音声を購入したことを認識する。
【0183】ところで、可聴状態で埋め込んだ電子透か
しを聞こえなくする場合、電子透かしを音声データから
除去してしまう方法と、電子透かしを音声データ内に留
めたまま、聴覚では認識し難い状態、即ち、不可聴状態
に変更する方法とが考えられる。前者の方法を用いた場
合には、音声データ内にもはや電子透かしが残らないの
で、その音声が不正利用された場合に、その発見や追跡
が困難になる。よって、後者の方法を採った方が、不正
利用の防止や著作権保護の観点からも望ましい。
【0184】従って、本実施例では、電子透かしを可視
状態から不可視状態に変更する後者の方法について、ま
ず説明する。サーバコンピュータ700では、音声購入
を認識したら、状態変更情報送信部704cが、可聴状
態にある電子透かしを不可聴状態にするための状態変更
情報を、ネットワーク300を介してクライアントコン
ピュータ800に送信する(ステップS78)。
【0185】状態変更情報とは、具体的には、式(1
1)で示した第2のDCT係数Xtと、重み係数b/m
に近似した係数b/m−Δの各値である。これらの値
は、電子透かしを埋め込んだ者のみが知る秘密鍵であ
り、この値を用いることによって、可聴状態にある電子
透かしを不可聴状態に変更することが可能となる。従っ
て、状態変更情報送信部704cは、この状態変更情報
を第三者に知られないようにするために、暗号化した上
で、クライアントコンピュータ800に送信する。
【0186】なお、状態変更情報の伝送には、サーバコ
ンピュータ700からの電子メールを利用してもよい
し、クライアントコンピュータ800からのダウンロー
ドによって行なうようにしてもよい。
【0187】クライアントコンピュータ800では、状
態変更情報受信部804bが、送信されきた状態変更情
報を受信し、暗号化されているその状態変更情報を復号
化する(ステップS80)。そして、状態変更部804
cが、ハードディスク810から電子透かしの埋め込ま
れている音声データを読み出し、復号化した状態変更情
報に基づいて、その電子透かしを可聴状態から不可聴状
態に変更する処理を行う(ステップS82)。
【0188】具体的には、状態変更部804cは、図1
7に示す状態変更処理の手順に従って、電子透かしの状
態変更を行う。図17は図14の状態変更部804cが
行う状態変更処理の手順を示す説明図である。状態変更
部804cは、まず、受信した状態変更情報から、第2
のDCT係数Xtと、重み係数b/mに近似した係数b
/m−Δの各値を特定すると共に、電子透かしの埋め込
まれた音声、すなわち、署名済み音声Uを特定する。署
名済み音声Uの特定は、ハードディスク810に記憶さ
れた音声ファイルを指定することにより行なわれる。
【0189】次に、状態変更部804cは、特定された
署名済み音声UをDCT変換することによって、第3の
DCT変換係数Xuを得る。そして、その第3のDCT
変換係数Xuに対して、先に特定した第2のDCT係数
Xtと係数b/m−Δの各値を用いて、式(12)に示
す演算を行って、第4のDCT係数Xu’を得る。
【0190】
【数12】
【0191】この演算によって、第4のDCT係数X
u’には、第3のDCT変換係数Xuに含まれていた透
かし情報分±(b/m)Xtは取り除かれるものの、新
たにごく少量の±ΔXt分の透かし情報が含まれるよう
になる。従って、この第4のDCT係数Xu’を逆変換
(IDCT)して、署名済み音声U’を生成すると、そ
の署名済み音声U’には透かし音声Tがごく少量しか埋
め込まれていないので、この署名済み音声U’のデータ
を再生しても、ほとんど原音声Sしか聞こえてこず、透
かし音声Tを聴覚によって認識することは困難である。
すなわち、この署名済み音声U’は、原音声Sに電子透
かしである透かし音声Tが不可聴状態で埋め込まれた音
声となる。
【0192】こうして、可聴状態にある電子透かしを不
可聴状態に変更させる状態変更処理が終了すると、その
後、クライアントコンピュータ800のユーザが、音声
の再生を指示した場合、クライアントコンピュータ80
0のCPU802は、電子透かしが不可聴状態となった
音声データをハードディスク810から読み出し、音声
出力装置814に出力させる。このとき再生される音声
を聞くと、電子透かしがあたかも除去されたように聞こ
え、従って、ユーザは、この音声を不都合なく利用する
ことが可能となる。
【0193】但し、電子透かしは不可聴状態になっただ
けで、音声から完全に除去されたわけではないので、仮
に、この音声が不正利用された場合でも、その発見や追
跡を容易に行うことができる。
【0194】即ち、この音声が不正利用されたという疑
いがある時には、原音声Sを用いて、この原音声Sと署
名済み音声U’との差分をとることにより、不可聴状態
で埋め込まれていた電子透かし、即ち、透かし音声T
を、痕跡が十分確認できる程度に抽出することができ
る。
【0195】ところで、前述したように、可聴状態で埋
め込んだ電子透かしを聞こえなくする方法としては、電
子透かしを音声データから除去してしまう方法と、電子
透かしを不可聴状態に変更する方法と、があり、上記の
説明では、後者の方法を用いる場合について説明した
が、前者の方法を用いる場合には、状態変更情報とし
て、式(11)で示した第2のDCT係数Xtと重み係
数b/mを得ると共に、状態変更処理として、次のよう
な処理を行うようにする。
【0196】具体的には、状態変更部804cは、図1
8に示す状態変更処理の手順に従って、電子透かしの状
態変更を行う。図18は図14の状態変更部804cが
行う他の状態変更処理の手順を示す説明図である。状態
変更部804cは、まず、受信した状態変更情報から、
第2のDCT係数Xtと重み係数b/mの各値を特定す
ると共に、ハードディスク810に記憶された音声ファ
イルから、電子透かしの埋め込まれた音声、すなわち、
署名済み音声Uを特定する。
【0197】次に、状態変更部804cは、特定された
署名済み音声UをDCT変換することによって、第3の
DCT変換係数Xuを得て、さらに、その第3のDCT
変換係数Xuに対して、第2のDCT係数Xtと係数b
/mの各値を用いて、式(13)に示す演算を行って、
第5のDCT係数Xs’を得る。
【0198】
【数13】
【0199】この演算によって、第5のDCT係数X
u’では、第3のDCT変換係数Xuに含まれていた透
かし情報分±(b/m)Xtが完全に取り除かれる。従
って、この第5のDCT係数Xs’を逆変換(IDC
T)して、音声S’を生成すると、その音声S’には透
かし音声Tが全く埋め込まれていないので、この音声を
S’のデータを再生すると、原音声Sしか聞こえない。
この音声S’は、可聴状態で埋め込まれていた電子透か
しが完全に除去された音声となる。
【0200】D−3.第4の実施例の効果:以上説明し
たように、本実施例によれば、サーバコンピュータ70
0からクライアントコンピュータ800に音声データを
配信し、その後に、音声購入を条件として、状態変更情
報を配信するだけで、クライアントコンピュータ800
において、音声に可聴状態で埋め込まれていた電子透か
しを聞こえなくすることができ、サンプルであった音声
を、不都合なく利用できる音声に容易に変換することが
できる。従って、サーバ側(配信者側)においては、原
音声のデータとは別にサンプル用のデータを用意する必
要がない。また、クライアント側(視聴者側)において
は、同じ音声のデータを2度ダウンロードする手間をと
る必要がない。
【0201】また、電子透かしを聞こえなくするため
に、可聴状態にある電子透かしを不可聴状態に変更する
方法を採った場合は、音声から電子透かしが聞こえなく
なった後であっても、電子透かしは不可聴状態で埋め込
まれたままとなるので、その後、その音声が不正利用さ
れた場合でも、埋め込まれている電子透かしを検出する
ことにより、不正利用の発見や追跡を容易に行うことが
できる。
【0202】E.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0203】E−1.変形例1:上記した第4の実施例
においては、音声データを対象とし、サーバコンピュー
タ700からは、電子透かしの埋め込まれた音声データ
と、電子透かしを除去または不可聴状態に変更するため
の状態変更情報と、を配信するようにしていた。しかし
ながら、音声データを対象とする場合、この実施例に限
定されるものではなく、画像データを対象とした場合に
おける第2の実施例と同様に、電子透かしの埋め込まれ
た音声データと、電子透かしを除去または不可視状態に
変更するための状態変更情報と、を異なるサーバコンピ
ュータから配信するようにしてもよく、また、第3の実
施例と同様に、電子透かしの埋め込まれた音声データを
CD−ROMに記録し、そのCD−ROMをクライアン
トコンピュータのユーザに配布するようにしてもよい。
【0204】E−2.変形例2:上記した第1の実施例
においては、電子透かしとなる透かし画像として、図6
に示したようなロゴマーク画像を用いる場合を例として
説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0205】例えば、電子透かしとなる透かし画像や透
かし音声として、商品やサービス、会社や店舗などに関
する広告・宣伝を載せた画像や音声を用いるようにすれ
ば、新たな効果が期待できる。すなわち、画像データや
音声データの提供者が、スポンサをとって、そのスポン
サに関する広告・宣伝を載せた画像や音声を、それら画
像データや音声データに知覚可能な状態で埋め込んで、
視聴者に配信または配布することにより、それら画像デ
ータや音声データ自体が新たな広告・宣伝媒体となり得
る。また、スポンサから提供者に広告・宣伝費が支払わ
れることにより、電子透かしを除去または知覚困難な状
態にするための状態変更情報を視聴者に対して無料で配
信することも可能となる。
【0206】E−3.変形例3:上記した第1の実施例
においては、電子透かしの埋め込みの対象となる画像と
して、また、電子透かしとなる透かし画像として、図5
及び図6に示したように、何れも、静止画像を用いる場
合を例として説明したが、本発明は、対象画像,透かし
画像の何れも、静止画像に限らず、動画像を用いるよう
にしてもよい。
【0207】また、上記した説明では、対象データとし
て画像データを用いる実施例(即ち、第1ないし第3の
実施例)と、音声データを用いる実施例(即ち、第4の
実施例)と、を分けて説明したが、対象データとして、
例えば、映画などのような画像データ,音声データを共
に用いる場合についても、本発明は、当然に適用可能で
ある。
【0208】E−4.変形例4:上記した第1の実施例
においては、画像データに電子透かしを式(2)に示し
た変換行列Bを利用して埋め込むようにしたが、画像デ
ータに対する電子透かしの埋め込み方法は、これに限定
されるものではなく、種々の方法を用いることができ
る。
【0209】例えば、本願の出願人によって既に出願さ
れている特願平11−170816号に記載されている
ように、RGB表色系の画像データを式(14)に示す
変換行列Aを用いてYCbCr表色系の画像データに変
換する際に、式(15)に示す変換行列Xを用いて透か
し画像を埋め込み、式(14)に示す逆変換行列A-1
用いて逆変換することによって、署名済み画像を得るよ
うにしてもよい。
【0210】
【数14】
【0211】
【数15】
【0212】但し、xは、前述した透かし係数である。
【0213】また、同じく、本願の出願人によって既に
出願されている特願平11−296648号に記載され
ているように、画像データを、4つの画素ずつ、式(1
6)に示す変換行列Cを用いて変換することにより、画
像データに電子透かしを埋め込むようにしてもよい。
【0214】
【数16】
【0215】但し、dは各画素の輝度成分に影響を与え
る明るさ係数であり、b1,b2,b3は透かし情報を
生成するための透かし係数である。
【0216】また、上記した第4の実施例では、音声デ
ータに電子透かしを埋め込むために、DCT変換を利用
したが、画像データに電子透かしを埋め込む場合にも、
DCT変換を利用するようにしてもよい。この場合、本
願の出願人によって既に出願されている特願平11−2
96204号に記載されているように、DCT変換とし
て2次元のDCT変換を用いるようにする。
【0217】E−5.変形例5:上記した実施例におい
ては、サーバコンピュータがクライアントコンピュータ
に対して、状態変更情報を配信する条件として、課金管
理コンピュータ350が課金処理を行い、サーバコンピ
ュータが、課金管理コンピュータ350からの課金完了
の情報を受け取って、クライアントコンピュータのユー
ザが配信または配布した画像や音声を購入したことを認
識するという条件を用いているが、本発明はこれに限定
されるものではなく、種々の条件を用いることができ
る。
【0218】例えば、クライアントコンピュータからサ
ーバコンピュータに対して、ユーザIDと所定のパスワ
ードが送信されたことを条件としてもよいし、クライア
ントコンピュータのユーザがサーバコンピュータの管理
者に対し、電話やファックスなどによって、購入の意志
を示したことを条件としてもよい。
【0219】E−6.変形例6:上記した第3の実施例
では、電子透かしの埋め込まれた画像データをCD−R
OMに記録して配布するようにしたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、電子透かしの埋め込まれた画
像データや音声データを、フレキシブルディスクや、ハ
ードディスクや、DVD−ROMや、光磁気ディスク
や、ICカードや、ROMカートリッジや、磁気テープ
カセットなどに記録して配布するようにしてもよい。
【0220】E−7.変形例7:上記した第4の実施例
においては、第3のDCT変換係数Xuを生成する際
に、式(11)に従って、第1と第2のDCT変換係数
の対応する周波数成分同士を合成するようにしていた
が、このように対応する周波数同士で合成させる必要は
必ずしもなく、異なる周波数同士で合成させるようにし
てもよい。その場合には、配信される状態変更情報に、
どの周波数同士を合成させたかの情報を含ませる必要が
ある。また、上記した第4の実施例においては、DCT
変換を用いるようにしていたが、FFTやウェーブレッ
ト変換など、他の種類の直交変換を採用することも可能
である。
【0221】E−8.変形例8:上記した第1の実施例
では、サーバコンピュータ100において、第2の実施
例では、サーバコンピュータ400において、第4の実
施例では、サーバコンピュータ700において、それぞ
れ、画像データまたは音声データに電子透かしを埋め込
むようにしていたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、電子透かしの埋め込みは、上記サーバコンピュ
ータ以外のところで行ってもよい。すなわち、上記サー
バコンピュータは、そのような電子透かしの埋め込まれ
た画像データや音声データを格納し、クライアントコン
ピュータに対して配信することが可能であればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての情報配信システ
ムの構成を示す説明図である。
【図2】図1の情報配信システムが行う情報配信処理の
手順を示すフローチャートである。
【図3】図1の電子透かし埋め込み部104aが行う埋
め込み処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】埋め込みの対象となるカラー画像Pにおける画
素PijのRGB成分を説明するための説明図である。
【図5】埋め込み対象となるカラー画像Pの一例を示す
説明図である。
【図6】埋め込むべき透かし画像Wの一例を示す説明図
である。
【図7】図5のカラー画像Pに図6の透かし画像Wを埋
め込んで得られる署名済み画像の一例を示す説明図であ
る。
【図8】図1の状態変更部204cが行う状態変更処理
の手順を示すフローチャートである。
【図9】図7の署名済み画像について可視のマーク部分
を不可視化して得られる新たな署名済み画像の一例を示
す説明図である。
【図10】図9の署名済み画像から不可視状態にあるマ
ーク部分を抽出して得られるロゴマーク画像の一例を示
す説明図である。
【図11】本発明の第2の実施例としての情報配信シス
テムの構成を示す説明図である。
【図12】本発明の第3の実施例としての情報配信シス
テムの構成を示す説明図である。
【図13】図12の情報配信システムが行う情報配信処
理の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第4の実施例としての情報配信シス
テムの構成を示す説明図である。
【図15】図14の情報配信システムが行う情報配信処
理の手順を示すフローチャートである。
【図16】図1の電子透かし埋め込み部104aが行う
埋め込み処理の手順を示す説明図である。
【図17】図14の状態変更部804cが行う状態変更
処理の手順を示す説明図である。
【図18】図14の状態変更部804cが行う他の状態
変更処理の手順を示す説明図である。
【符号の説明】
100…サーバコンピュータ 102…CPU 104…メインメモリ 104a…電子透かし埋め込み部 104b…画像データ送信部 104c…状態変更情報送信部 106…キーボード 108…マウス 110…ハードディスク 112…表示装置 114…音声出力装置 116,216…CD−ROMドライブ 116…CD−ROMドライブ 118…CD−ROM 120…通信装置 122…バス 200…クライアントコンピュータ 202…CPU 204…メインメモリ 204a…画像データ受信部 204b…状態変更情報受信部 204c…状態変更部 206…キーボード 208…マウス 210…ハードディスク 212…表示装置 214…音声出力装置 216…CD−ROMドライブ 218…CD−ROM 220…通信装置 222…バス 300…ネットワーク 350…課金管理コンピュータ 400…サーバコンピュータ 402…CPU 404…メインメモリ 404a…電子透かし埋め込み部 404b…画像データ送信部 406…キーボード 408…マウス 410…ハードディスク 412…表示装置 414…音声出力装置 416…CD−ROMドライブ 418…CD−ROM 420…通信装置 422…バス 500…サーバコンピュータ 504…メインメモリ 504a…状態変更情報送信部 506…キーボード 508…マウス 510…ハードディスク 512…表示装置 514…音声出力装置 516…CD−ROMドライブ 518…CD−ROM 520…通信装置 522…バス 600…クライアントコンピュータ 602…CPU 604…メインメモリ 604a…状態変更情報受信部 604b…状態変更部 606…キーボード 608…マウス 610…ハードディスク 612…表示装置 614…音声出力装置 616…CD−ROMドライブ 618…CD−ROM 620…通信装置 622…バス 700…サーバコンピュータ 702…CPU 704…メインメモリ 704a…電子透かし埋め込み部 704b…音声データ送信部 704c…状態変更情報送信部 706…キーボード 708…マウス 710…ハードディスク 712…表示装置 714…音声出力装置 716…CD−ROMドライブ 718…CD−ROM 720…通信装置 722…バス 800…クライアントコンピュータ 802…CPU 804…メインメモリ 804a…音声データ受信部 804b…状態変更情報受信部 804c…状態変更部 806…キーボード 808…マウス 810…ハードディスク 812…表示装置 814…音声出力装置 816…CD−ROMドライブ 818…CD−ROM 820…通信装置 822…バス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/387 H04N 7/173 610Z 7/08 G10L 9/00 E 7/081 H04N 7/08 Z 7/167 7/167 Z 7/173 610

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーバコンピュータからクライアントコ
    ンピュータに情報を配信する情報配信システムであっ
    て、 前記サーバコンピュータは、 画像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデータであ
    って、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている
    対象データを、前記クライアントコンピュータに送信す
    るデータ送信部と、 所定の条件が満たされた場合に、前記クライアントコン
    ピュータに、知覚可能な状態にある前記電子透かしを除
    去するかまたは知覚困難な状態にするための状態変更情
    報を送信する状態変更情報送信部と、 を備え、 前記クライアントコンピュータは、 前記サーバコンピュータから送信された前記対象データ
    を受信するデータ受信部と、 前記サーバコンピュータから送信された前記状態変更情
    報を受信する状態変更情報受信部と、 前記対象データに知覚可能な状態で埋め込まれている前
    記電子透かしを、前記状態変更情報に基づいて、除去す
    るかまたは知覚困難な状態に変更する状態変更部と、 を備える情報配信システム。
  2. 【請求項2】 第1及び第2のサーバコンピュータから
    クライアントコンピュータに情報を配信する情報配信シ
    ステムであって、 前記第1のサーバコンピュータは、 画像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデータであ
    って、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている
    対象データを、前記クライアントコンピュータに送信す
    るデータ送信部を備え、 前記第2のサーバコンピュータは、 所定の条件が満たされた場合に、前記クライアントコン
    ピュータに、知覚可能な状態にある前記電子透かしを除
    去するかまたは知覚困難な状態にするための状態変更情
    報を送信する状態変更情報送信部を備え、 前記クライアントコンピュータは、 前記第1のサーバコンピュータから送信された前記対象
    データを受信するデータ受信部と、 前記第2のサーバコンピュータから送信された前記状態
    変更情報を受信する状態変更情報受信部と、 前記対象データに知覚可能な状態で埋め込まれている前
    記電子透かしを、前記状態変更情報に基づいて、除去す
    るかまたは知覚困難な状態に変更する状態変更部と、 を備える情報配信システム。
  3. 【請求項3】 画像及び音声のうちの少なくとも一方を
    表すデータであって、電子透かしが知覚可能な状態で埋
    め込まれている対象データを有するクライアントコンピ
    ュータに、サーバコンピュータから情報を配信する情報
    配信システムであって、 前記サーバコンピュータは、 所定の条件が満たされた場合に、前記クライアントコン
    ピュータに、知覚可能な状態にある前記電子透かしを除
    去するかまたは知覚困難な状態にするための状態変更情
    報を送信する状態変更情報送信部を備え、 前記クライアントコンピュータは、 前記サーバコンピュータから送信された前記状態変更情
    報を受信する状態変更情報受信部と、 前記対象データに知覚可能な状態で埋め込まれている前
    記電子透かしを、前記状態変更情報に基づいて、除去す
    るかまたは知覚困難な状態に変更する状態変更部と、 を備える情報配信システム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の情報配信システムにお
    いて、 前記クライアントコンピュータの有する前記対象データ
    は、前記クライアントコンピュータによって読み取り可
    能な記録媒体に記録されていることを特徴とする情報配
    信システム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のうちの任意の
    1つに記載の情報配信システムにおいて、 前記電子透かしは、広告情報及び宣伝情報の少なくとも
    一方を含んでいることを特徴とする情報配信システム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のうちの任意の
    1つに記載の情報配信システムにおいて、 前記所定の条件は、前記サーバコンピュータにおいて、
    前記クライアントコンピュータのユーザにより前記対象
    データの表す画像もしくは音声が購入されたことが認識
    されたという条件であることを特徴とする情報配信シス
    テム。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のうちの任意の
    1つに記載の情報配信システムにおいて、 前記状態変更情報送信部は、前記状態変更情報を暗号化
    して送信すると共に、 前記状態変更情報受信部は、暗号化された前記状態変更
    情報を受信して復号化することを特徴とする情報配信シ
    ステム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のうちの任意の
    1つに記載の情報配信システムにおいて、 前記対象データが少なくとも画像を表す場合、前記電子
    透かしは、該電子透かしが知覚可能な状態にある場合に
    視覚で認識できる情報であり、前記電子透かしが知覚困
    難な状態にある場合には、視覚での認識が困難になるこ
    とを特徴とする情報配信システム。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項7のうちの任意の
    1つに記載の情報配信システムにおいて、 前記対象データが少なくとも音声を表す場合、前記電子
    透かしは、該電子透かしが知覚可能な状態にある場合に
    聴覚で認識できる情報であり、前記電子透かしが知覚困
    難な状態にある場合には、聴覚での認識が困難になるこ
    とを特徴とする情報配信システム。
  10. 【請求項10】 クライアントコンピュータに情報を配
    信するサーバコンピュータであって、 画像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデータであ
    って、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている
    対象データを、前記クライアントコンピュータに送信す
    るデータ送信部と、 所定の条件が満たされた場合に、前記クライアントコン
    ピュータに、知覚可能な状態にある前記電子透かしを除
    去するかまたは知覚困難な状態にするための状態変更情
    報を送信する状態変更情報送信部と、 を備えるサーバコンピュータ。
  11. 【請求項11】 サーバコンピュータから配信された情
    報を受信するクライアントコンピュータであって、 第1のサーバコンピュータから送信された、画像及び音
    声のうちの少なくとも一方を表すデータであって、電子
    透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている対象データ
    を受信するデータ受信部と、 前記第1のサーバコンピュータまたは該第1のサーバコ
    ンピュータとは異なる第2のサーバコンピュータから送
    信された、知覚可能な状態にある前記電子透かしを除去
    するかまたは知覚困難な状態にするための状態変更情報
    を受信する状態変更情報受信部と、 前記対象データに知覚可能な状態で埋め込まれている前
    記電子透かしを、前記状態変更情報に基づいて、除去す
    るかまたは知覚困難な状態に変更する状態変更部と、 を備えるクライアントコンピュータ。
  12. 【請求項12】 クライアントコンピュータに情報を配
    信するサーバコンピュータであって、 画像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデータであ
    って、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている
    対象データを、前記クライアントコンピュータに送信す
    るデータ送信部を備えるサーバコンピュータ。
  13. 【請求項13】 画像及び音声のうちの少なくとも一方
    を表すデータであって、電子透かしが知覚可能な状態で
    埋め込まれている対象データを有するクライアントコン
    ピュータに、情報を配信するサーバコンピュータであっ
    て、 所定の条件が満たされた場合に、前記クライアントコン
    ピュータに、知覚可能な状態にある前記電子透かしを除
    去するかまたは知覚困難な状態にするための状態変更情
    報を送信する状態変更情報送信部を備えるサーバコンピ
    ュータ。
  14. 【請求項14】 画像及び音声のうちの少なくとも一方
    を表すデータであって、電子透かしが知覚可能な状態で
    埋め込まれている対象データを有すると共に、サーバコ
    ンピュータから配信された情報を受信するクライアント
    コンピュータであって、 前記サーバコンピュータから送信された、知覚可能な状
    態にある前記電子透かしを除去するかまたは知覚困難な
    状態にするための状態変更情報を受信する状態変更情報
    受信部と、 前記状態変更情報に基づいて、記対象データに埋め込ま
    れている前記電子透かしを知覚可能な状態から知覚困難
    な状態に変更する状態変更部と、 を備えるクライアントコンピュータ。
  15. 【請求項15】 サーバコンピュータからクライアント
    コンピュータに情報を配信する情報配信方法であって、 (a)第1のサーバコンピュータから前記クライアント
    コンピュータに、画像及び音声のうちの少なくとも一方
    を表すデータであって、電子透かしが知覚可能な状態で
    埋め込まれている対象データを伝送する工程と、 (b)所定の条件が満たされた場合に、前記第1のサー
    バコンピュータまたは該第1のサーバコンピュータとは
    異なる第2のサーバコンピュータから前記クライアント
    コンピュータに、知覚可能な状態にある前記電子透かし
    を除去するかまたは知覚困難な状態にするための状態変
    更情報を伝送する工程と、 (c)前記クライアントコンピュータにおいて、前記対
    象データに知覚可能な状態で埋め込まれている前記電子
    透かしを、前記状態変更情報に基づいて、除去するかま
    たは知覚困難な状態に変更する工程と、 を備える情報配信方法。
  16. 【請求項16】 画像及び音声のうちの少なくとも一方
    を表すデータであって、電子透かしが知覚可能な状態で
    埋め込まれている対象データを有するクライアントコン
    ピュータに、サーバコンピュータから情報を配信する情
    報配信方法であって、 (a)所定の条件が満たされた場合に、前記サーバコン
    ピュータから前記クライアントコンピュータに、知覚可
    能な状態にある前記電子透かしを除去するかまたは知覚
    困難な状態にするための状態変更情報を伝送する工程
    と、 (b)前記クライアントコンピュータにおいて、前記対
    象データに知覚可能な状態で埋め込まれている前記電子
    透かしを、前記状態変更情報に基づいて、除去するかま
    たは知覚困難な状態に変更する工程と、 を備える情報配信方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の情報配信方法にお
    いて、 前記クライアントコンピュータの有する前記対象データ
    は、前記クライアントコンピュータによって読み取り可
    能な記録媒体に記録されていることを特徴とする情報配
    信方法。
  18. 【請求項18】 請求項15ないし請求項17のうちの
    任意の1つに記載の情報配信方法において、 前記電子透かしは、広告情報及び宣伝情報の少なくとも
    一方を含んでいることを特徴とする情報配信システム。
  19. 【請求項19】 請求項15ないし請求項18のうちの
    任意の1つに記載の情報配信方法において、 前記所定の条件は、前記サーバコンピュータにおいて、
    前記クライアントコンピュータのユーザにより前記対象
    データの表す画像もしくは音声が購入されたことが認識
    されたという条件であることを特徴とする情報配信方
    法。
  20. 【請求項20】 請求項15ないし請求項19のうちの
    任意の1つに記載の情報配信方法において、 前記工程(a)は、 前記サーバコンピュータにおいて、前記状態変更情報を
    暗号化して送信する工程と、 前記クライアントコンピュータにおいて、暗号化された
    前記状態変更情報を受信して復号化する工程と、 を備える情報配信方法。
  21. 【請求項21】 請求項15ないし請求項20のうちの
    任意の1つに記載の情報配信方法において、 前記対象データが少なくとも画像を表す場合、前記電子
    透かしは、該電子透かしが知覚可能な状態にある場合に
    視覚で認識できる情報であり、前記電子透かしが知覚困
    難な状態にある場合に、視覚での認識が困難になること
    を特徴とする情報配信方法。
  22. 【請求項22】 請求項15ないし請求項20のうちの
    任意の1つに記載の情報配信方法において、 前記対象データが少なくとも音声を表す場合、前記電子
    透かしは、該電子透かしが知覚可能な状態にある場合に
    聴覚で認識できる情報であり、前記電子透かしが知覚困
    難な状態にある場合に、聴覚での認識が困難になること
    を特徴とする情報配信方法。
  23. 【請求項23】 クライアントコンピュータに情報を配
    信するためのコンピュータプログラムを記録したコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体であって、 画像及び音声のうちの少なくとも一方を表すデータであ
    って、電子透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている
    対象データを、前記クライアントコンピュータに送信す
    る機能と、 所定の条件が満たされた場合に、前記クライアントコン
    ピュータに、知覚可能な状態にある前記電子透かしを除
    去するかまたは知覚困難な状態にするための状態変更情
    報を送信する機能と、 をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログ
    ラムを記録した記録媒体。
  24. 【請求項24】 サーバコンピュータから配信された情
    報を受信するためのコンピュータプログラムを記録した
    コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、 第1のサーバコンピュータから送信された、画像及び音
    声のうちの少なくとも一方を表すデータであって、電子
    透かしが知覚可能な状態で埋め込まれている対象データ
    を受信する機能と、 第1のサーバコンピュータまたは該第1のサーバコンピ
    ュータとは異なる第2のサーバコンピュータから送信さ
    れた、知覚可能な状態にある前記電子透かしを除去する
    かまたは知覚困難な状態にするための状態変更情報を受
    信する機能と、 前記対象データに知覚可能な状態で埋め込まれている前
    記電子透かしを、前記状態変更情報に基づいて、除去す
    るかまたは知覚困難な状態に変更する機能と、 をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログ
    ラムを記録した記録媒体。
  25. 【請求項25】 画像及び音声のうちの少なくとも一方
    を表すデータであって、電子透かしが知覚可能な状態で
    埋め込まれている対象データを有するクライアントコン
    ピュータに、情報を配信するためのコンピュータプログ
    ラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体で
    あって、 所定の条件が満たされた場合に、前記クライアントコン
    ピュータに、知覚可能な状態にある前記電子透かしを除
    去するかまたは知覚困難な状態にするための状態変更情
    報を送信する機能をコンピュータに実現させるためのコ
    ンピュータプログラムを記録した記録媒体。
  26. 【請求項26】 画像及び音声のうちの少なくとも一方
    を表すデータであって、電子透かしが知覚可能な状態で
    埋め込まれている対象データを有するクライアントコン
    ピュータによって、サーバコンピュータから配信された
    情報を受信するためのコンピュータプログラムを記録し
    たコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、 前記サーバコンピュータから送信された、知覚可能な状
    態にある前記電子透かしを除去するかまたは知覚困難な
    状態にするための状態変更情報を受信する機能と、 前記状態変更情報に基づいて、記対象データに埋め込ま
    れている前記電子透かしを知覚可能な状態から知覚困難
    な状態に変更する機能と、 を前記クライアントコンピュータに実現させるためのコ
    ンピュータプログラムを記録した記録媒体。
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