JP2002036135A - 締結工具および該締結工具を用いた締結装置 - Google Patents

締結工具および該締結工具を用いた締結装置

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JP2002036135A
JP2002036135A JP2001146767A JP2001146767A JP2002036135A JP 2002036135 A JP2002036135 A JP 2002036135A JP 2001146767 A JP2001146767 A JP 2001146767A JP 2001146767 A JP2001146767 A JP 2001146767A JP 2002036135 A JP2002036135 A JP 2002036135A
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Japan
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tool shaft
tool
pressing portion
working end
shaft
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JP2001146767A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Koba
博 木葉
Akinori Shiyutou
彬令 周藤
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一軸上に装着された軸長方向に可動な作業
端が、作業時はその工具位置で固定され、かつ、作業端
の切替えは容易に行える締結工具の提供。 【解決手段】 主軸11と、その軸長方向へ可動なソケ
ット12とから構成する。ソケット12に操作筒体26
を装着し、ソケット12および操作筒体26にてボール
23を保持する。操作筒体26内周に設けた第1カム面
27aまたは第2カム面27b、あるいは2つのカム面
境界部に設けた円弧状の第3カム面27cによりボール
23を主軸11の断面六角形の角部に係合する。第1係
合溝17はボール23直径の1/4以上1/2未満が係
合可能な形状とされ、第2係合溝18は、第1係合溝よ
りもボール23の係合深さを小さく設定される。これに
より、ソケット12は強固に固定されると共に、スムー
ズに押圧解除および移動可能状態に移行できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、インパクトレンチなど
の締結工具および締結装置に関し、特にサイズの異なる
ボルト、ナット、ビス、クリップなどの締結部材に対応
して複数サイズの作業端を切替えて使用するタイプの工
具軸および該工具軸を用いて締結を行う締結装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インパクトレンチなどの締結装置
は、一般に、先端にソケットが形成された工具軸をボル
トやナットのサイズに合わせて取付け、締結作業を行う
ように構成されている(例えば、特開平6−39362
号公報参照)。
【0003】このインパクトレンチを、例えば自動車の
製造ライン等の生産現場で使用する場合、締め付けるボ
ルトやナットのサイズに合わせて工具軸を交換して作業
するか、あるいは、予めサイズの異なる工具軸を取り付
けた複数のインパクトレンチを生産現場に備え付けてお
き、インパクトレンチを作業者が持ち替えて作業してい
る。
【0004】しかし、このように工具軸を交換したり、
インパクトレンチを持ち替えたりするすることは、作業
効率の低下を招く。これに対し、例えば、特開平9−1
74447号公報には、先端にビット等を有する断面六
角形の工具軸に、軸長方向に可動なソケットを装着し
て、ビットとソケットを切替えるように構成した技術が
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記技術では、ソケッ
トでの作業時に、ソケットを工具軸から先端側に突出し
た状態で固定するために、ソケットに、ボールと該ボー
ルをビット側に押圧するカムを設け、工具軸に設けた係
合溝に押圧しているが、固定を強固にするために上記係
合溝を深く設定すると、工具切替え時に、押圧を解除し
ても、ボールが係合溝から外れないといった問題点があ
った。さらに、可動するソケットを後退させて、インパ
クトレンチに連結された工具軸にて作業を行う際には、
後退させたソケットがしっかりと固定されず、工具軸の
回転による振動でずれてしまい、作業を妨げてしまうこ
とがあった。特に、工具軸先端を下方に向けての作業時
には、ソケットがずれ落ちて、被締結部材を傷つけてし
まう等の問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点に
鑑み創案されたものであり、その目的は、一つの工具軸
上で複数の作業端を切替えて使用できる締結工具および
該締結工具を用いた締結装置において、軸長方向に可動
な作業端による作業時、該作業端を後退させての作業時
は、上記作業端が、締結装置に連結された工具軸上の所
定位置でしっかりと固定され、かつ、作業端の切替え時
は、上記作業端の固定が簡単に解除され、スムーズに切
替え動作が行えるようにすることである。
【0007】具体的に、本発明の請求項1記載の発明
は、先端に第1作業端を有し、基端を締結装置本体に連
結される断面多角形の第1工具軸と、先端に第2作業端
を有し、上記第1工具軸断面と略同形状断面で、かつ、
軸長方向に延びる内周面を有し、上記第1工具軸外周に
装着され、第1工具軸上を移動可能かつ上記第1作業端
よりも上記第2作業端が軸長方向先端側に位置する所定
の第1固定位置と、上記第1作業端よりも上記第2作業
端が軸長方向基端側に位置する第2固定位置とで上記第
1工具軸に対して固定可能な第2工具軸とから構成され
る締結工具において、上記第2工具軸は、上記第2作業
端よりも基端側に、第2工具軸外周と内周面の断面多角
形角部とを連通する連通穴と、該連通穴に保持されると
共に、上記第2工具軸内周面から第1工具軸側に所定量
突出して上記第2工具軸を上記第1工具軸に係合する係
合部材と、上記第2工具軸外周に装着され、第2工具軸
に対して軸長方向に摺動操作することで第2工具軸の第
1工具軸に対する固定と移動可能状態とが切替え可能
で、かつ、固定および移動可能状態のいずれにおいても
上記連通穴の外周側を覆うような軸長方向長さに設定さ
れた操作筒体とから成り、該操作筒体内周面に、上記係
合部材を第1工具軸側に押圧するよう操作筒体内周面よ
りも第1工具軸側に突出した押圧部を設け、該押圧部
は、軸長方向に平行な第1押圧部と、該第1押圧部と上
記操作筒体内周面とをテーパ状に連通する第2押圧部と
から成り、上記第1工具軸は、上記第1固定位置で上記
係合部材が係合するよう断面多角形角部に設けた第1係
合凹部と、上記第2固定位置で上記係合部材が係合する
よう断面多角形角部に設けた第2係合凹部とを有し、上
記第1係合凹部は、上記係合部材が上記第1押圧部に押
圧されて係合するよう凹部深さが設定されると共に、上
記第2係合凹部は、上記係合部材が上記第2押圧部に押
圧されて係合するよう凹部深さが第1係合凹部よりも所
定量小さく設定されたことを特徴とする。
【0008】本発明の、請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明と併せて、上記第1押圧部と、上記第
2押圧部とを円弧状に連続するよう形成された第3押圧
部を設けたことを特徴とする。
【0009】本発明の、請求項3記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明と併せて、上記第1係合凹部
は、上記係合部材の直径の1/4以上で、かつ1/2よ
りも小さい領域が係合可能な形状に設定されたことを特
徴とする。
【0010】本発明の、請求項4記載の発明は、上記請
求項1から3のいずれか記載の発明と併せて、少なくと
も上記押圧部は、HRC40〜46の硬さに設定された
ことを特徴とする。
【0011】本発明の、請求項5記載の発明は、上記請
求項1から4のいずれか記載の発明と併せて、上記第1
作業端がドライバのビットであり、上記第2作業端がソ
ケットであることを特徴とする。
【0012】本発明の、請求項6記載の発明は、先端に
第1作業端を有し、基端を締結装置本体に連結されると
共に、断面多角形で、軸長方向の所定位置の該断面多角
形の角部に凹部を有する第1工具軸に対し、先端に第2
作業端を有し、上記第1工具軸断面と略同形状断面で、
かつ、軸長方向に延びる内周面を有し、上記第1工具軸
外周に装着され、上記第1工具軸上を移動可能かつ上記
第1作業端よりも上記第2作業端が軸長方向先端側に位
置する所定位置で固定可能な第2工具軸とから構成され
る締結工具において、上記第2工具軸は、上記第2作業
端よりも基端側に、第2作業端外周と内周面の断面多角
形角部とを連通する連通穴と、該連通穴に保持されると
共に、上記第2工具軸内周面から第1工具軸側に所定量
突出して上記第2工具軸を上記第1工具軸の断面多角形
角部に設けた凹部に係合する係合部材と、上記第2工具
軸外周に装着され、第2工具軸に対して軸長方向の一方
側への摺動操作により第2工具軸の第1工具軸に対する
固定と、軸長方向の他方側への摺動操作により第2工具
軸の第1工具軸に対する移動可能状態とが切替え可能
で、かつ、固定および移動可能状態のいずれにおいても
上記連通穴の外周側を覆うような軸長方向長さに設定さ
れた操作筒体とから成り、該操作筒体内周面に、上記固
定時に上記係合部材を第1工具軸側に押圧するよう操作
筒体内周面よりも第1工具軸側に突出し、軸長方向に平
行な第1押圧部を設け、該第1押圧部の軸長方向一方側
に該第1押圧部と上記操作筒体内周面とをテーパ状に連
通する第2押圧部と、上記第1押圧部と上記第2押圧部
とを円弧状に連続するよう形成された第3押圧部とを設
けると共に、少なくとも上記押圧部は、HRC40〜4
6の硬さに設定されたことを特徴とする。
【0013】本発明の、請求項7記載の発明は、回転部
を有する締結装置本体と、先端に第1作業端を有し、基
端を上記締結装置本体回転部に連結される断面多角形の
第1工具軸と、先端に第2作業端を有し、上記第1工具
軸断面と略同形状断面で、かつ、軸長方向に延びる内周
面を有し、上記第1工具軸外周に装着され、第1工具軸
上を移動可能かつ上記第1作業端よりも上記第2作業端
が軸長方向先端側に位置する所定の第1固定位置と、上
記第1作業端よりも上記第2作業端が軸長方向基端側に
位置する第2固定位置とで上記第1工具軸に対して固定
可能な第2工具軸とから構成される締結装置において、
上記第2工具軸は、上記第2作業端よりも基端側に、第
2工具軸外周と内周面の断面多角形角部とを連通する連
通穴と、該連通穴に保持されると共に、上記第2工具軸
内周面から第1工具軸側に所定量突出して上記第2工具
軸を上記第1工具軸に係合する係合部材と、上記第2工
具軸外周に装着され、第2工具軸に対して軸長方向に摺
動操作することで第2工具軸の第1工具軸に対する固定
と移動可能状態とが切替え可能で、かつ、固定および移
動可能状態のいずれにおいても上記連通穴の外周側を覆
うような軸長方向長さに設定された操作筒体とから成
り、該操作筒体内周面に、上記係合部材を第1工具軸側
に押圧するよう操作筒体内周面よりも第1工具軸側に突
出した押圧部を設け、該押圧部は、軸長方向に平行な第
1押圧部と、該第1押圧部と上記操作筒体内周面とをテ
ーパ状に連通する第2押圧部とから成り、上記第1工具
軸は、上記第1固定位置で上記係合部材が係合するよう
断面多角形角部に設けた第1係合凹部と、上記第2固定
位置で上記係合部材が係合するよう断面多角形角部に設
けた第2係合凹部とを有し、上記第1係合凹部は、上記
係合部材が上記第1押圧部に押圧されて係合するよう凹
部深さが設定されると共に、上記第2係合凹部は、上記
係合部材が上記第2押圧部に押圧されて係合するよう凹
部深さが第1係合凹部よりも所定量小さく設定されたこ
とを特徴とする。
【0014】
【発明の作用および効果】この発明の請求項1記載の発
明によれば、先端に第1作業端を有し、基端を締結装置
本体に連結される断面多角形の第1工具軸と、先端に第
2作業端を有し、上記第1工具軸断面と略同形状断面
で、かつ、軸長方向に延びる内周面を有し、上記第1工
具軸外周に装着され、第1工具軸上を移動可能かつ上記
第1作業端よりも上記第2作業端が軸長方向先端側に位
置する所定の第1固定位置と、上記第1作業端よりも上
記第2作業端が軸長方向基端側に位置する第2固定位置
とで上記第1工具軸に対して固定可能な第2工具軸とか
ら構成される締結工具において、上記第2工具軸は、上
記第2作業端よりも基端側に、第2工具軸外周と内周面
の断面多角形角部とを連通する連通穴と、該連通穴に保
持されると共に、上記第2工具軸内周面から第1工具軸
側に所定量突出して上記第2工具軸を上記第1工具軸に
係合する係合部材と、上記第2工具軸外周に装着され、
第2工具軸に対して軸長方向に摺動操作することで第2
工具軸の第1工具軸に対する固定と移動可能状態とが切
替え可能で、かつ、固定および移動可能状態のいずれに
おいても上記連通穴の外周側を覆うような軸長方向長さ
に設定された操作筒体とから成り、該操作筒体内周面
に、上記係合部材を第1工具軸側に押圧するよう操作筒
体内周面よりも第1工具軸側に突出した押圧部を設け、
該押圧部は、軸長方向に平行な第1押圧部と、該第1押
圧部と上記操作筒体内周面とをテーパ状に連通する第2
押圧部とから成り、上記第1工具軸は、上記第1固定位
置で上記係合部材が係合するよう断面多角形角部に設け
た第1係合凹部と、上記第2固定位置で上記係合部材が
係合するよう断面多角形角部に設けた第2係合凹部とを
有し、上記第1係合凹部は、上記係合部材が上記第1押
圧部に押圧されて係合するよう凹部深さが設定されると
共に、上記第2係合凹部は、上記係合部材が上記第2押
圧部に押圧されて係合するよう凹部深さが第1係合凹部
よりも所定量小さく設定されている。
【0015】上記締結工具によれば、第2作業端を使用
するときは、係合部材が押圧部に押圧されて第1係合凹
部と係合しているので、締結作業を行って第2作業端に
直接力が作用しても第2工具軸が軸長方向に移動するこ
とはなく、また、第1作業端を使用するときは、係合部
材が押圧部に押圧されて第2係合凹部と係合しているの
で、締結作業を行っても第1工具軸の振動では第2工具
軸は軸長方向に移動しない。よって第2工具軸は、第1
固定位置および第2固定位置のいずれにおいてもしっか
りと固定され、作業が妨げられることはない。
【0016】このとき、係合部材は、第1工具軸の断面
多角形角部に係合するように設定しているので、断面多
角形の直線部、換言すると、第1工具軸の軸長方向に延
びる平面部に係合するのに比べて、より強固に固定でき
る効果がある。これは、以下の理由である。つまり、第
1工具軸の断面多角形において、第1工具軸中心から角
部までの距離は、工具軸中心から直線部までの距離より
も大きくなるので、上述の角部に設ける場合と平面部に
設ける場合とで係合凹部深さを同一と仮定すると、角部
に設けた方が工具軸中心から係合凹部の最深部までの距
離を大きくでき、工具軸の強度上有利となること、およ
び、工具軸強度を考慮して、上述の角部に設ける場合と
平面部に設ける場合とで工具軸中心から係合凹部最深部
までの距離を同一と仮定すると、角部に設けた方が係合
凹部深さをより深く設定できることによる。
【0017】また、押圧が解除されたときは、係合部材
は連通穴と操作筒体内周面とで囲まれた空間に収容され
るため、第2工具軸は第1工具軸に対して軸長方向に移
動可能になり、使用する作業端の切替えを容易に行うこ
とができる効果がある。
【0018】さらに、第2係合凹部は、第1係合凹部よ
りも係合深さが小さくなるように設定されているので、
係合部材は、第2係合凹部に係合するときは、第1係合
凹部よりも所定量外方に突出する。よって、上記第2押
圧部によって押圧される。このとき、第2工具軸は第1
工具軸に固定され、第1工具軸の回転による振動によっ
ても第2工具軸は軸長方向にずれることなく、作業を行
うことができる。しかも、作業端の切替え時は、上記筒
体を軸長方向先端側に動かせば、第2工具軸も追従し、
係合部材は第2工具軸の連通穴によって軸長方向先端側
に押される。この動作により係合部材は第2係合凹部か
ら外れ、第2作業端を第1固定位置側に容易に移動させ
ることができる。つまり、第2固定位置での押圧解除
は、第1固定位置での押圧解除のように、一度、操作筒
体を軸長方向基端側に動かすという操作を省略でき、移
動させたい方向である軸長方向先端側に筒体を動かせば
押圧解除できるため、一動作で第2工具軸を第1固定位
置まで移動させることができる。つまり、第2工具軸
は、第1固定位置、第2固定位置に関わらず、移動させ
たい方向に操作筒体を摺動操作するだけで第2工具軸の
固定が解除され移動可能になる効果がある。
【0019】本発明の請求項2記載の発明によれば、請
求項1記載の発明と併せて、上記第1押圧部と、上記第
2押圧部とを円弧状に連続するよう形成された第3押圧
部を設けている。
【0020】上記締結工具によれば、移動可能状態から
第1押圧部による係合部材の第1工具軸への押圧への移
行、つまり第2工具軸の第1工具軸への固定状態への移
行および第1押圧部での押圧から移動可能状態への移行
をスムーズに行うことができる。ここで、第3押圧部を
設けないと、上記の固定状態に移行する際に第1押圧部
と第2押圧部との境界部が係合部材に引掛ってスムーズ
に第1押圧部による係合に移行できない。また、本発明
では、上述のように、係合部材を第1工具軸の断面多角
形の角部に係合することで、強固な固定を可能にしてい
るが、このような構成の場合には特に、上記第1押圧部
による押圧固定から移動可能状態に移行する際にも、外
れようとする係合部材と上記の境界部とが引掛ってしま
う。
【0021】さらに、作業者が素早く、正確に作業を行
うためには必要最小限の工具軸長さとすることが望まし
い。このように工具軸を短く設定すると、上記操作筒体
の第2工具軸に対する摺動距離も短く設定する必要があ
る。このような構成のときには、特に固定や固定解除の
ための押圧部の動きも制約を受け、上記の引掛りが問題
となりやすく、第1押圧部と第2押圧部との境界を円弧
状とすることが望ましい。
【0022】また、上記第2固定位置、つまり第2係合
凹部での固定状態では、係合部材と第2押圧部もしくは
上記円弧状の第3押圧部とが接することになる。特に、
第3押圧部と接する場合には、第3押圧部を設けない場
合に比べて、係合部材を、より外周側で、かつ軸長方向
に垂直に近い角度で第1工具軸への押圧が可能となる効
果がある。
【0023】本発明の請求項3記載の発明によれば、請
求項1または2記載の発明と併せて、上記第1係合凹部
は、上記係合部材における直径の1/4以上で、かつ1
/2よりも小さい領域が係合可能な形状に設定されてい
る。
【0024】上記締結工具によれば、第2工具軸が第1
固定位置で、係合部材の直径の1/4以上の領域が第1
係合凹部に係合できるよう第1係合凹部の形状を設定し
ているので、押圧部によって、係合部材は第1係合凹部
に対してより強固に固定され、第2工具軸での作業によ
っても第2工具軸が第1工具軸に対して動くことがな
い。
【0025】さらに、係合部材の直径の1/2よりも小
さい領域が第1係合凹部に係合できるよう第1係合凹部
の形状を設定しているので、押圧解除しても第1係合凹
部内に係合部材が残ることがなく、確実に第1係合凹部
から外れるので、工具軸の切替えを行うことができる。
【0026】この発明の請求項4記載の発明によれば、
請求項1から3いずれか記載の発明と併せて、少なくと
も上記押圧部は、HRC40〜46の硬さに設定されて
いる。
【0027】上記締結工具によれば、係合部材と接触す
る押圧部の硬さをHRC40以上としているので、押圧
部の耐摩耗性が向上する。さらに、HRC46以下とし
ているので、押圧部の割れ発生を防止できる。このよう
に、上記硬さの範囲に押圧部硬さを適切に設定すること
で、切替え動作に係合部材との摺接を繰り返す押圧部、
ひいては操作筒体の工具寿命を延ばすことができる。
【0028】本発明の請求項5記載の発明によれば、上
記請求項1から4のいずれかに記載の発明の効果と併せ
て、第1作業端をドライバのビットとし、第2作業端を
ソケットとしている。
【0029】上記締結工具によれば、作業端の取り替え
や締結装置自体を取り替えることなしに、ボルト、ビス
のような異なる締結部材も同一の締結装置にて、一動作
で工具軸を切替えて締結作業が可能になるので、作業効
率が向上する効果がある。
【0030】この発明の請求項6に記載の発明によれ
ば、先端に第1作業端を有し、基端を締結装置本体に連
結されると共に、断面多角形で、軸長方向の所定位置の
該断面多角形の角部に凹部を有する第1工具軸に対し、
先端に第2作業端を有し、上記第1工具軸断面と略同形
状断面で、かつ、軸長方向に延びる内周面を有し、上記
第1工具軸外周に装着され、上記第1工具軸上を移動可
能かつ上記第1作業端よりも上記第2作業端が軸長方向
先端側に位置する所定位置で固定可能な第2工具軸とか
ら構成される締結工具において、上記第2工具軸は、上
記第2作業端よりも基端側に、第2作業端外周と内周面
の断面多角形角部とを連通する連通穴と、該連通穴に保
持されると共に、上記第2工具軸内周面から第1工具軸
側に所定量突出して上記第2工具軸を上記第1工具軸の
断面多角形角部に設けた凹部に係合する係合部材と、上
記第2工具軸外周に装着され、第2工具軸に対して軸長
方向の一方側への摺動操作により第2工具軸の第1工具
軸に対する固定と、軸長方向の他方側への摺動操作によ
り第2工具軸の第1工具軸に対する移動可能状態とが切
替え可能で、かつ、固定および移動可能状態のいずれに
おいても上記連通穴の外周側を覆うような軸長方向長さ
に設定された操作筒体とから成り、該操作筒体内周面
に、上記固定時に上記係合部材を第1工具軸側に押圧す
るよう操作筒体内周面よりも第1工具軸側に突出し、軸
長方向に平行な第1押圧部を設け、該第1押圧部の軸長
方向一方側に該第1押圧部と上記操作筒体内周面とをテ
ーパ状に連通する第2押圧部と、上記第1押圧部と上記
第2押圧部とを円弧状に連続するよう形成された第3押
圧部とを設けると共に、少なくとも上記押圧部は、HR
C40〜46の硬さに設定されている。
【0031】上記締結工具によれば、第2作業端を使用
するときは、係合部材が押圧部に押圧されて第1工具軸
の凹部と係合しているので、締結作業を行って第2作業
端に直接力が作用しても第2工具軸が軸長方向に移動す
ることはない。よって第2工具軸は、第1工具軸にしっ
かりと固定され、作業が妨げられることはない。
【0032】特に、係合部材は、第1工具軸の断面多角
形角部に係合するように設定しているので、断面多角形
の直線部、換言すると、第1工具軸の軸長方向に延びる
平面部に係合するのに比べて、より強固に固定できる効
果がある。これは、以下の理由である。つまり、第1工
具軸の断面多角形において、第1工具軸中心から角部ま
での距離は、工具軸中心から直線部までの距離よりも大
きくなるので、上述の角部に設ける場合と平面部に設け
る場合とで凹部深さを同一と仮定すると、角部に設けた
方が工具軸中心から凹部の最深部までの距離を大きくで
き、工具軸の強度上有利となること、および、工具軸強
度を考慮して、上述の角部に設ける場合と平面部に設け
る場合とで工具軸中心から凹部最深部までの距離を同一
と仮定すると、角部に設けた方が凹部深さをより深く設
定できることによる。
【0033】また、押圧が解除されたときは、係合部材
は連通穴と操作筒体内周面とで囲まれた空間に収容され
るため、第2工具軸は第1工具軸に対して軸長方向に移
動可能になり、使用する作業端の切替えを容易に行うこ
とができる効果がある。
【0034】さらに、移動可能状態から第1押圧部によ
る係合部材の第1工具軸への押圧への移行、つまり第2
工具軸の第1工具軸への固定状態への移行および第1押
圧部での押圧から移動可能状態への移行をスムーズに行
うことができる。特に、固定から移動可能状態への移行
時は、移動可能状態にするための操作筒体の摺動方向
(軸長方向他方側)に対して反対側(一方側)にテーパ
状の第2押圧部、円弧状の第3押圧部を設けたので、第
1押圧部から第3押圧部、第2押圧部に沿って係合部材
が第1工具軸から外れることになる。つまり、第2押圧
部、第3押圧部は固定から移動可能状態への移行の際の
係合部材のガイドとして機能する。ここで、第3押圧部
を設けないと、上記の固定状態に移行する際に第1押圧
部と第2押圧部との境界部が係合部材に引掛ってスムー
ズに第1押圧部による係合に移行できない。また、本発
明では、上述のように、係合部材を第1工具軸の断面多
角形の角部に係合することで、強固な固定を可能にして
いるが、このような構成の場合には特に、上記第1押圧
部による押圧固定から移動可能状態に移行する際にも、
外れようとする係合部材と上記の境界部とが引掛ってし
まう。
【0035】さらに、作業者が素早く、正確に作業を行
うためには必要最小限の工具軸長さとすることが望まし
い。このように工具軸を短く設定すると、上記操作筒体
の第2工具軸に対する摺動距離も短く設定する必要があ
る。このような構成のときには、特に固定や固定解除の
ための押圧部の動きも制約を受け、上記の引掛りが問題
となりやすく、第1押圧部と第2押圧部との境界を円弧
状とすることが望ましい。
【0036】さらに、係合部材と接触する押圧部の硬さ
をHRC40以上としているので、押圧部の耐摩耗性が
向上する。また、HRC46以下としているので、押圧
部の割れ発生を防止できる。このように、上記硬さの範
囲に押圧部硬さを適切に設定することで、切替え動作に
係合部材との摺接を繰り返す押圧部、ひいては操作筒体
の工具寿命を延ばすことができる。
【0037】この発明の請求項7記載の発明によれば、
回転部を有する締結装置本体と、先端に第1作業端を有
し、基端を上記締結装置本体回転部に連結される断面多
角形の第1工具軸と、先端に第2作業端を有し、上記第
1工具軸断面と略同形状断面で、かつ、軸長方向に延び
る内周面を有し、上記第1工具軸外周に装着され、第1
工具軸上を移動可能かつ上記第1作業端よりも上記第2
作業端が軸長方向先端側に位置する所定の第1固定位置
と、上記第1作業端よりも上記第2作業端が軸長方向基
端側に位置する第2固定位置とで上記第1工具軸に対し
て固定可能な第2工具軸とから構成される締結装置にお
いて、上記第2工具軸は、上記第2作業端よりも基端側
に、第2工具軸外周と内周面の断面多角形角部とを連通
する連通穴と、該連通穴に保持されると共に、上記第2
工具軸内周面から第1工具軸側に所定量突出して上記第
2工具軸を上記第1工具軸に係合する係合部材と、上記
第2工具軸外周に装着され、第2工具軸に対して軸長方
向に摺動操作することで第2工具軸の第1工具軸に対す
る固定と移動可能状態とが切替え可能で、かつ、固定お
よび移動可能状態のいずれにおいても上記連通穴の外周
側を覆うような軸長方向長さに設定された操作筒体とか
ら成り、該操作筒体内周面に、上記係合部材を第1工具
軸側に押圧するよう操作筒体内周面よりも第1工具軸側
に突出した押圧部を設け、該押圧部は、軸長方向に平行
な第1押圧部と、該第1押圧部と上記操作筒体内周面と
をテーパ状に連通する第2押圧部とから成り、上記第1
工具軸は、上記第1固定位置で上記係合部材が係合する
よう断面多角形角部に設けた第1係合凹部と、上記第2
固定位置で上記係合部材が係合するよう断面多角形角部
に設けた第2係合凹部とを有し、上記第1係合凹部は、
上記係合部材が上記第1押圧部に押圧されて係合するよ
う凹部深さが設定されると共に、上記第2係合凹部は、
上記係合部材が上記第2押圧部に押圧されて係合するよ
う凹部深さが第1係合凹部よりも所定量小さく設定され
ている。
【0038】上記締結装置によれば、第2作業端を使用
するときは、係合部材が押圧部に押圧されて第1係合凹
部と係合しているので、締結作業を行って第2作業端に
直接力が作用しても第2工具軸が軸長方向に移動するこ
とはなく、第1作業端を使用するときは、係合部材が押
圧部に押圧されて第2係合凹部と係合しているので、締
結作業を行っても第1工具軸の振動では第2工具軸は軸
長方向に移動しない。よって第2工具軸は、第1固定位
置および第2固定位置のいずれにおいてもしっかりと固
定され、作業が妨げられることはない。
【0039】このとき、係合部材は、第1工具軸の断面
多角形角部に係合するように設定しているので、断面多
角形の直線部、換言すると、第1工具軸の軸長方向に延
びる平面部に係合するのに比べて、より強固に固定でき
る効果がある。これは、第1工具軸の断面多角形におい
て、第1工具軸中心から角部までの距離は、工具軸中心
から直線部までの距離よりも大きくなるので、係合凹部
深さを一定とすると、角部に設けた方が工具軸中心から
係合凹部の最深部までの距離を大きくでき、工具軸の強
度上有利となること、および、工具軸強度を考慮して、
工具軸中心から係合凹部最深部までの距離を一定とする
と、角部に設けた方が係合凹部深さを深く設定できるこ
とによる。
【0040】また、押圧が解除されたときは、係合部材
は連通穴と操作筒体内周面とで囲まれた空間に収容され
るため、第2工具軸は第1工具軸に対して軸長方向に移
動可能になり、使用する作業端の切替えを容易に行うこ
とができる効果がある。
【0041】さらに、第2係合凹部は、第1係合凹部よ
りも係合深さが小さくなるように設定されているので、
係合部材は、第2係合凹部に係合するときは、第1係合
凹部よりも所定量外方に突出する。よって、上記第2押
圧部によって押圧される。このとき、第2工具軸は第1
工具軸に固定され、第1工具軸の回転による振動によっ
ても第2工具軸は軸長方向にずれることなく、作業を行
うことができる。しかも、作業端の切替え時は、上記筒
体を軸長方向先端側に動かせば、第2工具軸も追従し、
係合部材は第2工具軸の連通穴によって軸長方向先端側
に押される。この動作により係合部材は第2係合凹部か
ら外れ、第2作業端を第1固定位置側に容易に移動させ
ることができる。つまり、第2固定位置での押圧解除
は、第1固定位置での押圧解除のように、一度、操作筒
体を軸長方向基端側に動かすという操作を省略でき、移
動させたい方向である軸長方向先端側に筒体を動かせば
押圧解除できるため、一動作で第2工具軸を第1固定位
置まで移動させることができる。つまり、第2工具軸
は、第1固定位置、第2固定位置に関わらず、移動させ
たい方向に操作筒体を摺動操作するだけで第2工具軸の
固定が解除され移動可能になる効果がある。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0043】図1は、本発明に係る締結装置の実施例で
あるインパクトレンチの使用形態を示す斜視図である。
図示するように、インパクトレンチ1は、本体2と、工
具軸10とから構成され、本体2は作業者が把持する把
持部3とスイッチ4とを備えている。工具軸10は、本
体2に連結される主軸(第1工具軸)11と、主軸11
の外周に軸長方向へ移動可能に装着されたソケット(第
2工具軸)12とを備えている。主軸11は断面略六角
形の棒状部材であり、本体2は、内周の断面が主軸11
と同様の略六角形で、この主軸11を保持して回転駆動
する、コネクタ(回転部材)5を備えている。
【0044】主軸11の先端部には、十字穴付きビス1
3を締め付けるためドライバの穂先であるビット(第1
作業端)14が形成されている。ソケット12の先端に
は、所定サイズのボルト15やナットに対応した六角形
のソケット口(第2作業端)16が形成されている。そ
して、このソケット12は、工具軸の側面図である図2
(a)に示すように、主軸11のビット14先端よりも
ソケット12のソケット口16先端部が突出した前進位
置(第1固定位置、図中では左方向)と、図2(b)に
示すように、ビット14よりもソケット口16が本体2
側に後退した後退位置(第2固定位置、図中では右方
向)とに位置設定できるように構成されている。
【0045】図3(a)は、ソケット12を前進位置に
セットした状態での軸長方向の断面図、図3(b)はそ
の部分拡大図、図4は図3(a)の左側面図、図5は図
3(a)のA−A線断面図である。
【0046】図示するように、主軸11には、両端にビ
ット14が形成されている。また、主軸11の両端部に
は、各ビット14の先端から軸の中央側へ同一寸法の位
置に、主軸11の周方向へ連続した第1係合溝(第1係
合凹部)17が形成されている。以下では、主軸11の
図中右側端部は、本体2に連結されるものとし、主軸1
1の図中左側の端部を先端、図中右側端部を基端として
述べる。
【0047】主軸11は、全体としては断面六角形の軸
であるが、この第1係合溝17は、断面円形に形成され
ている。さらに、第1係合溝17の軸長方向(図中左右
方向)の中央部が最も直径が小さく、軸長方向両端部に
近づくにつれて直径が大きくなるよう設定され、軸長方
向断面が円弧形状となるよう設定されている。このと
き、第1係合溝17の軸長方向中央部の径方向(図中上
下方向)断面において、主軸11の断面六角形の一つの
頂点から第1係合溝17中央部の断面円形の外周までの
径方向距離を第1係合溝深さとすると、この第1係合溝
深さは、後述するボール23が、主軸11の断面六角形
の一つの頂点から軸の中心に向けて、ボール直径の1/
4以上1/2未満が係合する(以下、この係合する長さ
を、係合深さとする)に足りる深さに設定される。具体
的には、上記係合深さを満たし、かつ、主軸11の強度
上支障がない程度の深さに設定される。さらに、第1係
合溝17の軸長方向の幅は、上記係合深さにてボール2
3が第1係合溝17と係合するために必要な軸長方向長
さとする。つまり、この溝幅は、ボール23直径および
上記係合深さを設定すれば、容易に求めることができ
る。上述のように、上記係合深さをボール直径の1/4
から1/2の間に設定しているので、第1係合溝幅は、
ボール直径の(√3)/2倍以上ボール直径未満の大き
さに設定されることになる。反対に、第1係合溝幅と係
合深さを設定すれば、ボール直径を容易に求めることが
できる。本実施例では、インパクトレンチ1の締め付け
トルクが3.92〜9.8N・mであるとき、ボール直
径が3.175mm、係合深さが直径の1/4(0.7
94mm)とし、上記第1係合溝17の幅は約2.8m
m、深さは0.794mmとし、第1係合溝の軸長方向
断面の円弧形状と、係合するボール23の外周が一致す
るように設定されている。ここでは、第1係合溝の形状
のうち、幅および深さが、係合するボール23の外周と
一致するようにしているが、溝幅または深さのいずれか
のみが一致するようにしてもよい。
【0048】第1係合溝17よりも軸長方向基端側で、
ソケット12が主軸11よりも後退した任意の位置に、
主軸11の周方向へ連続した第2係合溝(第2係合凹
部)18が形成されている。この第2係合溝18は、断
面円形に形成されている。さらに、第2係合溝18の軸
長方向の中央部が最も直径が小さく、軸長方向の両端部
が最も直径が大きく設定され、軸長方向断面が円弧形状
となるよう設定されている。この第2係合溝18にボー
ル23が係合する係合深さは、第1係合溝17における
係合深さよりも小さく設定される。具体的には、締結装
置の種類や、締め付けトルク等により異なるが、主軸1
1での作業時にソケット12がずれ落ちることなく、主
軸11にしっかりと固定されるような係合深さに設定さ
れる。本実施例では、上記第1係合溝17と同様に、ボ
ール直径3.175mm、上記第1係合溝17における
係合深さを0.794mmとし、さらに、インパクトレ
ンチ1の締め付けトルクが3.92〜9.8N・mであ
るとき、第1係合溝17における係合深さの約1/2で
ある0.4mmに第2係合溝18における係合深さを設
定している。このとき、第2係合溝18の軸長方向中央
部の径方向断面において、主軸11の断面六角形の一つ
の頂点から第2係合溝18中央部の断面円形の外周まで
の径方向距離を第2係合溝深さとすると、この第2係合
溝深さは、第2係合溝における係合深さを満たし、か
つ、主軸11の強度上支障のない程度の大きさに設定さ
れる。また、第2係合溝18の軸長方向の幅は、上記第
2係合溝18における係合深さにてボール23が第2係
合溝18と係合するために必要な軸長方向長さとする。
つまり、第2係合溝幅は、ボール23直径および上記第
2係合溝における係合深さを設定すれば、容易に求める
ことができる。本実施例では、ボール直径を3.175
mm、第2係合溝18における係合深さを0.4mmと
し、上記第2係合溝幅は、約2.22mmとしている。
【0049】ソケット12は、先端側の大径部19と基
端側の小径部20とが一体に形成された大略筒状の部材
である。大径部19側の内面はボルト15の頭部が嵌合
する六角形状のソケット口16に構成され、小径部20
側の内面は主軸11と摺動可能に嵌合する六角穴21に
構成されている。このソケット口16は、ボルト15が
深く入り込まないように、深さ寸法が定められている。
【0050】また、ソケット口16の内側面の一部には
マグネット22が埋め込まれていて、その磁力によっ
て、ボルト15をソケット口16に保持できるように構
成されている。ソケット口16自体を磁化しても構わな
い。なお、図示していないが、ビット14の先端も、マ
グネットを埋め込むか、主軸11自体を磁化することに
よって、ビス13を吸着保持できるように構成されてい
る。
【0051】ソケット12の小径部20には、図5に示
すように六角穴21の一つの角部の位置でボール(係合
部材)23を保持する、ソケット12の内周面と外周面
を連通するボール保持穴(連通穴)24が形成されてい
る。このボール保持穴24に保持されたボール23は、
ソケット12を前進位置にセットしたときに主軸11の
第1係合溝17と、またソケット12を後退位置にセッ
トしたときに主軸11の第2係合溝18と係合するよう
に構成されている。
【0052】図3(b)に示すように、ボール保持穴2
4の、ソケット12内周面側の端部には、ボール保持穴
24の径方向(図中左右方向)内方に、ボール保持穴2
4の周囲全体に渡って突出し、この突出した先端部の直
径が、ボール保持穴24直径よりも小さくされた爪部2
5を設けている。具体的には、ボール23がソケット1
2内周面から脱落せず、かつ、第1係合溝17にボール
23が係合するためにソケット12内周面から所定量突
出できるように、上述した第1係合溝幅以上で、かつ、
ボール23直径未満の大きさに爪部25直径を設定する
のが好ましい。この爪部25を設けることにより、後述
する押圧時に、ボール23はソケット12を主軸11側
に向けて固定するだけでなく、ボール23と爪部25、
つまりボール23とソケット12の軸長方向の隙間がな
くなるので、ソケット12の軸長方向へのガタツキを防
止できる。また、この爪部25を、ボール保持穴24の
ソケット12外周面側に向かうにつれて直径を大きく
し、上記ボール保持穴24内周面と連続したテーパ状に
構成しているので、押圧時に、ボール23をソケット1
2内周面から突出させる際のガイド面となる。また、ボ
ール保持穴24の径方向内方に一部が突出した爪部25
を設けてもよい。この爪部25は複数個設けてもよく、
上述のように、ボール23がソケット12から脱落しな
いことおよび第1係合溝に係合できるようボール23が
突出できるように爪部25の大きさは設定される。本実
施例では、図5に示すように、爪部25からソケット1
2内周面側の開口部までが、同一直径の孔に設定されて
いるので、ボール23の押圧時に、爪部25が押圧力に
よって破断するといったことがない。
【0053】また、図3に示すように、ソケット12に
は、小径部20の外周に、操作リング(操作筒体)26
が軸長方向へ可動に装着されている。操作リング26の
内周面には、径方向内方へ突出する環状の突部(押圧
部)26が形成されている。そして、ソケット12の後
端部にストップリング28が装着され、この突部27と
ストップリング28との間に、圧縮コイルばね29と、
スプリングリテーナ30とが装着されている。
【0054】このため、操作リング26は、ソケット1
2に対して、図3の位置まで工具の先端側(図3の左方
向側)へ向かって付勢されている。なお、操作リング2
6をこの位置で停止させるためのストッパーとして、小
径部20には肩部31が設けられている。また、操作リ
ング26の外周面には、ソケット12に対して軸長方向
への移動操作を行いやすくするために、ローレット加工
が施されている(図1および図2参照)。
【0055】本実施例では、ソケット12を、前進位置
と後退位置でボール23によって主軸11に固定できる
一方、操作リング26を操作すれば、固定を簡単に解除
できるように構成されている。このため、具体的には、
操作リング26の内周面に形成した環状の突部27を、
ボール23の位置を規制するカムとして構成している。
このカムは、突部27の内周面により構成され、軸中心
からの径方向距離が、第1係合溝17にボール23を係
合、押圧できるように設定された、軸長方向に平行な第
1カム面(第1押圧部)27aと、第1カム面27aの
先端側から操作リング26内周面に連続するテーパ状の
第2カム面(第2押圧部)27bとから構成されてい
る。この第1カム面27aと第2カム面27bとの境界
は軸長方向断面が円弧状、つまり、R状の第3カム面
(第3押圧部)27cとなっている。また、操作リング
26には、突部27よりも先端側(図3での左側)に、
押圧解除状態で、ボール23を主軸11外周と操作リン
グ26内周面で形成される空間に収めることができるよ
うに、環状の凹溝(係合部材収容部)32が形成され、
固定および移動可能状態のいずれにおいても上記連通穴
の外周側を覆うような軸長方向長さとなるため、作業端
切替え中にボール23が脱落して作業が妨げられること
はない。
【0056】図3(a)に示したソケット12の前進位
置で該ソケット12を主軸11に固定する場合について
説明する。まず、ソケット12が図6に示すような位置
にあるときは、操作リング26を先端側に動かす。そう
すると、ボール23が操作リング26の第2カム面27
bによって軸長方向先端側に押され、ソケット12の肩
部31に当接するので、ソケット12も先端側に追従し
て移動する。そして、第1係合溝17までボール23が
到達すると、第2カム面27bによる押圧から第3カム
面27cによる押圧にスムーズに移行され、さらに、第
1カム面27aによる押圧にスムーズに移行されて、ボ
ール23は上記第1係合溝17に係合する。つまり、第
2カム面27bは、テーパ状であるため、ボール23を
主軸11に対して垂直方向へ押圧する力が第1カム面2
7aに比べ小さい。そこで、R状の第3カム面27cに
より、徐々に主軸11に対する押圧力を大きくすること
でスムーズな上記押圧の移行を達成できる。このとき、
第1カム面27aと第2カム面27bの境界が角状であ
ると、該角状の境界部がボール23に引掛かり、該ボー
ル23を上記ソケット12の肩部31に押さえつけてし
まい、ボール23が動かなくなって、第1係合溝17に
係合しなくなることがある。また、特に、本実施例は主
軸11の断面略六角形の角部に係合する構成となるの
で、ボール23が上記角状の境界部と係合溝における角
部とに挟まれてしまい、ボール23が上記第1係合溝に
係合しづらくなることがある。しかし、本実施例では上
記第1カム面27aと第2カム面27bとの境界に、R
状の第3カム面27cを設定しているため、第2カム面
27bによる押圧から第1カム面27aによる押圧にス
ムーズに移行でき、ボール23は、上記第1係合溝17
に係合する。本実施例では、直径約3.175mmのボ
ール23に対して、半径0.5mmの円弧状としてい
る。なお、この境界のRの設定は、第2カム面27bか
ら第1カム面27aでの押圧にスムーズに移行でき、か
つ第1カム面27aおよび第2カム面27bの押圧に支
障をきたさない範囲で任意に設定できる。このようにし
て図3(a)に示すようにソケット12は前進位置で主
軸11に固定される。ボール23は、主軸11の第1係
合溝17と係合した状態で上記突部27の第1カム面2
7aに押さえられ、上記第1係合溝17に押圧された状
態となっている。つまり、このとき、ボール23は、第
1カム面27aが外周囲にあるために第1係合溝17か
ら外れない。さらに、この第1係合溝17における係合
深さをボール直径の1/4以上に設定しているため、ソ
ケット口16を使用してボルト15の締め付け作業を行
い、直接ソケット口16に負荷がかかっても、ボール2
3は第1係合溝17から外れることなく、ソケット12
は前進位置にしっかりと保持され、作業が妨げられるこ
とはない。
【0057】一方、上記前進位置から、ソケット12に
対して操作リング26を後退させると、図6に示すよう
に、操作リング26の第1カム面27aが、ボール23
の外周囲から外れることになる。さらに、操作リング2
6を後退させて圧縮コイルばね29を圧縮させることで
ソケット12を追従・後退させるか、作業者がソケット
12を基端側へ操作すると、ボール23は、肩部31に
よって基端側に押され、第2カム面27bおよび第1係
合溝17の円弧形状に沿って第1係合溝17から外れ、
操作リング26の凹溝32内に収容される。このとき、
第1係合溝17における係合深さは、ボール直径の1/
2、つまりボール半径以上になると、上記のような固定
解除の動作を行ってもボール23が第1係合溝17に入
り込んでしまい、外れないということがあるが、本実施
例では、第1係合溝17における係合深さはボール直径
の1/2よりも小さく設定されているため、ボール23
が上記第1係合溝17内に残ることなく、上記固定解除
の動作によってスムーズに第1係合溝から外れることに
なる。このようにして、主軸11に対するボール23の
押圧力が解除されるので、ボール23がソケット12の
移動を阻害しなくなり、引き続いて操作リング26を後
退させる操作を行い、ソケット12を上記操作リング2
6に追従して後退させるか、直接ソケット12を後退さ
せれば、ビット14をソケット12よりも突出させるこ
とができる。つまり、一動作でソケット12の固定解除
と後退が可能となる。
【0058】この際も、上記第1カム面27aと第2カ
ム面27bとの境界部に、R状の第3カム面27cを設
けているので、押圧解除をスムーズに行うことができ
る。つまり、ボール23の外周囲は、第1カム面27a
から、第3カム面27c、第2カム面27bに沿って、
ガイドされながらスムーズに外れる。このとき、第1カ
ム面27aと第2カム面27bの境界が角状であると、
ボール23が境界部に当たり、肩部31と境界部とでボ
ール23が挟まれ、動かなくなってしまう恐れがある。
特に、本発明のように、強固な固定を行うため、主軸1
1の断面略六角形の角部に係合するような構成の場合、
角部にもボール23が引掛かり、より外れにくくなる。
【0059】図7に示したソケット12の後退位置で
は、第2係合溝18における係合深さが第1係合溝17
における係合深さよりも所定量小さく設定されているた
め、ボール23は上記前進位置での係合状態よりも、径
方向外方に所定量突出した状態で第2係合溝18と係合
する。このため、ボール23は、上記突部27の第1カ
ム面27aによっては押圧されず、第2カム面27bも
しくは第3カム面27cによって上記第2係合溝18に
押圧されることになる。特に、本実施例のようにボール
23が第3カム面27cによって押圧されるように設定
すると、第3カム面27cを設けず、第1カム面27a
と第2カム面27bとの境界が角状であるのに比べて、
よりボール23の軸長方向中心部に近い位置で、かつ、
主軸11に対して垂直に近い方向で押圧できる。このよ
うなソケット12の後退位置では、ビット14による締
結作業を行うことになるので、ソケット12には直接締
結によるトルクがかかることはない。よって、第2係合
溝における係合深さは、回転に伴う振動でソケット12
が軸長方向にずれない係合深さに設定すればよく、第1
係合溝における係合深さより小さく設定しても、上記第
3カム面27cによる押圧によって上記後退位置にしっ
かりと保持される。
【0060】一方、ソケット12に対して操作リング2
6を少し前進させると、図6と同様に、ボール23は、
第2係合溝18の円弧形状から、第2カム面27bに沿
って操作リング26の凹溝32内に収容される。このよ
うに、主軸11に対するボール23の押圧力が解除され
るので、ボール23がソケット12の移動を阻害しなく
なり、引き続いて上記操作リング26を前進させる操作
を行えばソケット12も追従して前進し、ソケット12
をビット14から突出させることができる。このとき、
第2係合溝における係合深さを、第1係合溝17におけ
る係合深さと同様に設定すると、ボール23は、上記前
進位置での固定時と同様、第1カム面27aによって押
圧されることになる。この状態から、ソケット12を前
進位置に移動させようとすると、固定を解除するために
操作リング26を一旦後退させてボール23の係合を解
除し、続いて操作リング26を前進させて、ソケット1
2を前進位置まで移動させるという二動作が必要にな
る。しかし、本実施例では、上述のように、操作リング
26を前進させるという一動作でソケット12の固定解
除と前進が可能となる。
【0061】以上のように、第1係合溝17および第2
係合溝18における係合深さを適切に設定することで、
ソケット12は、前進位置および後退位置のいずれに固
定されたときも、主軸11にしっかりと保持され、作業
が妨げられることがなくなり、かつ、ソケット12の切
替え時は、上記前進位置および後退位置のいずれの位置
からも一動作で固定解除と移動操作ができるようになっ
た。
【0062】本実施例における主軸11は、上述したよ
うに両端にビット14が形成されており、一端を作業端
として、他端を本体2のコネクタ5に連結している。従
って、例えば作業端が摩耗するなどで交換の必要が生じ
た場合は、第2工具軸を取り外し、主軸11を取り外し
て、作業端をコネクタ5に連結し、それまでコネクタ5
に連結していた端部を新たな作業端とすればよい。
【0063】このとき、主軸11外周に、コネクタ5に
連結するための固定溝を別個に設けてもよいが、第1係
合溝17を、コネクタ5に固定するための固定溝とすれ
ば、上記固定溝を別途設ける必要がない。
【0064】また、上記第2係合溝18は、上記ソケッ
ト12の先端が上記ビット14による作業を妨げない位
置に任意に設定できる。本実施例では、第2係合溝18
を一個所に設け、主軸11のいずれの端部を作業端とし
たときにも共通の係合溝として使用できるようになって
いる。それぞれの端部に対応して、別個に第2係合溝を
設けてもよい。
【0065】さらに、本実施例では、ソケット12、ボ
ール23および操作リング26はユニットとして構成さ
れ、上述のように、主軸11から取り外したときも操作
リング26がソケット12から外れない。また、ボール
23は、ボール保持穴24のソケット12内周面側は爪
部25によって、ボール保持穴24のソケット12外周
面側は、外周囲を操作リング26の凹溝32によって囲
まれており、ソケット12から脱落することはない。
【0066】さらに、本実施例の主軸11や、ソケット
12、ボール23、操作リング26は表面硬化処理され
ていることが好ましい。これにより、耐摩耗性が向上す
るので、上記それぞれの部品の接触や、締結作業による
ビット14やソケット口16の摩耗を抑えることがで
き、工具寿命を延ばすことができる。ここで、表面硬化
処理は、焼入れ、浸炭、窒化、軟窒化等の熱処理や、シ
ョットピーニング、CVD、PVD、イオンスパッタリ
ングなど様々な処理が適用できる。本実施例では、主軸
11、ソケット12、操作リング26をCr−Mo鋼、
具体的にはSCM325から構成すると共に、ボール2
3は軸受鋼、具体的にはSUJ2から構成されている。
そして、少なくとも操作リング26の第1から第3カム
面27cがロックウェル硬さ(HRC)40〜46とな
るよう焼入れされている。また、上記カム面と摺接する
ボール23はHRC57〜64となるよう焼入れされて
いる。ここで、カム面硬さをHRC40以上とすれば、
ボール23に対して良好な耐摩耗性を得ることができ
る。しかし、硬くなりすぎると脆くなってしまい、割れ
を生じてしまう。そこでHRC46以下に設定すること
で、割れを生じることなく、つまり靭性を保ちつつ良好
な耐摩耗性となるため、工具寿命を延ばすことができ
る。
【0067】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の締結装置は、実施例のインパクト
レンチ1に対応し、以下同様に、第1工具軸は、主軸1
1に対応し、第2工具軸は、ソケット12に対応し、第
1作業端は、ビット14に対応し、第2作業端は、ソケ
ット口15に対応し、連通穴は、ボール保持穴24に対
応し、係合部材は、ボール23に対応し、操作筒体は、
操作リング26に対応し、押圧部は、突部27に対応
し、第1係合凹部は、第1係合溝17に対応し、第2係
合凹部は、第2係合溝18に対応するも、この発明は、
上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0068】本実施例では、ビット14を主軸11の両
端に形成しているが、ビット14は主軸11の片側のみ
に形成してもよいし、両端に形成する場合、両方のビッ
ト14のサイズが異なるようにしてもよい。さらに、ビ
ットの形状は、本実施例のプラス形状に限らず、マイナ
ス形状や、六角穴付きネジに対応した六角形状などあら
ゆるビスの穴形状に対応したものが適用できる。さら
に、ビットに限らず、ソケット12よりも小径のソケッ
トでもよい。
【0069】また、本実施例では、第1係合凹部として
の第1係合溝17、第2係合凹部としての第2係合溝1
8について述べたが、上述した、係合部材としてのボー
ル23の係合深さの設定を満たすことができる、第1係
合穴および第2係合穴として主軸11の外周面に設けて
もよい。
【0070】また、本実施例では、係合部材としてのボ
ール23を一個設けているが、複数個設けても構わな
い。このとき、ボール保持穴24は、ボール23の個数
に対応した個数設けられる。さらに、係合凹部として上
記係合穴を設けた場合、ボール23の数に対応した第1
係合穴の数および第2係合穴の数を設定し、それぞれ第
1係合穴集合体および第2係合穴集合体としてもよい。
【0071】また、本発明の締結装置は、本実施例で示
したインパクトレンチ1のようなインパクト式エア工具
に限らず、ストール式エア工具、電気式、手動の工具な
どのあらゆる締結装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るインパクトレ
ンチの使用状態を示す斜視図である。
【図2】図1のインパクトレンチの工具軸を示す側面図
であり、(a)はソケットを前進位置にセットした状
態、(b)はソケットを後退位置にセットした状態を示
している。
【図3】(a)は図2の工具軸においてソケットを前進
位置にセットした状態での工具軸の断面図、(b)はそ
の部分拡大図、(c)は(b)における操作リングの押
圧部の拡大図である。
【図4】図3(a)の左側面図である。
【図5】図3(a)のA−A線断面図である。
【図6】図2の工具軸でソケットを前進位置から後退位
置へ、もしくは後退位置から前進位置へ切替える途中の
状態を示す断面図である。
【図7】(a)は図2の工具軸においてソケットを後退
位置にセットした状態を示す断面図、(b)はその部分
断面図である。
【符号の説明】
1 インパクトレンチ 2 本体 3 把持部 4 スイッチ 5 コネクタ 10 工具軸 11 主軸(第1工具軸) 12 ソケット(第2工具軸) 13 ビス 14 ビット(第1作業端) 15 ボルト 16 ソケット口(第2作業端) 17 第1係合溝(第1係合凹部) 18 第2係合溝(第2係合凹部) 19 大径部 20 小径部 21 六角穴 22 マグネット 23 ボール(係合部材) 24 ボール保持穴(連通穴) 25 爪部 26 操作リング(操作筒体) 27 突部(押圧部) 27a 第1カム面 27b 第2カム面 27c 第3カム面 28 ストップリング 29 圧縮コイルばね 30 スプリングステーナ 31 肩部 32 凹溝(係合部材収容部)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端に第1作業端を有し、基端を締結装置
    本体に連結される断面多角形の第1工具軸と、先端に第
    2作業端を有し、上記第1工具軸断面と略同形状断面
    で、かつ、軸長方向に延びる内周面を有し、上記第1工
    具軸外周に装着され、第1工具軸上を移動可能かつ上記
    第1作業端よりも上記第2作業端が軸長方向先端側に位
    置する所定の第1固定位置と、上記第1作業端よりも上
    記第2作業端が軸長方向基端側に位置する第2固定位置
    とで上記第1工具軸に対して固定可能な第2工具軸とか
    ら構成される締結工具において、上記第2工具軸は、上
    記第2作業端よりも基端側に、第2工具軸外周と内周面
    の断面多角形角部とを連通する連通穴と、該連通穴に保
    持されると共に、上記第2工具軸内周面から第1工具軸
    側に所定量突出して上記第2工具軸を上記第1工具軸に
    係合する係合部材と、上記第2工具軸外周に装着され、
    第2工具軸に対して軸長方向に摺動操作することで第2
    工具軸の第1工具軸に対する固定と移動可能状態とが切
    替え可能で、かつ、固定および移動可能状態のいずれに
    おいても上記連通穴の外周側を覆うような軸長方向長さ
    に設定された操作筒体とから成り、該操作筒体内周面
    に、上記係合部材を第1工具軸側に押圧するよう操作筒
    体内周面よりも第1工具軸側に突出した押圧部を設け、
    該押圧部は、軸長方向に平行な第1押圧部と、該第1押
    圧部と上記操作筒体内周面とをテーパ状に連通する第2
    押圧部とから成り、上記第1工具軸は、上記第1固定位
    置で上記係合部材が係合するよう断面多角形角部に設け
    た第1係合凹部と、上記第2固定位置で上記係合部材が
    係合するよう断面多角形角部に設けた第2係合凹部とを
    有し、上記第1係合凹部は、上記係合部材が上記第1押
    圧部に押圧されて係合するよう凹部深さが設定されると
    共に、上記第2係合凹部は、上記係合部材が上記第2押
    圧部に押圧されて係合するよう凹部深さが第1係合凹部
    よりも所定量小さく設定されたことを特徴とする締結工
    具。
  2. 【請求項2】上記第1押圧部と、上記第2押圧部とを円
    弧状に連続するよう形成された第3押圧部を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の締結工具。
  3. 【請求項3】上記第1係合凹部は、上記係合部材の直径
    の1/4以上で、かつ1/2よりも小さい領域が係合可
    能な形状に設定されたことを特徴とする請求項1または
    2記載の締結工具。
  4. 【請求項4】少なくとも上記押圧部は、HRC40〜4
    6の硬さに設定されたことを特徴とする請求項1から3
    のいずれか記載の締結工具。
  5. 【請求項5】上記第1作業端がドライバのビットであ
    り、上記第2作業端がソケットであることを特徴とする
    請求項1から4のいずれか記載の締結工具。
  6. 【請求項6】先端に第1作業端を有し、基端を締結装置
    本体に連結されると共に、断面多角形で、軸長方向の所
    定位置の該断面多角形の角部に凹部を有する第1工具軸
    に対し、先端に第2作業端を有し、上記第1工具軸断面
    と略同形状断面で、かつ、軸長方向に延びる内周面を有
    し、上記第1工具軸外周に装着され、上記第1工具軸上
    を移動可能かつ上記第1作業端よりも上記第2作業端が
    軸長方向先端側に位置する所定位置で固定可能な第2工
    具軸とから構成される締結工具において、上記第2工具
    軸は、上記第2作業端よりも基端側に、第2作業端外周
    と内周面の断面多角形角部とを連通する連通穴と、該連
    通穴に保持されると共に、上記第2工具軸内周面から第
    1工具軸側に所定量突出して上記第2工具軸を上記第1
    工具軸の断面多角形角部に設けた凹部に係合する係合部
    材と、上記第2工具軸外周に装着され、第2工具軸に対
    して軸長方向の一方側への摺動操作により第2工具軸の
    第1工具軸に対する固定と、軸長方向の他方側への摺動
    操作により第2工具軸の第1工具軸に対する移動可能状
    態とが切替え可能で、かつ、固定および移動可能状態の
    いずれにおいても上記連通穴の外周側を覆うような軸長
    方向長さに設定された操作筒体とから成り、該操作筒体
    内周面に、上記固定時に上記係合部材を第1工具軸側に
    押圧するよう操作筒体内周面よりも第1工具軸側に突出
    し、軸長方向に平行な第1押圧部を設け、該第1押圧部
    の軸長方向一方側に該第1押圧部と上記操作筒体内周面
    とをテーパ状に連通する第2押圧部と、上記第1押圧部
    と上記第2押圧部とを円弧状に連続するよう形成された
    第3押圧部とを設けると共に、少なくとも上記押圧部
    は、HRC40〜46の硬さに設定されたことを特徴と
    する締結工具。
  7. 【請求項7】回転部を有する締結装置本体と、先端に第
    1作業端を有し、基端を上記締結装置本体回転部に連結
    される断面多角形の第1工具軸と、先端に第2作業端を
    有し、上記第1工具軸断面と略同形状断面で、かつ、軸
    長方向に延びる内周面を有し、上記第1工具軸外周に装
    着され、第1工具軸上を移動可能かつ上記第1作業端よ
    りも上記第2作業端が軸長方向先端側に位置する所定の
    第1固定位置と、上記第1作業端よりも上記第2作業端
    が軸長方向基端側に位置する第2固定位置とで上記第1
    工具軸に対して固定可能な第2工具軸とから構成される
    締結装置において、上記第2工具軸は、上記第2作業端
    よりも基端側に、第2工具軸外周と内周面の断面多角形
    角部とを連通する連通穴と、該連通穴に保持されると共
    に、上記第2工具軸内周面から第1工具軸側に所定量突
    出して上記第2工具軸を上記第1工具軸に係合する係合
    部材と、上記第2工具軸外周に装着され、第2工具軸に
    対して軸長方向に摺動操作することで第2工具軸の第1
    工具軸に対する固定と移動可能状態とが切替え可能で、
    かつ、固定および移動可能状態のいずれにおいても上記
    連通穴の外周側を覆うような軸長方向長さに設定された
    操作筒体とから成り、該操作筒体内周面に、上記係合部
    材を第1工具軸側に押圧するよう操作筒体内周面よりも
    第1工具軸側に突出した押圧部を設け、該押圧部は、軸
    長方向に平行な第1押圧部と、該第1押圧部と上記操作
    筒体内周面とをテーパ状に連通する第2押圧部とから成
    り、上記第1工具軸は、上記第1固定位置で上記係合部
    材が係合するよう断面多角形角部に設けた第1係合凹部
    と、上記第2固定位置で上記係合部材が係合するよう断
    面多角形角部に設けた第2係合凹部とを有し、上記第1
    係合凹部は、上記係合部材が上記第1押圧部に押圧され
    て係合するよう凹部深さが設定されると共に、上記第2
    係合凹部は、上記係合部材が上記第2押圧部に押圧され
    て係合するよう凹部深さが第1係合凹部よりも所定量小
    さく設定されたことを特徴とする締結装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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