JP2002035114A - 非常時に対応可能な血液回路 - Google Patents

非常時に対応可能な血液回路

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JP2002035114A JP2000219638A JP2000219638A JP2002035114A JP 2002035114 A JP2002035114 A JP 2002035114A JP 2000219638 A JP2000219638 A JP 2000219638A JP 2000219638 A JP2000219638 A JP 2000219638A JP 2002035114 A JP2002035114 A JP 2002035114A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な構成によって、非常時の対
応が可能となる血液透析装置を提供すること。 【解決手段】 血液の体外循環を行うために使用
する血液回路であって、動脈側血液回路の動脈側連結部
近傍部位と、静脈側血液回路の静脈側連結部近傍部位と
を連絡するバイパス回路を有し、動脈側血液回路の第1
分岐部の上流側と下流側の部位を開閉できる手段と、静
脈側血液回路の第2分岐部の上流側と下流側の部位を開
閉できる手段とを有し、さらに前記バイパス回路を開閉
できる手段を有することを特徴とする体外循環用血液回
路。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液体外循環のた
めの血液回路に関し、特に血液循環中に起きる可能性の
ある種々のトラブルに備えて、対応するための手段を有
する血液回路に関する。
【0002】
【従来の技術】血液透析や血漿交換等の血液体外循環を
行っているときに、火災や地震などの天災、或いは体外
循環に関する機器やその他に起因するトラブルが発生す
ることがあるため、そのような場合の対応策を予め考え
ておくことが必要である。上記の非常事態が起きた場
合、例えば通常の血液透析に使用する血液回路では、対
応するのに時間がかかり、患者が危険な状態に陥る恐れ
があった。
【0003】通常の血液透析に使用する一般的な血液回
路に図1に示すようなものがあるが、この血液回路で非
常事態が発生した場合、以下に示すような方法で対処し
ていた。例えば血液透析器またはその付近で異常が発生
し、血液リーク(透析液回路側への血液漏出や血液流路
の接合部分からの血液漏出)や血液凝固等が起きた場合
には、血液ポンプを手動若しくは自動で停止し、医療従
事者が血液回路を交換する等の操作を行っていた。
【0004】しかし、複数の患者を抱える施設や、在宅
透析等では血液回路を交換するのに時間がかかり、血液
リークの場合には、透析液の混入した血液が患者体内に
返される、血液凝固の場合には、凝固反応の進行した血
液が体内に返される可能性があった。そのため、天災や
種々のトラブル等の非常事態に備えて、従来より種々の
装置が考案されてきた。例えば、実公平4−6763号
や特開平9−75452号に開示されているような導管
切断手段や実公平6−28125号に開示されている離
脱式体外循環回路等である。
【0005】しかし、実公平6−28125号に開示さ
れた離脱式体外循環回路には、以下のような問題があっ
た。先ず、製造する側の問題がある。このような多く
(4個)のコネクターを血液回路に装填するのは、手間
であり、コストアップにつながる。上記構成は通常時に
は必要なものではないため、なるべく簡素な構成で安価
にできるものが望ましい。
【0006】次に、血液回路の構造に起因する問題があ
る。上記のようなコネクターを血液回路に組込むと、流
路の径の変化や流路障害部分ができて、血液滞留や血栓
が生成し易くなる。また、操作性や操作ミスに関する問
題も起こる。血液回路に装着された各コネクターを脱着
する前に、同じく血液回路に装着された閉止手段を間違
えずに操作しなくてはならず、操作が煩雑である。ま
た、誤って閉止手段を閉止せずに、コネクターの接続を
変更した場合、多量の血液が流出する恐れがある。特に
在宅での血液浄化など異常が発生してから医療従事者が
到着し処置するまでに時間を有する場合は特に危険であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の事を鑑み、本発
明においては、以下のような血液回路を提供することを
目的とする。第1に、なるべく簡便な構成によって、非
常時の対応が可能となること。簡便な構成であっても、
非常時の対応は確実に、迅速に行えるものであること。
第2に、付加した構成によって、使用上、問題となるよ
うなデメリットが発生しないこと。例えば、上述したよ
うな血栓形成や誤操作による危険性が大きくないこと等
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、血液の体外
循環を行うために使用する血液回路であって、該血液回
路において、(患者動脈と連結する)動脈側連結部と血
液透析器とを連絡する動脈側血液回路と、(患者静脈と
連結する)静脈側連結部と前記血液透析器とを連絡する
静脈側血液回路とを有し、また動脈側血液回路の前記動
脈側連結部近傍部位と、静脈側血液回路の前記静脈側連
結部近傍部位とを連絡するバイパス回路を有し、動脈側
血液回路とバイパス回路との結合部を第1分岐部とし、
静脈側血液回路とバイパス回路との結合部を第2分岐部
としたときに、動脈側血液回路の第1分岐部上流側と下
流側のそれぞれの部位を独立に開閉できる動脈側血液回
路の開閉手段を有し、静脈側血液回路の第2分岐部上流
側と下流側のそれぞれの部位を独立に開閉できる静脈側
血液回路の開閉手段を有し、さらに前記バイパス回路を
開閉できるバイパス回路の開閉手段を有することを特徴
とする体外循環用血液回路によって上記課題を解決し
た。
【0009】上記の動脈側連結部、静脈側連結部という
のは、図1で示す4、11であり、図示していないが、
それぞれ患者の動脈、静脈に穿刺された留置針と血液回
路との接続部である。上記でいう血液回路の上流、下流
とは、通常の血液浄化処理を行っている時の血液の流れ
(患者動脈側→血液透析器→患者静脈側)方向を基準と
している。
【0010】また、上記でいう各近傍(動脈側連結部近
傍部位、或いは静脈側連結部近傍部位)とは、血液回路
における他の構成要件、例えば動・静脈チャンバー、血
液ポンプ、補液用側注部との関係においてであり、絶対
的距離を表わすものではない。つまり、動・静脈チャン
バー、血液ポンプ、補液用側注部は、動脈側連結部近傍
部位、或いは静脈側連結部近傍部位には装着されず、そ
れより遠方に設けられる。
【0011】より詳細に規定すれば、バイパス回路の一
端部は動脈側連結部と血液ポンプ(装着部)上流側の間
の血液回路に連結され、バイパス回路の別端部は静脈側
連結部と静脈テャンバー下流側の間に連結されるもので
ある。従って、動脈側連結部の近傍部位である第1分岐
部、或いは静脈側連結部の近傍部位である第2分岐部
は、血液透析器や動・静脈チャンバー等を血液透析装置
に装填する状態によって、各連結部位からの距離が長く
なったり、短くなったりする。例えば、図1に示す第1
分岐部15と動脈連結部4、または第2分岐部16と静
脈連結部11の距離は、100〜300cmの範囲で変
動する。
【0012】図1に示した例では、動脈側血液回路の開
閉する部位が2箇所、静脈側血液回路の閉塞する部位が
2箇所、バイパス回路の閉塞する部位が2箇所のものを
開示しているが、本発明の血液回路はこの実施例に限定
されない。動・静脈側血液回路では、少なくとも各分岐
部の上流、下流に閉塞部位を有する必要があるため、各
血液回路の閉塞部位はそれぞれ2箇所以上となるが、バ
イパス回路に設ける開閉手段は、一箇所以上の開閉部位
を有していれば良い。
【0013】
【発明の実施の形態】また、本発明において、以下に示
すような実施態様が挙げられる。即ち、図4に示すよう
に、前記バイパス回路の開閉手段が、バイパス回路の
(少なくとも)2つの異なる部位を独立に開閉すること
のできるものであり、前記2つの開閉部位の間に補液用
側注部の形成された前記の体外循環用血液回路である。
本願図面中に示す開閉手段の白抜き、(黒)塗りつぶし
は、そのものの開閉状態を表わし、白抜きは開放、塗り
つぶしは閉止状態を表わす。上記の実施態様をとること
によって、非常時の対応が迅速且つ簡便に取れるように
なるのみならず、通常の血液透析を行う場合でも、プラ
イミング処理、返血操作等を簡便に且つ正確に行うこと
ができるようになる。
【0014】或いは、図9に示すように、前記バイパス
回路の開閉手段が、バイパス回路および補液用側注部の
連結部位に装着された三方活栓様のものであっても良
い。その部位に三方活栓様の開閉手段を装着することに
よって、2つの開閉手段を1つにすることができ、また
簡便にバイパス回路および補液用側注部の流路変更を行
うことができる。
【0015】また、図9では開閉手段内の流路とバイパ
ス回路または補液用側注回路との流路が連絡・遮断され
るものを示しているが、図10に示すように流路自身は
変化せずに、流路に設けたロータリー式開閉手段24が
回転し、該開閉手段24に形成された各突起25によっ
て、回路(流路)が開閉するものであっても良い。それ
自体が本願発明でないため、上記ロータリー式開閉手段
の詳細な説明を省くが、本願発明と同じ出願人である特
願平10−249226で開示済みのものである。例え
ば、前記動脈側血液回路及び静脈側血液回路の開閉手段
としてチューブを外側からカム構造を用いて押えるもの
や、円周方向にダイヤル状部品を動かす力をカム構造に
よって変換し、一箇所以上のチューブを外側から押える
ことを特徴とする開閉手段である。
【0016】上記のように、三方活栓様流路を用いて流
路変更を行う機構若しくはカム構造を用いて一箇所以上
のチューブを同時に閉塞させる機構を用いることで、停
電時など制御装置が緊急に停止した場合においても、手
動で簡便且つ安全に流路変更をさせることができ、有用
である。
【0017】また、図示していないが、前記動脈側血液
回路の開閉手段と、前記静脈側血液回路の開閉手段と、
前記バイパス回路の開閉手段とを連動制御する制御部を
有する前記の体外循環用血液回路を使用することによっ
て、通常時の各行程における切換えや、非常時の対応措
置が迅速・正確且つ簡便にとれるようになる。
【0018】さらに前記制御部が、補液用側注部に装着
された補液用側注部の開閉手段と、血液回路に装填され
た血液ポンプの駆動も連動制御するものであれば、施術
者はさらに負担が軽減される。
【0019】前記の体外循環用血液回路において、前記
動脈側血液回路の開閉手段および前記静脈側血液回路の
開閉手段とを閉止し、バイパス回路を経由して動脈側連
結部から静脈側連結部に血液を流したときに、第1分岐
部から下流側動脈側血液回路の開閉手段までの血液回路
内、或いは第2分岐部から上流側静脈側血液回路の開閉
手段までの血液回路内に、実質的に血栓を形成しない程
度に、前記血液回路の両方の距離(第1分岐部から下流
側動脈側血液回路の開閉手段までの距離、および第2分
岐部から上流側静脈側血液回路の開閉手段までの距離)
が短くなるように、下流側動脈側血液回路の開閉手段お
よび上流側静脈側血液回路の開閉手段を装着するのが、
望ましい。
【0020】即ち、図1に示す第1分岐部15から動脈
側第2クランプ18まで(便宜的に第1滞留部分ともい
う)の距離、或いは第2分岐部16から静脈側第1クラ
ンプ19まで(第2滞留部分ともいう)の距離のいずれ
かが長いと、動脈側第2クランプ18及び静脈側第1ク
ランプ19を閉止してバイパス回路14に血液を流した
場合に、前記の第1、或いは第2滞留部分に多量の血液
が滞留することになる。その結果、これらの部分に血栓
が形成し易くなる。従って、前記両滞留部分を形成しな
いように、動脈側第2クランプ18及び静脈側第1クラ
ンプ19を配置するのが望ましい。
【0021】前記動脈側血液回路の第1分岐部下流側の
開閉部位が第1分岐から10cm以下、さらには0〜5
cm離れたところにあり、同様に前記静脈側血液回路の
第2分岐部上流側の開閉部位が第2分岐から10cm以
下、さらには0〜5cm離れたところにあるものは、血
液をバイパス回路を経由して流した場合に血栓を形成し
難いので、より好ましい。さらに、前記バイパス回路の
長さ(第1分岐部から第2分岐部までの距離)が 1 〜
30cmである前記記載の体外循環用血液回路も同様の
点で好ましい。前記血液回路は、血液透析用として使用
すると最適である。
【0022】本発明では、動脈側血液回路に設けた閉塞
手段、静脈側血液回路に設けた閉塞手段、バイパス回路
に設けた閉塞手段を調整(制御)することによって、非
常時おける血液回路内の血液の流路を変更することがで
き、緊急の場合の対応が可能となる。さらに、上記閉塞
手段を補液用側注部や血液ポンプと連動・制御すること
によって、通常の体外循環を行う場合でも、プライミン
グ処理、返血操作が簡便になり、有用である。
【0023】
【実施例】本発明の1つの実施例を図によって、説明す
る。図1に示すように、本発明の血液回路1は、動脈側
血液回路2と静脈側血液回路3とからなる。動脈側血液
回路2は、患者の動脈と連絡する動脈側連結部4に始ま
り、補液用側注部5、血液ポンプ(装着部)6、動脈チ
ャンバー7等を経て、動脈側透析器連結部8で終わって
いる。静脈側血液回路3は、静脈側透析器連結部9に始
まり、静脈チャンバー10を経て静脈側連結部11で終
わっている。血液透析器12は、(透析処理をモニター
し、制御するための)透析コンソール13に透析液回路
を介して連絡している。
【0024】そして、動脈側血液回路の患者側に近い部
位と、静脈側血液回路の患者側に近い部位とを導管で連
絡するバイパス回路14を形成する。ここで、便宜的に
バイパス回路14と動脈側血液回路2との連結部を第1
分岐部15とし、バイパス回路14と静脈側血液回路3
との連結部を第2分岐部16とする。そして、上記動脈
側連結部4と第1分岐部15との距離は、各施設の患者
と血液透析装置との配置(相対的位置)によって決まる
が、一般的に100 〜300cmであるのが多い。同
様に、上記静脈側連結部11と第2分岐部16との好ま
しい距離は 100〜300 cmである。
【0025】上記分岐部15、16の位置は、それぞれ
血液ポンプの上流側、静脈チャンバーの下流側であり、
また各分岐部はできるだけ血液透析装置(血液透析用コ
ンソール)の近くに設けるのが好ましい。さらに言え
ば、第1分岐部と血液ポンプの間、第2分岐部と静脈チ
ャンバーとの間(距離)は、なるべく短くするのが望ま
しい。それによって、装置全体を簡略化でき、また血液
循環流量を少なくすることができる。
【0026】動脈側血液回路2において、第1分岐部1
5の上流側に動脈側第1クランプ17、第1分岐部15
の下流側に動脈側第2クランプ18を装着する[図1を
参照]。 静脈側血液回路3において、第2分岐部16
の上流側に静脈側第1クランプ19、第2分岐部16の
下流側に静脈側第2クランプ20を装着する。本明細書
でいうところの上流側、下流側とは、通常に体外循環を
行っているのときの血液の流れを根拠とする[図2を参
照]。 また、バイパス回路14において、第1分岐部
15に近い側にバイパス第1クランプ21を装着し、第
2分岐部16に近い側にバイパス第2クランプ22を装
着する。
【0027】通常透析時は図2に示すように、バイパス
第1クランプ21とバイパス第2クランプ22とを閉止
し、バイパス回路14を閉止する。動脈側第1、第2ク
ランプ17、18と静脈側第1、第2クランプ19、2
0は開放している。その状態で血液ポンプ6を駆動する
と、血液は動脈側連結部4から第1分岐部を通って、動
脈側透析器連結部8に流れ、さらに静脈側透析器連結部
9を通って、静脈側連結部11に流れる。
【0028】前述したような非常事態発生時には、図3
に示すように、動脈側第2クランプ18と静脈側第1ク
ランプ19とを閉止し、バイパス回路の両クランプ2
1、22と動脈側第1クランプ17、静脈側第2クラン
プ20を開放にする。(ここでは、血液ポンプ6は停止
している。)その結果、血液は血液透析器12に連なる
動・静脈側血液回路には流れずに、バイパス回路14を
短絡して患者に返される。
【0029】本発明の別の実施形態として、図(4〜
7)に示すように、バイパス回路14に補液用側注部5
を連絡させたものも考えられる。このような構成をとる
ことによって、留置針を接続したままで、循環式のプラ
イミングを行うことが可能となる。動脈側の留置針(図
示せず)を患者30に接続し、静脈側の留置針を患者か
ら抜去した状態で、動脈側第1クランプ17とバイパス
第2クランプ22とを閉止し、残りのクランプ18、1
9、20、21を開放する[図4参照]。そして、この
状態で補液用側注部に装着した開閉手段(クランプ)4
0を開放し、血液ポンプ6を駆動すると、補液側注部5
から生食液が動・静脈血液回路を流れ、ワンパス(再循
環しないもの)によるプライミングができる。
【0030】このとき、図示していないが、動脈側血液
回路に設けた開閉手段17、18と、静脈側血液回路に
設けた開閉手段19、20と、バイパス回路に設けた開
閉手段21、22を連動制御する制御部を設けると、操
作を簡便に効率的に行うことができる。さらに、上記の
3つの開閉手段のみでなく、血液ポンプ6と補液用側注
部のクランプ40とを連動制御できるようにすると、よ
り操作が簡便になる。
【0031】図5に示すように、動脈側第1クランプ1
7と静脈側第2クランプ20とを閉止し、残りのクラン
プ18、19、21,22を開放して、血液ポンプ6を
駆動すると、生食液は閉鎖系の血液回路を循環し続け
る。このとき、血液回路は閉鎖系になっているため、補
液用側注部の開閉手段を閉止しなくても、補液側注部か
らの生食液は回路内に流入してこない。生食液を有効に
使用するため、上記のようなプライミング法も可能であ
る。
【0032】そして、この構成を有するものは、血液透
析終了の際の返血(血液回路内に残存する血液を、患者
体内に返すこと)時にも、便利である。図6に示すよう
に、動脈側第1クランプ17とバイパス第2クランプ2
2とを閉止し、残りのクランプ18、19、20,21
を開放して、血液ポンプ6を駆動する。このとき、患者
の動脈・静脈に留置針が接続されたままである。動脈側
のクランプ17が閉止しているため、患者動脈から血液
が供給されず、代りに補液側注部5から生食液が動・静
脈血液回路内に流入し、回路内に残存する血液を洗浄し
ながら、患者体内に戻す。
【0033】また、本回路においては図7に示すような
こともできる。即ち、上述のクランプ17、18、1
9、20、21、22を全て開放したままで、血液ポン
プ6を駆動する。そうすると、患者側から流入する若し
くは患者側へ流出させる血液流量にとらわれることなく
任意に血液浄化器12への流入速度を変化させることが
でき、浄化効率を変化させることができる。例えば血液
透析の場合は、限外濾過と拡散の作用及び吸着作用にて
血液を浄化しているが、流入速度を変化させることでこ
れらのバランスを変化させることができ、ターゲットと
なる物質を血液中から取り除くことも可能である。
【0034】さらに本発明では、以下に示すような別の
実施態様も有用である。即ち、図11に示すように、バ
イパス回路および第1分岐部、第2分岐部に既述したよ
うな複数の開閉手段を設けたものの動脈連結部側端部、
静脈連結部側端部、動脈回路側端部、静脈回路側端部に
それぞれコネクター50、51、52、53を装着し
て、動・静脈連結部や動・静脈側血液回路から脱着自在
にできる補助回路60である。通常は補助回路無しで、
動脈連結部側コネクター50と動脈回路側コネクター5
2とを接続し、静脈連結部側コネクター51と静脈回路
側コネクター53とを接続して使用する。そして、非常
事態が起きた場合、またはその恐れがある場合に前記各
コネクターに、補助回路の各コネクターを接続して、補
助回路60を組込んで使用すれば、患者からの血液循環
を保持したままで対応することが可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明の血液回路を使用することによっ
て、以下のような利点が得られる。本発明の血液回路は
簡素な構成であるため、製造し易く、コストアップを抑
えることができる。また、簡素な構造ではあるが、非常
時には確実に、且つ迅速に対応することができる。そし
て、本発明の血液回路は、通常使用する血液回路と比較
して、使用上、問題となるデメリットはなく、同じよう
に使用することができる。そのため、緊急事態用に限定
せずに、汎用モデルとして広く普及させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液回路の1実施態様の大まかな構成
・配置を示す概略図。
【図2】図1の血液回路において、通常の血液透析処理
を行っている状態、および血液の流れを示す概略図。
【図3】図1の血液回路において、血液透析器や血液回
路の一部に異状が認められた等、非常事態が発生した際
に、血液流路を短絡させて患者に血液を返す状態を示す
概略図。
【図4】本発明の血液回路の別の実施態様の大まかな構
成・配置と、該血液回路に補液を追加しながら、血液透
析前のプライミング(充填・気泡除去)処理を行ってい
る状態を示す概略図。
【図5】図4の血液回路において、補液を追加せずに回
路内を液で再循環することによって、プライミング処理
を行っている状態を示す概略図。
【図6】図4の血液回路において、血液透析終了後に返
血操作(回路内に残存する血液を患者体内に返す操作)
を行っている状態を示す概略図。
【図7】図4の血液回路において、血液循環の不良な患
者に対して、血液流量を増加するように血液透析処理を
行う方法を示す概略図。
【図8】従来の血液透析用の血液回路を示す概略図。
【図9】本発明の血液回路の別の実施例における、バイ
パス回路とそれに設けた開閉手段の一部分と作用機構を
示す概略図。
【図10】本発明の他の実施例における、バイパス回路
とそれに設けた開閉手段の一部分と作用機構を示す概略
図。
【図11】本発明の他の実施例における補助回路を示す
概略図。
【符号の説明】
1.血液回路 2.動脈側血液回路 3.静脈側血液回路 4.動脈側連結部 5.補液用側注部 6.血液ポンプ(装着部) 7.動脈チャンバー 8.動脈側透析器連結部 9.静脈側透析器連結部 10.静脈チャンバー 11.静脈側連結部 12.血液浄化器(血液透析器) 13.透析コンソール 14.バイパス回路 15.第1分岐部 16.第2分岐部 17.動脈側第1クランプ 18.動脈側第2クランプ 19.静脈側第1クランプ 20.静脈側第2クランプ 21.バイパス第1クランプ 22.バイパス第2クランプ 23.三方活栓様クランプ 24.ロータリー式クランプ(ロータリー式開閉手段) 25.突起 30.患者 31.動脈側留置針 32.静脈側留置針 40.補液用側注部のための開閉手段 50.動脈連結部側コネクター 51.静脈連結部側コネクター 52.動脈回路側コネクター 53.静脈回路側コネクター 60.補助回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血液の体外循環を行うために使用する血液
    回路であって、該血液回路において、動脈側連結部と血
    液透析器とを連絡する動脈側血液回路と、静脈側連結部
    と前記血液透析器とを連絡する静脈側血液回路とを有
    し、また動脈側血液回路の前記動脈側連結部近傍部位
    と、静脈側血液回路の前記静脈側連結部近傍部位とを連
    絡するバイパス回路を有し、さらに動脈側血液回路とバ
    イパス回路との結合部である第1分岐部の上流側と下流
    側の動脈側血液回路のそれぞれの部位を独立に開閉でき
    る動脈側血液回路の開閉手段と、静脈側血液回路とバイ
    パス回路との結合部である第2分岐部の上流側と下流側
    の静脈側血液回路のそれぞれの部位を独立に開閉できる
    静脈側血液回路の開閉手段とを有し、さらに前記バイパ
    ス回路を開閉できるバイパス回路の開閉手段を有するこ
    とを特徴とする体外循環用血液回路。
  2. 【請求項2】前記バイパス回路の開閉手段が、バイパス
    回路の異なる2つの部位を独立に開閉することのできる
    ものであり、前記2つの開閉部位の間に補液用側注部の
    形成されたものである請求項1記載の体外循環用血液回
    路。
  3. 【請求項3】前記バイパス回路の開閉手段が、バイパス
    回路および補液用側注部の連結部位に装着された三方活
    栓様のものである請求項1記載の体外循環用血液回路。
  4. 【請求項4】前記動脈側血液回路の開閉手段と、前記静
    脈側血液回路の開閉手段と、前記バイパス回路の開閉手
    段とを連動制御する制御部を有する請求項1〜3のいず
    れかの項に記載の体外循環用血液回路。
  5. 【請求項5】前記制御部が、補液用側注部に装着された
    補液用側注部の開閉手段と、血液回路に装填された血液
    ポンプの駆動も連動制御するものである請求項4記載の
    体外循環用血液回路。
  6. 【請求項6】前記動脈側血液回路の開閉手段および前記
    静脈側血液回路の開閉手段とを閉止し、バイパス回路を
    経由して動脈側連結部から静脈側連結部に血液を流した
    ときに、第1分岐部から下流側動脈側血液回路の開閉手
    段までの血液回路内、或いは第2分岐部から上流側静脈
    側血液回路の開閉手段までの血液回路内に、実質的に血
    栓を形成しない程度に、前記血液回路の両方の距離(第
    1分岐部から下流側動脈側血液回路の開閉手段までの距
    離、および第2分岐部から上流側静脈側血液回路の開閉
    手段までの距離)を短くした請求項1〜5のいずれかの
    項に記載の体外循環用血液回路。
  7. 【請求項7】前記バイパス回路の長さ(第1分岐部から
    第2分岐部までの距離)が 2〜100cmである請求
    項1〜6のいずれかの項に記載の体外循環用血液回路。
  8. 【請求項8】前記血液回路が血液透析用のものである請
    求項1〜7のいずれかの項に記載の体外循環用血液回
    路。
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