JP2002029977A - ドライアイの治療用血清及びその製造方法 - Google Patents

ドライアイの治療用血清及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002029977A
JP2002029977A JP2000212457A JP2000212457A JP2002029977A JP 2002029977 A JP2002029977 A JP 2002029977A JP 2000212457 A JP2000212457 A JP 2000212457A JP 2000212457 A JP2000212457 A JP 2000212457A JP 2002029977 A JP2002029977 A JP 2002029977A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
serum
dry eye
preparation
blood
patient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000212457A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Tsubota
一男 坪田
Akihiro Higuchi
明弘 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TSUBOTA KK
Original Assignee
TSUBOTA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TSUBOTA KK filed Critical TSUBOTA KK
Priority to JP2000212457A priority Critical patent/JP2002029977A/ja
Publication of JP2002029977A publication Critical patent/JP2002029977A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人工涙液に代わるドライアイ治療用点眼剤を
提供する。 【解決手段】 ドライアイの治療を必要とする患者の血
液から得られる血清製剤、又は当該血清を凍結乾燥して
なる血清粉末製剤を水又は生理食塩水で溶解したもの
を、ドライアイ治療用の点眼剤として用いる。また、ド
ライアイの治療を必要とする患者の血液を入れた、前記
患者の情報を記載したラベルを付けた容器を受託し、患
者の血液からドライアイ治療用血清製剤又は血清粉末製
剤を製造し、前記ラベルに基づく前記血清製剤の送り先
を確認し、しかるのち、輸送手段によって前記ドライア
イ治療用血清製剤を、ラベルにより指定された場所に送
り届ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライアイの治療
用血清製剤ならびに血清粉末製剤およびそれらの製造方
法に関する。さらに、本発明は、ドライアイ治療用血清
配送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ドライアイ(眼乾燥症)は涙液の質的及
び量的な異常により、眼の表面、すなわち角結膜に障害
が起こる疾患である。また、シェーグレン症候群のよう
な自己免疫異常、乾性角結膜炎、スティーブン−ジェン
ソン症候群、眼瞼縁炎症等の各種のドライアイ疾患、白
内障術後やアレルギー性結膜炎に伴うドライアイのほ
か、近年のOA化に伴うVDT作業(ビデオ画面端末作
業)の急増や、冷暖房等による部屋の乾燥により、全身
的に異常のない涙液減少疾患が増加している。ドライア
イ患者は、潜在患者を含め、我が国では800万人とい
われ、ドライアイの増加は社会問題にもなっている。
【0003】涙液には、EGF(epithelial growth fa
ctor, 上皮成長因子)、TGF−β(transforming gro
wth factor, トランスフォーミング成長因子)やビタミ
ンAのような成分が含まれる。これらの涙液に含まれる
成分は、角膜上皮の増殖分化に重要であることが知られ
ている。ドライアイによりこれらの成分が欠乏すると、
角膜上皮の増殖及び分化に障害が生じることがある。こ
のような状態では、角膜上皮に傷がついても治りにく
く、細菌感染も起こしやすい。
【0004】現在までに、ドライアイ患者のための人工
涙液が各種開発されている。例えば、特開平7−223
966号公報には、加水分解コラーゲンペプチド、キト
サン加水分解成分等の生体適合性、保水性、親水性の高
い成分を含む、ドライアイによる涙液不足を補うための
眼科用人工涙液が記載されている。特開平10−218
760号公報には、人工涙液に微量の油を添加して、油
分の補給を行い、涙液の蒸発を防ぐための人工涙液につ
いて記載されている。さらに、特開2000−1596
59号公報には、生体金属イオン及びアルカリ土類金属
イオンを含み、浸透圧が200〜295 OsmkgH2
Oであって、pH6〜8の眼科用人工涙液が記載されて
いる。
【0005】しかし、これらの人工的な涙液には、涙液
に微量に含まれる成長因子のような成分のすべてが含ま
れていないため、あくまで涙液の一時的な代替にすぎ
ず、ドライアイにより障害を受けた上皮細胞の増殖を涙
液と同程度にまで補うことができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、人
工涙液に代わるドライアイ治療用点眼剤を提供する。さ
らに、本発明は、そのようなドライアイ治療用点眼剤を
指定された場所に送り届けるドライアイ治療用血清配送
方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ドライア
イの治療用に血清を用いることが有効であることを発見
し、ドライアイ治療用血清粉末製剤を開発した。このド
ライアイ治療用の血清粉末製剤は、製剤の保存を容易に
し、患者が自宅で簡単に必要な治療を行うことを可能に
するものである。本発明によるドライアイ治療用の血清
粉末製剤の製造方法は、採取した血液を凝固させるステ
ップと、前記凝固した血液から血清を回収するステップ
と、回収された血清を滅菌するステップと、前記血清を
凍結乾燥するステップとを含む。
【0008】本発明のドライアイ治療用粉末製剤の製造
方法では、滅菌された血清を生理食塩水により希釈する
ステップをさらに含んでもよく、また、本発明のドライ
アイ治療用血清粉末製剤の製造方法では、各種の成長因
子、ビタミンA、ビタミンC、ヒアルロン酸、アルブミ
ン、ラクトフェリンのいずれか一以上を、回収された血
清に添加するステップをさらに含んでもよい。本発明の
血清粉末製剤の製造方法によれば、長期間にわたって保
存可能なドライアイ治療用の点眼用血清粉末製剤が得ら
れる。
【0009】本発明のドライアイ治療用血清粉末製剤
は、使用時に、水又は生理食塩水で溶かして水溶液とし
て、ドライアイの点眼治療に用いる。このようなドライ
アイ治療用血清粉末製剤は、安定性が高く、特別の保存
設備がなくても、より長期の保存が可能である。また、
上述の血清粉末製剤と、水又は生理食塩水とを容器に別
々に収めたドライアイ治療用キットの形態で提供されて
もよい。
【0010】また、本発明は、採取した血液を凝固させ
るステップと、前記凝固した血液から血清を回収するス
テップと、回収された血清を滅菌するステップと、生理
食塩水により前記血清を希釈するステップと、希釈され
た血清を凍結するステップとを含むドライアイ治療用血
清製剤の製造方法を提供する。本発明の血清製剤の製造
方法によれば、ドライアイ治療用の保存可能な点眼用血
清製剤が得られる。
【0011】本発明のドライアイ治療用血清製剤の製造
方法では、各種の成長因子、ビタミンA、ビタミンC、
ヒアルロン酸、アルブミン、ラクトフェリンのいずれか
一以上を、回収された血清に添加するステップをさらに
含むものでもよい。成長因子、ビタミンAは、天然の涙
液に含まれ、上皮細胞の増殖等に働くため、涙液の欠乏
により障害を受けた上皮細胞の治療に、特に有効であ
る。
【0012】さらに、本発明は、ドライアイ治療用の血
清粉末製剤を指定場所に送り届けるための配送方法を提
供する。すなわち、ドライアイの治療を必要とする患者
の血液を入れた、前記患者の情報を記載したラベルを付
けた容器を受託し、該血液から得られる血清を凍結乾燥
することによりドライアイ治療用血清粉末製剤を製造
し、前記ラベルに基づく血清粉末製剤の送り先を確認
し、しかるのち、輸送手段によって前記ドライアイ治療
用血清粉末製剤を、ラベルにより指定された場所に送り
届けることを特徴とするドライアイ治療用の血清粉末製
剤配送方法を提供する。
【0013】また、本発明は、ドライアイの治療を必要
とする患者の血液を入れた、前記患者の情報を記載した
ラベルを付けた容器を受託し、前記血液からドライアイ
治療用血清製剤を製造し、前記ラベルに基づく治療用血
清製剤の送り先を確認し、しかるのち、輸送手段によっ
て前記ドライアイ治療用血清製剤を、ラベルにより指定
された場所に送り届けることを特徴とするドライアイ治
療用の血清製剤配送方法を提供する。
【0014】これらの本発明の血清粉末製剤配送方法又
は血清製剤配送方法によれば、遠隔地に居住する患者
や、多忙等のため通院時間がとれない患者などが、任意
の場所で医師によらず血液を採取して、その血液から製
造された血清粉末製剤又は血清製剤を任意の場所及び任
意の日時に受け取ることができるため、患者の時間的、
経済的負担が軽減される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のドライアイ治療用血清製
剤の製造方法は、患者から血液を採血管で採血して、血
液を凝固させた後、血清を回収して滅菌後、生理食塩水
により希釈することにより行う。
【0016】一般的に採血は、静脈血から適当量を採血
管に採取し、30分程度室温で放置することによって凝
固させる。凝固後、遠心器で例えば4,500×gで1
0分程度遠心することにより、上清と血餅の部分に分離
し、上清の血清を回収する。
【0017】回収された血清は、一般的な方法、例え
ば、加圧濾過滅菌により滅菌される。適当な加圧濾過滅
菌法としては、0.45μmのメンブランフィルターに
よる加圧濾過滅菌が例示できる。滅菌後の血清は、必要
に応じて、0.5〜5ml程度に分注して、局方品の生
理食塩水により希釈する。滅菌操作及び分注は、クリー
ンベンチ内で無菌的に操作するのが望ましい。
【0018】なお、生理食塩水による希釈は、血清:生
理食塩水の体積比が、1:0.5〜9程度、好ましく
は、1:1〜6程度、より好ましくは1:3〜5程度、
最も好ましくは、1:4とする。一方、炎症を起こす可
能性がなければ、生理食塩水による希釈を行わずに、全
血清を点眼することも可能である。
【0019】本発明のドライアイ治療用血清製剤には、
添加物として、各種の成長因子、ビタミンA、ビタミン
C、ヒアルロン酸、アルブミン、ラクトフェリン等を含
むものでもよい。成長因子としては、EGF、TGF−
α、TGF−β1、TGF−β2を例示できる。血清製
剤への添加量は、EGFを0.1〜100ng/mL、
TGF−αを10〜1000pg/mL、TGF−β1
を0.5〜500ng/mL、TGF−β2を5〜10
00pg/mL、ビタミンAを1〜1000ng/m
L、ビタミンCを1〜1000μg/mL、アルブミン
を10〜10000μg/mL、ラクトフェリンを0.
1〜100mg/mLとすることができる。より好まし
くは、EGFを1〜10ng/mL、TGF−αを10
0〜500pg/mL、TGF−β1を1〜30ng/
mL、TGF−β2を10〜100pg/mL、ビタミ
ンAを10〜100ng/mL、ビタミンCを50〜5
00μg/mL、アルブミンを10〜100μg/m
L、ラクトフェリンを1〜10mg/mLとすることが
できる。これらの添加量は、疾患の程度、点眼回数等に
より適宜変更可能であり、特に限定されない。
【0020】このようにして得られたドライアイ治療用
血清製剤は、冷蔵又は冷凍保存が可能である。冷凍保存
では、少なくとも約3ヶ月、冷蔵保存では、少なくとも
約2週間、安定して保存可能である。さらに、このドラ
イアイ治療用血清製剤は、防腐剤無添加でも、通常の使
用及び保存方法で、細菌、真菌類の混入による汚染を起
こすことがない。なお、保存に用いる容器は、ビタミン
Aの分解を防止するため、紫外線を遮光するものが望ま
しい。
【0021】本発明のドライアイ治療用血清粉末製剤
は、患者の血液から得られる血清を凍結乾燥してなるも
のである。このドライアイ治療用血清粉末製剤は、上述
の様な方法で得られるドライアイ治療用血清を凍結乾燥
したものである。凍結乾燥法は、一般的に行われている
凍結乾燥により行うことができ、条件等は、特に限定さ
れない。このドライアイ治療用血清粉末製剤は、ドライ
アイ治療用血清製剤と同様に生理食塩水による希釈や添
加物の添加を行うことが可能である。本発明のドライア
イ治療用血清粉末製剤は、水(好ましくは滅菌蒸留水)
又は生理食塩水を添加して溶かした後、使用する。
【0022】本発明のドライアイ治療用血清製剤、又は
ドライアイ治療用血清粉末製剤を蒸留水又は生理食塩水
で溶解した水溶液を、一般的には、1日に6〜10回、
眼に数滴点眼することにより、ドライアイの治療を行
う。点眼回数は、症状に応じて増減する。さらに、本発
明の血清製剤及び血清粉末製剤の水溶液は、ドライアイ
の治療目的のみならず、ドライアイの予防、ドライアイ
の症状改善目的に用いることができる。
【0023】本発明の血清製剤及び血清粉末製剤により
治療可能ないわゆるドライアイは、シンプルドライアイ
(涙液減少症)、眼乾燥症、乏涙症、シェーグレン症候
群、乾性角結膜炎、スティーブン−ジェンソン症候群、
眼類天疱胞、眼瞼縁炎、白内障術後や、アレルギー性結
膜炎に伴うドライアイ等である。ドライアイの治療以外
にも、いわゆる疲れ眼やかゆみ眼といわれる症状の緩和
や術後の眼の保護などにも広く使用可能である。
【0024】本発明の血清粉末製剤は、水又は生理食塩
水と共に、それぞれ容器に別々に収めたドライアイ治療
用キットとして提供されることも可能である。水は、滅
菌済みのものを用い、望ましくは、滅菌済み蒸留水を用
いる。生理食塩水は、滅菌済みの局方品を使用すること
ができる。血清粉末製剤と、水又は生理食塩水とは、紫
外線等で滅菌された容器に、それぞれ別々に収められ、
望ましくは、適当な量、例えば、1日分又は1週間分の
使用量ごとに小分けされる。
【0025】本発明の血清粉末製剤又は血清製剤の配送
方法の一実施態様を、以下に説明する。本発明の配送方
法は、以下の態様に限定されるものではなく、適宜に変
更可能である。
【0026】この実施態様に用いる容器は、通常用いら
れる採血管、例えば市販の血清分離用採血管を使用す
る。この容器には、ドライアイの治療を必要とする患者
の血液を入れた、当該患者の情報を記載したラベルが付
けられる。ラベルに記載される患者の情報としては、患
者氏名、患者の病状、採血日時、採血場所、採血量、指
定する治療剤(血清粉末製剤とするか凍結血清製剤とす
るか等)、添加する添加物、指定する受け取り先、受け
取り日時、適当な患者番号、患者又は医師のコメント等
であるが、これらに限定されず、必要に応じて任意の情
報を記載することが可能である。
【0027】患者に都合のいい任意の場所で、例えば近
隣の病院などで採血された血液の入った容器を、上記の
情報が記載されたラベルを付けた状態で受託する。受託
者は、受託された血液から、上記に説明したような凍結
血清製剤又は血清粉末製剤を製造し、ラベルにより指定
された受け取り先の場所、時間、相手を確認する。指定
された受け取り先の場所は、採血場所と同じであって
も、また異なる場所であってもよく、受取人は患者自身
であっても、患者以外の者、例えば患者のかかりつけの
医師であってもよい。任意の輸送手段による指定された
場所等への配送に際しては、血清製剤又は血清粉末製剤
の入った容器を破損しないように十分に梱包し、好まし
くは4℃以下、又は−20℃などの低温又は凍結状態を
保って行う。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、これらにより本発明を制限するものでは
ない。実施例1 健常者10人から血液を採取し、1500rpmで5分
間遠心分離を行って、血清と血餅部分を分離した。得ら
れた血清を生理食塩水で20%に希釈し、EGF、ビタ
ミンA、TGF−β1の濃度を測定した。その後、紫外
線を遮光する瓶中で4℃にて保存し、1週間後及び1ヶ
月後のEGF、ビタミンA、TGF−β1の濃度を測定
した。結果を表1に示す。表中のかっこ内の数値は、標
準偏差である。
【0029】
【表1】
【0030】別のグループの健常者10人から上記と同
様にして生理食塩水で20%に希釈した血清製剤を生成
し、EGF、ビタミンA、TGF−β1の濃度を測定し
た。その後、紫外線を遮光する瓶中で−20℃にて保存
し、1ヶ月後及び3ヶ月後のEGF、ビタミンA、TG
F−β1の濃度を測定した。結果を表2に示す。表中の
かっこ内の数値は、標準偏差である。
【0031】
【表2】
【0032】以上の結果から、本発明のドライアイ治療
用血清製剤は、涙液成分のうちドライアイ治療に有効と
考えられるEGF、ビタミンA、TGF−β1につい
て、少なくとも、4℃で1ヶ月間、−20℃で3ヶ月間
は、安定して保存可能であることが分かった。
【0033】実施例2 重篤なドライアイの症状を示すシェーグレン症候群と診
断された患者12名に、本発明の血清製剤を4週間点眼
した。血清製剤は、各患者から40mlの血液を採血
し、5分間1500rpmの遠心分離により、血清と血
餅を分離した後、血清を回収し、生理食塩水で20%希
釈することにより生成した。血清製剤は、紫外線遮光瓶
に入れて、冷暗所に保存された。患者は、この血清製剤
の治療を行う前から行っていた人工涙液の点眼等の治療
に加えて、自己の血液から製造した本血清製剤を1日に
6〜10回点眼した。
【0034】それぞれの患者について、治療前、治療後
2週間、治療後4週間における自覚症状、生体染色検査
によりドライアイの症状に対する本発明の血清製剤の効
果を検討した。生体染色検査は、ローズベンガルあるい
はフルオレセインを生理食塩水に溶解して調製した試薬
を点眼して、染色状態の観察と涙液層破砕時間(BU
T)の測定を同時に行うものである。
【0035】自覚症状は、ドライアイの症状が重篤な場
合を9、ドライアイの症状がなく、快適な状態を1とし
て1〜9までの9段階で表した。生体染色検査は、1%
ローズベンガルと1%フルオレセインを生理食塩水で無
菌的に調製した試薬を点眼し、染色状態の観察と涙液層
破砕時間(BUT)の測定により行った。ローズベンガ
ル染色の場合、角結膜を耳側結膜、鼻側結膜、角膜の3
つに分け、その染色程度について、無染色を0、軽度を
1、中等度を2、重度を3としてスコア付けを行い、合
計(9点満点)のスコア付けを行った。フルオレセイン
染色は、角膜の染色程度を染色度合いが高い場合を9、
無染色を0として、0〜9までの10段階のスコア付け
を行った。ローズベンガル染色及びフルオレセイン染色
は、ともに染色の度合いが高いほど、即ち、スコアの値
が大きいほど、ドライアイの症状が重篤であることを示
す。得られた結果を表3に示す。表中のかっこ内の数値
は、標準偏差である。
【0036】
【表3】
【0037】結果から分かるように、血清製剤の点眼に
より、自覚症状、生体染色検査ともに治療前と比べて良
好となった。従って、本発明の血清製剤が、ドライアイ
の治療に有効であることが明らかとなった。
【0038】
【発明の効果】本発明のドライアイ治療用血清製剤及び
ドライアイ治療用血清粉末製剤の製造方法によれば、天
然の涙液とほぼ同じ成分を含む血清製剤を製造できる。
これらの血清製剤及び粉末製剤は、ドライアイの治療に
効果的であり、特別な設備を必要とせず、長期間安定で
あるため、患者が通院することなく、在宅のままで持続
的に点眼治療を受けることが可能である。また、本発明
の血清製剤又は血清粉末製剤は、例えば家庭用冷蔵庫や
冷凍庫などでも安定な状態で保存できるため、患者は採
血を自己の都合の良い場所で行えば、本発明の配送方法
によりドライアイ治療用の血清粉末製剤又は血清製剤を
任意の場所及び任意の日時に受け取ることができるた
め、患者の時間的、経済的負担が軽減される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 47/10 38/16 47/12 38/27 47/38 47/10 47/42 47/12 47/46 47/38 A61P 27/04 47/42 A61K 37/02 47/46 37/14 A61P 27/04 37/36 Fターム(参考) 4C076 AA12 BB24 CC10 DD23D DD37 DD38 EE30A EE41A FF12 FF14 GG42 GG47 4C084 AA02 AA03 AA19 AA22 BA44 DB52 MA02 MA17 MA58 NA14 ZA331 ZC752 4C086 AA01 AA02 BA18 EA25 MA02 MA03 MA05 MA10 MA17 MA58 NA14 ZA33 ZC75 4C087 AA01 AA02 AA04 BB35 DA15 MA05 MA17 MA58 NA14 ZA33 4C206 AA01 AA02 CA10 KA01 MA02 MA03 MA04 MA05 MA37 MA78 ZA33 ZC75

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドライアイの治療を必要とする患者の血
    液から得られる血清を凍結乾燥してなる当該患者用のド
    ライアイ治療用血清粉末製剤。
  2. 【請求項2】 添加物として、各種の成長因子、ビタミ
    ンA、ビタミンC、ヒアルロン酸、アルブミン、及びラ
    クトフェリンから成る群から選ばれるいずれか一以上を
    含む請求項1に記載のドライアイ治療用血清粉末製剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の治療用血清粉末製
    剤と、水又は生理食塩水とを容器に別々に収めたドライ
    アイ治療用キット。
  4. 【請求項4】 採取した血液を凝固させるステップと、
    前記凝固した血液から血清を回収するステップと、回収
    された血清を滅菌するステップと、前記血清を凍結乾燥
    するステップとを含むドライアイ治療用血清粉末製剤の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 滅菌された血清を生理食塩水により希釈
    するステップをさらに含む請求項4に記載のドライアイ
    治療用血清粉末製剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 成長因子、ビタミンA、ビタミンC、ヒ
    アルロン酸、アルブミン、及びラクトフェリンから成る
    群から選ばれるいずれか一以上を添加するステップをさ
    らに含む請求項4又は5に記載のドライアイ治療用血清
    粉末製剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 ドライアイの治療を必要とする患者の血
    液から得られる血清を凍結してなる当該患者用のドライ
    アイ治療用血清製剤。
  8. 【請求項8】 添加物として、各種の成長因子、ビタミ
    ンA、ビタミンC、ヒアルロン酸、アルブミン、及びラ
    クトフェリンから成る群から選ばれるいずれか一以上を
    含む請求項7に記載のドライアイ治療用血清粉末製剤。
  9. 【請求項9】 採取した血液を凝固させるステップと、
    前記凝固した血液から血清を回収するステップと、回収
    された血清を滅菌するステップと、生理食塩水により前
    記血清を希釈するステップとを含むドライアイ治療用血
    清製剤の製造方法。
  10. 【請求項10】 成長因子、ビタミンA、ビタミンC、
    ヒアルロン酸、アルブミン、及びラクトフェリンから成
    る群から選ばれるいずれか一以上を回収された血清に添
    加するステップをさらに含む請求項9に記載のドライア
    イ治療用血清製剤の製造方法。
  11. 【請求項11】 生理食塩水により希釈された血清を冷
    凍するステップをさらに含む請求項9又は10に記載の
    ドライアイ治療用血清製剤の製造方法。
  12. 【請求項12】 ドライアイの治療を必要とする患者の
    血液を入れた、前記患者の情報を記載したラベルを付け
    た容器を受託し、請求項1又は2に記載のドライアイ治
    療用血清粉末製剤を製造し、前記ラベルに基づく前記血
    清粉末製剤の送り先を確認し、しかるのち、輸送手段に
    よって前記ドライアイ治療用血清粉末製剤を、ラベルに
    より指定された場所に送り届けることを特徴とするドラ
    イアイ治療用の血清粉末製剤配送方法。
  13. 【請求項13】 ドライアイの治療を必要とする患者の
    血液を入れた、前記患者の情報を記載したラベルを付け
    た容器を受託し、請求項9〜11のいずれか一の方法に
    より前記血液からドライアイ治療用血清製剤を製造し、
    前記ラベルに基づく前記血清製剤の送り先を確認し、し
    かるのち、輸送手段によって前記ドライアイ治療用血清
    製剤を、ラベルにより指定された場所に送り届けること
    を特徴とするドライアイ治療用の血清製剤配送方法。
JP2000212457A 2000-07-13 2000-07-13 ドライアイの治療用血清及びその製造方法 Pending JP2002029977A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000212457A JP2002029977A (ja) 2000-07-13 2000-07-13 ドライアイの治療用血清及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000212457A JP2002029977A (ja) 2000-07-13 2000-07-13 ドライアイの治療用血清及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002029977A true JP2002029977A (ja) 2002-01-29

Family

ID=18708378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000212457A Pending JP2002029977A (ja) 2000-07-13 2000-07-13 ドライアイの治療用血清及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002029977A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11604026B2 (en) 2019-03-14 2023-03-14 Terumo Bct Biotechnologies, Llc Lyophilization loading tray assembly and system
US11634257B2 (en) 2017-10-09 2023-04-25 Terumo Bct Biotechnologies, Llc Lyophilization container and method of using same

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11634257B2 (en) 2017-10-09 2023-04-25 Terumo Bct Biotechnologies, Llc Lyophilization container and method of using same
US11604026B2 (en) 2019-03-14 2023-03-14 Terumo Bct Biotechnologies, Llc Lyophilization loading tray assembly and system
US11609042B2 (en) 2019-03-14 2023-03-21 Terumo Bct Biotechnologies, Llc Multi-part lyophilization container and method of use
US11609043B2 (en) 2019-03-14 2023-03-21 Terumo Bct Biotechnologies, Llc Lyophilization container fill fixture, system and method of use
US11740019B2 (en) 2019-03-14 2023-08-29 Terumo Bct Biotechnologies, Llc Lyophilization loading tray assembly and system
US11747082B2 (en) 2019-03-14 2023-09-05 Terumo Bct Biotechnologies, Llc Multi-part lyophilization container and method of use
US11815311B2 (en) 2019-03-14 2023-11-14 Terumo Bct Biotechnologies, Llc Lyophilization container fill fixture, system and method of use
US11994343B2 (en) 2019-03-14 2024-05-28 Terumo Bct Biotechnologies, Llc Multi-part lyophilization container and method of use

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Geerling et al. Transplantation of the autologous submandibular gland for most severe cases of keratoconjunctivitis sicca
JP2019517578A (ja) 異常な新生血管形成を伴う眼疾患を処置するためにニンテダニブを使用する組成物および方法
EA013931B1 (ru) Способ лечения глазных расстройств
Acosta et al. Treatment of corneal ulcers with platelet rich plasma
EP0410006B1 (en) Eye drops for healing wound of corneal epithelium
Koffler Autologous serum therapy of the ocular surface with novel delivery by platelet concentrate gel
EP1551417B1 (en) Three layer tear formulation
AU666159B2 (en) Fibronectin-containing ophthalmic solution, method of manufacture of an ophthalmic solution, method of preserving an ophthalmic solution, and methods of treatment of ophthalmic wounds
US20170239307A1 (en) Composition of doxycycline in liposomes for the prevention, improvement and/or treatment of ocular pathologies
JP2002029977A (ja) ドライアイの治療用血清及びその製造方法
CN115154483B (zh) 含玻璃酸钠和外泌体的眼科药物组合物
Antoniewicz-Papis Artificial tears to treat dry eye syndrome
US20230146680A1 (en) Method for producing enhanced anti-inflammatory / anti-catabolic agents from autologous physiological fluid
JP2023546994A (ja) 胎児支持組織を処理する方法
Ribeiro et al. The Use of Platelet-Rich Plasma in Dry Eye Disease
JPH07206888A (ja) 胎盤抽出物およびその製造方法
Gelormini et al. Platelet concentrates in macular hole surgery. A journey through the labyrinth of terminology, preparation, and application: a comprehensive review
EP0826373B1 (en) Use of lactoferrin for preventing postoperative astigmatism
Gong et al. Self-made cryopreservative fibrin glue applied in pterygium surgery: a novel practical technique
Farag et al. Safety and efficacy of eye drops from umbilical cord blood platelet lysate to treat resistant corneal ulcer
CN115137754B (zh) 含外泌体的眼科药物组合物
RU2195297C2 (ru) Способ лечения дистрофических заболеваний глаз
CN107802597A (zh) 一种玻璃酸钠组合物及其制备方法和应用
Janicijevic-Petrovic et al. Autologous serum eye drops for post-chemical injuries and corneal epithelial defects
Kelly et al. Preventable blindness in giant cell arteritis.

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040903

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041102

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050411

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050711

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050711