JP2002025834A - 鉄心の直流偏磁抑制方法 - Google Patents

鉄心の直流偏磁抑制方法

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JP2002025834A
JP2002025834A JP2000210119A JP2000210119A JP2002025834A JP 2002025834 A JP2002025834 A JP 2002025834A JP 2000210119 A JP2000210119 A JP 2000210119A JP 2000210119 A JP2000210119 A JP 2000210119A JP 2002025834 A JP2002025834 A JP 2002025834A
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Takayuki Suzuki
崇之 鈴木
Masaaki Kosaka
正明 高坂
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鉄心を高くする必要のない鉄心の直流偏磁抑制
方法を提供する。 【解決方法】継鉄3D,3Eあるいは帰路脚3F,3G
にキャンセル巻線7F,7Gあるいはキャンセル巻線6
F,6Gを巻回し、キャンセル巻線7F,7Gあるいは
キャンセル巻線6F,6Gに主脚3A,3B,3Cで発
生する直流磁束を打ち消すキャンセル電流を流すように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変圧器の鉄心が
直流偏磁するのを抑制する方法に関し、特に、鉄心にキ
ャンセル巻線を巻回することによって鉄心の直流偏磁を
打ち消す方法に関する。
【0002】
【従来の技術】送電線には、例えば、太陽の黒点活動に
起因する磁気嵐により直流電流が誘起される場合があ
り、その直流電流でもって送電線に繋がる変圧器などの
鉄心が直流偏磁される場合がある。また、インバータ回
路に接続された変圧器の鉄心は、インバータの開閉時期
の僅かな不揃いから直流偏磁する場合がある。さらに、
変圧器が遮断されると、その鉄心が遮断のタイミングに
よって決まる直流偏磁を受ける場合がある。鉄心が直流
偏磁すると、鉄心周辺の構造物や容器の異常加熱、騒音
の異常上昇、鉄損の上昇などの悪影響を及ぼす。そのた
めに、変圧器には、鉄心の直流偏磁抑制対策が施される
場合がある。
【0003】図16は、従来の鉄心の直流偏磁抑制方法
でもって直流偏磁が抑制された変圧器の構成を示す断面
図である。鉄心3は、主巻線1A,1B,1Cがそれぞ
れ巻回された主脚3A,3B,3Cと、主脚3A,3
B,3Cの端部同士を磁気的に接合する下部の継鉄3D
および上部の継鉄3Eと、継鉄3D,3Eの端部同士を
両側で磁気的に接合する帰路脚3F,3Gとからなる5
脚鉄心である。主脚3A,3B,3Cにはキャンセル巻
線2A,2B,2Cがそれぞれ巻回されるとともに、主
脚3A,3B,3Cの直流磁束を検出する偏磁センサ4
A,4B,4Cがそれぞれ配されている。なお、主巻線
1A,1B,1Cは3相5脚鉄心変圧器の各相の巻線で
あり、図16では、主巻線1A,1B,1Cを構成する
1次側巻線と2次側巻線との内、1次側巻線だけが図示
されいるが、実際には、鉄心3を直流偏磁させる直流電
流は、1次側巻線に流れる場合もあれば、2次側巻線に
流れる場合もある。以下では、主巻線1A,1B,1C
の1次側巻線の方に直流電流が流れる場合について説明
するが、2次側巻線の方に直流電流が流れる場合も同様
である。
【0004】図17は、図16の変圧器の鉄心の直流偏
磁を抑制するための結線図である。キャンセル巻線2
A,2B,2Cがそれぞれ直流電源5A,5B,5Cに
接続され、直流電源5A,5B,5Cからそれぞれキャ
ンセル電流Ja ,Jb ,Jc が流される。主巻線1A,
1B,1Cに直流電流Ia ,Ib ,Ic が流れると鉄心
3が直流偏磁するので、その直流偏磁を抑制するために
次に説明されるようにしてキャンセル電流Ja ,Jb
c が流される。
【0005】図18は、図16の変圧器の鉄心3の直流
磁気回路図である。なお、この図18の直流磁気回路図
では、鉄心3を構成する主脚,帰路脚および継鉄の磁気
抵抗の図示を省略しており、この点は、後述の図3,図
6,図9の直流磁気回路図でも同様である。変圧器の主
巻線1A,1B,1Cに直流電流Ia ,Ib ,Ic が流
れると、主脚3A,3B,3Cにそれぞれ直流の起磁力
a ,Fb ,Fc が発生する。一方、キャンセル巻線2
A,2B,2Cに直流のキャンセル電流Ja ,Jb ,J
c を流すと、主脚3A,3B,3Cにそれぞれ直流の起
磁力Ga ,Gb,Gc が発生する。この起磁力Ga ,G
b ,Gc はキャンセル巻線2A,2B,2Cの巻回数を
それぞれna ,nb ,nc とすると、
【0006】
【数1】Ga =na ・Ja ,Gb =nb ・Jb ,Gc
c ・Jc となる。図18において、
【0007】
【数2】Ga =Fa ,Gb =Fb ,Gc =Fc でかつ、起磁力Ga ,Gb ,Gc の向きと、起磁力
a ,Fb ,Fc の向きとが互いに反対になるようにす
れば、鉄心3の直流偏磁を抑制することができる。その
ために、図示されていない自動制御装置でもって図16
の偏磁センサ4A,4B,4Cからの出力が最小になる
ような値のキャンセル電流Ja ,Jb ,Jc が直流電源
5A,5B,5Cから出力される。それによって、主巻
線1A,1B,1Cに発生する直流磁束が打ち消され、
鉄心3の直流偏磁が抑制される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の鉄心の直流偏磁抑制方法は、鉄心が高く
なるという問題があった。すなわち、図16において鉄
心3の各主脚3A,3B,3Cにキャンセル巻線2A,
2B,2Cが巻回されるので、そのキャンセル巻線2
A,2B,2Cの軸方向長だけ主脚3A,3B,3Cを
長くする必要があった。そのために、鉄心が高くなり、
鉄心の重量が増加していた。また、変圧器の輸送時にお
けるトンネルの通過の高さ制限に対しても不利になり変
圧器の輸送可能な容量が低下していた。
【0009】この発明の目的は、鉄心を高くする必要の
ない鉄心の直流偏磁抑制方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、巻線が巻回された主脚の端部に
継鉄を介して帰路脚が接合されてなる鉄心の直流偏磁を
抑制する方法であって、前記継鉄あるいは前記帰路脚に
キャンセル巻線を巻回し、前記キャンセル巻線に前記主
脚で発生する直流磁束を打ち消すキャンセル電流を流す
ようにするとよい。それによって、主脚で発生する直流
磁束が打ち消される。キャンセル巻線を継鉄あるいは帰
路脚に巻回するので鉄心を高くする必要がない。
【0011】また、かかる方法において、前記キャンセ
ル巻線が前記主脚の両側に配された前記継鉄あるいは前
記帰路脚にそれぞれ巻回されるとともに直列接続され、
前記キャンセル巻線の直列接続回路の両端に前記キャン
セル電流を流すようにしてもよい。それによって、キャ
ンセル電流を1つの直流電源から流すことができるので
直流電源の台数が減る。また、直流電源に交流の電位差
がかからないので直流電源に対して耐電圧を考慮する必
要がなくなる。
【0012】また、かかる方法において、前記巻線が3
つ組み合わされて星形に3相結線されるとともに前記巻
線のそれぞれに接続されるリードから前記巻線を流れる
直流電流分が検出され、前記直流電流分から前記主脚で
発生する直流磁束を打ち消すキャンセル電流を算出し前
記キャンセル巻線に流すようにしてもよい。従来は、主
脚の直流磁束を検出するために偏磁センサを鉄心の窓内
に配する必要があったが、この発明の方法は、巻線を流
れる直流電流分を巻線に結線されるリードから検出すれ
ばよいので鉄心の外部に直流電流分検出器を配すること
ができる。
【0013】また、かかる方法において、前記巻線が3
つ組み合わされて星形に3相結線されるとともに前記巻
線の中性点から接地点へ流れる直流電流分が検出され、
前記直流電流分から前記主脚で発生する直流磁束を打ち
消すキャンセル電流を算出し前記キャンセル巻線に流す
ようにしてもよい。この発明の方法は、巻線を流れる直
流電流分を巻線の中性点から接地点へ流す接地線から検
出すればよいので、鉄心の外部に直流電流分検出器を配
することができるとともに、直流電流検出器を相数分必
要とせず1台の直流電流分検出器で済むようになる。ま
た、直流電流分検出器が中性点側に介装されるので直流
電流分検出器は交流電圧に対する耐電圧を考慮する必要
がない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明を実施例に基づい
て説明する。図1は、この発明の実施例にかかる鉄心の
直流偏磁抑制方法でもって直流偏磁が抑制された変圧器
の構成を示す断面図である。帰路脚3F,3Gにそれぞ
れキャンセル巻線6F,6Gが巻回され、図16で必要
とされていた偏磁センサ4A,4B,4Cは配されてい
ない。図1のその他は、図16の従来の構成と同じであ
り、従来と同じ部分は同一参照符号を付けることによっ
て詳細な説明は省略する。なお、図1において、図16
と同様に、主巻線1A,1B,1Cは3相5脚鉄心変圧
器の各相の巻線であり、主巻線1A,1B,1Cを構成
する1次側巻線と2次側巻線との内、1次側巻線だけが
図示されており、以下では、主巻線1A,1B,1Cの
1次側巻線の方に直流電流が流れる場合について説明す
るが、2次側巻線の方に直流電流が流れる場合も同様で
ある。
【0015】図2は、図1の変圧器の鉄心3の直流偏磁
を抑制するための結線図である。キャンセル巻線6F,
6Gがそれぞれ直流電源5F,5Gに接続され、直流電
源5F,5Gからそれぞれキャンセル電流Jf ,Jg
流される。主巻線1A,1B,1Cに直流電流Ia ,I
b ,Ic が流れると鉄心3が直流偏磁するので、その直
流偏磁が抑制されるように次に説明されるようにしてキ
ャンセル電流Jf ,J g が流される。
【0016】図3は、図1の変圧器の鉄心3の直流磁気
回路図である。変圧器の主巻線1A,1B,1Cに直流
電流Ia ,Ib ,Ic が流れると、主脚3A,3B,3
Cにそれぞれ直流の起磁力Fa ,Fb ,Fc が発生す
る。この起磁力Fa ,Fb ,F c は主巻線1A,1B,
1Cの巻回数をそれぞれNa ,Nb ,Nc とすると、
【0017】
【数3】Fa =Na ・Ia ,Fb =Nb ・Ib ,Fc
c ・Ic となる。一方、キャンセル巻線6F,6Gに直流のキャ
ンセル電流Jf ,Jg を流すと、帰路脚3F,3Gにそ
れぞれ直流の起磁力Gf ,Gg が発生する。この起磁力
f ,Gg はキャンセル巻線6F,6Gの巻回数をそれ
ぞれnf ,ng とすると、
【0018】
【数4】Gf =nf ・Jf ,Gg =ng ・Jg となる。図3において、
【0019】
【数5】 Fa +Fb +Fc =Gf +Gg (1) でかつ、起磁力Gf ,Gg ,Fa ,Fb ,Fc の向きが
互いに同じになるようにすれば、鉄心3の直流偏磁を抑
制することができる。巻回数Na ,Nb ,Nc ,nf
g が既知であるので、直流電流Ia ,Ib ,Ic を検
知すれば、数式(1)を満たすような値のキャンセル電
流Jf ,Jg を流すことができる。直流電流Ia
b ,Ic は、主巻線1A,1B,1Cに接続されるリ
ードに図示されていない直流電流分検出器を予め介装し
ておけば知ることができる。なお、実際の変圧器におい
て、主巻線1A,1B,1Cの巻回数が等しく、
【0020】
【数6】Na =Nb =Nc であり、主巻線1A,1B,1Cに流れる直流電流が等
しく、
【0021】
【数7】Ia =Ib =Ic であるとともに、キャンセル巻線6F,6Gの巻回数が
等しく、
【0022】
【数8】nf =ng であり、また、キャンセル巻線6F,6Gに流すキャン
セル電流を等しくして、
【0023】
【数9】Jf =Jg としたとすると、上記の数式(1)は、
【0024】
【数10】3Na ・Ia =2nf ・Jf となるので、このような場合には、キャンセル巻線6
F,6Gに流すべきキャンセル電流Jf ,Jg は、
【0025】
【数11】Jf =Jg =(3/2)Na ・Ia /nf という簡単な演算式により求めることができる。図1に
おいて、キャンセル巻線6F,6Gをそれぞれ帰路脚3
F,3Gに巻回するので、従来のようにキャンセル巻線
を巻回するために鉄心3をわざわざ高くする必要がなく
なる。そのために、鉄心3の重量を少なくすることがで
き、コストが低減される。帰路脚3F,3Gにそれぞれ
キャンセル巻線6F,6Gを巻回する分だけ鉄心3の横
幅は増えるが、鉄心3が高くなるより重量の増加は少な
い。また、鉄心3が低くなるので、変圧器の輸送可能な
容量が増加する。また、直流電源5F,5Gも図2のよ
うに2台で済み、従来、3相変圧器の場合、図17のよ
うに3台の直流電源5A,5B,5Cが必要だったのと
比べて直流電源5F,5Gの台数が減る。それによっ
て、コストをさらに低減することができる。
【0026】図15は、図1の変圧器の主巻線1A,1
B,1Cに実験的に直流電流を流し、キャンセル巻線6
F,6Gにキャンセル電流Jf ,Jg を流した場合の変
圧器の騒音を調べた結果を示す特性線図である。横軸は
各主巻線1A,1B,1Cにそれぞれ実験的に流した直
流電流Iと、主巻線1A,1B,1Cにそれぞれ流れて
いる励磁電流の実効値IACとの比I/ IACであり、縦
軸は騒音の変化量である。黒丸のプロットがキャンセル
電流Jf ,Jg を流さなかった場合の特性であり特性線
19となる。一方、白丸のプロットがキャンセル電流J
f ,Jg を流した場合の特性であり特性線20となる。
図15より、直流電流Iが増すと鉄心3の直流偏磁の程
度が大きくなり、騒音レベルが高くなることが分かる。
キャンセル電流Jf ,Jg を流すことによって特性線2
0のように、直流偏磁が緩和され騒音レベルが低くなる
ことが実験的に証明された。
【0027】図1に戻り、キャンセル巻線6F,6Gの
代わりに点線のキャンセル巻線7F,7Gを継鉄3Eの
両側に巻回してもよい。あるいは、図示されていないキ
ャンセル巻線を継鉄3Dの両側に巻回してもよい。継鉄
3D,3Eの両側はそれぞれ帰路脚3F,3Gと同じ磁
気回路になるので、その鉄心3の直流磁気回路図も図3
と同様になり、鉄心3の直流偏磁を抑制することができ
る。また、この場合も従来のようにキャンセル巻線を巻
回するために鉄心3をわざわざ高くする必要がなくな
る。キャンセル巻線7F,7Gを巻回する分だけ鉄心3
の横幅は増えるが、鉄心3が高くなるより重量の増加は
少ない。そのために、鉄心3の重量を少なくすることが
でき、コストが低減されるとともに変圧器の輸送可能な
容量も増加する。
【0028】図4は、この発明の異なる実施例にかかる
鉄心の直流偏磁抑制方法でもって直流偏磁が抑制された
変圧器の構成を示す断面図である。鉄心9が、主巻線8
が巻回された主脚9Aと、主脚9Aの端部に磁気的に接
合する下部の継鉄9D,上部の継鉄9Eと、継鉄9D,
9Eの端部同士を両側で磁気的に接合する帰路脚9F,
9Gとからなる単相中央脚の鉄心である。帰路脚9F,
9Gにキャンセル巻線6F,6Gがそれぞれ巻回されて
いる。なお、主巻線8は単相3脚鉄心変圧器の巻線であ
り、主巻線8を構成する1次側巻線と2次側巻線との
内、1次側巻線だけが図示されいるが、実際には、鉄心
9を直流偏磁させる直流電流は、1次側巻線に流れる場
合もあれば、2次側巻線に流れる場合もある。すなわ
ち、例えば、この単相3脚鉄心変圧器3台を3相構成と
するとともに、1次側を星形結線としてその中性点を直
接接地した場合には、1次側巻線に流れる直流電流が大
きくなるので、これによる直流偏磁が特に問題となり、
また、2次側を星形結線としてその中性点を直接接地し
た場合には2次側巻線に流れる直流電流が大きくなるの
で、これによる直流偏磁が特に問題となる。以下では、
主巻線8の1次側巻線の方に直流電流が流れる場合につ
いて説明するが、2次側巻線の方に直流電流が流れる場
合も同様である。
【0029】図5は、図4の変圧器の鉄心9の直流偏磁
を抑制するための結線図である。キャンセル巻線6F,
6Gがそれぞれ直流電源5F,5Gに接続され、直流電
源5F,5Gからそれぞれキャンセル電流Jf ,Jg
流される。主巻線8に直流電流Ia が流れると鉄心9が
直流偏磁するので、その直流偏磁が抑制されるように次
に説明されるようにしてキャンセル電流Jf ,Jg が流
される。
【0030】図6は、図4の変圧器の鉄心9の直流磁気
回路図である。変圧器の主巻線8に直流電流Ia が流れ
ると、主脚9Aに直流の起磁力Fa が発生する。この起
磁力Fa は主巻線8の巻回数をNa とすると、
【0031】
【数12】Fa =Na ・Ia となる。一方、キャンセル巻線6F,6Gに直流のキャ
ンセル電流Jf ,Jg を流すと、帰路脚9F,9Gにそ
れぞれ直流の起磁力Gf ,Gg が発生する。この起磁力
f ,Gg はキャンセル巻線6F,6Gの巻回数をそれ
ぞれnf ,ng とすると、
【0032】
【数13】Gf =nf ・Jf ,Gg =ng ・Jg となる。図6において、
【0033】
【数14】 Fa =Gf +Gg (2) でかつ、起磁力Gf ,Gg ,Fa の向きが互いに同じに
なるようにすれば、鉄心9の直流偏磁を抑制することが
できる。巻回数Na ,nf ,ng が既知であるので、直
流電流Ia を検知すれば、数式(2)を満たすような値
のキャンセル電流Jf ,Jg を流すことができる。直流
電流Ia は、主巻線8に接続されるリードに図示されて
いない直流電流分検出器を予め介装しておけば知ること
ができる。
【0034】図4において、キャンセル巻線6F,6G
をそれぞれ帰路脚9F,9Gに巻回するので、従来のよ
うにキャンセル巻線を巻回するために鉄心9をわざわざ
高くする必要がなくなる。そのために、鉄心9の重量を
少なくすることができ、コストが低減されるとともに変
圧器の輸送可能な容量も増加する。また、図4におい
て、キャンセル巻線6F,6Gの代わりに点線のキャン
セル巻線7F,7Gを継鉄9Eの両側に巻回してもよ
い。あるいは、図示されていないキャンセル巻線を継鉄
9Dの両側に巻回してもよい。継鉄9D,9Eの両側は
それぞれ帰路脚9F,9Gと同じ磁気回路になるので、
その鉄心9の直流磁気回路図も図6と同様になり、鉄心
9の直流偏磁を抑制することができる。また、この場合
も従来のようにキャンセル巻線を巻回するために鉄心9
をわざわざ高くする必要がなくなる。そのために、鉄心
9の重量を少なくすることができ、コストが低減される
とともに変圧器の輸送可能な容量も増加する。
【0035】図7は、この発明のさらに異なる実施例に
かかる鉄心の直流偏磁抑制方法でもって直流偏磁が抑制
された変圧器の構成を示す断面図である。鉄心10が、
主巻線8A,8Bがそれぞれ巻回された主脚10A,1
0Bと、主脚10A,10Bの端部をそれぞれ磁気的に
接合する下部の継鉄10D,上部の継鉄10Eと、継鉄
10D,10Eの端部同士をそれぞれ両側で磁気的に接
合する帰路脚10F,10Gとからなる単相4脚の鉄心
である。帰路脚10F,10Gにキャンセル巻線6F,
6Gがそれぞれ巻回されている。なお、主巻線8A,8
Bは単相4脚鉄心変圧器の巻線であり、図4と同様に、
主巻線8A,8Bを構成する1次側巻線と2次側巻線と
の内、1次側巻線だけが図示されおり、以下では、主巻
線8A,8Bの1次側巻線の方に直流電流が流れる場合
について説明するが、2次側巻線の方に直流電流が流れ
る場合も同様である。
【0036】図8は、図7の変圧器の鉄心10の直流偏
磁を抑制するための結線図である。キャンセル巻線6
F,6Gがそれぞれ直流電源5F,5Gに接続され、直
流電源5F,5Gからそれぞれキャンセル電流Jf ,J
g が流される。主巻線8A,8Bに直流電流Ia ,Ib
が流れると鉄心10が直流偏磁するので、その直流偏磁
が抑制されるように次に説明されるようにしてキャンセ
ル電流Jf ,Jg が流される。
【0037】図9は、図7の変圧器の鉄心10の直流磁
気回路図である。変圧器の主巻線8A,8Bに直流電流
a ,Ib が流れると、主脚10A,10Bに直流の起
磁力Fa ,Fb が発生する。この起磁力Fa ,Fb は主
巻線8A,8Bの巻回数をN a ,Nb とすると、
【0038】
【数15】Fa =Na ・Ia ,Fb =Nb ・Ib となる。一方、キャンセル巻線6F,6Gに直流のキャ
ンセル電流Jf ,Jg を流すと、帰路脚10F,10G
にそれぞれ直流の起磁力Gf ,Gg が発生する。この起
磁力Gf ,Gg はキャンセル巻線6F,6Gの巻回数を
それぞれnf ,n g とすると、
【0039】
【数16】Gf =nf ・Jf ,Gg =ng ・Jg となる。図9において、
【0040】
【数17】 Fa =Gf ,Fb =Gg (3) でかつ、起磁力Gf とFa との向き、および、起磁力G
g とFb との向きがそれぞれ同じになるとともに、起磁
力Gf とGg との向きが互いに逆になるようにすれば、
鉄心10の直流偏磁を抑制することができる。巻回数N
a ,Nb ,nf ,ng が既知であるので、直流電流
a ,Ib を検知すれば、数式(3)を満たすような値
のキャンセル電流Jf ,Jg を流すことができる。直流
電流Ia ,Ibは、主巻線8A,8Bに接続されるリー
ドに図示されていない直流電流分検出器を予め介装して
おけば知ることができる。
【0041】図7において、キャンセル巻線6F,6G
をそれぞれ帰路脚10F,10Gに巻回するので、従来
のようにキャンセル巻線を巻回するために鉄心10をわ
ざわざ高くする必要がなくなる。そのために、鉄心10
の重量を少なくすることができ、コストが低減されると
ともに変圧器の輸送可能な容量も増加する。また、図7
において、キャンセル巻線6F,6Gの代わりに点線の
キャンセル巻線7F,7Gを継鉄10Eの両側に巻回し
てもよい。あるいは、図示されていないキャンセル巻線
を継鉄10Dの両側に巻回してもよい。継鉄10D,1
0Eの両側はそれぞれ帰路脚10F,10Gと同じ磁気
回路になるので、その鉄心10の直流磁気回路図も図9
と同様になり、鉄心10の直流偏磁を抑制することがで
きる。また、この場合も従来のようにキャンセル巻線を
巻回するために鉄心10をわざわざ高くする必要がなく
なる。そのために、鉄心10の重量を少なくすることが
でき、コストが低減されるとともに変圧器の輸送可能な
容量も増加する。
【0042】図10は、この発明のさらに異なる実施例
にかかる変圧器の鉄心の直流偏磁を抑制するための結線
図である。図1の3相5脚鉄心変圧器について図2では
キャンセル巻線6F,6Gに2つの直流電源5F,5G
からそれぞれキャンセル電流Jf ,Jg を供給していた
が、図10では図1の3相5脚鉄心変圧器のキャンセル
巻線6F,6Gが直列に接続され、その直列回路の両端
に1つの直流電源5が接続されている。図10のその他
は、図2の構成と同じである。鉄心3の直流偏磁を抑制
するためには図3における起磁力が前述の数式(1)を
満たすようにすればよいので、キャンセル巻線6F,6
Gへはそれぞれ同一の値のキャンセル電流Jを流しても
よい。それによって、図2の場合、2台の直流電源5
F,5Gが必要だったのと比べて直流電源5の台数が減
る。また、キャンセル巻線6F,6Gには交流電圧が誘
導されるが、キャンセル巻線6F,6Gの直列回路の両
端では誘導される交流電圧が互いに打ち消され、直流電
源5には交流の電位差がかからない。そのために、直流
電源5に耐電圧を考慮する必要がなくなり、直流電源5
のコストをさらに低減することができる。
【0043】図11は、この発明のさらに異なる実施例
にかかる変圧器の鉄心の直流偏磁を抑制するための結線
図である。図4の単相3脚鉄心変圧器について図5では
キャンセル巻線6F,6Gに2つの直流電源5F,5G
からそれぞれキャンセル電流Jf ,Jg を供給していた
が、図11では図4の単相3脚鉄心変圧器のキャンセル
巻線6F,6Gが直列に接続され、その直列回路の両端
に1つの直流電源5が接続されている。図11のその他
は、図5の構成と同じである。鉄心9の直流偏磁を抑制
するためには図6における起磁力が前述の数式(2)を
満たすようにすればよいので、キャンセル巻線6F,6
Gへはそれぞれ同一の値のキャンセル電流Jを流しても
よい。それによって、図5の場合、2台の直流電源5
F,5Gが必要だったのと比べて直流電源5の台数が減
る。また、キャンセル巻線6F,6Gには交流電圧が誘
導されるが、キャンセル巻線6F,6Gの直列回路の両
端では誘導される交流電圧が互いに打ち消され、直流電
源5には交流の電位差がかからない。そのために、直流
電源5に耐電圧を考慮する必要がなくなり、直流電源5
のコストをさらに低減することができる。
【0044】図12は、この発明のさらに異なる実施例
にかかる変圧器の鉄心の直流偏磁を抑制するための結線
図である。図7の単相4脚鉄心変圧器について図8では
キャンセル巻線6F,6Gに2つの直流電源5F,5G
からそれぞれキャンセル電流Jf ,Jg を供給していた
が、図12では図7の単相4脚鉄心変圧器のキャンセル
巻線6F,6Gが直列に接続され、その直列回路の両端
に1つの直流電源5が接続されている。図12のその他
は、図8の構成と同じである。鉄心10の直流偏磁を抑
制するためには図9における起磁力が前述の数式(3)
を満たすようにすればよいので、キャンセル巻線6F,
6Gへはそれぞれ同一の値のキャンセル電流Jを流して
もよい。それによって、図8の場合、2台の直流電源5
F,5Gが必要だったのと比べて直流電源5の台数が減
る。また、キャンセル巻線6F,6Gには交流電圧が誘
導されるが、キャンセル巻線6F,6Gの直列回路の両
端では誘導される交流電圧が互いに打ち消され、直流電
源5には交流の電位差がかからない。そのために、直流
電源5に耐電圧を考慮する必要がなくなり、直流電源5
のコストをさらに低減することができる。
【0045】図13は、この発明のさらに異なる実施例
にかかる変圧器の鉄心の直流偏磁を抑制するための回路
図である。図1の5脚鉄心変圧器の主巻線1A,1B,
1Cが星形に結線され、その中性点14が接地Eに接続
されている。主巻線1A,1B,1Cの高圧側はリード
11A,11B,11Cにそれぞれ接続され、図示され
ていない送電線に繋がっている。リード11A,11
B,11Cには、それぞれ直流電流分検出器12A,1
2B,12Cが介装されている。直流電流分検出器12
A,12B,12Cからの出力信号は制御装置15へ入
力され、制御装置15が主脚3A,3B,3Cで発生す
る直流磁束を打ち消すキャンセル電流分を算出して直流
電源5F,5Gに指令し、直流電源5F,5Gからキャ
ンセル電流Jf ,Jg がそれぞれキャンセル巻線6F,
6Gに供給されるようになっている。直流電流分検出器
12A,12B,12Cは変圧器の内部に収納してもよ
いが、変圧器の外部にも取り付けることができる。その
ために、直流電流分検出器12A,12B,12Cが保
守点検し易くなると言う利点がある。
【0046】図14は、この発明のさらに異なる実施例
にかかる変圧器の鉄心の直流偏磁を抑制するための回路
図である。図1の5脚鉄心変圧器の主巻線1A,1B,
1Cが星形に結線され、その中性点14が接地線16を
介して接地Eに接続されている。主巻線1A,1B,1
Cの高圧側はリード11A,11B,11Cにそれぞれ
接続され、図示されていない送電線に繋がっている。接
地線16に直流電流分検出器12が介装されている。直
流電流分検出器12からの出力信号は制御装置18へ入
力され、制御装置18が主脚3A,3B,3Cで発生す
る直流磁束を打ち消すキャンセル電流分を算出して直流
電源5F,5Gに指令し、直流電源5F,5Gからのキ
ャンセル電流Jf ,Jg がそれぞれキャンセル巻線6
F,6Gに供給されるようになっている。接地線16に
流れる直流電流の3分の1が各主巻線1A,1B,1C
に流れるので、制御装置18が主脚3A,3B,3Cで
発生する直流磁束を打ち消すキャンセル電流分を算出す
ることができる。直流電流分検出器12を変圧器の外部
に取り付けることができるので、直流電流分検出器12
が保守点検し易くなる。また、直流電流分検出器12を
1台備えておけばよいことと、接地線16に介装される
ので交流電圧に対する耐電圧を考慮する必要がないこと
から直流電流分検出器12のコストを図13の場合より
低減することができると言う利点がある。
【0047】なお、上述の図13および図14の各実施
例では、キャンセル巻線6F,6Gに2つの直流電源5
F,5Gからそれぞれキャンセル電流Jf ,Jg を供給
する構成としているが、この発明は上記のような構成に
限定されるものではなく、図10の実施例と同様に、キ
ャンセル巻線6F,6Gが直列に接続され、その直列回
路の両端に1つの直流電源5が接続される構成としても
よい。
【0048】なお、上述の図13および図14の各実施
例では、図1のような5脚鉄心変圧器を対象とした場合
について説明したが、この発明は3相5脚鉄心変圧器の
場合に限定されるものではなく、例えば、単相変圧器、
すなわち、図4のような単相3脚鉄心変圧器3台あるい
は図7のような単相4脚鉄心変圧器3台を組み合わせて
3相結線した構成を対象とした場合にも適用することが
できる。なお、このような単相変圧器3台を組み合わせ
て3相結線した構成を対象とした場合、主巻線の結線構
成は図13あるいは図14における主巻線1A,1B,
1Cの結線構成と同じであり、また、リードあるいは接
地線に直流電流分検出器を介装する構成も図13あるい
は図14と同じであり、また、制御装置15あるいは1
8も図13あるいは図14と同様に1台でよいが、キャ
ンセル巻線の結線構成は、各単相変圧器毎にキャンセル
巻線6F,6Gが設けられるので、図13あるいは図1
4におけるキャンセル巻線6F,6Gを3対備えた結線
構成となる。一方、キャンセル電流を供給するための直
流電源の方は、各単相変圧器のキャンセル巻線6F,6
Gに対応して直流電源5F,5Gをそれぞれ設ける構
成、すなわち、全体で6台の直流電源を設ける構成とし
てもよいが、図11あるいは図12の実施例と同様に、
キャンセル巻線6F,6Gを直列に接続して、その直列
回路の両端に1つの直流電源5を接続する構成とすれ
ば、直流電源が、各単相変圧器毎に1台、すなわち、全
体で3台あればよくなる。また、各単相変圧器毎にキャ
ンセル巻線6F,6Gを直列接続したもの同士を、各単
相変圧器間で、さらに直列接続し、その直列回路の両端
に1つの直流電源5を接続するようにして、直流電源を
全体で1台とすることも可能である。
【0049】また、上述の図1,図4および図7の各実
施例では、主脚に1次側巻線と2次側巻線とからなる主
巻線が巻回されてなり、この主巻線の1次側巻線あるい
は2次側巻線に直流電流が流される場合の直流偏磁抑制
方法について説明したが、この発明は、このような,主
巻線に直流電流が流される場合に限定されるものではな
く、例えば、主脚に主巻線に加えて3次巻線が巻回され
てなり、この3次巻線に直流電流が流れる場合の直流偏
磁抑制方法にも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】この発明の方法は前述のように、継鉄あ
るいは帰路脚にキャンセル巻線を巻回し、前記キャンセ
ル巻線に主脚で発生する直流磁束を打ち消すキャンセル
電流を流すようにすることによって、鉄心を高くする必
要がなくなり、鉄心のコストが低減されるとともに変圧
器の輸送可能な容量も増加する。
【0051】また、かかる方法において、キャンセル巻
線が主脚の両側に配された継鉄あるいは帰路脚にそれぞ
れ巻回されるとともに直列接続され、キャンセル巻線の
直列接続回路の両端に前記キャンセル電流を流すように
することによって、直流電源の台数が減るとともに直流
電源の耐電圧を考慮する必要がなくなり、直流電源のコ
ストが低減される。
【0052】また、かかる方法において、前記巻線が3
つ組み合わされて星形に3相結線されるとともに前記巻
線のそれぞれに接続されるリードから前記巻線を流れる
直流電流分が検出され、直流電流分から主脚で発生する
直流磁束を打ち消すキャンセル電流を算出しキャンセル
巻線に流すようにすることによって、鉄心の外部に直流
電流分検出器を配することができ、直流電流分検出器が
保守点検し易くなる。
【0053】また、かかる方法において、前記巻線が3
つ組み合わされて星形に3相結線されるとともに前記巻
線の中性点から接地点へ流れる直流電流分が検出され、
直流電流分から前記主脚で発生する直流磁束を打ち消す
キャンセル電流を算出しキャンセル巻線に流すようにす
ることによって、直流電流分検出器が保守点検し易くな
るとともに、1台の直流電流分検出器で済むようにな
り、直流電流分検出器のコストが低減される。また、直
流電流分検出器は交流電圧に対する耐電圧を考慮する必
要がない点からも直流電流分検出器を安価に構成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる鉄心の直流偏磁抑制
方法でもって直流偏磁が抑制された変圧器の構成を示す
断面図
【図2】図1の変圧器の鉄心の直流偏磁を抑制するため
の結線図
【図3】図1の変圧器の鉄心の直流磁気回路図
【図4】この発明の異なる実施例にかかる鉄心の直流偏
磁抑制方法でもって直流偏磁が抑制された変圧器の構成
を示す断面図
【図5】図4の変圧器の鉄心の直流偏磁を抑制するため
の結線図
【図6】図4の変圧器の鉄心の直流磁気回路図
【図7】この発明のさらに異なる実施例にかかる鉄心の
直流偏磁抑制方法でもって直流偏磁が抑制された変圧器
の構成を示す断面図
【図8】図7の変圧器の鉄心の直流偏磁を抑制するため
の結線図
【図9】図7の変圧器の鉄心の直流磁気回路図
【図10】この発明のさらに異なる実施例にかかる変圧
器の鉄心の直流偏磁を抑制するための結線図
【図11】この発明のさらに異なる実施例にかかる変圧
器の鉄心の直流偏磁を抑制するための結線図
【図12】この発明のさらに異なる実施例にかかる変圧
器の鉄心の直流偏磁を抑制するための結線図
【図13】この発明のさらに異なる実施例にかかる変圧
器の鉄心の直流偏磁を抑制するための回路図
【図14】この発明のさらに異なる実施例にかかる変圧
器の鉄心の直流偏磁を抑制するための回路図
【図15】図1の変圧器の主巻線に実験的に直流電流を
流し、キャンセル巻線にキャンセル電流を流した場合の
変圧器の騒音を調べた結果を示す特性線図
【図16】従来の鉄心の直流偏磁抑制方法でもって直流
偏磁が抑制された変圧器の構成を示す断面図
【図17】図16の変圧器の鉄心の直流偏磁を抑制する
ための結線図
【図18】図16の変圧器の鉄心の直流磁気回路図
【符号の説明】
1A,1B,1C,8,8A,8B:主巻線、3,9,
10:鉄心、3A,3B,3C,9A,10A,10
B:主脚、3D,3E,9D,9E,10D,10E:
継鉄、3F,3G,9F,9G,10F,10G:帰路
脚、5,5F,5G:直流電源、6F,6G,7F,7
G:キャンセル巻線、11A,11B,11C:リー
ド、12,12A,12B,12C:直流電流分検出
器、14:中性点、15,18:制御装置、16:接地
線、E:接地

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻線が巻回された主脚の端部に継鉄を介し
    て帰路脚が接合されてなる鉄心の直流偏磁を抑制する方
    法であって、前記継鉄あるいは前記帰路脚にキャンセル
    巻線を巻回し、前記キャンセル巻線に前記主脚で発生す
    る直流磁束を打ち消すキャンセル電流を流すことを特徴
    とする鉄心の直流偏磁抑制方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の鉄心の直流偏磁抑制方法
    において、前記キャンセル巻線が前記主脚の両側に配さ
    れた前記継鉄あるいは前記帰路脚にそれぞれ巻回される
    とともに直列接続され、前記キャンセル巻線の直列接続
    回路の両端に前記キャンセル電流を流すことを特徴とす
    る鉄心の直流偏磁抑制方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の鉄心の直流偏磁
    抑制方法において、前記巻線が3つ組み合わされて星形
    に3相結線されるとともに前記巻線のそれぞれに接続さ
    れるリードから前記巻線を流れる直流電流分が検出さ
    れ、前記直流電流分から前記主脚で発生する直流磁束を
    打ち消すキャンセル電流を算出し前記キャンセル巻線に
    流すことを特徴とする鉄心の直流偏磁抑制方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の鉄心の直流偏磁
    抑制方法において、前記巻線が3つ組み合わされて星形
    に3相結線されるとともに前記巻線の中性点から接地点
    へ流れる直流電流分が検出され、前記直流電流分から前
    記主脚で発生する直流磁束を打ち消すキャンセル電流を
    算出し前記キャンセル巻線に流すことを特徴とする鉄心
    の直流偏磁抑制方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102522190A (zh) * 2011-12-02 2012-06-27 沈阳工业大学 具有直流偏磁补偿能力的电力变压器及工作方法
CN106463251A (zh) * 2014-06-03 2017-02-22 株式会社电装 电抗器
CN114078624A (zh) * 2020-08-17 2022-02-22 台达电子工业股份有限公司 磁性部件及其适用的电源模块

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US11749442B2 (en) 2020-08-17 2023-09-05 Delta Electronics, Inc. Magnetic element and power module with same

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