JP2002017669A - 医療用鏡 - Google Patents
医療用鏡Info
- Publication number
- JP2002017669A JP2002017669A JP2000206269A JP2000206269A JP2002017669A JP 2002017669 A JP2002017669 A JP 2002017669A JP 2000206269 A JP2000206269 A JP 2000206269A JP 2000206269 A JP2000206269 A JP 2000206269A JP 2002017669 A JP2002017669 A JP 2002017669A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- hydrophilic
- insoluble
- metal oxide
- hardly soluble
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Endoscopes (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 複数回の使用に耐え、かつ患部を視認するに
充分な防曇性を示すことの可能な医療用鏡及びその防曇
方法を提供すること。 【解決手段】 鏡の表面に親水性被膜が形成されてお
り、前記親水性被膜表面はナノオーダーの微細な複合凹
凸構造を有することを特徴とする医療用鏡。
充分な防曇性を示すことの可能な医療用鏡及びその防曇
方法を提供すること。 【解決手段】 鏡の表面に親水性被膜が形成されてお
り、前記親水性被膜表面はナノオーダーの微細な複合凹
凸構造を有することを特徴とする医療用鏡。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防曇性を有する医
療用鏡、医療用鏡の防曇方法及び医療用鏡用コーティン
グ組成物に関する。
療用鏡、医療用鏡の防曇方法及び医療用鏡用コーティン
グ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】口腔内を観察するためのデンタルミラー
が患者の吐息により曇り、的確な診断を下すのに支障を
生じる事がある。また手術などで死角部分を見るために
使用する例えば脳内検視用の鏡は比較的湿度のこもった
部位で使用されるため曇り、手術の進行上支障を生じる
ことがある。
が患者の吐息により曇り、的確な診断を下すのに支障を
生じる事がある。また手術などで死角部分を見るために
使用する例えば脳内検視用の鏡は比較的湿度のこもった
部位で使用されるため曇り、手術の進行上支障を生じる
ことがある。
【0003】上記デンタルミラーが曇るのは、デンタル
ミラーの表面温度が患者の口腔内温度よりも低いからで
ある。そのために、口腔内の湿分が凝縮してミラー表面
に付着水滴を形成する。そして、この付着水滴が光を散
乱し、デンタルミラー表面は見かけ上不透明となり、可
視性が損なわれるのである。さらに、口腔内は多湿環境
であるため、多量の付着水滴が形成されるために、不透
明になりやすく口腔内の視認性は一層低下する。また、
脳内検視用の鏡が曇るのも、同様に鏡の表面温度が使用
環境よりも低いからである。また、湿度のこもった部位
で使用されるため、不透明になりやすく視認性は一層低
下する。
ミラーの表面温度が患者の口腔内温度よりも低いからで
ある。そのために、口腔内の湿分が凝縮してミラー表面
に付着水滴を形成する。そして、この付着水滴が光を散
乱し、デンタルミラー表面は見かけ上不透明となり、可
視性が損なわれるのである。さらに、口腔内は多湿環境
であるため、多量の付着水滴が形成されるために、不透
明になりやすく口腔内の視認性は一層低下する。また、
脳内検視用の鏡が曇るのも、同様に鏡の表面温度が使用
環境よりも低いからである。また、湿度のこもった部位
で使用されるため、不透明になりやすく視認性は一層低
下する。
【0004】このように、医療用に使用される鏡は、一
般に体に近接させて使用されるために、その表面温度が
周囲温度よりも低く、かつ周囲は多湿環境であるため
に、視認性の低下は大きな問題であった。
般に体に近接させて使用されるために、その表面温度が
周囲温度よりも低く、かつ周囲は多湿環境であるため
に、視認性の低下は大きな問題であった。
【0005】周知のように、従来用いられている防曇方
法は、ポリエチレングリコールのような親水性高分子或
いはシリコーンのような撥水性化合物を含んだ防曇性組
成物を表面に塗布する事である。しかし、上記医療用鏡
は生体に接触させて用いるために一般に使用前に生理食
塩水等により消毒して使用するが、上記ポリエチレング
リコールのような親水性高分子を表面に塗布したので
は、消毒液に接触させたときに溶解してしまい充分な機
能を発揮できない。また、シリコーンのような撥水性化
合物を含んだ防曇性組成物を表面に塗布する方法でも、
吐息により付着する水滴のような細かい水滴は残留しや
すく充分な機能を発揮できない。
法は、ポリエチレングリコールのような親水性高分子或
いはシリコーンのような撥水性化合物を含んだ防曇性組
成物を表面に塗布する事である。しかし、上記医療用鏡
は生体に接触させて用いるために一般に使用前に生理食
塩水等により消毒して使用するが、上記ポリエチレング
リコールのような親水性高分子を表面に塗布したので
は、消毒液に接触させたときに溶解してしまい充分な機
能を発揮できない。また、シリコーンのような撥水性化
合物を含んだ防曇性組成物を表面に塗布する方法でも、
吐息により付着する水滴のような細かい水滴は残留しや
すく充分な機能を発揮できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、使用
前に生理食塩水に接触させて使用するのが一般的である
医療用鏡において、複数回の使用に耐え、かつ患部を視
認するに充分な防曇性を示すことの可能な医療用鏡及び
その防曇方法を提供することにある。
前に生理食塩水に接触させて使用するのが一般的である
医療用鏡において、複数回の使用に耐え、かつ患部を視
認するに充分な防曇性を示すことの可能な医療用鏡及び
その防曇方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明では、
上記課題を解決すべく、医療用鏡表面に水に対して不溶
性又は難溶性の透明な親水性被膜が形成されており、前
記親水性被膜には少なくとも水に対して不溶性又は難溶
性の親水性金属酸化物粒子と水に対して不溶性又は難溶
性の親水性無機非晶質物質が含有されており、前記親水
性被膜は任意の5μm四方領域における面粗さが5nm
以上30nm以下であり、かつ同領域内の断面曲線は比
較的平滑な部分と前記平滑な部分に比較して隆起してい
る部分とからなり、前記比較的平滑な部分のみに線分を
設定した場合の、その線分における断面曲線が示すRz
(十点平均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、10n
m≦Rz≦40nmで10nm≦Sm≦300nmの凹
凸からなり、前記隆起している部分を通るように線分を
設定した場合の、その線分における断面曲線が示すRz
(十点平均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、40n
m≦Rz≦200nmで300nm≦Sm≦1500n
mの凹凸からなる微細な複合凹凸構造を有することを特
徴とする防曇性を有する医療用鏡を提供する。上記範囲
に面粗さ、Rz、Smがあることによって濡れ性の向上
による防曇効果と高い水膜維持能力および透明性が発揮
できる。また、水に対して不溶性又は難溶性の親水性被
膜が形成されていることにより、使用前に生理食塩水で
処理しても耐久性や防曇機能の低下が生じ難くなる。従
って、使用時には常に高度の親水性を維持し防曇性を示
すようになる。また、親水性無機非晶質物質が含有され
ていることにより、被膜強度が向上し、耐摩耗性が良好
になり、実用上十分な耐久性が得られる。
上記課題を解決すべく、医療用鏡表面に水に対して不溶
性又は難溶性の透明な親水性被膜が形成されており、前
記親水性被膜には少なくとも水に対して不溶性又は難溶
性の親水性金属酸化物粒子と水に対して不溶性又は難溶
性の親水性無機非晶質物質が含有されており、前記親水
性被膜は任意の5μm四方領域における面粗さが5nm
以上30nm以下であり、かつ同領域内の断面曲線は比
較的平滑な部分と前記平滑な部分に比較して隆起してい
る部分とからなり、前記比較的平滑な部分のみに線分を
設定した場合の、その線分における断面曲線が示すRz
(十点平均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、10n
m≦Rz≦40nmで10nm≦Sm≦300nmの凹
凸からなり、前記隆起している部分を通るように線分を
設定した場合の、その線分における断面曲線が示すRz
(十点平均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、40n
m≦Rz≦200nmで300nm≦Sm≦1500n
mの凹凸からなる微細な複合凹凸構造を有することを特
徴とする防曇性を有する医療用鏡を提供する。上記範囲
に面粗さ、Rz、Smがあることによって濡れ性の向上
による防曇効果と高い水膜維持能力および透明性が発揮
できる。また、水に対して不溶性又は難溶性の親水性被
膜が形成されていることにより、使用前に生理食塩水で
処理しても耐久性や防曇機能の低下が生じ難くなる。従
って、使用時には常に高度の親水性を維持し防曇性を示
すようになる。また、親水性無機非晶質物質が含有され
ていることにより、被膜強度が向上し、耐摩耗性が良好
になり、実用上十分な耐久性が得られる。
【0008】本発明の医療用鏡の好ましい態様において
は、前記親水性被膜には、3〜40nm、好ましくは1
0〜30nmに粒径の最頻値を有する水に対して不溶性
又は難溶性の親水性金属酸化物粒子と40〜300n
m、好ましくは40〜100nmに粒径の最頻値を有す
る水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子
と水に対して不溶性又は難溶性の親水性無機非晶質物質
が含有されているようにする。そうすることにより、上
記微細な複合凹凸構造を容易に形成することが可能とな
り、濡れ性の向上による防曇効果と高い水膜維持能力お
よび透明性が発揮できる。また、親水性無機非晶質物質
が含有されていることにより、被膜強度が向上し、耐摩
耗性が良好になる。
は、前記親水性被膜には、3〜40nm、好ましくは1
0〜30nmに粒径の最頻値を有する水に対して不溶性
又は難溶性の親水性金属酸化物粒子と40〜300n
m、好ましくは40〜100nmに粒径の最頻値を有す
る水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子
と水に対して不溶性又は難溶性の親水性無機非晶質物質
が含有されているようにする。そうすることにより、上
記微細な複合凹凸構造を容易に形成することが可能とな
り、濡れ性の向上による防曇効果と高い水膜維持能力お
よび透明性が発揮できる。また、親水性無機非晶質物質
が含有されていることにより、被膜強度が向上し、耐摩
耗性が良好になる。
【0009】また、本発明においては、3〜40nm、
好ましくは10〜30nmに粒径の最頻値を有する水に
対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子と40
〜300nm、好ましくは40〜100nmに粒径の最
頻値を有する水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属
酸化物粒子と水に対して不溶性又は難溶性の親水性無機
非晶質物質とを含むことを特徴とする医療用鏡用防曇性
コーティング組成物を提供する。上記組成物は、医療用
鏡表面にコーティングし、必要に応じて加熱硬化するだ
けで上記微細な複合凹凸構造を容易に形成することが可
能となり、濡れ性の向上による防曇効果と高い水膜維持
能力および透明性が発揮できる。また、親水性無機非晶
質物質が含有されていることにより、被膜強度が向上
し、耐摩耗性が良好になる。
好ましくは10〜30nmに粒径の最頻値を有する水に
対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子と40
〜300nm、好ましくは40〜100nmに粒径の最
頻値を有する水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属
酸化物粒子と水に対して不溶性又は難溶性の親水性無機
非晶質物質とを含むことを特徴とする医療用鏡用防曇性
コーティング組成物を提供する。上記組成物は、医療用
鏡表面にコーティングし、必要に応じて加熱硬化するだ
けで上記微細な複合凹凸構造を容易に形成することが可
能となり、濡れ性の向上による防曇効果と高い水膜維持
能力および透明性が発揮できる。また、親水性無機非晶
質物質が含有されていることにより、被膜強度が向上
し、耐摩耗性が良好になる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の好ましい実施の形態
を図1に基づき説明する。図1は本発明に係る医療用鏡
の親水性被膜の断面概念図である。
を図1に基づき説明する。図1は本発明に係る医療用鏡
の親水性被膜の断面概念図である。
【0011】本発明の医療用鏡は、透明な基材の表面に
親水性被膜が形成されている。親水性被膜には少なくと
も水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子
と水に対して不溶性又は難溶性の親水性無機非晶質物質
が含有されている。また、親水性被膜の表面凹凸形状
は、該被膜上の任意の5μm四方領域における面粗さが
5nm以上30nm以下であり、かつ同領域内の断面曲
線は比較的平滑な部分と前記平滑な部分に比較して隆起
している部分とからなり、前記比較的平滑な部分のみに
線分を設定し、その線分における断面曲線が示すRz
(十点平均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、10n
m≦Rz≦40nmで10nm≦Sm≦300nmの凹
凸からなり、前記隆起している部分を通るように線分を
設定し、その線分における断面曲線が示すRz(十点平
均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、40nm≦Rz
≦200nmで300nm≦Sm≦1500nmの凹凸
からなる微細な複合凹凸構造を有する。
親水性被膜が形成されている。親水性被膜には少なくと
も水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子
と水に対して不溶性又は難溶性の親水性無機非晶質物質
が含有されている。また、親水性被膜の表面凹凸形状
は、該被膜上の任意の5μm四方領域における面粗さが
5nm以上30nm以下であり、かつ同領域内の断面曲
線は比較的平滑な部分と前記平滑な部分に比較して隆起
している部分とからなり、前記比較的平滑な部分のみに
線分を設定し、その線分における断面曲線が示すRz
(十点平均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、10n
m≦Rz≦40nmで10nm≦Sm≦300nmの凹
凸からなり、前記隆起している部分を通るように線分を
設定し、その線分における断面曲線が示すRz(十点平
均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、40nm≦Rz
≦200nmで300nm≦Sm≦1500nmの凹凸
からなる微細な複合凹凸構造を有する。
【0012】ここで、本発明における面粗さ、および十
点平均粗さ(Rz)および凹凸の平均間隔(Sm)は原
子間力顕微鏡を用いて測定する。測定方法は被膜の任意
の箇所において5μm×5μmの表面形状を測定し、J
IS B 0601に規定される算術平均粗さ(Ra)
を面拡張した面粗さによって平均粗さを表現する。ま
た、RzおよびSmは測定した領域内に線分を設定し、
その線分における断面曲線を利用してJIS B 06
01に規定する方法と同様にRzとSmを計算する。た
だし、このとき設定する線分の長さは特に規定しない
が、Rzのばらつきを考慮し、なるべく長くとるように
設定する。
点平均粗さ(Rz)および凹凸の平均間隔(Sm)は原
子間力顕微鏡を用いて測定する。測定方法は被膜の任意
の箇所において5μm×5μmの表面形状を測定し、J
IS B 0601に規定される算術平均粗さ(Ra)
を面拡張した面粗さによって平均粗さを表現する。ま
た、RzおよびSmは測定した領域内に線分を設定し、
その線分における断面曲線を利用してJIS B 06
01に規定する方法と同様にRzとSmを計算する。た
だし、このとき設定する線分の長さは特に規定しない
が、Rzのばらつきを考慮し、なるべく長くとるように
設定する。
【0013】基材表面に形成した親水性被膜の面粗さが
5nm以上であることで、表面に付着した水が濡れ広が
り、水膜切れを生じることなく防曇機能が発揮される。
また、30nm以下であることで、被膜の透明度が充分
に確保される。
5nm以上であることで、表面に付着した水が濡れ広が
り、水膜切れを生じることなく防曇機能が発揮される。
また、30nm以下であることで、被膜の透明度が充分
に確保される。
【0014】また、断面曲線が示すRz(十点平均粗
さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、10nm≦Rz≦4
0nmで10nm≦Sm≦300nmの凹凸からなる平
滑部と、40nm≦Rz≦200nmで300nm≦S
m≦1500nmの凹凸からなる隆起部の双方を有する
微細な複合凹凸構造を有することにより、平滑部におい
てそのフラクタル的な効果により被膜表面が充分な親水
性を有し、かつ隆起部において水膜の厚みを充分に確保
できるようになるので、付着水滴が速やかに水膜状に広
がりやすくなる。
さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、10nm≦Rz≦4
0nmで10nm≦Sm≦300nmの凹凸からなる平
滑部と、40nm≦Rz≦200nmで300nm≦S
m≦1500nmの凹凸からなる隆起部の双方を有する
微細な複合凹凸構造を有することにより、平滑部におい
てそのフラクタル的な効果により被膜表面が充分な親水
性を有し、かつ隆起部において水膜の厚みを充分に確保
できるようになるので、付着水滴が速やかに水膜状に広
がりやすくなる。
【0015】本発明における親水性被膜は、他成分が添
加されていてもよいが、基本的には水に対して不溶性又
は難溶性の親水性金属酸化物微粒子と水に対して不溶性
又は難溶性の親水性無機非晶質物質により形成される。
本発明では表面に付着した水が容易に塗れ広がり、かつ
水膜を保持することが必要であるが、水膜を形成するに
必要な親水性を長期にわたって安定的に発揮するために
は無機物質の利用が適当である。このとき、水膜を速や
かに形成するためにはできるだけ高度な親水性を示す安
定した物質が適当であるが、このような物質として、表
面に化学吸着水を生成しやすい物質、すなわち親水性の
無機物質の中でも表面が水和可能な物質であるのものが
好適に利用できる。無機物質において、酸化物は表面に
化学吸着水を形成し親水性を呈すが、このほかに窒化
物、ホウ化物、炭化物なども表面層を酸化被膜で覆われ
たり、加水分解したりして、化学吸着水層を形成し、親
水性を呈することが一般に知られており、利用できる。
これらのうち容易に入手可能で高度な親水性を発揮する
水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子と
してSiO2、Al2O3、ZrO2、TiO2、SnO2が
好ましい。TiO2は水を分解して活性酸素種を発生さ
せたり、有機物を分解できる為、優れた防汚効果が期待
できる。SiO2はコロイダルシリカとして、Al2O3
はアルミナゾル、ZrO2はジルコニアゾル、TiO2は
チタニアゾル、SnO2は酸化スズゾルとして市販品が
あり、容易に入手できる。このとき、溶媒として、水ま
たはアルコールが利用可能であるが、親水性および安全
性の面から水分散溶液が特に好ましい。また、粒子の形
状は限定されるものではなく、球状、直方状、平板状、
羽毛状、鎖状など何でも良いが、凹凸構造の形成のしや
すさから球状または直方状が好ましい。
加されていてもよいが、基本的には水に対して不溶性又
は難溶性の親水性金属酸化物微粒子と水に対して不溶性
又は難溶性の親水性無機非晶質物質により形成される。
本発明では表面に付着した水が容易に塗れ広がり、かつ
水膜を保持することが必要であるが、水膜を形成するに
必要な親水性を長期にわたって安定的に発揮するために
は無機物質の利用が適当である。このとき、水膜を速や
かに形成するためにはできるだけ高度な親水性を示す安
定した物質が適当であるが、このような物質として、表
面に化学吸着水を生成しやすい物質、すなわち親水性の
無機物質の中でも表面が水和可能な物質であるのものが
好適に利用できる。無機物質において、酸化物は表面に
化学吸着水を形成し親水性を呈すが、このほかに窒化
物、ホウ化物、炭化物なども表面層を酸化被膜で覆われ
たり、加水分解したりして、化学吸着水層を形成し、親
水性を呈することが一般に知られており、利用できる。
これらのうち容易に入手可能で高度な親水性を発揮する
水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子と
してSiO2、Al2O3、ZrO2、TiO2、SnO2が
好ましい。TiO2は水を分解して活性酸素種を発生さ
せたり、有機物を分解できる為、優れた防汚効果が期待
できる。SiO2はコロイダルシリカとして、Al2O3
はアルミナゾル、ZrO2はジルコニアゾル、TiO2は
チタニアゾル、SnO2は酸化スズゾルとして市販品が
あり、容易に入手できる。このとき、溶媒として、水ま
たはアルコールが利用可能であるが、親水性および安全
性の面から水分散溶液が特に好ましい。また、粒子の形
状は限定されるものではなく、球状、直方状、平板状、
羽毛状、鎖状など何でも良いが、凹凸構造の形成のしや
すさから球状または直方状が好ましい。
【0016】本発明における水に対して不溶性又は難溶
性の親水性無機非晶質物質はアルカリ珪酸塩、ホウ珪酸
塩、アルカリジルコニウム塩、リン酸塩のうち少なくと
も1つ以上であるのが好ましい。これらの物質は容易に
水の存在により容易に化学吸着水層を形成し、高度かつ
長期的にわたって親水性を呈すことができるので好まし
い。利用可能なアルカリ珪酸塩として、珪酸ナトリウ
ム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウムの
少なくとも1つ以上が可能である。一般に接着性は珪酸
ナトリウム、珪酸カリウムの順に強く、耐水性は珪酸ア
ンモニウム、珪酸リチウムの順に強いといわれている
が、被膜性、膜硬度、耐水性等を考慮すると珪酸リチウ
ムを含むのがより好適である。
性の親水性無機非晶質物質はアルカリ珪酸塩、ホウ珪酸
塩、アルカリジルコニウム塩、リン酸塩のうち少なくと
も1つ以上であるのが好ましい。これらの物質は容易に
水の存在により容易に化学吸着水層を形成し、高度かつ
長期的にわたって親水性を呈すことができるので好まし
い。利用可能なアルカリ珪酸塩として、珪酸ナトリウ
ム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウムの
少なくとも1つ以上が可能である。一般に接着性は珪酸
ナトリウム、珪酸カリウムの順に強く、耐水性は珪酸ア
ンモニウム、珪酸リチウムの順に強いといわれている
が、被膜性、膜硬度、耐水性等を考慮すると珪酸リチウ
ムを含むのがより好適である。
【0017】本発明の親水性被膜の被膜にはホウ酸及び
/又はホウ酸化合物を含むことで耐水性、化学的耐久性
を向上させることが出来るので好ましい。ホウ酸または
ホウ酸化合物としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四
ホウ酸、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸バリウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸リチ
ウム、その他ホウ酸エステル等があげられるが、これら
に限定されるものではない。
/又はホウ酸化合物を含むことで耐水性、化学的耐久性
を向上させることが出来るので好ましい。ホウ酸または
ホウ酸化合物としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四
ホウ酸、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸バリウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸リチ
ウム、その他ホウ酸エステル等があげられるが、これら
に限定されるものではない。
【0018】また、本発明の親水性被膜の被膜にはリン
酸及び/又はリン酸化合物を含むことで膜の硬化を促進
し、膜の耐久性を向上させることが出来るので好まし
い。リン酸またはリン酸化合物としては、無水リン酸、
メタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、三リン酸、四
リン酸、リン酸亜鉛、リン酸水素亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、リン酸水素アルミニウム、リン酸アンモニウム、
リン酸水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウムナト
リウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸
カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸水素リチウム、その他リン酸エステル等があ
げられるが、これらに限定されるものではない。
酸及び/又はリン酸化合物を含むことで膜の硬化を促進
し、膜の耐久性を向上させることが出来るので好まし
い。リン酸またはリン酸化合物としては、無水リン酸、
メタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、三リン酸、四
リン酸、リン酸亜鉛、リン酸水素亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、リン酸水素アルミニウム、リン酸アンモニウム、
リン酸水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウムナト
リウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸
カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸水素リチウム、その他リン酸エステル等があ
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】また、本発明の親水性被膜の被膜には熱処
理によってZrO2となる物質の前駆体を含むことで、
アルカリ珪酸塩中のSiO2構造中にZrが取り込ま
れ、化学的耐久性を向上させることが出来るので好まし
い。熱処理によってZrO2となる物質の前駆体として
は、塩化酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、
塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、ジルコニウムア
セチルアセトネート、ジルコニウムブトキシド、ジルコ
ニウムプロポキシドなどがあげられるが、これらに限定
されるものではない。
理によってZrO2となる物質の前駆体を含むことで、
アルカリ珪酸塩中のSiO2構造中にZrが取り込ま
れ、化学的耐久性を向上させることが出来るので好まし
い。熱処理によってZrO2となる物質の前駆体として
は、塩化酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、
塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、ジルコニウムア
セチルアセトネート、ジルコニウムブトキシド、ジルコ
ニウムプロポキシドなどがあげられるが、これらに限定
されるものではない。
【0020】また、本発明の親水性被膜の被膜には必要
に応じて抗菌性材料を添加して、抗菌性を付与すること
ができる。AgやCuの金属材料又はそれらの化合物や
TiO2などの光触媒材料などがあげられるが、これら
に限定されるものではない。
に応じて抗菌性材料を添加して、抗菌性を付与すること
ができる。AgやCuの金属材料又はそれらの化合物や
TiO2などの光触媒材料などがあげられるが、これら
に限定されるものではない。
【0021】本発明の親水性被膜では、凹凸を形成する
為に、粒径の最頻値の異なる2種類以上の親水性金属酸
化物粒子を用いることができる。そうすることで、上記
微細な複合凹凸構造を容易に実現できる。すなわち、3
〜40nmに粒径の最頻値を有する水に対して不溶性又
は難溶性の親水性金属酸化物粒子と水に対して不溶性又
は難溶性の40〜300nmに粒径の最頻値を有する親
水性金属酸化物粒子を用いる。このうち、3〜40nm
に粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物粒子は、表面
に多数の微小凹凸を形成し、透明性の高い凹凸膜を形成
し、かつ細かい凹凸により水の濡れ性を向上する事で、
表面に容易に水膜を形成することが可能となる。粒径の
最頻値が3nm以上であることで、表面の粗さを大きく
する効果が充分に発揮されるようになる。また、粒径の
最頻値が40nm以下であることで、表面積に対して実
表面積を大きくするが充分に発揮されるようになる。そ
して結果的に被膜表面が充分な親水性を有するようにな
る。より好ましくは10〜30nmに粒径の最頻値を有
する親水性金属酸化物粒子である。
為に、粒径の最頻値の異なる2種類以上の親水性金属酸
化物粒子を用いることができる。そうすることで、上記
微細な複合凹凸構造を容易に実現できる。すなわち、3
〜40nmに粒径の最頻値を有する水に対して不溶性又
は難溶性の親水性金属酸化物粒子と水に対して不溶性又
は難溶性の40〜300nmに粒径の最頻値を有する親
水性金属酸化物粒子を用いる。このうち、3〜40nm
に粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物粒子は、表面
に多数の微小凹凸を形成し、透明性の高い凹凸膜を形成
し、かつ細かい凹凸により水の濡れ性を向上する事で、
表面に容易に水膜を形成することが可能となる。粒径の
最頻値が3nm以上であることで、表面の粗さを大きく
する効果が充分に発揮されるようになる。また、粒径の
最頻値が40nm以下であることで、表面積に対して実
表面積を大きくするが充分に発揮されるようになる。そ
して結果的に被膜表面が充分な親水性を有するようにな
る。より好ましくは10〜30nmに粒径の最頻値を有
する親水性金属酸化物粒子である。
【0022】また、40〜300nmに粒径の最頻値を
有する水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物
粒子を用いることによって、表面の凹凸高さを大きく
し、表面に形成する水膜の厚みを大きくすることが可能
である。これにより、水膜の維持能力を高くし、浴室環
境における金属石鹸やリンス成分、屋外における都市煤
塵の付着防止効果を発揮できる。また、付着した水滴が
凹凸の高い部分に引き付けられ、水膜が広がるのを促進
する作用がある。粒径の最頻値を40nm以上とするこ
とで、上述した3〜40nmの金属酸化物粒子の粒径の
最頻値との凹凸高さの差が充分に確保できるようにな
り、上記水膜の厚みを大きくする効果が充分に発揮され
るようになる。また、粒径の最頻値を300nm以下と
することで、透明性や膜の機械的強度が充分になる。よ
り好ましくは40〜100nmに粒径の最頻値を有する
水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子で
ある。
有する水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物
粒子を用いることによって、表面の凹凸高さを大きく
し、表面に形成する水膜の厚みを大きくすることが可能
である。これにより、水膜の維持能力を高くし、浴室環
境における金属石鹸やリンス成分、屋外における都市煤
塵の付着防止効果を発揮できる。また、付着した水滴が
凹凸の高い部分に引き付けられ、水膜が広がるのを促進
する作用がある。粒径の最頻値を40nm以上とするこ
とで、上述した3〜40nmの金属酸化物粒子の粒径の
最頻値との凹凸高さの差が充分に確保できるようにな
り、上記水膜の厚みを大きくする効果が充分に発揮され
るようになる。また、粒径の最頻値を300nm以下と
することで、透明性や膜の機械的強度が充分になる。よ
り好ましくは40〜100nmに粒径の最頻値を有する
水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子で
ある。
【0023】また、親水性無機非晶質物質を用いること
で、前記金属酸化物と容易に結合し、透明かつ高硬度な
高耐久親水性被膜を形成することが可能である。
で、前記金属酸化物と容易に結合し、透明かつ高硬度な
高耐久親水性被膜を形成することが可能である。
【0024】以上のような形態により本発明における親
水性被膜は、速やかに水膜を形成することで防曇性を発
揮する事が出来る。特に、使用する前に生理用食塩水な
どにより医療用鏡の表面を濡らすことで水膜を充分に形
成してから使用する事で大きな効果を発揮することが可
能となる。
水性被膜は、速やかに水膜を形成することで防曇性を発
揮する事が出来る。特に、使用する前に生理用食塩水な
どにより医療用鏡の表面を濡らすことで水膜を充分に形
成してから使用する事で大きな効果を発揮することが可
能となる。
【0025】本発明における親水性被膜に、患者の吐息
などによる水蒸気などが付着すると表面に形成された被
膜が付着した水を保持しつづけ、次々に付着する水蒸気
などによって水膜が形成され均一化する。この状態にお
いて、表面温度が露点温度以下であって水蒸気が表面に
触れる状態、または水しぶきの付着によって水滴が付着
する状態であっても、水膜は維持されつづけるため光が
散乱されず直線的に透過するので、視認性が低下するこ
とはない。また、過剰に付着した場合には水が流下して
いくが、本発明における親水性被膜は水を一定の範囲で
保持しつづける為、防曇効果を維持できる。
などによる水蒸気などが付着すると表面に形成された被
膜が付着した水を保持しつづけ、次々に付着する水蒸気
などによって水膜が形成され均一化する。この状態にお
いて、表面温度が露点温度以下であって水蒸気が表面に
触れる状態、または水しぶきの付着によって水滴が付着
する状態であっても、水膜は維持されつづけるため光が
散乱されず直線的に透過するので、視認性が低下するこ
とはない。また、過剰に付着した場合には水が流下して
いくが、本発明における親水性被膜は水を一定の範囲で
保持しつづける為、防曇効果を維持できる。
【0026】図1は、異なる粒径の最頻値を有する2種
類の親水性金属酸化物粒子と親水性無機非晶質物質によ
り透明基材表面に被膜を形成した医療用鏡の概念図であ
る。RzおよびSmは、3〜40nmに粒径の最頻値を
有する親水性金属酸化物粒子を通るように線分を設定し
(図1における線分A)、断面曲線を得た場合に、10
nm≦Rz≦40nmで10nm≦Sm≦300nmの
凹凸構造を示し、40〜300nmに粒径の最頻値を有
する親水性金属酸化物粒子を通るように線分を設定し
(図1における線分B)、断面曲線を得た場合に40n
m≦Rz≦200nmで300nm≦Sm≦1500n
mの凹凸構造を示す。上記範囲に面粗さ、Rz、Smが
あることによって濡れ性の向上による防曇効果と高い水
膜維持能力および透明性、耐久性が発揮できる。
類の親水性金属酸化物粒子と親水性無機非晶質物質によ
り透明基材表面に被膜を形成した医療用鏡の概念図であ
る。RzおよびSmは、3〜40nmに粒径の最頻値を
有する親水性金属酸化物粒子を通るように線分を設定し
(図1における線分A)、断面曲線を得た場合に、10
nm≦Rz≦40nmで10nm≦Sm≦300nmの
凹凸構造を示し、40〜300nmに粒径の最頻値を有
する親水性金属酸化物粒子を通るように線分を設定し
(図1における線分B)、断面曲線を得た場合に40n
m≦Rz≦200nmで300nm≦Sm≦1500n
mの凹凸構造を示す。上記範囲に面粗さ、Rz、Smが
あることによって濡れ性の向上による防曇効果と高い水
膜維持能力および透明性、耐久性が発揮できる。
【0027】次に親水性被膜の形成方法について説明す
る。親水性被膜の形成方法としては、基材を準備する工
程、アルカリ珪酸塩と3〜40nmに粒径の最頻値を有
する親水性金属酸化物粒子と、40〜300nmに粒径
の最頻値を有する親水性金属酸化物粒子の混合物を準備
する工程、前記基材を前記混合物で被覆し、被覆物を形
成する工程、必要に応じて、前記被覆物の少なくとも被
覆面を熱処理する工程、によって基材表面に微細な複合
凹凸構造を有する被膜を形成することが可能である。
る。親水性被膜の形成方法としては、基材を準備する工
程、アルカリ珪酸塩と3〜40nmに粒径の最頻値を有
する親水性金属酸化物粒子と、40〜300nmに粒径
の最頻値を有する親水性金属酸化物粒子の混合物を準備
する工程、前記基材を前記混合物で被覆し、被覆物を形
成する工程、必要に応じて、前記被覆物の少なくとも被
覆面を熱処理する工程、によって基材表面に微細な複合
凹凸構造を有する被膜を形成することが可能である。
【0028】この時、前記混合物において、アルカリ珪
酸塩のSiO2量と親水性金属酸化物粒子の重量比が1
0:1〜1:4の範囲で、且つ3〜40nmに粒径の最
頻値を有する親水性金属酸化物粒子量と、40〜300
nmに粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物粒子量の
比が40:1〜1:4の範囲であれば前述の凹凸構造を
形成することが可能である。
酸塩のSiO2量と親水性金属酸化物粒子の重量比が1
0:1〜1:4の範囲で、且つ3〜40nmに粒径の最
頻値を有する親水性金属酸化物粒子量と、40〜300
nmに粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物粒子量の
比が40:1〜1:4の範囲であれば前述の凹凸構造を
形成することが可能である。
【0029】被膜を形成する手段は特に限定されず、ス
プレーコーティング、フローコーティング、スピンコー
ティング、ディップコーティング、ロールコーティング
などの方法で塗布後、乾燥させることによって被服物を
形成できるため各々によって最適な混合物濃度がある
が、各成分の比率を変えなければ本発明において最も重
要な親水性被膜の凹凸形状に影響はない。この時被覆物
を形成するコーティング液にホウ酸、ホウ酸化合物、リ
ン酸、リン酸化合物、熱処理によってZrO2となる物
質の前駆体、Ag、Cuなどの抗菌性材料のうち少なく
とも一つ以上を含むことができる。
プレーコーティング、フローコーティング、スピンコー
ティング、ディップコーティング、ロールコーティング
などの方法で塗布後、乾燥させることによって被服物を
形成できるため各々によって最適な混合物濃度がある
が、各成分の比率を変えなければ本発明において最も重
要な親水性被膜の凹凸形状に影響はない。この時被覆物
を形成するコーティング液にホウ酸、ホウ酸化合物、リ
ン酸、リン酸化合物、熱処理によってZrO2となる物
質の前駆体、Ag、Cuなどの抗菌性材料のうち少なく
とも一つ以上を含むことができる。
【0030】また本発明の親水性被膜を形成する別の手
法として、基材を準備する工程、アルカリ珪酸塩と、3
〜40nmに粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物粒
子と、40〜300nmに粒径の最頻値を有する親水性
金属酸化物粒子の混合物、または3〜40nmに粒径の
最頻値を有する親水性金属酸化物粒子と、40〜300
nmに粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物粒子の混
合懸濁液を準備する工程、前記基材を前記混合物または
前記混合懸濁液で被覆し、被覆物を形成する工程、必要
に応じて、前記被覆物の少なくとも被覆面を熱処理する
工程、アルカリ珪酸塩の溶液、またはアルカリ珪酸塩と
3〜40nmに粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物
粒子の2回目混合懸濁液を準備する工程、前記被覆表面
に更にアルカリ珪酸塩の溶液または2回目混合懸濁液を
適用し、二回被覆物を形成する工程、必要に応じて前記
二回被覆物の少なくとも被覆面を熱処理する工程、によ
って表面に微細な複合凹凸構造を有する親水性被膜の形
成が可能である。
法として、基材を準備する工程、アルカリ珪酸塩と、3
〜40nmに粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物粒
子と、40〜300nmに粒径の最頻値を有する親水性
金属酸化物粒子の混合物、または3〜40nmに粒径の
最頻値を有する親水性金属酸化物粒子と、40〜300
nmに粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物粒子の混
合懸濁液を準備する工程、前記基材を前記混合物または
前記混合懸濁液で被覆し、被覆物を形成する工程、必要
に応じて、前記被覆物の少なくとも被覆面を熱処理する
工程、アルカリ珪酸塩の溶液、またはアルカリ珪酸塩と
3〜40nmに粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物
粒子の2回目混合懸濁液を準備する工程、前記被覆表面
に更にアルカリ珪酸塩の溶液または2回目混合懸濁液を
適用し、二回被覆物を形成する工程、必要に応じて前記
二回被覆物の少なくとも被覆面を熱処理する工程、によ
って表面に微細な複合凹凸構造を有する親水性被膜の形
成が可能である。
【0031】以上のように、本発明においては親水性被
膜を形成する手段を2回またはそれ以上に分けて行うこ
とが可能である。その場合に最終的な膜の組成が親水性
金属酸化物粒子とアルカリ珪酸塩から構成されていれば
よい。
膜を形成する手段を2回またはそれ以上に分けて行うこ
とが可能である。その場合に最終的な膜の組成が親水性
金属酸化物粒子とアルカリ珪酸塩から構成されていれば
よい。
【0032】この時、前記混合物において、アルカリ珪
酸塩のSiO2量と親水性金属酸化物粒子の重量比が1
0:1〜1:4の範囲で、且つ3〜40nmに粒径の最
頻値を有する親水性金属酸化物粒子量と40〜300n
mに粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物粒子量の比
が40:1〜1:4の範囲であり、また前記混合懸濁液
において親水性金属酸化物粒子量の比が40:1〜1:
4の範囲であり、また前記2回目混合懸濁液において、
アルカリ珪酸塩のSiO2量と親水性金属酸化物粒子の
重量比が20:1〜1:2の範囲であれば前述の凹凸構
造が形成可能である。
酸塩のSiO2量と親水性金属酸化物粒子の重量比が1
0:1〜1:4の範囲で、且つ3〜40nmに粒径の最
頻値を有する親水性金属酸化物粒子量と40〜300n
mに粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物粒子量の比
が40:1〜1:4の範囲であり、また前記混合懸濁液
において親水性金属酸化物粒子量の比が40:1〜1:
4の範囲であり、また前記2回目混合懸濁液において、
アルカリ珪酸塩のSiO2量と親水性金属酸化物粒子の
重量比が20:1〜1:2の範囲であれば前述の凹凸構
造が形成可能である。
【0033】この方法においても被膜を形成する手段は
とくに限定されず、スプレーコーティング、フローコー
ティング、スピンコーティング、ディップコーティン
グ、ロールコーティングなどの方法で塗布後、乾燥させ
ることによって被服物を形成できるため各々によって最
適な混合物濃度があるが、各成分の比率を変えなければ
親水性被膜の凹凸形状に影響はない。この時被覆物を形
成するコーティング液にホウ酸、ホウ酸化合物、リン
酸、リン酸化合物、熱処理によってZrO2となる物質
の前駆体、Ag、Cuなどの抗菌性材料のうち少なくと
も一つ以上を含むことができる。
とくに限定されず、スプレーコーティング、フローコー
ティング、スピンコーティング、ディップコーティン
グ、ロールコーティングなどの方法で塗布後、乾燥させ
ることによって被服物を形成できるため各々によって最
適な混合物濃度があるが、各成分の比率を変えなければ
親水性被膜の凹凸形状に影響はない。この時被覆物を形
成するコーティング液にホウ酸、ホウ酸化合物、リン
酸、リン酸化合物、熱処理によってZrO2となる物質
の前駆体、Ag、Cuなどの抗菌性材料のうち少なくと
も一つ以上を含むことができる。
【0034】本発明の親水性被膜は必要に応じて、被膜
の表面温度にして80℃以上500℃以下の熱処理をす
ることができる。温度が低すぎる場合には、耐久性を必
要とする部材に対して、耐水性等が満足できないし、5
00℃以上の熱処理をすると、無機物質表面における構
造が安定化して、水分子が被膜表面にあっても化学吸着
水の生成が不十分で親水性が劣化する為適当でない。し
たがって熱処理を行う場合は、上記表面温度で熱処理す
ることにより親水性被膜を形成できる。
の表面温度にして80℃以上500℃以下の熱処理をす
ることができる。温度が低すぎる場合には、耐久性を必
要とする部材に対して、耐水性等が満足できないし、5
00℃以上の熱処理をすると、無機物質表面における構
造が安定化して、水分子が被膜表面にあっても化学吸着
水の生成が不十分で親水性が劣化する為適当でない。し
たがって熱処理を行う場合は、上記表面温度で熱処理す
ることにより親水性被膜を形成できる。
【0035】本発明の医療用鏡は、長期の使用による汚
れの固着などによってその防曇性が低下することがある
が、通常の中性洗剤などで洗浄することによりその機能
が回復する。
れの固着などによってその防曇性が低下することがある
が、通常の中性洗剤などで洗浄することによりその機能
が回復する。
【0036】以下本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお、面粗さ測定は島津製作所製走査型プローブ顕微鏡
SPM−9500形を使用し、任意の5μm四方の面粗
さを算出した。またRz、Sm測定は、面粗さ測定領域
において表面に露出した粒径の大きい金属酸化物粒子を
通らない部分について線分を設定し、RzとSmを算出
した(Rz1、Sm1)。また、粒径の大きい金属酸化
物粒子を通る部分に線分を設定しRzとSmを算出した
(Rz2、Sm2)。
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお、面粗さ測定は島津製作所製走査型プローブ顕微鏡
SPM−9500形を使用し、任意の5μm四方の面粗
さを算出した。またRz、Sm測定は、面粗さ測定領域
において表面に露出した粒径の大きい金属酸化物粒子を
通らない部分について線分を設定し、RzとSmを算出
した(Rz1、Sm1)。また、粒径の大きい金属酸化
物粒子を通る部分に線分を設定しRzとSmを算出した
(Rz2、Sm2)。
【0037】(実施例)20mmφのデンタルミラーを
用意し、酸化セリウム粉を用いて洗浄後、親水性無機非
晶質物質3として珪酸リチウム(リチウムシリケート3
5(日産化学工業(株)製))と、親水性金属酸化物粒
子1としてシリカ粒子(スノーテックスXL、粒径40
〜60nm(日産化学工業(株)製))と、親水性金属
酸化物粒子2としてシリカ粒子(スノーテックス20、
粒径10〜20nm(日産化学工業(株)製))の混合
溶液をSiO2濃度でそれぞれ0.50%と0.50%
と0.50%になるように混合液を調整し、前記基材4
の上からスプレーコートし乾燥させた。その後、親水性
無機非晶質物質3として珪酸リチウム(リチウムシリケ
ート75(日産化学工業(株)製)と、親水性金属酸化
物粒子2としてシリカ粒子(スノーテックス30S、粒
径7〜10nm(日産化学工業(株)製)の混合溶液と
をSiO2でそれぞれ0.20%と0.20%にした調
整した水溶液を、この上からスプレーコートし乾燥させ
た後、120℃20分で熱処理した。 <結果> 面粗さ : 15.5nm Rz1 : 15nm 、Sm1 : 130nm Rz2 : 100nm 、Sm2 : 420nm この試験体を表面温度5℃にしてから生理用食塩水を試
験体表面にかけた後、20℃95%RHの環境下の恒温
恒湿漕内に設置し、10分後の曇りの発生状況を観察し
た。その結果、曇りは確認されなかった。またこれを口
腔内で観察したが、実使用で想定される5分を経過して
も曇りは見られなかった。
用意し、酸化セリウム粉を用いて洗浄後、親水性無機非
晶質物質3として珪酸リチウム(リチウムシリケート3
5(日産化学工業(株)製))と、親水性金属酸化物粒
子1としてシリカ粒子(スノーテックスXL、粒径40
〜60nm(日産化学工業(株)製))と、親水性金属
酸化物粒子2としてシリカ粒子(スノーテックス20、
粒径10〜20nm(日産化学工業(株)製))の混合
溶液をSiO2濃度でそれぞれ0.50%と0.50%
と0.50%になるように混合液を調整し、前記基材4
の上からスプレーコートし乾燥させた。その後、親水性
無機非晶質物質3として珪酸リチウム(リチウムシリケ
ート75(日産化学工業(株)製)と、親水性金属酸化
物粒子2としてシリカ粒子(スノーテックス30S、粒
径7〜10nm(日産化学工業(株)製)の混合溶液と
をSiO2でそれぞれ0.20%と0.20%にした調
整した水溶液を、この上からスプレーコートし乾燥させ
た後、120℃20分で熱処理した。 <結果> 面粗さ : 15.5nm Rz1 : 15nm 、Sm1 : 130nm Rz2 : 100nm 、Sm2 : 420nm この試験体を表面温度5℃にしてから生理用食塩水を試
験体表面にかけた後、20℃95%RHの環境下の恒温
恒湿漕内に設置し、10分後の曇りの発生状況を観察し
た。その結果、曇りは確認されなかった。またこれを口
腔内で観察したが、実使用で想定される5分を経過して
も曇りは見られなかった。
【0038】(比較例)比較のため、同様の基材を用意
し中性洗剤で洗浄したのち、自然乾燥し、試験体とし
た。 <結果> 面粗さ : 0.001nm Rz1 : 0.0nm 、Sm1 :400nm (面が均一な為、Rz2、Sm2はなし) これも同様に表面温度5℃にしてから生理用食塩水を試
験体表面にかけた後、20℃95%RHの環境下の恒温
恒湿漕内に設置し、10分後の曇りの発生状況を観察し
た。その結果、試験体表面には蒸気によって曇りが発生
し、また凝縮した水滴ができて像が歪み見えにくくなっ
た。またこれを口腔内で観察したが、すぐに吐息によっ
て曇りが発生し、視認性が悪くなった。
し中性洗剤で洗浄したのち、自然乾燥し、試験体とし
た。 <結果> 面粗さ : 0.001nm Rz1 : 0.0nm 、Sm1 :400nm (面が均一な為、Rz2、Sm2はなし) これも同様に表面温度5℃にしてから生理用食塩水を試
験体表面にかけた後、20℃95%RHの環境下の恒温
恒湿漕内に設置し、10分後の曇りの発生状況を観察し
た。その結果、試験体表面には蒸気によって曇りが発生
し、また凝縮した水滴ができて像が歪み見えにくくなっ
た。またこれを口腔内で観察したが、すぐに吐息によっ
て曇りが発生し、視認性が悪くなった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、使用前に医療用鏡を生
理用食塩水に浸して消毒する際に、医療用鏡表面に水膜
を形成、保持することができ、医療用鏡に付着した蒸気
が一様な水膜として均一に広がり蒸気の凝集による曇り
や水滴付着を防止するので、視認性に優れた医療用鏡を
提供することができる。
理用食塩水に浸して消毒する際に、医療用鏡表面に水膜
を形成、保持することができ、医療用鏡に付着した蒸気
が一様な水膜として均一に広がり蒸気の凝集による曇り
や水滴付着を防止するので、視認性に優れた医療用鏡を
提供することができる。
【図1】本発明に係る医療用鏡の親水性被膜の断面概念
図である。
図である。
1…40〜300nmに粒径の最頻値を有する水に対し
て不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子 2…3〜40nmに粒径の最頻値を有する水に対して不
溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子 3…親水性無機非晶質物質 4…医療用鏡
て不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子 2…3〜40nmに粒径の最頻値を有する水に対して不
溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子 3…親水性無機非晶質物質 4…医療用鏡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C061 AA09 4G059 AA01 AB11 AC21 EA05 EA07 EB05 EB07
Claims (16)
- 【請求項1】 10〜100℃100%RHの雰囲気の
中で、鏡表面に水膜を保持することの出来ることを特徴
とする医療用鏡。 - 【請求項2】 医療用鏡基材表面に、水に対して不溶性
又は難溶性の透明な親水性被膜が形成されており、前記
親水性被膜には少なくとも水に対して不溶性又は難溶性
の親水性金属酸化物粒子と水に対して不溶性又は難溶性
の親水性無機非晶質物質が含有されており、前記親水性
被膜は任意の5μm四方領域における面粗さが5nm以
上30nm以下であり、かつ同領域内の断面曲線は比較
的平滑な部分と前記平滑な部分に比較して隆起している
部分とからなり、前記比較的平滑な部分のみに線分を設
定した場合の、その線分における断面曲線が示すRz
(十点平均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、10n
m≦Rz≦40nmで10nm≦Sm≦300nmの凹
凸からなり、前記隆起している部分を通るように線分を
設定した場合の、その線分における断面曲線が示すRz
(十点平均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)が、40n
m≦Rz≦200nmで300nm≦Sm≦1500n
mの凹凸からなる微細な複合凹凸構造を有することを特
徴とする医療用鏡。 - 【請求項3】 前記親水性被膜には、3〜40nmに粒
径の最頻値を有する水に対して不溶性又は難溶性の親水
性金属酸化物粒子と水に対して不溶性又は難溶性の40
〜300nmに粒径の最頻値を有する親水性金属酸化物
粒子と水に対して不溶性又は難溶性の親水性無機非晶質
物質が含有されていることを特徴とする請求項2に記載
の医療用鏡。 - 【請求項4】 前記親水性被膜には、10〜30nmに
粒径の最頻値を有する水に対して不溶性又は難溶性の親
水性金属酸化物粒子と40〜100nmに粒径の最頻値
を有する水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化
物粒子と水に対して不溶性又は難溶性の親水性無機非晶
質物質が含有されていることを特徴とする請求項2また
は請求項3のいずれかに記載の医療用鏡。 - 【請求項5】 前記親水性金属酸化物粒子はSiO2、
Al2O3、ZrO2、TiO2、SnO2のうち少なくと
も1つ以上であることを特徴とする請求項2から請求項
4のいずれかに記載の医療用鏡。 - 【請求項6】 前記親水性無機非晶質物質はアルカリ珪
酸塩、ホウ珪酸塩、アルカリジルコニウム塩、リン酸塩
のうち少なくとも1つ以上であることを特徴とする請求
項2から請求項5のいずれかに記載の医療用鏡。 - 【請求項7】 前記アルカリ珪酸塩が珪酸ナトリウム、
珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウムの少な
くとも1つ以上であることを特徴とする請求項2から請
求項6のいずれかに記載の医療用鏡。 - 【請求項8】 前記被膜中にホウ酸及び/又はホウ酸化
合物を含むことを特徴とする請求項2から請求項7のい
ずれかに記載の医療用鏡。 - 【請求項9】 前記被膜中にリン酸及び/又はリン酸化
合物を含むことを特徴とする請求項2から請求項8のい
ずれかに記載の医療用鏡。 - 【請求項10】 前記被膜中に熱処理によってZrO2
となる物質の前駆体を含むことを特徴とする請求項2か
ら請求項9のいずれかに記載の医療用鏡。 - 【請求項11】 前記被膜中にAg、Cuなどの抗菌性
材料を含むことを特徴とする請求項2から請求項10の
いずれかに記載の医療用鏡。 - 【請求項12】 前記親水性被膜の膜厚が、0.1μm
〜1mmであることを特徴とする請求項2から請求項1
1のいずれかに記載の医療用鏡。 - 【請求項13】 10〜100℃100%RHの雰囲気
の中で、鏡表面に水膜を保持することの出来ることを特
徴とする請求項2から請求項12のいずれかに記載の医
療用鏡。 - 【請求項14】 請求項1から請求項13のいずれかに
記載の医療用鏡を予め水又は生理食塩水に接触させ、鏡
面に水膜を形成しておいてから使用することを特徴とす
る医療用鏡の防曇方法。 - 【請求項15】 3〜40nmに粒径の最頻値を有する
水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子
と、40〜300nmに粒径の最頻値を有する水に対し
て不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子と、水に対
して不溶性又は難溶性の親水性無機非晶質物質とを含む
ことを特徴とする医療用鏡用コーティング組成物。 - 【請求項16】 10〜30nmに粒径の最頻値を有す
る水に対して不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子
と、40〜100nmに粒径の最頻値を有する水に対し
て不溶性又は難溶性の親水性金属酸化物粒子と、水に対
して不溶性又は難溶性の親水性無機非晶質物質とを含む
ことを特徴とする防曇性を有する医療用鏡用コーティン
グ組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000206269A JP2002017669A (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | 医療用鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000206269A JP2002017669A (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | 医療用鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002017669A true JP2002017669A (ja) | 2002-01-22 |
Family
ID=18703220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000206269A Pending JP2002017669A (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | 医療用鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002017669A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003231827A (ja) * | 2002-02-12 | 2003-08-19 | Canon Inc | 防曇性コーティング材料、防曇性コーティング膜および防曇性光学部材 |
-
2000
- 2000-07-07 JP JP2000206269A patent/JP2002017669A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003231827A (ja) * | 2002-02-12 | 2003-08-19 | Canon Inc | 防曇性コーティング材料、防曇性コーティング膜および防曇性光学部材 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Ferraris et al. | Bioactive materials: In vitro investigation of different mechanisms of hydroxyapatite precipitation | |
Liu et al. | Improvement of mechanical robustness of the superhydrophobic wood surface by coating PVA/SiO2 composite polymer | |
Mitik‐Dineva et al. | Impact of nano‐topography on bacterial attachment | |
Sousa et al. | Dynamics of fibronectin adsorption on TiO2 surfaces | |
Cotolan et al. | Sol-gel synthesis, characterization and properties of TiO2 and Ag-TiO2 coatings on titanium substrate | |
Aydemir et al. | Morphological and mechanical characterization of chitosan/gelatin/silica-gentamicin/bioactive glass coatings on orthopaedic metallic implant materials | |
JP2005325351A (ja) | 防曇性部材および清浄化表面を備えた部材 | |
JP2002080830A (ja) | 親水性部材およびその製造方法 | |
JP4619601B2 (ja) | 光触媒性コーティング組成物および光触媒性薄膜を有する製品 | |
CZ301921B6 (cs) | Použití složeného materiálu pro odstranení oxidu dusíku, amoniaku, oxidu uhelnatého a/nebo oxidu síry ze vzduchu | |
WO2003101904A1 (fr) | Couche mince hydrophile, anticondensation, antitaches et procede de preparation associe | |
WO2008072612A1 (ja) | イオン電極用応答ガラス膜の製造方法、イオン電極用応答ガラス膜及びイオン電極 | |
Zhang et al. | Fabrication of porous micro-nanostructured networks on Ti6Al4V for faster hydroxyapatite deposition in SBF | |
Hidouri et al. | Formulation of nanohybrid coating based on essential oil and fluoroalkyl silane for antibacterial superhydrophobic surfaces | |
Fu et al. | Sol‐gel preparation and properties of Ag‐containing bioactive glass films on titanium | |
TWI280893B (en) | Nano photocatalytic solution and application thereof | |
Ghalandarzadeh et al. | Effects of surface topography through laser texturing on the surface characteristics of zirconia-based dental materials: surface hydrophobicity, antibacterial behavior, and cellular response | |
JP2002002766A (ja) | 防曇性を有する加熱容器用蓋 | |
JP2002017669A (ja) | 医療用鏡 | |
JP2002078821A (ja) | 防曇性を有する水中用ゴーグル | |
JP2000192021A (ja) | 親水性・防曇防汚基材およびその製造方法 | |
Liu et al. | Highly reliable transparent superhydrophobic composite by organosilane/denture base resin-modified alkylated silica nanoparticles against contaminants | |
JP2016500654A (ja) | コーティング可能な組成物、抗菌性組成物、抗菌性物品、及びそれらの作製方法 | |
JP2005060695A (ja) | コーティング剤の製造方法及びそのコーティング剤を用いたコーティング方法 | |
JP2002034735A (ja) | 防曇性を有する保温ショーケース |