JP2002016928A - 動画像符号化方法及び復号化方法並びに装置 - Google Patents

動画像符号化方法及び復号化方法並びに装置

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JP2002016928A JP2000199838A JP2000199838A JP2002016928A JP 2002016928 A JP2002016928 A JP 2002016928A JP 2000199838 A JP2000199838 A JP 2000199838A JP 2000199838 A JP2000199838 A JP 2000199838A JP 2002016928 A JP2002016928 A JP 2002016928A
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Shinichiro Koto
晋一郎 古藤
Takeshi Nakajo
健 中條
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ブロッチ等の動画像信号における突
発的なノイズを低コストで高精度に除去することが可能
な動画像符号化方法及び復号化方法を提供する。 【解決手段】動き補償予測符号化あるいは復号化におい
て、局所的な予測誤差信号の大きさからブロッチ等の突
発的なノイズの発生箇所を検出し、ノイズ発生箇所に相
当する予測誤差信号の値を0に置き換えることによって
予測誤差信号を補正し、補正された動き補償予測誤差信
号を用いて動き補償処理を行い、これによりノイズの除
去処理が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、MPEG2など
の動画像符号化及び復号化において、映像信号に重畳さ
れたブロッチやビットエラー等の突発的なノイズを除去
することが可能な動画像符号化方法及び復号化方法並び
に装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MPEG2などの動画像符号化では、非
可逆な符号化方式が採用されており、復号化された画像
には、一般に符号化歪が重畳される。一般に、入力され
る動画像信号に可能な限り忠実に符号化し、また、入力
される符号化データを忠実に復号化することが高画質化
の要求条件となるため、符号化ビットレートや符号化パ
ラメータの最適化等が行われる。従って、オリジナルの
動画像信号にノイズが重畳している場合、高画質符号化
を行えば行うほど、そのノイズを忠実に符号化及び復号
化してしまうことになる。通常は、符号化の前の入力画
像や復号化後の出力画像に対して、ディジタルフィルタ
を用いたノイズ除去処理を行うことが一般的に行われて
いる。前者はプリフィルタ、後者はポストフィルタと一
般に呼ばれる。
【0003】動画像信号に重畳されるノイズは、撮像系
に依存するもの、メディア変換方法に依存するもの、メ
ディアの経年変化に依存するもの、ディジタルデータの
ビットエラーに依存するものなど、多岐に渡って発生要
因が存在する。例えば、映画のフイルムからTV信号に
変換された動画像信号の場合、変換の過程においてフイ
ルム上に付着した挨やフイルム自体の傷などにより、ブ
ロツチと呼ばれるノイズが発生する。古いフィルムなど
から生成されたものは、非常に多くのブロッチを含む場
合が多い。
【0004】また、ディジタル化された映像信号では、
誤り訂正やコンシールメントが不能なビットエラーが発
生すると、局所的に非常に大きな振幅のエラーが発生す
る場合がある。ブロッチ等のノイズを除去する手法とし
ては、人手によりフレーム単位で修復する方法や、画像
信号処理による除去する方法(1999年電子情報総合
大会D−11−118「ロバスト推定関数に基づく古い
映像フィルム修復のための時空間フィルタ」)などが知
られている。前者は膨大なコストと時間を要するもので
あり、また、後者は上述のプリフィルタやポストフィル
タとして、符号化装置や復号化装置に実装可能である
が、ハードウェアによる実装においては、部品点数の増
加等に伴うコスト増を招き、またソフトウェアによる実
装においては、演算量の増加を招くことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、動画
像符号化あるいは復号化において、ブロッチ等のノイズ
を除去するために、従来のプリフィルタやポストフィル
タ等の手法を用いると、大幅なコスト増を招くという問
題があった。
【0006】本発明では、従来の動画像の動き補償予測
符号化あるいは復号化における動き補償部に変更を加え
ることにより、ブロッチ等の動画像信号における突発的
なノイズを、低コストで高精度に除去することが可能な
動画像符号化方法及び復号化方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、動画像
信号を動き補償予測符号化することによって得られる動
画像符号化データを入力するステップと、前記動画像符
号化データに含まれる予測誤差信号から、前記動画像信
号に重畳されたノイズの画素位置及び大きさを検出する
ステップと、前記検出されたノイズの画素位置に相当す
る前記動き補償予測誤差信号を補正するステップと、前
記補正された動き補償予測誤差信号を用いて、前記動画
像符号化データの復号化を行うステップとを含む動画像
復号化方法を提供する。
【0008】ブロッチやビットエラー等のノイズは、ガ
ウス雑音などとは異なり、ノイズの成分の振幅が大き
く、また、単一フレームの微小領域に局在化する性質を
持つ。つまり、これらのノイズの画素を含む部分では、
局所的に予測誤差信号の振幅が大きくなり、フレーム間
相関や隣接画素間相関が小さくなる性質がある。一方、
通常の連続的な動画像信号では、動き補償後のフレーム
間相関や隣接画素間相関が高いため、予測誤差信号の振
幅は、ブロッチ等のノイズの発生個所に比べて小さなも
のとなる。このことから、第1の発明によれば、上記の
ノイズの性質を利用して、時空間で局所的に予測誤差信
号が大きな画素を予測誤差信号からノイズとして検出す
ることが可能であり、その予測誤差信号を隣接画素の予
測誤差信号の値から適正値に補正し、補正後の予測誤差
信号を用いて動き補償処理を行うことで、これらのノイ
ズの除去処理が可能となる。
【0009】また、第1の発明では、復号化処理の動き
補償部に僅かな処理を追加することでノイズ除去が可能
となる。更に、動き補償したフレーム間差分を用いてノ
イズ検出及び除去を行うため、高精度なノイズ除去が実
現される。つまり、ポストフィルタ等を用いたノイズ除
去に比べて、低コストで且つ高精度なノイズ除去が可能
となる。
【0010】第2の発明は、第1の発明に加えて、前記
動画像符号化データが、イントラ符号化モード、前方予
測符号化モード及両方向予測符号化モードの何れかの符
号化モードを、フレーム単位で周期的に切り替えて符号
化された符号化データであり、イントラ符号化フレーム
及び前方予測符号化フレームについて、動き補償予測誤
差信号の補正を行って復号化した第1の画像信号と、動
き補償予測誤差信号の補正を行わずに復号化した第2の
画像信号の2種類を生成し、第1の画像信号を復号画像
として出力し、第2の画像信号を、前記動き補償予測誤
差信号の復号化時に参照画像として用いる動画像復号化
方法を提供する。
【0011】MPEG2などの符号化方式では、イント
ラ符号化フレーム(以下、Iピクチャ)及び前方予測符
号化フレーム(以下、Pピクチャ)は、通常、復号後に
他の両方向予測符号化フレーム(以下、Bピクチャ)及
び前方予測符号化フレーム(Pピクチャ)の参照画像と
して用いられる。従って、復号化処理において、ノイズ
除去処理を行ったIピクチャまたはPピクチャをそのま
ま参照画像として用いると、符号化と復号化での動き補
償予測のミスマッチが生じて、復号化画像に乱れが発生
する場合がある。そこで、第2の発明によれば、復号化
処理において、Iピクチャ及びPピクチャについては、
ノイズ除去を行ったものとは別に、ノイズ除去処理を行
わない復号化画像を生成して、前者を復号化画像として
出力し、後者を参照画像として用いることで、動き補償
予測のミスマッチを無くして、上記の復号化画像の乱れ
を防ぐことが可能となり、且つ全てのフレームについ
て、ノイズ除去処理を行うことが可能となる。
【0012】第3の発明は、第1の発明に加えて、動画
像符号化データが、イントラ符号化モード、前方予測符
号化モード及び両方向予測符号化モードの何れかの符号
化モードを、フレーム単位で周期的に切り替えて符号化
された符号化データであり、動き補償予測誤差信号の補
正を、両方向予測符号化されたフレームについてのみ行
う動画像復号化方法を提供する。
【0013】第2の発明を用いれば、全てのフレームの
ノイズ除去が可能となるが、参照画像を別途生成する必
要がある。一方、第3の発明によれば、ノイズ除去処理
をBピクチャに限定することで、参照画像を別途生成す
る必要がなくなり、実装コストを低下させることが可能
となる。
【0014】第4の発明は、第3の発明に加えて、前記
イントラ符号化フレームまたは前方予測符号化フレーム
の復号化された画像フレームを選択し、復号化された動
画像信号の連続する複数のフレームを用いて、選択され
たフレームのノイズ検出及びノイズ除去を行う動画像復
号化方法を提供する。
【0015】第3の発明によれば、ノイズ除去を低コス
ト化できるものの、全てのフレームに対するノイズ除去
処理が困難となる。一方、第4の発明によれば、Iピク
チャ及びPピクチャの復号化画像についてのみ、連続す
る複数の復号化された動画像信号におけるフレーム間の
画像信号処理により、ノイズ除去を行うことで、低コス
トで高精度なノイズ除去が可能となる。すなわち、復号
化された動画像信号に対するノイズ除去は、Iピクチャ
及びPピクチャについてのみ行われるため、復号化され
た全フレームを処理する場合に比べて、演算量を削減す
ることが出来る。
【0016】また、Bピクチャについては、復号化処理
の動き補償処理の僅かな付加処理でノイズ除去が行われ
るため、復号化処理の外部で別途ノイズ除去を行う場合
に比べて、総演算量を低減することが可能となる。ま
た、復号化されたIピクチャ及びPピクチャは、復号化
部の参照画像メモリに一定期間保持されているため、復
号化画像におけるノイズ除去をIピクチャ及びPピクチ
ャに限定することで、復号化画像におけるフレーム間画
像処理に必要なフレームメモリの追加を最小限に抑える
ことが可能となる。
【0017】第5の発明は、第1から第4の発明に加え
て、ノイズの画素位置及び大きさ検出部が、両方向予測
フレームを跨いだ前方予測符号化フレームの動きベクト
ル及び予測誤差信号と、両方向予測符号化フレームの動
きベクトル及び予測誤差信号とから、両方向予測符号化
フレームのノイズ検出を行う動画像復号化方法を提供す
る。
【0018】ブロッチ等のノイズは、その生成過程にお
ける性質から、特定のフレームで発生しても、その前後
のフレームにおける同一個所に発生する確率は非常に低
いという性質がある。従って、第5の発明によれば、例
えば連続するフレームn,n+1,n+2のそれぞれの
同一領域において、第nフレームから第n+2フレーム
を予測した予測誤差の大きさが小さく、且つ第nフレー
ムから第n+1フレームを予測した予測誤差の大きさが
大きい場合、第n+1フレームにおいてブロツチ等の突
発的なノイズが発生していると推測される。なお、フレ
ームnからn+2において画像がある方向に移動してい
る場合には、動きベクトルに応じた予測誤差の大きさか
らノイズが検出される。この場合、ノイズとして検出さ
れた部分における、第nフレームから第n+1フレーム
対するの予測誤差量を修正することで、高精度にノイズ
除去を行うことが可能となる。
【0019】第6の発明は、第5の発明に加えて、前記
動き補償予測誤差信号を補正する部が、ノイズとして検
出された画素に対する予測誤差信号値を0に置き換える
ことを特徴としている動画像復号化方法を提供する。
【0020】第6の発明によれば、ノイズとして検出さ
れた画素に対して、予測誤差信号値を0とした後に、復
号化処理における通常の動き補償処理を施すことによ
り、ノイズの重畳した信号を、ノイズの無い参照画像の
該当画素位置の信号に置き換えることが可能となる。こ
れにより、動画像の動きも考慮した、適切なノイズ除去
が実現されることとなる。また、既存の復号化処理に対
する追加処理の増加を抑え、低コストでノイズ除去を実
現することが可能となる。
【0021】第7の発明は、動画像信号を入力する入力
ステップと、入力される動画像信号の所定画素単位毎の
動きベクトルを検出する検出ステップと、検出された動
きベクトルに応じて動き補償予測誤差信号を生成する生
成ステップと、動き補償予測誤差信号を符号化する符号
化ステップと、動き補償予測誤差信号から入力画像に重
畳されたノイズの画素位置及び大きさを検出する検出ス
テップと、検出されたノイズの画素位置に相当する動き
補償予測誤差信号を補正する補正ステップとを有する動
画像符号化方法を提供する。
【0022】第7の発明によれば、第1の発明における
ノイズ除去と同様の効果を、符号化処理における動き補
償部に実装することが可能となる。これにより、符号化
処理において、低コストで高精度なノイズ除去が実現出
来ると共に、ノイズの無い符号化データを生成すること
が可能となる。
【0023】また、第7の発明によれば、入力画像のノ
イズ除去により、符号化効率を向上させることが可能と
なる。MPEG2等の動画像符号化方式では、動画像信
号の時空間相関の高さを利用して、冗長度削減によるデ
ータ圧縮を行っている。一方、ノイズ信号は、一般に時
空間相関が低いため、データ圧縮効率が悪く、符号化に
際して多くの符号量を必要とする。つまり、符号化時点
においてノイズ除去を行うことにより、符号化効率の低
下を抑えて高効率な符号化を行うことが可能となる。
【0024】第8の発明は、第7の発明に加えて、ノイ
ズの画素位置及び大きさ検出ステップが、ノイズ検出対
象領域に対応する動きベクトル及び予測誤差信号の少な
くとも1つと、ノイズ検出対象領域を時間的に跨いだフ
レーム間における、ノイズ検出対象領域に相当する領域
の動きベクトル及び予測誤差の少なくとも1つとから、
ノイズ検出対象領域のノイズ検出を行う動画像符号化方
法を提供する。
【0025】第8の発明によれば、動画像符号化におい
て、第5の発明と同様な効果を得ることが可能となる。
【0026】第9の発明は、第7および第8の発明に加
えて、動き補償予測誤差信号を補正する補正ステップ
が、ノイズとして検出された画素に対する予測誤差信号
値を0に置き換える動画像符号化方法を提供する。
【0027】第9の発明によれば、動画像符号化におい
て、第6の発明と同様な効果を得ることが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
に関わる動画像復号化処理の機能ブロック構成を示す。
図1の各ブロックは、ハードウエアにより実装されても
よいし、また、ソフトウェアにより実装されてもよい。
以下、図1における復号化動作について説明する。
【0029】動き補償予測直交変換符号化された動画像
データ10が入力されると、可変長符号復号化部11に
より可変長符号が復号化されて、動きベクトル情報20
と予測誤差データ19が抽出される。予測誤差データ1
9は、逆DCT(Discrete Cosine Transform)部12
により逆DCT処理が施され、さらに逆量子化部13に
より逆量子化されて、予測誤差信号が再生される。予測
誤差信号は、ノイズ除去部14によりノイズ除去処理が
なされた後、動き補償部15により復号化画像が生成さ
れる。
【0030】動き補償部15は、動きベクトル情報20
に基づいて、参照画像メモリ16から参照画像領域を読
み出し、ノイズ除去が施された予測誤差信号と加算する
ことにより、復号化画像を生成する。復号化された動画
像信号21のうち、参照画像として必要な動画像信号
は、セレクタ17を介して参照画像メモリ16に保存さ
れる。また、表示フレーム順と符号化フレーム順が異な
るフレーム間予測構造が用いられている場合は、セレク
タ18により復号化中の動画像信号21と、参照画像メ
モリに保存された動画像信号22との切替を行い、出力
フレームの選択を行う。
【0031】次に、図2を用いて従来の動き補償の動作
について説明する。図2には、連続する2フレームの映
像信号100及び101、参照画像100および現在復
号化中のフレーム101が示されている。また、フレー
ム100における復号化中のマクロブロック104、マ
クロブロック104の動きベクトル103およびマクロ
ブロック104の参照領域102が示されている。符号
化データには、動きベクトル103とマクロブロック1
04の予測誤差信号が可変長符号化されている。復号化
時は、これらの可変長符号を復号化した後に、動きベク
トル103に基づいて、参照フレーム100から、参照
領域102を切り出し、予測誤差信号と加算すること
で、マクロブロック104の画像信号の生成を行う。
【0032】次に、本発明の第1の実施形態におけるノ
イズ除去部14の動作について説明する。
【0033】図3は、本発明の第1の実施形態に関わる
ノイズ除去方法を模式的に説明する図である。図3に
は、参照画像111,復号化対象画像112、復号化中
のマクロブック114、マクロブロック114に対する
参照画像領域113が示されている。フレーム112に
おいて、ブロツチノイズ115が重畳された例を示して
いる。
【0034】符号化時においては、マクロブロック11
4から参照画像領域113を減じた予測誤差信号116
が動きベクトルと共に符号化される。マクロブロック1
14と113では、ノイズを除いた部分の類似性が高い
ため、予測誤差信号116にはブロッチノイズ115だ
けが際立った信号として保存される。
【0035】復号化におけるノイズ除去部14では、マ
クロブロックの周辺の画素に対して振幅が突出して大き
な部分の予測誤差信号を0に置き換えた後に、動き補償
処理を行う。復号化された参照領域118とノイズ部分
を0値化した予測誤差信号117を加算することによ
り、マクロブロック114の復号化画像として、ブロッ
チノイズ115が除去された復号化画像119が再生さ
れる。
【0036】図4は、本発明の第1の実施形態に関わる
ノイズ除去部14の処理に関するフローチャートを示
す。図1における逆量子化部13により量子化された信
号は、マクロブロック単位にノイズ除去部14に入力さ
れる。ノイズ除去部14は、まずマクロブロックの符号
化モードがイントラ符号化(フレーム内符号化)か、或
いは動き補償予測符号化かの判断を行い(S1)、イン
トラマクロブロックについては、ノイズ除去処理を行わ
ず次段の処理へ進める。
【0037】動き補償予測符号化マクロブロックについ
ては、マクロブロック内の全ての予測誤差信号につい
て、その絶対値が所定の閾値(例えば8)を下回ってい
る画素の数を計測する(S2,S3,S4)。マクロブ
ロック内の全画素に対する計測した画素数の比率が、所
定の閾値(例えば全画素数の75%)を下回っている場
合(S5)、すなわち符号化マクロブロックとその参照
領域の類似性が低い場合は、ノイズ除去処理を行わず次
段の処理へ進める。
【0038】一方、計測した画素数が所定の閾値を上回
っている場合(S5)、すなわち符号化マクロブロック
とその参照領域の類似性が高い場合は、マクロブロック
内の画素単位にノイズ除去処理を行う。マクロブロック
内の画素単位のノイズ除去処理は、各画素における予測
誤差信号の絶対値が所定の閾値(例えば32)を上回っ
ている場合(S6)、その値を強制的に0に置き換える
という処理(S7)を行う。該当するマクロブロック内
の全ての画素について上記の処理を行った後に、修正さ
れた予測誤差信号を次段の動き補償処理部15へ転送す
る。
【0039】次に、図5を用いてMPEG2動画像符号
化等で用いられている一般的なフレーム間予測構造につ
いて説明する。図5において、120から126は時間
的に連続する動画像フレームを示している。また、B
1,B2,B4,B5,B7は両方向予測符号化フレー
ム(Bピクチャ)、I3はイントラ符号化フレーム(I
ピクチャ)、P6は前方予測符号化フレーム(Pピクチ
ャ)として、それぞれのフレームが符号化されることを
示している。また、図中の矢印は、参照画像から符号化
対象画像への関係を示している。例えば、B5はI3と
P6を参照画像として、両方向予測を用いた動き補償符
号化が施されることを意味している。
【0040】図6から分かるようにPピクチャは、それ
自身が予測符号化がなされている(この例では、P6は
I3を参照画像としている)が、一方でB4,B5,B
7などの参照画像としても用いられる。
【0041】本発明の第1の実施形態を、図6に示した
予測構造の符号化データに適用する場合を考えると、P
6ピクチャにおける予測誤差信号のノイズ除去により、
参照画像としてP6の画像信号が、符号化時と復号化時
とでミスマッチを起こす可能性が生じる。
【0042】一方、以下に説明する本発明の第2、第3
及び第4の実施形態では、これらの問題を解決すること
が出来る。以下、それぞれの詳細を順次説明する。図6
に、本発明の第2の実施形態に関わる動画像復号化処理
の機能ブロック構成を示す。本発明の第2の実施形態
は、図1の第1の実施形態に対して、セレクタ30、第
2の動き補償部31及びリオーダリンクメモリ33が追
加されている。その他の図1と図5で同一の符号が付与
された部分については、同一の構成要素を示している。
【0043】図1の構成では、参照画像メモリ16は、
参照画像の保持とフレームの符号化順と表示順の違いを
吸収するためのリオーダリンクメモリの機能を有してい
る。一方、図6の構成では、参照画像メモリ16は、参
照画像の保持のみを行い、フレームのリオーダリング
は、リオーダリングメモリ33を用いて行う構成となっ
ている。復号化中のフレームがBピクチャである場合の
動作は、図1の本発明の第1の実施形態と全く同様であ
る。一方、参照画像として用いられるPピクチャ及びI
ピクチャに関しては、以下のような動作となる。
【0044】Pピクチャ及びIピクチャにおけるマクロ
ブロックの復号化では、逆量子化部13からの出力が、
ノイズ除去部14及びセレクタ30を介して第2の動き
補償部31の両者に入力される。動き補償部15では、
ノイズ除去された予測誤差信号と動きベクトル情報20
とを用いて画像信号の再生を行う。
【0045】第2の動き補償部31では、ノイズ除去さ
れていない予測誤差信号と動きベクトル情報20を用い
て画像信号の再生を行う。第2の動き補償部31を用い
て復号化された動画像信号は、参照画像メモリ16に書
き込まれ、参照画像として用いられる。第1の動き補償
部15を用いて復号化された動画像信号は、セレクタ2
1を介して一旦リオーダリンクメモリ33に保持され、
所定のタイミングでセレクタ18を介して出力される。
【0046】以上により、参照画像としてのIピクチャ
及びPピクチャについては、符号化と復号化とのミスマ
ッチは発生せず、かつ出力される復号化されたIピクチ
ャ及びPピクチャについては、所定のノイズ除去が施さ
れた信号を出力することが可能となる。
【0047】図7は、本発明の第2の実施形態に関わる
タイミングチャートを示す。図7で横軸は時間を示して
おり、上から順に、復号化タイミシグ、ノイズ除去タイ
ミング、参照画像メモリに保持される参照画像、リオー
ダリンクメモリに保持される復号化画像、及び出力され
る復号化画像のタイミングをそれぞれ示している。ここ
で、参照画像メモリは2フレーム分の領域を持ってお
り、また、リオーダリンクメモリは1フレーム分の領域
を持っている。参照画像メモリ及びリオーダリンクメモ
リで、斜めの線で示した部分は、メモリ内の古い画像信
号に新しい画像信号を上書きしていることを示してい
る。
【0048】図7に示した通り、本発明の第2の実施形
態では、リオーダリンクメモリとして1フレームを追加
することで、MPEG2で一般的に用いられている、I
ピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャを組み合わせた予測
構造に対して、全てのフレームに対するノイズ除去処理
を破綻無く行うことが可能となる。
【0049】なお、図6では第2の動き補償部31を第
1の動き補償部15と独立に記載してあるが、これらの
処理内容は全く同一であるため、同一のハードウエアを
1マクブロック当たり2回使用する方法や、同一のソフ
トウェア関数を1マクブロック当たり2回コールするな
どの方法で実現することができ、第2の動き補償のため
のハードウエアやソフトウエアコードの増加をほとんど
伴わない実装が可能である。
【0050】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。図8に、本発明の第3の実施形態に関わる動画
像復号化処理の機能ブロック構成を示す。図8は、図1
に示した本発明の第1の実施形態に対して、セレクタ4
1が付加され、またノイズ除去部40の内部動作が異な
っていることが特徴である。本発明の第3の実施形態で
は、符号化された各動画像フレームのタイプに応じて、
ノイズ除去の有無が決定される。つまり、セレクタ41
により、Bピクチャについてはノイズ除去部40により
ノイズ除去された予測誤差信号が選択され、Pピクチャ
及びIピクチャについては、ノイズ除去部40をバイパ
スした信号が選択され、それ以降の復号化処理がなされ
る。これにより、参照画像として用いられるIピクチャ
及びPピクチャの、符号化と復号化におけるミスマッチ
を防ぐことが可能となる。
【0051】図9に、本発明の第3の実施形態に関わる
タイミングチャートを示す。図9に示す通り、ノイズ除
去処理は、Bピクチャの復号化タイミングのみ有効にな
っており、Iピクチャ及びPピクチャに関してはノイズ
除去を行わない。本発明の第3の実施形態では、ノイズ
除去としてBピクチャのみを対象としているため、Bピ
クチャ特有の性質を利用したノイズ除去アルゴリズムを
用いることが可能となる。
【0052】以下、図10及び図11を用いて本発明の
第3の実施形態に関わるノイズ除去方法の説明を行う。
図10は、本発明の第3の実施形態に関わるノイズ除去
方法を、概念的に示した図である。図10に、時間的に
連続する動画像フレーム130から133がP1,B
2,B3,P4として符号化されている。この例では、
P1,P4,B2,B3の順序で復号化が行われる。
【0053】ここで、両方向予測符号化フレームB2の
復号時の動作を説明する。両方向予測符号化フレームB
2の復号化の時点では、既に前方予測符号化フレームP
1とP4は復号化されており、参照画像メモリに既に保
持されている。B2には、図10に示したようなブロッ
チノイズが重畳されていることを想定する。ブロッチノ
イズは、その発生原理から単発的なノイズであり、その
前後のフレームの同一個所で同様のノイズが発生してい
る確率は低い。図10において、フレーム130からフ
レーム133の映像の類似性が高い場合を考えると、そ
の予測誤差信号の振幅は小さいものとなる。図にはP4
における予測誤差信号135が示されており、この振幅
は非常に小さいもとなる。一方、ブロッチノイズが重畳
されたB2については、予測誤差信号にブロッチノイズ
の成分だけが突出して残ることになる。図中134は、
B2における予測誤差信号を示している。
【0054】従って、以下の仮定が成り立つことにな
る。両方向予測符号化フレームB2におけるマクロブロ
ックについて、その直前に復号化したPピクチャ(ここ
では前方予測符号化フレームP4)の同一領域に相当す
るマクロブロックの予測誤差信号の大きさが小さく(す
なわち130から133までの類似性が高い)、かつ、
B2における同マクロブロックの予測誤差信号の振幅が
大きい場合、B2における同マクロブロック位置に、ブ
ロッチ等の突発的ノイズが発生している可能性が高いと
考えられる。このこのような画素について、予測誤差信
号値を0に置き換えた後に、動き補償処理を行うこと
で、B2に発生したブロッチノイズは除去することが可
能となる。なお、フレーム130から133について画
像がある方向に移動している場合には、動きベクトルに
応じた予測誤差信号の振幅の大きさからノイズが検出さ
れる。
【0055】図11は、図10を用いて説明した本発明
の第3の実施形態に関わるノイズ除去処理の例をフロー
チャートとして示している。図11の処理フローは、図
4に示した本発明の第1の実施形態に関わるノイズ除去
処理に対して、S10からS14の処理ステップが追加
されている。図11において図4と同一の符号を付与し
た処理ステップについては、図4と同一の処理内容を行
うことを示している。
【0056】図11の処理フローでは、マクロブロック
内の予測誤差信号の絶対値が所定の閾値を下回る画素の
数を計測(S2,S3,S4)した後、S10により、
Bピクチャと他のピクチャとで処理を分岐させる。そし
て、Bピクチャでない場合は、上記の計測したカウント
値を所定の閾値と比較し、閾値より大きい場合はフラグ
に1を、閾値より小さい場合はフラグに0を設定する。
つまり、動き補償におけるフレーム間の類似性が強い部
分についてはフラグ1が設定され、フレーム間の類似性
が低い場合にはフラグ0が設定される。フラグ(図中、
Pフラグ(i))は、マクロブロック毎に独立に設定し
(iがマクロブロック番号を示す)、次にPピクチャを
デコードするまで、データメモリに保持しておく。従っ
て、ノイズ除去部40には、1フレームのマクロブロッ
ク数に相当するフラグ記録用のメモリが含まれている。
Bピクチャでない場合は、予測誤差信号に対するノイズ
除去は行わずに、次段の動き補償処理へ進む。
【0057】一方、Bピクチャの各マクロブロックにつ
いては、データメモリ上に記録されたフレーム内の同一
領域に相当するフラグ(Pフラグ(i))を読み出し、
その値が0の場合、すなわち、復号化対象領域について
前後数フレームに渡ってフレーム間類似性が低い部分は
ノイズ除去を行わず、フラグが1の場合、すなわち、復
号化対象領域について前後数フレームに渡ってフレーム
間類似性が高い部分については、ノイズ除去処理(S
5,S6,S7,S8)を行う。
【0058】以上の処理により、図10を用いて説明し
た通り、Bピクチャに重畳されたブロツチノイズ等の突
発的なノイズを効率的に除去することが可能となる。
【0059】次に、本発明の第4の実施形態について説
明する。図12に、本発明の第4の実施形態に関わる動
画像復号化処理の機能ブロック構成を示す。図12は、
図8に示した本発明の第3の実施形態に対して、ライン
遅延メモリ53、フレーム遅延メモリ54及び第2のノ
イズ除去部55を含む点線ブロック50で示した部分が
追加された構成となっている。本発明の第4の実施形態
では、図中の点線ブロック50の左部分においては、本
発明の第3の実施形態と同様にBピクチャに対するノイ
ズ除去処理が行われ、さらに、図中の点線ブロック50
の部分で、Iピクチャ及びPピクチャに対する第2のノ
イズ除去処理が行われる。
【0060】図13は、本発明の第4の実施形態に関わ
るタイミングチャートを示している。図13において、
横軸は時間を示しており、上から順に、復号化タイミン
グ、ノイズ除去タイミング、参照画像メモリに保持され
る参照画像、フレーム遅延メモリに保持される復号化画
像、第2のノイズ除去タイミング及び出力される復号化
画像のタイミングをそれぞれ示している。
【0061】本発明の第4の実施形態では、本発明の第
1から第3の実施形態に対して、表示タイミングが1フ
レーム遅延したものとなる。以下、図12及び図13を
用いて、本発明の第4の実施形態の動作の説明を行う。
【0062】まず、Bピクチャの復号化時の動作につい
て説明する。Bピクチャ復号時は、セレクタ41により
ノイズ除去部40によりノイズ除去された予測誤差信号
が選択され、動き補償処理部15により復号化画像が再
生される。Bピクチャの復号化画像は、セレクタ21に
よりライン遅延メモリ53及び第2のノイズ除去部55
に入力される。ライン遅延メモリ53に入力された復号
化画像は、1フレーム期間フレーム遅延メモリ54によ
り遅延され、セレクタ18を介して24に出力される。
【0063】図13においては、Bピクチャに関して、
復号化と同時にノイズ除去処理を行い、フレーム遅延メ
モリに書き込まれ、1フレーム遅延後に出力される様子
が示されている。但し、図13においては、ライン遅延
メモリ53による遅延は省略してある。フレーム遅延メ
モリ54は、1フレーム分の容量を持っており、Bピク
チャの復号化画像が入力されると、順次古いBピクチャ
の復号化画像が上書きされる。
【0064】次に、Iピクチャ及びPピクチャの符号化
時の動作について説明する。Iピクチャ及びPピクチャ
については、ノイズ除去部40をバイパスした信号をセ
レクタ41により選択し、動き補償処理部15により復
号化画像を再生する。Iピクチャ及びPピクチャの復号
化画像は、セレクタ21を介して参照画像メモリ16に
書き込まれ、参照画像として用いられると共に、表示す
べきタイミングで第2のノイズ除去処理部55へ入力さ
れる。
【0065】図13から分かるように、本発明の第4の
実施形態では、Iピクチャ及びPピクチャの表示タイミ
ングでは、Bピクチャが復号化処理されており、復号化
されたBピクチャの画像は、ライン遅延メモリ53及び
フレーム遅延メモリ54に入力されている。
【0066】第2のノイズ除去処理部55では、復号化
された直後のBピクチャの動画像信号51とフレーム遅
延メモリ54に保持されている直前に復号化されたBピ
クチャの動画像信号とを用いて、入力されたIピクチャ
又はPピクチャの動画像信号52に対するノイズ除去処
理を行う。例えば、図13に示すように、P5の表示タ
イミングでは、B4及びB6を用いてP5のノイズ除去
処理が施される。
【0067】次に、本発明の第4の実施形態に関わる第
2のノイズ除去処理方法について、図14を用いて説明
する。第2のノイズ除去処理では、IピクチャまたはP
ピクチャの復号化された画像信号について、時間的にそ
の前後それぞれ1フレームの復号化された画像信号を用
いて、ブロッチ等の突発的なノイズの除去を行う。図1
4において、140,141,142が時間的に連続す
る3フレームの復号化された画像信号を示しており、こ
こでは、それぞれfi−1(v,h)、f(v,
h)、fi+1(v,h)とする。iはフレーム番号、
v,hはそれぞれフレーム内の垂直座標及び水平座標を
示している。
【0068】図14において、141(すなわちf
(v,h))が第2のノイズ除去対象となるIピクチ
ャまたはPピクチャの復号化された画像信号を示す。図
14の例では、フレーム141において、ブロツチノイ
ズが重畳されている例を示している。第2のノイズ除去
対象画像におけるv番目のラインが第2のノイズ除去部
55に入力される時刻において、図中142(すなわち
i+1(v,h))のv番目のラインがライン遅延メ
モリ53と第2のノイズ除去部55に同時に入力され、
同タイミングにおいて、図中140(すなわちfi−1
(v,h))のv番目のラインは、上書きされずにフレ
ーム遅延メモリ54に保持されており、フレーム遅延メ
モリ54から第2のノイズ除去部55に読み出される。
【0069】第2のノイズ除去部55では、f
i−1(v,h)、f(v,h)、fi+ (v,
h)の同一位置におけるN×Mの画素ブロックを単位と
してf(v,h)に対するノイズ除去を行う。本実施
例ではブロックサイズを1×16、すなわち同一ライン
内の連続する16画素を処理単位とする。
【0070】図14において、143,144,145
が第2のノイズ除去処理ブロックの1つを示しており、
144が第2のノイズ除去対象ブロックとなる。ここ
で、143,144,145をそれぞれ、fi−1(v
b,hb+k)、f(vb,hb+k)、f
i+1(vb,hb+k)とし、但しk=0,1,
2,...,15とする。(vb,hb)は、処理ブロ
ック先頭の座標を示す。各処理ブロックについて、以下
の演算式により第2のノイズ除去処理を行う。
【0071】
【数1】
【0072】式(1)及び式(2)については、図14
に模式的に示している。式(1)は、ブロックf(v
b,hb+k)とブロックfi+1(vb,hb+k)
の差分値、及びブロックf(vb,hb+k)とブロ
ックfi−1(vb,hb+k)の差分値の類似度を正
規化相関を用いて算出するものである。また、式(2)
は、ブロックfi−1(vb,hb+k)とブロックf
i+1(vb,hb+k)の差分値が、所定の閾値Th
1(例えば8)を下回る画素数を計数するものであり、
Dはブロックfi−1(vb,hb+k)とブロックf
i+1(vb,hb+k)の類似性を示す。つまり、D
の値が大きいほどブロックfi−1(vb.hb+k)
とブロックfi+1(vb,hb+k)の類似性が高い
ことを示している。
【0073】式(4)に示すように、C、D、及びブロ
ックf(vb,hb+k)とブロックfi−1(v
b,hb+k)の差分値の絶対値から、Cの値が所定の
閾値Th2(例えば、0.9)より大きく、且つ、Dの
値が指定の閾値Th3(例えば10)より大きく、且
つ、ブロックf(vb,hb+k)とブロックf
i−1(vb,hb+k)の差分値の絶対値が所定の閾
値(例えば32)より大きな画素については、f(v
b,hb+k)にブロッチ等の突発的なノイズが発生し
たものと推定することが可能である。
【0074】従って、式(4)の条件を満たす画素につ
いては、式3に示すように、f(vb,hb+k)を
ブロックfi−1(vb,hb+k)とブロックf
i+1(vb,hb+k)の該当する画素値の平均値f
’(vb,hb+k)と置き換えることで、ブロック
(vb,hb+k)に重畳された突発的なノイズを
除去することが可能となる。
【0075】以上の処理を、Iピクチャ及びPピクチャ
の全ての1×16画素ブロックに行う。
【0076】上述したように、本発明の第4の実施形態
によれば、Iピクチャ、Pピクチャ及びBピクチャの全
てのフレームに対する効率的なノイズ除去処理を行うこ
とが可能となる。
【0077】次に、本発明の第5の実施形態に関わる動
画像符号化処理について説明する。図15は、本発明の
第5の実施形態に関わる動画像符号化処理の機能ブロッ
ク構成を示す。本発明の第1から第4の実施形態は、い
ずれも復号化処理のおいてノイズ除去を行うものであ
る。一方、本発明の第5の実施形態は、符号化処理にお
いてノイズ除去を行うものである。
【0078】図15において、符号化されるべき入力動
画像信号200は、動きベクトル検出部201により、
動きベクトルの検出がなされ、動き補償部202によ
り、検出された動きベクトルを用いて参照画像メモリ2
11より参照画像領域の切り出しを行い、符号化対象画
像ブロックとの差分をとり予測誤差信号を生成する。予
測誤差信号は、ノイズ除去部203によりノイズ除去が
施され、ノイズ除去された予測誤差信号は、DCT部2
04によりDCT変換され、DCT変換されたデータは
量子化部205により量子化され、量子化されたデータ
は可変長符号化部206により可変長符号化されて、動
画像符号化データ207として出力される。また、量子
化部205の出力データは、逆量子化部208、逆DC
T部209及び第2の動き補償部210により、局所復
号化処理が行われ、復号化された動画像信号は、参照画
像メモリ211に書き込まれて、参照画像として用いら
れる。
【0079】符号化部における動き補償部202の出力
データは、復号化部における予測誤差信号に対応する信
号であるため、符号化部においても、本発明の第1から
第4の実施形態と同様の予測誤差信号に対するノイズ除
去処理を施すことが可能である。また、本発明の第5の
実施形態における符号化では、ノイズ除去処理の後に局
所復号化処理が行われるため、符号化及び復号化の参照
画像のミスマッチの問題は発生しない。したがって、I
ピクチャ、Pピクチャ及びBピクチャ全てのフレームに
対して、ノイズ除去部203においてノイズ除去処理を
行うことが可能である。
【0080】ノイズ除去部203におけるノイズ除去方
法は、Iピクチャ及びPピクチャについては、図3及び
図4に示した本発明の第1の実施形態によるもの、また
Bピクチャについては図10及び図11に示した本発明
の第3の実施形態によるものを切り替えて用いるものと
する。つまり、本発明に関わるノイズ除去部は、復号化
と符号化において共有化することが可能であり、符号化
及び復号化において、ハードウエア資源やソフトウエア
資源を共有化してコスト削減することも可能となる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の動画像の動き補償予測符号化あるいは復号化にお
ける動き補償部に対して変更を加えることにより、低コ
ストで高精度なブロッチ等の動画像ノイズの除去が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に関わる動画像復号化
処理の機能ブロック構成を示す図。
【図2】従来の動き補償予測符号化を説明する図。
【図3】本発明の第1の実施形態に関わるノイズ除去方
法を説明する図。
【図4】本発明の第1の実施形態に関わるノイズ除去処
理のフローチャート。
【図5】MPEGにおけるフレーム間予測構造を示す
図。
【図6】本発明の第2の実施形態に関わる動画像復号化
処理の機能ブロック構成を示す図。
【図7】本発明の第2の実施形態に関わるタイミングチ
ャート。
【図8】本発明の第3の実施形態に関わる動画像復号化
処理の機能ブロック構成を示す図。
【図9】本発明の第3の実施形態に関わるタイミングチ
ャート。
【図10】本発明の第3の実施形態に関わるノイズ除去
方法を説明する図。
【図11】本発明の第3の実施形態に関わるノイズ除去
処理のフローチャート。
【図12】本発明の第4の実施形態に関わる動画像復号
化処理の機能ブロック構成を示す図。
【図13】本発明の第4の実施形態に関わるタイミング
チャート。
【図14】本発明の第4の実施形態に関わる第2のノイ
ズ除去方法を説明する図。
【図15】本発明の第5の実施形態に関わる動画像符号
化処理の機能ブロック構成を示す図。
【符号の説明】
10…動画像符号化データ 11…可変長符号復号化部 12…逆DCT部 13…逆量子化部 14…ノイズ除去部 15…動き補償部 16…参照画像メモリ 17,18…セレクタ 20…動きベクトル情報 24…復号化された動画像信号 30…セレクタ 31…第2の動き補償部 33…リオーダリンクメモリ 40…ノイズ除去部 41…セレクタ 53…ライン遅延メモリ 54…フレーム遅延メモリ 55…第2のノイズ除去部 200…動画像信号 201…動きベクトル検出部 202…動き補償部 203…ノイズ除去部 204…DCT部 205…量子化部 206…可変長符号化部 207…動画像符号化データ 208…逆量子化部 209…逆DCT部 210…第2の動き補償部 211…参照画像メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C021 PA42 PA53 PA58 PA61 PA66 PA79 PA83 PA87 RA01 RA16 RB06 RB08 SA24 YA02 YC08 5C059 KK01 MA00 MA05 MA12 MA23 ME01 NN21 NN28 NN34 PP05 PP06 PP07 PP26 PP27 SS02 SS11 TA66 TB07 TC03 TC06 TC13 TD07 TD12 UA05 UA34 5J064 AA01 BA01 BA09 BA16 BC01 BD02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動画像信号を動き補償予測符号化して得
    られた動画像符号化データを入力する入力ステップと、
    前記動画像符号化データに含まれる予測誤差信号から、
    前記動画像信号に重畳されたノイズの画素位置及び大き
    さを検出するノイズ検出ステップと、検出された前記ノ
    イズの画素位置に相当する前記動き補償予測誤差信号を
    補正する補正ステップと、補正された前記動き補償予測
    誤差信号を用いて、前記動画像符号化データを復号化す
    る復号化ステップでなることを特徴とする動画像復号化
    方法。
  2. 【請求項2】 前記動画像符号化データは、イントラ符
    号化モード、前方予測符号化モード及び両方向予測符号
    化モードの何れかの符号化モードを、フレーム単位で周
    期的に切り替えて符号化された符号化データであり、イ
    ントラ符号化フレーム及び前方予測符号化フレームにつ
    いて、前記動き補償予測誤差信号を補正し、復号化する
    ことによって得られる第1の画像信号および前記動き補
    償予測誤差信号を補正しないで復号化することによって
    得られる第2の画像信号を生成し、前記第1の画像信号
    を復号画像として出力し、前記第2の画像信号を、前記
    動き補償予測誤差信号の復号化時に参照画像として用い
    ることを特徴とする請求項1記載の動画像復号化方法。
  3. 【請求項3】 前記動画像符号化データは、イントラ符
    号化モード、前方予測符号化モード及び両方向予測符号
    化モードの何れかの符号化モードを、フレーム単位で周
    期的に切り替えて符号化された符号化データであり、前
    記補正ステップは、両方向予測符号化されたフレームに
    ついてのみ前記前記動き補償予測誤差信号に補正を施す
    ことを特徴とする請求項1記載の動画像復号化方法。
  4. 【請求項4】 イントラ符号化フレームまたは前方予測
    符号化フレームを復号化して得られる画像フレームを選
    択し、復号化された動画像信号の連続する複数のフレー
    ムを用いて、選択された前記画像フレームのノイズ検出
    及びノイズ除去を行うステップを含むことを特徴とする
    請求項3記載の動画像復号化方法。
  5. 【請求項5】 前記検出するステップは、両方向予測符
    号化フレームを跨いだ前方予測符号化フレームの動きベ
    クトル及び予測誤差信号と、前記両方向予測符号化フレ
    ームの動きベクトル及び予測誤差信号とから、前記両方
    向予測符号化フレームのノイズ検出を行うことを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれか1に記載の動画像復号
    化方法。
  6. 【請求項6】 前記補正ステップは、ノイズとして検出
    された画素に対する予測誤差信号値を0に置き換えるこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1に記載の
    動画像復号化方法。
  7. 【請求項7】 予測誤差信号に基づいて入力画像と参照
    画像との類似性を判定し、判定結果に応じて入力画像に
    対するノイズ除去処理の有無を決定するステップを含む
    請求項1乃至6のいずれか1に記載の動画像符号化方
    法。
  8. 【請求項8】 動画像信号を入力する入力ステップと、
    前記入力される動画像信号の所定画素単位毎の動きベク
    トルを検出するベクトル検出ステップと、前記検出され
    た動きベクトルに応じて動き補償予測誤差信号を生成す
    る生成ステップと、前記動き補償予測誤差信号を符号化
    する符号化ステップと、前記動き補償予測誤差信号から
    入力画像に重畳されたノイズの画素位置及び大きさを検
    出するノイズ検出ステップと、前記検出されたノイズの
    画素位置に相当する前記動き補償予測誤差信号を補正す
    る補正ステップとを有することを特徴とする動画像符号
    化方法。
  9. 【請求項9】 前記ノイズ検出ステップは、ノイズ検出
    対象領域に対応する動きベクトル及び予測誤差信号と、
    前記ノイズ検出対象領域を時間的に跨いだフレーム間に
    おける、前記ノイズ検出対象領域に相当する領域の動き
    ベクトル及び予測誤差とから、前記ノイズ検出対象領域
    のノイズ検出を行うことを特徴とする請求項8記載の動
    画像符号化方法。
  10. 【請求項10】 前記補正ステップは、ノイズとして検
    出された画素に対する予測誤差信号値を0に置き換える
    ことを特徴とする請求項8または9記載の動画像符号化
    方法。
  11. 【請求項11】 動画像信号を動き補償予測符号化して
    得られた動画像符号化データを入力する入力手段と、前
    記動画像符号化データに含まれる予測誤差信号から、前
    記動画像信号に重畳されたノイズの画素位置及び大きさ
    を検出するノイズ検出手段と、検出された前記ノイズの
    画素位置に相当する前記動き補償予測誤差信号を補正す
    る補正手段と、補正された前記動き補償予測誤差信号を
    用いて、前記動画像符号化データを復号化する復号化手
    段とにより構成されることを特徴とする動画像復号化装
    置。
  12. 【請求項12】 動画像信号を入力する入力手段と、前
    記入力される動画像信号の所定画素単位毎の動きベクト
    ルを検出するベクトル検出手段と、前記検出された動き
    ベクトルに応じて動き補償予測誤差信号を生成する生成
    手段と、前記動き補償予測誤差信号を符号化する符号化
    手段と、前記動き補償予測誤差信号から入力画像に重畳
    されたノイズの画素位置及び大きさを検出するノイズ検
    出手段と、前記検出されたノイズの画素位置に相当する
    前記動き補償予測誤差信号を補正する補正手段とにより
    構成されることを特徴とする動画像符号化装置。
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