JP2002014350A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2002014350A
JP2002014350A JP2000194170A JP2000194170A JP2002014350A JP 2002014350 A JP2002014350 A JP 2002014350A JP 2000194170 A JP2000194170 A JP 2000194170A JP 2000194170 A JP2000194170 A JP 2000194170A JP 2002014350 A JP2002014350 A JP 2002014350A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開口率が高く、かつ良好な視野角特性と良好
な画質を得ることができる液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 TFT基板側の画素電極18にスリット
19を形成し、対向基板側にドメイン規制用突起物36
及び補助突起物36aを形成する。補助突起物36aの
位置がずれたときに隣接画素のドレインバスライン15
からの横電界により配向が不安定となる領域21のTF
T基板側の配向膜にプレチルト角発現処理を施し、その
部分における液晶分子のプレチルト角を45°以上90
°未満、好ましくは87°〜89°とする。プレチルト
角発現処理として、例えばUVによりプレチルト角が発
現する配向膜に対するUV照射や、ラビング処理があ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に関
し、より詳しくはMVA(Multi-domain VerticalAlign
ment )型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、携帯型コンピュータの
ディスプレイだけでなく、ディスクトップ型コンピュー
タのディスプレイやテレビ、投射型プロジェクタ及び携
帯端末のディスプレイなど、種々の電子機器に使用され
るようになった。一般的なTN(Twisted Nematic )型
液晶表示装置では、2枚の透明基板の間に液晶を封入し
た構造を有している。それらの透明基板の相互に対向す
る2つの面のうち、一方の面側には共通電極(コモン電
極)、カラーフィルタ及び配向膜等が形成され、他方の
面側にはTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジ
スタ)、画素電極及び配向膜等が形成されている。ま
た、各透明基板の対向面と反対側の面には、それぞれ偏
光板が貼り付けられている。これらの2枚の偏光板は、
例えば偏光軸が互いに直交するように配置されており、
画素電極と共通電極との間に電圧をかけない状態では光
が透過して明表示となり、電圧を印加した状態では遮光
して暗表示となる。また、2枚の偏光板の偏光軸を互い
に平行に配置した場合は、画素電極と共通電極との間に
電圧をかけない状態では暗表示となり、電圧を印加した
状態では明表示となる。以下、TFT及び画素電極が形
成された基板をTFT基板と呼び、カラーフィルタ及び
共通電極が形成された基板を対向基板と呼ぶ。
【0003】TN型液晶表示装置では、視野角が狭く、
解像度も十分でないという欠点がある。このような欠点
を解消するものとして、MVA(Multi-domain Vertica
l Alignment )型液晶表示装置やIPS(In-Plane Swi
tching)型液晶表示装置が開発されている。これらの液
晶表示装置では、CRTと同等以上の画質が得られるよ
うになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示装置のより一
層の低消費電力化を進めていく上では、開口率を上げる
ことが重要な課題の一つである。MVA型液晶表示装置
では、TFT基板及び対向基板にそれぞれドメイン規制
用突起物(いわゆる土手)を形成することにより配向分
割(マルチドメイン)を実現し、良好な視野角特性と良
好な画質を得ている。しかし、画素領域内の突起物によ
り、開口率が低下してしまう。
【0005】以上から、本発明は、開口率が高く、かつ
良好な視野角特性と良好な画質を得ることができる液晶
表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載の液
晶表示装置は、第1の電極及び該第1の電極に信号を伝
達するバスラインが形成された第1の基板と、第2の電
極が設けられた第2の基板と、前記第1の基板及び前記
第2の基板のうちの一方の基板に設けられたドメイン規
制用突起物と、前記第1の基板及び前記第2の基板のう
ちの他方の基板の電極に設けられ、直線上に並んだ複数
のドメイン規制用スリットと、前記第1の電極を覆う第
1の配向膜と、前記第2の電極を覆う第2の配向膜と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入された負
の誘電率異方性を有する液晶とを有する液晶表示装置に
おいて、前記バスラインからの横電界により液晶分子の
配向が不安定となる領域の前記他方の基板側の配向膜
に、プレチルト角発現処理が施されていることを特徴と
する。
【0007】本発明においては、一方の基板にドメイン
規制用突起物を設け、他方の基板の電極にスリットを設
けて、これらの突起物とスリットにより配向分割(マル
チドメイン)を達成する。これにより、両方の基板に突
起物を設ける場合に比べて開口率が向上する。また、本
発明においては、バスラインからの横電界により液晶分
子の配向が不安定となる領域の配向膜に、プレチルト角
発現処理が施されている。これにより、その領域の液晶
分子は電荷を印加していないときに所定の方向に傾いた
状態となり、バスラインからの横電界による影響を小さ
くすることができる。従って、良好な視野角特性が得ら
れるとともに、良好な画質が得られる。なお、プレチル
ト角は、45°以上90°未満であればよく、87°〜
89°の範囲内とすることが好ましい。
【0008】プレチルト角発現処理としては、例えば光
(主に紫外線:以下、UVともいう)を照射する方法や
ラビング処理がある。この場合、光の照射方向や、ラビ
ング方向、ラビング深さ、ラビング回数などにより、プ
レチルト角を制御することができる。本願請求項3に記
載の液晶表示装置は、第1の電極及び該第1の電極に信
号を伝達するバスラインが形成された第1の基板と、第
2の電極が設けられた第2の基板と、前記第1の基板及
び前記第2の基板のうちの一方の基板に設けられたドメ
イン規制用突起物と、前記第1の基板及び前記第2の基
板のうちの他方の基板の電極に設けられ、直線上に並ん
だ複数のドメイン規制用スリットと、前記第1の基板と
前記第2の基板との間に封入された負の誘電率異方性を
有する液晶とを有する液晶表示装置において、前記複数
のスリットのうち前記バスラインに近い第1のスリット
の前記バスラインと反対側の端部の幅が、該第1のスリ
ットに隣接する第2のスリットの前記バスライン側の端
部の幅よりも小さく設定されていることを特徴とする。
【0009】本発明においては、一方の基板に設けられ
た複数のスリットのうちバスラインに近い第1のスリッ
トのバスラインと反対側の端部の幅が、該第1のスリッ
トに隣接する第2のスリットのバスライン側の端部の幅
よりも小さく設定されている。第1のスリット内のバス
ラインと反対側端部の液晶分子は、バスラインと反対側
に向けて配向する必要があり、第2のスリット内のバス
ライン側端部の液晶分子は、バスライン側に向けて配向
する必要がある。これらのスリットの幅が均一であると
仮定すると、第2のスリット内のバスライン側端部の液
晶分子は第1のスリット内のバスラインと反対側端部の
液晶分子の影響を受けるとともに、バスラインからの電
界の影響を受けて本来の方向と異なる方向に配向し、配
向異常が発生する。しかし、上述の如く、第1のスリッ
トのバスラインと反対側の端部の幅を、第2のスリット
のバスライン側の端部の幅よりも小さく設定しておくこ
とにより、第1のスリット内の液晶分子の影響が小さく
なり、第2のスリット内のバスライン側の液晶分子を所
定の方向に配向させることができる。これにより、配向
異常が回避され、良好な視野角特性とともに、良好な画
質が得られる。
【0010】本願請求項5に記載の液晶表示装置は、電
極が設けられた一対の基板間に液晶を封入した液晶表示
装置において、前記一対の基板のうちの一方の基板にド
メイン規制部が設けられ、前記一対の基板のうちの他方
の基板に誘電率が高い部分と誘電率が低い部分とを有す
る誘電体膜が設けられ、前記誘電率が低い部分が前記ド
メイン規制手段に対し斜め方向の位置に配置され、前記
誘電率が高い部分が前記ドメイン規制手段に対向する位
置に配置され、前記誘電率が高い部分と前記誘電率が低
い部分との比誘電率の差が0.5以上あることを特徴と
する。
【0011】本発明においては、一方の基板にドメイン
規制部が設けられ、他方の基板に設けられた誘電体膜
に、誘電率が高い部分と低い部分とが設けられている。
この場合、誘電率の高い部分と低い部分との比誘電率の
差が0.5以上であり、ドメイン規制部に対し斜めの位
置に誘電率が低い部分を配置し、ドメイン規制部に対向
する位置に誘電率が高い部分を配置することが必要であ
る。これにより、一対の基板間に電圧を印加したとき
に、等電位線が誘電率の低い部分で液晶層の外側に押し
出された形状となり、配向分割(マルチドメイン)が達
成される。
【0012】従って、一対の基板の両方にドメイン規制
用突起物を形成する場合に比べて開口率が向上し、良好
な視野角特性が得られるとともに良好な画質が得られ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照して説明する。 (第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態
のMVA方式の液晶表示装置の平面図、図2は同じくそ
の液晶表示装置の断面図である。なお、図2は図1のA
−A線の位置における断面を示している。図1は液晶表
示装置の1画素を示し、図1中の2点鎖線は対向基板側
に形成された突起物(ドメイン規制用突起物及び補助突
起物)の位置を示している。
【0014】ガラス基板(TFT基板)11の上には複
数のゲートバスライン12が相互に平行に形成されてい
る。また、各ゲートバスライン12の間にはそれぞれ容
量バスライン13がゲートバスライン12に平行に形成
されている。更に、ガラス基板11の上にはTFT16
のゲート電極16gが形成されている。このゲート電極
16gはゲートバスライン12に接続している。これら
のゲートバスライン12、ゲート電極16g及び容量バ
スライン13は、同じ配線層(第1の配線層)に形成さ
れている。すなわち、ゲートバスライン12、ゲート電
極16g及び容量バスライン13は同一の導電膜をパタ
ーニングすることにより形成されたものである。また、
これらのゲートバスライン12、ゲート電極16g及び
容量バスライン13は、ガラス基板11の上に形成され
た第1の絶縁膜(ゲート絶縁膜)14に覆われている。
【0015】ゲート電極16gの上方の第1の絶縁膜1
4の上には、TFT16の活性領域となるシリコン膜
(図示せず)が形成されている。また、絶縁膜14の上
には、複数本のドレインバスライン(データバスライン
ともいう)15と、TFT16のソース電極16s及び
ドレイン電極16dが形成されている。ドレインバスラ
イン15はゲートバスライン12に対し直角に交差する
ように形成されている。ソース電極16s及びドレイン
電極16dは、ゲート電極16gの上方のシリコン膜の
両側に相互に離隔して形成されている。そして、ドレイ
ン電極16dはドレインバスライン15に接続してい
る。
【0016】ゲートバスライン12及びドレインバスラ
イン15で区画された矩形の領域がそれぞれ画素領域と
なっている。これらのドレインバスライン15、ソース
電極16s及びドレイン電極16dは同じ配線層(第2
の配線層)に形成されている。ドレインバスライン15
及びTFT16は、第1の絶縁膜14の上に形成された
第2の絶縁膜17に覆われている。
【0017】第2の絶縁膜17の上には、各画素領域毎
に、画素電極18が形成されている。この画素電極18
は例えばITO(indium-tin oxide:インジウム酸化ス
ズ)等の透明導電体により形成される。画素電極18に
は斜め方向に延びる直線上に並んだスリット19が設け
られている。この実施の形態では、スリット19が一つ
の画素電極18内で上下対称形となるように配置されて
いる。また、画素電極18は、第2の絶縁膜17に形成
されたコンタクトホールを介してソース電極16sに電
気的に接続されている。
【0018】画素電極18の上には垂直配向膜20が形
成されている。垂直配向膜20は例えばポリイミドによ
り形成される。この配向膜20には、後述するように部
分的(図中網掛け線で示す部分21)にプレチルト角が
発現するような処理(プレチルト角発現処理)が施され
ている。プレチルト角発現処理には、例えばUV照射又
はラビング処理がある。プレチルト角発現処理を施すこ
とにより、電圧無印加の状態で液晶分子が所定の方向に
傾き、配向膜20と液晶分子の長軸との角度(プレチル
ト角)が45°以上90°未満となる。なお、本実施の
形態において、プレチルト角の好ましい範囲は87〜8
9°である。
【0019】一方、ガラス基板(対向基板)31の下側
にはブラックマトリクス32が形成されており、このブ
ラックマトリクス32でTFT基板側のゲートバスライ
ン12、容量バスライン13、ドレインバスライン15
及びTFT16が形成された領域、並びに表示領域の外
側の領域を遮光するようになっている。本実施の形態で
は、ブラックマトリクス32はCr(クロム)等の遮光
性の金属膜により形成されているものとする。しかし、
ブラックマトリクス32は黒色の樹脂により形成しても
よい。また、次に説明する赤色(R)、緑色(G)及び
青色(B)のカラーフィルタのうちの少なくとも2色の
カラーフィルタを積層してブラックマトリクス32とす
ることもできる。
【0020】ガラス基板31の下側には、各画素毎に赤
色(R)、緑色(G)及び青色(B)のうちのいずれか
1色のカラーフィルタ33が形成されている。この実施
の形態では、水平方向に赤色(R)、緑色(G)及び青
色(B)のカラーフィルタが順番に繰り返し並び、垂直
方向には同色のカラーフィルタ並んでいるものとする。
【0021】カラーフィルタ33の下には、各画素共通
の共通電極34が形成されている。この共通電極34
も、ITO等の透明導電体により形成されている。共通
電極34の下には、ドメイン規制用突起物(土手)36
が形成されている。突起物36は、図1に示すように、
TFT基板側の画素電極18に設けられたスリット19
の列間の中央の位置に配置されている。また、画素電極
18の水平方向の両側のエッジ部分に整合する位置、よ
り詳しくは突起物36が画素電極18のエッジに対し鈍
角となる部分に、補助突起物(補助土手)36aが形成
されている。この補助突起物36aは、ドメイン規制用
突起物36と同一材料により同時に形成されたものであ
る。
【0022】ガラス基板31の下側には垂直配向膜35
が形成されており、この配向膜35により共通電極3
4、突起物36及び補助突起物36aの表面が覆われて
いる。配向膜35は、 例えばポリイミドにより形成され
ている。TFT基板(ガラス基板11)と対向基板(ガ
ラス基板31)との間には、負の誘電率異方性を有する
液晶材料29が封入されている。TFT基板(ガラス基
板11)と対向基板(ガラス基板31)との間は例えば
直径が均一の球形のスペーサが配置され、TFT基板と
対向基板との間隔(セルギャップ)が一定に維持され
る。また、TFT基板(ガラス基板11)の下側及び対
向基板(ガラス基板31)の上側にはそれぞれ偏光板
(図示せず)が配置されている。
【0023】本実施の形態では、上述の如く、TFT基
板側の配向膜20のうち、画素電極18の水平方向の両
側のエッジ部分であって突起物36が画素電極18のエ
ッジに対し鈍角となる部分(換言すると、スリット列が
補助突起物36aに対し鋭角となる部分)と、図1で右
側に隣接する画素(以下、隣接画素という)側の端部が
閉じたスリット19のうち最も隣接画素に近いスリット
19aの内側の隣接画素側半分の領域(図1中に符号2
1で示す網掛けの部分)に、プレチルト角発現処理が施
されている。以下、これらの領域にプレチルト角発現処
理を施すことによる効果について、図3〜図5に示す画
素電極の模式図を参照して説明する。なお、図3〜図5
では、液晶分子28の黒丸の部分が共通電極側を向いて
いることを示している。
【0024】TFT基板と対向基板との貼合わせ時の位
置ずれがないとすると、図3に示すように、隣接画素側
の補助突起物36aは、画素電極18のエッジに整合し
た位置に配置される。この補助突起物36aの近傍で
は、補助突起物36aの傾斜面に垂直な方向に液晶分子
28が配向する。また、隣接画素側が閉じたスリットの
うち最も隣接画素に近いスリット19aの隣接画素側半
分の領域の液晶分子も、補助突起物36aの近傍の液晶
分子28の影響を受けて、所定の方向(図3に示す方
向)に配向する。
【0025】補助突起物36aがない場合、又は図4に
示すように補助突起物36aの位置が隣接画素側にずれ
た場合、画素電極18と共通電極34との間に電圧を印
加すると、画素電極18のエッジ近傍の液晶分子は隣接
画素のドレインバスライン15に最も近いスリット19
bの内側の液晶分子28が倒れる方向(図中矢印Bで示
す方向)に倒れようとする。しかし、この方向は隣接画
素のドレインバスライン15から発生した電界により倒
れる方向と異なるので、配向が不安定になって、応答特
性が低下したり配向不良が発生する。
【0026】図5に示すように、隣接画素のドレインバ
スライン15から発生する横電界により液晶分子の配向
が不安定となる部分21、すなわちスリット19aの内
側の隣接画素側の部分及び突起物36が画素電極18の
エッジに対し鈍角となる部分の配向膜20にプレチルト
角発現処理を施すと、初期状態で液晶分子が所定の方向
(図中矢印Cで示す方向)に傾くので、隣接画素のドレ
インバスライン15から発生する横方向の電界の影響を
受けにくくなる。これにより、配向不良が回避されると
ともに、応答特性が改善される。
【0027】以下、本実施の形態に係る液晶表示装置の
製造方法について、図1、図2を参照して説明する。ま
ず、PVD(Physical Vapor Deposition )法により、
ガラス基板(TFT基板)11の上に導電膜として例え
ばCrを約150nmの厚さに成膜し、フォトリソグラ
フィにより導電膜をパターニングして、ゲートバスライ
ン12、ゲート電極16g及び容量バスライン13を形
成する。
【0028】次に、プラズマCVD法により、ガラス基
板11の上側全面に、TFT16のゲート絶縁膜となる
絶縁膜14、TFT16の活性領域となるn- 型アモル
ファスシリコン膜及びチャネル保護膜となる絶縁膜を順
次形成する。絶縁膜14は、例えば窒化シリコン(Si
N)又は酸化シリコン(SiO2 )により約100〜6
00nmの厚さに形成する。また、n- 型アモルファス
シリコン膜の厚さは約15〜50nmとする。更に、チ
ャネル保護膜となる絶縁膜は、例えば窒化シリコンによ
り約50〜200nmの厚さに形成する。
【0029】次に、フォトリソグラフィにより最上層の
絶縁膜をパターニングしてチャネル保護膜を形成する。
その後、TFT16のオーミックコンタクト層となるn
+ 型アモルファスシリコン膜を約30nmの厚さに形成
し、n+ 型アモルファスシリコン膜の上に、PVD法に
より、Ti、Al及びTiを順次積層して、これらのT
i、Al及びTiの3層構造の導電膜を形成する。下層
のTi層の厚さは例えば20nm、Al層の厚さは例え
ば75nm、上層のTi層の厚さは例えば20nmとす
る。なお、この導電膜は、Al、Al合金又はその他の
低抵抗金属により形成してもよい。
【0030】次に、フォトレジストを使用して導電膜の
上に所定のパターンのレジスト膜を形成する。そして、
このレジスト膜をエッチングマスクとして、導電膜、n
+ 型アモルファスシリコン膜及びn- 型アモルファスシ
リコン膜をエッチングし、図2に示すように、TFT1
6のソース電極16s及びドレイン電極16dを形成す
るとともに、ドレインバスライン15を形成する。導電
膜、n+ 型アモルファスシリコン膜及びn- 型アモルフ
ァスシリコン膜のエッチングは、例えばCl2とBCl
3 との混合ガスを用いたドライエッチングにより行う。
その後、エッチングマスクとして使用したレジスト膜を
除去する。
【0031】次に、CVD法により、ガラス基板11の
上側全面に、絶縁膜(保護膜)17として例えば窒化シ
リコン膜を約100〜600nmの厚さに形成する。そ
して、この絶縁膜17に、TFT16のソース電極16
sに到達するコンタクトホールを形成する。次に、PV
D法により、ガラス基板11の上側全面にITO膜を約
70nmの厚さに形成する。そして、フォトリソグラフ
ィによりITO膜をパターニングして、図1に示すよう
にスリット19を有する画素電極18を形成する。
【0032】次いで、ガラス基板11の上側全面に配向
膜20を形成する。そして、この配向膜20の所定の部
分(図1中に符号21で示す部分)にプレチルト角発現
処理を施す。プレチルト角発現処理としては、例えばU
V照射及びラビング処理がある。UV照射によりプレチ
ルト角を発現させる場合は、配向膜材料としてUV照射
によりプレチルト角が発現する材料、例えばUV配向の
配向膜材料であるポリイミド又はポリアミック酸を使用
し、配向膜20のうちの所定の部分21以外の部分を遮
光性マスクで覆い、基板11に対し斜め方向、例えば図
5に矢印Cで示す方向から偏光UVを照射する。配向膜
20の材料によっては、非偏光UVを照射してプレチル
ト角を発現することができる。
【0033】また、ラビング処理によりプレチルト角を
発現する場合は、配向膜材料として例えばJSR株式会
社製の配向膜JALS684を使用し、配向膜20のう
ち所定部分21以外の領域をレジストマスク等により覆
い、所定部分21の配向膜20の表面をナイロン等のブ
ラシにより所定の方向、例えば図5に矢印Cで示す方向
にラビングする。このとき、ブラシの回転数、ラビング
深さ及びラビング回数を調整することにより、プレチル
ト角を変化させることができる。このようにして、TF
T基板が完成する。
【0034】一方、突起物36,36aを有する対向基
板を用意する。対向基板は公知の方法により製造するこ
とができる。すなわち、ガラス基板31の上に、Cr等
の遮光性材料により所定のパターンのブラックマトリク
ス32を形成する。その後、ガラス基板31の上に、赤
(R)、緑(G)及び青(B)のカラーフィルタ33を
形成し、カラーフィルタの上にITOからなる共通電極
34を形成する。次いで、共通電極34の上に、例えば
フォトレジストによりドメイン規制用の突起物36及び
補助突起物36aを形成した後、共通電極34、突起物
36及び補助突起物36aの表面をポリイミドからなる
配向膜34で被覆する。これにより対向基板が完成す
る。
【0035】その後、ドメイン規制用突起が設けられた
対向基板と、上記の方法により形成したTFT基板とを
接合し、両者の間に液晶材料29を封入する。これによ
り、本実施の形態の液晶表示装置が完成する。なお、上
記製造方法では突起物36及び補助突起物は36aをフ
ォトレジストにより形成するものとしたが、これに限定
するものではない。例えば、突起物36及び補助突起物
36aをフォトレジスト以外の誘電体材料で形成しても
よい。
【0036】(第2の実施の形態)図6は本発明の第2
の実施の形態の液晶表示装置を示す平面図である。な
お、本実施の形態が第1の形態と異なる点は、画素電極
に設けられたスリットの形状が異なることにあるので、
第1の実施の形態と重複する部分の説明は省略する。ま
た、図6では、補助突起物36aが隣接画素のドレイン
バスライン15側にずれた位置に配置された場合を示し
ている。
【0037】本実施の形態においては、図6に示すよう
に、画素電極18に設けられたスリット19のうち隣接
画素に最も近いスリット19b(隣接画素側端部が開い
たスリット)の形状を、隣接画素側の端部(以下、後端
側という)の幅が広く、隣接画素と反対側の端部(以
下、先端側という)が幅が狭いテーパー形状としてい
る。また、スリット19bに連なるスリット19、すな
わち後端側が閉じたスリット19のうち隣接画素に最も
近いスリット19aの後端側の幅が広い形状としてい
る。つまり、本実施の形態では、スリット19bの先端
側の幅がスリット19aの後端側の幅よりも広く設定し
ている。
【0038】画素電極18と共通電極34との間に電圧
を印加すると、図6に示しているように、スリット19
bの内側の液晶分子28は、図中矢印Dに示す方向に倒
れる。一方、スリット19aの後端側の液晶分子28は
図中矢印Eに示す方向に倒れようとする。このとき、ス
リット19bの先端側の幅よりもスリット19aの後端
側の幅が大きく、スリット19bの先端側の液晶分子2
8に比べてスリット19aの後端側の液晶分子28の数
が多いので、スリット19aの後端側の液晶分子28は
所定の方向(矢印Eで示す方向)に配向する。また、ス
リット19aの近傍の液晶分子も、スリット19aの内
側の液晶分子28の影響を受けて、所定の方向に配向す
る。これにより、配向不良が回避される。
【0039】なお、本実施の形態においては、上述の如
く隣接画素に近いスリット19b及スリット19aの形
状をテーパー状とすることを特徴としているが、スリッ
ト19a,19bの形状をテーパー状とすることに加え
て、第1の実施の形態のように、配向膜の所定部分にプ
レチルト角発現処理を施すことにより、隣接画素のドレ
インバスライン15からの横電界による配向不良をより
確実に防止することができる。
【0040】また、第1及び第2の実施の形態では、T
FT基板側の画素電極にスリットを設け、対向基板側に
ドメイン規制用突起物及び補助突起物を設ける構造とし
たが、本発明はこれに限定されるものではない。例え
ば、TFT基板側の画素電極の上にドメイン規制用突起
物及び補助突起物を設け、対向基板側の共通画素電極に
スリットを設けた液晶表示装置に適用することもでき
る。
【0041】(第3の実施の形態)以下、本発明の第3
の実施の形態について説明する。本願と同一出願人の特
開平11−84414号では、樹脂の誘電率分布を徐々
に変化させて対称に配置することが提案されている。し
かし、突起やスリットとの最適な組み合わせについては
開示がない。
【0042】図7は本発明の第3の実施の形態の液晶表
示装置を示す平面図、図8は同じくその模式断面図であ
る。なお、図7,図8において、第1の実施の形態と同
一物には同一符号を付している。また、図8では、TF
T基板側の絶縁膜及び配向膜、並びに対向基板側のブラ
ックマトリクス、カラーフィルタ及び配向膜等の図示を
省略している。
【0043】TFT基板11側には、第1の実施の形態
と同様に、ゲートバスライン12、ドレインバスライン
15、TFT16、画素電極18及び垂直配向膜が形成
されている。また、画素電極18には、ドメイン規制用
スリット19が設けられている。これらのドメイン規制
用スリット19は、図7に示すように斜め方向に延びる
直線上に並び、かつ一つの画素電極18内で上下対称形
となるように配置されている。
【0044】一方、対向基板31側には、ブラックマト
リクス、カラーフィルタ及び共通電極34が形成されて
おり、共通電極34の下側には厚さが約2〜3μmの誘
電体膜38が形成されている。この誘電体膜38は、誘
電率が低い部分38aと誘電率が高い部分38bとによ
り構成されている。誘電率が低い部分38aは、TFT
基板11側のドメイン規制用スリット19の列間の中央
に、スリット19と平行に配置されている。また、誘電
率が高い部分38bは、それ以外の領域(スリット19
に対向する部分を含む)に配置されている。そして、誘
電率が低い部分38aの比誘電率は例えば3.0、誘電
率が高い部分38bの比誘電率は例えば3.5となって
いる。
【0045】このように比誘電率が相互に異なる部分を
有する誘電体膜38を形成する方法として、以下の方法
がある。第1の方法として、比誘電率が異なる物質をリ
ソグラフィによりパターニングする方法がある。具体的
にはCVD法によりSiN膜を形成し、フォトリソグラ
フィによりSiNをパターニングして、誘電率が高い部
分38bを形成する。その後、誘電率が低い部分38a
の材料としてフォトレジストを塗布し、露光及び現像工
程を経て誘電率が高い部分38bの上のレジスト膜を除
去する。これにより、誘電率が低い部分38aと高い部
分38bとを有する誘電体膜38が形成される。なお、
SiNの比誘電率は約7であり、レジストの比誘電率は
約3である。
【0046】第2の方法として、光を誘電体膜に照射し
て、誘電体膜の比誘電率を部分的に変化させる方法があ
る。例えば、共通電極34の上にポリビニールシンナメ
ート又は光反応基を有するポリイミド等を塗布して誘電
体膜38を形成する。ポリビニールシンナメートの場合
は、光を照射することにより架橋反応が進み、光を照射
した部分の比誘電率が高くなる。また、ポリイミドのよ
うな光により断裂する材料を用いた場合は、光を照射し
た部分の分子量が小さくなり、誘電率が低下する。光の
照射により誘電率が変化する材料としては、その他にア
クリル樹脂(メタクリレート)等がある。
【0047】図9は、画素電極と共通電極との間に電圧
を印加したときの等電位線を示す図である。この図9に
示すように、画素電極18のスリット19の部分及び誘
電体膜38の誘電率が低い部分38a(図中破線で囲ん
だ部分)では、等電位線が液晶層の外側に押し出された
状態となる。負の誘電率異方性を有する液晶分子は、等
電位線に沿って配向しようとするので、図8に示すよう
に、スリット19及び誘電率が低い部分38aのそれぞ
れ両側で液晶分子の配向方向が異なり、配向分割(マル
チドメイン)が達成される。
【0048】本実施の形態では、ドメイン規制用突起部
に替えて誘電率が低い部分38aと高い部分38bとを
有する誘電体膜38により配向分割(マルチドメイン)
を達成するので、開口率が向上し、明るくて解像度が高
い液晶表示装置を実現することができる。また、フォト
リソグラフィ又は光の照射により、誘電率が異なる部分
を比較的容易に形成することができる。
【0049】図10は、2種類の誘電体材料を使用して
誘電体膜38を形成し、ディスクリネーション発生の有
無を調べた結果を示す図である。この図10では、スリ
ットに対向する位置に配置された誘電体材料を第1の誘
電体とし、スリットの列間の中央に配置された誘電体材
料を第2の誘電体としている。この図10に示すよう
に、第2の誘電体の比誘電率が第1の誘電体の比誘電率
よりも低く、その差が0.5未満の場合は、ディスクリ
ネーションは発生しないものの、配向状態が不安定な領
域が発生した。
【0050】また、第2の誘電体の比誘電率が第1の誘
電体の比誘電率よりも0.5以上低い場合は、ディスク
リネーションが発生せず、良好な表示品質が得られた。
第2の誘電体の比誘電率が第1の誘電体の比誘電率と同
じ又はそれよりも高い場合はディスクリネーションが発
生した。スリット19の列間の中央に誘電率が高い部分
38bが配置され、スリット19に対向する部分に誘電
率が低い部分38aが配置された場合は、図11に示す
ように誘電率が高い部分38bのエッジからスリット1
9までの間の不確定な位置(例えば図中破線で囲んだ位
置)に配向状態の特異点としてディスクリネーションが
発生し、表示輝度が暗い、応答が遅いといった問題が発
生する。従って、スリット19の列間の中央には誘電率
が低い部分38aを配置し、スリット19に対向する位
置に誘電率が高い部分38bを配置し、かつ、誘電率が
高い部分38aと低い部分38bとの比誘電率の差を
0.5以上とすることが必要である。
【0051】図12,図13は本実施の形態の変形例を
示している。図12(a)は、誘電率が低い部分38a
を、ゲートバスライン12に平行に画素の中央に配置し
た例を示している。また、図12(b)は、比誘電率が
低い部分38aを、ドレインバスライン15に平行に画
素の中央に配置した例を示している。いずれの場合も誘
電体膜を対向基板側に形成し、誘電率が高い部分と低い
部分との比誘電率の差を0.5以上としている。これに
より、上記実施の形態と同様に、ディスクリネーション
を防止することができる。
【0052】図13は、スリット19の列間の中央に配
置された誘電率が低い部分38a(比誘電率は3)とス
リット19に対向して配置された誘電率が高い部分38
b(比誘電率は3.5)との間に、中間の誘電率(誘電
率は3.25)を有する部分38cを設けている。この
場合も、上記と同様の効果を得ることができる。なお、
上記実施の形態ではTFT基板側の画素電極にスリット
を設け、対向基板側に比誘電率が異なる誘電体膜を形成
した場合について説明したが、TFT基板側に誘電体膜
を設け、対向基板側の共通電極にドメイン規制用スリッ
ト又は突起物を設けても、上記実施の形態と同様の効果
を得ることができる。また、TFT基板及び対向基板の
両方に、誘電率が高い部分と低い部分とを有する誘電体
膜を設けてもよい。この場合、TFT基板側の誘電体膜
の誘電率が高い部分に対向させて対向基板側の誘電体膜
の誘電率が低い部分を配置し、TFT基板側の誘電体膜
の誘電率が低い部分に対向させて対向基板側の誘電体膜
の誘電率が高い部分を配置する。
【0053】(付記1)第1の電極及び該第1の電極に
信号を伝達するバスラインが形成された第1の基板と、
第2の電極が設けられた第2の基板と、前記第1の基板
及び前記第2の基板のうちの一方の基板に設けられたド
メイン規制用突起物と、前記第1の基板及び前記第2の
基板のうちの他方の基板の電極に設けられ、直線上に並
んだ複数のドメイン規制用スリットと、前記第1の電極
を覆う第1の配向膜と、前記第2の電極を覆う第2の配
向膜と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入
された負の誘電率異方性を有する液晶とを有する液晶表
示装置において、前記バスラインからの横電界により液
晶分子の配向が不安定となる領域の前記他方の基板側の
配向膜に、プレチルト角発現処理が施されていることを
特徴とする液晶表示装置。
【0054】(付記2)前記プレチルト角発現処理は、
電圧無印加時での配向膜と液晶との界面におけるプレチ
ルト角を45°以上90°未満とするものであることを
特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。 (付記3)前記一方の基板に、前記他方の基板の電極の
エッジに沿って配置された補助突起物を有することを特
徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
【0055】(付記4)前記プレチルト角発現処理は、
前記ドメイン規制用突起物と前記画素電極のエッジとの
なす角度が鈍角となる領域に施されていることを特徴と
する付記3に記載の液晶表示装置。 (付記5)前記プレチルト角発現処理は、前記バスライ
ン側の端部が閉じた前記スリットのうちバスラインに最
も近いスリット内の前記バスライン側の領域に施されて
いることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記
載の液晶表示装置。
【0056】(付記6)第1の電極及び該第1の電極に
信号を伝達するバスラインが形成された第1の基板と、
第2の電極が設けられた第2の基板と、前記第1の基板
及び前記第2の基板のうちの一方の基板に設けられたド
メイン規制用突起物と、前記第1の基板及び前記第2の
基板のうちの他方の基板の電極に設けられ、直線上に並
んだ複数のドメイン規制用スリットと、前記第1の基板
と前記第2の基板との間に封入された負の誘電率異方性
を有する液晶とを有する液晶表示装置において、前記複
数のスリットのうちバスラインに近い第1のスリットの
前記バスラインと反対側の端部の幅が、該第1のスリッ
トに隣接する第2のスリットの前記バスライン側の端部
の幅よりも小さく設定されていることを特徴とする液晶
表示装置。
【0057】(付記7)前記一方の基板に、前記他方の
基板の電極のエッジに沿って配置された補助突起物を有
することを特徴とする付記6に記載の液晶表示装置。 (付記8)第1の電極及び該第1の電極に信号を伝達す
るバスラインが形成された第1の基板と、第2の電極が
設けられた第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2
の基板のうちの一方の基板に設けられたドメイン規制用
突起物と、前記第1の基板及び前記第2の基板のうちの
他方の基板の電極に設けられ、直線上に並んだ複数のド
メイン規制用スリットと、前記第1の電極を覆う第1の
配向膜と、前記第2の電極を覆う第2の配向膜と、前記
第1の基板と前記第2の基板との間に封入された負の誘
電率異方性を有する液晶とを有する液晶表示装置におい
て、前記バスラインからの横電界により液晶分子の配向
が不安定となる領域の前記他方の基板側の配向膜に、プ
レチルト角発現処理が施され、かつ、前記複数のスリッ
トのうち前記バスラインに近い第1のスリットの前記バ
スラインと反対側の端部の幅が、該第1のスリットに隣
接する第2のスリットの前記バスライン側の端部の幅よ
りも小さく設定されていることを特徴とする液晶表示装
置。
【0058】(付記9)電極が設けられた一対の基板間
に液晶を封入した液晶表示装置において、前記一対の基
板のうちの一方の基板にドメイン規制部が設けられ、前
記一対の基板のうちの他方の基板に誘電率が高い部分と
誘電率が低い部分とを有する誘電体膜が設けられ、前記
誘電率が低い部分が前記ドメイン規制手段に対し斜め方
向の位置に配置され、前記誘電率が高い部分が前記ドメ
イン規制手段に対向する位置に配置され、前記誘電率が
高い部分と前記誘電率が低い部分との比誘電率の差が
0.5以上あることを特徴とする液晶表示装置。
【0059】(付記10)前記一方の基板の電極には、
前記ドメイン規制部としてスリットが設けられているこ
とを特徴とする付記9に記載の液晶表示装置。 (付記11)前記一方の基板には、前記ドメイン規制部
として突起物が設けられていることを特徴とする付記9
に記載の液晶表示装置。 (付記12)前記誘電体膜の前記誘電率が高い部分と前
記誘電率が低い部分との間は、誘電率が段階的に変化し
ていることを特徴とする付記9に記載の液晶表示装置。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶表示
装置によれば、一方の基板にドメイン規制用突起物を設
け、他方の基板の電極にスリットを設け、更にバスライ
ンからの横電界により液晶分子の配向が不安定になる領
域の他方の基板の配向膜にプレチルト角発現処理が施さ
れているので、バスラインからの横電界による配向不良
が回避され、開口率が高く、且つ良好な視野角特性と良
好な画質を得ることができる。
【0061】本発明の他の液晶表示装置によれば、一方
の基板にドメイン規制用突起物を設け、他方の基板の電
極にスリットを設け、更に隣接画素のバスラインに最も
近い第1のスリットのバスラインと反対側の端部の幅
を、第1のスリットに隣接する第2のスリットのバスラ
イン側の端部の幅よりも小さく設定しているので、隣接
画素のバスラインからの横電界による配向不良が回避さ
れ、開口率が高く、且つ良好な視野角特性と良好な画質
を得ることができる。
【0062】本発明の更に他の液晶表示装置によれば、
一方の基板にドメイン規制部を設け、他方の基板に誘電
率が高い部分と誘電率が低い部分とを有する誘電体膜を
設けて、これらのドメイン規制部と誘電体膜により配向
分割(マルチドメイン)を達成するので、開口率が高
く、且つ良好な視野角特性と良好な画質を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態のMVA方式
の液晶表示装置の1画素を示す平面図である。
【図2】図2は図1のA−A線の位置における断面図で
ある。
【図3】図3は第1の実施の形態の効果を示す図(その
1)であり、補助突起物が所定の位置に配置されている
ときの液晶分子の配向状態を示している。
【図4】図4は第1の実施の形態の効果を示す図(その
2)であり、補助突起物が所定の位置からずれて配置さ
れ、配向不良が発生している状態を示している。
【図5】図5は第1の実施の形態の効果を示す図(その
3)であり、補助突起物が所定の位置からずれて配置さ
れても、プレチルト角発現処理により配向不良が発生し
ていない状態を示している。
【図6】図6は本発明の第2の実施の形態の液晶表示装
置を示す平面図である。
【図7】図7は本発明の第3の実施の形態の液晶表示装
置を示す平面図である。
【図8】図8は第3の実施の形態の液晶表示装置の模式
断面図である。
【図9】図9は画素電極と共通電極との間に電圧を印加
したときの等電位線を示す図である。
【図10】図10は2種類の誘電体材料を使用して誘電
体膜を形成し、ディスクリネーション発生の有無を調べ
た結果を示す図である。
【図11】図11はスリットの列間の中央に誘電率が高
い部分を配置し、スリットに対向する部分に誘電率が低
い部分を配置したときの問題点を示す図である。
【図12】図12は第3の実施の形態の変形例(その
1)を示す図である。
【図13】図13は第3の実施の形態の変形例(その
2)を示す図である。
【符号の説明】
11…ガラス基板(TFT基板)、 12…ゲートバスライン、 13…容量バスライン、 14,17…絶縁膜、 15…ドレインバスライン(データバスライン)、 16…TFT、 18…画素電極、 19…スリット、 20,35…垂直配向膜、 21…プレチルト角発現処理を施した部分、 28…液晶分子、 29…液晶材料、 31…ガラス基板(対向基板)、 32…ブラックマトリクス、 33…カラーフィルタ、 34…共通電極(コモン電極)、 36…ドメイン規制用突起物、 36a…補助突起物、 38…誘電体膜、 38a…誘電率が低い部分、 38b…誘電率が高い部分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田沼 清治 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 間山 剛宗 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 吉田 秀史 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB08Y HC16 HD14 JA03 JC03 KA04 LA01 LA04 LA15 MA01 MA10 MA15 MB01 2H092 GA13 JA24 JB05 NA04 NA07 PA02 QA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極及び該第1の電極に信号を伝
    達するバスラインが形成された第1の基板と、 第2の電極が設けられた第2の基板と、 前記第1の基板及び前記第2の基板のうちの一方の基板
    に設けられたドメイン規制用突起物と、 前記第1の基板及び前記第2の基板のうちの他方の基板
    の電極に設けられ、直線上に並んだ複数のドメイン規制
    用スリットと、 前記第1の電極を覆う第1の配向膜と、 前記第2の電極を覆う第2の配向膜と、 前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入された負
    の誘電率異方性を有する液晶とを有する液晶表示装置に
    おいて、 前記バスラインからの横電界により液晶分子の配向が不
    安定となる領域の前記他方の基板側の配向膜に、プレチ
    ルト角発現処理が施されていることを特徴とする液晶表
    示装置。
  2. 【請求項2】 前記一方の基板に、前記他方の基板の電
    極のエッジに沿って配置された補助突起物を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 第1の電極及び該第1の電極に信号を伝
    達するバスラインが形成された第1の基板と、 第2の電極が設けられた第2の基板と、 前記第1の基板及び前記第2の基板のうちの一方の基板
    に設けられたドメイン規制用突起物と、 前記第1の基板及び前記第2の基板のうちの他方の基板
    の電極に設けられ、直線上に並んだ複数のドメイン規制
    用スリットと、 前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入された負
    の誘電率異方性を有する液晶とを有する液晶表示装置に
    おいて、 前記複数のスリットのうち前記バスラインに近い第1の
    スリットの前記バスラインと反対側の端部の幅が、該第
    1のスリットに隣接する第2のスリットの前記バスライ
    ン側の端部の幅よりも小さく設定されていることを特徴
    とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 第1の電極及び該第1の電極に信号を伝
    達するバスラインが形成された第1の基板と、 第2の電極が設けられた第2の基板と、 前記第1の基板及び前記第2の基板のうちの一方の基板
    に設けられたドメイン規制用突起物と、 前記第1の基板及び前記第2の基板のうちの他方の基板
    の電極に設けられ、直線上に並んだ複数のドメイン規制
    用スリットと、 前記第1の電極を覆う第1の配向膜と、 前記第2の電極を覆う第2の配向膜と、 前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入された負
    の誘電率異方性を有する液晶とを有する液晶表示装置に
    おいて、 前記バスラインからの横電界により液晶分子の配向が不
    安定となる領域の前記他方の基板側の配向膜に、プレチ
    ルト角発現処理が施され、かつ、前記複数のスリットの
    うち前記バスラインに近い第1のスリットの前記バスラ
    インと反対側の端部の幅が、該第1のスリットに隣接す
    る第2のスリットの前記バスライン側の端部の幅よりも
    小さく設定されていることを特徴とする液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 電極が設けられた一対の基板間に液晶を
    封入した液晶表示装置において、 前記一対の基板のうちの一方の基板にドメイン規制部が
    設けられ、 前記一対の基板のうちの他方の基板に誘電率が高い部分
    と誘電率が低い部分とを有する誘電体膜が設けられ、 前記誘電率が低い部分が前記ドメイン規制手段に対し斜
    め方向の位置に配置され、前記誘電率が高い部分が前記
    ドメイン規制手段に対向する位置に配置され、前記誘電
    率が高い部分と前記誘電率が低い部分との比誘電率の差
    が0.5以上あることを特徴とする液晶表示装置。
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