JP2002012980A - マグネシウム及び/又はマグネシウム合金製部品の製造方法 - Google Patents

マグネシウム及び/又はマグネシウム合金製部品の製造方法

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JP2002012980A
JP2002012980A JP2001128862A JP2001128862A JP2002012980A JP 2002012980 A JP2002012980 A JP 2002012980A JP 2001128862 A JP2001128862 A JP 2001128862A JP 2001128862 A JP2001128862 A JP 2001128862A JP 2002012980 A JP2002012980 A JP 2002012980A
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acid
phosphate
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Kazunori Fukumura
和則 福村
Koji Sakane
講二 坂根
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性、塗装密着性、電磁波シールド性
に優れたマグネシウム及び/又はマグネシウム合金製部
品の製造方法を提供する。 【解決手段】 マグネシウム及び/又はマグネシウム合
金製部品を、(A)リン酸塩を含有する表面処理剤によ
り処理した後、(B)防錆前処理剤で処理することを特
徴とする処理されたマグネシウム及び/又はマグネシウ
ム合金製部品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマグネシウム及び/
又はマグネシウム合金製部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウムは実用構造材料用金属中最
も軽量であり、比強度が高く機械加工が容易であること
から自動車部品、コンピューターや音響機器等の電気製
品、航空機部品等に広く使用されている。また、一般的
にマグネシウムおよびマグネシウム合金成型品はダイカ
スト法、押出成型法、圧延成型法による製造が主である
が、近年、射出成形機を用いた所謂チクソモールディン
グ法が技術的に確立されるに至り、成型品の形状の自由
性と物性の向上が可能となり、その応用範囲が一層拡大
している。
【0003】従来、ダイカスト法およびチクソモールデ
ィング法で製造された成型品からマグネシウム合金製部
品の製品化までの一般的な工程は以下のようになってい
る。 1.機械的処理工程:バリ取り、強固な酸化物、押出用
潤滑剤、離型剤、鋳物砂や一般汚物の除去、表面粗さの
除去等の研磨ベルト、研磨紙、ブラシ研磨、バレル研
磨、バフ研磨、ブラスト等での研磨工程。 2.脱脂工程: (1)溶剤脱脂:切削油、グリース等の除去を石油系、
芳香族系、炭化水素系、塩素系等の溶剤を用いて行う予
備脱脂洗浄。 (2)アルカリ脱脂:一般汚物、焼き付いたグラファイ
ト潤滑剤、切削剤等の除去を苛性ソーダ等のアルカリ溶
液を用いて行う脱脂洗浄。 (3)エマルジョン脱脂:金属表面の汚れを乳化させ除
去する洗浄。 3.酸洗浄工程:脱脂工程で除去されない酸化被膜、腐
食生成物、焼き付いた潤滑剤、めり込んだ研磨剤、ショ
ット、鋳物砂、及びその他汚物の除去、成型品表面の活
性化、偏析層の除去等を、フッ酸、硝酸、硫酸、リン
酸、クロム酸等の単独もしくは混合溶液を用いる洗浄工
程。 4.クロム酸処理工程:耐食性を付与するため、一般的
にクロム酸系処理剤を用い、クロメート被膜を成型品表
面に施す工程。 5.洗浄工程: 前記クロメート被膜除去のためのアル
カリ洗浄および水洗等。 6.乾燥工程 7.塗装もしくはメッキ処理工程 8.組立工程
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記工程4の処理に
は、クロメート処理が一般に行われている(例えば特公
昭61−17911号等)。しかしながら、クロメート
処理は、処理条件の設定が困難であるため、より簡便な
防錆方法が望まれていた。また、クロメート処理を行う
と表面が変色し、金属光沢が失われる欠点を有している
とともに、近年の環境保護の声が高まる中、クロム系化
合物の使用制限もしくは全廃の動きがあり、環境に与え
る負荷の少ない処理方法が望まれていた。
【0005】クロメート処理に代わる処理方法がいくつ
か提案されている。例えば、アルカリ条件下で過マンガ
ン酸カリウムを処理する方法、酸性条件下でリン酸マン
ガンを処理する方法が挙げられる。しかしながら、何れ
もマンガンをマグネシウム表面に被覆させて防錆効果を
得るものであるが、効果がなお不十分であった。
【0006】本発明の課題は、耐食性、塗装密着性、電
磁波シールド性に優れたマグネシウム及び/又はマグネ
シウム合金製部品の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は (1)マグネシウム及び/又はマグネシウム合金製部品
を、(A)リン酸塩を含有する表面処理剤により処理し
た後、(B)防錆前処理剤で処理することを特徴とする
処理されたマグネシウム及び/又はマグネシウム合金製
部品の製造方法、(2)マグネシウム及び/又はマグネ
シウム合金製部品を、(A)リン酸塩を含有する表面処
理剤により処理した後、(B)防錆前処理剤で処理し、
次いで(D)マグネシウム用防錆剤により処理すること
を特徴とする処理されたマグネシウム及び/又はマグネ
シウム合金製部品の製造方法、
【0008】(3)マグネシウム及び/又はマグネシウ
ム合金製部品を、(A)リン酸塩を含有する表面処理剤
により処理した後、(B)防錆前処理剤で処理し、次い
で(C)芳香族カルボン酸もしくはその塩類より選ばれ
る少なくとも1種及び界面活性剤を含有する洗浄剤によ
り処理し、更に(D)マグネシウム用防錆剤により処理
することを特徴とする処理されたマグネシウム及び/又
はマグネシウム合金製部品の製造方法、(4)(A)の
処理剤として、リン酸塩に、芳香族カルボン酸もしくは
その塩類より選ばれる少なくとも1種、又は更にピラゾ
ール系化合物もしくはトリアゾール系化合物より選ばれ
る少なくとも1種を配合した処理剤を使用する上記
(1)〜(3)に記載の製造方法、
【0009】(5)(D)の処理剤として、芳香族カル
ボン酸もしくはその塩類より選ばれる少なくとも1種、
又はこれにピラゾール系化合物もしくはトリアゾール系
化合物より選ばれる少なくとも1種を配合した処理剤を
使用する上記(1)〜(4)に記載の製造方法、(6)
(A)、(B)、(C)、(D)の工程の少なくとも1
工程以上を超音波の発生下に行う上記(1)〜(5)に
記載の製造方法。(7)(A)、(B)、(C)、
(D)の各工程の少なくとも1以上の次の工程におい
て、水洗工程を付加する上記(1)〜(6)に記載の製
造方法に係る。
【0010】更に本発明はマグネシウム及び/又はマグ
ネシウム合金製部品を、(1)必要によりバリ取りし、
(2)リン酸塩を含有する表面処理剤で処理し、(3)
防錆前処理剤で処理し、(4)マグネシウム用防錆剤で
防錆処理し、(5)乾燥、(6)塗装又はメッキ処理し
た後、(7)組み立てることを特徴とする処理されたマ
グネシウム及び/又はマグネシウム合金製部品の製造方
法に係る。
【0011】本発明者等は、クロメート処理剤の代替薬
剤について、種々検討した。検討の中で、耐食性、塗装
密着性、電磁波シールド性の向上に寄与する要因の一つ
が、防錆処理に至る前段階での処理にあることが判明し
た。
【0012】本発明者等は、PCT/JP00/000
19において、マグネシウム及び/又はマグネシウム合
金の成型品に有用な、リン酸塩、並びに芳香族カルボン
酸及びその塩類より選ばれる少なくとも1種を含有して
なる表面処理剤を提案した。本発明者等は該表面処理剤
を用い、更に防錆効果、塗装密着性及び電磁波シールド
性の向上を目指し、鋭意研究を進めた。その結果、リン
酸塩、又はこれと芳香族カルボン酸及びその塩類より選
ばれる少なくとも1種を含有してなる表面処理剤をマグ
ネシウム及び/又はマグネシウム合金の成型品に処理し
た後、防錆前処理剤で処理することによって、その後の
防錆処理及び塗装若しくはメッキ処理の効果が格段に向
上することを見出し、本発明を完成した。また上記リン
酸塩、芳香族カルボン酸及びその塩類より選ばれる少な
くとも1種及びピラゾール系化合物もしくはトリアゾー
ル系化合物より選ばれる少なくとも1種を含有してなる
表面処理剤を使用しても同様の効果を得た。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる表面処理剤は
リン酸塩を含有する。リン酸塩としては、例えばオルト
リン酸、縮合リン酸類のアンモニウム塩及びアルカノー
ルアミン塩が挙げられる。縮合リン酸としては、メタリ
ン酸、ポリリン酸が例示できる。メタリン酸としては、
トリメタリン酸、テトラメタリン酸等を例示できる。ポ
リリン酸としては、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等
を例示できる。
【0014】具体的には、第一リン酸アンモニウム、第
二リン酸アンモニウム、第三リン酸アンモニウム、リン
酸モノエタノールアミン、リン酸ジエタノールアミン、
リン酸トリエタノールアミン、リン酸イソプロパノール
アミン、トリメタリン酸アンモニウム塩、テトラメタリ
ン酸アンモニウム塩、テトラメタリン酸エタノールアミ
ン塩、三リン酸アンモニウム塩、四リン酸アンモニウム
塩等が挙げられる。これらリン酸塩は単独で、もしくは
二種以上併用できる。
【0015】これらの中でもリン酸類のアンモニウム塩
及びアルカノールアミン塩が適度なエッチング効果を有
し、洗浄後のスマットの発生が少ないことから好まし
く、更に好ましくは、高い安全性を有し、廃水処理が容
易であり、マグネシウム及び/又はマグネシウム合金の
表面を容易にエッチングでき、且つ過度のエッチングを
防止する等といった理由で縮合リン酸アンモニウムが特
に好ましい。
【0016】該縮合リン酸アンモニウムは公知のもので
あり、例えば、オルトリン酸(正リン酸)と尿素とを加
熱縮合させることにより得られ、この場合に於いてはオ
ルトリン酸と尿素とのモル比がオルトリン酸:尿素=
1:0.5〜1:5となる条件下で行うのが好ましい。
表面処理剤としては、反応生成物中の未反応の原料、即
ちオルトリン酸および尿素が含まれていてもよく、本発
明の効果において何ら問題なく使用できる。
【0017】本発明の表面処理剤を用いてマグネシウム
及び/又はマグネシウム合金製部品を表面処理する際の
リン酸塩の濃度は、通常0.001〜90重量%程度、
好ましくは0.5〜50重量%程度、より好ましくは1
〜40重量%程度とするがよい。濃度が50重量%を上
回ると、洗浄後のマグネシウム表面が黒変し、一方0.
5重量%よりも少ないとエッチング不足となり、脱脂効
果が不十分となる傾向がある。
【0018】しかしながらリン酸塩の濃度が0.5重量
%程度よりも少ない場合で比較的にエッチング不足ある
いは脱脂効果が不十分であっても、次工程の防錆前処理
剤による処理を行うと、この不具合が補完される。また
リン酸塩の濃度が50重量%程度よりも高くてマグネシ
ウム表面が黒変した場合にも、次工程の防錆前理剤によ
る処理を行うと、この不具合が解消される。
【0019】本発明ではこのように広い範囲のリン酸塩
濃度の表面処理剤を使用することができ、上記のような
低濃度のリン酸塩を用いた場合はコスト面で有利であ
り、よりマイルドな表面処理ができ、表面を緻密にする
ことができること、また、処理状態の制御が容易になる
という長所があり、また上記のような高濃度のリン酸塩
を用いた場合は処理時間が短縮されると共に、後の耐食
性、塗装密着性、電磁波シールド性に対する効果の向上
が期待できるという長所がある。このようなリン酸塩が
50重量%を越えると表面が黒変するという現象はマグ
ネシウムに特有のことである。また、アルミニウムや亜
鉛のような金属に本発明の製造方法を適用しても充分な
効果は得られなかった。
【0020】本発明において表面処理剤として、上記リ
ン酸塩に、芳香族カルボン酸もしくはその塩類より選ば
れる少なくとも1種、又は更にピラゾール系化合物もし
くはトリアゾール系化合物より選ばれる少なくとも1種
を配合したものを使用することもできる。
【0021】芳香族カルボン酸としては、式(1)のベ
ンゼン環1位にR、2〜6位の任意の位置にR、R
、Rの置換した化合物、又は式(2)のナフタレン
環1位にR、8位にR、2〜7位の任意の位置にR
、R、R、R、R、Rの置換した化合物を
好ましく用いることができる。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】(式中、R1はカルボキシル基、カルボキ
シメチル基又はカルボキシビニル基、R、R
、R、R及びRは同一又は異なって、水素原
子、C1〜 アルキル基、ニトロ基、ハロゲン原子又は
アミノ基を、Rは水素原子、カルボキシル基、カルボ
キシメチル基又はカルボキシビニル基を示す)
【0025】かかる芳香族カルボン酸の具体例として
は、安息香酸、クミン酸、o−クミン酸、m−クミン
酸、p−tert−ブチル安息香酸、m−トルイル酸、
o−トルイル酸、p−トルイル酸、ヒドロキシトルイル
酸、モノニトロ安息香酸、ジニトロ安息香酸、ニトロト
ルイル酸、ニトロフタル酸、クロロ安息香酸、パラニト
ロフェニル酢酸、ニトロ桂皮酸、ナフトエ酸、2−ヒド
ロキシナフトエ酸、ナフタル酸等を例示できる。
【0026】また、これらの塩類としては、各種の有機
塩基及び無機塩基との塩類を用いることができる。有機
塩基の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプ
ロパノールアミン等のアルカノールアミン類、メチルア
ミン、エチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族
アミン類、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン(1,3−BAMCH)、エチレンジアミン等の脂肪
族ジアミン類、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラメチルアンモニウムニトレート等のアンモニ
ウム塩、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]−5−ノネン)、1−アミノピロリジン、
モルホリン等の環状アミン類を例示できる。無機塩基の
具体例としては、アンモニア、ヒドラジン、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類を
例示できる。これらの塩類は、1種を単独で又は2種以
上を同時に用いることができる。これらの塩類は、芳香
族カルボン酸を塩とせずに用いる場合に比較して、水へ
の溶解性に優れ、また優れた防錆力を有するため、より
好ましい。
【0027】これらの塩類の中でもアルカノールアミン
類及び脂肪族ジアミン類等の有機アミン塩、アンモニア
塩及びヒドラジン塩では、処理後に被処理物表面に結晶
物を付着させず、また、良好な表面性を与えることから
特に好ましい。本発明において、特に好ましい芳香族カ
ルボン酸およびその塩としては、クミン酸、o−クミン
酸、m−クミン酸、p−tert−ブチル安息香酸、m
−トルイル酸、o−トルイル酸及びp−トルイル酸のア
ルカノールアミン塩が挙げられる。
【0028】芳香族カルボン酸と共にピラゾール系化合
物又はトリアゾール系化合物を併用する事が防錆性能向
上の観点から好ましい。ピラゾール系化合物の具体例と
しては、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3
−メチル−5−ヒドロキシピラゾール、4−アミノピラ
ゾール等を例示できる。トリアゾール系化合物のとして
は、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール
及びベンゾトリアゾール等のトリアゾール化合物並びに
これらのトリアゾール化合物の任意の位置にC〜C
のアルキル基、メルカプト基、ヒドロキシル基等が置換
されたトリアゾール誘導体を例示できる。
【0029】かかるトリアゾール系化合物の具体例とし
ては1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾー
ル、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒ
ドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,
2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリア
ゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリ
アゾール、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、ベン
ゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等
を例示できる。それらの中でも、1,2,3−トリアゾー
ル、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、3
−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキ
シ−1,2,4−トリアゾールが好ましく、1,2,3−ト
リアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト
−1,2,4−トリアゾールが特に好ましい。これらのピ
ラゾール系化合物又はトリアゾール系化合物は1種単独
で、又は2種以上を同時に用いることができる。
【0030】本発明の防錆前処理剤としては、例えばモ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロ
パノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアル
カノールアミン類、メチルアミン、エチルアミン、シク
ロヘキシルアミン等の脂肪族アミン類、1,3−BAM
CH、エチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類、TMA
H、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメ
チルアンモニウムニトレート等のアンモニウム塩、DB
U、DBN、1−アミノピロリジン、モルホリン等の環
状アミン類、アンモニア、ヒドラジン、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、オル
ト珪酸ナトリウム、オルト珪酸カリウム、メタ珪酸ナト
リウム、メタ珪酸カリウム等の珪酸のアルカリ金属塩な
どを例示できる。これらの防錆前処理剤は、1種を単独
で又は2種以上を同時に用いることができる。これらの
中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカ
リ金属水酸化物、TMAH等のアンモニウム塩が特に好
ましい。
【0031】防錆前処理剤の濃度は1〜50重量%程
度、好ましくは5〜35重量%程度とするのがよい。防
錆前処理剤は、防錆剤による処理の前に使用される処理
剤であり、スプレーやロールコーター等を用いて噴霧或
いは塗布したり、処理液剤中にこれらを浸漬させる方法
等で処理することができる。
【0032】本発明のマグネシウム用防錆剤としては、
クロム酸、重クロメート、リン酸マンガン、過マンガン
酸カリウム、改良クロム酸、硝酸第二鉄、錫酸、リン酸
ジルコニウム、塩化第一錫および本発明者らがPCT/
JP00/00019において提案した芳香族カルボン
酸及びその塩類より選ばれる少なくとも一種を含有する
マグネシウム及び/又はマグネシウム合金用防錆剤等が
使用できるが、ノンクロメートの観点から、リン酸マン
ガン、過マンガン酸カリウム、硝酸第二鉄、錫酸、リン
酸ジルコニウム、塩化第一錫および芳香族カルボン酸及
びその塩類より選ばれる少なくとも一種を含有するマグ
ネシウム及び/又はマグネシウム合金用防錆剤で処理す
るのが好ましい。芳香族カルボン酸及びその塩類を用い
る場合、その濃度は、適宜設定できるが、通常、合計量
で0.01〜30重量%程度、好ましくは0.1〜10重
量%程度とするのがよい。また前記したピラゾール系化
合物もしくはトリアゾール系化合物より選ばれる少なく
とも1種を併用することもできる。ピラゾール系化合物
又はトリアゾール系化合物を併用する場合には、その処
理剤中の濃度は0.01〜30重量%程度、好ましくは
0.1〜10重量%程度とするのがよく、芳香族カルボ
ン酸及びその塩類に対する割合としては重量比で(芳香
族カルボン酸及びその塩類):(ピラゾール系化合物又
はトリアゾール系化合物)=10:1〜1:10の割合
を例示できる。
【0033】また本発明の洗浄剤としては、前記した芳
香族カルボン酸もしくはその塩類より選ばれる少なくと
も1種及び界面活性剤を含有するものを使用することが
できる。また洗浄剤に前記したピラゾール系化合物もし
くはトリアゾール系化合物より選ばれる少なくとも1種
を併用することもできる。
【0034】界面活性剤としては公知のものが使用で
き、例えば、ノニオン性、両性等の界面活性剤が好まし
く使用でき、アニオン性、カチオン性等の界面活性剤も
使用することができる。
【0035】ノニオン性界面活性剤としては、特に制限
されず、具体的には例えば、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテ
ル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチ
レンモノステアレート等のポリオキシエチレングリコー
ル脂肪酸エステル類、ソルビタンモノラウレート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノラウレート等のソルビタ
ン脂肪酸エステル類、グリコールモノステアレート等の
グリコール脂肪酸エステル類、脂肪酸モノグリセリド類
等を挙げることができる。中でも、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル類が好ましく、更にHLB値が13〜15
であるものが特に好ましい。
【0036】両性界面活性剤としても特に制限されず、
具体的には例えばアルキルβ−アミノプロピオン酸類、
アルキルβ−イミノジプロピオン酸類、β−アミノプロ
ピオン酸等のアミノカルボン酸類、トリメチルグリシン
等のベタイン類が挙げられ、中でもβ−アミノプロピオ
ン酸、ベタイン類が好ましい。
【0037】アニオン性界面活性剤としても特に制限さ
れず、具体的には例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エス
テル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスル
ホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル
スルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスル
ホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアル
キル硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステル塩等を挙
げることができ、中でも脂肪酸塩、アルキルスルホコハ
ク酸塩等が好ましい。
【0038】カチオン性界面活性剤としても特に制限さ
れず、具体的には例えば、脂肪族アミンハロゲン酸塩、
ハロゲン化アルキルピリジニウム、第4級アンモニウム
塩等を挙げることができ、中でも脂肪族アミンハロゲン
酸塩、第4級アンモニウム塩が好ましい。
【0039】上記界面活性剤は単独で用いてもよく、或
いは2種以上を混合して使用してもよい。また、界面活
性剤の配合量は、通常組成物全量の0.001〜50重
量%程度、好ましくは0.01〜10重量%程度とすれ
ばよい。
【0040】本発明に用いられる表面処理剤、防錆前処
理剤、洗浄剤及び防錆剤は、そのままで、もしくは適当
な溶媒に溶解させた形態で用いることができるが、中で
も水溶液の形態で用いるのが好ましい。
【0041】表面処理剤及び洗浄剤中の芳香族カルボン
酸及びその塩類の濃度は、適宜設定できるが、通常、合
計量で0.01〜30重量%程度、好ましくは0.1〜1
0重量%程度とするのがよい。
【0042】また、表面処理剤及び洗浄剤において、ピ
ラゾール系化合物又はトリアゾール系化合物を併用する
場合には、その処理剤中の濃度は0.01〜30重量%
程度、好ましくは0.1〜10重量%程度とするのがよ
く、芳香族カルボン酸及びその塩類に対する割合として
は重量比で(芳香族カルボン酸及びその塩類):(ピラ
ゾール系化合物又はトリアゾール系化合物)=10:1
〜1:10の割合を例示できる。これら化合物の含有量
が多いほど、防錆効果は期待できるが、30重量%を大
きく超えると塗装密着性が悪くなる傾向がある。
【0043】表面処理剤、防錆前処理剤、洗浄剤及び防
錆剤においては、必要により例えば界面活性剤、キレー
ト剤、消泡剤等の各種添加剤を使用することができる。
本発明に用いる表面処理剤、防錆前処理剤、洗浄剤及び
防錆剤はそのままでも使用できるが、任意に希釈もしく
は濃縮して用いることができる。
【0044】本発明に用いる表面処理用剤、防錆前処理
剤、洗浄剤及び防錆剤を、チクソモールディング法又は
ダイカスト法により成形してなる成型品の活性化された
表面に、スプレーやロールコーター等を用いて噴霧或い
は塗布したり、処理液剤中にこれらを浸漬させる等で処
理する方法に採用することができる。
【0045】本発明に用いる表面処理剤を適用できる素
材としてのマグネシウム又はマグネシウム合金としては
特に制限はなく、マグネシウム単体又はマグネシウムと
他の金属等からなる合金、複合材料等に広く適用するこ
とができる。他の金属としてはアルミニウム、亜鉛、マ
ンガン、鉄、ニッケル、銅、鉛、錫、カルシウムより選
ばれる1種又は2種以上を例示できる。
【0046】該表面処理剤での処理と、防錆前処理剤で
の処理との間に酸洗工程を加えてもかまわない。酸洗工
程に用いられる薬剤としては、従来マグネシウム合金の
酸洗に用いられてきた薬剤が挙げられ、具体的には、硝
酸−硫酸、リン酸、硫酸、クロム酸−硝酸−フッ酸、ク
ロム酸、硝酸第二鉄、フッ酸、硝酸、酢酸−硝酸ソー
ダ、クロム酸−硝酸ソーダ、クロム酸−硫酸等の水溶液
が挙げられる。
【0047】また、該表面処理剤での処理の前に、ダイ
カスト法およびチクソモールディング法で製造された成
型品の機械的処理や脱脂処理工程を行ってもよい。機械
的処理としてはバリ取り、各種汚物の除去、各種研磨工
程が含まれる。研磨工程の1種であるバレル研磨には例
えば磁気バレル研磨も含まれ、これによると表面の凹凸
が少なく、例えば携帯電話等の膜厚の薄い塗装の場合に
も不良率を低くすることができる。
【0048】脱脂処理工程は前述したように、溶剤脱
脂、アルカリ脱脂、エマルジョン脱脂があるが、それら
の工程の1つまたはそれ以上組み合わせてもよい。本発
明の防錆前処理剤で処理した後に防錆処理、電気化学的
処理、又は下地メッキ処理を施し、必要に応じて塗装を
施し、組み立てることによって達成される。
【0049】本発明の上記(A)、(B)、(C)、
(D)の工程の少なくとも1工程以上を超音波の発生下
に行うには超音波発信器を備えた処理槽を使用すること
ができる。このような超音波の発生下に処理を行うこと
により、処理時間を短縮でき、大量に処理する場合、耐
食性、塗装密着性、電磁波シールド性の品質の均一性
(安定性)が得られる。
【0050】本発明の上記(A)、(B)、(C)、
(D)の各工程の少なくとも1以上の次の工程におい
て、水洗工程を付加することができる。この水洗は適当
な防錆剤を含んだ溶液で洗浄することもできる。このよ
うな水洗もしくは適当な防錆剤を含んだ溶液での洗浄の
後は乾燥を行うのが好ましい。
【0051】アルカリ脱脂処理を(E)、酸洗処理を
(F)、防錆処理を(D)、表面処理剤処理を(A)、
防錆前処理を(B)、洗浄剤処理を(C)とすると、従
来行われている一般的なマグネシウム及び/又はマグネ
シウム合金製部品の製造は(E)→(F)→(D)を経
て、塗装、組立により達成されている。
【0052】本発明の実施形態の具体例としては、 1.(A)→(B)→(D) 2.(A)→(B)→(C)→(D) 3.(A)→(F)→(B)→(D) 4.(A)→(F)→(B)→(C)→(D) 5.(E)→(A)→(B)→(D) 6.(E)→(A)→(B)→(C)→(D) 7.(E)→(A)→(F)→(B)→(D) 8.(E)→(A)→(F)→(B)→(C)→(D) 等が挙げられる。
【0053】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて説明する
が、これに限定されるものではない。なお単に部とある
のは重量部を示す。
【0054】参考例1 表面処理剤(1)の調製 オルトリン酸と尿素とをモル比で1:2の割合で混合
し、150〜160℃で2時間縮合反応させて縮合リン
酸アンモニウムを得た。この縮合リン酸アンモニウムに
は未反応の尿素およびオルトリン酸が含まれる。縮合リ
ン酸アンモニウムに脱イオン水を加え、55%(w/
w)縮合リン酸アンモニウム水溶液を得た。以下の実施
例及び比較例に於いても縮合リン酸アンモニウムは同様
である。55%(w/w)縮合リン酸アンモニウム水溶
液5部及びp−tert−ブチル安息香酸5部、1,2,
4−トリアゾール1部、ジエタノールアミン5部、ラオ
ールXA60/50(ライオン製、ノニオン系界面活性
剤)5部、パイオニンC(竹本油脂製、両性界面活性
剤)2.5部、テトロニックTR913R(旭電化製、
消泡剤)0.5部を脱イオン水に投入し、溶解させて1
00部の水溶液を得、5倍希釈して表面処理剤(1)を
得た。
【0055】参考例2 表面処理剤(2)の調製 55%(w/w)縮合リン酸アンモニウム水溶液10部
及びp−tert−ブチル安息香酸5部、3−メルカプ
ト−1,2,4−トリアゾール5部、イソプロパノールア
ミン5部、ラオールXA60/50 2.5部を脱イオ
ン水に投入し、溶解させて100部の水溶液を得、5倍
希釈して表面処理剤(2)を得た。
【0056】参考例3 表面処理剤(3)の調製 55%(w/w)縮合リン酸アンモニウム水溶液10部
及びラオールXA60/50 2.5部を脱イオン水に
投入し、溶解させて100部の水溶液を得、500倍希
釈して、表面処理剤(3)を得た。
【0057】参考例4 表面処理剤(4)の調製 55%(w/w)縮合リン酸アンモニウム水溶液100
部にラオールXA60/50 10部を加えて、表面処
理剤(4)を得た。
【0058】参考例5 表面処理剤(5)の調製 55重量%縮合リン酸アンモニウム水溶液100部を
2.5倍希釈して、表面処理剤(5)を得た。
【0059】参考例6 防錆剤(1)の調製 m−トルイル酸1.5部、3−メルカプト−1,2,4−
トリアゾール1.5部、イソプロパノールアミン1.5部
を脱イオン水に投入し、溶解させて防錆剤(1)100
部を得た。
【0060】参考例7 防錆剤(2)の調製 p−tert−ブチル安息香酸5部、3−メルカプト−
1,2,4−トリアゾール5部、イソプロパノールアミン
5部を脱イオン水に投入し、溶解させて100部の溶液
を得て、これを脱イオン水で更に10倍希釈して防錆剤
(2)を得た。
【0061】参考例8 防錆剤(3)の調製 m−トルイル酸5部、3−メルカプト−1,2,4−トリ
アゾール5部、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサン5部を脱イオン水に投入し、溶解させて100部
の溶液を得て、これを脱イオン水で更に10倍希釈して
防錆剤(3)を得た。
【0062】参考例9 洗浄剤(1)の調製 p−tert−ブチル安息香酸5部、1,2,4−トリア
ゾール1部、ジエタノールアミン5部、ラオールXA6
0/50 5部、パイオニンC2.5部、テトロニック
TR913R 0.5部を脱イオン水に投入し、溶解さ
せて100部の水溶液を得、5倍希釈して洗浄剤(1)
を得た。
【0063】実施例1 金型に離型剤(キャスターエース225、株式会社日米
製)を塗布し、マグネシウム合金AZ91D(マグネシ
ウム90%、アルミニウム9%、亜鉛1%含有)をダイ
カスト成形機(東芝製)で成型した板状成型品(10×
15×0.2cm)を用いた。以下の実施例も同様であ
る。板状成型品を参考例1で調製した表面処理剤(1)
に40℃、10分間浸漬し、脱イオン水で1分間洗浄し
た後、防錆前処理剤としての10%(w/v)水酸化カ
リウム水溶液に60℃、15分間浸漬し、脱イオン水で
1分間洗浄した(以下、この操作を工程1とする)。続
いて、リン酸二水素アンモニウム100g、過マンガン
酸カリウム20gを含有し、オルトリン酸でpH3.5
に調製したリン酸マンガン水溶液1Lに40℃、15分
間浸漬した(以下、この操作を「マンガン処理」とす
る)。水洗、乾燥して、試験片1を得た。
【0064】実施例2 板状成型品に工程1を施した後、得られた板状成型品
を、参考例9で調製した洗浄剤(1)に50℃、15分
間浸漬し、水洗後、参考例6で調製した防錆剤(1)に
室温で1分間浸漬し、乾燥して、試験片2を得た。
【0065】実施例3 実施例1で得られた試験片1を、参考例6で調製した防
錆剤(1)に室温で1分間浸漬し、乾燥して、試験片3
を得た。
【0066】実施例4 板状成型品を参考例1で調製した表面処理剤(1)に4
0℃、10分間浸漬し、脱イオン水で1分間洗浄した
後、5%(w/v)リン酸に室温で0.5分間浸漬し、
1分間水洗後、防錆前処理剤としての10%(w/v)
水酸化カリウム水溶液に60℃、15分間浸漬し、脱イ
オン水で1分間洗浄した(以下、この操作を工程2とす
る)。続いて、マンガン処理し、水洗、乾燥して、試験
片4を得た。
【0067】実施例5 板状成型品に工程2を施した後、得られた板状成型品
を、参考例9で調製した洗浄剤(1)に50℃、15分
間浸漬し、水洗後、参考例6で調製した防錆剤(1)に
室温で1分間浸漬し、乾燥して、試験片5を得た。
【0068】実施例6 実施例4で得られた試験片4を、参考例6で調製した防
錆剤(1)に室温で1分間浸漬し、乾燥して、試験片6
を得た。
【0069】実施例7 板状成型品を、5%(w/v)リン酸一水素ナトリウム
水溶液に50〜70℃、5分間浸漬し、1分間水洗し、
参考例1で調製した表面処理剤(1)に40℃、10分
間浸漬し、脱イオン水で1分間洗浄した後、防錆前処理
剤としての10%(w/v)水酸化カリウム水溶液に6
0℃、15分間浸漬し、脱イオン水で1分間洗浄した
(以下、この操作を工程3とする)。続いて、マンガン
処理し、水洗、乾燥して、試験片7を得た。
【0070】実施例8 板状成型品に工程3を施した後、得られた板状成型品
を、参考例9で調製した洗浄剤(1)に50℃、15分
間浸漬し、水洗後、参考例6で調製した防錆剤(1)に
室温で1分間浸漬し、乾燥して、試験片8を得た。
【0071】実施例9 実施例7で得られた試験片7を、参考例6で調製した防
錆剤(1)に室温で1分間浸漬し、乾燥して、試験片9
を得た。
【0072】実施例10 板状成型品を参考例2で調製した表面処理剤(2)に超
音波発生下40℃、1分間浸漬し、脱イオン水で1分間
洗浄した後、防錆前処理剤としての10%(w/v)水
酸化カリウム水溶液に超音波発生下60℃、5分間浸漬
し、脱イオン水で1分間洗浄した。続いて、参考例7で
調製した防錆剤(2)に超音波発生下40℃、1分間浸
漬し、乾燥して、試験片10を得た。なお、超音波発生
は、超音波洗浄機[(株)カイジョー製 C−6356
N型、発振器26KHz、600W]を用いた。以下同
様である。
【0073】実施例11 板状成型品を参考例3で調製した表面処理剤(3)に超
音波発生下40℃、30分間浸漬し、脱イオン水で1分
間洗浄した後、10%(w/v)水酸化カリウム水溶液
に超音波発生下60℃、5分間浸漬し、脱イオン水で1
分間洗浄した。続いて、参考例7で調製した防錆剤
(2)に超音波発生下40℃、1分間浸漬し、乾燥し
て、試験片11を得た。
【0074】実施例12 板状成型品を参考例4で調製した表面処理剤(4)に超
音波発生下40℃、1分間浸漬し、脱イオン水で1分間
洗浄した後、10%(w/v)水酸化カリウム水溶液に
超音波発生下60℃、5分間浸漬し、脱イオン水で1分
間洗浄した。続いて、参考例7で調製した防錆剤(2)
に超音波発生下40℃、1分間浸漬し、乾燥して、試験
片12を得た。
【0075】実施例13 板状成型品を参考例5で調製した表面処理剤(5)に超
音波発生下40℃、1分間浸漬し、脱イオン水で1分間
洗浄した後、防錆前処理剤としての10%(w/v)水
酸化カリウム水溶液に超音波発生下60℃、10分間浸
漬し、脱イオン水で1分間洗浄した。得られた板状成型
品を、参考例9で調製した洗浄剤(1)に超音波発生下
50℃、5分間浸漬し、水洗後、参考例7で調製した防
錆剤(2)に40℃、1分間浸漬し、乾燥して、試験片
13を得た。
【0076】実施例14 参考例7で調製した防錆剤(2)の替わりに、参考例8
で調製した防錆剤(3)を用いた以外は、実施例13と
同様に操作し、試験片14を得た。
【0077】実施例15 防錆前処理剤としての10%(w/v)水酸化カリウム
水溶液の替わりに、25%(w/v)テトラメチルアン
モニウムハイドロオキサイド用いた以外は、実施例13
と同様に操作し、試験片15を得た。
【0078】比較例1 板状成型品を、5%(w/v)リン酸一水素ナトリウム
水溶液に50〜70℃、5分間浸漬し、1分間水洗後、
10%(w/v)水酸化カリウム水溶液に60℃、15
分間浸漬し、1分間水洗した。続いて、マンガン処理
し、水洗、乾燥して、比較試験片1を得た。
【0079】比較例2 板状成型品を、参考例1で調製した表面処理剤(1)に
40℃、10分間浸漬し、脱イオン水で1分間洗浄し
た。続いて、マンガン処理し、水洗、乾燥して、比較試
験片2を得た。
【0080】比較例3 板状成型品を、10%(w/v)水酸化カリウム水溶液
に60℃、15分間浸漬し、脱イオン水で1分間洗浄し
た後、参考例9で調製した洗浄剤(1)に50℃、15
分間浸漬した。水洗後、参考例1で調製した表面処理剤
(1)に40℃、10分間浸漬し、脱イオン水で1分間
洗浄し、参考例6で調製した防錆剤(1)に室温で1分
間浸漬し、乾燥して、比較試験片3を得た。
【0081】比較例4 板状成型品を参考例2で調製した表面処理剤(2)に超
音波発生下40℃、1分間浸漬し、脱イオン水で1分間
洗浄した後、参考例7で調製した防錆剤(2)に超音波
発生下40℃、1分間浸漬し、乾燥して、比較試験片4
を得た。
【0082】比較例5 板状成型品を10%(w/v)水酸化カリウム水溶液に
超音波発生下60℃、5分間浸漬し、脱イオン水で1分
間洗浄した。続いて、参考例7で調製した防錆剤(2)
に超音波発生下40℃、1分間浸漬し、乾燥して、比較
試験片5を得た。
【0083】比較例6 板状成型品を、リン酸一水素ナトリウム5部、m−トル
イル酸1部、1,2,4−トリアゾール1部およびイソプ
ロパノールアミン2部、残部水からなる100部水溶液
に超音波発生下40℃、1分間浸漬し、脱イオン水で1
分間洗浄した後、10%(w/v)水酸化カリウム水溶
液に超音波発生下60℃、5分間浸漬し、脱イオン水で
1分間洗浄した。続いて、参考例7で調製した防錆剤
(2)に超音波発生下40℃、1分間浸漬し、乾燥し
て、比較試験片6を得た。
【0084】試験例1(塩水噴霧試験) 実施例1〜15及び比較例1〜6で調製した各試験片
に、5%(w/v)食塩水を35℃で8時間噴霧し、発
錆状況を確認した。発錆状況が、試験片表面積の0〜3
%未満のものを○、3〜11%未満のものを△、11%
以上のものを×として評価し、表1に示した。
【0085】試験例2(抵抗率試験) 接触抵抗計ロレスターMP(株式会社ダイアインスツル
メンツ製)を用い、各試験片表面の任意の5点(3反
復)での抵抗値を、二探針方式(プローブ:三菱化学社
製 ロレスターMP)で測定した。尚、測定は試験例1
の塩水噴霧試験の前後で行った。抵抗値が塩水噴霧試験
前で0.6Ω以下の物を○、0.6Ωよりも大きいものを
×とし、塩水噴霧試験後で1.0Ω以下の物を○、1.0
Ωよりも大きいものを×として評価した。結果を表1に
示した。
【0086】
【表1】
【0087】試験例3(初期密着性試験) 実施例2又は10〜13で得られた各試験片に、メタリ
ックサテン粉末塗料を塗装機(日本パーカライジング
製)で塗装し、焼き付け処理(200℃、15分間)を
行い、各試験片について碁盤目試験を行った。結果を表
2に示す。
【0088】
【表2】
【0089】試験例4(2次密着性試験) 試験片2及び10にクロスカットを施し、35℃で5%
塩化ナトリウム水溶液を120時間連続で噴霧した。カ
ット部に沿って粘着テープ(幅18mm)完全に付着さ
せた後、瞬間的に剥がして塗膜の剥離状態を測定した。
尚、剥離状態は、Xカットテープ法(JIS K 54
00 8.5.3)の評価点数に準じて評価した。結果を
表3に示した。
【0090】
【表3】
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、耐食性、塗装密着性、
電磁波シールド性に優れたマグネシウム及び/又はマグ
ネシウム合金製部品を製造することができる。本発明に
おいては、防錆効果、塗装密着性及び電磁波シールド性
の向上を目指し、鋭意研究を進めた結果、リン酸塩、又
はこれと芳香族カルボン酸及びその塩類より選ばれる少
なくとも1種、又は更にはピラゾール系化合物もしくは
トリアゾール系化合物より選ばれる少なくとも1種を含
有してなる表面処理剤をマグネシウム及び/又はマグネ
シウム合金の成型品に処理した後、防錆前処理剤で処理
することによって、その後の防錆処理及び塗装若しくは
メッキ処理の効果が格段に向上する。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム及び/又はマグネシウム合
    金製部品を、(A)リン酸塩を含有する表面処理剤によ
    り処理した後、(B)防錆前処理剤で処理することを特
    徴とする処理されたマグネシウム及び/又はマグネシウ
    ム合金製部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 マグネシウム及び/又はマグネシウム合
    金製部品を、(A)リン酸塩を含有する表面処理剤によ
    り処理した後、(B)防錆前処理剤で処理し、次いで
    (D)マグネシウム用防錆剤により処理することを特徴
    とする処理されたマグネシウム及び/又はマグネシウム
    合金製部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 マグネシウム及び/又はマグネシウム合
    金製部品を、(A)リン酸塩を含有する表面処理剤によ
    り処理した後、(B)防錆前処理剤で処理し、次いで
    (C)芳香族カルボン酸もしくはその塩類より選ばれる
    少なくとも1種及び界面活性剤を含有する洗浄剤により
    処理し、更に(D)マグネシウム用防錆剤により処理す
    ることを特徴とする処理されたマグネシウム及び/又は
    マグネシウム合金製部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 (A)の処理剤として、リン酸塩に、芳
    香族カルボン酸もしくはその塩類より選ばれる少なくと
    も1種、又は更にピラゾール系化合物もしくはトリアゾ
    ール系化合物より選ばれる少なくとも1種を配合した処
    理剤を使用する請求項1〜3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 (D)のマグネシウム用防錆剤として、
    芳香族カルボン酸もしくはその塩類より選ばれる少なく
    とも1種を使用する請求項2〜3に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 (D)のマグネシウム用防錆剤として、
    芳香族カルボン酸もしくはその塩類より選ばれる少なく
    とも1種に、ピラゾール系化合物もしくはトリアゾール
    系化合物より選ばれる少なくとも1種を配合した処理剤
    を使用する請求項2〜3に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 (C)の洗浄剤として、芳香族カルボン
    酸もしくはその塩類より選ばれる少なくとも1種、ピラ
    ゾール系化合物もしくはトリアゾール系化合物より選ば
    れる少なくとも1種及び界面活性剤を使用する請求項3
    に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 (A)、(B)、(C)、(D)の工程
    の少なくとも1工程以上を超音波の発生下に行う請求項
    1〜7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 (A)、(B)、(C)、(D)の各工
    程の少なくとも1以上の次の工程において、水洗工程を
    付加する請求項1〜8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 リン酸塩がリン酸類のアンモニウム塩
    又はアルカノールアミン塩の少なくとも1種である請求
    項1〜9に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 リン酸塩が縮合リン酸アンモニウムで
    ある請求項1〜10に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 芳香族カルボン酸もしくはその塩がク
    ミン酸、o−クミン酸、m−クミン酸、p−tert−
    ブチル安息香酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸また
    はp−トルイル酸又はこれらのアルカノールアミン塩で
    ある請求項1〜11に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 防錆前処理剤が、アルカリ金属水酸化
    物、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドから選ば
    れる少なくとも1種である請求項1〜12に記載の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 トリアゾール系化合物が、1,2,3−
    トリアゾール、1,2,4−トリアゾール又は3−メルカ
    プト−1,2,4−トリアゾールである請求項4、6又は
    7に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 マグネシウム及び/又はマグネシウム
    合金製部品を、(1)必要によりバリ取りし、(2)リ
    ン酸塩を含有する表面処理剤で処理し、(3)防錆前処
    理剤で処理し、(4)マグネシウム用防錆剤で防錆処理
    し、(5)乾燥、(6)塗装又はメッキ処理した後、
    (7)組み立てることを特徴とする処理されたマグネシ
    ウム及び/又はマグネシウム合金製部品の製造方法。
  16. 【請求項16】 マグネシウム及び/又はマグネシウム
    合金製部品を、(1)必要によりバリ取りし、(2)リ
    ン酸塩を含有する表面処理剤で処理し、(2−1)水洗
    し、(3)防錆前処理剤で処理し、(3−1)水洗し、
    (4)マグネシウム用防錆剤で防錆処理し、(4−1)
    任意に水洗し、(5)乾燥、(6)塗装又はメッキ処理
    した後、(7)組み立てることを特徴とする処理された
    マグネシウム及び/又はマグネシウム合金製部品の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 マグネシウム及び/又はマグネシウム
    合金製部品を、(1)必要によりバリ取りし、(2)リ
    ン酸塩を含有する表面処理剤で処理し、(2−1)水洗
    し、(3)防錆前処理剤で処理し、(3−2)芳香族カ
    ルボン酸もしくはその塩類より選ばれる少なくとも1種
    及び界面活性剤を含有する洗浄剤により洗浄し、(4)
    マグネシウム用防錆剤で防錆処理し、(4−1)水洗
    し、(5)乾燥、(6)塗装又はメッキ処理した後、
    (7)組み立てることを特徴とする処理されたマグネシ
    ウム及び/又はマグネシウム合金製部品の製造方法。
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