JP2002010399A - 音場補正方法及びオーディオ装置 - Google Patents

音場補正方法及びオーディオ装置

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JP2002010399A
JP2002010399A JP2000192060A JP2000192060A JP2002010399A JP 2002010399 A JP2002010399 A JP 2002010399A JP 2000192060 A JP2000192060 A JP 2000192060A JP 2000192060 A JP2000192060 A JP 2000192060A JP 2002010399 A JP2002010399 A JP 2002010399A
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sound
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Shinji Kobayashi
真治 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、定在波を低減することで閉じた空間
内の音場を補正する音場補正方法の提供を目的とする。 【解決手段】スピーカに供給されるオーディオ信号か
ら、定在波の影響を受ける周波数成分を取り出し、その
取り出した周波数成分に含まれる最低周波数定在波の偶
数次倍音成分を抽出して、それらを加算し、その加算信
号に応じた信号を差し引く形でオーディオ信号を補正し
て、スピーカに供給するように処理する。これにより、
音質に大きな影響を及ぼす最低周波数定在波がもたらす
偶数次倍音成分の音圧レベルの盛り上がりの発生が抑え
られ、定在波を大幅に低減できるようになることで、閉
じた空間内の音質を大きく改善できるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定在波を低減する
ことで閉じた空間内の音場を補正する音場補正方法と、
その音場補正を実現するオーディオ装置とに関し、特
に、音質に大きな影響を及ぼす最低周波数定在波がもた
らす偶数次倍音成分の音圧レベルの盛り上がりの発生を
抑えることで、定在波を大幅に低減できるようにする音
場補正方法と、その音場補正を実現するオーディオ装置
とに関する。
【0002】車室のような閉じた空間では定在波が存在
することで、原音とは異なる音が再生されてしまうこと
になる。これから、定在波を低減することで原音に近い
音を再生していく必要がある。
【0003】
【従来の技術】特開平8-331682 号に記載されるよう
に、車室空間では、図5に示すように、車室空間の大き
さに応じた定在波(図中に示すものは最低周波数の定在
波であり、音質に大きな影響を及ぼす定在波である)が
存在することになる。
【0004】これから、この定在波の節の位置で、その
周波数の音圧レベルが凹む(ディップが発生する)とい
う現象が発生する。
【0005】そして、図6からも分かるように、この定
在波の節の位置で、その周波数の偶数次倍音成分の音圧
レベルが盛り上がる(ピークが発生する)とともに、こ
の定在波の節の位置で、その周波数の奇数次倍音成分の
音圧レベルが凹むという現象が発生する。
【0006】従来では、この定在波による音圧レベルの
凹みの発生を防止するために、特開平8-331682 号に記
載されるように、音圧レベルの凹む視聴位置の近傍にス
ピーカを配置して、そのスピーカに対して、音圧レベル
の凹んだ周波数成分の音を出力することで、その視聴位
置での音が原音に近いものになるようにするという方法
を用いていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
では、定在波により発生する音圧レベルの凹みの発生を
抑えることで、定在波を低減するという方法を用いてい
る。
【0008】一方、上述したように、定在波により音圧
レベルが凹む場合、その周波数の偶数次倍音成分の音圧
レベルが盛り上がるという現象が発生する。
【0009】しかしながら、従来技術では、この偶数次
倍音成分の音圧レベルの盛り上がりの発生を抑えること
で、定在波を低減するという対策をとってはいない。
【0010】これから、従来技術に従っていると、定在
波を十分低減できないという問題点があった。
【0011】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、音質に大きな影響を及ぼす最低周波数定在波
がもたらす偶数次倍音成分の音圧レベルの盛り上がりの
発生を抑えることで、定在波を大幅に低減できるように
する新たな音場補正方法の提供と、その音場補正を実現
する新たなオーディオ装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の音場補正方法では、閉じた空間内の音場を
補正するために、スピーカに供給するオーディオ信号か
ら、定在波の影響を受ける周波数成分を取り出し、その
取り出した周波数成分に含まれる最低周波数定在波の偶
数次倍音成分を抽出して、それらを加算し、その加算信
号に応じた信号を差し引く形でオーディオ信号を補正し
て、スピーカに供給するように処理する。
【0013】このように、本発明では、音質に大きな影
響を及ぼす最低周波数定在波がもたらす偶数次倍音成分
の音圧レベルの盛り上がりの発生を抑えるように処理す
ることから、定在波を大幅に低減できるようになること
で、閉じた空間内の音質を大きく改善できるようにな
る。
【0014】そして、この閉じた空間内の音質の改善を
特別なスピーカを用意することなく、簡単な回路機能を
追加するだけで実現できるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に従って本発明
を詳細に説明する。
【0016】図1に、本発明の一実施形態例を図示す
る。
【0017】この図に示すように、車室内では、通常、
カーステレオ5の出力するフロント左右のオーディオ信
号をアンプ3を使って増幅して、それを車室内に配置さ
れる左右2つのフロントスピーカ1に出力するととも
に、カーステレオ5の出力するリア左右のオーディオ信
号をアンプ4を使って増幅して、それを車室内に配置さ
れる左右2つのリアスピーカ2に出力するという構成が
採られている。
【0018】本発明は、このような構成が採られるとき
に、新たに信号処理回路6を設ける構成を採って、カー
ステレオ5の出力するリア左右のオーディオ信号を、こ
の信号処理回路6で信号処理してから、アンプ4を使っ
て増幅して、それをリアスピーカ2に出力するという構
成を採る。
【0019】図2に、信号処理回路6の一実施形態例を
図示する。
【0020】この図に示すように、信号処理回路6は、
カーステレオ5の出力するリア左右のオーディオ信号の
中から、定在波の影響の大きい600Hz以下の周波数
成分を取り出すローパスフィルタ60と、ローパスフィ
ルタ60の出力信号に含まれる最低周波数定在波の偶数
次倍音成分を抽出して加算する加算器61と、加算器6
1の出力信号の位相を反転させる位相反転回路62と、
位相反転回路62の出力信号に対して、その信号を約5
〜16ms(最低周波数定在波の1/2波長分に相当す
る、左右のスピーカの距離による補正値)シフトさせつ
つ−4〜−8db程度ミックスするディレイ回路63
と、ディレイ回路63によりミックスされた信号を−6
〜−12db減衰させてアンプ4に入力することで、そ
の信号をカーステレオ5の出力するリア左右のオーディ
オ信号に加算(位相反転しているので減算となる)する
アッテネータ64とを備える。
【0021】ここで、ディレイ回路63は、最低周波数
定在波による減衰を改善し、それ以上の周波数について
自然に合成させるために用意している。
【0022】また、アッテネータ64を使って、ディレ
イ回路63によりミックスされた信号を−6〜−12d
b減衰させるようにしているのは、−12db以下の減
衰では効果が出ないことと、−6db以上の減衰では不
自然な再生になることが起こるからである。
【0023】図3に、加算器61の一実施形態例を図示
する。
【0024】この図に示すように、加算器61は、最低
周波数定在波の周波数をf0 と表すならば、2×i×f
0 を中心周波数とするn個のバンドパスフィルタ610
-i(i=1〜n:但し、nは“2nf0 <600Hz”
を満たす整数の最大値)と、それらのバンドパスフィル
タ610-iの出力信号を加算する加算回路611とで構
成されている。
【0025】この構成に従って、加算器61は、ローパ
スフィルタ60の出力信号に含まれる最低周波数定在波
の偶数次倍音成分を抽出して加算する処理を行う。
【0026】ここで、周波数f0 は車室空間の大きさか
ら計算できる(大体80Hz程度である)ことから、図
示しないコントローラは、車種が与えられると、それに
合わせてバンドパスフィルタ610-iのパラメータを設
定していくように処理することになる。
【0027】車室内での定在波による周波数特性の暴れ
は、主に100Hz以下の最低周波数定在波の影響と、
その倍音が増幅されたり減衰されることにより、発生し
ているものと考えられる。
【0028】減衰されている周波数成分、すなわち、定
在波の奇数次倍音成分については、増幅するとノイズの
増加が予想される。
【0029】そこで、本発明では、最低周波数定在波に
より盛り上がる周波数成分、すなわち、最低周波数定在
波の偶数次倍音成分を抽出し、それを逆位相にして減衰
させつつ原音にミックスさせることで、その盛り上がっ
ている部分がなくなるように補正するという構成を採
る。
【0030】すなわち、このように構成される本発明で
は、ローパスフィルタ60を使って、カーステレオ5の
出力するリア左右のオーディオ信号の中から、定在波の
影響の大きい600Hz以下の周波数成分を取り出し、
加算器61を使って、そのローパスフィルタ60の出力
信号に含まれる最低周波数の定在波の偶数次倍音成分を
抽出して加算する。
【0031】そして、位相反転回路62を使って、加算
器61の出力信号の位相を反転させ、ディレイ回路63
を使って、位相反転回路62の出力信号に対して、その
信号を約5〜16msシフトさせつつ−4〜−8db程
度ミックスし、アッテネータ64を使って、ディレイ回
路63によりミックスされた信号を−6〜−12db減
衰させてアンプ4に入力することで、カーステレオ5の
出力するリア左右のオーディオ信号を補正するように処
理する。
【0032】この構成に従って、本発明によれば、音質
に大きな影響を及ぼす最低周波数定在波がもたらす偶数
次倍音成分の盛り上がりをなくすことができるようにな
ることで、車室内における定在波の影響を大幅に低減で
きるようになる。
【0033】図4に、本発明の有効性を検証するために
行った実験結果を図示する。
【0034】この実験は、左右2つのフロントスピーカ
1と左右2つのリアスピーカ2とを備える実際の車室内
にマイクロフォンを配置して、それらのスピーカにピン
クノイズ信号を出力するとともに、そのときに収集され
るマイクロフォンの音響信号をフーリエ変換することで
行った。
【0035】上段が本発明の補正処理を行わないときの
実験データ、下段が本発明の補正処理を行ったときの実
験データである。
【0036】図中に示す部分が最低周波数定在波に相
当し、部分がその最低周波数の2倍の倍音成分に相当
する。
【0037】この実験データから、本発明を用いること
で、最低周波数定在波の偶数次倍音成分の音圧レベルの
盛り上がりを凹ませることができるようになるととも
に、最低周波数定在波そのものの音圧レベルの凹みの発
生を防止できるようになることが分かる。これにより、
本発明の有効性を検証できた。
【0038】図示実施形態例に従って本発明を説明した
が、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
実施形態例では、カーステレオ5とアンプ4との間に、
本発明を実現するための信号処理回路6を備える構成を
採ったが、この信号処理回路6をカーステレオ1に内蔵
させることも可能である。
【0039】また、実施形態例では特に説明しなかった
が、本発明を実現するための信号処理回路6はフルディ
ジタル信号処理で実現することが可能である。
【0040】また、実施形態例ではリアスピーカ2に出
力するオーディオ信号に対して信号処理回路6による信
号処理を施すという構成を採ったが、フロントスピーカ
1に出力するオーディオ信号に対してその信号処理を施
すという構成を採ってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、音質
に大きな影響を及ぼす最低周波数定在波がもたらす偶数
次倍音成分の音圧レベルの盛り上がりの発生を抑えるよ
うに処理することから、定在波を大幅に低減できるよう
になることで、閉じた空間内の音質を大きく改善できる
ようになる。
【0042】そして、この閉じた空間内の音質の改善を
特別なスピーカを用意することなく、簡単な回路機能を
追加するだけで実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例である。
【図2】信号処理回路の一実施形態例である。
【図3】加算器の一実施形態例である。
【図4】本発明の有効性を検証するために行った実験結
果の説明図である。
【図5】定在波の説明図である。
【図6】定在波の説明図である。
【符号の説明】
1 フロントスピーカ 2 リアスピーカ 3 アンプ 4 アンプ 5 カーステレオ 6 信号処理回路 60 ローパスフィルタ 61 加算器 62 位相反転回路 63 ディレイ回路 64 アッテネータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉じた空間内の音場を補正する音場補正
    方法において、 スピーカに供給するオーディオ信号から、定在波の影響
    を受ける周波数成分を取り出し、 その取り出した周波数成分に含まれる最低周波数定在波
    の偶数次倍音成分を抽出して、それらを加算し、 その加算信号に応じた信号を差し引く形で上記オーディ
    オ信号を補正して、スピーカに供給することを、 特徴とする音場補正方法。
  2. 【請求項2】 閉じた空間に配置されるスピーカにオー
    ディオ信号を出力するオーディオ装置において、 スピーカに供給するオーディオ信号から、定在波の影響
    を受ける周波数成分を取り出すフィルタ手段と、 上記フィルタ手段の取り出す周波数成分に含まれる最低
    周波数定在波の偶数次倍音成分を抽出して、それらを加
    算する加算手段と、 上記加算手段の算出する加算信号に応じた信号を差し引
    く形で上記オーディオ信号を補正して、スピーカに供給
    する増幅手段とを備えることを、 特徴とするオーディオ装置。
JP2000192060A 2000-06-27 2000-06-27 音場補正方法及びオーディオ装置 Withdrawn JP2002010399A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007208679A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 音響再生装置
JP2011123376A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Canon Inc 音響処理装置及び方法
US8012093B2 (en) 2005-07-27 2011-09-06 Medison Co., Ltd. Ultra sound system for forming strain images with instantaneous frequency

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Effective date: 20070904