JP2002005578A - 耐火物及びスラグの評価方法 - Google Patents

耐火物及びスラグの評価方法

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JP2002005578A JP2000183601A JP2000183601A JP2002005578A JP 2002005578 A JP2002005578 A JP 2002005578A JP 2000183601 A JP2000183601 A JP 2000183601A JP 2000183601 A JP2000183601 A JP 2000183601A JP 2002005578 A JP2002005578 A JP 2002005578A
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吉俊 齋藤
Koji Kono
幸次 河野
Takayuki Inuzuka
孝之 犬塚
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  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炉を傾転させてスラグの排滓を行うことで、耐
火物の耐食性の高精度な評価ができ、定量性に優れた耐
火物及び/又はスラグの評価方法を提供する。 【解決手段】ドラム2内側に耐火物3を内張りし、その
内部にスラグ及び/又は溶鉄6を装入し、所定時間経過
後に、炉を傾転させたのちのスラグの排滓量の測定から
スラグの粘性及び/又はスラグの耐火物へのコーティン
グ性及びスラグの粘性を評価し、また、スラグ及び/又
は溶鉄6の所定時間の装入、排滓を繰り返したのちに、
ドラム2内の耐火物の残厚を測定することで耐火物の耐
食性評価を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐火物及び/又は
スラグの定量的な評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼コスト削減を目的として、耐火物の
一層の高耐用化やスラグコーティングによる耐火物保護
技術の発展が望まれている。そのためには、実炉の使用
環境に対応した耐火物やスラグの評価方法の確立が必須
である。最適なスラグ設計に不可欠な因子の一つである
スラグの粘性は、これまでに、系統的な測定が行われて
きており、例えば、「溶銑・溶滓の物性値便覧」(社団
法人日本鉄鋼協会「溶鉄・溶滓の物性値便覧」出版委員
会編,昭和47年発行)などに記載がある。スラグの粘
性の測定方法は、回転円筒法、回転振動法および落体法
などが一般に使用されている(「溶銑・溶滓の物性値便
覧」)。耐火物に対するスラグのコーティング性につい
ては、スラグの構成成分をもとにした計算式からコーテ
ィング指数による定量的な評価が行われている(安達
ら,CAMP‐ISIJ Vol.7(1994),
p.1123)。また、耐火物上におけるスラグ液滴の
接触角の測定による、コーティング性の評価を行つた例
もある(加藤誠,「高温におけるスラグ及びメタルの物
性測定Jp,271,コンパス社,1987)。
【0003】一方、各種の耐火物の耐食性の評価方法
は、例えば、耐火物手帳‘99,p.64‐68(耐火
物技術協会編,平成11年発行)等に記載があり、高温
下でスラグ及び鋼を溶融させ、耐火物に当該溶融物をあ
る一定時間接触させて、耐火物の損耗量を比較して耐用
性を評価する方法で、高周波誘導炉内張り法や回転侵食
法などがある。高周波誘導炉内張り法は、多くの試料を
一度に比較試験でき、かつ、雰囲気制御も可能で実炉に
近い溶損が再現できる場合が多い方法である。回転侵食
法は、鉄製のドラム内部に耐火物を内張りし、その内部
でスラグや鉄を溶解させて耐火物と反応させる試験であ
り、適量の酸素及びプロパンの混合ガスを供給しなが
ら、その熱で耐火物表面の温度を所定の試験温度とす
る。試料形状が比較的小さく、築炉と解体も容易で設備
も簡単なことから広く行われている試験である。しかし
ながら、雰囲気制御が困難で、火炎と共に大気を巻き込
むことから、実炉の場合よりも酸化による損傷が大きく
なる傾向がある。特に、炭素含有耐火物では、それらが
試料間の耐食性、耐摩耗性の相対的評価に及ぼす影響が
極めて大きい。酸素/プロパン比の変更で、ある程度燃
焼ガス組成は制御できるものの、火炎と共に大気を巻き
込むことが避けられない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、製鋼用転炉のスラグの実炉での使用温度付近におけ
る粘性や耐火物とのコーティング性を、実験的に評価を
行った例は極めて少ないことがわかった。スラグ組成が
平衡に至るまでにかなりの長時間を要し、粉末が未溶融
のまま融体中に分散していることもあり、実炉の条件に
あったスラグの粘性やコーティング性を定量的に評価す
ることは非常に困難であることがわかった。また、従来
までの、スラグの粘性を測定する方法では、高温では炭
素材料や各種高融点材料が使用されるが、白金やロジウ
ム合金は、使用温度限界が1550℃程度と低い。モリ
ブデンやタングステンは加工が難しく酸化雰囲気に弱い
という欠点もある。スラグを溶解する容器としてアルミ
ナを使用すると、不活性と考えられる対象のスラグが少
ないので、正確なスラグの物性値を測定することが難し
い。その中で、炭素材料が常用されている。しかしなが
ら、炭素によるスラグの性状の変化が問題であり、溶融
スラグの粘性流動にかなりの影響があることが明らかに
なった。
【0005】耐火物に対するスラグのコーティング性
(付着性)の評価に際しては、コーティング指数による
定量的な評価方法では、対象となるスラグが少なく、ま
た、耐火物の材質との差を評価することもできない。ま
た、スラグ液滴の接触角による測定では、炭素含有耐火
物を対象とした場合、スラグ中のFeOと耐火物中の炭
素の反応や、実際の使用雰囲気や温度に対応した定量的
な評価技術は確立されていないことが明らかになった。
【0006】一方、従来までの回転侵食法による耐食性
の評価では、所定時間、耐火物にスラグを接触させ、ス
ラグを入れ替えて繰り返し長時間の試験を行う場合、ス
ラグの排滓は鉄製の棒などで掻き出す方法で行ってい
た。そのため、十分な排滓が不可能であり、スラグの入
れ替え時に、排滓できずに残留しだスラグが、新たに投
入したスラグの成分へ大きな影響を与えることがわかっ
てきた。これは、さらに長時間の試験を行う場合には、
これらが累積するために重大な影響を与えることにな
る。耐火物の耐食性の高精度な評価を行うのは極めて困
難であることがわかった。
【0007】また、炭素含有耐火物を対象とした場合、
所定の試験温度までに昇温する過程で、炭素の酸化によ
る脱炭層が形成され、初期のスラグで脱炭層の部分が失
われることが明らかになった。さらに、この昇温中に形
成される脱炭層が最終的な損耗量に対する割合が大き
く、炭素含有耐火物の相対的な評価を行うのは極めて困
難であることがわかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、耐火物
及び/又はスラグの定量的な評価方法を提供することに
ある。本発明は、上記のような点を鑑みて、ドラム内側
に耐火物を内張りし、その内部でスラグや鉄を溶解し
て、ドラムを傾転可能にすることで、スラグの排滓量か
らスラグの粘性やスラグコーティング性を定量化する評
価方法を提供するものである。
【0009】本発明の特徴とするところは、 (1)ドラム内側に耐火物を内張りし、その内部にスラ
グ及び/又は溶鉄を装入し、所定時間経過後に、炉を傾
転させたのちのスラグの排滓量を測定しスラグの粘性の
評価を行うスラグの評価方法。 (2)耐火物が炭素含有耐火物であり、スラグ及び/又
は溶鉄を装入する前に、加熱源と前記炭素含有耐火物の
間に保護板を介して間接的に耐火物を加熱して所定温度
まで昇温させることを特徴とする前記(1)記載のスラ
グの評価方法。 (3)ドラム内側に耐火物を内張りし、その内部にスラ
グ及び/又は溶鉄を装入し、所定時間経過後に、炉を傾
転させたのちのスラグの排滓量を測定しスラグの耐火物
へのコーティング性を評価する耐火物及びスラグの方
法。 (4)耐火物が炭素含有耐火物であり、スラグ及び/又
は溶鉄を装入する前に、加熱源と前記炭素含有耐火物の
間に保護板を介して間接的に耐火物を加熱し、所定温度
まで昇温させることを特徴とする前記(3)記載の耐火
物及びスラグの評価方法。 (5)横型ドラム内側に耐火物を内張りした耐火物容器
の内部にスラグ及び/又は溶鉄を装入し、所定時間経過
後に、炉を傾転させたのちのスラグを排滓することを少
なくとも1回以上繰り返したのちに、耐火物の残厚を測
定することを特徴とする耐火物の評価方法。 (6)耐火物及び/又はスラグの表面温度を連続的に測
定することを特徴とする前記(l)〜(5)のいずれか
1項に記載の耐火物及び/又はスラグの評価方法であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態として、図面を
用いて説明する。第1図は、本発明に係わる傾動可能な
回転侵食炉の立体図面を示す。回転侵食炉1は、回転可
能なドラム2とその内側に耐火物3を内張りして構成す
る。また、図面では、記述していないが、ドラム2は保
持装置4に保持されつつ、手動方式、モーターによる電
動方式、油圧方式などの適宜方式の構成の傾動装置5に
より、傾動可能となっている。
【0011】ドラム2内には、図1に示すように、スラ
グ及び/又は溶鉄6が装入され、図2(b)に示すよう
に、ドラム2を傾動し、直下に設けているパレット7内
に排滓可能となっている。ドラム2内に装入されたスラ
グ及び/又は溶鉄6は、所定時間経過後に、ドラム2を
傾動し、直下に設けているパレット7内に排滓する。前
記(1)の発明においては、この排滓されたスラグの重
量を測定することにより、スラグの粘性を定量的に評価
することができる。排滓量とスラグの粘性には、例え
ば、第3図に示すような関係があり、この関係がら、従
来までの回転粘度計では測定が不可能であった成分系や
温度においても、スラグの粘性を定量的に評価すること
ができる。第3図の線は、あらかじめ、粘性が既知のス
ラグ(例えば、「溶銑・溶滓の物性値便覧」(社団法人
日本鉄鋼協会「溶鉄・溶滓の物性値便覧」出版委員会
編,昭和47年発行)に記載)を用いて、排滓量を測定
することにより、粘性と排滓量の相関性を得ることによ
って求めることができる。
【0012】また、前記(3)の発明においては、異な
る耐火物に対して、同様の試験を行うことによって、耐
火物に対するスラグの付着量がら、耐火物のスラグコー
ティング性を定量的に評価することができる。排滓量が
多いほど、耐火物へのスラグの付着量は少なく、スラグ
コーテダング性は劣ることになる。これは、目視による
コーティング性の評価結果と第4図に示すような相関性
が得られる。目視において、スラグコーティング性の評
価は、例えば、れんがの表面が完全にスラグで覆われ、
付着したスラグに流動性が認められない場合を◎印、れ
んがの表面が完全にスラグに覆われているが、付着した
スラグには流動性が認められる場合を○印、れんがの表
面の一部にスラグが付着している場合を△印、れんがの
表面が完全に露出し、スラグの付着がほとんど見られな
い場合を×印と定性的に評価した。
【0013】また、前記(2)又は(4)の発明におい
ては、スラグの粘性又はスラグの耐火物へのコーティン
グ性を評価するに際し、加熱源と炭素含有耐火物の間に
保護板を介して間接的に耐火物を加熱することを特徴と
する。この間接的な加熱により、昇温中の炭素の酸化に
よる脱炭層の生成を防止でき、脆弱な脱炭層の損耗に伴
うスラグの成分の変化を極力抑制することが可能であ
り、スラグの粘性又はスラグの耐火物へのコーティング
性を高精度に評価することができる。
【0014】本発明で使用する酸化防止用保護板の材質
は、鉄、アルミ、銅などから選ばれる一種あるいは併用
でもよい。鉄、アルミ、銅の化学成分は特に限定するも
のではなく、合金系でも構わない。保護板に熱伝導率の
高い材料を用いれば、れんが表面もほぼ所定の温度に達
していると考えられる。本発明の効果を十分に発揮する
には、耐熱性を考慮すると、融点が試験温度に近く、融
点が試験温度±200℃以下が好ましい。融点が試験温
度−200℃未満の場合、れんがの表面が火炎や空気と
接触する時間が長くなり、表面に脱炭層が形成されるこ
とになる。融点が試験温度+200℃の場合、保護板を
取り除くのに時間がかかるか、一度、保護板を溶融する
まで加熱した後に、温度を降下させて所定の試験温度に
するまでの時間が長くなり、れんがの表面が火炎や空気
と接触する時間が長くなり、表面に脱炭層が形成される
ことになる。
【0015】さらに、前記(5)の発明において、横型
の回転侵食炉では、耐火物容器の内部にスラグ及び/又
は溶鉄を装入し、下向きに傾転させることで、第5図に
示すように、スラグがほぼ完全に排滓される。炉を傾転
しない場合には、炉内に残留したスラグが次のスラグの
成分及び量へ大きな影響を与えるが、炉を傾転し排滓す
ることにより、これを抑制しスラグ及び/又は溶鉄の装
入から傾転、スラグの排滓までを少なくとも1回以上繰
り返した後、耐火物の残厚を測定することにより、耐火
物のスラグに対する耐食性を高精度に評価することが可
能である。耐食性の評価については、試験後に炉を解体
し取り出した耐火物試料の残寸を元寸から差し引いて損
耗量を求めることで評価する。損耗量が大きく、試験後
の形状が直線状でないときは、試験後の試料を2次元の
画像として取り込み、損耗した部分の面積を求めること
で評価してもよい。また、損耗した部分の面積や体積を
求めて、比較、評価することも本発明の範囲に属する。
【0016】本発明の対象とするスラグは、CaO−F
eO−SiO MgO−Al−MnOなど、
いずれの成分系でも構わない。特にその成分系や量を限
定するものではない。本発明の対象とする耐火物は、珪
石質、粘土質、ろう石質、ジルコン及びジルコニア質、
高アルミナ質、炭素質、炭化珪素質、クロム質、マグネ
シア質、マグネシア・クロム質、ドロマイト質、マグネ
シア・カーボン質、アルミナ・カーボン質、アルミナ・
炭化珪素・カーボン質、アルミナ・マグネシア・カーホ
ン質など、特に限定するものではない。
【0017】本発明は、酸化性雰囲気、Ar、N、H
e、H、真空下などの非酸化性雰囲気での加熱に限定
することなく、あらゆる加熱条件下で適用可能である。
加熱手段は、バーナー加熱、誘導加熱、電気抵抗加熱、
アーク加熱等いずれを用いても良い。また、バーナー加
熱に際して使用するガスは、プロパン−酸素、メタン−
酸素、コークス炉ガス等、いずれを用いても良い。評価
条件の定量化を図るために、前記(6)の発明では、放
射温度計で保護板及び/又は耐火物の表面温度を測定す
ることによって、安定した評価を行うことができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例によって説明する。た
だし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。本試験に用いた試料は純度98%の電融マグネシア
クリンカーを77%,純度98%の鱗状黒鉛を20%含
有し,フェノール樹脂をバインダーとして用い、金属A
1を3%添加したMgO−Cれんがであり、転炉の内張
り耐火物として広く用いられているものである。回転炉
には、このMgO−Cれんが3を図6の形状に切り出し
て試験片の耐火物3を作製し、図7のように耐火物3の
試験片を8枚内張りして組み込んだ。ここで、a=67
mm,b=41mm,c=48mm,d=114mmと
した。内部には図7、図8のように直径150mm、厚
さ2mmの中空の一般ガス配管用炭素鋼鋼管よりなる保
護板8を組み込み、その内部からバーナー9の燃焼によ
り昇温させた。燃焼ガスとして体積比でプロパン1:酸
素5のものを用いた。炉体の回転数は2rpmで行っ
た。
【0019】図9は、1650℃に達した後に、粘性の
異なる3種類のスラグ500gをそれぞれ投入し、30
分間、回転数2rpmで炉体を回転させ、その後に、炉
体を傾転させてスラグを排滓させたときのスラグ中Mg
O濃度を示す。スラグの組成は、図10に示すように、
MgO濃度(%)を変化させることで、粘性の異なるス
ラグを得た。実施例1では、直径150mm,厚さ2m
mの中空の鋼管を組み込んだものである。比較例1は保
護板を使用しない従来までの方法である。実施例1で
は、スラグの排滓量とスラグ組成の相関性を得ることが
できた。保護板を使用しない従来までの方法である比較
例1では、1650℃までの昇温中に、MgO‐Cれん
がの表面が酸化脱炭し、その脆弱な脱炭層がスラグによ
り容易に溶出したため、所定のスラグ組成を得ることが
できず、排滓率とスラグ中MgO濃度の相関性を得るこ
とができなかった。
【0020】図11は、1650℃に達した後に、粘性
の異なるスラグ500gをそれぞれ投入し、30分間、
回転数2rpmで炉体を回転させ、その後に、バーナー
を止めて、5分間放冷し、耐火物の表面温度を放射温度
計で測定して、1550℃になつたところで、炉体を傾
転させてスラグを排滓させたときの結果を示す。スラグ
条件は、図10に従い、MgO濃度を3水準設定した。
実施例2では、直径150mm,厚さ2mmの中空の鋼
管を組み込んだものである。比較例2は保護板を使用し
ない従来までの方法である。スラグコーティング性指数
は、実施例、比較例ともにMgO=7%の場合の傾転後
に炉内に残留したスラグ重量を100として評価を行つ
た。実施例2では、スラグ中MgO濃度とスラグコーテ
イング性の間に相関性を得ることができた。保護板を使
用しない従来までの方法である比較例2では、1650
℃までの昇温中に、MgO‐Cれんがの表面が酸化脱炭
し、その脆弱な脱炭層がスラグにより容易に溶出したた
め、所定のスラグ組成を得ることができず、十分な相関
性を得ることができなかった。
【0021】図12は、炉を傾転させてスラグを排滓し
た場合と鉄製の棒で炉内のスラグを掻き出した場合の、
Output MgO‐Input MgO(%)を示
す。1チャージは25分で、その時点でスラグを入れ替
える。Output MgOは、スラグ入れ替え時にサ
ンプリングしたスラグ中のMgO濃度で、Input
MgOは投入するスラグ中のMgO濃度である。したが
つて、Output MgO‐Input MgO
(%)が各チャージにおける、MgO‐Cれんがからの
MgOの溶出量に相当することになる。実施例3では、
実施例1の方法により行った場合で、スラグの投入・入
れ替え時に、炉を傾転させてスラグを排滓した場合と比
較例3として鉄製の棒で炉内のスラグを掻き出した場合
の比較を行った。例として1〜4チヤージ目の各チャー
ジのOutput MgO‐Input MgO(%)
を示す。炉を傾転させてスラグを排滓することにより、
各チャージ毎のMgO溶出量が正確に評価できる。
【0022】
【発明の効果】本発明は、ドラム内側に耐火物を内張り
し、その内部でスラグや鉄を溶解して、ドラムを傾転可
能にすることで、炉内のスラグの排滓量からスラグの粘
性やスラグコーテイング性を定量化することで、耐火
物、スラグの耐食性等を高精度に評価することができ
る。また、炉内スラグを完全に排滓することが可能で、
耐火物に対し炉内の残留するスラグの成分及び量の影響
を抑制し、スラグに対する耐用性を高精度に評価するこ
とができるなど優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる傾転可能な回転侵食炉を示す説
明図
【図2】本発明に係わる回転侵食炉の傾動を示す側面図
【図3】排滓量とスラグの粘性の関係を示す説明図
【図4】排滓量とスラグコ−ティング性の関係を示す説
明図
【図5】傾転の有無とスラグの排滓量の関係を示す説明
【図6】回転侵食法に用いた試料の形状を示す図を示す
説明図
【図7】回転侵食炉の概略を示す図を示す説明図
【図8】回転侵食炉の概略を示す断面図
【図9】スラグ中MgO濃度とスラグの排滓量の関係を
示す説明図
【図10】スラグ条件を示す説明図
【図11】スラグ中MgO濃度とスラグコ−ティング性
の関係を示す説明図
【図12】耐火物からのMgO溶出量の推移の比較を示
す説明図
【符号の説明】
1 回転侵食炉 2 ドラム 3 耐火物 4 保持装置 5 傾動装置 6 スラグ及び/又は溶鉄 7 パレット 8 保護板 9 バ−ナ− 10 充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/24 G01N 33/24 A (72)発明者 犬塚 孝之 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 Fターム(参考) 4G012 JG03 4K002 AF10 BC10 4K013 CF12 CF19 FA05 FA06 4K051 AA02 BH01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドラム内側に耐火物を内張りし、その内部
    にスラグ及び/又は溶鉄を装入し、所定時間経過後に、
    炉を傾転させたのちのスラグの排滓量を測定しスラグの
    粘性の評価を行うスラグの評価方法。
  2. 【請求項2】耐火物が炭素含有耐火物であり、スラグ及
    び/又は溶鉄を装入する前に、加熱源と前記炭素含有耐
    火物の間に保護板を介して間接的に耐火物を加熱して所
    定温度まで昇温させることを特徴とする請求項1記載の
    スラグの評価方法。
  3. 【請求項3】ドラム内側に耐火物を内張りし、その内部
    にスラグ及び/又は溶鉄を装入し、所定時間経過後に、
    炉を傾転させたのちのスラグの排滓量を測定しスラグの
    耐火物へのコーティング性を評価する耐火物及びスラグ
    の評価方法。
  4. 【請求項4】耐火物が炭素含有耐火物であり、スラグ及
    び/又は溶鉄を装入する前に、加熱源と前記炭素含有耐
    火物の間に保護板を介して間接的に耐火物を加熱し、所
    定温度まで昇温させることを特徴とする請求項3記載の
    耐火物及びスラグの評価方法。
  5. 【請求項5】横型ドラム内側に耐火物を内張りした耐火
    物容器の内部にスラグ及び/又は溶鉄を装入し、所定時
    間経過後に、炉を傾転させたのちのスラグを排滓するこ
    とを少なくとも1回以上繰り返したのちに、耐火物の残
    厚を測定することを特徴とする耐火物の評価方法。
  6. 【請求項6】耐火物及び/又はスラグの表面温度を連続
    的に測定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の耐火物及び/又はスラグの評価方法。
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