JP2002000263A - 肝細胞の増殖方法 - Google Patents
肝細胞の増殖方法Info
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- JP2002000263A JP2002000263A JP2000191553A JP2000191553A JP2002000263A JP 2002000263 A JP2002000263 A JP 2002000263A JP 2000191553 A JP2000191553 A JP 2000191553A JP 2000191553 A JP2000191553 A JP 2000191553A JP 2002000263 A JP2002000263 A JP 2002000263A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、肝実質細胞成長因子HGFを使用す
ることなく、肝細胞を、生体外でも、生体内と同様に増
殖させる技術を提供する。 【解決手段】 肝臓組織より得た肝実質細胞画分を、
アスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸誘導体の濃度
が培地に対して0.1mM以上含む培地にて培養する。
ることなく、肝細胞を、生体外でも、生体内と同様に増
殖させる技術を提供する。 【解決手段】 肝臓組織より得た肝実質細胞画分を、
アスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸誘導体の濃度
が培地に対して0.1mM以上含む培地にて培養する。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、肝細胞の増殖方法
に関するものである。
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】肝臓組織を手術で3分の1程度切除して
も、すぐに回復し、元と同じような大きさまで戻ること
が知られている。しかし肝細胞は、生体外では増殖が困
難な系として知られている。そのため、肝細胞を利用し
た生体細胞利用肝臓補助システムの構築に支障を来して
いた。また、初代培養肝臓細胞を利用したスクリーニン
グテストでも、増殖の低下と機能の停止は大きな問題で
あった。さらに、肝実質細胞画分の増殖培養系の先行研
究は、培地への肝実質細胞成長因子(Hepatocyte Growt
h Factor 以下HGFという)添加を基本とするものであ
が、増殖した肝細胞の肝特異的機能を誘導するために培
地以外の工夫をすることとHGF自体がかなり高価である
という難点があった。
も、すぐに回復し、元と同じような大きさまで戻ること
が知られている。しかし肝細胞は、生体外では増殖が困
難な系として知られている。そのため、肝細胞を利用し
た生体細胞利用肝臓補助システムの構築に支障を来して
いた。また、初代培養肝臓細胞を利用したスクリーニン
グテストでも、増殖の低下と機能の停止は大きな問題で
あった。さらに、肝実質細胞画分の増殖培養系の先行研
究は、培地への肝実質細胞成長因子(Hepatocyte Growt
h Factor 以下HGFという)添加を基本とするものであ
が、増殖した肝細胞の肝特異的機能を誘導するために培
地以外の工夫をすることとHGF自体がかなり高価である
という難点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、肝実質細胞
成長因子HGFを使用することなく、肝細胞を、生体外で
も、生体内と同様に増殖させる技術を提供するものであ
る。
成長因子HGFを使用することなく、肝細胞を、生体外で
も、生体内と同様に増殖させる技術を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】肝臓組織より得た肝実質
細胞画分を、アスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸
誘導体を含む培地にて、培養することにより、細胞増殖
を誘起し、さらに増殖した細胞のアンモニヤ代謝などの
肝特異機能発現を亢進させることを見いだし、本発明を
完成させるに至った。
細胞画分を、アスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸
誘導体を含む培地にて、培養することにより、細胞増殖
を誘起し、さらに増殖した細胞のアンモニヤ代謝などの
肝特異機能発現を亢進させることを見いだし、本発明を
完成させるに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いることが出来る培地
としては、William's E培地、LIS培地、DMEM培
地等がある。アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体
は単独で用いても、両者を併用して用いても効果がある
ことが確認されている。本発明で用いることが出来るア
スコルビン酸誘導体としては、 Ascorbic asid2-phosph
ate magnesium Saltで代表される安定化アスコルビン酸
誘導体がある。さらに培地に添加する成分としては、EG
F(上皮性細胞増殖因子)、Dexamethazone、FBS(牛胎
児血清)、インスリン 等がある。
としては、William's E培地、LIS培地、DMEM培
地等がある。アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体
は単独で用いても、両者を併用して用いても効果がある
ことが確認されている。本発明で用いることが出来るア
スコルビン酸誘導体としては、 Ascorbic asid2-phosph
ate magnesium Saltで代表される安定化アスコルビン酸
誘導体がある。さらに培地に添加する成分としては、EG
F(上皮性細胞増殖因子)、Dexamethazone、FBS(牛胎
児血清)、インスリン 等がある。
【0006】本発明の実施の形態は、種々あるが、まと
めると以下のとおりである。 (1) 肝臓組織より得た肝実質細胞画分を、アスコル
ビン酸及び/又はアスコルビン酸誘導体の濃度が培地に
対して0.1mM以上含む培地にて培養する肝細胞の増
殖方法。 (2) アスコルビン酸誘導体が、 Ascorbic asid 2-p
hosphate magnesiumSaltまたは安定化アスコルビン酸誘
導体である上記(1)記載の肝細胞の増殖方法。 (3) 培地の添加成分として、EGF、Dexamethazone、
FBS の少なくとも1種以上を併用する上記(1)又は
上記(2)に記載された肝細胞の増殖方法。 (4) 培地として、William's E培地、LIS培地、
DMEM培地のいずれかひとつを用いる 上記(1)な
いし上記(3)のいずれかひとつに記載された肝細胞の
増殖方法。
めると以下のとおりである。 (1) 肝臓組織より得た肝実質細胞画分を、アスコル
ビン酸及び/又はアスコルビン酸誘導体の濃度が培地に
対して0.1mM以上含む培地にて培養する肝細胞の増
殖方法。 (2) アスコルビン酸誘導体が、 Ascorbic asid 2-p
hosphate magnesiumSaltまたは安定化アスコルビン酸誘
導体である上記(1)記載の肝細胞の増殖方法。 (3) 培地の添加成分として、EGF、Dexamethazone、
FBS の少なくとも1種以上を併用する上記(1)又は
上記(2)に記載された肝細胞の増殖方法。 (4) 培地として、William's E培地、LIS培地、
DMEM培地のいずれかひとつを用いる 上記(1)な
いし上記(3)のいずれかひとつに記載された肝細胞の
増殖方法。
【0007】
【実施例】以下に実施例を示すが本発明は実施例によっ
て何ら制限されることはない。 実施例1 (培地) 通常の肝細胞培地として知られているWillia
m's E培地に25ng/ml EGF,10-8M Insulin, 10-7M Dexame
thazone, 10%FBSを加えたものに、さらに1.5mM Ascorbi
c asid 2-phosphate magnesium Saltを加えたものを本
培養法の培地とした。
て何ら制限されることはない。 実施例1 (培地) 通常の肝細胞培地として知られているWillia
m's E培地に25ng/ml EGF,10-8M Insulin, 10-7M Dexame
thazone, 10%FBSを加えたものに、さらに1.5mM Ascorbi
c asid 2-phosphate magnesium Saltを加えたものを本
培養法の培地とした。
【0008】(細胞) 成豚(150-200日齢)の肝臓左
中葉の先端を切り取り、断面の血管からEDTA含有灌流
液、EDTA不含灌流液、ディスパーゼ含有灌流液、コラゲ
ナーゼ含有灌流液の順で灌流し、細胞を分散させる。ガ
ーゼで濾過して未分散の組織を除き、60g,1-2分の遠心
操作により沈降する画分(肝実質細胞画分)を得る。
中葉の先端を切り取り、断面の血管からEDTA含有灌流
液、EDTA不含灌流液、ディスパーゼ含有灌流液、コラゲ
ナーゼ含有灌流液の順で灌流し、細胞を分散させる。ガ
ーゼで濾過して未分散の組織を除き、60g,1-2分の遠心
操作により沈降する画分(肝実質細胞画分)を得る。
【0009】(培養) 上記の操作で得られた細胞を3X
104 cells/cm2 の密度でコラーゲンコートしたポリス
チレンディシュに播種し、37℃、5%二酸化炭素(水蒸気
飽和)下で培養する。翌日以降1日おきに培地を交換す
る。 (比較例)比較のため、実施例1においてAscorbic asi
d 2-phosphate magnesium Saltを添加しない培地を用
い、その他は全く同じ条件で培養実験を行った。
104 cells/cm2 の密度でコラーゲンコートしたポリス
チレンディシュに播種し、37℃、5%二酸化炭素(水蒸気
飽和)下で培養する。翌日以降1日おきに培地を交換す
る。 (比較例)比較のため、実施例1においてAscorbic asi
d 2-phosphate magnesium Saltを添加しない培地を用
い、その他は全く同じ条件で培養実験を行った。
【0010】(結果) 細胞数は、図1に示すように1
0日以内に4-8倍程度に増加し、増殖した細胞は肝実質
細胞様の形態を呈するようになった。通常の増殖方法で
は、生体外で3日以上は増殖しないが、本発明の増殖法
では9日まで増殖を続けた。アンモニヤ代謝能は、図2
に示されるように2-4日後までに大幅に低下し、その後
初期の値を上回るまでに回復した。通常の増殖方法で
は、3日目以降はほとんどアンモニヤの代謝能はない
が、本発明の増殖法では20日間以上も代謝能があっ
た。培養7-12日目の細胞をホルマリン固定し、肝細胞の
マーカーであるアルブミン、トランスフェリン、α1ア
ンチトリプシンの抗体を用いて、免疫細胞化学染色を行
ったところ、染色された。一方、比較例のものは、ほと
んどアンモニヤ代謝能の回復が見られず、免疫染色にも
染色されなかった。
0日以内に4-8倍程度に増加し、増殖した細胞は肝実質
細胞様の形態を呈するようになった。通常の増殖方法で
は、生体外で3日以上は増殖しないが、本発明の増殖法
では9日まで増殖を続けた。アンモニヤ代謝能は、図2
に示されるように2-4日後までに大幅に低下し、その後
初期の値を上回るまでに回復した。通常の増殖方法で
は、3日目以降はほとんどアンモニヤの代謝能はない
が、本発明の増殖法では20日間以上も代謝能があっ
た。培養7-12日目の細胞をホルマリン固定し、肝細胞の
マーカーであるアルブミン、トランスフェリン、α1ア
ンチトリプシンの抗体を用いて、免疫細胞化学染色を行
ったところ、染色された。一方、比較例のものは、ほと
んどアンモニヤ代謝能の回復が見られず、免疫染色にも
染色されなかった。
【0011】
【発明の効果】培地においてアスコルビン酸及び/又は
アスコルビン酸誘導体を用いれば、肝実質細胞成長因子
HGFを使用することなく、肝細胞を、生体外でも、生体
内と同様に増殖させる効果があることが確認された。
アスコルビン酸誘導体を用いれば、肝実質細胞成長因子
HGFを使用することなく、肝細胞を、生体外でも、生体
内と同様に増殖させる効果があることが確認された。
【0012】
【図1】細胞増殖の経過図
【図2】アンモニウム除去活性の経過図
Claims (4)
- 【請求項1】 肝臓組織より得た肝実質細胞画分を、ア
スコルビン酸及び/又はアスコルビン酸誘導体の濃度が
培地に対して0.1mM以上含む培地にて培養する肝細
胞の増殖方法。 - 【請求項2】 アスコルビン酸誘導体が、 Ascorbic as
id 2-phosphate magnesium Saltである請求項1又は請
求項2記載の肝細胞の増殖方法。 - 【請求項3】 培地の添加成分として、EGF、Dexametha
zone、FBS の少なくとも1種以上を併用する請求項1
ないし請求項3のいずれかひとつに記載された肝細胞の
増殖方法。 - 【請求項4】 培地として、William's E培地、LIS
培地、DMEM培地のいずれかひとつを用いる 請求項
1ないし請求項3のいずれかひとつに記載された肝細胞
の増殖方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000191553A JP2002000263A (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | 肝細胞の増殖方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000191553A JP2002000263A (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | 肝細胞の増殖方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002000263A true JP2002000263A (ja) | 2002-01-08 |
Family
ID=18690840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000191553A Pending JP2002000263A (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | 肝細胞の増殖方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002000263A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014208381A1 (ja) * | 2013-06-28 | 2014-12-31 | 株式会社日本生物製剤 | 肝細胞増殖剤 |
-
2000
- 2000-06-26 JP JP2000191553A patent/JP2002000263A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014208381A1 (ja) * | 2013-06-28 | 2014-12-31 | 株式会社日本生物製剤 | 肝細胞増殖剤 |
US9616046B2 (en) | 2013-06-28 | 2017-04-11 | Japan Bio Products Co., Ltd. | Hepatocyte-proliferating agent |
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