JP2001525504A - 衝撃保護用頭部防護具 - Google Patents

衝撃保護用頭部防護具

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  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】運動競技者、特にサッカー選手に好適な衝撃保護用頭部防護具の提供。 【解決手段】着用者の前頭部を覆う中央パッド(107)を有する保護用頭部防護具(10)。該中央パッドは第1の側部および第2の側部、並びに中央パッドの各側部から伸長する第1および第2の詰物をしたリブ(108,110)を有する。第1および第2の詰物をしたリブの遠位端は連結されて、着用者の側頭部を覆う中央パッドから後方に伸長する側面部を形成する。頭部防護具は着用者の後頭骨を覆う後部パッド(114)および中央パッドの側面部を後部パッドに取り付けるための調整ストラップ系(102)を有する。頭部防護具は、中央パッドおよび第1および第2の詰物をしたリブを有する平面パッド(100)を形成し、上記リブを曲げて対応する遠位端同士を結合することにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は一般的に運動競技者のための保護用頭部防護具に関し、そしてより具
体的にはサッカー選手のための衝撃保護用頭部防護具に関するものである。
【0002】 発明の背景 多くのスポーツにおける参加者が様々な種類の保護用ヘッドギアを用いること
が増えている。フットボール選手は彼ら自身、頭部および顔面を殴打から保護す
るために長い間ヘルメットをかぶってきた。少し経ってホッケー選手もまたヘル
メットで自身を保護し始めた。さらに近年、レクレーションで自転車に乗る人達
は保護用ヘッドギアを使用する必要性を認識し、そして多数の人達がヘルメット
を着用し始めている。 伝統的にサッカー選手は保護用ヘッドギアを着用してこなかった。これにはお
そらく2つの主な理由がある。第1に、フットボール、ホッケーおよび自転車(
競輪)等のスポーツのように頭部への傷害が頻繁なこととは見なされてこなかっ
たので、サッカー選手または試合の主催者はヘッドギアを使用する必要性を感じ
なかったことがある。第2は、サッカーは頭部自体がボールを打つために故意に
、そして正当に使用される数少ないスポーツの一つであることである。これは相
当な筋肉協調や判断および接触の感覚の使用が要求される。不適当に構成された
ヘッドギアはボールを適当にヘッディングする選手の能力を妨げる可能性がある
。 最近の医学的研究は、頭部傷害がサッカーにおいて以前考えられていたより頻
繁に起こり得るということを示した。数々の研究は、サッカー選手がボールを繰
り返しヘッディングすることによる軽い障害(トラウマ)に苦しむことを示唆し
ている。この傷害はボクサーの痴呆、ボクシングにおいて頭部への反復された殴
打によりボクサーが被る障害との類推によって説明されてきた。Alf Thorvald T
ysvaer, サッカーにおける頭部および頸部傷害−マイナートラウマの衝撃,Spor
ts Medicine, 14(3): 200-213 (1992)。サッカーにおけるトラウマのこの危険性
は子供の場合より危険であり得る。ヘッディングの際の彼らの技術は十分に洗練
されていない。彼らの体はボールにより引き起こされる衝撃に耐えるか、または
打ち消すのに十分には発達していない。上掲書210頁。それ故に、少なくとも
安全性の観点から、サッカー選手によるヘッドギアの使用が推賞されると考えら
れる。 サッカーというスポーツの独特な要求が独特なヘッドギアを必要とする。スポ
ーツのための多目的保護用ヘッドギアが開発されているけれども、チームスポー
ツにおける使用のためのヘッドギアの多くの形態は一つのスポーツに対して意図
されており、そして他の活動に使用されるべきではない。Thomas B. Cole, スポ
ーツに関心のある子供はそれほど多くのヘルメットを持つことができるのか,Jo
urnal of the American Medical Association, 275(18): 1391(1996年5月8
日)。他のスポーツのために構成されたヘッドギアに対する特許の簡略な概観に
より、そのようなヘッドギアがサッカー選手の特殊化した必要性にどのように適
合しないかが解る。例えば、フットボールやホッケーのヘルメットはサッカーに
は不適である。それらの嵩はヘルメットに不慣れなサッカー選手がそれらを着用
するのを妨げる。この嵩や硬さの他に、そのようなヘルメットの不均一な表面が
ときどきヘッディングしたボールの方向や距離の制御を非常に難しくしている。
最後に、他の防護していないサッカー選手は着用者の硬い表面のヘッドギアによ
り引き起こされる傷害を受けるかもしれない。例えば米国特許第4404690
号(ホッケー用ヘルメット)参照。 他のヘルメットはまた、サッカー用ヘッドギアとして有効に作用しない。自転
車用ヘルメットは軽量であるが、ボールコントロールが難しく、それは1回の実
質的な衝撃に耐えるように作られており、そしてそれらの通気系はサッカーにお
いて有効であるとは考えられない。例えば米国特許第5450631号参照。レ
スリング用ヘッドギアは耳を保護し、そして付記するが、あったとしても頭部の
表面を保護するにすぎない。例えば米国特許第5361420号参照。 米国特許第4698852号はサッカーでの使用のために特に設計された保護
用ヘッドギアを示している。しかしながら、このヘッドギアはいくつかの欠点を
有する。ヘッドバンド形状のヘッドギアは前頭部のみを保護し、ボールを打つた
めに適当に、そして不適当に使用され得る頭部の他の部分を無視している。この
ヘッドバンド形状はヘッディングしたボールのねらいを誤り得る隆起部をヘッド
バンドの縁部にさらに形成する。また、上記ヘッドギアの材質および保持系はヘ
ッドギアが着用者の頭部で上や下にずれるか、または巻かれるならば着用者の頭
部を締めつける。
【0003】 発明の要約 一般に、本発明は運動競技者、そして特にサッカー選手のための頭部防護具に
関する。本発明の一態様によると、保護用頭部防護具は着用者の前頭部を覆うた
めの中央パッドを有するものが提供される。該中央パッドは第1の側部(側面,
サイド)および第2の側部を有し、そしてこの中央パッドの各側部から伸長する
第1および第2の詰物をしたリブを有する。各側部の第1および第2の詰物をし
たリブの遠位端は連結されて、着用者の側頭部を覆うための中央パッドから後方
に伸びる側面部を形成する。頭部防護具は着用者の後頭骨を覆う後部パッドをさ
らに有する。調整ストラップ系は中央パッドの側面部を後部パッドに結びつける
。 保護用頭部防護具の製造方法もまた提供される。この方法は中央パッドと該中
央パッドの各側部から伸長する第1および第2の詰物をしたリブを有する平面パ
ッドの形成を含む。さらに、各側部の第1および第2の詰物をしたリブは曲げら
れて、第1の詰物をしたリブの1つの遠位端を第2の詰物をしたリブの対応する
1つの遠位端と接触させる。それぞれの第1および第2の詰物をしたリブの接触
させた遠位端は結ばれて、着用者の側頭部を覆うための中央パッドの後方に伸長
する側面部を有する平面パッドから多次元パッドを形成する。 本発明の上記要約は本発明の各々の示された態様を記載することを意図するも
のではない。以下の図面および詳細な説明はこれらの態様を特に例示するもので
ある。
【0004】 本発明は添付の図面を参照する本発明の種々の態様の以下の詳細な説明を考慮
すればよりよく理解され得る。 本発明は種々の変更をし、そして別形態にし得るけれども、それらの特徴は図
面中の例により示され、そして詳細に記載されるであろう。しかしながら、記載
された全ての態様が特許請求の範囲内に入ることが意図されているけれども、本
発明は記載された特定の態様に本発明を限定しないと理解されるべきである。一
方、本発明は添付の特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲内
にある全ての変更、同等物および変形を含むべきである。
【0005】 詳細な説明 本発明は多数の様々なスポーツに適用可能であり、そして選手が頭部でボール
を強く打つサッカーに特に適しているものである。本発明はそのように限定され
ないが、本発明の種々の面の理解は下に示す実施例と関連する例示的な態様の説
明により得られるであろう。 図1および2は本発明の一態様に係る頭部防護具の一例を示す。頭部防護具1
0はパッド100、頭部調整ストラップ102および顎紐104を有する。パッ
ド100は典型的にはスパイン(背部)106、前部パネル108、中央パネル
110、クラウンパネル112、2つの後部分岐部116および後部パネル11
4を有する。前部パネル108および後部パネル114は着用者の前頭部の部分
を覆うために設けられた中央パッド部107から伸長する分岐を形成する。これ
らのパッディング(詰物)片の全ては典型的には衝撃吸収材、例えば発泡体から
製造され、物体により衝撃を受けた時、着用者の頭部への力を消散させ、そして
プレイの間に物体に衝突し得る着用者の頭部の領域を保護するために頭部防護具
10上に位置している。例えば、パッディングは着用者の頭部の前部、頂部、後
部および側部を覆い得る。パッディングのこの位置決めは、サッカーボールを打
つ際に頭部のこれらの部分をしばしば使用するサッカー選手に特に適合している
。 パッディングは典型的には独特な頭の形や大きさに適するように十分に可撓性
である。パッディングの位置は頭部防護具が着用される特定の環境を考慮して適
当に選択され得る。例えば、サッカーのプレイの間に使用される場合、パッディ
ングはサッカーボールのより良いコントロールが可能となるように、ボールと普
通に接触する選手の頭部の部分を覆う比較的均一な外表面を付与するように位置
決めされ得る。 パッディングの厚さは、該パッディングが覆う頭部の位置を考慮して、ならび
に頭部防護具が着用される特定の環境を考慮して適当に選択され得る。例えば、
パッディングの厚さはパッディングの頂部、前部、側部および後部で変化しても
よい。例えば3/8ないし5/8インチ程度のパッドの厚さが多くの適用に適し
ている。 パッディングは、空気を循環させ、かつ頭部防護具から水分を発散させるため
に開口部、例えば溝(チャンネル)、孔または類似の態様をさらに有し得る。適
当なパッディング材料は充実体および/または積層発泡体であり、例えばプラス
チックから形成される。
【0006】 一例の態様において、全てのパネルが結合するスパイン106は前頭部から頭
頂部を超え後頭骨の真下の後頭部に至る。前部パネル108は前頭部を大体覆い
、中央パネル110は前頭部真上の頭部の前部分をこめかみの真上部分まで大体
覆い、クラウンパネル112は頭頂部を覆い、2つの後部分岐116は頭頂部か
ら後部パネル114まで延び、後部パネル114は後頭骨近辺の後頭部を大体覆
う。 この一例の態様において、パッド100は、図2に示されるように、一体化さ
れた、概略平坦な(すなわち平面)片として成形される。組み立ての間、パッド
100の各部分は、下で説明するように、一緒に締めつけられて、パッディング
の平面片から図1に示される多次元の頭部防護具10ができあがる。締めつけ(
固締,固定)は典型的にはより薄い発泡体の領域であるゼロ領域で起こる。ゼロ
領域はより薄いので、ゼロ領域が重なり合う部分で一緒に締めつけられても、頭
部防護具の全体の厚さはほぼ均一のままである。 パッド100は該パッド100の外面および内面に織物(ファブリック)が積
層されていてもよい。外面ファブリックは典型的には耐久性であり、そしてボー
ルをヘッディングする時にはボールの良好なコントロールを可能にするが、頭部
防護具がサッカーボール等の物体や他の選手の四肢を把持するようなものではな
い表面を提示する。
【0007】 図3はパッド100の外部の一部を示す。頭部防護具10を組み立ての際に、
前部パネル108の左側および右側の遠位端は曲げられ、そして中央パネル11
0の左側および右側の遠位端に縫製(ステッチ)または他の固定機構により固定
される。固定は図3に最もよく示されるように、前部および中央パネル108お
よび110のゼロ領域122で行われる。前部および中央パネル108および1
10のゼロ領域122のそれらの部分が一緒に固定される場合、頭部防護具10
は前頭部およびこめかみの形状に適合するように曲がる。 前部および中央パネルの固定後、各前部パネル108のゼロ領域122の一部
124は開放されたままである。ゼロ領域122のこれらの露出された部分12
4はクラウンパネル112のそれぞれのゼロ領域124に固定される。前部、中
央およびクラウンパネル108,110,112の端部のゼロ領域122および
124が一緒に固定されると、頭部防護具10は前頭部の形状に合うように曲が
る。 パッディングが頭部を被覆しない開いた領域は通気を与え、パッディングの可
撓性を増す。この態様において、これらの開口領域は2つの方法で作られる。第
1に、前部通気孔128a(図1に示される)は前部および中央パネル108お
よび110に成形され、そしてクラウンパネル112に成形される。さらに、後
部通気孔128b(図1に示される)は結合の際に、前部パネル108と中央パ
ネル110の間および中央パネル110とクラウンパネル112の間の縫製(シ
ーム)により作られる。
【0008】 図5は頭部防護具10の背面図である。図5に最もよく示されるように、頭部
防護具10の前部の組み立ての後、後部パネル114は後部分岐116に固定さ
れる。この固定は後部分岐116(図2に示される)上のゼロ領域132および
後部パネル114上にある後部リブ130(図2および4に示される)の端部に
起こる。後部リブ130は後頭骨を覆う後部パネル114の中央パッド部115
の左右両側部から突出する。後部リブ130および後部分岐116のゼロ領域1
32は、前部、中央およびクラウンパネル108,110および112のゼロ領
域122および124と同様に固定され得る。 パネルおよびリブおよび分岐のゼロ領域はステッチとは別に、調整可能な留め
具(ファスナー)、例えば鉤とループのファスナー、例えばベルクロ(登録商標
)により固定され得る。これが行われるならば、頭部防護具10の大きさおよび
形状は異なる頭の独特の大きさおよび形状に適合するようにさらに調整され得る
。 底後部リブ134(および/または頂後部リブ)は図2に最もよく示されるよ
うに他のリブに対してある角度で成形され得る。角度がつけられたリブが組み立
ての間に他の後部リブに平行に引っ張られた時、後部パネル114は隆起し、そ
して後頭骨の形状への後部パネル114のカップ状のへこみが増す。さらに、後
部パネル114のカップ状のへこみは、中央部115または後部パネル114に
成形される末端よりも狭い後部分岐116に取り付ける後部リブ130の端部を
作ることにより、もっと増やすことができる。これにより、後部分岐116に取
り付けられた端部で後部リブ130をより近くに引っ張ることを可能にし、そし
て後部リブ134が中央部115に成形される点でパッディングの隆起を引き起
こす。最後に、後部リブ130の長さを変更することによっても、後頭骨に適合
するカップ状のへこみを増やすことができる。 図5に示されるように、後部リブ130間の隙間は、通風を増加させ、そして
発泡体が曲げられて発泡体を圧縮したり不所望の点に発泡体の隆起を発生したり
せずに後頭部に適合する丸い形状とすることを可能にする後部通気孔136を形
成する。 場合により、底後部リブ134は他のリブより幅広であってよい。この特別な
幅は1より多い型を作ることなしに異なる大きさの頭部防護具の製造を可能にす
る。より大きい頭に適合するより大きい頭部防護具のために、底後部リブ134
の全幅はそのままにしておいてもよい。より小さい頭に適合するより小さい頭部
防護具のために、リブの幅は組み立て工程の際に減少されてもよい。 後部パネル114は後頭部への弱い打撃から頭部を保護するように設計されて
いる。後頭部は傷害に対して無防備であるので、頭部防護具のこの部分は、例え
ば前部および中央パネル108および110のパッディング厚さに比べ比較的厚
くてもよい。 後部分岐116が結合された時、後部分岐116間でスパイン106のいずれ
かの側にある後部パネル114上の頭部防護具の2つの概略三角形の領域138
および140は図5に示されるように開口したままであってよい。頭部の対応領
域は傷害にそれほど無防備ではなく、それ故に保護の必要性が少ない。さらに、
開口部は通気を増加させ得る。目の粗い適当なファブリック118は図6に示さ
れるように外面全体または頭部防護具のある部分を覆い得る。 延長連結部142および144は図1および5に示されるように、後部分岐1
16の前縁部、および前部、中央およびクラウンパネル108,110および1
12の後縁部により頭部の両側にある耳の真後ろにあるように配置され得る。延
長連結部142および144は延長または短縮して独特の形状および大きさの頭
に適合させ得る。頭部調整ストラップ102はプレイの間適当な大きさを維持し
、適合する。弾性ファブリックが延長連結部142および144を覆い得る。
【0009】 別の態様において、種々の変更が通風を増加させるために行われ得る。例えば
後部パネル114上の三角領域138および140は拡大されてもよく、後部リ
ブ130の数は減らされてもよく、スパイン106は幅を縮小されてもよく、ク
ラウンパネル112が排除され、中央パネル110が排除され、こめかみを覆う
前部パネル108の一部が排除されてもよい。また通気孔の大きさが増大されて
もよい。 この態様において、伸縮性材料から製造された頭部調整ストラップ102(図
1および6に示される)は前頭部から後頭部に向かって伸びる。前頭部の領域に
おいて、調整ストラップ102は図3に示されるように前部パネル108のパッ
ディング中のわずかな凹部146に存在し得る。凹部146は調整ストラップ1
02の位置を維持するように機能する。頭部調整ストラップ102は頭部防護具
10の前部パネル108の左側および右側に沿い、耳用の開口領域のほぼ頂部な
いし3分の1上を伸びる。耳は典型的には延長連結部142および144により
作られたシームに収められる。 図5に最もよく示されるように、頭部調整ストラップ102は典型的には後部
パネル114上にある2つの後部ループ148に通される。後部ループ148は
成形過程の間に発泡体/パッディング中に一体化されるか、または後部パネル1
14上に縫製された織物であってもよいパススルー(開口部材)であってよい。
後部ループ148は典型的には、調整可能な留め具150が頭部の周りにストラ
ップのループを完成する後頭骨の真下の点まで伸びるように頭部調整ストラップ
102の位置を維持する。頭部調整ストラップ102上の緩い固定は典型的には
、眉毛(額)の上および前頭骨上の突出部の下の前頭部および後頭骨の真下の後
頭部の適所に頭部防護具10を保持する。ストラップ102のこの位置は、該ス
トラップ102がずれたり、すべったりしないので、望ましい。結果的に、調整
ストラップ102の緩い固定のみが頭部防護具を適所に保持するために典型的に
は必要である。この緩い固定はあまりにもきつく適合する頭部防護具に伴う疲労
を減少させる。頭部調整ストラップ102は延長連結部142および144を延
長または短縮し得、それにより着用者は頭部防護具10の寸法を拡大または縮小
して着用者の頭部の特徴に適合させることができる。
【0010】 顎紐104はプレイの間頭部に頭部防護具をより良好に保持するために頭部防
護具10に取り付けられ得る。図1に示されるように、顎紐104は頭部防護具
10に4カ所、例えば後部パネル114の左側および右側、および前部パネル1
08の左側および右側に取り付けられ得る。これは、例えば成形過程の間に作ら
れる後部パネル114および前部パネル108の切欠部(スロット)152を介
して紐(ストラップ)104を伸ばすことにより行われ得る。 この態様において、頭部と接触する頭部防護具の内部は典型的には、図2およ
び7に最もよく示されるように、ピロウ(クッション部)154を有する。該ピ
ロウ154は内部溝156により分断される発泡体の隆起した部分である。溝1
56は均一な高さだが一般には3ないし4つの側を有する異なる幅のピロウ15
4を形作るために異なる方向に走行し得る。溝156は図7に示されるように、
着用者の頭部に最も近い点でより広い溝156となるV字型または他の形状に成
形され得る。このV字型は頭部防護具10の部分が頭部に適合する形状により容
易に曲げることを可能にする。それは、発泡体のより厚い部分から構築されるべ
き頭部防護具10が頭部防護具のエネルギー吸収性能を高めることを可能にする
一方、頭部に適合し得る形状により容易に曲がる発泡体のより薄い部分の可撓性
を依然として提示する。溝156はまた、頭部防護具が頭部に直接位置する点で
通風を与える。溝156は空気が通気孔に向けられて循環を改善するように配置
されることが有利であり得る。 通気は図7に示されるように多くの方法でさらに高められ得る。第1に、粘着
剤を裏貼りした小クロス片またはベクロ(登録商標)を例えばピロウ154と頭
部の間に汗吸収性層を付与するためにピロウ154に結合されてもよい。第2に
、軽量、呼吸可能および洗浄可能である内部クロス片が頭部に付けられピロウ1
54の発泡体と頭部の間に空間を与えてもよい。第3に、開放気泡型発泡体片1
60がピロウ154と頭部の間の接触部を減らすために、頭部防護具10の内部
に取り付けられ得る。例えば、開放気泡型発泡体片160はV字型溝156に充
填されるV字型底部を有してもよい。このようにして、物体が頭部防護具10に
当たる場合、開放気泡型発泡体片160は圧縮し、そしてピロウ154は頭部に
接触し、そして衝撃を吸収および分散させる。第4に、柔らかい汗吸収クロスが
小クロス片158と同様の一般的作用を有するピロウ154の表面に積層されて
もよい。最後に、ピロウ154の表面はクロスハッチング162で粗面化して、
発泡体パッド100と皮膚の間の接触を減らしてもよい。
【0011】 頭部防護具の使用は図1および5を参照して記載される。使用の際、典型的に
着用者は頭部上に頭部防護具10をすべらせ、そして頭部防護具10の前部が前
頭部の眉毛の上に直接位置するように頭部防護具10の全ての側部を下方に引っ
張る。各目の上には、前部通気孔128aおよび128bは典型的には、前頭部
中央の水平線に垂直に、頭頂部のいずれかの側およびごく近くの点まで走行する
。前部パネル108は典型的には前頭部およびこめかみ領域上に適合し、そして
耳の真上まで続く。2つの延長連結部142および144の下部は典型的には耳
のすぐ前の頭部のいずれかの側に位置されている。後部パネル114は典型的に
は後頭骨を覆う。頭部調整ストラップ102の張力の調整および留め具150の
固定により、頭部防護具10は形成され、そして頭部に適合する形状になる。顎
紐104が取り付けられているならば、該顎紐104は、首や顎の下部をすりむ
かないように、しかしプレイの間頭部から頭部防護具10がはずれるのを防止す
るように調整され得る。
【0012】 図8は本発明の別の態様に係る頭部防護具の一例を示す。頭部防護具20は例
えば弾性または他の伸縮性材料から製造される前部パネル200、後部パネル2
02、および2つの調整可能な側部ファスナー204を有する。オプションのス
パイン206は図9に示されるように設けられてもよい。パネル200および2
02は典型的には衝撃吸収性材料、例えば物体により衝撃を受けた時に着用者の
頭部への力を消失させ、プレイの間に物体にぶつかり得る着用者の頭部の領域を
保護するために頭部防護具20上に設けられる発泡体またはパッディングから製
造される。この例において、パネル200および202は着用者の頭部の前部、
側部および後部を主に被覆する。スパイン206が加えられるならば、頭頂部の
頭頂部を被覆し得る。パッディングのこの位置は、サッカーボールを打つ際に頭
部のこれらの領域をしばしば使用するサッカー選手に特に適する。 パネル200および202におけるパッディングは典型的にはそれぞれの頭部
の形状および大きさに適合するように十分に可撓性である。パネルパッディング
の位置は頭部防護具10が着用される特定の環境を考慮して適当に選択され得る
。例えば、サッカーのプレイの間に使用される場合、パッディングは通常サッカ
ーボールと接触する選手の頭部の部位上に比較的均一な外表面を与えるように設
けられて、ボールのより正確なコントロールを可能にし得る。 パッディングの厚さは、パッディングが覆うべき頭部の部位を考慮して、なら
びに頭部防護具が着用される特定の環境を考慮して適当に選択され得る。例えば
、パッディングの厚さはパッディングの頂部、前部、側部および後部で変化して
もよい。例えば3/8ないし5/8インチ程度のパッドの厚さが多くの適用に適
している。 パッディングは、空気を循環させ、かつ頭部防護具から水分を発散させるため
に開口部、例えば溝、孔または類似の態様をさらに有し得る。適当なパッディン
グ材料は充実体および/または積層発泡体であり、例えばプラスチックから形成
される。
【0013】 一例の態様において、前部パネル200は前頭部およびこめかみの少なくとも
一部をおおよそ覆い、後部パネル202は後頭骨近傍の後頭部をおおよそ覆い、
そしてスパイン206はもし設けられるならば、前部パネル200の頂部に結合
し、頭頂部を超え後頭骨の真上の後頭部に至り、そして後部パネル202に結合
する。 図10、12および13に示されるように、パネル200および202は概略
平坦な片として各々典型的には成形される。組み立ての際、各パネル202,2
04の部分は、図8に示されるように、一緒に固定されて、それらが覆う頭部の
部位に適合する、カップ状の前部および後部パネル200および202を形作る
。固定は典型的にはより薄い発泡体の領域であるゼロ領域で行われる。ゼロ領域
は隣接するパッディングより薄いので、ゼロ領域が重なり合う部分で一緒に固定
されても、頭部防護具の全体の厚さはほぼ均一のままである。 パネル200および202は外面および内面に積層された織物を有し得る。内
面の織物は典型的には耐久性であり、そしてボールをヘッディングする時にはボ
ールの良好なコントロールを可能にするが、頭部防護具がサッカーボール等の物
体や他の選手の四肢を把持するようなものではない表面を提示する。 図10を再び参照すると、前部パネル200は典型的には中央パッド201お
よび中央パッド201のそれぞれの側部から伸長する下部リブ210および上部
リブ212を有する。各側部では、下部および上部リブ210および212が曲
げられ、そして縫製または他の相互固定機構により固定される。固定は下部およ
び上部リブ210および212のゼロ領域214で行われる。下部および上部リ
ブ210および212の2つのゼロ領域214を連結するために、リブは典型的
にはねじられ、そして曲げられて前部パネル200に比較的平坦なパネルからカ
ップ状の形状への変化を引き起こす。下部および上部リブ210および212の
ゼロ領域214が互いに固定されると、前部パネル200はカップ形状を維持し
て、頭部の前頭部および側部の形状によりよく適合する。 図10を参照すると、パッディングが頭部を被覆しない開口領域または通気孔
216および218は通気を与え、そしてパッディングの柔軟性を高める。これ
らの開口領域216および218は2つの方法で作られる。第1に、前部通気孔
216が下部および上部リブ210および212中に成形される。さらに、前部
通気孔218は連結される際に下部および上部リブ210および212の間の縫
製(シーム)により形成される。 ここで図11を参照すると、前部パネル200は中央パッド201の内側に隆
起219を有してもよい。頭部防護具10が着用される時、この隆起219は後
頭骨の真下に位置して、所望の場所から頭部防護具10の不所望のすべりを防止
する。さらに、この隆起219はすべりをさらに防止するためにすべらない材料
、例えばスエードで被覆されてもよい。前部パネル200の頂縁部220(およ
び/またはもし用いられるならばスパイン206の縁部222)はまた、頭頂部
221の外面から後部パネル200の頂縁部220の外面まで徐々に上昇するテ
ーパーが付されてもよい。
【0014】 後部パネル202およびその組み立ては図12および13を参照して議論され
る。後部パネル202は前部パネル200の組み立てと同様の方法で組み立てら
れる。この態様において、後部パネル202は中央パッド225および中央パッ
ド225の各側部から伸長するフランジ227を有する。各フランジ227は中
央パッド225のそれぞれの側部から外方に伸長し、そしてそれぞれの側部から
離れた第1の端部、第1の端部とそれぞれの中央パッド側の上部との間を連結さ
れる上部リブ228、および第1の端部とそれぞれの中央パッド側の下部との間
を連結される下部リブ224を有する。下部および上部リブ224および228
のゼロ領域234は、前部パネル200の下部および上部リブ210および21
2に対して上で議論したゼロ領域が結合されるのと同様にして、後部パネル20
2の中央部225の4つの角のゼロ領域234に固定される。 前部パネル200および後部パネル202のゼロ領域は調整可能なファスナー
、例えばベクロ(登録商標)により固定され得る。これが行われるならば、頭部
防護具20の大きさおよび形状は着用者によりさらに調整可能であり、異なる頭
のそれぞれの大きさおよび形状に適合する。他の部分の組み立ては着用者にまか
されてもよく、そしてすべりがより容易になされてもよい。 下部および上部の後部リブ224および228は中央リブ226に対してある
角度をつけて成形され得る。角度がつけられた下部リブ224が例えば組み立て
の間に中央後部リブ226のより近くに引っ張られた時、中央パッド225およ
びリブは隆起し、そして後部パネル202のカップ状のへこみが増し、後頭骨の
形状により適合する。さらに、後部パネル202のカップ状のへこみは、中央後
部リブ226よりも短い下部および上部の後部リブ224および228を作るこ
とにより増やすことができる。これにより、後部パネル202の上部および下部
を内側に引っ張り、そして後頭骨を覆う中央パッド225を外側に突出させる。 各側部上の後部リブ224,226および228間の間隙は後部通気孔236
(図8に示される)を形成し、発泡体が曲げられて発泡体を圧縮したり不所望の
点に発泡体の隆起を発生したりせずに後頭部に適合する丸い形状とすることを可
能にし、そして通気を増加させ得る。 下方後部リブ224は上方後部リブ228より広い幅を有するように成形され
得る。この特別な幅は1より多い成形型を作らずに異なる大きさの頭部防護具の
製造を可能にする。より大きい頭に適合するより大きい頭部防護具のためには、
下方後部リブ224の全幅がそのまま残され得る。より小さい頭に適合するより
小さい頭部防護具のためには、下方後部リブ224の幅は組み立て加工の際に切
断または他の手段により減少させてもよい。 後部パネル202は後頭部への小さい衝撃から頭部を保護することが意図され
ている。後頭部は傷害に対して無防備であるので、頭部防護具のこの部分は、例
えば前部パネル204のパッディングに比べ比較的厚くてもよい。
【0015】 図8に戻ると、弾性または他の伸縮性材料から製造される2つの側面ファスナ
ーまたはストラップ204は前部および後部パネル200および202を連結す
る。一つの態様において、側面ファスナー204は、それらが頭部各側部の各耳
のわずかに上方および後方に設けられる。側面ファスナー204は前部パネル2
00の後縁部および後部パネル202の側縁部に成形されたスリット242を通
して各パネル200,202に取り付けられてもよい。各側面ファスナー204
が各スリット242を一旦通過すると、縫製されるか、またはそれ自体に取り付
けて前部および後部パネル200および202に側面ファスナー204を強固に
保持することができる。側面ファスナー204の調整性を増加させるために、寸
法調整機構が各側面または1つの側面に加えられて、弾性体の長さを変化させて
もよい。 前部および後部パネル200および202はわずかに片寄らせ、後部パネル2
02の下縁を前部パネル200の下縁部より低くしてもよい。後部パネル202
のこの片寄りは後頭部の後頭骨の真下の点から額の真上および前頭骨の下の前頭
部にある窪みまで側面ファスナーの弾性により生じる張力の一次線を方向づける
。 側面ファスナー204の弾性により生じた緩い張力、およびそれらが着用者の
頭に存在する時のパネル内のくぼみは適所に頭部防護具10を典型的には保持す
る。張力の線が後頭部の後頭骨の真下の点から額の真上および前頭骨の下の前頭
部にある窪みまで頭部の周線を追随するので、緩い張力のみが典型的に必要であ
る。この周線は典型的には後頭骨の頂部から前頭骨の頂部までの頭の周線より小
さい。それ故に、張力の線は頭頂部上のすべりを減らすへこみ領域に通常位置さ
れる。 低下した張力はあまりにもきつく適合する頭部防護具での疲労を減らす傾向が
あるので望ましい。スライド機構が側面ファスナー240に加えられ調整性をさ
らに増加させるならば、頭部防護具20はさらに拡大または縮小され得、それに
より着用者が頭部防護具を大きくしたり小さくしたりして着用者のそれぞれの頭
の特徴に適合させることができる。
【0016】 他の態様において、顎紐244が図15に示されるように頭部防護具20に取
り付けられて、プレイの間の頭部への頭部防護具20をより良好に保持すること
ができる。この顎紐244は4カ所まで頭部防護具20に取り付けられ得る。例
えば顎紐244は後部パネル202の各前縁部上の後部切欠部248から前部パ
ネル200の各側面上の前部切欠部250まで走行する2本のコード246を有
する3ストラップ系であってよい。コード246に取り付けられるのは、スライ
ドストラップ252であってよい。スライドストラップ252はベクロ(登録商
標)または他のファスナーでコード246に固定され得る。例えば、ストラップ
252の端部は鉤またはループ材のいずれかを有し得、そしてストラップ252
の内部は結合材(相手材)を有し得る。ストラップ端部はストラップ246の周
りにループされてもよく、そして鉤とルーブ材を使用して内部に連結されてもよ
い。スライドストラップ252は着用者に丁度良い位置でコード246上に設け
られても、そして例えば頭部の両側にファスナー254によりその点で結合され
てもよい。傷害を防止するために十分な圧力がかかるならば、ファスナー254
は典型的にははずれる。
【0017】 図9を再び参照すると、オプションのスパイン206はまた、前部および後部
パネル200および202を連結し得る。スパイン206は典型的には単一の平
面パッドの形状で成形過程の間に前部および後部パネル200および202に沿
って形成される。組み立て後、スパイン206は前部パネル200の頂部から頭
頂部を超えて後部パネル202の頂部まで伸びる。組み立ては図8の頭部防護具
20と同様に行われ得る。スパイン206は頭部に追加の保護を与え得、そして
額の上または首の下の頭部防護具のすべりの防止を補助し得る。 別の態様において、図8または9の頭部防護具は射出成形等の方法により最終
形状に成形され得る。この方法において、組み立て、例えばゼロ領域の縫製は行
わずにすみ、そして頭部防護具は頭部に適合するカップ形状に成形され得る。 頭部に接触する頭部防護具20の内部は図8および12に示されるようにピロ
ウ256を有し得る。ピロウ256は溝258により分断された発泡体の隆起し
た部分である。ピロウ256は上記と同様に形成され得、そして上記ピロウと同
様の一般的な特徴を有し得る。 図14に示される一態様において、後部パネル202のピロウ256は後頭骨
を被覆する領域において後部パネル202の内部側に環状または半環状の凹み2
40を規定する。この凹み240の目的は頭部防護具の頭部への保持を改良し、
そして後頭骨の頂部から離れた後頭部への、および首上部や頭部のより大きい領
域への衝撃からエネルギーを分散することである。 使用の際、典型的に着用者は頭部上に頭部防護具20をすべらせ、そして前部
パネル200が前頭部の額の上に直接位置するように頭部防護具20の全ての側
部を下方に引っ張る。前部通気孔216は典型的には、前頭部中央のいずれかの
側部上を頭頂部の高さ近くまで水平に走行する。前部パネル200は典型的には
前頭部およびこめかみ領域の部分上に適合し、そして耳の真上まで続く。後部パ
ネル202は典型的には後頭骨およびその周囲の領域の部分を覆う。側面ファス
ナー204は着用者が頭部防護具20を付け着用者の頭部に適合させる際に伸ば
す。追加の調整可能なスライドが側面ファスナー204に加えられるならば、調
整はさらに高められ得る。顎紐244が取り付けられているならば、該顎紐24
4は、首や顎の下部をすりむかないように、しかしプレイの間頭部から頭部防護
具20がはずれるのを防止するように調整され得る。
【0018】 図16は本発明の別の態様に係る頭部防護具の別の一例を示す。頭部防護具3
0は弾性または他の伸縮性材料から製造される、前部パネル302、後部パネル
304、および例えば2またはそれ以上のの調整ストラップ306を典型的に有
する。オプションのスパイン308は図17に示されるように設けられてもよい
。 パネル302および304は典型的には、物体により衝撃を受けた時に着用者
の頭部への力を消失させる衝撃吸収性材料、例えば発泡体から製造される。頭部
防護具30の発泡体またはパッディングは、プレイの間に物体にぶつかり得る着
用者の頭部の領域を保護することが意図されている。発泡体は内面および/また
は外面にそれに積層された織物を有してもよい。この態様において、パネル30
2および304は前頭部、頭頂部の真下からの側面およびこめかみの下部から上
部、および後頭骨周囲の着用者の後頭部を主として被覆する。スパインが加えら
れるならば、頭部の頭頂部を被覆し得る。パッディングのこの位置および開口領
域の場所は、サッカーボールを打つ際に頭部のこれらの領域をしばしば使用する
サッカー選手に特に適合する。 パネル中のパッディングは典型的にはそれぞれの頭部の形状および大きさに適
合するように十分に可撓性である。パッディングの位置は頭部防護具が着用され
る特定の環境を考慮して適当に選択され得る。例えば、サッカーのプレイの間に
使用される場合、パッディングは通常サッカーボールと接触する選手の頭部の部
位上に比較的均一な外表面を与えるように設けられて、ボールのより正確なコン
トロールを可能にし得る。 パッディングの厚さは、パッディングが覆うべき頭部の部位を考慮して、なら
びに頭部防護具30が着用される特定の環境を考慮して適当に選択され得る。例
えば、パッディングの厚さはパッディングの頂部、前部、側部および後部で変化
してもよい。例えば1/2ないし5/8インチ程度のパッドの厚さが多くの適用
に適している。適当なパッディング材料は充実および/または積層発泡体、プラ
スチックから形成される発泡体、例えば内面または外面に織物を積層した発泡体
を包含する。 図18に示されるように、前部パネル302は典型的には、成形された発泡体
の平坦な片から製造されるか、または一方もしくは両方の面に積層された織物を
有し得る適当な形状に切断される。図16および18を次に参照して、前部パネ
ル302は着用者の前頭部の少なくとも一部を典型的には覆う中央前面パッド3
18のそれぞれの側面から発する2つの下部リブ310,312および2つの上
部リブ314,316を有する。 各下部リブ310,312の外面の一部には、より薄い領域またはゼロ領域3
20がある。ゼロ領域320に対して、約1/8インチのパッディングの厚さが
適当である。各上部リブ314,316の内面は、下部リブ310,312のゼ
ロ領域322の大きさおよび形状に典型的には相当する受容窪み322(図19
に示される)を有し得る。受容窪み322の深さは典型的には下部リブ310,
312のゼロ領域320の厚さにほぼ等しい。
【0019】 組み立ての際、上部および下部リブ310−316は、下部リブ310,31
2のゼロ領域320が上部リブ314,316の受容窪み322と並ぶように曲
げられる。左側の下部および上部リブ312,316は互いに結合し、そして右
側の下部および上部リブ310,314が互いに結合する。リブ310−316
をこのように曲げることにより、中央前部パッド318は典型的に外側に押され
、そして前部パネル302は人間の頭部の形状により緊密に適合するカップ形状
となる。ゼロ領域320と受容窪み322が重なり合う点でのパッディングの厚
さは典型的には前部パネル302のパッディングのより厚い部分の厚さとほぼ等
しい。 前部パネル302のカップ形状を維持するために、各側部の上部および下部リ
ブ310−316はゼロ領域320と受容窪み322の重複部で縫製により互い
に永続的に結合されるか、またはそれらは鉤とループのファスナーにより結合さ
れてもよい。鉤とループのファスナーはこれらの構造体の間の配置のためにゼロ
領域320と受容窪み322とに設けられ得る。鉤とループのファスナーの使用
は前部パネル302の容易な分解を可能にする。 組み立てられたら、前部パネル302は典型的には中央前部パッド318の各
側部に3つの通気孔を規定する。開口またはシーム通気孔326はそれらが曲げ
られ結合された時に各側部の上部および下部リブ310−316間の各側部に形
成される。さらに2つの通気孔328は成形されるか、または下部リブ310お
よひ312の各々において切り取られる。 パッドの屈曲を補助して頭部に適合させるために、溝が異なる位置で外面に成
形されて屈曲領域332,334,336を形成してもよい。1またはそれ以上
の溝は例えばこれらリブと中央パッドの間の屈曲性を高めるために上部リブ31
4,315の各々と中央パッド318の間に配置され得る。
【0020】 屈曲領域338の詳細な図面は図20に示される。屈曲領域322,334,
336は前部パネル302上のいくつかの点に配置される。屈曲領域は頭部の形
状に適合させるために発泡体の屈曲する性質を高めることによりヒンジとして機
能する。 パッディングは溝の基部でより薄くなっており、その結果、溝の方向の反対方
向における発泡体の可撓性が高まっている。 溝はパッディングが溝に沿って曲がるのを可能にしている。上記したように、
屈曲領域は1またはそれ以上の溝からなり得る。1以上存在するならば、溝は互
いにほぼ平行に走行する(異なる屈曲領域からの非平行溝は交差し得るけれども
)。1ないし4の溝を有する屈曲領域が開示されているが、本発明はそれ以上の
溝を有する屈曲領域を含むものに及ぶ。 屈曲領域332,334,336の溝は、前部パネル302が頭部の形状に適
合するために最も厳しく曲がることが望ましい点で前部パネル302の外面に成
形される。例えば、屈曲領域334は、前頭部から側頭部への移行部を形成する
頭部の一部に典型的には存在する前部パネル302の部分に設けられる。屈曲領
域332,334の溝は典型的には組み立てられた前部パネルの底部または頂縁
部に対して45度と90度の間のある角度で延び、それにより頭部の周辺を包む
前部パネルの能力が向上する。屈曲領域332,334の溝は示されるような前
部パネル302の通気孔328および326とほぼ同じ列および同じ側を走行し
得る。別の屈曲領域336は前頭骨を包囲し得、ある着用者では外側に突出する
【0021】 図16および18に最もよく示されるように、前部パネル302は調整ストラ
ップ306が前部パネル302に結合され得る場所として機能する4つの結合点
340を有する。結合点340は典型的には切欠部342−348が図18に最
もよく示されるように発泡体に成形される領域である。また、結合点340は取
り付けリング352および354を縫いつけるために適当な図21Aおよび21
Bに示されるような小さい窪み領域であってよい。 切欠部342−348を有する結合点340は完全に組み立てられた状態が図
16に、そして組み立て前の状態が図18に示されている。切欠部342−34
8は成形された開口部であるか、または調整ストラップが通過するパッディング
の全体の厚さを切除してある。切欠部342−348は大きさが変化し得るが、
調整ストラップ306を通過させる大きさでなければならない。5/8ないし3
/4インチの切欠部長さが例えば適当である。 図16の組み立てられた前部パネル302を形成するために、上部切欠部34
6,348は、ゼロ領域320と受容窪み322が互いに曲げられた時、下部リ
ブ310および312のゼロ領域320に設けられた切欠部350(図18に示
される)と重なり得る。上部および下部リブ310−316が組み立て時に互い
に結合される時、これらの切欠部346,348,350は並べられて、図16
に示されるような前部パネル302の各側部の一組の上部切欠部を形成する。
【0022】 図21A−Bおよび26に示される別の態様において、結合点340は、例え
ば織物、ゴムまたは他の柔軟な材料から製造された取り付けリング352,35
4を前部パネル302の後縁部に結合することにより形成される。窪み領域は結
合点340の後縁部内に成形され得る。リング352,354は取り付けリング
352,354を織物片356を有するリブ310および314に縫い付けるこ
とにより結合されてもよい。この同様な縫製シームはまた、上方および下方の前
部リブを互いに永続的に結合してもよい。 調整ストラップ306の前部パネル302へのリングでの結合は、調整ストラ
ップ306が取り付けリング352,354に結合された時、リング352,3
54に沿って上方および下方にすべることを可能にする。これにより、調整スト
ラップ306の結合なしに、前部パネル302に対して異なる高さで後部パネル
の容易な位置決めが可能となる。 図22を参照すると、図16の態様における後部パネル304は成形の間に中
央パッド358と一体に成形された6つの後部リブ360−370を有する。後
部リブ360−364のうち3つは中央パッド358から下方に突出し、そして
3つのリブ366−370は下方に突出する。切欠部372−382は中央後部
パッド358から離れてリブ360−370の端部近傍に配置されている。この
態様における全ての切欠部372−382はリブの長さ方向にほぼ平行に伸びる
。後部パネル304に対するこの態様における全ての切欠部372−382はま
た、上記前部パネル302のための切欠部342−348とほぼ同じ大きさであ
る。 調整ストラップが存在し得る、ある点でのわずかな窪み384は発泡体に成形
されて、それらが後部リブを交差するように調整ストラップを案内してもよい。
これらの窪み384は調整ストラップ306の厚さと同じ深さであってよい。後
部パネル304のリブ366−370を結び合わせる、示された上部ストラップ
306は図23に示されている。図16に示されるように、下部ストラップ30
6は同様に後部パネル304を介して結び合わされる。
【0023】 図24に示される別の態様において、後部パネル304は中央後部パッド35
9から発する4つのリブ386−392を有する。後部リブ388,392の2
つは中央後部パッド359の一方の側から左にほぼ水平に発し、そして他の2つ
386,390は中央後部パッド359の他方の側から右方向にほぼ水平に発す
る。各リブ386−392の端部には、リングが前部パネル302の後縁部に結
合されたリング352,354と同様に結合され得る。また、切欠部394は図
24に示されるようにリブ386−392の発泡体に成形されてもよい。切欠部
394は中央後部パッド359から離れた位置の後部リブの端部近傍に典型的に
は設けられる。切欠部394はリブの長さ方向におよそ90度で設けられてもよ
い。切欠部394は上記のものと同じ大きさであってよい。ある点では、調整ス
トラップ306は後部パネル304の外面または内面を横切る。これらの配置で
、調整ストラップ306が設けられ得る凹部396は発泡体内に成形されて、後
部パネル302の外面または内面上に調整ストラップ306を案内し得る。図2
5は切欠部394を介してループを形成した調整ストラップ306を有する後部
パネル304の内部を示す。 両方の態様の後部リブの間の空間は発泡体を曲げて発泡体を圧縮したり不所望
の点に発泡体の隆起を発生したりせずに後頭部に適合する丸い形状とし、通風を
高めることを可能にする後部通気孔398を形成する。前部通気孔326,32
8とは異なり、後部通気孔398は典型的にはパッディングにより十分に包囲さ
れない。 前部パネル302と同様に、後部パネル304態様のいずれかは外面に一体化
された屈曲領域400を有し得る。例えば屈曲領域400は図22および24に
示されるように後頭骨を包囲する領域におけるパッディングに成形された1また
はそれ以上の溝から形成され得る。これにより、後部パネル304がより容易に
曲がり、そしてほとんどの着用者の後頭部の後頭骨の突出により良好に適合する
ことを可能にする。 後部パネル304は後頭部への小さな衝撃から頭部を保護することが意図され
ている。後頭部は傷害に無防備であるので、頭部防護具のこの部分は比較的厚く
てもよい。
【0024】 本発明において開示された2ないし4つの調整ストラップ306がある。図2
2および23に示された6つの後部リブを有する後部パネル304は場合により
2つの調整ストラップで作用する。図24および25に示される4つの後部リブ
を有する後部パネル304は場合により4つの調整ストラップで作用する。同じ
前部パネル302は後部パネルの種々の態様のいずれかと共に使用され得る。例
えば図29および30は4つのリブ後部パネル304を有する前部パネル302
を示す。 調整ストラップ306の大きさおよび形状やそのための材料を変更し得る。調
整ストラップ306は円筒状、平坦または長方形であってよい。それらは幅が約
1/8から1インチまで変化し得る。それらは例えばゴム、弾性材料またはあら
ゆるその他の伸縮性材料から製造され得る。開示された調整ストラップ306は
2つの側面がほぼ平坦であり、幅が3/8ないし1/2インチの間である。異な
る大きさおよび形状の調整ストラップ306の使用により切欠部の大きさおよび
形状の変更が必要となる。 2つの調整ストラップ306は下記および図23に示されるように6つのリブ
と後部パネル304に連結される。両方の調整ストラップ306は同様に後部パ
ネルのリブの端部に成形された切欠部に通される。例えば、上部リブ366−3
70のための調整ストラップ306は中央上後部リブ368の2つの切欠部38
2を介して外部から内部に通される。調整ストラップの中央部は中央上後部リブ
368の2つの切欠部382の中点に典型的には配置される。調整ストラップ3
06はループ状に戻されて、上右後部切欠部376および上左後部切欠部378
を介して、再び外部から内部に通される。同じ長さの調整ストラップが典型的に
は上右側および左側後部リブ366,370の両方から典型的には伸長する。 4つの調整ストラップ306は図25に示されるように4つのリブ386−3
92を有する後部パネルに連結され得る。各調整ストラップ306は同様にして
リブ386−392の各々に連結される。例えば、調整ストラップ306は上左
側後部リブ392の切欠部394を介して引っ張られる。(切欠部394の代り
に、上記の取り付けリング352,354と同様のリングもまた後部パネル30
4に取り付けられ得る。)切欠部394を介して引っ張られた後、調整ストラッ
プ306の端部はループ状に折り畳まれ、そして縫製結合部408または示され
たような他の結合手段によりそれ自身に永続的に結合される。同様にして、残り
の3つの調整ストラップの各々が残りの3つのリブに結合される。
【0025】 後部パネル304の態様に関係なく、調整ストラップ306が上記の後部パネ
ル304に一旦結合されると、調整ストラップ306の4つの端部は後部パネル
304から伸長し、そして前部パネル302に連結する。図21Aおよび21B
に示されるように、各上部および下部調整ストラップの端部には、1組の鉤およ
びループ織物細片404,406が取り付けられている。例えば鉤織物ストリッ
プ404は調整ストラップの一方の平坦な側面の一方に取り付けられる。調整ス
トラップの端部からある距離の位置に、ループ状織物406の細片が調整ストラ
ップの平坦な同じ側に取り付けられている。鉤およびループ織物の細片が互いに
配置されている距離は、頭部防護具が保護することを意図する頭部の大きさに依
存している。調整ストラップの各々の端部はリング352および354(または
切欠部)を介してループ状にされている。4つの調整ストラップの各々の端部は
このようにして前部パネル302に結合されている。鉤およびループ織物が結合
される点を変更することにより、ストラップは独立して調整され得、そして頭部
防護具の適合が調整され得る。 前部パネルに調整ストラップ306の端部を結合する他の手段は鉤およびルー
プファスナーの代りにスライドファスナー(ジッパー)を有し得る。スライドフ
ァスナーは適所にスライドし、次いで位置を固定して、着用者により所望の適合
を維持する。
【0026】 図19および25を次に参照して、サイジング(大きさ調整)性能を高め、そ
して通気を改善するために、サイジングパッド410−414がヘッドギア30
の内部に取り付けられてもよい。これらの挿入物は鉤およびループファスナーで
内面に取り付けられ得る。前部パネル302の内部に適しているサイジングパッ
ド410,412が図19に示され、そして後部パネルに適しているサイジング
パッド414が図25に示されている。サイジングパッド410−414は種々
の目的に適う。頭部から前部または後部パネルを上げることにより、頭部と頭部
防護具との間の空間が形成されて通気を高める。第2に、サイジングパッドは着
用者の頭の大きさおよび形状に適合させるべき頭部防護具の能力を高める。これ
は着用者の頭部上の頭部防護具をより心地よい適合状態で維持することを補助す
る。最後に、発泡体挿入物は容易に取り外して洗浄できる。 サイジングパッド410−414は異なる材料から製造され得る。一方または
両方の面にクロスを積層した開放気泡型発泡体がうまく機能する。サイジングパ
ッドの厚さは変わり得る。1/8ないし3/8インチの厚さが好ましい。多層パ
ッドが前部および後部パネルの両方に使用され得、また前部パットに単層パッド
および後部パネルに単層パッドが使用され得る。図19は前部パネル302に多
層パッド410,412を用いた態様を示し、そして図25は後部パネル304
に単層パッド414を用いた態様を示す。後部パネル304のサイジングパッド
414は後頭骨下方に位置されるように意図されており、頭部防護具が着用され
た時に後頭骨上の後部パネル304のすべりを減少させることが意図される隆起
を形成する。サイジングパッド414は下部調整ストラップ306と一線に並べ
てもよい。同様に、図19に示されるように、前部パネル302の内部側の中央
部に設けられたサイジングパッド410は隆起を形成して、頭部防護具が着用さ
れた時、前頭骨上の前部パネル302のずれを防止する。
【0027】 図27および28をここで参照して、サイジングパッドの取り付けが説明され
る。サイジングパッド410−414は鉤およびループファスナーを使用して頭
部防護具の内部に取り付けられ得る。深さ約1/8インチ以下のわずかな窪みが
典型的には、サイジングパッドのための鉤およびループファスナーが配置される
点のパネルの内部側に成形されるか、または切断される。鉤およびループファス
ナーのための窪み416は図19および25において環状の鎖線により示されて
いる。 サイジングパッドを取り付ける2つの方法がここに開示され、そして図27お
よび28に示されている。図27には、サイジングパッドに積層された織物41
8およびパネルの内部に積層された織物420は示されるようにループ状織物で
あってよい。両側にループを有する織物422の環状細片はそれらのために意図
された環状凹部416に位置されてもよい。織物422の環状細片の鉤はパネル
の内部側に積層された織物420に結合する。サイジングパッド412は適当な
位置に置かれ、そしてサイジングパッドのループ状織物418は図27に示され
るように環状細片の露出されたループに結合する。頭部に適合するサイジングパ
ッドの性能を高めるために、図19に示されるような溝424は、サイジングパ
ッドが曲がり頭部の曲線に適合する場所でサイジングパッド中に永続的に押し込
まれ得る。 サイジングパッドを取り付ける第2の方法は図28に示されている。取り付け
のこの第2の方法における重要な相違はフックファスナー426が片面であり、
該面がサイジングパッドに結合する内部側に向けて面していることである。他方
の面は他の接着手段によりパネルの内部側に結合される。 上記の態様において開示した顎紐は頭部防護具30と共に使用され得る。また
、伸縮性材料からなる顎紐428、例えば弾性またはゴム紐(コード)は図29
に示されるように提供され得る。顎紐428の2つの端部は、こめかみを覆うた
めの下方に突出する部分または突起430に設けた前部パネル302の2つの点
で頭部防護具30の前部パネル302に結合され得る。各コードの端部および突
起430上の鉤およびループファスナーは顎紐428を取り付けるために使用さ
れ得、そして十分な力がかけられるならば頭部防護具30から顎紐428が外れ
ることを確実にする。顎紐428は傷害を防止するために十分な力が負荷される
場合に外れ得る。 オプションのスパイン308は図19に示されるように前部パネルの頂中央部
から後部パネルの頂部まで走行する。スパイン308は被覆されるのが望ましい
頭頂部の量に応じてあらゆる幅であってよい。 別の態様において、前部パネル300は図16に示される形状に、例えば射出
成形等の方法により成形され得る。これにより前部パネル300は必要な縫製リ
ブまたは別の固定リブを有するカップ形状に形成され得る。後部パネル302は
また、所望により射出成形されてもよい。調整ストラップは上記と同様な様式で
前部および後部パネルに結合され得る。
【0028】 使用の際に、着用者は典型的には、頭の上に頭部防護具30を滑らせ、そして
前部パネルが好ましくは前頭部の額の真上に位置するように、頭部防護具の全て
の側部を下方に引っ張る。着用者の頭部に適合させた頭部防護具は図29および
30に示されている。図29および30に示されるように、目を上に、シーム通
気孔が頭頂部に向けて20ないし90度の角度で走行する。他の通気孔328は
シーム通気孔326にほぼ平行に走行する。前部パネル302は前頭部およびこ
めかみ領域の一部の上に適合し、そして目の真上まで続く。後部パネル304は
後頭骨およびその周囲の一部を覆う。着用者が頭部防護具を着用者の頭部に適合
させる際に調整ストラップ306は伸縮する。頭部防護具の適合は調整ストラッ
プ306を調整することにより変更され得る。顎紐428が取り付けられるなら
ば、該顎紐428は、首や顎の下部をすりむかないように、そしてプレイの間に
頭部から頭部防護具が不意に外れるのを防止するように調整され得る。 調整ストラップ306の弾性やパネル300および302における可撓性によ
り得られる緩い張力は、それらが着用者の頭部に存在する際に、頭部防護具を適
所に保持するのに十分であるべきである。減じられた張力は、あまりにもきつく
適合する頭部防護具に伴う疲労を少なくするので、好ましい。張力の線が後頭部
の後頭骨の真下の点から額の真上および前頭骨の下の前頭部にある窪みまで頭部
の周線を追随するので、緩い張力のみが典型的に必要である。この周線は後頭骨
の頂部から前頭骨の頂部までの頭の周線より小さいべきである。それ故に、張力
の線は頭頂部上のすべりを減らすへこみ領域に位置される。さらに、額により形
成される隆起は顔面上を不適当にずれることを防止する。
【0029】 張力の線は、頭の形状および大きさが異なるので、異なる使用者で相違する。
このために頭部防護具は典型的には調整可能である。ここに開示された頭部防護
具は以下のように調整する。第1に、後部パネル304を上下に動かすことがで
き、典型的には前部パネル302に対して左右に動かすことができる。なぜなら
ばパネルを連結する調整ストラップ306が可撓性であるからである。この可撓
性は取り付けリングが前部パネル302の後縁部に取り付けられているならば高
められる。第2に、パッディング、屈曲領域および通気孔326のしなやかさに
より高められたパネルの可撓性は、頭部の形状への適合性をより高め、そしてよ
り良好な保持を可能にする。例えば、後部パネル304は後頭骨の下にある領域
において内部に屈曲し、それにより後頭骨に適合する。第3に、調整ストラップ
上の4つの調整可能なファスナーは正確に位置決定されるべき箇所での張力の増
加または低下を可能にする。例えば、あまりにも高い張力が後頭骨の下にかかり
、そして頭部防護具が心地よくないならば、下部調整ストラップのいずれかが緩
められるか、または上部ストラップが締めつけられ得る。最後に、サイジングパ
ッドは保持および寸法合わせ(サイジング)のための追加の手段として作用し得
る。いくつの箇所において、保持および寸法合わせを改良するように、張力は、
パネルを曲げるために十分に方向づけられ得ない。例えば、頭部の額と前頭骨の
間の窪み領域において、最適な保持を達成するのに十分に前部パネルを押すこと
が困難であるかもしれない。この領域にサイジングパッドを置くことにより、頭
部への適合性は高められ、そしてそのようなサイジングパッドにより形成される
隆起は、パネルが頭頂部をすべる可能性を減らす。
【0030】 上記のように、本発明は頭部への衝撃が起こり得る多くの種々のスポーツに使
用され得る頭部防護具を提供する。本発明は上記の特定の実施例に限定されると
考えられるべきではなく、むしろ添付の特許請求の範囲において適切に構成され
るような本発明の全ての面を含むものと理解されるべきである。例えば、適当な
材料、ファスナー等は上記の説明において開示されているが、例示のために挙げ
たもので、限定のためではなく、他の多くの材料、ファスナー等が本発明を逸脱
しない限り使用され得ると考えられるべきである。本発明が適用可能である種々
の変更並びに多くの構造は、本明細書の記載を考慮すれば当業者には容易に明ら
かである。特許請求の範囲はそのような変更および構造を含むことが意図されて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一態様に係る頭部防護具の一例を示す斜視図である。
【図2】 図2は図の頭部防護具の底面図である。
【図3】 図3は図1の頭部防護具の前部パネル部を示す。
【図4】 図4は図1の後部パッド部を示す斜視図である。
【図5】 図5は使用者により着用された図1の頭部防護具の一例の背面図である。
【図6】 図6は本発明の一態様に係る頭部防護具の一例を示す斜視図である。
【図7】 図7は図1の頭部防護具と共に使用するための内部材の一例の底面図である。
【図8】 図8は本発明の別の態様に係る頭部防護具の一例を示す斜視図である。
【図9】 図9は本発明の別の態様に係る頭部防護具の一例を示す斜視図である。
【図10】 図10は図8の頭部防護具の前部パネルの一例を示す。
【図11】 図11は図8の前部パネルの断面図である。
【図12】 図12は組み立てずに示した図8の後部パネルパッドの内面図である。
【図13】 図13は図12の後部パネルの外面図である。
【図14】 図14は図8の頭部防護具と共に使用され得る別の後部パネルの内面図である。
【図15】 図15は顎紐を有する図8の頭部防護具の斜視図である。
【図16】 図16は本発明の別の態様に係る頭部防護具の一例の斜視図である。
【図17】 図17は本発明の別の態様に係る頭部防護具の一例の斜視図である。
【図18】 図18は図16の頭部防護具の組み立て前の前部パネルの外面図である。
【図19】 図19は図18の頭部防護具の組み立て前の前部パネルの内面図である。
【図20】 図20は図16の頭部防護具の一部の断面図である。
【図21A】 図21Aは本発明の態様に係る取り付け機構の一例を示す。
【図21B】 図21Bは本発明の態様に係る取り付け機構の一例を示す。
【図22】 図22は図16に示す頭部防護具の後部パネルの外面図である。
【図23】 図23は調整ストラップと共に示す図22の後部パネルの外面図である。
【図24】 図24は本発明の態様に係る別の後部パネルの外面図である。
【図25】 図25は図24の後部パネルの内面図である。
【図26】 図26は本発明の別の態様に係る頭部防護具の一例の斜視図である。
【図27】 図27は本発明のさらに別の態様に係るサイジングパッドの取り付けの説明図で
ある。
【図28】 図28は本発明のさらに別の態様に係るサイジングパッドの取り付けの説明図で
ある。
【図29】 図29は使用者により着用された際の頭部防護具の一例の側面図である。
【図30】 図30は使用者により着用された際の頭部防護具の一例の背面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/100,111 (32)優先日 平成10年9月14日(1998.9.14) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 フェントン,ケビン,ティ. アメリカ合衆国 ミネソタ 55105 セン トポール サミット アベニュー 864 (72)発明者 ハーバーソン,ジョージ,シー. アメリカ合衆国 ミネソタ 55105 セン トポール オセオラ アベニュー 683 (72)発明者 ハーバーソン,セス,ジー. アメリカ合衆国 ミネソタ 55408 ミネ アポリス ハリアット アベニュー サウ ス 3429 Fターム(参考) 3B107 BA01 CA02 DA01

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着用者の前頭部部分を覆うための中央パッドであって、第1の
    側部および第2の側部を有する上記中央パッド; 前記中央パッドの各側部から伸長する少なくとも第1および第2の詰物をした
    リブであって、各側部の該第1および第2の詰物をしたリブの遠位端は連結され
    て、着用者の側頭部を覆うための中央パッドから後方に伸長する側部を形成する
    上記リブ; 着用者の後頭骨を覆うための後部パッド;および 該後部パッドに前記側部を結びつける調整ストラップ系 からなる保護用頭部防護具。
  2. 【請求項2】 後部パッドとそれぞれの側部との間に連結された第1および第
    2のストラップ、および着用者の顎の下に取り付けるための第1および第2のス
    トラップの間に連結された第2のストラップをさらに有する請求項1記載の頭部
    防護具。
  3. 【請求項3】 中央パッドから着用者の頭頂部を覆って後部パッドまで伸長す
    るスパインパッドをさらに有し、該スパインパッド、中央パッドおよび後部パッ
    ドは成形されたパッディングの単一体の部材から形成される請求項1記載の頭部
    防護具。
  4. 【請求項4】 各側部がそれぞれの第1および第2の詰物をしたリブの間に規
    定された第1の開口部を有する請求項1記載の頭部防護具。
  5. 【請求項5】 中央パッドの各側部に窪ませたパッディングの1またはそれ以
    上の溝をさらに有し、それぞれの側部の該1またはそれ以上の溝は中央パッドの
    基部からそれぞれの側部の第1および第2のリブにより規定される開口部まで伸
    長する請求項4記載の頭部防護具。
  6. 【請求項6】 第1の詰物をしたリブの各々は第1の開口部のそれぞれの下に
    配置された少なくとも1つの第2の開口部および第1の詰物をしたリブの基部か
    ら少なくとも1つの第2の開口部まで伸長する1またはそれ以上のリブ溝を有す
    る請求項5記載の頭部防護具。
  7. 【請求項7】 調整ストラップ系は、後部パッドの頂部および第2の詰物をし
    たリブの少なくとも1つを互いに結合する上部調整ストラップ系と、後部パッド
    の底部および第1の詰物をしたリブの少なくとも1つを互いに結合する下部調整
    ストラップ系とを有し、上部および下部調整ストラップ系は独立して調整可能で
    ある請求項1記載の頭部防護具。
  8. 【請求項8】 第1の詰物をしたリブの各々が遠位端に第1のより薄い領域を
    有し、そして第2の詰物をしたリブの各々が第2のより薄い領域を有し、それぞ
    れの第1および第2のリブの第1および第2のより薄い領域は重なっている請求
    項1記載の頭部防護具。
  9. 【請求項9】 重なっているより薄い領域の合計の厚さが、より薄い領域近傍
    の第1または第2の詰物をしたリブの厚さとほぼ等しい請求項8記載の頭部防護
    具。
  10. 【請求項10】 ヘッドストラップ系がそれぞれの第1および第2のリブをそ
    れぞれのより薄い領域で結合している請求項8記載の頭部防護具。
  11. 【請求項11】 後部パッドが中央パッドおよび該中央パッドの頂側部から伸
    長する多数の頂部リブ部、および前記中央パッドの底側部から伸長する多数の底
    部リブ部を有し、後部パッドが後部パッドとリブ部の各々との間に配置された、
    中央パッドに対してリブ部の屈曲を可能にする1またはそれ以上の溝をさらに有
    する請求項1記載の頭部防護具。
  12. 【請求項12】 調整ストラップ系が、頂部リブ部の遠位端の間を結び合わせ
    、そして各端部で側部のそれぞれに連結する上部調整ストラップ、および底部リ
    ブ部の遠位端の間を結び合わせ、そして各端部で側部のそれぞれに連結する底部
    調整ストラップを有する請求項11記載の頭部防護具。
  13. 【請求項13】 後部パッドが中央パッドおよび該中央パッドのそれぞれの頂
    側部から各々伸長する2つの頂部リブ部および前記中央パッドの底側部から各々
    伸長する2つの底部リブ部を有し、後部パッドが中央パッドと頂部および底部リ
    ブの各々との間に中央パッドに対してリブ部の屈曲を可能にする1またはそれ以
    上の開口部をさらに有する請求項1記載の頭部防護具。
  14. 【請求項14】 調整ストラップ系が2つの頂部リブ部の一方を側部の一方に
    各々連結する2つの独立して調整可能な上部調整ストラップ、および2つの底部
    リブ部の一方を側部の一方に各々連結する2つの独立して調整可能な下部調整ス
    トラップを有する請求項13記載の頭部防護具。
  15. 【請求項15】 後部パッドが着用者の後頭骨を覆うための中央パッド、およ
    び後頭骨下方に位置し、かつ着用者の頭部に頭部防護具を取り付けるための中央
    パッド下方に設けられたより大きいサイジングパッドを有する請求項1記載の頭
    部防護具。
  16. 【請求項16】 調整ストラップ系が少なくとも1つの調整ストラップを有し
    、そしてサイジングパッドが少なくとも1つの調整ストラップと並んでいる請求
    項15記載の頭部防護具。
  17. 【請求項17】 後部パッドが中央パッドおよび該中央パッドの各々の側部か
    ら伸長するフランジを有し、各フランジは中央パッドのそれぞれの側部から外側
    に伸長し、かつそれぞれの側部から離れた第1の端部を有する中央リブ、該第1
    の端部とそれぞれの側部の上部との間に連結された上部リブおよび前記第1の端
    部とそれぞれの側部の下部との間に連結された下部リブを有し、各フランジの中
    央リブおよび上部リブは開口部を形成し、そして各フランジの中央リブおよび下
    部リブは開口部を形成する請求項1記載の頭部防護具。
  18. 【請求項18】 第1のリブの各々が着用者の耳を露出するための凹部を有す
    る底縁部をさらに有し、第1のリブのそれぞれにより規定される第1の開口部は
    第1のリブのそれぞれの凹部よりも中央パッドに近接して設けられている請求項
    1記載の頭部防護具。
  19. 【請求項19】 それぞれの凹部と着用者のこめかみを覆うための中央パッド
    との間に設けられた下方に伸長する部分を各側部の第1のリブ上にさらに有する
    請求項18記載の頭部防護具。
  20. 【請求項20】 第2のリブおよび中央パッドの間の屈曲を増加させるための
    、第2のリブの各々と中央パッドとの間に配置された1またはそれ以上の溝をさ
    らに有する請求項1記載の頭部防護具。
  21. 【請求項21】 頭部防護具が着用者により着用された際に、ヘッドストラッ
    プ系、後部パッドおよび中央パッドが着用者の後頭骨の下方および着用者の前頭
    骨の下方を走行する張力の線を与える請求項1記載の頭部防護具。
  22. 【請求項22】 中央パッドに設けられ、そしてヘッディング標的箇所を規定
    するv字型溝をさらに有し、該v字型溝は中央パッドの側縁部から均等に配置さ
    れ、そして中央パッドの屈曲を容易にする請求項1記載の頭部防護具。
  23. 【請求項23】 着用者の前頭部部分を覆うための中央パッド; 該中央パッドのそれぞれの側部から各々伸長する1対の第1の詰物をしたリブ
    であって、該第1の詰物をしたリブの各々はより厚いパッディング厚さを有する
    大きい領域とより薄いパッディング厚さのより薄い領域を有する遠位端とを有す
    る上記リブ; 第1の詰物をしたリブのそれぞれの上方の中央パッドのそれぞれの側部から各
    々伸長する1対の第2の詰物をしたリブであって、該第2の詰物をしたリブの各
    々はより厚いパッディング厚さを有する大きい領域とより薄いパッディング厚さ
    のより薄い領域をを有する遠位端とを有し、それぞれの第1および第2のリブの
    より薄い領域は重なり、そして重なるより薄い領域の合計の厚さはより厚いパッ
    ディング厚さとほぼ同じである上記リブ; 着用者の後頭骨を覆うための後部パッド; 後部パッドの上部を側部の上部と相互に結合する上部調整ストラップ系;およ
    び 後部パッドの下部を側部の下部と相互に結合する下部調整ストラップ系 からなる保護用頭部防護具。
  24. 【請求項24】 より薄い領域の各々が切欠き部を有し、そして上部調整スト
    ラップ系がそれぞれの第1および第2のリブを連結するためのそれぞれの第1お
    よび第2のリブのより薄い領域の切欠き部を介して各々配置された2つのストラ
    ップ部を有する請求項23記載の頭部防護具。
  25. 【請求項25】 中央パッドと、該中央パッドの各側部から伸長する第1およ
    び第2の詰物をしたリブとを有する平面パッドを形成し; 各側部の第1および第2の詰物をしたリブを曲げて、第1の詰物をしたリブの
    一方の遠位端を第2の詰物をしたリブの対応する一方の遠位端と接触させ;そし
    て それぞれの第1および第2の詰物をしたリブの接触させた遠位端を固定して、
    着用者の頭部の側部を覆うための中央パッドの後方に伸長する側部を有する平面
    パッドから多次元パッドを形成する; ことからなる頭部防護具の製造方法。
  26. 【請求項26】 平面パッドの形成が、各々の第1のリブと中央パッドとの間
    の1またはそれ以上の溝の形成を含み、そして各側部の第1および第2の詰物を
    したリブの曲げが、それぞれの第1のリブと中央パッドとの間の1またはそれ以
    上の溝に沿った第1の詰物をしたリブの各々の曲げを含む請求項25記載の方法
  27. 【請求項27】 平面パッドの形成が、各々の第2のリブと中央パッドとの間
    の1またはそれ以上の溝の形成を含み、そして各側部の第1および第2の詰物を
    したリブの曲げが、それぞれの第2のリブと中央パッドとの間の1またはそれ以
    上の溝に沿った第2のリブの各々の曲げを含む請求項25記載の方法。
  28. 【請求項28】 第1および第2の詰物をしたリブの曲げが中央部の曲げを含
    む請求項25記載の方法。
  29. 【請求項29】 平面パッドの形成が、第1の詰物をしたリブの各々の遠位端
    に第1のより薄い領域および第2のリブの各々の遠位端に第2のより薄い領域を
    形成し;そして 第1および第2のリブの曲げが、それぞれの第1および第2のリブの第1およ
    び第2のより薄い領域を重ねることを含む請求項25記載の方法。
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