JP2001522607A - Dnaデメチラーゼおよびその治療および診断用途 - Google Patents

Dnaデメチラーゼおよびその治療および診断用途

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JP2001522607A JP2000520577A JP2000520577A JP2001522607A JP 2001522607 A JP2001522607 A JP 2001522607A JP 2000520577 A JP2000520577 A JP 2000520577A JP 2000520577 A JP2000520577 A JP 2000520577A JP 2001522607 A JP2001522607 A JP 2001522607A
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スジフ,モーシェ
バタッチャルヤ,サンジョイ
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マクギル・ユニヴァーシティ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、約40kDaを有するDNAデメチラーゼ酵素に関し、そして上記DNAデメチラーゼ酵素は癌細胞において過剰発現されて正常細胞においては発現されない。本発明は、該DNAデメチラーゼ酵素の治療用並びに診断用用途にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明の背景 (a)本発明の分野 本発明は、新規の酵素、DNAデメチラーゼ、とその治療的診断的用途に関す
る。 (b)先行技術の説明 脊椎動物ゲノム内のジヌクレオチド配列CpG内にあるシトシン部分の修飾は
、パレンタルインプリンティング(parental imprinting) 、X−不活性化、異所
性遺伝子および間違った遺伝子発現のメチル化の抑制、の様な数多くのゲノム機
能の調節に含まれることが、多くの系での証拠から確立された(Szyf,M.
,1996,Pharmacol.Ther.,70,1−37)。メチル化さ
れたCpGsの分布は、メチル化パターンが組織−および部位−特異的に形成さ
れるため、DNAのメチル化によって、示差マーキング遺伝子のその機能が完成
される(Szyf,M.,1996、Pharmacol.Ther.,70,
1−37)。メチル化パターンは、発生の間にメチル化および脱メチル化の起こ
る配列によって形作られ(Brandeis,M.ら、1993、Bioass
ays,15,709−713)、完全に分化した細胞内に維持される(Raz
in,A.ら、1980、Science,210,604−610)ことが明
らかである。元来、DNAの脱メチル化は、複製中のメチル基の受動損失によっ
て成し遂げられると考えられている(Razin,A.ら、1980,Scie
nce,210,604−610)が、現在では、脱メチル化の活性化プロセス
は、胎児細胞内で(Frank,D.ら、1991、Nature,351,2
39−241)、分化細胞系内で(Razin,A.ら、1986、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA,83,2827−2831;Szyf,
M.ら、1985、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,8
090−8094)、およびエストロゲン処理に応答して(Saluz,H.P
.ら、1986、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83,71
67−7171)、起こることが明らかである。二通りの脱メチル化の様式が提
案されている:特異的遺伝子の遺伝子発現の始まりの多くの例と一致する部位特
異的脱メチル化;ならびに細胞分化の間および癌細胞内のインビボでの早期発生
中に起こる一般ゲノムの広範な脱メチル化:である(Feinberg,A.P
.ら、1983、Nature,301,89−92;Razin,A.ら、1
986、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83,2827−2
831)。包括的脱メチル化は、発生またはオンコジーンの特異点で活性化され
る一般的デメチラーゼ活性が存在するという仮説と一致する。メチル化パターン
を調節する一つの機構は、メチルトランスフェラーゼの発現(Szyf,M.、
1991、Biochem.Cell Biol.,69,764−767)お
よび脱メチル化活性(Szyf,M.、1994、Trende Pharma
col.Sci.,7,233−238)を調節することであると、仮定されて
いる。過去20年の間に、メチル化に応答する酵素活性およびその発現の調節に
ついて、広範囲の情報が得られている(Szyf,M.、1996、Pharm
acol.Ther.,70,1−37)が、デメチラーゼの身元は謎のままで
ある。しかしながら、どのようなパターンのメチル化が形成され維持されるかを
完全に理解するために、そして、発生、生理および発癌でのそれらの役割を決定
するためには、デメチラーゼ酵素を同定しなければならないことは、明らかであ
る。以下の2つの主な困難点が、この酵素の同定を阻害してきた。第一に、メチ
ル化されたシトシンの脱メチル化は、非常に安定なC−C結合の破壊を含むため
、化学的にあり得ない。第二に、脱メチル化は、発生の非常に限定された段階で
起こり(Brandeis,M.ら、1993、Bioassays,15,7
09−713)、この酵素の正確な組織起源を同定することは重要である。
【0002】 一方で、真正の(bona fide)デメチラーゼは今日までに同定されていないが、 非メチル化シトシンとメチル化シトシンの変換を含む生化学的変換機構について
は説明されている。以前から予想されていた一つの機構は、グリコシラーゼによ
るメチル化塩基の除去、および「切除修復」機構を用いる非メチル化ヌクレオチ
ドとの置換である(Razin,A.ら、1986、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,83,2827−2831)。DNAからメチル化シト
シンを除去することの出来るグリコシラーゼ活性は、Vairapandiおよ
びDuker(Vairspandi,M.ら、1993、Nucl.Acid
s Res.,21,5323−5327)によって、さらにより最近には、J
ost(Jost,J.P.ら、1995、J.Biol.Chem.,270
,9734−9739)によって、証明されている。しかしながら、この活性が
細胞分化中に認められる一般的脱メチル化に応答するか否かは、明らかではない
。Jostによって同定された活性は、(ほとんどの場合、天然の基質ではない
)半メチル化配列に特異的に作用し、そしてチミジンおよび5−メチルシトシン
を除去することが出来ると言う事実は、このグリコシラーゼ−デメチラーゼの修
復機能を支持する(Jost,J.P.ら、1995、J.Biol.Chem
.,270,9734−9739)。最近では、RNA依存性活性を含む変換機
構が、Weissら(Weissら、1996)に記載されている。このプロテ
イナーゼ−非感受性RNA依存活性は、DNA−RNAハイブリド分子内に含ま
れる非メチル化CpGジヌクレオチドでのメチル化CpGの切除および置換を触
媒することが、示された(Weiss,A.ら、1996、Cell,87,7
09−718)。培養中の分化細胞内で同定されたこの活性は、発生の間は脱メ
チル化に含まれると、考えられていた。これらの以前の知見から、この分野で共
通に受け入れられるモデルは、真正のデメチラーゼが存在しないこと証明してい
る。
【0003】 以前から、癌細胞内で認められる広範囲の低メチル化(hypomethylation) は、
オンコジーン経路による脱メチル化活性の活性化の結果であろうと、考えられて
きた(Szyf,M.ら、1995、J.Biol.Chem.,270,12
690−12696)。この仮説に従って、我々は、v−Ha−rasの異所性
発現が細胞内の脱メチル化活性を誘導することを示した(Szyf,M.ら、1
995、J.Biol.Chenm.,270,12690−12696)。3
32P標識したメチルdCMP(mdCMP)のdCMPへの変換を直接測定す
るアッセイを用いて、我々は、P19−Rasトランスフェクタントから調製さ
れた核抽出物が高レベルのデメチラーゼ活性を持つことを示した(Szyf,M
.ら、1995、J.Biol.Chem.,270,12690−12696
)。この知見を確立するために、我々は、癌細胞系がデメチラーゼの良好な起源
であると、仮定した。しかしながら、P19細胞内のRas発現が癌細胞内の状
況を反映しているかは、明らかではない。P19は、胎児細胞であり、Rasの
発現は、それらを分化させることが出来る。
【0004】 治療的および生物学的用途のために、発生プログラムを変化させる真正のDN
Aデメチラーゼ(DNA dMTase)と共に提供されることが、非常に望ま
しいであろう。発明の要約 本発明では、我々はヒト肺癌細胞系A549からの真正のDNAデメチラーゼ
(DNA dMTase)の精製を証明し、その動力学的パラメーターを測定し
、基質特異性を決定した。この研究により同定されたDNA dMTase活性
は、ジヌクレオチド配列mdCpG内に存在するメチル−dCMP(mdCMP
)をdCMPに変え、一方、メチル基を、メタノールと同定された揮発性残基と
して遊離する。活性は、如何なる微量のdCTPも含まないように精製され、D
NAポリメラーゼインヒビターddCTPに非感受性であり、反応物中に存在す
るメチルdCTP(mdCTP)に影響されず、そしてエキソヌクレアーゼ活性
またはグリコシラーゼ活性を示さない。この新規の酵素の同定は、どのようにD
NAメチル化パターンが形成され変化するかの理解に新しい方向性を示す。
【0005】 本発明の一つの目的は、真正のDNAメチラーゼ(DNA dMTase)を
提供することである。
【0006】 本発明では、約40KDaのDNAデメチラーゼ酵素が提供され、DNAデメ
チラーゼ酵素は癌細胞内では過剰に発現されるが、正常細胞内ではそうではない
【0007】 本発明に従って、配列番号1に示された配列を含むヒトのデメチラーゼをコー
ドするcDNAが提供される。
【0008】 本発明に従って、ヒトcDNAと相同の2つのマウスcDNAが提供され、マ
ウスデメチラーゼをコードするcDNAは、配列番号5−7に示す配列を持つ。
【0009】 本発明に従って、配列番号3に示す配列を持つヒトデメチラーゼと相同の蛋白
質をコードする異なるヒトcDNAが提供される。
【0010】 本発明では、デメチラーゼcDNAsの発現を用いて、細胞内インビトロで、
または、ヒト、動物および植物内インビボで、DNAのDNAメチル化パターン
を変化させることが、提供される。
【0011】 デメチラーゼcDNAsは、CMVのような哺乳動物プロモーターの指揮下で
発現できる。
【0012】 デメチラーゼcDNAsは、植物特異的プロモーター下で発現でき、植物内で
のメチル化を変化させ、植物の発生状態および植物内での外来遺伝子の発現を変
えることができる。
【0013】 デメチラーゼcDNAsがアンチセンス方向に発現すると、治療プロセスで、
癌細胞内のデメチラーゼを阻害することができる。
【0014】 哺乳動物細胞内でのデメチラーゼcDNAの発現は、それらの分化の状態を変
化させ、そして治療用肝細胞および動物クローニング用細胞を生成させ、さらに
外来遺伝子の発現を改良することができる。
【0015】 本発明では、細菌または昆虫細胞内でデメチラーゼcDNAの発現を用いた、
大量のデメチラーゼの生成を、提供する。
【0016】 本発明では、デメチラーゼcDNAsの発現を用いた、脊椎動物、昆虫または
細菌あるいは植物細胞内でのデメチラーゼに対する抗体の様な蛋白質の生成を提
供する。
【0017】 本発明では、鋳型としてデメチラーゼcDNAsの配列を用いた、アンチセン
スオリゴヌクレオチドおよびリボザイムの設計を提供する。
【0018】 本発明では、デメチラーゼcDNAsの予想ペプチド配列を用いた、デメチラ
ーゼに対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体の生成を提供する。
【0019】 本発明では、酵母の2つのハイブリド系内でのcDNAsの発現を用いた、診
断用および治療用目的でデメチラーゼと相互作用する蛋白質の同定を提供する。
【0020】 本発明では、細菌、脊椎動物または昆虫細胞内でのcDNAsの発現を用いた
、X−線結晶構造を得るため、ならびに治療用およびバイオテクノロジー用にデ
メチラーゼインヒビターを高処理量スクリーニングするのための、大量のデメチ
ラーゼの生成を提供する。
【0021】 本発明に従って、 a) インビトロで転写および翻訳されたデメチラーゼcDNAsを用いて、
メチル化DNAサンプル中に存在するメチル−シトシンをDNA中に存在するシ
トシンと揮発性メチル基に変換する; b) 活性なデメチラーゼインヒビターの徴候としての揮発性メチル基の不在
または微小量を測定する: 段階を含む、治療用薬剤および抗癌剤としてのデメチラーゼインヒビターを高処
理量でスクリーニングするための揮発性アッセイを提供する。
【0022】 本発明では、 a) メチル化DNA内に存在するメチル−シトシンのDNA内に存在するシ
トシンへの変換およびメタノールとして遊離するメチル基としてのその揮発性を
アッセイすることによって、患者サンプル中のデメチラーゼ活性を測定し; b) 患者サンプル中の癌の指標として、メチル基として遊離される揮発性メ
チルの存在または微小量を測定する: 段階を含む、患者サンプル中のガン診断用の揮発性アッセイを提供する。
【0023】 本発明では、DNAデメチラーゼのアンタゴニストまたはインヒビターを用い
た、癌治療用、患者DNA中の異常なメチル化パターンの修復用、または患者D
NA内のメチル化パターンの変換用の、薬剤製造を提供する。
【0024】 そのようなアンタゴニストは、「CmGCmGCmGCmG GmCGmCGmCGmC」n の様な、Ki5 0nMでデメチラーゼを阻害する二本鎖オリゴヌクレオチドである。
【0025】 インヒビターには、限定するものではないが、抗−DNAデメチラーゼ抗体、
DNAデメチラーゼのアンチセンス、または任意のイミダゾール誘導体の様な小
分子が含まれる。
【0026】 メチル化パターンの変化は、サイレント遺伝子を活性化することができる。そ
のようなサイレント遺伝子が活性化されると、β−サラセミアまたは鎌状赤血球
貧血で見出されたような遺伝子欠損を修正することができる。
【0027】 本発明のDNAデメチラーゼを用いると、クローニングDNAに必要とされる
ように、インビトロでDNA上のメチル基を除去することができる。
【0028】 本発明のDNAデメチラーゼまたはそのcDNAsは、細胞分化の状態を変化
させて、遺伝子治療、幹細胞選択または細胞クローニングを可能にするために、
用いることができる。
【0029】 本発明のDNAデメチラーゼまたはそのcDNAsを、ベクター媒介遺伝子治
療を用いて癌細胞内のメチル化を阻害するために、用いることができる。
【0030】 本発明では、患者のガン診断用アッセイであって、RT−PCT、ELISA
または本発明の揮発アッセイのいずれかによって、患者からのサンプル内のDN
Aデメチラーゼの発現レベルを定量することを含み、その中でDNAデメチラー
ゼの過剰発現が癌細胞の指標となる、前記アッセイを提供する。発明の詳細な説明 メチル化パターンは、発生の間、メチル化および脱メチル化の起こる配列によ
って、形作られる。メチル化の正体はミステリーのままであり、その選択的生化
学活性は、DNAの脱メチル化を示すが、DNAからメチル基を確実に除去でき
る活性を持たないことが、データから分かった。デメチラーゼ活性の源としてヒ
ト肺癌細胞を用いて、我々は、哺乳動物細胞が真正のDNAデメチラーゼ(DN
A dMTase)活性を持つことを、証明している。DNA dMTaseは
、水から誘導された水素で5位のC上のメチル基の置換を触媒することによって
、メチル−CをCにトランスフォームする。DNA dMTaseは、完全にメ
チル化されたDNAおよび半メチル化DNAの両方を脱メチル化し、ジヌクレオ
チド特異性を示し、異なる配列状況のmdCpdG部位を脱メチル化することが
できる。この酵素は、以前に記載された脱メチル化活性とは異なり;プロテイナ
ーゼ感受性であり、RNaseによって活性化され、異なる生成物を遊離する。
【0031】 DNA dMTaseは、如何なる生物でも以前に記載されたことのなかった
新規の予想外の活性を示す新規酵素である。真正のデメチラーゼの発見は、DN
Aメチル化の生物学的役割の我々の理解に新たな方向性を示す。
【0032】 p19細胞内でのRas発現が脱メチル化活性を誘導することができることは
、以前から示されている事実であるにもかかわらず、この脱メチル化活性が本当
に真正のデメチラーゼからくるものか否かは、明らかではなかった。一つには、
デメチラーゼは胎児細胞内にあると予想されていた。脱メチル化活性が癌細胞内
に存在することが分かったことは驚きに値する。A549細胞内で高レベルのデ
メチラーゼが発見されたことは、本当に、予想外の発見である。
【0033】 本発明では、脱メチル化がDNA中のメチル化シトシンからのメチル基の除去
によって起こること、水からの水素が5’位のメチル基を置換すること、その結
果得られたメチル基が水からの残りのヒドロキシルと反応して揮発性であるメタ
ノールを生成すること(図4E−F)が、示され証明された。このように、真正
のDNAの脱メチル化には、以下の反応: デメチラーゼ CH3-シトシン-(DNA)+H-OH −−−−−→ H-シトシン+CH3-OH が含まれる。
【0034】 本発明に従ってクローン化されたcDNAは、DNA中のメチル−シトシンを
シトシンに変換することができ、インビトロで転写され翻訳された場合、DNA
上のメチル基を揮発しメタノールとして遊離するので、デメチラーゼである。こ
れは、以前には記載されたことのない生化学活性をコードする新規cDNAであ
る。
【0035】 本発明に従って、デメチラーゼが阻害されることによって成長する癌を阻害す
るモデルが示される(図17)。 実験方法 細胞培養 A549肺癌細胞(ATCC:CCL185)を、10%のウシ胎児血清、2
mMグルタミン、10U/mlシフロフロキサシンを添加したDulbecco
のイーグル修飾培地(低グルコース)で増殖させた。ヒトの皮膚繊維芽細胞#7
2−213A MRHFを、BioWhittaker(Bethesda)か
ら得、2%ウシ胎児血清、2mMグルタミンを添加したDulbeccoのイー
グル修飾培地内で増殖させた。H446肺癌細胞(ATCC:HTB171)は
、5%のウシ胎児血清を含むRPMI1640内で増殖させた。 核抽出物の調製 核抽出物を、文献(Szyfら、1991;Szyfら、1995)記載の方
法に従って、集密に近いA549培地から調製した。細胞をトリプシン処理し、
集菌し、リン酸塩バッファーで洗浄し、そしてバッファーA(10mM Tri
s、pH8.0、1.5mM MgCl2 、5mM KCl、0.5% NP−
40)内に、108 細胞/mlの濃度で、10分間、4゜Cで懸濁した。懸濁液
を1000gで10分間遠心分離することによって、核を収集した。ペレット状
の核を、バッファーA(400μl)内に再懸濁し、実験法に記載の通り、収集
した。ペレット状になった核を、バッファーB(20mM Tris、pH8.
0、25%グリセロール、0.2mM EDTAおよび0.4mM NaCl)
内に3.3x108 核/mlの濃度で懸濁し、懸濁液を4゜Cで15分間インキ
ュベートすることによって、核抽出物をペレット状の核から調製した。核抽出物
を、10,000gで30分間遠心分離することによって、核ペレットから分離
した。核抽出物は、−80゜Cで少なくとも2ヶ月間、活性を損失することなく
、保存された。 DEAE−セファデックスクロマトグラフィー 新たに調製した核抽出物(1ml、1.1mg)は、MicroconTM
00スピンカラムを通過させ、残留物をバッファーL内の0.2M NaClと
等価な伝導率に希釈し、0.2M NaClを含むバッファーL(10mM T
ris−HCl、pH7.5、10mM MgCl2 )で前もって平衡化したD
EAE−セファデックスカラム(Pharmacia)(1.0x5cm)に、
流速1ml/分で適用した。次いで、カラムを15mlの開始バッファー(バッ
ファーL+0.2M NaCl)で洗浄し、蛋白質を5mlのNaCl直線勾配
(0.2−5.0M)で溶出した。0.8ml画分を集め、MicroconTM 10スピンカラム(Amicon)を通して脱塩し、0.8mlバッファーL
内に残留物を再縣濁した後、メチラーゼ活性についてアッセイした。DNAデメ
チラーゼは、2−5.0MのNaClで溶出された。 S−セファロースクロマトグラフィー DEAE−Sepharoseカラムの活性画分をプールし、希釈によって0
.1M NaClに調整し、0.2M NaClを含むバッファーLで前もって
平衡化されたS−セファロースカラム(Pharmacia)上に流速1ml/
分で負荷した。実験方法に記載のようにカラムを洗浄した後、蛋白質を5mlの
NaCl直線勾配(0.2−5.0M)で溶出した。画分(0.5ml)を収集
し、MicroconTM 10スピンカラムを用いて0.2mlに濃縮した後、
DNAデメチラーゼ活性についてアッセイした。DNAデメチラーゼ活性は、5
.0M NaCl付近で溶出した。 Q−セファロースクロマトグラフィー S−セファロースカラムからの活性画分をプールし、希釈によって0.2M
NaClに調整し、実験法に記載のように平衡化したQ−セファロース(Pha
rmacia)カラム(1.0x5cm)上に流速1ml/分で適用した。カラ
ムを洗浄し、蛋白質をNaCl直線勾配(0.2−5.0M)で溶出した。画分
(0.5ml)を集め、実験方法に記載に従って、脱塩し、最終容量0.2ml
に濃縮した後、デメチラーゼ活性についてアッセイした。デメチラーゼ活性は、
4.8−5.0M NaCl付近で溶出した。 DEAE−セファセルのゲル−排出クロマトグラフィー Q−セファロースカラムのプールされた画分を0.2M NaClに調整し、
2.0x2.0cmのDEAE−セファセルカラム(Pharmacia)上に
負荷し、0.2M NaClを含むバッファーL(10ml)で溶出した。画分
(0.8ml)を集め、MicroconTM 10スピンカラムで約180μl
に濃縮した後、DNAデメチラーゼ活性についてアッセイした。活性は、ボイド
ボリュームに非常に近い画分4で検出された(〜200kDa)。 DNAデメチラーゼ活性のアッセイ インビトロで、DNAデメチラーゼ活性を直接アッセイするために、2つの独
立した方法を適用した。 (A)メチル−dCMP(mdCMP)のdCMPへの変換をアッセイするため
に、Szyfら、1995に記載の方法を用いた。簡単に言えば、α32Pで標識
した全メチル化ポリ[mdC32PdG]n基質を、以下の方法に従って調製した
。100ngの二本鎖の全メチル化(mdCpdG)オリゴマー(Pharma
cia)を沸騰させることによって変性させ、次いで室温で部分的にアニーリン
グさせた。メチル−5−CTP(mdCTP、0.1mM)(Boehring
er Mannheim)および[α−32P]GTP(100μCi、3000
Ci/mmol)を用いて、相補鎖をクレノウフラグメントで伸長し、取り込ま
れなかったヌクレオチドを、NAP−5カラム(Pharmacia)を通して
クロマトグラフィーによって除去した。NAP−5クロマトグラフィーを繰り返
し、取り込まれなかったヌクレオチドを含む少量の混入物質を排除した。対照と
して、非メチル化ポリ[dC32pdG]n基質を同様の方法で調製したが、鋳型
としては非メチル化dCpdGオリゴマーが供給され、dCTPを伸長反応に用
いた。実験方法に記載の方法に従って、カラム画分(30μl)を、1ngのポ
リ[mdC32pdG]nと共に、25%グリセロール(v/v)および5mM
EDTAを含むバッファーL中、37゜Cで1時間、インキュベートした。反応
したDNAならびに非メチル化ポリ[dC32pdG]nおよびメチル化[mdC 32 pdG]n未反応対照を、フェノール/クロロホルム抽出によって精製し、単
球菌ヌクレアーゼ消化(10μlで100μg)およびウシ脾臓ホスホジエステ
ラーゼ(2μg)(Boehringer)(Pharmacia)で、3’モ
ノヌクレオチドになるまで37゜Cで15時間、反応させた。消化生成物を薄層
クロマトグラフィー板(TLC)(Kodak、13255 Cellulos
e)上に負荷し、132mlのイソ酪酸:40mMの水:4mlのアンモニア水
を含む溶媒で分離し、オートラジオグラフし、異なるスポットの強度を光画像診
断装置(phosphorimager)(Fuji,BAS2000)を用いて測定した。32
で標識した基質およびトリチウムで標識した基質は、それぞれBAS2000プ
レートおよびBAS−TR2040光画像診断プレートを用いて、光画像診断さ
れた。 (B)第二の方法では、反応混合物からの3H−CH3または14C−CH3 の出現
を測定することによって、メチル化DNAからのメチル化残基の除去を測定した
。SssIメチラーゼ(New England Biolabs)および過剰
の[3H−メチルAdoMet(80ci/mol;New England Nuclear)]を用いて、100ngのポリ[dCdG]n二本鎖DNAを
メチル化した。DNAを含むトリチル化されたメチル基を、NAP−5カラムク
ロマトグラフィーを用いて、標識されたAdoMetから精製した。DNAデメ
チラーゼのすべてのカラム精製画分を、トリチル化された基質を用いてアッセイ
した。典型的アッセイでは、1ngのDNAを、30μlのカラム画分と共に、
バッファーL内、37゜Cで1時間、インキュベートした(比活性4x106
pm/mg)。異なる画分とのインキュベーション後、DNA内に残されたメチ
ル基の数を測定するために、250μlの水を加え、混合物を65゜Cで5分間
インキュベートした。100μlの反応混合物を、液体シンチレーションカウン
ターにかけた。対照は、カラム画分の代わりに同量のバッファーLを加えること
を除いて、同様の処理を受けた。別の画分でDNAから除去されたメチル基の数
は、対照中に残された数からそれぞれの画分内に残された数を引くことによって
、測定された。すべての試験は三重に行った。結果を、除去されたメチル基のピ
コモルで示した。1ユニットのDNA dMTase活性は、「37゜C、1時
間で、メチル化dCpdG基質から1ピコモルのメチル化を遊離する酵素の量」
と定義した。 二重標識基質を用いたメチル除去アッセイ メチル基がDNAから脱離するか否か、いかなるトリチウムの非特異的除去も
起こらないかを決定するために、デオキシ[6−3 H]ウリジン(22Ci/m
mol:Amersham)(10μCi/ml)の存在下でプラスミドを持つ
細菌を増殖させることによって、シトシンおよびチミジンの6’位に3 Hを含む
SKプラスミドDNAを調製した。pBluescript SK(+)を含む
[6−3 H]−シトシンを標準的プロトコールに従って精製し、過剰の[14C−
メチル]AdoMet(59mCi/mmol;Amersham)(10μC
i/100μl反応物)およびSssIメチラーゼを用いてメチル化した。二重
に標識されたDNA基質をNAP−5カラム上で二度精製した。15μlのDN
A dMTaseを、1ngの二重標識DNA(比活性2000dpm/ng)
と共に、37゜Cで1時間、インキュベートした。インキュベーション後、残留
した14C対 3H数を、実験方法に記載の方法に従って、シンチレーションカウン
ター(Wallac)で定量した。14Cカウントは、 3Hカウントに対して標準
的であった。対照は、DNA dMTaseの代わりに、等量の蒸留水をそれら
に加えることを除いて、同様の処理を受けた。
【0036】 気相中の3H−CH3の数を定量するために、1ngの3H−CH3ポリ[dCp
dG]DNAを、DNA dMTaseと共に、シールドチューブ(Pierc
e、Illinois,USA)内で、一晩インキュベートした。0.8mlの
空気を、ガスタイトシリンジ(Hamilton,Reno,Nevada)を
用いて、チューブから除去し、10mlのOptiPhaseシンチレーション
液(Wallac、UK)を含むシールドガスタイトシンチレーションバイアル
内に注入し、そしてカウントした。対照として、DNAを等量のバッファーLと
共にインキュベートし、同様に処理した。 その他のメチル化dCジヌクレオチドの合成 ポリ[mdC32pdA]および[mdC32pdT]基質を、以下の方法に従っ
て調製した。約0.5μgの20マーのオリゴヌクレオチド、5’(GG)10
’、5’(GT)103’および5’(GA)103’、をボイルし、それぞれ、オ
リゴヌクレオチド、5’CCCCCC3’、5’CACACA3’および5’C
TCTCT3’と共に、室温でアニールした。m5dCTP(Boehring
er Mannheim)、および[α32P]dATP(100μCi、300
0Ci/mmol)または[α32P]dTTP(100μCi、3000Ci/
mmol)のいずれかをそれぞれ用いて、相補鎖をクレノウフラグメントで伸長
した。取り込まれなかったヌクレオチドをNAP−5カラムを通してクロマトグ
ラフィーで除去した。半メチル化されたmdCpG基質を同様の方法で調製した
が、鋳型として非メチル化ポリdCpdG基質(Boehringer)を用い
、m5dCTpおよび[α32P]dGTPを実験法に記載の方法に従って伸長用
に用いた。 ヌクレアーゼおよびグリコシラーゼ活性についてのアッセイ mdCの5’に標識化32Pを含む[32pmdCpdG]n基質を、以下の様に
調製した。約100ngのポリdCpdG DNAをボイルし、室温で部分的に
アニールした。[α32P]dCTPおよび冷dGTPを、実験法に記載の方法に
従って、相補鎖伸長に用いた。NAP−5カラムクロマトグラフィーを用いて、
遊離ヌクレオチドを分離した。精製された[32pmdCpdG]n DNAは、
320μM AdoMetを用いて、SssIメチラーゼでメチル化させた。N
AP−5カラムを用いて、二度DNAを再精製した。メチル化DNA(1ng)
を、30μl DNA dMTase、核抽出物またはバッファーLのいずれか
と共にインキュベートした。α32P標識された残基がDNAから切り出されるか
否かを決定するために、DNAを直接TLCプレート上に適用した(3μl)。
DNAが脱メチル化されるかどうかを決定するために、3’−OH基の遊離した
5’−モノヌクレオチドを攻撃するヘビ毒ホスホジエステラーゼ(反応容量10
μl中0.2mg)(Boehringer Mannheim)で、DNAを
消化させた。得られたモノヌクレオチドを、TLCプレート上で分離し、オート
ラジオグラフした。
【0037】 真正の脱メチル化以外の活性に含まれる可能性のある、DNA dMTase
と共に、dCTPが精製されるのか否かを試験するために、1μlのα32P標識
dCTP(3000Ci/mmol)を含む20μMのdCTPを核抽出物と共
に、カラム上に負荷した。32Pカウントを、フロー中、洗浄中および別の画分中
で測定した。約11万カウントを、DEAE−Sepharoseカラム上に負
荷し、最大で画分8まで、そのすべてを回収した。
【0038】 DNA dMTaseがDNAポリメラーゼ活性を含むか否かを決定するため
に、DNAデメチラーゼ反応を、500μMのddCTP(Pharmacia
)または500μMのm5dCTP(Boehringer Mannheim
)の存在下、初速条件で行った。
【0039】 DNA dMTaseがRNaseまたはプロテイナーゼK処理に感受性であ
るかを決定するために、DNA dMTaseを、200μg/mlのプロテイ
ナーゼK(Sigma)と共に、56゜Cで1時間前処理した。脱メチル化反応
は、実験法に記載の両方の脱メチル化アッセイを用い、通常の様式で、この前処
理画分で行われた。脱メチル化反応へのDNA消化の影響を試験するために、異
なるカラムからの画分を100μg/ml RNaseA(sigma)で処理
した。 pBluescript SK(+)プラスミドの脱メチル化 約4μgのプラスミドpBluescript SK(Stratagene
)を、SssIメチラーゼを用いて、メチル化した。メチル化プラスミド(4n
g)を、30μlのDNA dMTase(DEAE−Sephacelカラム
の画分4)と共に、標準的条件下でインキュベートし、フェノール:クロロホル
ムで抽出し、そしてエタノールで沈殿させた。約1ngのプラスミドを、メチル
化の前後、ならびにDNA dMTase処理後、制限エンドヌクレase、E
coRII(GIBCO−BRL)、DpnI、HhaIまたはHpaII(New
England Biolabs)のいずれかをそれぞれ10ユニット、10
μlの反応容量、37゜Cで2時間で、消化した。制限消化後、プラスミドをフ
ェノール:クロロホルムで抽出し、エタノール沈殿し、10μlに再縣濁した。 0.8%(w/w)アガロースゲル上でプラスミドを電気泳動し、Hybond
Nylon膜上にトランスファーし、ランダム−プリミング(Boehrin
ger Mannheim)によって32Pで標識した、pBluescript
SK(+)プラスミドとハイブリダイズした。 デメチラーゼ活性への酸化還元試薬(redox reagents)(NAD、NADH、N
ADP、NADPHおよびFeCl3)の影響 試薬を、100μM濃度に調製し、実験法に記載の方法に従って、初速度条件
下で、最終濃度が10μMになるように、標準メチル除去アッセイに加えた。そ
れぞれのコファクター存在下でのメチル除去活性を、対照のDNA dMTas
e反応と比較した。 動力学的パラメーターの測定 動力学的パラメーターを測定するために、実験法に記載の方法に従って、両方
のアッセイ(dCMPの生成およびメチルの除去)を用いて、脱メチル化反応を
行ったが、DNA濃度は0.1nMから2.5nMに変化させ、30μlのDN
A dMTaseを含む総量50μl内で用いた。反応は少なくとも3時間で進
行することが前の実験で確かめられたので、反応の初期速度を、1時間間隔で測
定した。両アッセイに記載したそれぞれの基質DNA濃度範囲で、速度データを
収集した。DNAデメチラーゼ活性についてのKmおよびVmax値は、速度対基質
濃度の二重逆数プロットから、決定した。 デメチラーゼにより触媒されたメタノール生成物の、ガスクロマトグラフィーに
よる測定 ガスクロマトグラフィーは、30m StabilwaxTM カラム(0.0
53cm i.d.;Restek Corporation)を装備したVa
rianTM モデル3400 GCで、行われた。NitrogenTMを、流速
32ml/分でキャリヤーガスとして用い、インジェクターおよびディテクター
容器は、それぞれ200および300゜Cであった。カラムを、サンプル注射後
、40゜Cに5分間維持した。
【0040】 デメチラーゼ反応は、水相として300μlの水を含むシールドシンチレーシ
ョンバイアル内に保たれたエッペンドルフチューブ内で、行われた(この放射能
トラップ実験では、300μlのメタノールによって置換された)。デメチラー
ゼ反応は、バッファーL(10mM MgCl2 、10mM Tris−HCl
、pH8.0)内で、500ngの 3H−SKプラスミド(6000dpm/μ
l)および100μlのデメチラーゼと共に、37゜Cで開始した。37゜Cで
一晩インキュベーションの後、エッペンドルフチューブを取り囲む水相を、新し
いエッペンドルフチューブに移し、2μlのこの混合物を、ガスタイトシリンジ
(Hamilton,Reno,Nevada)を用いて、ガスクロマトグラフ
ィーに注入した。 インビトロでの転写翻訳の結合 上記のpcDNA 3.1/His Xpress デメチラーゼ構築物によ
ってコードされたmRNAsを、PromegaTM TNT網状赤血球溶解キッ
トを(製造者らのプロトコールに従って)、50μlの反応容量中、それぞれの
構築物2μgおよび40μCiの[35−S]メチオニン(1.000Ci/mo
l,Amersham)を用いて、転写−翻訳の結合によって、転写し翻訳した
。インビトロで標識されなかった翻訳されたデメチラーゼを精製するために、イ
ンビトロでの転写−翻訳結合を、冷メチオニンの存在下ではあるが、上記の方法
に従って行った。翻訳生成物を、ProbondTMニッケルカラム(Invit
rogen)に結合し、製造者らのプロトコールに従って、イミダゾールの濃度
を増加させて、デメチラーゼを溶出した。デメチラーゼは、350−500mM
のイミダゾールで溶出された。イミダゾールで溶出されたデメチラーゼを透析し
、そして凍結乾燥によって濃縮した。 メタノールとしてのデメチラーゼ触媒反応の揮発性生成物の同定についてのガス
クロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS) 脱メチル化反応(容量50μl)を、全内部容量350μlのコニカルバイア
ル内で行った。バイアルをテフロンスクリューキャップで閉じ、室温に18時間
置いた。バイアルを氷浴内で冷やし、キャップを開け、10mgのNaClおよ
び50μlのトルエンを加えた。バイアルは、1時間以上にわたって、たびたび
振とうさせた。トルエン相は、多少厳密に水を排除して、ピペットで清潔なバイ
アルに入れた。無水硫酸ナトリウム(5mg)をトルエン抽出物に加え、水を除
去し、トルエン相をGC/MS用のオートインジェクターバイアル内にピペット
で入れた。3μlのアリコートを以下の装置条件下で分析した:装置;Hewl
ett−Packard 5988A:カラム;0.25ミクロンのDB−1液
相を持つ石英キャピラリーを融合させた30mx0.25mm i.d.、7−
degで1分間初期保持の後、5deg/minで80degにし、次いで、2
80degで5分間焼く:インジェクターおよびインターフェイス温度;250
deg:ヘリウムの流速1.5ml/分:質量分析計;イオン源200deg、
70eV電子衝撃イオン化法、フルスキャンモードでのm/z10−50のスキ
ャニングをインジェクションの6秒後に開始し、そして1.5分で終止して、多
量のトルエン溶媒ピークを排除した。 ヒトA549細胞はデメチラーゼ活性を持ち、dCTPおよびDNA MeTa
seを含まないように精製することができた デメチラーゼ活性用に適当な細胞源および直接アッセイを用いることは明らか
に重要である。以前、我々は、デメチラーゼ活性がRasオンコジーンの異所性
発現に応答して誘導されることを示した(Szyfら、1995)ので、癌細胞
が高レベルのデメチラーゼ活性を持つのであろうと推論した。ヒト肺癌細胞系A
549内の高レベルのデメチラーゼ活性の存在を証明した予備実験より、我々は
、さらなる研究および精製段階用にこの細胞系を選んだ。以前の研究では、デメ
チラーゼ活性の指標としてメチル化−感受性制限高をへの感受性の増加と言った
ような間接的測定が用いられてきた(Weissら、1996;Jostら、1
995)。DNA内の5−mdCMPのdCMPへの変換を直接測定するために
、我々は、以前に記載した(Szyfら、1995)完全にメチル化された32
で標識した[mdC32pdG]n二本鎖オリゴマーを用いた。異なる画分と共に
インキュベーションの後、DNAを精製して、単球菌ヌクレアーゼで3’−モノ
ヌクレオチドに切断した。3’標識mdCMPおよびdCMPは、薄層クロマト
グラフィー(TLC)で分離され、mdCMPのdCMPへの転化が直接測定さ
れる。このアッセイは、真正の脱メチル化に関する厳格な試験を提供し、以前か
ら言われている5mCpC置換活性とは識別される(Jostら、1995;W
eissら、1996)。Jyostら、1995、に記載のグリコシラーゼ−
デメチラーゼ活性は、リガーゼ活性および我々のアッセイで検出するためにCで
mdCを置換するためのエネルギー源の存在を必要とし、一方、Weiseらに
記載のデメチラーゼ活性は、そのメチル化状態を変化させることなく完全なmd
32pdGジヌクレオチドを冷dCpdGで置換するため、検出されないであろ
う(Weissら、1996)。
【0041】 ヌクレオチド抽出物をA549から調製し、DEAE−Sephadexカラ
ム上に適用し、0.2−5.0M NaClの直線勾配で溶出し、そして実験法
に記載の方法に従って、画分をデメチラーゼ(dMTase)活性についてアッ
セイした。図1Aに示すように、dMTase活性の鮮明なピークが高塩図画分
10で溶出される。
【0042】 メチル化シトシンのシトシンへの転化:A549細胞から調製された核抽出物
(1.1mg)はAMICONTM 100スピンカラムを通過させた。残留物(
98.5mg、0.2mg/ml)をDEAE−Sephadexカラム上に負
荷し、直線NaCl勾配(0.2M−5M)で溶出された別のクロマトグラフィ
ーカラム画分を脱塩し、そして(30μlを)1ngの[mdC32pdG]n二
本鎖オリゴマーと共に37゜Cで1時間インキュベートし、3’モノヌクレオチ
ドに消化し、実験法に記載の方法に従って、TLC上で分析した。dCMPおよ
びmdCMPの予想させる位置を示すために、対照のメチル化(ME)および非
メチル化(NM)[dC32pdG]n基質を3’モノヌクレオチドに消化し、T
LCプレートに負荷した。活性画分を矢印で示す。この画分をS−セファロース
、次いでQ−セファロースおよびDEAE−セファセル分画に負荷した。
【0043】 第一のクロマトグラフィーは、大量の核蛋白質からdMTase活性を精製す
る段階であり、非常に効果的な精製段階である。
【0044】 揮発性メチル残基の放出によって測定されるDNA dMTase活性。異な
るカラム画分を1ng(4x106dpm/μg)の[3H]−CH3−[mdC pdG]nオリゴマーと共にインキュベートし、揮発性のメチル化の遊離を、定
量(−)し、全dpnとして表した。結果は、3回の独立定量の平均で示す。蛋
白質濃度は、Bio−Rad Bradfordキット(−)を用いて定量され
た。蛋白質と共にインキュベートされた20μMの[32P]−α−dCTPの溶
出プロフィールを、別のDEAE画分(−)のシンチレーションカウントによっ
て定量し、カラム上に負荷したdCTPの画分として表した。
【0045】 我々のアッセイで検出されたDNA dMTase活性が、DNA MeTa
seによるものである可能性を排除するために、我々は、前記の方法(Szyf
ら、1991)に従って、半メチル化したDNA基質を用いてDNA MeTa
se活性について、画分をアッセイした。図1Bから分かるように、DNA M
eTase活性は、第二および第三の画分で検出され、従って、我々の分画は、
DNA MeTaseとは別にDNA dMTaseが分離され、それらが独立
した蛋白質であることを示唆している。
【0046】 認められた脱メチル化が真正の脱メチル化ではなく、グリコシラーゼによりm
Cが除去され、次いで残ったデオキシリボース−リン酸がAP(アピリミジン)
ヌクレアーゼによって除去され、画分中に含まれる極微量のdCTを用いてDN
Aポリメラーゼによりgapの修飾が触媒され、そして残留ATPの存在下リガ
ーゼで切断物が連結される、僅かな可能性も残されている。我々のデータと矛盾
しないこの仮説では、4つの異なる酵素および2つのコファクターがDNA d
MTaseと共に同時分画されねばならない。極微量のdCTPがDNA dM
Tase活性画分と結合している可能性を排除するために、我々は、20μMの 32 Pで標識したdCTp(10x106 cpm)を、核抽出物に加え、DEAE
カラムでのその溶出プロフィールを測定した。バックグラウンド以下のcpm(
10cpm)しか、DNA dMTase活性画分内には検出されず、我々の第
一のカラムでは、dCTPが少なくとも1x106 倍、DNA dMTaseか
ら離れて精製されることを示唆している(図1B)。もし任意のdCTPが核抽
出物内に存在しているとすれば、DEAE上での分画後に残された濃度は、既知
のDNAポリメラーゼのKms以下である。基質としてdCTPを用いる酵素は
すぐにdCTPを変換しなければならないので、外因性の32P標識dCTPによ
って置き換えることのできない酵素に、dCTPがしっかりと結合している可能
性は非常に少ない。
【0047】 さらに活性画分10を順番に次のカラム:S−セファロースおよびQ−セファ
ロース:上で分画した。[mdC32pdG]n脱メチル化アッセイで測定された
ような両カラムからの高塩画分で、DNA dMTaseが溶出された(図1A
)。イオン交換クロマトグラフィー、次いでDEAE−セファセルクロマトグラ
フィーを行った。
【0048】 4段階の分画後でさえ活性が維持され(表1)、単一のポリペプチドのみが最
終精製段階後表れたと言う事実は、我々の研究で検出された活性が修復または置
換活性である可能性を強く立証する。任意の置換機構は、数多くの蛋白質および
コファクターおよび基質を含まねばならない。要約すると、A549細胞内のデ
メチラーゼ活性のクロマトグラフィーから、、哺乳動物細胞が真正のデメチラー
ゼ活性を持つという仮説が強く支持される。 DNA dMTaseは揮発性誘導体を遊離する 真正の脱メチル化は、結果としてCO2 、メタノール、メタンまたはホルムア
ルデヒドの様な揮発性誘導体としてメチル基を遊離するはずである。それ故、我
々は、{[3H]−CH3−dCpdG}n二本鎖オリゴヌクレオチドを別のカラ
ム画分と共にインキュベートし、トリチル化されたメチル水相からの遊離速度を
反応混合物中に残された放射能のシンチレーションカウンターによって、測定し
た。図1B(◇)に示すように、dMTase活性画分は、メチル化された基質
から標識されたメチル基を遊離する。 DNA dMTaseはRNAによって阻害される蛋白質であり、変換活性を含
まず、そしてさらなるコファクターを必要としない mdCのCへのトランスフォーメーションとして(図2A)または揮発性メチ
ル残基の遊離(図2C)としてのいずれかで測定されたDNA dMTase活
性は、プロテイナーゼK処理後なくなり、次のRNase処理では阻害されずむ
しろ強化される。DNAポリメラーゼを阻害する500μMのddCTPは、[
mdC32pdG]n基質の脱メチル化を阻害せず、高濃度のメチル−dCTp(
500μM)によっても阻害されず(図2A)、このことは、脱メチル化が切除
および置換の機構を含まないと言う仮説と一致する。置換の機構が脱メチル化に
含まれるならば、mdCTPの存在は、結果としてメチル化シトシンを取り込み
、脱メチル化の重要な阻害を生ずるはずである。従って、本明細書中で同定され
たDNA dMTaseは、蛋白質であり、RNAでなく、以前から報告されて
いるようなRNAに基づくまたはグリコシラーゼに基づくデメチラーゼ活性とは
はっきりと異なる。
【0049】 DNA dMTase反応は、dCTPの様なさらなる基質、NADHおよび
NADPHのような酸化還元因子またはATPのようなエネルギー源のような如
何なる要求もなしに進行する(データには示していない)。図2Bおよび2Dか
ら分かるように、DNA dMTase反応は、最大で90分にわたりその初速
度を維持し、最大で120分まで持続する。この時間経過は、dCTPまたはA
TPのような酵素に結合したさらなる補充の不可能な基質またはNADHあるい
はNADPHのような補充不可能な酸化還元因子への依存と一致しない。補充不
可能な基質または酸化還元因子を排除すると、初期揮発性の急速な減速を生ずる
。 脱メチル化反応生成物は、DNA内のデオキシシトシンである メチル化反応の生成物が何であるか?一方向TLC分離を基に示された結果(
図1A、2AおよびB)から、DNA dMTaseは、DNA内のmdCから
dCを生成することが分かる。この結論をさらに実証するために、われわれは、
DNA dMTase処理DNAを、dCにメチル化を排他的にトランスファー
することのできるCpG MeTase M.SssIで、再びメチル化した。
図3Aで示された結果から、DNA dMTaseの脱メチル化生成物は、M.
SssIで完全に再メチル化されているため、dCであることが分かる。さらに
、dCのような脱メチル化生成物の同定は、dMTaseの生成物が冷dCMP
標準と両方向で共に移動することを示した二方向性TLC分析によって確かめら
れた(図3B)。
【0050】 DNA dMTaseは、mdCの5’に標識された32Pを含む[32pmdC
pdG]n基質またはm5dCの3’が32Pである我々の標準のメチル化基質(
図3)と共にインキュベートした場合、ヌクレオチド、リン酸化塩基またはメチ
ル化DNAからのリン酸塩を遊離しない。多数のグリコシラーゼおよびヌクレa
seを明らかに含む核抽出物は、同アッセイでリン酸化された誘導体を遊離する
(図3C)。反応したDNAを5’モノヌクレオチドに消化し(図3C +V
PDS)、TLCで分析した場合に明らかになるように、dMTaseは、[32 pmdCpdG]基質内のメチルシトシンをシトシンにトランスフォームする。
この反応は、32P誘導体の遊離を含まない(図3C. −V PDS)ので、
グリコシラーゼまたはヌクレアーゼ活性によってDNA基質の完全性が壊される
ことなく、dMTaseは、DNA上でメチル化シトシンとシトシンにトランス
フォームすることを証明する。 dMTase反応の第二の生成物はメタノールである 遊離基の同定は、何であろうか?図1Bに示された結果は、標識されたメチル
が、揮発性化合物としてDNAから遊離することを、示唆している。デメチラー
ゼ反応は、本来メチル基の遊離を含み、一方、シトシン環塩基は、水相に留まる
。図4Aは、基質として、シトシンの6位を 3H−水素で、およびシトシンの5
位を[14C]−メチルで標識されたメチル化プラスミドを用いることによって、
この点を明らかにしている。
【0051】 3つの最も明らかな候補メチル基は、ホルムアルデヒド、二酸化炭素およびメ
タノールとして遊離する。標識されたホルムアルデヒドの検出用のメタドンとラ
ップ、標識された二酸化炭素用の水酸化ナトリウムトラップは、両方とも、dM
Tase反応でメチル基を遊離する型の同定では(−)であった(データには示
していない)。メチル基がDNAを遊離するであろうその他の可能な化学形は、
メタノールである。メタノールは、揮発性化合物であるので、メタノールの生成
を測定する単純な方法は、シンチレーション−揮発物アッセイである(図4Bの
説明を参照のこと)。以前、揮発物アッセイは、脱メチル化反応でメタノールの
遊離を測定するために用いられていた。標識された{[3H] −CH3 −dC pdG}n基質を含む脱メチル化反応混合物を、dMTaseと共に、または対
照として酵素を含まないかのいずれかで、シンチレーション液を含むシールされ
たシンチレーションバイアル内に置かれたキャップのない0.5mlチューブに
加えた。遊離されたメタノールは、揮発性であり、解放状態の反応チューブから
拡散し、シンチレーションカウンタ−内の計数として記録されるバイアル内の過
剰なシンチレーション液と共に混合される。メタノールがアッセイ条件下で揮発
性であることを示す対照として、我々は、おおよそ等カウントの放射能で標識さ
れたメタノールを同条件下でカウントし、異なる時点のシンチレーションカウン
ター内でのカウントを測定した。図4Cから分かるように、37゜Cで一晩イン
キュベーションした後では、反応チューブ内のメタノールの大部分は、反応チュ
ーブからシンチレーション液内に揮発する。図4Cに示した実験から、揮発した
標識は、dMTase存在下でのみメチル化DNAから遊離することが分かる。
【0052】 揮発性基の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)分析によってメタノール
であることが分かった。脱メチル化および対照反応(図4Eに示す)は、大容量
の水(300μl)を含むシールされたシンチレーションバイアル内に置かれた
キャップされていないチューブ内で行われた。揮発性残基は、周囲の水の中に拡
散し、それと混ざる。2μlの周囲水のサンプルを、記載の方法に従って、GC
カラム内にインジェクトした。図4Eに示すように、投与量応答様式でdMTa
seによって遊離された揮発性化合物は、メタノールと共に溶出する。メタノー
ルの遊離は、dMTaseとメチル化DNAの両方が存在する場合にのみ、認め
られる。dMTaseを非メチル化DNAと反応させる場合、メタノールは遊離
せず、このことは、メタノールがDNAの脱メチル化生成物であることを示して
いる。
【0053】 遊離基もまた、ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)を用いて
メタノールと同定された。図4Fに示すように、dMTaseと共にメチル化D
NAをインキュベーションする(dMTase+ME−DNA)と、結果として
メタノールとしてのその同定結果と一致する保持時間でピークを遊離し、そして
メタノールと一致するマススペクトル(ピークは、メタノールの原子量である3
2および29原子量と同定される、それぞれイオン化されたメタノールである)
を生ずる。dMTaseを非メチル化DNAと共にインキュベーションしても、
メタノールは遊離せず、このことは、メタノールが脱メチル化反応の生成物であ
ることを示唆している。メタノールは、サンプルをプロテアーゼKで処理したd
MTaseとインキュベートする場合にも遊離せず、このことは、メチル化DN
Aからのメタノールの遊離が酵素活性によって触媒されることを示唆している。
脱メチル化は、水からの水素のトランスファーを含み、シトシンを再生する メチル化がmdCからのメチル部分の除去を含むならば、水素は、5’位の炭
素にトランスファーされ、シトシンを再生するはずである。酸化還元因子が含ま
れないので、水素源は何であるか?水素源が水であると言う仮説を調べるため、
我々は、非標識[mdCpdG]nまたは[dCpdG]nの二本鎖DNAのい
ずれかを、DNA dMTaseと共に、異なる期間、トリチル化水の存在下で
インキュベートし、次いで、DNAsを3’dNMPsに消化し、5つの可能な
dNMPsのそれぞれについての非放射能標準と共にTLC上で分離し、トリチ
ウム感受性画像処理プレートに晒した。図4Dに示すように、dMTaseは、
メチル化DNA内、時間依存性様式で、メチル化DNAを基質として用いた場合
にのみ、トリチル化水素の水からdCMPへのトランスファーを触媒する。図3
および4に記載された実験に基づいて、我々は、dMTaseが、DNA内のシ
トシン5’位で、水からの水素と共に、メチル基の変換を触媒し、そしてメチル
基は、残った水酸基と反応してメタノールを形成することを、提案する(図5)
。 DNA dMTaseの基質および配列特異性 CpGジヌクレオチドのメチル化は、ゲノムDNA8,48内で起こる最も特
徴的な修飾である。図6で示された結果は、DNA dMTaseが、異なる頻
度で分布する様々な配列に隣接するDNA内で全メチル化したまたは半メチル化
dCpdGを脱メチル化するが、ジヌクレオチドCG内に存在しないメチル化ア
デニンまたはメチル化シトシンは脱メチル化しない、一般的なDNA dMTa
se活性であることを、示している。第一に、図6aに示すように、インビトロ
では、M.SssIのすべてのdCpdG部位およびM.MspI(配列*CC
GG中の外のCをメチル化し、即ちCCヌクレオチドにおける脱メチル化の測定
を可能にする)のすべてのd*CdCdGdG部位でメチル化され、そしてイン
ビボでは、大腸菌DCM MeTaseではdCmdcdA/dTdGdG部位
およびDAM MeTaseではdGmdAdTdC部位(アデニンのメチル化
)をメチル化したプラスミドDNAは、dMTaseで処理され、プラスミドの
メチル化状態を、望ましいメチル化感受性制限酵素を用いて決定した。dMTa
seは、HpaIIおよびHhaIに対するdMTase処理プラスミドの感受性
によって示されるように、C*Gメチル化部位を脱メチル化するが、MspIお
よびEcoRII制限酵素に対する耐性によって示されるようにC*C、C*Aま
たはC*Tメチル化部位を、またはDpaIに対するその感受性によって示され
るようにメチル化アデニンを脱メチル化しない。第二に、dMTase処理後の
M.SssI内に位置する5メチル化C*G部位のメチル化の亜硫酸水素塩マッ
ピング分析は、すべてのC*G部位がそれらに隣接する配列にかかわらず脱メチ
ル化され、それ故、脱メチル化がCCGGまたはCGCG配列に制限される可能
性が排除される(図6B)。第三に、dMTaseは、2つの完全にメチル化さ
れたシトシンを持つオリゴマー[dmC32pdT]n、[mdC32pdT]nを
脱メチル化せず、このことは、mdCpdAおよびmdCpdTがDNA dM
Taseによって脱メチル化されないことを示している(図6D)。第四に、d
MTaseは、半メチル化された合成基質[dCpdG]n*[mdC32pdG
]nを脱メチル化する(図6D)。SKの脱メチル化はこのような条件下では完
全であり(図6A)、一方、メチル化[mdCpdG]n基質の脱メチル化は、
同条件下では完全ではない(図6D)。これは、基質の配列組成およびメチル化
シトシンの頻度の差を反映している可能性がある。[mdCpdG]は、プラス
ミドDNAよりモル当たり平均で16倍多いメチル化シトシンを含んでいる。代
わりに、これらの差は、用いたアッセイの矛盾、制限酵素消化:最も近い分析、
を反映しているであろう。この矛盾を解決するために、我々は、全メチル化SK
プラスミドを[α32P]dCTP、5−メチル−dCTPおよび別のdNTPs
で標識し、それをdMTase処理し、反応開始後、異なる時間、モノヌクレオ
チドにまで消化し、そしてサンプルをTLC分析にかけた。図6Cに示すように
、SKプラスミドは、3時間で完全に脱メチル化され、これはメチル化感受性制
限酵素で得られた結果と一致する(図6A)。
【0054】 半メチル化および全メチル化されたDNAについてのDNA dMTaseの
Kmは、異なる濃度の基質での反応物の初期揮発性を測定することによって、定
量した(表2)。半メチル化DNAについて計算されたKmは、6nMであり、
両鎖をメチル化されたDNAのKm(2.5−3nM)より2倍高い(表2)。
基質へのアフィニティーでのこのわずかな差が細胞状況にいくらかの意味をもつ
か否かについては、未だ明らかではない。このように、DNA MeTaseと
同様に、DNA dMTaseもジヌクレオチド配列選択性を示すが、半メチル
化基質に選択性を示すDNA MeTaseの差の内、dMTaseは、全メチ
ル化されたDNAを好み、それは、確立されたメチル化パターンを変える、DN
A dMTaseの役割と一致する。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】 デメチラーゼ発現ベクターのクローニングおよび構築 推定されるデメチラーゼ候補cDNAのMBDドメインのPCR増幅 ヒトの小さい肺癌細胞系A549から調製された全RNA(1μg)は、製造
者ら(GIBCO−BRL)による推奨の条件に従って、25μlの反応容量中
、Superscript逆転写酵素およびランダムプライマー(Boehri
nger)を用いて逆転写された。5μlの逆転写されたcDNAを、以下のプ
ライマーセット:センス5’CTGGCAAGAGCGATGTC3’(配列番
号9)、アンチセンス5’AGTCGTTTACCCTATTTTG3’(配列
番号10):を用いて、Taqプロモーター(Promega、1ユニット)と
ともに、増幅反応させた。
【0058】 増幅条件は:段階1;95゜Cで1分間:段階2;94゜Cで0.5分:段階
3;45゜Cで0.5分:段階4;72゜Cで1.5分:段階2−4を30回繰
り返す:であった。MgCl2を、製造者らの推薦する条件に従って、1mMに 調整した。PCR生成物をpCR2.1ベクター(InVitrogen)内に
クローン化し、cDNAsの配列を、T7 DNA配列決定キット(Pharm
acia)を用いて、ジデオキシ鎖終止法によって確かめた。増幅されたフラグ
メントをEcoRIでプラスミドより切り出し、製造者らのプロトコールに従っ
てBoehringerランダムプライムラベリングキットとα32P−dCT
Pで標識した。標識されたプローブを用いて、標準法に従って、HeLa細胞c
DNAライブラリーをλTriplExファージ(Clonteck)内でスク
リーニングした。陽性クローンを同定し、さらに4回の一連希釈によって精製し
た。pTriplExプラスミド内への挿入物を製造者らのプロトコールに従っ
て、ファージから切り出し、挿入物の同一性は、配列決定によって確認される。
挿入物をNotI制限酵素で切り出し、センスおよびアンチセンス方向で誘導可
能な発現ベクター:Retro tet on(Clontech):または、
全3フレームでしかもアンチセンス方向でpcDNA3.1/His Xpre
ssベクターのいずれかに、サブクローン化した。 脊椎動物細胞内でのデメチラーゼのトランスフェクションおよび発現 10μgのRetro tet onデメチラーゼまたはpcDNA 3.1
/His Xpressデメチラーゼのいずれかを、8μlのトランスフェクシ
ョン親油性試薬Pfx−2(Invitrogen)と混合し、製造者らのプロ
トコールに従って、OPTIMEM培地内で4時間、100,000のマウス(
3T3 Balb/c、ヒト(A549)またはサル細胞(CV−1)上に置い
た。細胞を48時間後に収集し、脱メチル化およびデメチラーゼ活性は、標準技
術を用いて全ゲノムDNAメチル化を、またはHpaII/MspI制限酵素分析
を用いてインビトロでコトランスフェクトしたメチル化プラスミドを、測定する
ことによって、定量した。細胞トランスフェクションを、軟寒天アッセイで測定
する。 pBluescript SK(+)プラスミドの脱メチル化 約4μgのプラスミドpBluescript SK(Strategene
)を、SssIメチラーゼを用いてメチル化した。メチル化されたプラスミド(
4ng)を、30μlのDNA dMTase(標準条件下ではDEAE−Se
phacelTMカラムの画分4)と共に、示された異なる時点でインキュベート
し、フェノール:クロロホルムで抽出し、そしてエタノールで沈殿させた。約1
μgのプラスミドを、それぞれ10ユニットの制限エンドヌクレアーゼEcoR
II(GIBCO−BRL)、DpnI、またはHpaII(New Englan
d Biolabs)のいずれかで、メチル化の前後ならびにDNA dMTa
se処理後、反応容量10μl、37゛Cで2時間、消化した。制限消化の後、
プラスミドをフェノール:クロロホルムで抽出し、エタノール沈殿させ、そして
10μlに再縣濁した。0.8%(w/w)アガロースゲル上で、プラスミドを
電気泳動し、HybondTM Nylon膜上に移し、そして、ランダムプライ
ミング(Boehringer Mannheim)によって32P標識した、p
Bluescript SK(+)プラスミドとハイブリダイズした。 dMTase活性は、変性条件下でサイズ決定した場合、−45kDaポリペプ
チドと共に溶出されるが、非変性条件下では、より高分子量複合体として移動す
る dMTaseは、クロマトグラフィーの4段階で最大で500,000倍に精
製された(表1)。我々は、最初に、活性画分のSDS−PAGE分析によって
、dMTase活性と関連するポリペプチドの同一性を決定した。図7aに認め
られるように、〜44KDaから35KDaの4つのポリペプチドバンドのくラ
スターは、最終の2段階のクロマトグラフィーでdMTaseと共に溶出する(
より低分子のフラグメントは、zとのクロマトグラフィー段階でのその多さによ
って明らかにされるように分解生成物であろう)。しかしながら、活性なDEA
E−セファセル画分を、4%の非変性アクリルアミドカラム上でサイズ分画する
場合、dMTase活性は、〜170KDaの高い分子量で溶出する(図7C、
画分63)。この画分63のSDS−PAGE分析は、活性なクロマトグラフ画
分内で認められた(図7A)2つのバンドのみが現れた(図7B)。さらに、d
MTaseがマルチマーの複合体内に認められるか否かを決定するために、画分
63をグリセロール勾配上でサイズ分画し(図7D)、そしてDNA dMTa
se活性は、〜170kDaの範囲で溶出した。2つの主な小ポリペプチドのみ
が画分63内に同定された(おおよそ35−43KDa)ので、dMTaseは
、多分、2つのペプチドの1つのみがdMTaseである場合にはホモメリック
複合体または両方のポリペプチドがdMTase活性と関連する場合にはヘテロ
メリック複合体のいずれかであることがわかる。 a.dbESTのホモロジーサーチによるリードDNA dMTase候補の同
定 dMTaseが極めて低い富裕性であることをdMTaseの精製が示唆する
とおり、たった約19ngのdMTaseしか6mgの核抽出物から単離できず
(表1)、我々は、dMTaseの以下の機能性に基づいてdMTaseをクロ
ーン化することに決めた。第1に、dMTaseはメチル化されたCGジヌクレ
オチドを特異的に脱メチル化するので、我々は、dMTaseがメチル化された
CGジヌクレオチドを認識する能力を有するべきであると推定した。第2に、該
デメチラーゼはDNA中のメチル化シトシンをシトシンに変換する。第3に、該
デメチラーゼはメチル基を揮発性化合物として放出する。
【0059】 以前の報告は、メチル化DNAと相互作用する蛋白質は共通のドメインを共有
する(MDBD)ことを示してきた。dbESTデータベースのTBLASTN
サーチは、(T−細胞リンパ腫ホモサピエンスcDNA5’末端から)新規な発
現タグcDNA(gb/AA361957/AA361957EST71295
)およびMDBDに類似性を有する未知の機能を伴うマウス類似体((gb/W
97165/W97165mf90g05.r1)ソアレスマウス胚NbME1
3.5から)を同定した(図8a)。ジェンバンクデータベースのサーチは、そ
れが、ジェンバンクに含まれなかった新規なcDNAであることを実証した。新
規なESTおよびMeCP2およびMeCP1関連蛋白質の並置は、このメチル
化されたDNA結合蛋白質に関して異なる機能と一致する、以前に特性決定され
たMDBD以上の相同性を示さなかった。該サーチにおいて同定された配列を有
する201bpの断片をヒト肺癌細胞系A549のRNAから逆転写し、増幅し
、そしてHeLa細胞からのcDNAライブラリーをスクリーンするために用い
た。クローン化されたもっとも大きな挿入物は1.36kbのサイズであり、そ
してその配列と上記EST配列との同一性を決定した。該cDNAは新規であり
、そしてジェンバンクにおける相同性を有さず、そしてそれに対してかつて何の
機能も割り当てられたことがない。該蛋白質の仮想上の翻訳は262アミノ酸の
オープンリーディングフレーム(ORF)を同定した(図8b)。該ORFは、
このATGの上流においてインフレームの停止コドンが見いだせないので、さら
に5’に伸びるかもしれない。しかしながら、RACE分析およびさらなるdb
ESTのサーチは、我々のスクリーニングにおいて同定されたものの上流の5’
配列を同定しそこなった。
【0060】 蛋白質ドメインファミリーのデータベースに対する予測蛋白質サーバー(Pr
edict protein server)を用いた該候補蛋白質のBLAS
Tサーチは、MDBDドメインしか同定せず、そしてデータベースサーチにおい
て該配列に対する何の相同性も見いださなかった。プロサイト分析により別の機
能性モチーフは同定されなかった。これは、この蛋白質に関する新規な生化学上
の機能と一致する。該配列のコイルドコイル予測は、蛋白質蛋白質相互作用にお
いて役割を担うことが知られているコイルドコイルドメインを同定した。
【0061】 同定されたcDNAはヒトポリA+mRNAのノーザンブロット分析により明
らかにされたとおり(図8c)、クローン化されたcDNAのサイズに接近した
約1.6kbの一つの主要な転写物として、ヒト細胞中で広く発現されるmRN
Aをコードすることから、該クローン化されたcDNAは高頻度繰り返しRNA
を表さず、むしろ単コピーまたは低コピー数の遺伝子によりコードされるmRN
Aを表すことを実証する。 インビトロ翻訳された候補cDNAはdMTase活性を有する 本当にDNAを脱メチル化する一つの蛋白質の存在に関する結論的証明は、単
離された系において、インビトロ翻訳された候補cDNAがメチル化DNAから
メチル基を揮発させ、そしてメチルシトシンをシトシンに変換できることを証明
することである。該候補dMTaseのcDNAをpcDNA3.1/His
Xpress(インビトロジェン)発現ベクター中に仮想翻訳フレームにてサブ
クローン化し(pcDNA3.1His B)、そして35S−メチオニン存在下
でインビトロにおいて転写および翻訳し、その結果の翻訳産物をSDS−PAG
Eにより分析した。オートラジオグラフは、約40kDaの蛋白質を明らかにし
た(図10a)。インビトロ翻訳された蛋白質の見かけ上のサイズは、精製され
た蛋白質の見かけ上のサイズよりも約3.5kDa短い。クローン化されたcD
NAは上記議論のとおりいくらかの上流アミノ酸を欠くのかもしれないし、ある
いはヒト細胞中で別の修飾をされるのかもしれない。
【0062】 2つの試験が、インビトロ翻訳された候補cDNAが真正なdMTaseであ
るか否かを立証した。我々は、第1に、インビトロ翻訳された蛋白質(Ni2+
荷電されたアガロース樹脂上で精製された)が[3H]−CH3−DNAにおいて
メチル残基を揮発させて放出することができるか否かを、放射性トラッピング揮
発アッセイにおいて試験した。揮発されたカウントが真の3Hカウントであるこ とを実証するため、スペクトル分析を実施した。図10bにおいて示されるとお
り、トリチウム化メチル残基の揮発はミスフレームdMTase(ミスフレーム
)において観察されないのに対して、インビトロ翻訳された仮想dMTaseの
cDNAは3H−CH3残基の揮発を触媒し、シンチレーションカクテル中にトラ
ップされる。
【0063】 第2に、インビトロ翻訳されたdMTaseのcDNAは、[32P]−アルフ
ァ−dGTP標識プラスミドDNAまたは[メチル−dC32pdg]n二本鎖
オリゴマーDNA中のCH3−シトシンをシトシンに変換する一方、フレームシ フトのインビトロ翻訳されたdMTaseはDNAを脱メチル化しない(図10
d)。これは、dMTase活性がdMTase翻訳産物に依存し、そして仮想
dMTaseと共に同時精製する(copurities with the
putative dMTase)インビトロ翻訳キット中に見いだされる汚染
活性でないことを証明する。インビトロ翻訳されたdMTaseにより実施され
た反応が示すことは:インビトロ翻訳された産物の投薬量への依存性(図10c
)、時間依存性(図10d)および翻訳された蛋白質への依存性(図10bおよ
びdミスフレーム、図10cプロテアーゼK処理)。参酌すると、これらの結果
は、ここでクローン化されたcDNAが真正な酵素DNAデメチラーゼ活性をコ
ードすることを強く示唆する。 一時的にトランスフェクトされたdMTaseのcDNAはDNAを脱メチル化
する dMTaseのcDNAおよびpcDNA3.1HisCベクター対照を一時
的にヒト胚腎臓細胞にトランスフェクトすることにより、該cDNAがヒト細胞
においてdMTase活性の発現を直接指示することができるか否かを試験した
。His−付加された蛋白質をNi2+アガロース樹脂に結合させ、そしてイミ
ダゾール濃度を上昇させることにより該樹脂から溶出した。トランスフェクトさ
れたdMTaseの発現はウエスタンブロット分析により確認された(図11b
)。放射性トラッピング揮発アッセイ1を用いて[3H]−CH3−DNA中のメ
チル残基を揮発して放出するそれらの能力に関して、イミダゾール画分をアッセ
イした。図11aに見られるとおり、dMTaseトランスフェクトされた細胞
からのイミダゾール画分は[3H]−CH3を放出するのに対して、dMTase
のミスフレーム変異をトランスフェクトされた細胞または非トランスフェクト細
胞からのイミダゾール画分を用いて処理されたDNA中にはトリチウムカウント
は検出されなかった。一時的に発現されたdMTaseは、DNA中のメチル化
シトシンを、2つの異なる基質(図11cおよび11d)、蛋白質依存性様式(
図11cおよび11e)で存在するシトシンに変換し、そして該反応は基質依存
性および飽和可能性を表す(図11f)。一時的に発現されたdMTaseを非
変性グリセロール勾配に負荷してその天然分子量を測定した。ヒト細胞から精製
されたdMTaseに類似して、クローン化されて精製されたdMTase活性
は160−190kDa範囲に分画された(データは示さず)。これは、コイル
ドコイルドメインによりおそらくは媒介されるクローン化dMTaseの自己対
合と一致する。 クローン化されたDNA dMTaseは5−メチル−シトシンの加水分解を触
媒してメタノールを放出する 我々は、クローン化dMTaseによりメチル残基が放出される機構を決定し
(図11)、そしてそれを精製された真正なdMTase活性と比較した。非標
識[メチル−dCpdG]DNAの量を増加させて、A549細胞から精製され
た真正なdMTase活性またはクローン化dMTaseの何れかと共に、[3 H]の水の存在下で3時間インキュベートして、次にモノヌクレオチドに消化し
、薄層クロマトグラフおよびオートラジオグラフに供した。図12aが示すとお
り、シトシン中の[3H]標識の存在により示されるとおり、両反応は5−メチ ルシトシン中のメチル基を水から付与されたプロトンで置換する。
【0064】 精製された真正のdMTase活性により触媒された脱メチル化反応における
残りのメチル基の正体は、メタノールであることが示された。クローン化dMT
aseにより触媒された脱メチル化反応におけるとおりにメチル残基が離れる形
態を同定するため、反応産物の、同一のガスクロマトグラフ/質量分光分析を1
におけるとおりに実施した。正確に翻訳された形態のdMTaseのみが(イン
キュベート翻訳された場合と一時的にトランスフェクトされて精製された場合の
両者)、質量分光分析においてメタノールのイオン特性(ions chara
cteristic)を生じることができる(32および29の質量、図12b
)。これらの結果は、クローン化dMTaseにより触媒された脱メチル化反応
が5−メチル−シトシンのシトシンとメタノールへの加水分解であることを示唆
し、精製されたdMTase1に関して記載されたとおりである。 DNA dMTase活性は非形質転換細胞において検出不可能である 本明細書に記載されたdMTase活性に関するアッセイおよびDNA dM
Tase cDNAのクローニングは、異なる細胞状態におけるその発現の研究
を可能にする。DNAの総体的低メチル化は癌細胞における共通の観察である。
これは当惑させる観察であるが、なぜなら、DNA MeTase活性は癌細胞
において上昇するからである。DNA MeTase活性の高活性化は、癌の発
生において役割を担うことが提案されてきた。このパラドックスを解明するため
に以前に示唆された一つの単純な説明は、癌細胞が、誘発されたレベルのDNA
dMTaseを発現することである。我々は、多くのカルシノーマ細胞系H4
46,Colo205,HeLa,およびA549から調製されたDEAE−セ
ファデックス分画核抽出物(画分9−10)の等濃度中のDNA dMTase
活性を、ヒト皮膚繊維芽細胞からの類似調製物と、初期比率条件にて、[mdC
32pdG]n二本鎖オリゴマーを基質として用いて比較した。図13aに観察
されるとおり、DNA dMTase活性は全てのカルシノーマ細胞系において
容易に観察されたが、それは、非形質転換ヒト細胞においては検出不可能である
。ヒト始原細胞中のdMTase活性の不在はインビボの状況を反映するが、d
MTase活性が別のマウス組織からの調製物において検出されず、一方で、d
MTase活性はH−Rasプロトオンコジーンをトランスフェクトされたマウ
スカルシノーマ細胞系P19、またはマウスの同じ株において異種移植片として
運ばれるヒト腫瘍には存在するからである(図1a:COLO 205,A54
9.HeLa)。これらの結論は、図13cに示される放射性−トラッピング揮
発アッセイを用いて実証された。
【0065】 dMTaseのmRNAは全ての正常ヒト組織において感受性ポリA+ノーザ
ンブロットを用いて検出されたから、我々は、正常組織における検出されたdM
Tase活性の不在が正常組織と癌系の間のDNA dMTase mRNA中
の量的差異を反映するという仮説を試験した。全RNAを用いた図13dに示す
スロットブロット分析によるdMTase mRNAのノーザンブロット分析お
よび定量は、この仮説を支持する。僅かなレベルのdMTaseのmRNAが正
常組織において検出されるが、高いレベルのdMTaseはHa−rasの30
倍増幅を有するマウスカルシノーマ細胞系Y1において発現される。 第2のDNAデメチラーゼdMTase2がヒトおよびマウスにおいて同定され
た ヒトおよびマウスからのdMTase1およびdMTase2両方のcDNA
配列、予測されたアミノ酸配列、およびジェンバンクの加盟番号を示す。我々は
、該2つの蛋白質の高いレベルの同一性(図9cおよびe)は、該2つの蛋白質
が同じ機能のDNAメチル化を実施できることを示唆すると確信する。dMTa
se1とdMTase2のN−末端はメチル化DNA結合ドメイン(MBD)を
含み、そしてそれらのC−末端近傍はコイルドコイルドメインであるが、しかし
ながら、該蛋白質配列の中部はあらゆる公知の構造モチーフまたは触媒モチーフ
と相同性を有さない。重要なことに、それらの中部領域が一層広範囲に相同であ
ることから、デメチラーゼ活性の触媒部位が両蛋白質においてこのエリアに存在
することを示唆する。 アンチセンス方向におけるDNAデメチラーゼの誘発された発現はエクスビボに
おいて腫瘍発生を阻害する DNA dMTaseの阻害が腫瘍発生を阻害できるとの仮説を試験するため
、センスあるいはアンチセンスの方向の何れかにおいてヒトdMTase1のc
DNAを運ぶテトラサイクリン誘発可能ベクターを構築して、一時的にヒトHE
K293細胞にトランスフェクトし、ドキシサイクリン(テトラサイクリン類似
体)の存在または不在下の何れかで48時間処理し、最後の24時間にプロマイ
シンで選択し、そしてソフトアガー上にプレートして7日間生育させた。7日後
、コロニーを数えたところ、データは、アンチセンス方向におけるdMTase
1のcDNAのドキシサイクリン誘発発現がコロニー形成を減じさせたことを明
確に示した(図15)。 イミダゾールはDNAデメチラーゼ活性の小分子阻害剤である 鋳型の小分子イミダゾールを、DNA dMTase活性を阻害する能力に関
して試験した。放射性メチル残基アッセイの揮発において、1μMから10mM
のイミダゾール濃度を上記のとおり放射性メチル残基の典型的揮発中でインキュ
ベートした。グラフは、イミダゾールのDNA dMTase活性の投薬量依存
性阻害を明確に証明し、そしてDNA dMTase活性の阻害剤としてイミダ
ゾールに基づく分子を試験するための論理的解釈を根拠あるものにする。 DNAデメチラーゼcDNAおよび蛋白質配列の同定 図9aは、ヒトdMTase1のcDNA配列(配列番号:1)およびその予
測されたアミノ酸配列(配列番号:2)を示し、そのジェンバンク位置を含む。
図9bは、ヒトdMTase2のcDNA配列(配列番号:3)およびその予測
されたアミノ酸配列(配列番号:4)を示し、そのジェンバンク位置を含む。図
9cは、ヒトdMTase1とヒトdMTase2の蛋白質配列の並置を示す。
図9dは、マウスdMTase1のcDNA配列(配列番号:5)およびその予
測されたアミノ酸配列(配列番号:6)を示し、そのジェンバンク位置を含む。
図9eは、マウスdMTase2のcDNA配列(配列番号:7)およびその予
測されたアミノ酸配列(配列番号:8)を示し、そのジェンバンク位置を含む。
図9fは、マウスdMTase1とマウスdMTase2の蛋白質配列の並置を
示す。
【0066】 本発明はその特定の態様との関連において記載されてきたが、さらなる修飾が
可能であり、そして本出願は発明のあらゆる変更、使用または適合を含むことを
意図し、一般には発明の原理に従い、そして本開示からのそのような逸脱を含み
、発明が属する分野において公知のあるいは慣用の実施の範囲内であるとして、
および前記本質的特徴に適用してよいものとして、そして特許請求の範囲に従う
ことが理解されることになる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 A−Bは、ヒトA549細胞からのデメチラーゼ(DNA dM
Tase)の精製について説明している。
【図2】 AおよびCは、DNA dMTaseがRNAによって阻害され
る蛋白質であり、ddCTP、mdCTPによって阻害されないことを示し; BおよびDは、DNA dMTase活性の速度論を示している。
【図3】 A−Cは、DNA dMTase活性の生成物がシトシンであり
、エキソヌクレアーゼまたはグリコシラーゼ活性を示すことを、示している。
【図4】 A−Cは、脱メチル化反応が揮発性残基としてメタノールを遊離
することを示し; Dは、水からプロトンをトランスファーし、シトシンを再生成することを示し; E−Fは、揮発性生成物がメタノールであることを示している。
【図5】 提案された脱メチル化反応を示している。
【図6】 A−Dは、DNA dMTaseの基質特異性を示している。
【図7】 A−Dは、ヒトA549細胞からのdMTaseのクロマトグラ
フによる単離について示している。
【図8】 A−Bは、MeCP2のMDBドメインおよびデメチラーゼおよ
びヒトデメチラーゼの予想させるアミノ酸配列間の並置を示し; Cは、デメチラーゼによってコードされたmRNAを示している。
【図9】 A−Fは、デメチラーゼのcDNAおよびそれらの予想アミノ酸
配列、ならびに本発明との相同性(配列番号1−8)を示している。
【図10】 A−Bは、dMTaseの哺乳動物発現ベクターおよびインビ
トロで翻訳されたdMTaseポリペプチドを示し; Cは、インビトロで翻訳されたDNA dMTaseがメチル化DNAから揮発
性メチル基を遊離することを示し; Dは、インビトロで翻訳されたDNA dMTaseは、メチル化シトシンをシ
トシンにトランスフォームすることを示している。
【図11】 Aは、一時的にトランスフェクトされたデメチラーゼがメチル
化DNAから揮発性残基を遊離することを示し; Bは、一時的にトランスフェクトされたデメチラーゼから発現したポリペプチド
を示し; C−Eは、一時的にトランスフェクトされたデメチラーゼが蛋白質依存様式で、
メチル化シトシンをシトシンに変換することを示している。 Fは、一時的にトランスフェクトされたデメチラーゼが基質濃度に依存して、メ
チル化シトシンをシトシンに変換することを示している。
【図12】 Aは、一時的にトランスフェクトデメチラーゼがトリチル化水
からプロトンのトランスファーを触媒し、シトシンを再生成することを示し; Bは、クローン化デメチラーゼがメチル化DNAからメタノールを遊離すること
を示している。
【図13】 A−Cは、癌細胞がデメチラーゼを発現するのに対して、正常
細胞は発現しないことを、示し; Dは、デメチラーゼmRNAが癌細胞内で高発現することを示している。
【図14】 Aは、デメチラーゼ細菌レトロウイルスおよび哺乳動物発現ベ
クターを示し; Bは、特異的インヒビターによるデメチラーゼ活性の阻害を示し; Cは、デメチラーゼの阻害によるインビトロでの腫瘍発生の阻害を示している。
【図15】 デメチラーゼアンチセンスベクターの発現を誘導することによ
って、細胞培地内で腫瘍発生が阻害されることを示している。
【図16】 小分子インヒビターであるイミダゾールによるデメチラーゼの
阻害を示している。
【図17】 デメチラーゼを阻害することによる、癌増殖の阻害に関するモ
デルを示している。
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月14日(2001.2.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 C07K 16/40 A61P 7/06 C12N 9/00 35/00 C12P 21/08 C07K 16/40 C12Q 1/25 C12N 9/00 G01N 33/15 Z C12P 21/08 33/50 Z C12Q 1/25 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/15 A61K 37/02 33/50 37/48 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ラムチャンダニ,シャイアム カナダ国オンタリオ エル2ジェイ・2エ イ8,ナイアガラ・フォールズ,ヒルクレ スト・クレセント 5843

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 癌細胞において過剰発現される、約40kDaを有するDNA
    デメチラーゼ酵素および/またはその類似体。
  2. 【請求項2】 配列番号(SEQ ID NOS:)1および3に記載された
    配列からなるヒトデメチラーゼをコードするcDNA。
  3. 【請求項3】 配列番号5および7に記載されたマウスデメチラーゼをコード
    する、請求項2記載のcDNAに類似のcDNA。
  4. 【請求項4】 細胞中インビトロにおいてまたはインビボにおいて、ヒト、動
    物および植物においてDNAのメチル化パターンを変更するための、請求項2ま
    たは3記載のデメチラーゼのcDNAの発現の使用。
  5. 【請求項5】 デメチラーゼのcDNAの発現が哺乳類プロモーターの指示下
    である、請求項4記載の使用。
  6. 【請求項6】 プロモーターがCMVである、請求項5記載の使用。
  7. 【請求項7】 デメチラーゼのcDNAの発現が、植物においてメチル化を変
    更して植物の発生の状態を変更して植物における外来遺伝子の発現を可能にする
    ための植物特異的プロモーターの下である、請求項4記載の使用。
  8. 【請求項8】 デメチラーゼのcDNAの発現が、治療プロセスのために癌細
    胞中でデメチラーゼを阻害するためのアンチセンス方向中にある、請求項4記載
    の使用。
  9. 【請求項9】 哺乳類におけるデメチラーゼのcDNAの発現が、それらの分
    化の状態を変更し、そして治療用に幹細胞を生じ、動物クローニング用に細胞を
    生じ、そして外来遺伝子の発現を改良することである、請求項9記載の使用。
  10. 【請求項10】 大量のデメチラーゼの生成のための、バクテリアまたは昆虫
    細胞における請求項2または3記載のデメチラーゼのcDNAの発現の使用。
  11. 【請求項11】 脊椎動物、昆虫またはバクテリアの細胞における蛋白質生成
    のための、請求項2または3記載のデメチラーゼのcDNAの発現の使用。
  12. 【請求項12】 デメチラーゼに対する抗体を生成するための、請求項11記
    載の使用。
  13. 【請求項13】 アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムをデザイ
    ンするための鋳型としての、請求項2または3記載のデメチラーゼのcDNAの
    発現の使用。
  14. 【請求項14】 デメチラーゼに対するポリクローナルまたはモノクローナル
    抗体を生成するための、請求項2記載のデメチラーゼの予測されたペプチド配列
    の使用。
  15. 【請求項15】 診断および治療の目的のためにデメチラーゼと相互作用する
    蛋白質を同定するための、酵母における2ハイブリッド系における、請求項2ま
    たは3記載のデメチラーゼのcDNAの発現の使用。
  16. 【請求項16】 治療および生物工学のためおよびx線結晶構造を得るための
    デメチラーゼ阻害剤の高処理量スクリーニングのために大量のデメチラーゼを生
    成するための、バクテリア、脊椎動物または昆虫細胞中における、請求項2また
    は3記載のデメチラーゼのcDNAの発現の使用。
  17. 【請求項17】 工程: a)メチル化DNAサンプル中に存在するメチル−シトシンをDNA中に存在
    するシトシンに変換してメチル基を揮発させるために、転写されて翻訳された請
    求項2または3記載のデメチラーゼを用い;そして b)活性なデメチラーゼ阻害剤の指標として揮発メチル基の不在または微量の
    揮発メチル基を測定すること からなる、治療剤および抗癌剤としての脱メチル化阻害剤の高処理量スクリーニ
    ングのための揮発アッセイ。
  18. 【請求項18】 工程: a)メチル化DNA中に存在するメチル−シトシンのDNA中に存在するシト
    シンへの変換およびメタノールとして放出されるメチル基の揮発を測定すること
    により患者サンプル中のデメチラーゼ活性を測定し;そして b)上記患者サンプル中の癌の指標として揮発メチル基の存在または微量の揮
    発メチル基を測定すること からなる、患者サンプル中の癌の診断のための揮発アッセイ。
  19. 【請求項19】 癌治療、患者DNA中の異常なメチル化パターンの回復、ま
    たは患者DNA中のメチル化パターンを変化させるための、医薬の製造のための
    、請求項1または2記載のDNAデメチラーゼのアンタゴニストまたは阻害剤の
    使用。
  20. 【請求項20】 アンタゴニストが、50nMのKiにおいてデメチラーゼを
    阻害する二本鎖オリゴヌクレオチドである、請求項19記載の使用。
  21. 【請求項21】 オリゴヌクレオチドが 【化1】 である、請求項20記載の使用。
  22. 【請求項22】 阻害剤が、抗−DNAデメチラーゼ抗体またはDNAデメチ
    ラーゼのアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは小分子からなる、請求項19記
    載の使用。
  23. 【請求項23】 メチル化パターンの変化がサイレント遺伝子を活性化する、
    請求項19または22記載の使用。
  24. 【請求項24】 サイレント遺伝子の活性化が遺伝的欠陥の修正を許容する、
    請求項23記載の使用。
  25. 【請求項25】 遺伝的欠陥がβ−地中海貧血または鎌状細胞貧血である、請
    求項24記載の使用。
  26. 【請求項26】 DNA上のメチル基をインビトロにおいて除去するための、
    請求項1記載のデメチラーゼの使用。
  27. 【請求項27】 細胞の分化状態を変更することにより遺伝子治療、幹細胞選
    択または細胞クローニングを可能にする、請求項1記載のデメチラーゼまたは請
    求項2記載のそのcDNAの使用。
  28. 【請求項28】 ベクター媒介遺伝子治療を用いて癌細胞内のメチル化を阻害
    するための、請求項1記載のデメチラーゼまたは請求項2記載のそのcDNAの
    使用。
  29. 【請求項29】 患者からのサンプル中の請求項1記載のDNAデメチラーゼ
    の発現レベルを決定するが、その際DNAデメチラーゼの過剰発現が癌細胞の指
    標である、患者における癌の診断のためのアッセイ。
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