【発明の詳細な説明】
原動力発生機構及びポンピング機構関連出願の相互参照
本願は1997年4月18日出願の先願同時係属出願、シリアルNo.08/844
,576の一部継続出願であって、ここにその先願の出願日の利益が35U.S.C
.§120の下に請求される。発明の分野
本発明は一般的に原動機に関するものであり、特にポンピングシステムに関す
るものである。発明の背景
実際上有史以来、ポンプは人類の文明にとって重要であった。人類は歴史上ほ
とんど常に流体を1つの箇所から他の箇所に輸送するなんらかの必要を感じてい
る。人類はおそらく穀物の潅漑の必要から、また/あるいは村落に水を供給する
事に関連して最初のポンプを発明したのであろう。その時以来、人類はその他の
流体輸送の必要に応じるためにポンプを使用してきた。例えば井戸からの水のく
み出し、冷却システムを通しての冷媒の循環、空気系統に使用するための空気の
加圧などであるが、これはポンプの多くの用途の一部の例にすぎない。
すべてのポンプについての共通の問題点はポンプの与えられたサイズ乃至重量
に対してポンプを通る流体の流速を最大限にするにあった。すなわちポンプ効率
の極大化にあった。流体を流れさせるためには、次のようなポンプ作用の一般的
な3類型がある。すなわち、(i)容積式ポンプ作用,(ii)遠心作用、およ
び
(iii)軸流作用。これらのいずれのシステムにおいても、その結果は流体を
特定方向に流れさせるにある。
もちろん、いかなるポンプも原動機を必要とする。すなわちポンプの中で容積
式ポンプ作用、遠心作用または軸流作用を生じるための原動力を生じるためにあ
る種の機構を必要とする。
一般的に、これらのシステムは非一体的原動機を使用する。すなわち原動機は
シャフト、歯車装置、ローラまたはその他の機械的構造に接続され、ポンプ中に
おいて容積式ポンプ作用、遠心作用または軸流作用を生じるための原動力を供給
する。ポンプ系統において原動機を流体流機構に連結する機械的構造は多くの用
途において満足であるが当然にそのコストと種々の不便を伴う。例えば、すべて
の連結機構はコストがかかり、破損する可能性があり、スペースを取り、ポンプ
システムの重量を増加させ、また摩擦損を生じる。
二、三の米国特許は一体的原動機を使用するポンプ構造を開示している(例え
ばトラビスに発行された米国特許第3,972,653号およびスネッドンに発行された
米国特許第5,017,087号参照)。基本的にこれらの構造はモータを有し、このモー
タの中において回転軸が中空である。インペラシステムがこの回転軸の中に取り
付けられ、モータが作動される時に中空軸と共に回転して流体を中空軸を通して
流れさせる。モータハウジングに取り付けられた静止磁石が磁力を生じ、この磁
力が中空軸を回転させる。
このような構造は非一体的原動機を備えたポンピングシステムに固有の少なく
とも一部の問題点に対応するものであるが、ポンプ−モータ一体的構造は広く一
般に受け入られていない。例えば、出願人は井戸から油または水を排出するため
に使用される一体的ポンプ−モータ構造を知らない。灌漑用水源から水をポンピ
ングするために農業で使用される排水ポンプについても同様である。
このように市場で成功しないことには1つの理由がある。非一体的モータ−ポ
ンプシステムがポンプ工業分野においては支配的であり相当に良く作動している
。企業家は明白な否応ない利点がない限り、証明されていない技術に投資するの
を躊躇する。先行技術の文献は広く一体的モータ−ポンプ構造を開示しているが
、一般に現在のポンプシステムに対してすぐ採用されるような明白な利点を持つ
装置は開示または示唆されていない。
さらに従来の文献は一般に現存のポンプシステムに対して簡単に一体化される
機構を開示していない。一般に従来の文献は、現存の非一体的モータ−ポンプ構
造の中に組み込んで利益を生じる事の出来ない装置を開示している。従ってこの
ような機構は現在の市場で隙間を見つけることが出来ない。すなわちこれらの機
構はその将来可能な利益にも係わらず「足がかり」を掴むことができない。
本発明は、特定の用途に特に適当な一体的モータ−ポンプ構造に関するまたは
このような構造を含む機構を提供するものである。この機構は、現存システム以
上にすぐに使用可能な明白な利点を提供しまた/あるいは現存のシステムと簡単
に一体化させる事ができる。発明の概要
本発明の原理に従って提供される機構は、好ましい実施形態においては、一般
に原動力を生じるように作動する。さらにこの機構は、駆動システムと一体を成
すインペラ/ポンピング区画を有するポンピング構造に特に適している。一体的
構造は、本質的に別々の原動機区画とポンピング区画とを必要とする先行技術の
ポンピングシステムに固有のロスを避けるので効率が改良される。さらに一体的
構造は駆動システムを通して実質的に流体流を生じるので、機構を原動機として
使用する際に、すなわち他の装置に原動力を供給するために使用する際に、駆動
システムの冷却を増進する結果となる。
本発明による機構はハウジングと、ハウジング中に回転自在に搭載された管と
を含む。さらに詳しくは、この管はその縦方向軸線回りにハウジングに対して回
転するようにハウジング中に搭載される。原動システムまたは駆動システムが管
に作用して、管をハウジングに対して回転させる。
駆動システムは、管を回転させる磁力を発生するため、ハウジングの中に管の
回りに配置された複数の磁石を含む。さらに詳しくは、磁石は好ましくは管とハ
ウジングの両方に取付けられる。磁石は管の回転を生じるため、通常のモータと
同様に相互作用磁力を発生する。他の好ましい実施形態においては、管は必ずし
も磁石を含まず、通常の誘導モータと同様に、ハウジング中に取付けられた磁石
からの誘導作用で駆動される。
1つまたは複数のインペラが管に取付けられる。これらのインペラは管が回転
する際に管を通しての流体流を生じるように成されている。従って駆動システム
による管の回転が管を通しての流体流を生じる。流体はハウジングの一端の吸引
口を通してハウジングの中に入り、ハウジングの他端の吐出口を通して排出され
る。少なくとも1つの好ましい実施形態において、吸引口と吐出口はハウジング
の中に、管の縦方向軸線から離れてこの軸線と整列しない位置に画成される。さ
らに好ましい他の実施形態においては、ハウジングの中において、流体流は少な
くとも部分的に管の外側面にそって、また少なくとも部分的に管の内部を通して
画成された流体流を成す。
さらに他の好ましい実施形態においては、管の少なくとも一端が他の装置との
接続のため、ハウジングの外壁を通して延在する。さらに詳しくは管は他の装置
に接続されて機械的回転エネルギーを加える。すなわち他の装置の原動機として
作用する。
前記の構造の変更態様として、他の好ましい実施形態においてはシャフトが管
を支承する。この構造においては、ハウジングがシャフトを回転自在に支承して
管を回転させる。シャフトの少なくとも一端がハウジングの外部に延在して他の
装置に接続され、この装置の原動機として作用する。
さらに他の好ましい実施形態において、システムは前述と同様に管を有するが
、この管は必ずしもインペラを備えていない。この機構がシステム中のポンプに
連結されて、このポンプの原動機構または駆動機構として作用する。運転に際し
て管が回転して、ポンプに対して機械的回転エネルギーを加え、このポンプを作
動させる。またシステムが流体をポンピングする時に、流体がポンプと管とを通
して流れるように、ポンプは管と流体連通される。好ましくはポンプの吐出口末
端が管に接続されるので、流体はまずポンプを通して流れ、次に管中を流れる。
他の好ましい実施形態において、前記のシステムは、原動/駆動機構の他端に
接続された第2ポンプを含むように変更される。原動/駆動機構の管の一端が一
方のポンプに接続され、管の他端が他方のポンプに接続される。この構造におい
て原動/駆動機構は両方のポンプに対して機械的回転エネルギーを加える。運転
に際して、流体はまず一方のポンプを通り、次に原動/駆動機構の中を通り、最
後に他方のポンプを通る。
前記の2つの実施形態において、原動/駆動機構は「流通(フロー・スルー)」
原動機として効率的に作用する。すなわち原動/駆動機構は単数または複数のポ
ンプを作動し、流体はこの原動/駆動機構と単数または複数のポンプを通して流
れる。しかし原動/駆動機構は必ずしも流体をポンピングしない。むしろ、ポン
ピングはシステム中の他の要素、すなわち単数または複数のポンプによって実施
される。オプションとして、原動/駆動機構中の管がインペラを含み、従って流
体をポンピングする事ができる。
従って本発明は、特にポンピングにおいて一般的に原動力を生じる機構を提供
する。図面の簡単な説明
以下、本発明を図面に示す実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれ
らの実施形態によって限定されるものではない。付図において、
第1図は本発明による管システムの好ましい実施形態の一部破断斜視図、
第2図は第1図のシステム中の管の代わりに使用される本発明による管の他の
好ましい実施形態の斜視図、
第3図は第1図の管システムを合体する本発明による機構の横断面であって、
システムの一部を斜視図で示す図、
第4図は本発明による機構の他の好ましい実施形態の部分的断面図、
第5図は第4図の5−5線にそった断面図、
第6図は本発明による機構の他の好ましい実施形態の断面図、
第7図は流通型原動機構造を有する本発明のシステムの他の好ましい実施形態
の断面図、また
第8図は流通型原動機構造に接続された2つのポンプを有する本発明によるシ
ステムの他の好ましい実施形態の断面図である。好ましい実施形態の詳細な説明
第3図は本発明にる機構10の好ましい実施形態を示す。この機構10は一般
に原動力を生じるように作動し、また特にポンプ用途に適している。下記におい
てさらに詳細に説明するように、この機構10は非一体的原動機を有する現存の
ポンピングシステムに一体化する事ができる。さらに、この機構10はポータブ
ル用であって、ポンピングのための現存のポンピングシステムとライン接続する
必要がない。
機構10の主要な部品は下記を含む。(i)シリンダまたは管システム12、
(ii)前記管システムを取り囲みまたは包囲するハウジング14、および(i
ii)動力システムまたは駆動システム16。第1図はハウジング14から取り
出された管システム12の一部破断斜視図である。
この管システム12はシリンダまたは管18を含み、この管18はその内部を
縦方向に走るインペラ20を有する。支承軸22が管18の内部をその縦方向軸
線にそって延在する。インペラ20は管18および軸22に対して装着され、軸
から管の内側面まで延在し、管の縦方向にスクリューコンベア構造として螺旋形
に配置される。管18がその縦方向軸線周りに回転する際に(またインペラ20
が管18と共に回転する際に)、インペラは流体を管内部を流すように作用する
。
さらに第1図は管18の縦方向軸線周りの回転を生じるための駆動系統16の
一部を示している。この駆動系統16は管18の外周面に取り付けられた複数の
磁石24を含む。これらの磁石は好ましくは通常の電磁石とし、鉄心25と巻線
28とを有する。磁石24は、通常のモータの電機子の中に使用される型の電磁
石と同様に、管18の外周面にそってほぼ規則的間隔で離間配置されている。管
18が回転する際に磁石24に対して電力を供給するため、管18の外周面にそ
って整流子またはスリップリング(図示されていない)が取り付けられている。
整流子/スリップリング構造は、通常のモータの電機子に対して電力を供給する
整流子/スリップリング構造と同様に、磁石24の巻線28に対して接続する。
第3図について述べれば、管システム12はハウジング14の内部に回転自在
に搭載される。ハウジングの両端の通常の軸受30が軸22を回転自在に支承す
る。軸22の両端はハウジングの外壁を通過し、また軸受30の中を通る。また
軸22の両端はハウジング14の内部において各軸受30に対向する内部環状シ
ール26を通る。これらのシール26は軸外周面を包囲して軸22の回りのシー
ルを形成する。軸22が回転するに従ってシール26が軸の外部にそって滑り、
軸の外周面と密封接触を保持して、ハウジング14内部の流体がハウジング/軸
界面から脱出する事を防止し、また軸受30を防護する。軸22の両端は同じく
各軸受30の反対側の外側環状シール27を通して延在する。
ハウジング14の下側面から脚または搭載脚31が延在する。この脚31が機
構10を搭載面の上方に支承する。
ハウジング14の各端部は機構10をポンプとして作動させるための開口32
を画成する。前述のように管18が回転しインペラ20が管と共に回転する際に
、回転するインペラが流体を管中を流れさせる。開口32の一方が流体をハウジ
ング14および管18の中に受けるための吸引口を成す。他方の開口32が流体
を管18から受けてハウジング14から排出させるように作用する。さらにハウ
ジング14の頂部が開口34を含み、この開口は着脱自在プラグ36によって密
封される。開口34は機構10のプライミングを可能とし、この場合、ポンピン
グ流体は液体である。すなわち開口34は流体ポンピングを生じるのに十分な呼
び水をハウジング14の内部に充填する事ができる。
ハウジング14の内部はその中心に配置された円筒形または管状凹部38を含
む。管状凹部38は、磁石24の搭載された管18の部分を同軸的に取り囲み包
囲する。また管状凹部38の各端部をカラーまたは大型環状シール40が密封す
る。
管18の両端部は環状シール40の中心を貫通し、シールの内側面に滑りばめ
されて管状凹部38の両端を密封する。管18が回転する際に、シール40の内
側面が管の外側面にそって摺動し、管の外側面と密封接触する。このようにして
液体のポンピングに際して、環状シール40は、ハウジング14と管18とを通
してポンピングされる流体が駆動システム16の電気要素と接触する事を防止す
る。
静止磁石42が管18の回りに、管状凹部38の中においてハウジング14に
対して搭載される。また静止磁石42は駆動システム16の一部を成し、好まし
くは巻き線43と鉄心41とを有する通常の電磁石である。静止磁石42は管状
凹部38の回りに周方向にほぼ規則的間隔で搭載される。運転に際して、静止磁
石42と管状磁石24が相互的磁気作用を生じ、この磁気作用が管18を回転さ
せる。さらに詳しくは通常のモータ構造において静止磁石がモータ電機子に取付
けられた磁石に近接して搭載されるように、静止磁石42は管状磁石24に近接
搭載される。
前述のように、機構10中の磁石24と42は通常のモータ構造におけると同
様に相互的磁気作用を生じる。管18と共に回転するインペラが流体を管18を
通して貫流させる。このようにして機構10は一体的原動機/ポンプシステムと
して作動して、流体を一方の開口32から吸引し、他方の開口32を通して吐出
する。
本発明の機構10の利点はこの機構が他の装置の駆動のために使用できる事に
ある。すなわち、機構10は原動機として作用する事ができる。そのため、軸2
2の両端がハウジング14の外壁を通して突出して、他の装置に連結する。すな
わち、駆動力を生じて他の装置の原動機として作用するため、軸の両端を他の装
置に機械的に連結する事ができる。
例えば軸22の両端を通常のポンプに連結してポンプ原動機として作用する事
ができる。この構造においては、本発明の機構10はポンプと共に「段階的」に
組立てる事ができる。すなわち、ポンプからの出力が機構10の中に入力され、
またはその逆とし、このようにして機構とポンプが組立てられて、そのいずれか
が単独で発生するよりも高い容積および/または圧力の流体流を生じる事ができ
る。またこの故に、本発明の機構10を1つまたは複数の非一体的原動機を有す
る現存ポンプシステムの中に容易に一体化する事ができる。
さらに機構10の作動する時には常に、管18中の回転インペラ20の故に、
流体が管18の中心を流れる。このような流体流の結果、従来型の電気モータと
比較して冷却が改良される。従って、この機構10については、過熱防止の冷却
が重要な関心事である原動機としての用途が考えられる。
本発明の機構10は、現存の配管系統と「インライン」接続する必要がないと
いうもう1つの利点を有する。さらに詳しくは先行技術の特許は、一般的に管の
回転軸線を配管系統と整列させる必要のある一体的原動機/ポンプシステムを提
案している。本発明の機構10は管18の回転軸線から離れた箇所に配置された
吸引口と吐出口32を有する。すなわち、吸引口および/または吐出口32は管
の縦方向軸線と非整列である。この構造はさらに、1つまたは複数の非一体的原
動機を有する現存システム中への一体化を容易にする。
機構10は現存配管システムと「インライン」接続される必要がないのである
から、この構造はポータブルであり、「スタンドアローン」使用を可能とするもの
である。この可搬性は機構10を操作するために外部から把持するための1つま
たは複数の外側ハンドルを備える事によって増進される。
本発明による機構は流体流を生じるために任意適当な型のインペラを使用する
事ができる。インペラ構造は流体の種類に対応して最適化する事ができ(例えば
液体ではなく空気またはその他のガス、または場合によっては高度に粘性の流体
に対するインペラ構造)、また所望のポンピング容量、圧力および/またはその
他のパラメータに対して適合させる事ができる。特に第6図は他のインペラ構造
を有する本発明による機構44の他の好ましい実施形態を示す。
第6図に図示の機構44は前述の実施形態の部品と実質的に同様の二、三の部
品を含む。実質的に同様の対応部品を示すため、第6図の実施形態と前述の実施
形態において同一の参照数字を使用し、第6図の部品には参照数字の次にプライ
ム符号(')を付けた。
前述の実施形態と比較して第6図の機構44の主な外部的相違点は、この機構
の軸の両端が装置から突出していない事にある。この点において、第6図の機構
44は通常のポンプなどの他の装置を駆動するように設計されていない(ただし
この構造は、後述するようにその目的から変形する事ができよう)。
他の特徴において、機構44は外見的には前述の実施形態と同様に見える。さ
らに詳しくは、機構44は前述の実施形態のハウジングと実質的に同等のハウジ
ング14’を使用する。簡単に述べれば、機構44を1つの表面の上方に支承す
るために、ハウジングの下側面から搭載脚31’が延在する。ハウジング14’
の各端部の開口32’が機構44をポンプとして作動させる。さらに詳しくは一
方の開口32’はポンプの吸引口として作用し、他方の開口32’はポンプの吐
出口として作用する。ハウジング14’の頂上の開口34’は着脱自在プラグ3
6’によって密封され、機構44のプライミングを可能とする(この場合、ポン
ピング流体は液体である)。ハウジング14’の環状凹部38’が各端部におい
て大きな環状シール40’によって密封され、機構44の駆動システム16’を
実質的に包囲する。
機構44はその内部において別個の管システム45を使用する。この管システ
ム45は前述の実施形態の管と実質的に同様の管18’を使用するが、変更され
たインペラ構造を有する。さらに詳しくはインペラ46,48,50は相互に離
間された羽根(ベーン)またはブレードの形を有する。
インペラ46,48,50は軸52から放射方向に突出する。軸52が管18
’の長手方軸線にそって管の中を貫通する。ハウジング14’の両端の軸受30
’が軸52を回転自在に支承する。実際上軸52の両端がハウジングの外壁を貫
通し軸受30’の中に入る。さらに軸52の両端は前述の実施形態の内側環状シ
ールと実質的に同様の各軸受30’と反対側の内側環状シール26’を貫通する
。ハウジング14’に隣接した各軸受30’から反対側にキャップシール53が
配置されて軸受および軸52を外部環境から密封する。(他の実施形態において
、キャップシール53の一方または両方の代わりに環状シールを使用する事がで
き、また軸52がこれより長い軸を使用する事ができる。このようにして、軸の
一方
の末端または両端が前記の実施形態と同様に突出して他の装置を駆動する事がで
きる。すなわち原動機として作動する事ができる)。
インペラ46、48および50はそれぞれ軸52にそって相互離間した位置か
ら組立体を成して放射方向に突出する。グループ46、48または50の各イン
ペラはインペラ組立体を成す位置において、軸の外周にそつて相互に離間された
位置から外側に突出する。
第1セットのインペラ46は管18’の長さにそって内側に、軸52から管1
8’の内側面まで延在する。これより大きなインペラ48または50が管18’
の両端の前方または後方において軸52から突出する。これらの大直径のインペ
ラ48および50は管18’の外部にあるので、管18’の直径より大きい距離
延在する事ができる。流体の流れに対応して、大直径のインペラ48、50は機
構44の中のポンピング効率を高めるため、同一長さまたは相異なる長さ延在す
る事ができる。図示の場合、大直径インペラ48は管18’の一端に隣接配置さ
れ、管の他端に隣接するインペラ50よりも大きい距離延在する。
機構44は前記の実施形態の駆動システムと実質的に同様の駆動システム16
’を含む。簡単に述べれば、この駆動システム16’は管18’の外周面に取り
付けられた複数の磁石24’を含む。磁石24’は好ましくは通常の電磁石であ
って、巻線28’と、鉄心25’と、管18’が回転する時に磁石に電流を供給
するための整流子/スリップリング構造(図示されず)とを有する。静止磁石4
2’が管18’の回りに管凹部38’の中においてハウジング14’の内部に搭
載される。静止磁石42’はまた好ましくは巻線43’と鉄心41とを有する電
磁石とする。操作に際して、静止磁石42’と管状磁石24’が相互作用磁力を
生じ、この磁力は管18’を回転させる。さらに詳しくは、モータの電機子上に
取り付けられた磁石に近接して取り付けられた静止磁石を有する通常の電気モー
タ構造と同様に、静止磁石42’は磁石24’に隣接搭載される。
一般に、大型の軸受(およびこの軸受を保護するシール)はコストが高い。前
記の各実施形態は機構10または44の中に管を支承するための軸を使用する。
この構造は、より小さい軸受の使用を可能とする。すなわち管の直径に対して軸
の直径が小さいので、回転軸の支承のために小さい軸受を使用する事ができる。
二、三の用途においては、例えば最大限ポンピング効率を要求する用途におい
て、コストの増大にも係わらず大型の軸受(および大型の軸受シール)を使用す
る事が望ましい場合がある。さらに詳しくは、前記の実施形態における軸はスペ
ースを取るので、この理由から機構10、44を通しての流体ポンピング率を低
下させる。第2図はこれらの機構の他の実施形態において使用される軸を有しな
い管56を示している。
さらに詳しくは管56は、中心軸による支承を必要としないインペラ58を有
する。その代わりにインペラ58は管の56の内側面から内側に突出している。
各インペラ58は管の長さにそって傾斜された湾曲羽根を成す。
インペラ70または72が、管の長さにそつて相互に離間された位置において
内側組立体または外側組立体を成して取り付けられる。内側組立体の各インペラ
70はその組立体の位置において、管68の内側面にそって相互に離間した位置
から内側に放射方向に突出する。これと反対方向に、外側組立体の各インペラ7
2は、この組立体の位置において、管68の外側面の相互に離間した位置から外
側に放射方向に突出する。
さらに管システム62は、管68をその縦方向軸線周りに回転させるための駆
動システム66の一部を含む。さらに詳しくは、磁石74が管68の本体部分に
取り付けられている。これらの磁石74は好ましくは管本体の一端の近くに、管
68の外周の一部にそつて取り付けられる。
磁石74は通常の多くの型のモータにおいて使用される型の永久磁石とする。
磁石74は、通常の型の電機子の上に使用される永久磁石と同様に、管の外周に
そってほぼ規則的間隔で配置される。機構60を通しての流体流効率を増大する
ため、磁石74は好ましくは管の外側面の中に嵌入され、各磁石の外側面が管の
外側面と同一水準となる。
管システム62はハウジング64の中に回転自在に取り付けられる。この場合
、ハウジング64は全体として円筒形または管状を成し、管システム62を実質
的に取り囲みまたは包囲する。管システム62は、ハウジング64の中に実質的
に同軸的に取り付けられる。さらに詳しくは、ハウジング64は、管68(およ
びこの管から外側に延在するインペラ72)が管の縦方向軸線周りに干渉なしで
回転する事ができるのに十分な内径を有する。
ハウジング64の各端部の軸受(図示されず)が管の回転を可能とするために
管68の各端から突出する首部69を受ける。これらの軸受は好ましくは市販の
型のものとし、この軸受においては専用の流体またはポンピングされる流体がす
べての必要な潤滑作用を供給する(通常の地中井戸ポンプは代表的にはこれらの
型の軸受を使用する)。従って、この実施形態において軸受はシールの間に「挟持」
される必要はない。
従って首部69は管システム62を回転自在に支承する軸受中の軸として作用
する(管本体よりも細い首部69は、それだけ低コストの小型軸受の使用を可能
とする)。この取り付け構造においては、首部69の末端はハウジング64の両
端を通して外部環境に露出される。
さらにハウジングの両端は非常に多数の小孔を含み末端グリッド76を備える
ので、ハウジング内部はハウジング64の両端を通して外部環境と流体連通する
。管68が回転するときに、インペラ70と72はハウジングの一方の末端のグ
リッド76を通してハウジングの中に流体を吸引し、ハウジングの他端のグリッ
ドとして流体を吐出する。さらにこれらの首部69が中空の場合、インペラ70
と72はこれらの首部69を通して管68の中に直接流体流を生じる。
内部インペラ70は主としてグリッド76を通して管68の中に直接に流体流
を生じるためのものである。これらの首部69が中空の場合、これらの首部を通
しての流体流も生じる。逆に外側インペラ72は、ハウジングの両端のグリッド
を通して管68の外側面にそって流体流を生じるためのものである。すなわち外
側インペラ72は主として、管68の外側面とハウジング64の内側面との間の
各スペースを通して機構60を通る流体流を生じるためのものである。さらに図
示のように、管68の外側面に配置された外側インペラ72は、ハウジング64
の内側面に取り付けられた隣接磁石78の間の、駆動システム66によって占め
られていないスペースの中に流体流を生じる。しかし管の肩部分の孔71を通し
て、また/あるいは他の実施形態において管の側面に備えられた他の孔を通して
、ハウジング64内部において管68の内側から外側に、またその逆方向に流体
流を生じる事ができる。
ハウジング64の一端または両端において、流体流を特定方向に指向するため
のノズル73を含む事ができる。ノズル73は全体として漏斗の形に対応する。
ノズルの漏斗形状の大直径末端がハウジング64の一端に嵌合する。漏斗形状の
小直径末端が配管またはその他の流体導管に接続されて流体をハウジング64の
中に送りまたはハウジングから流体を排出する。またノズル73はハウジングの
それぞれの末端を保護する作用をする。
駆動システム66は管68の回りに、ハウジング64の内側面にそって取り付
けられた複数の静止磁石78を含む。これらの静止磁石78は好ましくは通常の
電磁石とし、ハウジングの内周面にそってほぼ均等間隔で取り付けられた巻線8
0と鉄心81とを有する。さらに詳しくは、これらの静止磁石78は管68上の
磁石74に対向して、ハウジング内側面の断面に取り付けられている。操作に際
して、静止磁石78と管磁石74が相互作用磁場を生じ、これが管68を回転さ
せる。
各静止磁石78はプラスチック材料82の中に埋め込まれまたは密封される事
が好ましい。このプラスチック材料82はポンピング流体が流れる際に静止磁石
78を機構64を通しての流体流から保護し短絡を防止する。図示のように、プ
ラスチック材料は機構60を通しての流体流の効率を改良するために、急な隅部
を丸くしまたは平滑にするように成形される。外部電源から巻線84を通して各
静止磁石78に電力を供給するために、ハウジングの壁体にそってプラスチック
材料82を通して絶縁配線(図示されず)が延在する。
管68上の磁石74は永久磁石であるから、これらの磁石は磁界を発生するた
めに電力源を必要としない。従ってこれらの永久磁石は、ポンピング流体が通る
時、短絡を防止するために流体との接触から防護される必要がない。しかしその
欠点は、一般に電磁石のみを使用する構造と比較して同程度のトルクが得られな
い事にある。
しかし他の実施形態において、永久磁石74の代わりに通常の誘導モータのよ
うに、誘導システムを使用する事ができる。誘導モータにおいては、モータの電
機子または回転子上に取付けられた鉄心要素に作用し、これらの要素が誘導電流
を介して作用する。その結果として相互作用磁界を生じ、これが回転子の回転を
生じる。回転子に対する直接の電力供給が存在しないので、すなわち誘導作用の
みで回転子に対して電力が供給されるので、電力をモータに供給するためのブラ
シは必要ない。
従って通常の誘導モータと同様に、機構60の中に同様の誘導システムを合体
させる事ができる。電力はブラシを介在させずに誘導作用のみによって管に供給
されるのであるから、管68上の駆動システム成分は流体と接触しないように、
プラスチックまたはその他の密封材料中に密封する事ができよう(他の実施形態
において、永久磁石構造または誘導構造を前述の機構10および44に使用する
事もできる)。
ポンピングの場合、機構60は特に地下井戸ポンピングに際して先行技術のポ
ンピングシステムと比較して種々の利点を示す。井戸の中で使用するための先行
技術の多くの地下ポンピングシステムは一連の回転インペラを使用する。インペ
ラはハウジングの中に同軸的に取付けられる。モータがハウジングの底部に取付
けられ、モータ軸の一端を介してインペラの回転を生じる。使用に際して、この
ような地下ポンピングシステムがケーシングを通して井戸の中に配置される。井
戸の中において、モータとインペラを収容する区画との間の入口を通して流体が
ハウジングの中に入る。次にモータを作動すると、インペラが流体をケーシング
中の配管を通して地表までポンピングする。
このような先行技術のポンピングシステムにおいて流体流効率を増進するため
、モータはインペラを収容するハウジングの底部に搭載されなければならない。
さらに詳しくは流体はモータを通して貫流する事ができないので、モータは流体
流通路外の位置に配置されなければならない。しかし、ハウジング底部のモータ
の配置は、インペラ区画の全長にそって延在する電線ケーブルを必要とする。井
戸ケーシング中のスペースが限定されているので、モータに達するケーブル配置
はインペラ区画の直径を制限する。従ってインペラ区画の直径の制限はポンプに
よって得られる極大流量を低減させる。
機構60は一体的モータ−インペラ/ポンプ構造を有する。すなわち、ポンピ
ングされる流体はモータを通して効率的に流れる。従って機構60が井戸ケーシ
ングを通して井戸の中に配置される時に、駆動システム66は機構60の上端近
くに配置され、流体流の効率を妨げない。従って駆動システム66の電気ケーブ
ル84はインペラ区画の全長にそって延在する必要はない。故にインペラ区画は
効率的に大直径を有してポンピング効率を増進する事ができる。
さらに一体的インペラ/モータ構造は多くの先行技術のシステムにおけるよう
なモータとインペラとの間のシャフト連結を有しない。前述のようにこのような
連結構造は摩擦ロスを生じ、スペースをとり、重量を加えまたコスト高であり、
また機械的破損をまぬがれない。機構60はこのような連結を使用しないので、
これらの問題点を避ける事ができる。
図示のように、管68の首部69の各端部はハウジング64の対応の末端を通
して延在する事ができる。このようにして延在する管首部69が他の装置に連結
されて機械的回転エネルギーを生じる事ができる。すなわち、第1実施形態と同
様に他の装置の原動軸として作用する事ができる。従って機構60は前記の第1
実施形態と同様に他のポンピングシステムと段階的に配置する事ができる。さら
に機構60を原動機として使用する場合には、駆動システム66と管68を通し
ての流体流の結果、先行技術の原動機と比較して冷却が改良される。
機構60を単に流通型原動機として使用する用途が考えられる。すなわち、機
構60が他の装置を駆動し、流体が他の装置と機構とを通して流れ、機構は流体
のポンピングを生じる必要はない。すなわちポンピングは他の装置またはシステ
ムによって実施される。従ってこの流通型原動機構造においては、機構60中の
インペラ70,72は除去する事ができる。
例えば、第7図にはこのような流通型原動機構造を有する本発明によるシステ
ム90の好ましい実施形態を示す。第7図はしばしば「ダウン・ザ・ホール」と
呼ばれる地下ポンピングにおいて使用されるシステム90を示す。すなわち、地
下ポンピングシステムがケーシングを通して井戸の中に配置される。第7図にお
いて参照数字92はシステム90が配置された井戸ケーシングを示す。
システム90は、ポンプ94と、このポンプの原動機構または駆動機構として
作用する流通型原動機96とを含む。ポンプ94は、1つの主要な相違点を除い
て、通常の地下多段式遠心ポンプと実質的に同等である。すなわちポンプの吸引
口端部100ではなく、ポンプ94の吐出口端部98が原動機構または駆動機構
(すなわち流通型原動機96)に対して接続する。
前述のように先行技術の多くの地下井戸ポンピングシステムはこのようなシス
テムの頂点にポンプを有する。ポンプの下端(すなわち吸引口端部)が原動機構
または駆動機構(すなわち電気モータ)に接続し、この機構がポンプを駆動する
。先行技術のシステムにおいては、流体を井戸からポンピングするため、井戸の
流体はモータとポンプとの間の吸引口からシステムの中に入る。先行技術のシス
テムにおいては、流体流の効率の観点からこのような構造が決定されている。さ
らに詳しくは、井戸から出る流体はモータを通して流れる事ができない。従って
、ポンプはモータの上方に配置されなければならないので、ポンプの吸引口末端
がモータと接続する。
しかしシステム90は流通型原動機96を使用する。従って流体は原動機を通
して流れる事ができ、従って原動機はポンプの吐出口末端98に接続する事がで
きる。さらにこれが好ましい構造であるのは、先行技術の地下ポンピングシステ
ムなど、システム下端にモータを有する構造においては、電力ケーブルがモータ
に接続するためにポンプの長さにそって延在しなければならないからである。井
戸ケーシングの中においてはスペースが非常に限定されているので、ケーブルが
ポンプの直径を制限し、従ってポンプから得られる最大流量を低下させる。
地下原油掘削井戸ポンピングシステムにおいては、井戸はしばしば地下数マイ
ルまたは数キロメートルの深さに達する。経済的ファクタから、このようなポン
ピングシステムは高い流量を有しなければならないので、ポンプは大型ポンプと
強力な原動機を備えなければならない。しかし井戸のケーシングがシステムの直
径を厳しく制限する。従ってこのような用途におけるポンプと原動機は所望の流
量を生じるために長くまた細い。
このようなポンピングシステムを井戸の中に降ろす時に、ポンピングシステム
が降ろされるに従って狭いスペースの故に電気ケーブルがケーシングに対して摩
擦する。井戸がしばしば数マイルまたは数キロメートルの深さでありポンピング
システムそのものが数フィートまたは数メートルの長さを有するので、摩擦作用
がケーブルを摩耗しケーブルの一体性を破壊する事が多い。もしそのようになれ
ば、ポンピングシステムを井戸から取り出してケーブルを修理しなければならな
い。
このような理由から本発明のシステム90は好ましくはシステムの上端に原動
機96を有する。さらに詳しくは流通型原動機96がポンプ94の吐出口端部9
8に接続される。その結果、ポンプ94は与えられた井戸の中に使用されるケー
シング92の直径を拡大させる事ができ、またシステム90を井戸の中に配置す
る際のケーブル損傷のリスクが少なくなる。
前述のようにポンプ94は、このポンプの吸引口末端100ではなくポンプの
吐出口末端98を原動機に接続するように変更された事以外は通常の水中遠心型
井戸ポンプと実質的に同様である。この場合、ポンプ94は、多段インペラ10
4を包囲したハウジング103を含む。これらのインペラ104は軸106に対
して連結され、ハウジング103の中に回転自在に取り付けられる。従って軸1
06の回転がインペラ104を回転させて流体をポンピングする。ポンプ94の
軸106とハウジング103がポンプの吐出口末端98において流通型原動機9
6に対して接続される。運転に際して原動機96が機械的回転エネルギーを軸1
06に対して与える。
流通型原動機96はシリンダまたは管システム107、ハウジング108およ
び原動システムまたは駆動システム110を含む。管システム107は管112
を含む。この管112は全体として一定直径を有するが、その一端においてキャ
ップまで半球形に先細に成される。半球形キャップの遠位端は細長く成され、ポ
ンプ94の軸106に対して固着される。
ポンプシャフト106に対する管112の固着は、第1回転軸を第2回転軸に
連結して第2回転軸を回転させるための任意公知の通常法とする事ができる。こ
のような方法は例えば軸の中の締まりばめスプライン、ネジ山またはその他の方
法とする事ができる。管112と軸106はさらに単一構造に結合する事ができ
る。運転に際して、ポンプ94から流体が細長い半球形の両側の入口114を通
して管112の中に流れ込む。流体は管の反対側の開いた末端を通して管112
から流れ出る。
管112はハウジング108の中に回転自在に搭載される。この管112の半
球形末端がハウジングの一端から突出して、ポンプシャフト106に固着されま
たはこれに移行する。管112が突出するモータハウジング108の末端は好ま
しくはポンプのハウジング103に接続する。固着は任意通常の方法、例えばネ
ジ山、スプラインまたはその他の方法によって実施する事ができる。
原動機96の原動システムまたは駆動システム110はハウジングに取り付け
られた静止磁石116を含む。この磁石116は好ましくは管システム106の
回りに配置された巻線および鉄心を含む通常の磁石とする。さらに駆動システム
は、通常の誘導モータのロータと同様に、管112の回りに取り付けられた誘導
回転子システム118を含む。運転に際して、静止磁石116は回転子システム
118の中に電流を誘導し、静止磁石と回転子システムとの間に相互作用磁力を
生じて、管システム107を回転させる。あるいは駆動システムは永久磁石を使
用する事ができる。ケーブル102が静止磁石116に対して電力を供給する。
流通型原動機96は1993年5月11日にギー・ルミウーに発行された米国
特許第5,209,650号に記載の液圧ラジアル軸受、スラスト軸受および肩部120
を使用する事ができる。この特許は一体的モータ/ポンプシステムにおいて使用
されるようなこの種の軸受およびシールを記載している。この場合、液圧軸受お
よびシール120は管システム107を原動機ハウジング108の内部に回転自
在に取り付けるために使用される。流通型原動機96に連結された導管122が
密封軸受流体を供給する。
運転中に流通型原動機96は管112を介してポンプ94に対して機械的回転
エネルギーを加える。この管112はポンプシャフト106を介してポンプ94
を作動する。ポンピングされる流体がポンプ94の吸引口100の中に入り、ポ
ンプの反対側末端から出る。この末端区域において流体が管112の中に入り、
次に流体原動機96の反対側末端から排出される。図示のようにシステム90の
運転は、流通型原動機96の管112の中のインペラを必要としない。
第8図は本発明によるシステム124の他の好ましい実施形態を示し、このシ
ステム124は前記の実施形態のシステム90の変更態様である。この変更され
たシステム124は2つの通常の多段式遠心ポンプ94’128に対する原動機
構または駆動機構として作用する。
一方のポンプ94’は、前記の実施形態のシステム90のポンプ94と実質的
に同様である。この場合、前記の実施形態と実質的に同様の部品または成分につ
いては同様の参照数字を示す。しかしこのような参照数字につづいてプライム符
号(')を付ける。
第8図は井戸ケーシング92’の中に配置された水中井戸ポンプの中のシステ
ム124を示す。従って下方ポンプ94’は前記のシステム90のポンプ94に
ついて述べたのと同様に、その吐出口末端98’が原動機構または駆動機構(す
なわち流通型原動機126)に対して接続される。
運転に際して下方ポンプ94’が流体を上方にポンピングする。流体が流通モ
ータ126を通して上方ポンプの吸引口末端130まで流れる。そこで上方ポン
プ128が流体を受けて、さらにこの流体を上方にポンピングする。従って上方
ポンプ128は通常の水中多段式遠心ポンプと実質的に同様である。さらに詳し
くは、上方ポンプ128の吸引口末端130が原動機構または駆動機構(すなわ
ち流通型原動機126)に接続する。
変形システム124の流通型原動機126は、1つの主要な相違点以外は前述
の実施形態の前記の流通型原動機96と実質的に同等である。さらに詳しくは、
流通型原動機126はその両端においてそれぞれ1つのポンプに接続されるよう
に成されている。そのため流通型原動機126のハウジング131は、前述のよ
うにその一端ではなくその各端部において1つのポンプに接続されるように変更
されている。ハウジング131の固着法は前述の方法と実質的に同様である。
さらに流通型原動機126は、各末端においてキャップまで半球形状に先細と
なる管134’を備えた管システム132’を有する。各半球形キャップの遠位
端は細長く成され、ポンプシャフトに固着する。一方の細長い半球形キャップは
下方ポンプ94’のシャフト106’に固着する。反対側の細長い半球形末端は
上方ポンプ128のシャフト136に固着する。ポンプシャフト106’および
136との固着法は前記のシステム90の場合と同様である。ポンピングされる
流体は上下の細長い半球形端部に形成された入口114’から管134’の中に
出入する。他の特徴において、流通型原動機126は前述の実施形態の流通型原
動機96と実質的に同様である。
前述のように、多くの先行技術の類似のポンピングシステムにおいては、原動
機はケーシングの中においてポンプの下方に配置される。流体はこのような先行
技術システムの中に、原動機とポンプとの間の入口から導入される。流体の流れ
効率の観点から、流体が原動機を通して流れないような構造が望ましい。ポンプ
は流体をケーシングを通して上方に推進するのであるから、原動機はポンプの下
方になければならない。
しかし第8図に図示のシステム124においては、流通型原動機126が使用
される。流体が原動機126を通して流れる事ができるので、この原動機はポン
プの上方にある事ができる。従って流通型原動機126はその両端において1つ
づつのポンプを駆動する事ができる。これはトルクを原動機126の両端の間に
分割するという利点を生じる。先行技術のシステムにおいては、原動機はその一
端のみにおいてポンプを駆動し、従って原動機軸の一端がトルク全部を供給する
必要がある。
しかしこのシステム124においては、トルクが原動機の両端の間に分割され
るので、先行技術と比較してさらに多用途のシステムが得られる。
最後に上方ポンプ128はシステム124の原動機126に達するケーブル1
02’また場合によっては導管122’を収容しなければならないので、上方ポ
ンプ128は下方ポンプ94’よりも狭い直径を有する事を注意すべきである。
しかし変更システム124は前述のような種々の利点を有し、二、三の用途にお
いて前述のシステム90よりも適当である。
本発明は前記の実施形態のみに限定されるものでなく、その趣旨の範囲内にお
いて任意に変更実施できる。例えば、流通型原動機96,126がインペラを含
む事ができよう。
流通型原動機96または126を使用する実施形態において、これらのシステ
ムは好ましくは少なくとも1つの水中遠心型井戸ポンプを含む。他の実施形態に
おいては、遠心型井戸ポンプの代わりに他の公知の型のポンプ、さらには将来開
発されるポンプさえも使用する事ができよう。さらに流通型原動機96,126
中の液圧軸受およびシールの代わりに、他の好ましい実施形態について記載した
他の型の軸受およびシールを使用する事ができよう。
第6図について記載の機構44は機構の管18’の外部の羽根(ベーン)型ま
たはブレード型インペラ48,50を使用する。他の実施形態において、ブレー
ド型インペラ48,50の代わりに他の型の公知インペラ、例えば遠心型インペ
ラまたは将来開発されるインペラさえも使用する事ができよう。
他の好ましい実施形態において、第2図の管56は第4図の管68と同様に首
部まで細くなった末端を有する事ができる。このようにして管を回転自在に搭載
するために、より小さな従ってより低コストの軸受(およびシール)を使用する
事ができよう。このような首部を有する管を使用する場合、管のハウジングは1
つの首部から他の管首部まで延在する管状凹部を有するように変更する事ができ
る。このようにして、導電性流体をポンピングする際に駆動機構を短絡から防護
するため、より小型の低コストの環状シールを使用する事ができよう。
前記の実施形態は少なくとも部分的に電磁石を使用し、相互磁気作用を生じる
ために各電磁石が鉄心を有する。他の実施形態においては、鉄心のない電磁石を
使用する事もできよう。
さらに他の実施形態においては、電磁石駆動システムの代わりに、空気式また
は油圧式駆動システムを使用する事ができる。例えば第3図および第6図の機構
10,44において、磁石を使用する代わりに、インペラを管の外側に、ハウジ
ングの管状凹部の中に取付け、次に管状凹部の一端の開口の中に流体を噴射し、
他方の開口においてこれを受ける事ができる。流体が管状凹部を通過する際に、
管の外側インペラに対して作用して管を回転させる。
前記の各実施形態は内部管を回転させるために、一体的インペラ/ポンプ−駆
動システム構造を使用する。さらに他の実施形態においては、管を回転させるた
めに他のシステムを使用する事ができる。例えば各実施形態のハウジングの中に
おいて管の一方の側面に取付けられたモータを使用し、このモータが歯車機構、
ローラ、ベルトまたは他の構造を介して管を回転させるようにする事ができよう
。これらの実施形態は管とモータとの間の機械的連結機構を必要とするという欠
点を有するが、なおも種々の利点がある。非制限的実施形態として、このような
機構は一般に、特にポンプシステムの駆動のために原動力を生じるように作動す
る。
本発明は前記の説明のみに限定されるものでなく、その趣旨の範囲内において
任意に変更実施できる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成11年6月10日(1999.6.10)
【補正内容】
請求の範囲
1.流体ポンピングシステムにおいて、
(a)原動ユニットであって、
(i)内側面に取付けられたステータを有するハウジングと、
(ii)縦方向軸線を有する管であって、実質的に前記縦方向軸線回
りに前記ハウジングに対して回転するように前記ハウジングの中に回転自在に設
けられた管と、
(iii)前記管を前記ハウジングに対して回転させるための磁力を
発生するために前記管の回りに配置された複数の磁石と、を含む原動ユニットと
、
(b)ポンピングユニットであって、前記管の回転に際して前記ポンピン
グユニットが前記管から機械的回転エネルギーを受けて前記ポンピングユニット
を作動するための原動力を生じ、前記ポンピングユニットは前記管と流体連通し
、前記システムが流体をポンピングする際に前記流体がまず一方の前記ユニット
を通して流れ、次に他方の前記ユニットを通して流れるように成されたポンピン
グユニットとから成る流体ポンピングシステム。
2.前記ポンピングユニットはこのポンピングユニット中に流体を受けるため
の吸引口と、流体を排出するための吐出口とを有し、前記吐出口が前記ポンピン
グユニットと前記管とを流体連通する事を特徴とする請求項1に記載のシステム
。
3.前記管に取付けられた少なくとも1つのインペラをさらに含み、前記イン
ペラは前記管が前記ハウジングに対して回転させられる時、流体を前記管を通し
て流れさせる事を特徴とする請求項1に記載のシステム。
4.前記管と前記ポンピングユニットが相互に流体連通するように直列に接続
され、前記システムが流体をポンピングする時、流体はまず前記ポンピングユニ
ットを通して流れ、次に前記管を通して流れる事を特徴とする請求項1に記載の
システム。
5.前記複数の磁石の少なくとも一部が永久磁石である事を特徴とする請求項
1に記載のシステム。
6.前記複数の磁石の少なくとも一部が電磁石である事を特徴とする請求項1
に記載のシステム。
7.もう1つのポンピングユニットをさらに含み、前記管は第1端部と前記第
1端部と反対側の第2端部とを含み、一方の前記ポンピングユニットが前記管の
前記第1端部に接続され、他方の前記ポンピングユニットが前記管の前記第2端
部に接続され、前記管と両方の前記ポンピングユニットが流体連通し、前記シス
テムが流体をポンピングする時に前記流体が両方の前記ポンピングユニットと前
記管とを通して流れる事を特徴とする請求項1に記載のシステム。
8.前記各ポンピングユニットがこのポンピングユニットの中に流体を受ける
ための吸引口と流体排出用の吐出口とを含み、一方の前記ポンピングユニットの
前記吸引口が前記管に接続され、他方の前記ポンピングユニットの前記吐出口が
前記管に接続される事を特徴とする請求項7に記載のシステム。
9.井戸から流体をポンピングするために、流体を含む井戸の中に配置される
システムにおいて、
(a)両端を有するポンプであって、その一端が前記井戸から前記ポンプの中
に流体を受けるための吸引口を有し、他端が前記ポンプから前記流体を排出する
ための吐出口を有し、前記システムが作動される時に、前記吐出口を前記吸引口
の上方に配置して前記井戸の中に配置されるように成されたポンプと、
(b)前記システムが作動される時に前記ポンプに対して機械的回転エネルギ
ーを供給する原動手段であって、吸引口と吐出口とを含み、この吸引口は前記ポ
ンプの前記吐出口と流体連通するように接続され、前記システムの作動する時、
前記ポンプから排出された流体が前記原動手段の前記吸引口に入り、前記原動手
段の前記吐出口から排出されるように成され、さらに、内側面にステータを取付
けたハウジングを含むように成された原動手段とを備えたシステム。
10.前記原動手段は前記ハウジングの中に回転自在に設けられた管を含み、
前記管が前記ポンプの前記吐出口と流体連通するように接続されている事を特徴
とする請求項9に記載のシステム。
11.前記原動手段に取付けられた少なくとも1つのインペラをさらに含み、
前記インペラは、前記管が前記ハウジングに対して回転させられる時、前記原動
手段を通して流体を流れさせる事を特徴とする請求項9に記載のシステム。
12.前記管は内側面と外側面とを有し、少なくとも1つのインペラが前記管
の前記内側面に取付けられ、少なくとも1つのインペラが前記管の前記外側面に
取付けられている事を特徴とする請求項10に記載のシステム。
13.前記原動手段は、回転自在に取付けられた管と前記管の回りに配置され
た複数の磁石とを含み、前記システムが作動される時、前記磁石が磁力を発生し
て前記管を回転させる事を特徴とする請求項9に記載のシステム。
14.前記ポンプおよび前記原動手段のスラスト荷重が前記ポンプの内部に配
置された単数または複数の軸受によって支持される事を特徴とする請求項9に記
載のシステム。
15.前記ポンプおよび前記原動手段のスラスト荷重が前記ポンプの外部に配
置された単数または複数の軸受によって支持される事を特徴とする請求項9に記
載のシステム。
16.両端を有する他のポンプをさらに含み、その一端が前記井戸から前記ポ
ンプの中に流体を受ける吸引口を有し、他端がこのポンプから前記流体を排出す
る吐出口を有し、前記原動手段が一方の前記ポンプの吐出口側と他方の前記ポン
プの前記吸引口側に取り付けられた事を特徴とする請求項9に記載のシステム。
17.原動力を供給する機構において、
(a)外壁を有するハウジングと、
(b)縦方向軸線と両端を有する管であって、実質的に前記縦方向軸線回りに
前記ハウジングに対して回転するように前記ハウジングの中に回転自在に設けら
れた管と、
(c)前記ハウジングに対して前記管を回転させるために前記ハウジング中に
おいて前記管に連結された駆動システムと、
(d)前記管に接続され、前記ハウジングの前記外壁を通って延在し、前記機
構から突出して他の装置に連結されるシャフト手段とを備えた機構。
18.前記管は両端を有し、前記シャフト手段は、他の装置に接続するため前
記ハウジングの前記外壁を通して延在する前記管の少なくとも一端を含む事を特
徴とする請求項17に記載の機構。
19.前記シャフト手段は前記管を支持するシャフトを含み、前記ハウジング
は前記管の回転を可能とするように前記シャフトを支持し、前記シャフトは他の
装置に接続するため前記ハウジングの前記外壁を通して延在する少なくとも一端
を含む事を特徴とする請求項17に記載の機構。
20.前記管の回りで前記ハウジングの中に取付けられた複数の磁石をさらに
含み、前記磁石が磁力を生じて前記管を前記ハウジングに対して回転させる事を
特徴とする請求項17に記載の機構。
21.前記複数の磁石の少なくとも一部が前記管に取付けられている事を特徴
とする請求項20に記載の機構。
22.前記管に対して取付けられた少なくとも1つのインペラをさらに備え、
前記管が前記ハウジングに対して回転させられる時、前記インペラが前記管を通
して流体を流れさせる事を特徴とする請求項17に記載の機構。
23.前記管は内側面と外側面とを有し、少なくとも1つのインペラが前記管
の前記内側面に取付けられ、少なくとも1つのインペラが前記管の前記外側面に
取付けられている事を特徴とする請求項17に記載のシステム。
24.流体ポンピング機構において、
(a)ハウジングと、
(b)縦方向軸線を有する管であって、実質的に前記縦方向軸線回りに
前記ハウジングに対して回転するように前記ハウジングの中に回転自在に設けら
れた管と、
(c)前記管を前記ハウジングに対して回転させるための磁力を発生す
るために前記管の回りに配置された複数の磁石と、
(d)前記機構を通して流体をポンピングするため前記管に取付けられ
た少なくとも1つインペラと、
(e)前記機構を通しての流体の流通路を画成するため前記ハウジング
の中に配置された流体流通路画成手段であって、前記流体の流通路は少なくとも
部分的に前記管の内部にあり、少なくとも部分的に前記管の外部にあり、前記流
体流通路画成手段は、前記ハウジングと前記管の前記外壁との間において前記管
の長さの少なくとも一部にそって延在するスペースを含み、前記機構が流体のポ
ンピングのために作動される時にこのスペースを通して流体が流れるように成さ
れた流体流通路画成手段とを備えた流体ポンピング機構。
25.前記管は側壁を含み、前記流体流通路画成手段が前記管の前記側壁の中
に画成された少なくとも1つの孔を含む事を特徴とする請求項24に記載の機構
。
26.前記管が内側面と外側面とを有し、少なくとも1つのインペラが前記管
の前記内側面に取付けられ、少なくとも1つのインペラが前記管の前記外側面に
取付けられている事を特徴とする請求項25に記載の機構。
27.流体ポンピング機構において、
(a)縦方向軸線を有し実質的にこの縦方向軸線回りに回転するように設け
られた管と、
(b)前記管を回転させるための磁力を発生するため前記管の回りに取付け
られた複数の磁石と、
(c)前記機構を通して流体をポンピングするために前記管に対して取付け
られた少なくとも1つのインペラと、
(d)前記管が内部に回転自在に取付けられたハウジングであって、前記機
構が流体をポンピングするように作動する際に前記ハウジングがその中に流体を
受けるための吸引口と、前記ハウジングから流体を排出するための吐出口とを有
し、前記吸引口と前記吐出口は前記ハウジングの中に、前記管の前記縦方向軸線
から離れてこの軸線と整列しない位置に画成されるハウジングとを備えた機構。
28.前記機構は流体のポンピングのために作動される際に、1つの表面上に
載置され、前記ハウジングは前記表面上に前記機構を支持するための少なくとも
1つの脚を含む事を特徴とする請求項27に記載の機構。
29.前記ハウジングは外壁を有し、前記機構は前記管に連結されるシャフト
手段をさらに含み、前記シャフト手段は、他の装置の接続のために前記ハウジン
グの前記外壁を通って延在し前記機構から突出する事を特徴とする請求項27に
記載の機構。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M
W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM
,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E
S,FI,GB,GE,HU,IL,IS,JP,KE
,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,
LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M
X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,
UG,US,UZ,VN