【発明の詳細な説明】
ピーク流量監視装置発明の背景
本発明はピーク呼気流量監視(即ち、観察し記録する)装置に関する。
ピーク呼気流量(PEFR)は数種の装置によって容易、かつ正確に検出可能
な肺機能の測定値である。PEFRの監視装置は技術的に専門家の援助がなくて
も、単純な構成で持ち運びできる装置を使用することにより協力的な被験者によ
って確かに記録可能であるので喘息の状態を監視する手段として認められてきた
。
多数のこれらの装置がPCT/GB96/01251号に記載されている。発明の要約
本発明によれば、流量監視装置は、信号発生器に亘って流体の所定の体積流量
が達成されるのに応じて信号を発生するようにされた信号発生器を組み込んだ流
体流路が形成された概ね中空の本体を含み、該本体は通気出口を形成した共鳴室
を画成するよう相互に対して回転可能に係合可能である第1と第2の本体シェル
からなり、該第1の本体シェルには口金によって構成される入口と少なくとも該
口金と通気出口との間を延在する流体流路とが形成され、上記監視装置は上記本
体シェルの相互に対する回転位置に応じて通気出口を大きくあるいは小さく閉塞
するようにされた閉塞器を含み、上記本体シェルが上記閉塞器を通気出口寸法の
所定の増分変化に設定するよう増分するにあたって相互に該本体シェルを錠止し
得るようにする錠止機構を含んでいる流量監視装置において、上記錠止機構が上
記本体シェルの一方に形成された多数のスプラインと他方の本体シェルに移動可
能に装着されたキーとを含み、該キーは上記本体シェルを相互に錠止するようス
プライン間の溝中へ軸線方向に移動するようにされていることを特徴とする。
本発明の好適形態において、出口を中に形成している共鳴室は主として第2の
本体シェルによって画成可能で、上記閉塞器は第1の本体シェルに組み込むこと
が可能で、本体シェルが相互に係合すると、共鳴室中へ延在し、相互に対する本
体シェルの回転位置に応じて通気出口を大きくあるいは小さく閉塞するようにな
し得る。
本発明のこの形態において、第1の本体シェルは入口シェルと呼称し、第2の
本体シェルは出口シェルと呼称する。
キーを備えた本体シェルには案内面を形成することが好ましく、キーは該案内
面に摺動可能に装架されているキー担持体上に装架されている。
本発明のこの形態において、キー担持体は本体シェル内に形成された相手側の
錠止開口に挿入され、そこに保持されるようにされた錠止ピンを含み得る。
閉塞器は円筒形が好ましく、シェルが相互に係合すると、出口シェル中へ延在
するようにされており、上記閉塞器の内側に延在する線は螺旋形になされ、相互
のシェルの回転位置に応じて通気口を大きくあるいは小さく閉塞するようにされ
ている。
本体シェルは、該本体シェルの一方に内部の軸線方向のスピンドルを、他方の
本体シェルに、その中にスピンドルを回転可能に装架し得るスピンドルマウント
を設けることによって相互に接続することができる。上記スピンドルとマウント
とは、それらの軸線方向の離脱が監視装置を破壊する以外には阻止されるように
相互に係合することが好ましい。図面の簡単な説明
図1はモニタ装置の出口端から見た、本発明によるモニタ装置の分解した斜視
図であり、
図2はモニタ装置の入り口端から見た、図1に示す装置の斜視図であり、
図3は図1の線3−3から見た断面図であり、
図4は図2の線4−4から見た断面図であり、
図5は(音発生器が無いが)出口端から見た、本発明の装置の(部分的に断面の)
端面図であり、
図6は図1に示す装置の出口本体シェルの側面図であり、
図7は図1に示す装置の錠止機構の一部の端面図であり、
図8は図7に示す錠止機構の一部の平面図であり、および
図9は図7に示す錠止機構の一部の部分的な下面図である。発明の実施例の説明
本発明の監視装置は該装置を通る絶対流量を測定するのでない点で流量計では
ない。その代わりに、本発明の装置は被験者のピークの呼気流量(PEFR)の
限界監視装置として意図した装置である。これは、被験者の所定の限界PEFR
の達成、あるいはその他の態様を監視することにより実行される。この意味で、
本発明の監視装置は診断用の限界値と比較して被験者の成し遂げたPFERを監
視するという点で限界監視装置である。
所定のPFERは被験者の予期される、すなわち予測されるPFERを測定し
た後で被験者に対して処方した処置プロトコルによって決まる診断用限界値であ
る。
本発明の監視装置10は一対の相互に係合する本体シェル12、14とリード
組立体(reed assembly)16によって構成される音発生器とを有するものであ
ることが判る。
シェル12は基本的に入口シェルであり、シェル14は下記する態様で相互に
接合される出口シェルである。
実際には、被験者は出来る限り息を吸い、次いで入口シェル12の入口端にお
ける口金18を構成する円筒形チューブを介して吹き出す、すなわち息を吐き出
す。被験者は通常、例えばつばを吐いたり、咳をしたり、あるいは口金を舌が塞
ぐことにより流れが中断するというような咳や激しい息の吐き出しをしないよう
指示されるが、以下判明するように、本発明の監視装置10はそのような激しい
呼気の流れから発生する不正確さが起こり得るのを最小にするよう設計されてい
る。
出口シェル14は、該出口シェル14の長さに亘って軸線方向に延在する通気
開口26が形成されている共鳴室46を密閉する外壁24によって構成されてい
る。リード組立体16のためのホーン形状の中央ハウジング22は共鳴室46内
で軸線方向に延在している。
シェル12、14は相互に接続するように意図されており、リード組立体16
はホーン形状のハウジング22中へ圧入されている。
口金18は円筒形の閉塞器20中へ延在している。該閉塞器の上縁部23は螺
旋状に切断されている。シェル12、14が接合されると、閉塞器20は出口シ
ェル14中へ延在し、通気開口26の壁に対する閉塞器20の上縁部の位置に応
じて大きくあるいは小さく通気開口26を閉塞し、該閉塞器の上縁部の位置の方
はシェル12、14の相互に対する回転度合いによって決まる。
被験者が口金18と出口シェル14とを通して息を吐くと、被験者の呼気の流
れの一部は通気出口26を通して逃げ、その一部はリード組立体16を通して導
かれる。出口シェル14に対して入り口シェル12を回転させることにより、螺
旋状の閉塞器20は通気開口26を大きくあるいは小さく閉塞し、そのため呼気
の流れがリード組立体16を通して導かれる程度を決める。もしも十分な流れが
リード組立体16を通して導かれるとすれば、音を発生する。
リード組立体16は非線形であり(線形の口笛は流量を2倍にするために音の
強度を合理的な精度で2倍にする(withr easonable accuracy double the sound
intensity)ようなものである)、リードの長さ、形状および質量は人間の聴覚
が最も敏感である周波数範囲内の音を発生させるよう選定される。リードは約1
000Hzのピッチで音を発生するようにされている。リードは非線形であるが
、本装置10は実際には螺旋状閉塞器を適切に設計することにより「線形化(lin
earlized)」することが出来る。
より重要なことは、リード組立体16はその流量の限界値を上回ると音を清澄
かつ急速に発生させることである。この点に関して、それは「オン」と「オフ」のい
ずれかであって、その間に何もないアナログ−デジタル装置と見なし得る。この
ために、リード組立体16は、各リードが同じ流量の限界値で作動するよう装置
間の変動が最小となるよう正確な公差で製造される。このため監視装置10毎に
較正する必要性を排除している。更に、リードは、例えば当該装置10を通して
滑らかな呼気の流れがあるのとは対照的に激しい呼気の間に発生し得る流量の大
きな変動による誤った音の発生を最小にするようリード組立体16の動的および
静的流量限界値が相互に近づくのを保証するような形状とされている。
特に図4を参照すれば、リード組立体16はハウジング22中へ圧入され、該
ハウジング22は出口シェル14の内部を下向きに延在し、リード組立体16の
外形とハウジング22の内径とは互いに補足し合う截頭円錐形である。リード組
立体16の入口端はハウジング22の入口端の内部へ開放しており、リード組立
体の出口端はハウジング22のホーン形状の口内で大気に対して外向きに開放し
ている。ホーン形状の口は、ハウジング22の周りで共鳴空洞46を形成してい
る外側シェル14と同様本装置10の可聴性を向上させる。
ハウジング22の入口端には横方向に延在する障壁44が形成されている。障
壁44は低域フィルタ(low pass filter)として作用し、リード組立体16に
おけるリードが、検査において過度に楽観的な結果を得ようとして被験者が激し
いあるいは衝撃的な流れを発生させる術を使用することにより作動するのを阻止
し易くする。
障壁44はホーン形状出口22の入口端に位置した障害プレートによって構成
されている。図5から判るように、障害プレート44の外形は入口端における出
口ホーン22の内径より僅かに小さく出口ホーン22に連動した呼気の流れを通
し易くする。
入口および出口シェル12、14には、該2個の部材12、14を相互に止め
ることのできる互いに補足し合う係合形成物が形成されている。
これらの係合形成物の1個は障壁44と一体である。口金18に面している側
において、障壁44には口金18内に形成されたハブ74内で回転可能に位置す
るような寸法とされた管状スピンドル72が設けられている。ハブ74は3個の
半径方向に延在するアーム76に担持されている。
スピンドル72はハブ74内で容易に回転可能であり、クリップ形成物を構成
している外向きに延在するフランジ78によって適所に保持されている。スピン
ドル72がハブ74内で適所に位置すると、フランジはハブ74の縁(rim)を
越えて突出する。スピンドル72はハブ74中へ挿入し易くするために3個所で
分割されている。
スピンドル72がハブ74から外れないようにするために、錠止突起80がス
ピンドル72の管状内部中へ圧入される。錠止突起80はスピンドル72を広げ
ないが、監視装置10を破壊することなくハブ74に対してスピンドル78が単
に外れないようにする寸法とされている。
スピンドル72およびハブ74の他に、係合形成物は外側シェル14の外壁2
4の係合端に形成された内向きのビード54と管状閉塞器20の外側の周りに周
方向に延在するように形成された外向きの溝56とを含んでいる。ビード54と
入口シェル14の係合端並びに溝56と閉塞器20とは入口および出口シェル1
2、14がビード54と共に止められ、溝56内で摺動可能に係合する寸法とさ
れている。ビード54と溝56とは本体シェル12、14を確実に容易に回転運
動させるように滑らかに仕上げられている。
通気開口26の縁部は出口シェル14の外壁24に接続された内向きの盲壁(
blanking wall)49によって囲まれている。盲壁49は共鳴室46中へ延在し
、閉塞器20の外面の上で近接して摺動する寸法とされていることによって閉塞
器と出口シェルの共鳴室46の外壁24との間の間隙を塞ぐ。
閉塞器20の円筒形の壁の基部には、該閉塞器20の周囲の周りに均等に配分
された多数のスプライン28が設けられている。スプライン28は本発明の監視
装置10の錠止機構の一部を形成する。
錠止機構はスプライン28間の溝中へ軸線方向に挿入するようにされたキー3
2を含む。
キー32はキー担持体34と一体であり、該キー担持体は使用時出口シェル1
4に形成された案内面36に装架されている。
この錠止機構は本体シェル12、14を相対回転しないよう錠止するためのも
のである。錠止機構は半永久的なものであり、そのため一旦適所に錠止されると
、錠止機構は監視装置10を壊さなければ解放することはできない。少なくとも
錠止機構は「非錠止(unlock)」が難しいものとする必要がある。
本発明の監視装置10において、錠止機構は案内面36とキー担持体34との
構造によって、解放が困難なようにしている。
図6から判るように、案内面36は外壁形成物38によって囲まれ、共鳴室4
6の壁24に形成された中央スロット42のいずれかの側で該共鳴室46の壁2
4に形成された一対の平行スロット40を含む。
キー担持体34が図7、図8、および図9に詳細に示されている。これらの図
において、キー担持体34は摺動プレート48を含み、該プレート48の下側か
らキー32と一対の摺動クリップ50とが垂下していることが判る。摺動クリッ
プ50は案内面36のスロット40中へ止まり、キー担持体34を案内面36内
で保持し、一方キー32は案内面36の中央のスロット42中へ嵌入する。
所定の回転位置において入口シェル12を出口シェル14に錠止することによ
り、螺旋状の閉塞器20は通気開口26に対して特定の位置に錠止されることに
よって有効な通気開口を決める。前述のように、通気開口は処置プロトコルによ
って決められる。
スプライン28は監視装置10を小さい増分で調整可能とする。
閉塞器20には出口シェル14に対して入口シェル12の最大回転位置におい
て対応する停止手段68を捕捉するよう位置している停止形成物66が設けられ
ている。
停止形成物64は監視装置10の最大「閉鎖」位置あるいは最大「開放」位置のい
ずれかにおいて停止手段68に当接する。
最大「閉鎖」位置において、閉塞器の上面23は、本体シェル12、14の回転
が許容されるにつれて通気開口26の最上側に近接する。最大「開放」位置におけ
る他方の最大回転位置において、閉塞器の上面23はシェル12、14の相対回
転が許容されるにつれて通気開口26の最下側に近接する。
使用時、医師は被験者の診断限界値を決定し、その時医師は装置10を組み立
てるか、あるいは入口および出口シェル10、12を相互に係合させて閉塞器2
0を被験者の処置プロトコルによって決められる位置に位置させて本装置10の
組立体によって被験者に指示を与える。上記装置10を組立し易くするために、
適切なマーク70を口金18に付けている。適切なマーク70は処置プロトコル
に従って合わされる。マーク70は流量の値の形態をとる。
被験者は単に家庭での監視項目を実行するだけでよく、被験者は流量の測定を
行なうべき時と、監視装置を使用する方法とを告げられる。
摺動クリップ50はキー担持体34を案内面36内で保持するクリップ形成物
50.1を含むが、キー32並びにスロット40、42は案内面36内でキー担
持体34を比較的容易に摺動できるようにする寸法とされている。
キー担持体34の摺動プレート48にはその下側で錠止タブ48.1を提供す
るよう脆弱としたV字形ライン58が形成されている。脆弱ライン58は錠止タ
ブ48.1が摺動プレート48の平面から簡単に折り曲げられ得るようにする。
この位置において、折り曲げられた錠止タブ48.1はキー32を入口本体シェ
ル12に形成されたスプライン28の遠位に位置させてキー担持体34を案内面
36に位置させ得るようにしているため錠止機構を簡単に組み立てできるように
している。
摺動プレート48の錠止タブ48.1には下向きに垂下した錠止ピン59が設
けられている。ピン59の目的は本体シェル12、14の正確な回転位置をセッ
トした後で案内面36内の適所にキー担持体34を錠止することである。
このことは、キー担持体34を口金18の方向に摺動することによって実行さ
れる。矢印60が所望の摺動を明確にするために摺動プレート48の上面に鋳込
まれている。
キー担持体34が前述のように適所へ摺動する前に、医師は被験者に対する処
置基準に従って本体シェル12、14の相互に対する正確な回転設定を選択する
。正確な回転設定が選定されると、キー担持体34は原位置へ摺動することによ
ってキー32は入口本体シェル12の閉塞器20に形成されたスプライン28間
の適切な溝と係合する。スプライン28の対面端(facing ends)は丸くされ、
キー32の先端はテーパが付され、双方ともがスプライン28間の溝中へキー3
2を入り易くしている。
キー32がスプライン28の間の適所にあると、摺動プレート48の錠止タブ
48.1は摺動プレート48の平面中へ折り返すことができる。
この作業を行なうためには、錠止ピン58が案内面36に形成されたソケット
64中へ圧入される。
錠止ピン59にはそれがソケット64中へ進入し得るようにするには若干の力
を必要とする拡大した頭59.1が形成されている。
錠止ピン59がソケット64で適所にあると、摺動プレート48の錠止タブ4
8.1は案内面の壁38内に保持される。摺動プレート48と案内面の壁38の
間の空隙は可能な限り小さくされる。こうすることによって、もしも、例えば、
ソケット64に錠止ピン59が保持されているのに対して錠止ピン48.1を持
ち上げることにより錠止機構を「解放」しようとしても摺動プレート上に何かを得
ることは困難であるようにする。
必要に応じて、本装置10は子供あるいは大人が使用するように予め構成して
おくことが可能である。前者の場合は、通気開口26のサイズは450リットル
/分までのピーク流量を許容するよう、一方後者の場合は、800リットル/分
までのピーク流量を許容しうるよう予め決めておくことができる。本装置は大人
の使用に対して便宜的に較正しておくことが可能で、かつ代替的に、あるいは追
加して、好ましくはホーン形状の出口22によって構成される壁において共鳴室
46内に1個以上の通気出口(図示せず)を形成しておくことが可能である。
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